JPH05208847A - フツリン酸塩レーザーガラス導波路 - Google Patents

フツリン酸塩レーザーガラス導波路

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JPH05208847A
JPH05208847A JP4038576A JP3857692A JPH05208847A JP H05208847 A JPH05208847 A JP H05208847A JP 4038576 A JP4038576 A JP 4038576A JP 3857692 A JP3857692 A JP 3857692A JP H05208847 A JPH05208847 A JP H05208847A
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glass
ion
laser
core
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JP4038576A
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Etsuko Ishikawa
悦子 石川
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    • C03C3/23Silica-free oxide glass compositions containing halogen and at least one oxide, e.g. oxide of boron
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    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
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    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ガラスの安定性が高く、実用に十分耐え得る
優れた耐候性を有し、かつレーザー発振波長1.3μm
帯で、十分大きな利得を有しレーザー増幅特性の優れた
レーザーガラス導波路を提供することである。 【構成】 ガラスを構成する陽イオンの割合がmol%
表示でPイオン10〜60%、Alイオン1〜42%、
Baイオン0〜23%、Srイオン0〜23%、Caイ
オン0〜30%、Mgイオン0〜23%、Znイオン0
〜23%、Pbイオン0〜10%、ただしBa、Sr、
Ca、Mg、Zn及びPbの各イオンの合計量が9〜6
5%、Ndが0.0001〜3%であり、かつガラスを
構成する陰イオンとしてOイオンとFイオンとを含むフ
ツリン酸塩レーザーガラスをコアとして用いたことを特
徴とするフツリン酸塩レーザーガラス導波路。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はフツリン酸塩系のレーザ
ーガラス導波路に関する。本発明のレーザーガラス導波
路を使用したレーザー増幅装置は光通信、特に波長1.
3μm帯の光増幅等に好ましく使用される。
【0002】
【従来の技術】従来、レーザー発振波長1.3μm帯の
レーザーガラス導波路としては、エレクトロニクス レ
ターズ、1990年8月16日発行、第26巻第17号
(Electronics Letters vol.
26 No.17)の1397〜1398頁に、レーザ
ー活性イオンとしてNdイオンをコアガラスにドープし
たZrF4 −BaF2 −LaF3 −AlF3 −NaF系
のフッ化物ガラスファイバーが知られている。
【0003】同書によれば、このフッ化物ガラスファイ
バーは、コア径6.5μm、クラッド径125μm、N
dイオン含有量2000ppm、及び長さ2mのもの
が、最大利得5.5dBで得られることが記載されてい
る。また、前記のフッ化物ガラスファイバー以外に、レ
ーザー発振波長1.3μm帯のレーザーガラス導波路と
しては、レーザー活性イオンとしてNdイオンをコアガ
ラスにドープしたケイ酸塩ガラスファイバーやリン酸塩
ガラスファイバー等が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記のフッ化
物ガラスファイバーでは、レーザー発振波長1.3μm
帯の誘導放出断面積は小さく、利得が充分に大きいとは
いえない。また、フッ化物ガラスはガラスとして不安定
であり、粘性曲線の温度係数が大きいことからファイバ
ーの作製上特にシングルモードファイバーの作製が容易
でなく、さらに耐候性が著しく劣る等の問題点がある。
【0005】また、前記のケイ酸塩ガラスファイバーや
リン酸塩ガラスファイバーでは、レーザー発振波長1.
