JPH07138042A - ハライドガラス - Google Patents

ハライドガラス

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JPH07138042A
JPH07138042A JP28111293A JP28111293A JPH07138042A JP H07138042 A JPH07138042 A JP H07138042A JP 28111293 A JP28111293 A JP 28111293A JP 28111293 A JP28111293 A JP 28111293A JP H07138042 A JPH07138042 A JP H07138042A
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glass
ions
mol
halide
fiber
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JP28111293A
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Hiroaki Yanagida
裕昭 柳田
Hisayoshi Toratani
久良 虎溪
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Hoya Corp
Original Assignee
Hoya Corp
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Publication date
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C3/00Glass compositions
    • C03C3/32Non-oxide glass compositions, e.g. binary or ternary halides, sulfides or nitrides of germanium, selenium or tellurium
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C3/00Glass compositions
    • C03C3/32Non-oxide glass compositions, e.g. binary or ternary halides, sulfides or nitrides of germanium, selenium or tellurium
    • C03C3/325Fluoride glasses

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 小さい格子振動エネルギーを有し、かつ耐失
透性にすぐれ、製造が容易なハライドガラスを提供す
る。 【構成】 ガラスを構成する陽イオンとしてモル%表示
で、 In 15〜40% Ga 15〜40% ただし、In+Ga=35〜65% Cd 5〜40% Pb 10〜30% を含有し、陰イオンとしてFあるいはFおよび10モル
%以下のClを含有することを特徴とするハライドガラ
ス。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、可視から赤外域にわた
る波長領域において透明性を有し、小さい格子振動エネ
ルギーを持つハライドガラスに関する。
【0002】本発明のハライドガラスは可視から赤外域
において使用される各種光学機器に用いられるレンズ、
プリズム、フィルター等、あるいは光通信用、光計測
用、またはレーザー光伝送用光ファイバー等に利用され
る。また、発光種として希土類イオンを導入し、可視・
赤外域のレーザー材料としても利用される。
【0003】
【従来の技術】ガラスの長波長域の透過限界波長は、そ
のガラスのもつ格子振動エネルギーの大きさによって決
定される。すなわち、より小さい格子振動エネルギーを
もつガラスは、より長波長にその透過限界が存在する。
可視−中赤外域にかけて、良好な透過特性を有するガラ
ス材料として、フッ化ジルコニウム(ZrF4 )を主成
分とするフッ化物ガラスが知られている。このフッ化物
ガラスはすぐれた耐失透性を有するが、Zrイオンが比
較的小さい原子量をもつこと、また、高い原子価(4
価)をもつことから陰イオンを強く引きつけるという理
由から、格子振動エネルギーが550cm-1程度にあ
り、このため4〜5μm付近から吸収が生じ、これより
長波長域での使用が制限されるという欠点があった。
【0004】また、一般に、結晶又はガラスに希土類イ
オンを導入し、レーザー材料として利用する場合、その
多フォノン緩和による非輻射緩和速度(Wnr)は、次
式で示されることが知られている。
【0005】Wnr=Wnr(o)・exp[−α・Δ
E/(hw/2π)] ここで、Wnr(o),αは、その材料に特有な定数、
ΔEは発光準位とその直下の準位との間のエネルギー
差、hw/2πはガラスのもつ格子振動エネルギーであ
る。これら因子のうちガラス中のWnrに支配的なの
は、hw/2πである。いいかえれば、大きなhw/2
πをもつガラス中では、非輻射緩和速度が大きく、発光
の効率が小さくなってしまうということができる。
【0006】この理由から、ZrF4 を主成分とするガ
ラスは550cm-1程度のhw/2πをもつため、希土
類イオンの発光効率が小さいという欠点があった(R.
