JPH0713680B2 - 放射線画像変換パネル - Google Patents

放射線画像変換パネル

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JPH0713680B2
JPH0713680B2 JP62202461A JP20246187A JPH0713680B2 JP H0713680 B2 JPH0713680 B2 JP H0713680B2 JP 62202461 A JP62202461 A JP 62202461A JP 20246187 A JP20246187 A JP 20246187A JP H0713680 B2 JPH0713680 B2 JP H0713680B2
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phosphor
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亜紀子 加野
久憲 土野
中野  邦昭
文生 島田
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Description

【発明の詳細な説明】 【産業上の利用分野】
本発明は輝尽性蛍光体を用いた放射線画像変換パネルに
関するものであり、さらに詳しくは長期間の使用に耐え
うる放射線画像変換パネルに関するものである。
【発明の背景】
X線画像のような放射線画像は病気診断用などに多く用
いられている。このX線画像を得るために、被写体を透
視したX線を蛍光体層(蛍光スクリーン)に照射し、こ
れにより可視光を生じさせてこの可視光を通常の写真を
とるときと同じように銀塩を使用したフィルムに照射し
て現像した、いわゆる放射線写真が利用されている。し
かし、近年銀塩を塗布したフィルムを使用しないで蛍光
体層から直接画像を取り出す方法が工夫されるようにな
った。 この方法としては、被写体を透過した放射線を蛍光体に
吸収せしめ、しかる後、この蛍光体を例えば光または熱
エネルギーで励起することによりこの蛍光体が上記吸収
により蓄積している放射線エネルギーを蛍光として放射
せしめ、この蛍光を検出して画像化する方法がある。具
体的には、例えば米国特許3,859,527号および特開昭55-
12144号には輝尽性蛍光体を用い可視光線または赤外線
を輝尽励起光とした放射線画像変換方法が示されてい
る。この方法は支持体上に輝尽性蛍光体層を形成した放
射線画像変換パネルを使用するもので、この放射線画像
変換パネルの輝尽性蛍光体層に被写体を透過した放射線
を当てて被写体各部の放射線透過度に対応する放射線エ
ネルギーを蓄積させて潜像を形成し、しかる後にこの輝
尽性蛍光体層を輝尽励起光で走査することによって各部
の蓄積された放射線エネルギーを放射させてこれを光に
変換し、この光の強弱による光信号により画像を得るも
のである。この最終的な画像はハードコピィとして再生
してもよいし、CRT上に再生してもよい。 この放射線画像変換方法において使用される放射線画像
変換パネルは、放射線画像情報を蓄積した後輝尽励起光
の走査によって蓄積エネルギーを放出するので、走査後
再度放射線画像の蓄積を行うことができ、繰返し使用が
可能である。 そこで、前記放射線画像変換パネルは、得られる放射線
画像の画質を劣化させることなく長期間あるいは多数回
の繰返しの使用に耐える性能を有することが望ましい。
そのためには前記放射線画像変換パネル中の輝尽性蛍光
体層が外部からの物理的あるいは化学的刺激から十分に
保護される必要がある。 とくに輝尽性蛍光体は吸湿性が高く前記輝尽性蛍光体層
が水分を吸収すると、弗化臭化バリウム系蛍光体(例え