3μm輻射遷移に対応する上準位吸収があり、これがホ
ストガラスに大きく依存するために、大きい利得が得ら
れないという問題点がある。本発明は、上記問題点を鑑
みてなされたものであり、その目的は、ガラスの安定性
が高く、実用に充分耐え得る優れた耐候性を有し、かつ
レーザー発振波長1.3μm帯で、十分大きな利得を有
しレーザー増幅特性の優れたレーザーガラス導波路を提
供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記目的を
達成すべく鋭意研究を重ねた結果、前記のフッ化物ガラ
スファイバーやリン酸塩ガラスファイバー等ではレーザ
ー発振波長1.3μm帯での利得が小さいのにもかかわ
らず、所定の組成を有するフツリン酸レーザーガラスは
レーザー発振波長1.3μm帯の利得が高いことを発見
し、また、このフツリン酸レーザーガラスを導波路と
し、狭いコア内に光を閉じ込めて大きな励起密度を得る
ことによって、優れたレーザー増幅特性を示すレーザー
ガラス導波路が得られることを見出し、本発明を成すに
到った。
【0007】すなわち、本第1の発明のフツリン酸塩レ
ーザーガラス導波路は、ガラスを構成する陽イオンとし
て、Pイオンと、Alイオンと、Baイオン、Srイオ
ン、Caイオン、Mgイオン、Znイオン及びPbイオ
ンからなる第1群より選択される少なくとも1種と、N
dイオンと、を含み、前記陽イオン中の各陽イオンの割
合がmol%表示でPイオン10〜60%、Alイオン
1〜42%、Baイオン0〜23%、Srイオン0〜2
3%、Caイオン0〜30%、Mgイオン0〜23%、
Znイオン0〜23%、Pbイオン0〜10%、前記第
1群の陽イオンの合計量9〜65%、Ndイオン0.0
001〜3%であり、かつガラスを構成する陰イオンと
してOイオンとFイオンとを含むフツリン酸塩レーザー
ガラスをコアとして用いたことを特徴とする。
【0008】また、本第2の発明のフツリン酸塩レーザ
ーガラス導波路は、上記第1の発明のフツリン酸塩レー
ザーガラスの必須成分に加えて、フツリン酸塩レーザー
ガラスを構成する陽イオンとして、Liイオン、Naイ
オン及びKイオンからなる第2群より選択される少なく
とも1種と、Laイオン、Yイオン、Gdイオン、Si
イオン、Bイオン、Zrイオン及びTaイオンからなる
第3群より選択される少なくとも1種と、を含み、前記
陽イオン中の各陽イオンの割合がmol%表示でLiイ
オン0〜40%、Naイオン0〜35%、Kイオン0〜
10%、前記第2群の陽イオンの合計量0〜50%、前
記第3群の陽イオンの合計量0〜6%であることを特徴
とする。
【0009】さらに、本第3の発明のフツリン酸塩レー
ザーガラス導波路は、ガラスを構成する陽イオンとし
て、Pイオンと、Alイオンと、Baイオン、Srイオ
ン、Caイオン、Mgイオン、Znイオン及びPbイオ
ンからなる第1群より選択される少なくとも1種と、を
含み、前記陽イオン中の各陽イオンの割合がmol%表
示でPイオン5〜62%、Alイオン1〜42%、Ba
イオン0〜23%、Srイオン0〜23%、Caイオン
0〜30%、Mgイオン0〜23%、Znイオン0〜2
3%、Pbイオン0〜10%、前記第1群の陽イオンの
合計量9〜65%であり、かつガラスを構成する陰イオ
ンとしてOイオンとFイオンとを含むフツリン酸塩ガラ
スを、被覆ガラスとして、前記本第1または第2の発明
のフツリン酸塩レーザーガラスであるコアに被覆されて
いることを特徴としている。
【0010】また、本第4の発明のフツリン酸塩レーザ
ーガラス導波路は、上記の被覆ガラスとしてのフツリン
酸塩ガラスの必須成分に加えて、フツリン酸塩ガラスを
構成する陽イオンとして、Liイオン、Naイオン及び
Kイオンからなる第2群より選択される少なくとも1種
と、Laイオン、Yイオン、Gdイオン、Siイオン、
Bイオン、Zrイオン及びTaイオンからなる第3群よ
り選択される少なくとも1種と、を含み、前記陽イオン
中の各陽イオンの割合がmol%表示でLiイオン0〜
40%、Naイオン0〜35%、Kイオン0〜10%、
前記第2群の陽イオンの合量0〜50%、前記第3群の
陽イオンの合量0〜6%であることを特徴としている。
【0011】以下、上記コアガラス及び被覆ガラスとし
たレーザーガラスの組成の限定理由を述べる。ここでコ