S. Doelら, Abstracts of 8th Int. Symposium on Hali
de Glasses, 1992, p.443-p.447を参照)。
【0007】これまでに、小さい格子振動エネルギーh
w/2πを持つガラスとして、特開昭60−15554
9号公報に示されたように、モル%表示で、 ZnF2 4〜48% PbF2 32〜63% GaF3 0〜34% InF3 0〜43% ただし、GaF3 +InF3 =17〜53%であり、 ZnF2 +PbF2 +GaF3 +InF3 ≧70%、 であるフッ化物ガラスが知られている。このフッ化物ガ
ラスは赤外域の透過特性に優れている。これは、このガ
ラスが小さい格子振動エネルギーを持つためである。こ
のため、希土類イオンの発光効率も前記のZrを主成分
とするフッ化物ガラスに勝る。
【0008】しかし、このガラスは熱的な安定性すなわ
ち耐失透性が十分でなく、大型で均質なガラスが得にく
いという欠点があった。
【0009】
【発明の目的】本発明は、上記欠点を除去するためなさ
れたものであり、小さい格子振動エネルギーを有し、か
つ耐失透性にすぐれたハライドガラスを提供することを
目的としている。
【0010】
【目的を達成するための手段】上記目的は、ガラスを構
成する陽イオンとしてモル%表示で、 In 15〜40% Ga 15〜40% ただし、In+Ga=35〜65% Cd 5〜40% Pb 10〜30% を含有し、陰イオンとしてFあるいはFおよび10モル
%以下のClを含有することを特徴とするハライドガラ
スによって達成された。
【0011】以下、本発明のハライドガラスを詳説す
る。
【0012】本発明のハライドガラスにおいて、In、
Gaイオンはガラスの骨格を形成する必須成分である。
Inイオンは15〜40%(以下、成分量はモル%表
示)、Gaイオンは15〜40%、また、In,Gaイ
オンの合量(In+Ga)は35〜65%である。In
イオンが40%を越えると、結晶化し易くなり安定なガ
ラスが得られにくくなる。また、15%に満たない場
合、融液が黄褐色に濁り易くなり、透明なガラスが得に
くくなる。Gaイオンが40%を越えると、融液が黄褐
色に濁り易くなり、透明なガラスが得にくくなる。ま
た、15%に満たない場合、結晶化し易くなり安定なガ
ラスが得られにくくなる。
【0013】またIn,Gaイオンの合量(In+G
a)が65%を越えると、均一な融液が得られにくく、
そのため均質なガラスが得られにくい。一方35%に満
たないと、ガラスが結晶化し易くなる。
【0014】本発明のハライドガラスにおいて、Cd,
Pbイオンは、ガラス骨格を修飾する必須成分である。
これらイオンが共存することにより溶融温度が下がり、
均一な融液が低温で得られるようになり、ガラスの耐失
透性を向上させる。その量はCdイオン5〜40%、P
bイオン10〜30%である。Cdイオン量が40%を
越える場合、結晶化し易くなり安定なガラスが得られに
くくなる。また、ガラスの耐候性が劣化する傾向があ
り、実用性が乏しくなる。また5%に満たない場合は、
結晶化し易くなり安定なガラスが得られにくくなる。P
bイオンが30%を越える場合、結晶化し易くなり安定
なガラスが得られにくくなる。また、10%に満たない
場合、原料の揮発が激しく、結晶化し易くなり安定なガ
ラスが得られにくくなる。
【0015】本発明のフッ化物ガラスは陰イオンとして
FまたはFおよびClを含有する。Clイオンを含有す
る場合、その量は10モル%以下である。この値を越え
た場合、結晶化し易くなり安定なガラスが得られにくく
なる。また、ガラスの耐候性が著しく劣化する傾向があ
り、実用性が乏しくなる。
【0016】以上、本発明のフッ化物ガラスの必須成分
およびその量的範囲について説明してきたが、本発明の
フッ化物ガラスにおいて、好ましい陰イオンの量は、 In 17〜35% Ga 17〜35% ただし、In+Ga=40〜65% Cd 7.5〜30% Pb 12〜30% である。
【0017】また、陰イオンとしてClイオンを含有す
る場合、好ましいClイオンの量は5%以下である。
【0018】さらに本発明のフッ化物ガラスには、ガラ
スの耐失透性を向上させる目的、あるいはガラスの特
性、すなわち屈折率、ガラス転移点などを調整する目的
のために、追加イオンを導入することができる。後者の
ような特性の調整は、このガラスを光学素子として、特
にファイバー化して利用する場合、重要な操作である。
これら追加イオンおよびその量を示すと次のとおりであ
る。
【0019】Li 0〜12% Na 0〜12%
K 0〜12% Cs 0〜12% Tl 0〜12% Mg 0〜 8% Ca 0〜23% Sr 0〜
