JPH07137765A - 缶キャリアー - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 取扱いが簡便でしかも安価な缶キャリアーを
提供することにある。 【構成】 基板２の左右に、基板２より上方に突出し缶
頭部ａに嵌合係止するキャッチ部３，３' を三列設け、
基板２の中央部に把持片5aと、その両端に連続し垂下す
る撓帯片5b，5cからなる持手５を設け、撓帯片5b，5cの
撓みを伸ばして吊り下げ得るようにしたものである。
又、キャッチ部３，３' を左右に三列配設した基板２の
中央部に、キャッチ部３，３' の膨出天上4cまで隆起す
る持手部７を設け、該持手部７に把持片6aと、その両端
より相対向方向に連続する折返片6b，6cからなる蛇行状
持手６を設け、持手６を引出して吊り下げ得ることも可
能である。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、缶容器の携帯に用い
る缶キャリアーに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】缶容器の多くは、清涼飲料やビールの収
納容器として用いられている。これらの缶容器は１ケー
スの段ボール箱に20本入れ、輸送したり保管していた。
その中から数本づつ分割して販売したり携帯する場合、
図１５の如く吊下げ式の袋に入れるか、図１６の如く吊
下げ板体に缶頭部を嵌合係止していた。缶容器を大別す
ると、アルミ板より絞加工、又はプレス加工した有底容
器本体の口部に蓋を嵌合固定した俗称アルミ缶と、金属
板にて筒状胴体を形成し、その上下に蓋を嵌合固定した
俗称スチール缶に分類される。

【０００３】ビールを入れたアルミ缶（以後、缶ビール
と称する）として、小容量用（350ミリリットル以下）
から中容量用（500 〜750 ミリリットル入り）、更に大
容量用（１リットル以上）まで、多種多様に利用されて
いるが、小容量用と中容量用の缶ビールは、容器本体の
胴部径が同一で、胴部高さのみが大小するもので、容器
口部に嵌合固定する蓋と、その蓋取付構造が共通するも
のである。（例えば実開昭58-24770号公報、実開平2-12
4820号公報、実開平4-112074号公報）

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】缶ビールを数本入れて
携帯する吊下げ式の袋にあっては、缶ビールを安定して
持運べるが、袋が大きくなり、しかも吊手を別に製作
し、着接しなければならないため、高価になる問題点が
あった。又、缶頭部に嵌合係止する吊下げ板体にあって
も、吊手を別に製作し、これを板体の貫通孔に挿入係止
しなければならない面倒な問題点があった。そこでこの
発明は、従来技術の有するこのような問題点に鑑みてな
されたものであり、その目的とするところは、取扱いが
簡便でしかも安価な缶キャリアーを提供することにあ
る。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の缶キャリアーは、基板の左右に、基板より
上方に突出し缶頭部に嵌合係止するキャッチ部を数列設
け、基板の中央部に把持片と、その両端に連続し垂下す
る撓帯片からなる持手を設けたものである。又、キャッ
チ部を左右に数列配設した基板の中央部に、キャッチ部
の膨出天上まで隆起する持手部を設け、該持手部に把持
片と、その両端より相対向方向に連続する折返片からな
る蛇行状の持手を設けることも可能である。

【０００６】

【作用】基板の中央部に把持片と，その両端に撓帯片を
垂下連続した持手にあっては、撓帯片の撓み分だけ伸ば
して吊り下げることができる。基板の中央部にキャッチ
部の膨出天上まで隆起する持手部を設け、該持手部に把
持片の両端より相対向方向に折返片を連続した蛇行状の
持手にあっては、把持片と折返片の分だけ引出して吊り
下げることができる。

【０００７】

【実施例】先ず缶ビールの構造を図９に基づき説明すれ
ば、缶ビールＣはアルミ板より絞加工、又はプレス加工
した有底容器本体Ａの上部に、胴部a1より順次小径とな
る肩部a2と口部a3を連続して設け、口部a3に取付ける蓋
体Ｂの天板b1に切起式のプルタブを取付け、天板b1の外
周に外周片b2を垂設し、容器口部a3に蓋体Ｂを嵌合し、
蓋体外周片b2と口部a3を一緒に外周向きに巻き付け、胴
部a1より小径の帯状頭部ａを形成するものである。