ア(ガラス)は、主に光を伝播、増幅する部分であれば
良く、光ファイバーのコアに限定されない。Pイオンは
ガラス骨格を形成する成分であり、5%未満ではガラス
化が困難であり、62%を超えると耐失透性が低下す
る。またPイオンは、10%未満ではNdイオンの誘導
放出の線強度が小さく、十分大きな利得を与えず、また
60%を超えるとNdイオンの上準位吸収の線強度が増
し、利得を小さくする。したがって、コアガラスの場合
のPイオンの含有量は10〜60%(好ましくは14〜
45%)に限定され、被覆ガラスの場合のPイオンの含
有量は5〜62%(好ましくは14〜45%)に限定さ
れる。
【0012】Alイオンは量産及びファイバー化を行う
のに十分な耐失透性(ガラスの安定性)を維持し、耐候
性を向上させる有効な成分であるが、1%未満ではその
効果が得にくく、42%を超えるとガラスの溶融性が低
下する。したがって、Alイオンの含有量は1〜42%
(好ましくは1〜36%)に限定される。
【0013】Baイオン、Srイオン、Caイオン、M
gイオン、Znイオン及びPbイオンからなる第1群よ
り選択される少なくとも1種の陽イオンは、ガラス中へ
のフッ素の添加を容易にし、また量産及びファイバー化
を行うのに十分な耐失透性を維持し、かつ耐候性を向上
させる有効な成分である。しかしながら、Baイオン、
Srイオン、Caイオン、Mgイオン、Znイオン及び
Pbイオンは、それぞれ順に23%、23%、30%、
23%、23%及び10%を超えると失透しやすくなる
ため、Baイオン、Srイオン、Caイオン、Mgイオ
ン、Znイオン及びPbイオンの含有量は、それぞれ順
に、0〜23%、0〜23%、0〜30%、0〜23
%、0〜23%及び0〜10%に限定される。また、前
記第1群の陽イオンは、その合計量が、9%未満ではガ
ラス化しにくく、65%を超えると失透しやすくなる。
したがって、前記第1群の陽イオンの合計量は、9〜6
5%(好ましくは14〜60%)に限定される。
【0014】また、Liイオン、Naイオン及びKイオ
ンからなる第2群より選択される少なくとも1種の陽イ
オンは、溶融温度を下げ、かつ粘性を下げる成分であ
る。しかしながら、Liイオン、Naイオン及びKイオ
ンは、それぞれ順に、40%、35%及び10%を超え
ると耐候性が低下するため、Liイオン、Naイオン及
びKイオンの含有量は、それぞれ順に、0〜40%、0
〜35%及び0〜10%に限定される。また、前記第2
群の陽イオンは、その合計量が50%を超えると耐候性
が低下する。したがって、前記第2群の陽イオンの合計
量は0〜50%に限定される。
【0015】さらに、Laイオン、Yイオン、Gdイオ
ン、Siイオン、Bイオン、Zrイオン及びTaイオン
からなる第3群より選択される少なくとも1種の陽イオ
ンは、透過率特性に影響を与えることなく耐摩耗性を改
善する成分であるが、その合計量が6%を超えるとガラ
スが失透しやすくなる。したがって、前記第3群の陽イ
オンの合計量は0〜6%に限定される。特に、Laイオ
ンとYイオンについては、その合計量で0〜4%とする
ことがガラスの耐失透性に対して好ましい。
【0016】さらに、コアガラスの必須成分としたNd
イオンは、レーザー活性イオンであり、0.0001%
未満ではレーザー発振・増幅が難しく、3%を超えると
蛍光の濃度消光によりレーザー発振・増幅が難しくな
る。したがってNdイオンの含有量は0.0001〜3
%に限定される。
【0017】さらに陰イオンにおいては、Oイオンとと
もにFイオンを含有させるが、Fイオンは原料組成にお
いて20%未満では耐候性及びガラスの安定性が著しく
劣るとともにNdイオンの上準位吸収の線強度が増し、
大きい利得が得にくくなる。また、Fイオンは原料組成
において90%を超えると、Ndイオンの誘導放出の線
強度が小さくなり、十分大きな利得を与えない。したが
って、原料組成におけるFイオンの含有量は20〜90
%(好ましくは25〜90%)とすることが望ましい。
逆に、原料組成におけるOイオンの含有量は10〜80
(好ましくは10〜75%)とすることが望ましい。
【0018】本発明のフツリン酸塩レーザーガラス導波
路では、被覆ガラス(レーザーガラス導波路がファイバ
ーのときはクラッドガラスのことである)の屈折率がコ
アガラスの屈折率より低くなければならないが、このよ