23% Ba 0〜34% Zn 0〜28% Sn 0〜
34% Y 0〜12% La 0〜12% Gd 0〜
12% Lu 0〜12% Pr 0〜12% Nd 0〜12% Sm 0〜
12% Eu 0〜12% Tb 0〜12% Dy 0〜
12% Ho 0〜12% Er 0〜12% Tm 0〜
12% Yb 0〜12% Bi 0〜 9% Zr 0〜15% Hf 0〜
15% これら追加イオンのうち、ガラスの耐失透性を向上させ
る働きをもつイオンとしては、Na,K,Ca,Sr,
Ba,Zn,Sn,Y,La,Gd,Lu,Pr,N
d,Sm,Eu,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Y
b,Zr,Hf等が挙げられる。
【0020】また、上述の元素(イオン)の導入により
屈折率を変化させることができる。例えばガラスの屈折
率を上げようとするとき、Cdの一部をBiに置換した
り、あるいはGaの一部をCs,Tlに置換するなどの
方法が有効である。
【0021】また、ガラスの屈折率を下げようとする場
合、Pbの一部をLi,Na,K,Cs,Mg,Ca,
Sr,Ba,Zn,Sn,Y,La,Gd,Luに置換
する方法が効果がある。
【0022】これら追加イオンの合量は、0.01〜3
5%であるのが好ましい。これらイオンの合量が0.0
1%に満たない場合、耐失透性の向上あるいは特性の調
整の効果が小さく、一方35%を越えると結晶化しやす
くなる。
【0023】また、本発明のフッ化物ガラスは追加イオ
ンとして発光種である希土類イオンを導入した場合、そ
の発光を利用してレーザー材料として利用することがで
きる。このような発光希土類イオンは、Pr,Nd,S
m,Eu,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Ybであ
る。これら発光希土類イオン量は、0〜12%である。
12%を越えると、結晶化し易くなる。また、これら発
光希土類イオンの合量は、0.01〜12%である。合
量が0.01%に満たない場合、発光種のイオン密度が
低すぎるために、このガラスをレーザー発振や光増幅に
利用する際、低い励起効率しか得られず、結果として励
起に高いエネルギーが必要となるなどの理由で実用性が
乏しい。合量が12%を越える場合、結晶化し易くな
る。
【0024】本発明のハライドガラスは、後述する実施
例より明らかなように、小さい格子振動エネルギーを有
し、かつ耐失透性にすぐれているという特長を有する。
【0025】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に説明する。
【0026】実施例1 原料として、いずれも無水物のInF3 、GaF3 、C
dF3 、PbF2 、ZnF2 、LaF3 を用い、表1の
実施例1の欄に示した組成となるよう秤量、混合された
バッチ20gにNH4 HF2 を2g加え、混合した後、
カーボン製るつぼに入れ、アルゴンガスを雰囲気とし
て、約900℃で1時間加熱溶融した。その後るつぼを
とり出し、真ちゅう製の型に融液を流し込み、約250
℃に急冷固化し、そのまま徐冷を行い、25mmφ×3
mm厚のガラス円板を得た。このガラスの一部を破砕
し、35mgのガラス片を得、これを試料として、昇温
温度10℃/分にて、アルゴンガス雰囲気下でDSC
(走査型示差熱分析)測定を行った。その結果、このガ
ラスのガラス転移温度(Tg)は、245℃、結晶化開
始温度(Tx)は321℃であることが判った。このこ
とから、実施例1のフッ化物ガラスは、熱的安定性指標
のひとつとして知られるH′値として、147×10-3
の価をもち、良好な耐失透性を有することが確認され
た。なお、ここにH′は、下式により得られる値であ
る。
【0027】H′=(Tx(℃)−Tg(℃))/(T
g(℃)+273) (M. Saad and M. Poulain, Materials Science Forum
,19-20巻, 1987年 p.11-P.18参照) またこのガラスの一部を15mm×15mm×11mm
に成型し、両面を研磨して、光透過スペクトル測定を行
ったところ、図1に示すように可視域から10μm付近
までの良好な透過特性が確認された。また、この試料片
を用いてラマン散乱スペクトル測定を行い、そのスペク
トルのピークが500±5cm-1であり、格子振動エネ
ルギーが500cm-1付近にあり、小さい格子振動エネ
ルギーをもつことを確認した。
【0028】比較例1 原料として、ZrF4 、BaF2 、LaF3 、Al
3 、NaF、InF3 を用い、各成分が各々、モル%
表示で53%、20%、4%、3%、19.5%、0.