ばBaFBr:Eu)等は分解し放射線に対する感度が低下す
る。またアルカリハライド系蛍光体(例えばRbBr:Tl)
等は吸湿、脱湿により放射線に対する感度が変動し、ま
た蓄積放射線エネルギーのフェーディング速度が上下
し、撮影条件が不安定となり、また得られる放射線画像
の画質の劣化をもたらすため、前記輝尽性蛍光体層に水
分が含有されないよう保護することが望まれてきた。 従来の放射線画像変換パネルにおいては、上記の問題の
解決を図るため、放射線画像変換パネルの支持体上の輝
尽性蛍光体層面を被覆する保護層を設ける方法がとられ
てきたが、放射線画像変換パネルの長寿命化を達成する
ために特に耐湿性の点でのよりいっそうの改良が望まれ
ている。 その解決策のひとつとして特願昭61-289691号におい
て、乾燥用発熱体が組み込まれた放射線画像変換パネル
が提案されている。これによれば、任意の時に輝尽性蛍
光体層(以後輝尽層と称する)を加熱することにより該
層の除湿乾燥がなされ、放射線画像変換パネル(以後パ
ネルと略称する)の使用恒久性が保証されるので非常に
効果的である。尚、パネルの除湿乾燥は、パネルとは別
個の加熱装置を用いて行ってもよい。 さて、前述のパネル加熱乾燥手段を用いてある程度吸湿
した輝尽層の乾燥を行う場合、パネルの乾燥に要する時
間はできるだけ短いことが好ましい。その場合の乾燥効
率は、保護層の透湿性に大きく影響される。すなわち、
保護層の透湿性が良好であるほど乾燥に要する時間は短
くなる。 逆に保護層の透湿性が悪いと、輝尽層中に存在する水分
を追い出すことが困難でありパネルの性能が回復しない
か、あるいは回復したとしても非常な時間と手間を要し
実用的でない。 ところが特開昭62-15498号中に述べられているとおり、
安定した画質を得るためには保護層の透湿性は低いこと
が望まれ、この点で矛盾が生じていた。
【発明の目的】
本発明は、輝尽性蛍光体を用いた放射線画像変換パネル
における前述のような現状に鑑みてなされたものであ
り、本発明の目的は輝尽性蛍光体層(輝尽層)の乾燥度
を保ち、長期間にわたり良好な状態で使用が可能である
放射線画像変換パネル(パネル)を提供することにあ
る。
【発明の構成】
前記した本発明の目的は、支持体上に輝尽性蛍光体層と
少なくとも一層の保護層を有し、乾燥させて複数回繰り
返し用いる放射線画像変換パネルであって、該保護層の
JIS Z-208に基づく透湿度が60g/m2・24hr以下であり、
かつ該保護層の80℃における透湿係数が20℃における透
湿係数の5倍以上であることを特徴とする放射線画像変
換パネルによって達成される。 本発明者らは、パネルの通常の使用(読取り等)時と乾
燥除湿処理時とでパネルの温度が異なることに着目し、
室温付近の温度において透湿度が低く、かつ乾燥時の温
度すなわち40℃〜150℃好ましくは40℃〜80℃において
は透湿度が高くなるという特性を有する保護層を使用す
ることが画質管理上非常に有効で且つ実用性が高いこと
に着目した。 膜の透湿度は、温度の他に膜の両側の湿度差にも依存す
るものであり該湿度差が大きいほど透湿度も大きくなる
が、吸湿した輝尽層と外気との湿度差は、乾燥した輝尽
層と外気との湿度差に比べて大差ないことが予想される
ので、上に述べた保護層の特性は、膜の両側の湿度差に
依存しない透湿係数なる因子を用いて次のように言いか
えてもよい。すなわち室温付近の温度における透湿係数
に比較して、乾燥時の温度における透湿係数がある程度
以上大きいという特性をもつ保護層が効果的である。 ここで透湿係数とは、膜の透湿の定常状態において、高
湿側の水蒸気圧p1、低湿側の水蒸気圧p2、膜の表面積A,
膜の厚さlとしたとき時間tにおける透湿量をQとし