うな特性を有する被覆ガラスの組成を作成するために
は、コアガラスの組成のNdイオンをすべてAlイオン
に置換した後に、例えば次の〜のうち1つまたは2
つ以上の操作を行えばよい。
【0019】 BaイオンをSrイオン、Caイオン
またはMgイオンで0〜23%置換する。 ZnイオンをBaイオン、Srイオン、Caイオン
またはMgイオンで0〜23%置換する。 PbイオンをZnイオン、BaイオンをSrイオ
ン、CaイオンまたはMgイオンで0〜10%置換す
る。 LiイオンをNaイオンで0〜30%置換する。 ただし、上記置換の合計量は1.5〜30%とすること
が好ましい。
【0020】
【実施例】以下、フツリン酸塩レーザーガラス導波路の
一例として、ファイバーとしたときの実施例を挙げて本
発明をさらに説明するが、本発明はこれらの実施例に限
定されるものではない。本実施例においては、まず、コ
アガラス及びクラッドガラスの耐候性テストでガラスの
表面に変質が見られるまでの時間と、コアガラスのレー
ザー発振波長1.3μm帯の光増幅器の利得の指標を与
えるパラメータmと、ファイバー化したときの比屈折率
差△とをそれぞれ測定した。
【0021】なお、レーザー発振波長1.3μm帯の光
増幅の利得の指標を与えるパラメータmとは、IEEE
ジャーナル オブ クオンタム エレクトロニクス、
1975年4月発行、第QEー10巻第4号(IEEE
Journal of Quantum Elect
ronics vol.QEー10 NO.4)の第4
50頁に記載されたジョルト・オファー(JoltーO
ffer)の理論に基づいて計算される、1.3μm帯
の誘電放出線強度S1 (emission)と、上準位
吸収の線強度S2 (ESA)と誘電放出断面積σとから
下記(1)式によって表された指標のことであり、ここ
でmが大きいほど、光増幅で高利得を与える。 m=(1−S1 /S2 )×σ (1)
【0022】また、耐候性テストとは、温度約65℃、
相対湿度90%の恒温恒湿条件下に表面を研磨したガラ
スを保持し、一定時間毎にガラスの表面状態を観察し、
ガラスの表面に変質が見られるまでの時間で示したもの
である。また、比屈折率差△とは、日本光学硝子工業会
企画JOGIS−1975に基づいて測定したd線のク
ラッドの屈折率n1 とコアの屈折率n2 を用いて下記
(2)式(単位%)によって表されたものであり、ここ
で導波路構造をとるためには、△が0.4%以上である
ことが望ましい。 △=(1−n1 /n2 )×100 (2)
【0023】(実施例1)コアガラス(レーザーガラ
ス)の出発原料として、P2 5 、AlF3 、Mg
2 、CaF2 、SrF2 、BaF2 、LiF、NaF
及びNdF3 を用い、表1に示すように原料組成物の陽
イオン成分がmol%表示でPイオン26.0%、Al
イオン16.0%、Mgイオン6.4%、Caイオン1
1.9%、Srイオン11.6%、Baイオン8.0
%、Liイオン7.2%、Naイオン12.4%、Nd
イオン0.4%となるように調合して、バッチを得た。
次いで、得られたバッチを白金または非晶質カーボン製
坩堝に入れて、蓋をし、800〜1000℃で1時間、
上記バッチを加熱して溶解し、攪拌して脱泡、均質化を
行った後、予熱した金型に鋳込み徐冷することによって
コアガラスを得た。
【0024】この様にして得られたコアガラスをICP
発光分析装置で陽イオンの含有量の分析を行った。この
結果、各陽イオンの割合は、mol%表示で、Pイオン
25.1%、Alイオン17.5%、Mgイオン6.9
%、Caイオン12.6%、Srイオン11.6%、B
aイオン8.0%、Liイオン7.9%、Naイオン1
3.3%、Ndイオン0.4%とほぼ一致していた。ま
た、前記のコアガラスの耐候性テストの結果、ガラスの
表面に変質が見られるまでの時間が約966時間とな
り、このコアガラスは耐候性に優れていることが確認で
きた。さらに、パラメータmは1.0となり、前記コア
ガラスはレーザー発振波長1.3μm帯の光増幅で高利
得を与えることが確認できた。
【0025】次に、クラッドガラスの出発原料としてP
2 5 、AlF3 、MgF2 、CaF2 、SrF2 、B
aF2 、LiF及びNaFを用い、原料組成物の陽イオ
ン成分がmol%表示でPイオン26.0%、Alイオ
ン16.4%、Mgイオン8.6%、Caイオン11.