5%になるようにした以外は実施例1と同様にして、比
較例1のガラス(ZrF4 を主成分とする従来のフッ化
物ガラス)を得た。このフッ化物ガラスについて、実施
例1と同様にして、光透過スペクトル測定を行ったとこ
ろ、図1に点線で示すように、5μm付近から吸収があ
り、8μm付近が透過限界であることを確認した。
【0029】また実施例1と同様にして、DSC測定を
行い、Tgとして266℃、Txとして377℃を得、
その結果H′値206×10-3を得た。
【0030】さらに、実施例1と同様にしてラマン散乱
スペクトル測定を行い、そのスペクトルのピークが55
0cm-1付近にあることを確認し、このガラス格子振動
エネルギーが550cm-1付近にあり、長波長域での使
用が制限されることを確認した。
【0031】比較例2〜4 原料として、InF3 、GaF3 、CdF2 、Pb
2 、ZnF2 、LaF3を用い、表5に示した組成と
なるよう秤量・混合されたバッチ各20gを用い、実施
例1と同様にして比較例2〜4の各ガラスを得た。
【0032】注記すると、比較例2および4のガラス
は、In,Ga,それらの合量は本発明における量的限
定を満たすが、Cdを含まず、またPbが本発明におけ
るPbの上限を越えるガラスである。
【0033】また比較例3のガラスは、In,Ga,そ
れらの合量およびCdは本発明における量的限定を満た
すが、Pbが本発明におけるPbの上限を越えるガラス
である。
【0034】比較例2〜4のガラスについて、実施例1
と同様にDSC測定を行い、H′値として、次の値を得
た。
【0035】比較例2: 133×10-3 比較例3: 120×10-3 比較例4: 98×10-3 このことから比較例2〜4のガラスは、実施例1のガラ
スにくらべ耐失透性に劣ることが確認された。
【0036】また、比較例2〜4のガラスについて、実
施例1と同様にしてラマン散乱スペクトル測定を行っ
た。そのスペクトルのピークはいずれも500cm-1
近にあり、格子振動エネルギーが約500cm-1にある
ことが判った。
【0037】実施例2〜63 原料としてInF3 ,GaF3 ,CdF2 ,CdC
2 ,PbF2 ,PbCl2 ,ZnF2 ,LaF3 ,L
iF,NaF,KF,CsF,TlF,MgF2 ,Ca
2 ,SrF2 ,BaF2 ,SnF2 ,YF2 ,PrF
3 ,NdF3 ,SmF3 ,EuF3 ,GdF3 ,TbF
3 ,DyF3 ,HoF3 ,ErF3 ,TmF3 ,YbF
3 ,LuF3 ,BiF3 ,ZrF4 ,HfF4 を用い、
表1から表10に示した組成となるよう秤量・混合され
たバッチ各20gを用い、実施例1と同様の方法で実施
例2〜63の各ガラスを得た。
【0038】また、実施例1と同様にしてDSC測定を
行い、H′値を求めた。各ガラスのH′値は、表に示し
たようにいずれも140×10-3以上であり、比較例2
〜4のガラスに比べ、耐失透性が優れていることが確認
された。
【0039】また、これら実施例のガラスのいくつかに
ついてラマンスペクトル測定行ったところ、いずれもそ
のピークは500±5cm-1付近にあり、格子振動エネ
ルギーが500±5cm-1付近にあることを確認した。
【0040】
【表1】
【0041】
【表2】
【0042】
【表3】
【0043】
【表4】
【0044】
【表5】
【0045】
【表6】
【0046】
【表7】
【0047】
【表8】
【0048】
【表9】
【0049】
【表10】
【0050】実施例64 コアガラスとして実施例2の組成のLaF3 の一部
(0.04モル%)をPrF3 に置換した組成のガラス
20gを実施例1と同様にして得た。クラッド用ガラス
として実施例11の組成のガラス50gを同様の操作で
5枚作製した。これらのガラスを用い押し出し成形法に