て、 Q=P(p1−p2)At/l と表される係数Pをいう。透湿係数Pは、JIS(Z-20
8)、ASTM(E-96)、ISO(R-1195)、TAPPIスタンダー
ド(T-448,T-464)等の方法を用いて測定した透湿度の
値から導くことができる。 一方、通常のパネル使用時には、輝尽層の吸湿による劣
化ができるだけ抑制されることが望ましい。すなわち防
湿性の高い保護層が要求される。特開昭62-15498号中に
ものべられているように、パネルの通常使用時の防湿性
は、例えばJIS Z-208により測定した温度40℃相対湿度9
0%における保護層の透湿度に対応することがわかって
いる。 以上のことから本発明者らは、種々の保護層について検
討を重ねた結果、透湿度が60g/m2・24hr以下であり、か
つ80℃における透湿係数が20℃におけるそれの5倍以上
である保護層を用いれば、通常のパネル使用時の防湿性
に問題なくかつ加熱乾燥時には速やかにパネルの性能が
回復することを見い出だした。 本発明に係わる保護層は、特開昭62-15498号に示されて
いるように、温度40℃相対温度90%の条件下で防湿性の
係数が1.5m2・24hr/g・mm以上の値をもつ膜であること
が好ましい。防湿性の係数が高い膜を使用すれば、同等
の透湿度であっても保護層の厚さを薄くすることがで
き、画像の鮮鋭性が向上するからである。 さらに該防湿性の係数が4.0m2・24hr/g・mm以上の値を
もつ膜であればより高い効果が得られる。 ここで防湿性の係数は、たとえば「包装技術」5,781(1
967)に述べられているとおりに定義された係数であ
り、膜の透湿の定常状態において厚さlの膜の透湿度が
qであるときq-1=blと表される定数bを指し、いわば
単位厚さあたりの防湿性を表している。 本発明に係わる保護層としては、生産性および経済性を
考慮すると高分子膜を用いることが好ましいが、無機物
質の膜あるいは高分子と無機物質の複合膜であってもよ
い。また二層以上の高分子膜を用いてもよい。その際、
特開昭62-15500号に述べられているように互いに吸湿性
の異なる二層以上を組合せると効果が高い。 本発明に係わる保護層の材料の具体的な例としては、ポ
リ塩化ビニリデン、塩化ビニリデン−塩化ビニル共重合
体、ポリエチレン、ポリプロピレン、四弗化エチレン−
六弗化プロピレン共重合体、ポリ三弗化一塩化エチレ
ン、ポリエチレンテレフタレートなどがあげられる。 本発明のパネルにおいて保護層の層厚は1μm〜100μ
m程度、さらに好ましくは2μm〜50μm程度の範囲に
あることが好ましい。 本発明のパネルは、支持体上に輝尽層を設けた後に該輝
尽層上に保護層を形成もしくは付設して製造してもよい
し、保護層上に輝尽層を形成した後に支持体を設ける手
順をとってもよい。 保護層の形成方法としては以下に述べるような方法が用
いられる。 第1の方法として、特開昭59-42500号に開示されている
ように透明性の高い高分子物質を適当な溶媒に溶解して
調整した溶液を保護層を設置すべき面に塗布し、乾燥さ
せて保護層を形成する方法がある。 第2の方法として、特開昭59-42500号に開示されている
ように透明な高分子物質より成る薄膜の片面に接着剤を
付与し、保護層を設置すべき面に接着する方法がある。 第3の方法としては、特開昭61-176900号に述べられて
いるように、放射線硬化型樹脂または熱硬化型樹脂の少
なくともいずれか一方を含有する塗布液を保護層を設置
すべき面に塗布し、特開昭61-176900号に示されるよう
な装置を用いて紫外線あるいは電子線などの放射線の照
射および/または加熱を施して前記塗布液を硬化させる
方法がある。 前記放射線硬化型樹脂としては、不飽和二重結合を有す
る化合物またはこれを含む組成物であればよく、このよ