9%、Srイオン11.6%、Baイオン3.3%、L
iイオン7.2%、Naイオン15.0%となるように
調合して、バッチを得た。
【0026】次いで、得られたバッチを白金または非晶
質カーボン製坩堝に入れて、蓋をし、800〜1000
℃で1時間、上記バッチを加熱して溶解し、攪拌して脱
泡、均質化を行った後、予熱した金型に鋳込み徐冷する
ことによってクラッドガラスを得た。この様にして得ら
れたガラスの耐候テストの結果、ガラスの表面に変質が
見られるまでの時間が約945時間となり、このガラス
は耐候性に優れていることが確認できた。
【0027】続いて、ガラスファイバーの作製方法及び
特性について記す。前述の様にして得られたコアガラス
(レーザーガラス)を外径33mmφ、長さ2〜50m
mのロッド状に研磨加工して、押し出し成形法によって
プリフォーム化し、このプリフォームを外径33mφ、
長さ10〜50mmに研磨加工したクラッドガラスの中
央部に挿入し、再度押し出し成形を行うことでシングル
モールド用プリフォームを得た。このプリフォームは極
めて、界面からの異物散乱が少なかった。このプリフォ
ームを線引炉内にセットしてから540℃まで昇温し、
線引速度10m/minで線引してドラムに巻き取り、
コア径5.8μm、クラッド径125μmのガラスファ
イバーを得た。本実施例のコアガラス及びクラッドガラ
スは安定性が良く、線引操作は円滑に行われ、約500
mmという長尺なガラスファイバーが得られた。また、
このガラスファイバーの比屈折率差△はバルクにおける
d線のクラッドガラスの屈折率1.47195とコアガ
ラスの屈折率1.47899から前記(2)式に基づい
て求めたが、0.7%と導波路構造として望まれる0.