よってプリフォームを作製した。その詳細は以下のとお
りである。
【0051】プリフォームの作製は、図2及び図3に示
すような押し出し成形装置により行った。まず5枚のク
ラッド用ガラス1のそれぞれの両面とコア用ガラス2の
一面(片面)をλ/2以上の面精度で研磨し、クリーン
ブース内でガラスの研磨面をオプティカルコンタクトさ
せた後、内径約35mmのシリンダー3内にコア用ガラ
ス2が押し出しパンチ4側に位置するようにガラス1、
2を入れ、300℃まで加熱した。そして、図3に示す
ように押し出しパンチ4に50barの圧力を加え成形
部5の直径5mmφの成形穴5aから二層構造のロッド
状ガラスをライナー部6に沿って押し出し、プリフォー
ムを得た。
【0052】得られたプリフォームは、クラッド径5.
4mmφ、コア径0.17mmφ、長さ120mmであ
った。
【0053】このようにして得られたプリフォームを線
引きし、外径125μmのファイバーを得た。ファイバ
ーは、長さ8m、コア径4μm、コア−クラッド間屈折
率差(Δn)0.8%、カットオフ波長1μmであっ
た。
【0054】このファイバーの1.3μm帯光増幅特性
を図4に模式的に示す装置で測定した。図4中の参照数
字の説明は以下のとおりである。
【0055】7:1.02μm励起光源、8:1.31
μm信号光源、9:ハーフミラー、10:集光レンズ、
11,12:励起光,信号光導光用石英ファイバー、1
3:試験用ファイバー、14:光スペクトラムアナライ
ザ。
【0056】また、図中の点線は、光(励起光,信号
光)の進行を模式的に示すものである。
【0057】光信号増幅の測定は次のような方法で行っ
た。信号光源8からの1.31μm信号光と励起光源7
からの1.02μm励起光とを、ハーフミラー9を介し
て合波した後、集光レンズ10により集光し、導光用石
英ファイバー11に入射する。この導光用石英ファイバ
ー11の末端を試験用ファイバー13の端面につき合わ
せて信号光と励起光とを同時に試験用ファイバー13に
入射することができる。試験用ファイバー13から出力
される光出力は、試験用ファイバー13の末端につき合
わせた導光用石英ファイバー12によって導かれ、光ス
ペクトラムアナライザ14に入力される。光スペクトラ
ムアナライザ14は、信号光の強度、波長等を測定す
る。このような光学系を用い、励起光のオン,オフ時に
おける信号光強度を測定し、利得を求めた。
【0058】なお、このような手法は、特開平5−63
285号公報や特開平5−29698号公報などで詳し
く説明されているが、ファイバーによる光信号増幅測定
法として一般的なものである。
【0059】この測定により、励起光100mWの入力
に対し、5dBの1.31μm光増幅が得られた。
【0060】比較例5 実施例64と比較するために、同様の方法でコア用ガラ
スに0.04モル%のPrF3 をドープしたZBLAN
(ZrF4 −BaF2 −LaF3 −AlF3 −NaF)
系フッ化物ガラスファイバーを作製した。なお用いたコ
ア用ガラスとクラッド用ガラスの組成は以下のとおりで
ある。
【0061】 コア用ガラス クラッド用ガラス ZrF4 51 39.75 HfF4 − 13.25 BaF2 23 18 LaF3 4 4 AlF3 3 3 NaF 18 22 PbF2 1 − PrF3 0.04 − (モル%) ファイバーは、外径125μm、コア径4μm、コア−
クラッド間屈折率差(Δn)0.8%、長さ8m、カッ
トオフ波長1μmであった。このファイバーの1.31
μm帯光増幅特性を実施例64と同様に測定したとこ
ろ、100mWの入力に対し、3.5dBの増幅しか得
られなかった。
【0062】実施例64と比較例5との比較で明らかな
ように、本発明のフッ化ガラス中では希土類イオンの非