うな化合物は、好しくは、不飽和二重結合を2個以上有
するプレポリマおよび/またはオリゴマであり、更に、
これらに不飽和二重結合を有する単量体(ビニルモノ
マ)を反応性希釈剤として含有させることができる。さ
らに必要に応じて非反応性バインダ、架橋剤、光重合開
始剤を混合してもよい。 本発明において用いる輝尽性蛍光体は、最初の光もしく
は高エネルギー放射線が照射された後に、光的、熱的、
機械的、化学的または電気的等の刺激(輝尽励起)によ
り、最初の光もしくは高エネルギー放射線の照射量に対
応した輝尽発光を示す蛍光体であるが、実用的な面から
好しくは500nm以上の輝尽励起光によって輝尽発光を示
す蛍光体である。該輝尽性蛍光体としては、例えば特開
昭48-80487号に記載されているBaSO4:Ax、特開昭48-804
89号に記載されているSrSO4:Ax、特開昭53-39277号のLi
2B4O7:Cu,Ag等、特開昭54-47883号のLi2O・(B2O2)x:C
u及びLi2O・(B2O2)x:Cu,Ag等、米国特許3,859,527号
のSrS:Ce,Sm、SrS:Eu,Sm、La2O2S:Eu,Sm及び(Zn,Cd)
S:Mn,Xで表される蛍光体が挙げられる。 また、特開昭55-12142号に記載されているZnS:Cu,Pb蛍
光体、一般式BaO・xAl2O3:Euで表されるアルミン酸バリ
ウム蛍光体、及び一般式MIIO・xSiO2:Aで表されるアル
カリ土類金属珪酸塩系螢光体が挙げられる。また、特開
昭55-12143号に記載されている一般式 (Ba1−x−yMgxCay)FX:eEu2+ で表されるアルカリ土類弗化ハロゲン化物蛍光体、特開
昭55-12144号に記載されている一般式 LnOX:xA で表される蛍光体、特開昭55-12145号に記載されている
一般式 (Ba1−xMIIx)FX:yA で表される蛍光体、特開昭55-84389号に記載されている
一般式 BaFX:xCe,yA で表される蛍光体、特開昭55-160078号に記載されてい
る一般式 MIIFX・xA:yLn で表される希土類元素付活2価金属フルオロハライド蛍
光体、一般式ZnS:A、CdS:A、(Zn,Cd)S:A、ZnS:A,X及
びCdS:A,Xで表わされる蛍光体、特開昭59-38278号に記
載されている下記いづれかの一般式 xM3(PO4)2・NX2:yA M3(PO4)2:yA で表される蛍光体、下記いづれかの一般式 nReX3・mAX′2:xEu nReX3・mAX′2:xEu,ySm で表される蛍光体、及び特開昭61-72087号に記載されて
いる下記一般式 MIX・aMIIX′2・bMIIX″3:cA で表されるアルカリハライド螢光体等が挙げられる。特
にアルカリハライド蛍光体は、蒸着,スパッタリング等
の方法で輝尽層を形成させやすく好しい。 しかし、本発明に係るパネルに用いられる輝尽性蛍光体
は、前述の蛍光体に限られるものではなく、放射線を照
射した後輝尽励起光を照射した場合に輝尽発光を示す蛍
光体であればいかなる蛍光体であってもよい。 本発明に係るパネルは前記の輝尽性蛍光体の少なくとも
一種類を含む一つ若しくは二つ以上の輝尽層から成る輝
尽層群であってもよい。また、それぞれの輝尽層に含ま
れる輝尽性蛍光体は同一であってもよいが異なっていて
もよい。 本発明の輝尽層は塗布方法、気相成長方法のいづれによ
ってもよいが、気相成長型の輝尽層を有するパネルの方
が塗布型よりも鮮鋭性に優れ好しい。 前記輝尽性蛍光体を気相成長させる第1の方法としては
蒸着法がある。該方法に於ては、まず支持体を蒸着装置
内に設置した後装置内を排気して10-6Torr程度の真空度
とする。次いで、前記輝尽層の少なくとも一つを抵抗加