4%より十分に大きいものであった。
【0028】次に、上記ガラスファイバーを用いたファ
イバーレーザー増幅装置と、この装置で得られたレーザ
ー増幅特性を示す。図1は本実施例のガラスファイバー
を用いたレーザー増幅装置を示したものである。図1に
おいて、ガラスファイバー3はレーザー媒質であるコア
1とそれを取り囲んでいるクラッドガラス2で構成され
ており、ガラスファイバー3の全長は15mmである。
このガラスファイバー3の両端面は光学研磨され、この
両端面にはそれぞれ石英ファイバー4と石英ファイバー
5が取りつけられている。この石英ファイバー4はコア
径10μmφのコア4’とそれを取り囲んでいるクラッ
ドガラス4”とで構成されており、石英ファイバー5は
コア径400μmφのコア5’とそれを取り囲んでいる
クラッドガラス5”とで構成されている。なお、図1に
おいては、これらガラスファイバー3、石英ファイバー
4および石英ファイバー5の図を拡大して記載してい
る。
【0029】励起光源6としては、レーザーダイオード
が用いられ、この励起用レーザーダイオード光は810
mmで発振し、信号光源7としては波長可変レーザーダ
イオードが用いられ、この信号用レーザーダイオード光
は1290〜1350nmで発振し、これらの光をハー
フミラー8で合波し、10倍の対物レンズ9で、石英フ
ァイバー4のコア4’に集光される。そしてこの光は、
コア4’、コア1および石英ファイバー5のコア5’を
順次経て光スペクトラムアナライザー10(アンリツ電
子(株)製、MS9001B)で検出された。本実施例
のガラスファイバーでは最大利得10dBが得られ、従
来のフッ化物ファイバーの場合ファイバー長2.0mm
で最大利得5dBであること(前出のエレクトロニクス
レターズ参照)を考慮すると、本実施例のガラスファ
イバーは、短いファイバー長であっても優れたレーザー
増幅特性を示すことが明らかとなった。
【0030】(実施例2〜14)実施例1と同様にし
て、コアガラス及びクラッドガラス並びにガラスファイ
バーを作成した。これらの原料組成の陽イオン及び陰イ
オンのモル%と特性を表1〜表5に示す。
【0031】
【表1】
【0032】
【表2】
【0033】
【表3】
【0034】
【表4】
【0035】
【表5】
【0036】これらの耐候性テストの結果、ガラスの表
面に変質が見られるまでの時間が、コアガラスにおいて
は955〜1180時間、クラッドガラスにおいては9
40〜1050時間となり、実施例2〜14のコアガラ
ス及びクラッドガラスは実施例1のものと同様に耐候性
に優れていることを確認した。また、コアガラスのパラ
メータmは0.78〜1.0となり、実施例2〜14の
レーザーガラスは実施例1のものと同様にレーザー発振
波長1.3μm帯の光増幅で高利得を与えることを確認
した。
【0037】さらにガラスファイバーの比屈折率差△
は、0.5〜2.1%と、実施例2〜14のガラスファ
イバーは実施例1のものと同様に導波路構造として望ま
れる0.4%より十分に大きいものであった。実施例2
〜14におけるコアガラスおよびクラッドガラスは安定
性が高く、実施例1のものと同様に線引操作は円滑に行
われた。さらに、実施例2〜14のガラスファイバーを
用いたレーザー発振波長1.3μm帯のファイバーレー
ザー増幅装置では、実施例1のものと同程度の最大利得
が得られ、短いファイバー長であっても優れたレーザー
増幅特性を示すことが明らかとなった。
【0038】(比較例1)コアガラスとして、ZrF4
−BaF2 −LaF3 −AlF3 −NaF系のフッ化物
レーザーガラスを前述の実施例と同様にして作成した。
そのガラスの原料組成の陽イオン及び陰イオンのモル%
及び特性を表5に示す。比較例1のコアガラスは、表5
にその特性を示した様に、耐候性テストでガラスの表面
に変質が見られるまでの時間が1時間、またパラメータ
mは0.61となり、耐候性及びレーザー増幅特性が共
に、実施例のガラスと比較して著しく劣るものであっ
た。
【0039】
【効果】以上本発明によれば、ガラスの安定性が高く、
実用に十分耐え得る優れた耐候性を有し、かつレーザー
発振波長1.3μm帯で、十分大きな利得を有しレーザ
ー増幅特性の優れたレーザーガラス導波路が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のレーザーガラス導波路を用いたレーザ
ー発振装置を示す概念図である。
【符号の説明】
1 コア 2 クラッド 3 ガラスファイバー 4 石英ファイバー 5 石英ファイバー 6 励起光源 7 信号光源 8 ハーフミラー 9 対物レンズ 10 光スペクトラムアナライザー
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年6月26日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0028
【補正方法】変更
【補正内容】