【０００８】次に本発明による缶キャリアーの構造を図
１乃至図３、及び図６（Ａ）に基づき説明すれば、缶キ
ャリアー１は隅丸長方形状を成す基板２の左右に、基板
２より上方に突出し缶頭部ａに嵌合係止するキャッチ部
３，３' を３列設け、基板２の中央部に把持片5aと、そ
の両端に連続し下方に垂下する撓帯片5b，5cからなる持
手５を一体に設け、合成樹脂より形成するもので、三列
に配置するキャッチ部３と隣接キャッチ部３' を１cm以
内の間隔で接近することが望ましい。

【０００９】缶キャリアー１のキャッチ部３は図８の如
く、缶頭部ａの外側に嵌合する嵌挿室４の上部に膨出天
上4cを設け、嵌挿室４の下部に下向きに末広がりとなる
入口部4bを設けると共に、嵌挿室周壁4aの内周下部に缶
頭部ａの下端に係止する爪部13を、例えば６〜８分割し
て突設するものである。嵌挿室周壁4aの下部より内周に
突設する爪部13は、缶頭部ａに対する嵌合が容易で、し
かも嵌合後、離脱が困難な楔状を成している。

【００１０】缶キャリアー１の持手５は、中央部に配置
するキャッチ部３，３' の左右隣接側に一部食込み、基
板２と水平を成すように設けられ、撓帯片5b，5cの一端
が把持片5aの端部に、他端が基板２に連続し、基板２よ
りＵ字状に垂下するもので、把持片5aと撓帯片5b，5cの
左右が基板２より切離されていいる。キャッチ部３，３
' に対する把持片5aの食込みは、周壁4aの１／８以内の
範囲が好ましく、撓帯片5b，5cの撓みを大きくするほど
吊下げが長くなる。

【００１１】本発明による缶キャリアーは上記構造であ
るから、先ず缶頭部ａにキャッチ部３の入口部4bを嵌合
し、キャッチ部３を押圧すれば、キャッチ部３は弾力を
有する合成樹脂にて形成されているため、缶頭部ａは嵌
挿室周壁4aの下部より内周に突設する爪部13を乗越えて
嵌挿室４に深く挿入し、該缶頭部ａの下端に爪部13が弾
性復帰して係止する。爪部13は缶頭部ａの下端全周に分
割係止するため、750 ミリリットル入りの缶ビールＣで
も離脱不能に保持し得る。

【００１２】他のキャッチ部３，３' も同様に缶頭部ａ
に嵌合し、各キャッチ部３，３' に缶ビールＣを嵌挿係
止すると、中央部に配置したキャッチ部３，３' の左右
隣接側に、持手５の把持片5aが食込むように設けられて
いるため、中央部のキャッチ部３，３' に缶頭部ａを嵌
挿すると、該缶頭部ａによって持手５の把持片5aが図４
と図６（Ｂ）の如くキャッチ部嵌挿室４の上部まで押出
され、その押出しにより、撓帯片5b，5cの撓みが僅かに
少なくなる。

【００１３】次にキャッチ部嵌挿室４の上部まで押出し
た把持片5aを把握し、これを上方に引上げれば、Ｕ字状
に垂下していた撓帯片5b，5cが撓み分だけ伸び、図５と
図７の如く吊り下げ式の持手５となる。その持手５を把
握して缶ビールＣを携帯すると、缶キャリアー１は缶ビ
ールＣの重みで、缶ビールＣの下端が相互に触れるまで
湾曲する。

【００１４】図１０の缶キャリアー10は、基板２の中央
部にキャッチ部３，３' の膨出天上4cまで隆起する持手
部７を設け、該持手部７に把持片6aと、その両端より相
対向方向に連続する折返片6b，6cから成る蛇行状の持手
６を設けるもので、持手部７と持手６の構造以外、前記
実施例と同一構造を成し、持手部７が中央部に配置する
キャッチ部３，３' の左右隣接側に一部食込むように設
けられている。

【００１５】持手部７は図１１と図１４（Ａ）の如く、
基板２よりキャッチ部３，３' の膨出天上4cまで突出
し、膨出天上4cと面一を成す持手部天壁7aに持手６を形
成するもので、持手６は把持片6aの両端より相対向方向
に折返片6b，6cを連続し、折返片6b，6cの端部を持手部
天壁7aに連続し、把持片6aと折返片6b，6cの間、及び折
返片6b，6cと持手部天壁7aの間に切込み８を設け、把持
片6aの引上げに応じて折返片6b，6cが起立し、吊下げ式
の持手６となるものである。