輻射緩和速度が抑えられ、発光の効率が高まることが確
認された。
【0063】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のハライド
ガラスは、従来知られているZrF4を主成分とするガ
ラスより小さい格子振動エネルギーを有している。ま
た、従来知られている、InF3 および/またはGaF
3 を多く含むガラスよりも、さらに耐失透性に優れてい
る。これらの点から本発明のハライドガラスは、近赤外
〜赤外域にて用いられる光学材料として、また可視−赤
外域のレーザー材料としての応用が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1、および比較例1のガラス材
料の光透過率曲線図である。
【図2】ガラスプリフォーム成形に用いる押し出し成形
装置においてコア用ガラスおよびクラッド用ガラスを装
着した状態を示す説明図である。
【図3】ガラスプリフォーム成形に用いる押し出し成形
装置においてガラスを押し出している状態を示す説明図
である。
【図4】本発明の実施例64および比較例5のガラスフ
ァイバーの光増幅測定装置の説明図である。
【符号の説明】
1 クラッド用ガラス 2 コア用ガラス 3 シリンダー 4 押し出しパンチ 5 成形部 5a 成形穴 6 ライナー部 7 励起光源 8 信号光源 9 ハーフミラー 10 集光レンズ 11,12 導光用石英ファイバー 13 試験用ファイバー 14 光スペクトラムアナライザ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガラスを構成する陽イオンとしてモル%
    表示で、 In 15〜40% Ga 15〜40% ただし、In+Ga=35〜65% Cd 5〜40% Pb 10〜30% を含有し、 陰イオンとしてFあるいはFおよび10モル%以下のC
    lを含有することを特徴とするハライドガラス。
  2. 【請求項2】 ガラスを構成する陽イオンとしてモル%
    表示で、 In 17〜35% Ga 17〜35% ただし、In+Ga=40〜65% Cd 7.5〜30% Pb 12〜30% を含有し、 陰イオンとしてFあるいはFおよび5モル%以下のCl
    を含有する、請求項1に記載のハライドガラス。
  3. 【請求項3】 ガラスを構成する陽イオンとしてモル%
    表示で、 Li 0〜12% Na 0〜12% K 0〜
    12% Cs 0〜12% Tl 0〜12% Mg 0〜 8% Ca 0〜23% Sr 0〜
    23% Ba 0〜34% Zn 0〜28% Sn 0〜
    34% Y 0〜12% La 0〜12% Gd 0〜
    12% Lu 0〜12% Pr 0〜12% Nd 0〜12% Sm 0〜
    12% Eu 0〜12% Tb 0〜12% Dy 0〜
    12% Ho 0〜12% Er 0〜12% Tm 0〜
    12% Yb 0〜12% Bi 0〜 9% Zr 0〜15% Hf 0〜
    15% を更に含有し、かつ、これらイオンの合量が0.01〜
    35モル%である、請求項1または2に記載のハライド
    ガラス。
  4. 【請求項4】 ガラスを構成する陽イオンとしてモル%
    表示で、 Pr 0〜12% Nd 0〜12% Sm 0〜
    12% Eu 0〜12% Tb 0〜12% Dy 0〜
    12% Ho 0〜12% Er 0〜12% Tm 0〜
    12% Yb 0〜12% を更に含有し、かつ、これらイオンの合量が0.01〜
    12モル%である、請求項1〜3のいずれか一項に記載
    のハライドガラス。
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