【0028】次に、上記ガラスファイバーを用いたファ
イバーレーザー増幅装置と、この装置で得られたレーザ
ー増幅特性を示す。図1は本実施例のガラスファイバー
を用いたレーザー増幅装置を示したものである。図1に
おいて、ガラスファイバー3はレーザー媒質であるコア
1とそれを取り組んでいるクラッドガラス2で構成され
ており、ガラスファイバー3の全長は15cmである。
このガラスファイバー3の両端面は光学研磨され、この
両端面にはそれぞれ石英ファイバー4と石英ファイバー
5が取りつけられている。この石英ファイバー4はコア
径10μmφのコア4’とそれを取り囲んでいるクラッ
ドガラス4”とで構成されており、石英ファイバー5は
コア径400μmφのコア5’とそれを取り囲んでいる
クラッドガラス5”とで構成されている。なお、図1に
おいては、これらガラスファイバー3、石英ファイバー
4および石英ファイバー5の図を拡大して記載してい
る。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガラスを構成する陽イオンとして、Pイ
    オンと、Alイオンと、Baイオン、Srイオン、Ca
    イオン、Mgイオン、Znイオン及びPbイオンからな
    る第1群より選択される少なくとも1種と、Ndイオン
    と、を含み、前記陽イオン中の各陽イオンの割合がmo
    l%表示でPイオン10〜60%、Alイオン1〜42
    %、Baイオン0〜23%、Srイオン0〜23%、C
    aイオン0〜30%、Mgイオン0〜23%、Znイオ
    ン0〜23%、Pbイオン0〜10%、前記第1群の陽
    イオンの合計量9〜65%、Ndイオン0.0001〜
    3%であり、かつガラスを構成する陰イオンとしてOイ
    オンとFイオンとを含むフツリン酸塩レーザーガラスを
    コアとして用いたことを特徴とするフツリン酸塩レーザ
    ーガラス導波路。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のフツリン酸塩レーザーガ
    ラスを構成する追加陽イオンとして、Liイオン、Na
    イオン及びKイオンからなる第2群より選択される少な
    くとも1種と、Laイオン、Yイオン、Gdイオン、S
    iイオン、Bイオン、Zrイオン及びTaイオンからな
    る第3群より選択される少なくとも1種と、を含み、前
    記陽イオン中の各陽イオンの割合がmol%表示でLi
    イオン0〜40%、Naイオン0〜35%、Kイオン0
    〜10%、前記第2群の陽イオンの合計量0〜50%、
    前記第3群の陽イオンの合計量0〜6%であることを特
    徴とするフツリン酸塩レーザーガラス導波路。
  3. 【請求項3】 ガラスを構成する陽イオンとして、Pイ
    オンと、Alイオンと、Baイオン、Srイオン、Ca
    イオン、Mgイオン、Znイオン及びPbイオンからな
    る第1群より選択される少なくとも1種と、を含み、前
    記陽イオン中の各陽イオンの割合がmol%表示でPイ
    オン5〜62%、Alイオン1〜42%、Baイオン0
    〜23%、Srイオン0〜23%、Caイオン0〜30
    %、Mgイオン0〜23%、Znイオン0〜23%、P
    bイオン0〜10%、前記第1群の陽イオンの合計量9
    〜65%であり、かつガラスを構成する陰イオンとして
    OイオンとFイオンとを含むフツリン酸塩ガラスが、被
    覆ガラスとして、請求項1又は2記載のフツリン酸塩レ
    ーザーガラスであるコアに被覆されていることを特徴と
    するフツリン酸塩レーザーガラス導波路。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の被覆ガラスを構成する追
    加陽イオンとして、Liイオン、Naイオン及びKイオ
    ンからなる第2群より選択される少なくとも1種と、L
    aイオン、Yイオン、Gdイオン、Siイオン、Bイオ
    ン、Zrイオン及びTaイオンからなる第3群より選択
    される少なくとも1種と、を含み、前記陽イオン中の各
    陽イオンの割合がmol%表示でLiイオン0〜40
    %、Naイオン0〜35%、Kイオン0〜10%、前記
    第2群の陽イオンの合計量0〜50%、前記第3群の陽
    イオンの合計量0〜6%であることを特徴とするフツリ
    ン酸塩レーザーガラス導波路。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009194171A (ja) * 2008-02-14 2009-08-27 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 希土類添加フツリン酸ファイバ

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