【００１６】上記缶キャリアー10にあっては、先ずキャ
ッチ部３，３' の入口部4bより嵌挿室４に向けて缶頭部
ａを挿入し、キャッチ部３，３' に缶頭部ａを係止する
までは、前記実施例と同様であるが、持手６の吊下げが
相違する。即ち、キャッチ部３，３' に缶頭部ａを嵌挿
しても、持手６は膨出天上4cと面一に設けられているた
め、図１２の如く変化しない。持手６を用いる場合、持
手部７より把持片6aを引上げれば、把持片6aの引上げに
従って折返片6b，6cが起立し、図１３と図１４（Ｂ）の
如く吊下げ式の持手６となる。

【００１７】尚、本発明による缶キャリアーは上記実施
例に限定されるものではなく、例えば缶キャリアー１，
10を透明合成樹脂にて形成すれば、キャッチ部３，３'
に対する缶ビールＣの嵌合係止状態を確認することも可
能であるし、基板２の外周に鍔片2aを形成するか、キャ
ッチ部３，３' の間の基板２にリブを設け、基板２を補
強することも可能である。又キャッチ部３，３' と持手
５，６の形状構造、及び缶ビールＣに対する缶キャリア
ー１，10の嵌挿手段等は、本発明の要旨に反しない限り
適宜変更可能である。

【００１８】

【発明の効果】本発明による缶キャリアーは上記構造の
とおりであるから、次に記載する効果を奏する。持手を
一体に形成するものであるから、持手を別に製作して取
付ける必要がなく、その分、安価に提供し得るし、持手
を一体に形成するものであっても、安定して持運べる。
しかも持手は使用するまで、基板と面一を成すか、キャ
ッチ部の嵌挿室と面一を成すので、缶キャリアーの保管
や輸送が容易である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明による缶キャリアーの構造例を示す底面
図である。

【図２】図１のＸ−Ｘ線矢視の断面図である。

【図３】図１のＹ−Ｙ線矢視の断面図である。

【図４】缶嵌挿時における持手の構造例を示す断面図で
ある。

【図５】持手使用時の構造例を示す断面図である。

【図６】の（Ａ）（Ｂ）缶嵌挿前と嵌挿後における持手
の変化を示す断面図である。

【図７】使用状態を示す断面図である。

【図８】キャッチ部の構造例を示す断面図である。

【図９】缶ビールの一部切欠正面図である。

【図１０】他の缶キャリアーを示す底面図である。

【図１１】図１０のＺ−Ｚ線矢視の断面図である。

【図１２】缶嵌挿時におけるＺ−Ｚ線矢視の断面図であ
る。

【図１３】使用状態を示す断面図である。

【図１４】の（Ａ）（Ｂ）持手部の構造例と持手の使用
例を示す断面図である。

【図１５】従来袋の斜視図である。

【図１６】従来吊下げ板体の断面図である。

【符号の説明】

１，10 缶キャリアー ２ 基板 ３，３' キャッチ部、13 爪部 ４ 嵌挿室、4a 嵌挿室周壁、4b 入口部、4c 膨出天
上 ５，６ 持手、5a，6a 把持片、5b，5c 撓帯片、6b，
6c 折返片 ７ 持手部 ８ 切込み Ａ 容器本体、a1 胴部、a2 肩部、a3 口部 Ｂ 蓋体、b1 天板、b2 外周片 Ｃ 缶ビール、ａ 缶頭部

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 基板（２）の左右に、基板より上方に突
   出し缶頭部（ａ）に嵌合係止するキャッチ部（３，３')
   を数列配設し、基板（２）の中央部に把持片（5a）と、
   その両端に連続し垂下する撓帯片（5b，5c）からなる持
   手（５）を設け、撓帯片（5b，5c）の撓みを伸ばして吊
   り下げる缶キャリアー。
2. 【請求項２】 キャッチ部（３，３')を左右に数列配設
   した基板（２）の中央部に、キャッチ部（３，３')の膨
   出天上（4c）まで隆起する持手部（７）を設け、該持手
   部（７）に把持片（6a）と、その両端より相対向方向に
   連続する折返片（6b，6c）からなる蛇行状の持手（６）
   を設け、持手（６）を引出して吊り下げる缶キャリア
   ー。