熱法、エレクトロンビーム法等の方法で加熱蒸発させて
前記支持体表面に輝尽性蛍光体を所望の厚さに堆積させ
る。 この結果、結着剤を含有しない輝尽層が形成されるが、
前記蒸着工程では複数回に分けて輝尽層を形成すること
も可能である。また、前記蒸着工程では複数の抵抗加熱
器あるいはエレクトロンビームを用いて共蒸着を行うこ
とも可能である。また、前記蒸着法においては、輝尽性
蛍光体原料を複数の抵抗加熱器あるいはエレクトロンビ
ームを用いて共蒸着し、支持体上で目的とする輝尽性蛍
光体を合成すると同時に輝尽層を形成することも可能で
ある。 さらに前記蒸着法においては、蒸着時、必要に応じて被
蒸着物を冷却あるいは加熱してもよい。また、蒸着終了
後輝尽層を加熱処理してもよい。 更に第2の方法としてスパッタ法、第3の方法としてCV
D法が前記蒸着法同様有用である。 本発明に係るパネルの輝尽層の層厚は、目的とするパネ
ルの放射線に対する感度、輝尽性蛍光体の種類等によっ
て異なるが、結着剤を含有しない場合1μm〜1000μm
の範囲、さらに好ましくは20μm〜800μmの範囲から
選ばれるのが好しく、結着剤を含有する場合で10μm〜
1000μmの範囲、さらに好しくは20μm〜500μmの範
囲から選ばれるのが好しい。 本発明に係るパネルにおいて用いられる支持体としては
例えばアルミナ等のセラミックス板、化学的強化ガラス
等のガラス板、アルミニウム、鉄、銅、クロム等の金属
板或は該金属酸化物の被覆層を有する金属板が好しい
が、セルロースアセテートフィルム、ポリエステルフィ
ルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリアミ
ドフィルム、ポリイミドフィルム、ポリカーボネートフ
ィルム等のプラスチックフィルムであってもよい。 また、これら支持体の層厚は用いる支持体の材質等によ
って異なるが、一般的には80μm〜3000μmであり、取
り扱い上の点から、さらに好ましくは80μm〜1000μm
である。 これら支持体の表面は滑面であってもよいし、輝尽層と
の接着性を向上させる目的でマット面としてもよい。ま
た、支持体の表面は特開昭61-142497号に述べられてい
るような凹凸面としてもよいし、特開昭61-142498号に
述べられているように隔絶されたタイル状板を敷きつめ
た構造でもよい。更に、これら支持体上には、必要に応
じて光反射層、光吸収層、接着層等を設けてよい。 本発明に於てパネル輝尽層の除湿乾燥の手段としては、
独立した加熱乾燥箱を用いてもよいし読取装置に組込ま
れたパネルマガジンに加熱装置を設けてもよい。 更に乾燥用発熱体を個々のパネルに付帯させた態様であ
ってもよい。 尚パネルに付帯させる態様として前記乾燥用発熱体はパ
ネルの構成層、支持体中に含有組込まれてもよいし、発
熱体からなる層を別途設けてもよい。 次に個々のパネルに付帯させる態様を具体的に説明す
る。 輝尽性蛍光体を用いるパネルは、一般に支持体上に輝尽
層と該輝尽層の機能を補完するための各種構成層(例え
ば保護層、フィルタ層或は接着層等)からなっている。 第1図に本発明に係るパネルの各種態様を例示する。 第1図(a)において、1は支持体、2Hは乾燥用発熱体
(以後発熱体と略称する)が含有組込まれた発熱輝尽
層、3は保護層である。尚該保護層が輝尽層の周側面ま
で被覆する例を示した。同図(b)は輝尽層2に対する
支持体1の裏面に発熱体からなる発熱層H1が支持体1に
接して設けられており、同図(c)において発熱体から
なる発熱層H2は支持体に関し輝尽層2と同側、支持体に
接して設けられ、保護層3は輝尽層2のみの全表面を被
覆している。同図(d)において1Hは支持体中に発熱体
が含有組込まれた発熱支持体である。同図(e)におい
ては、H3は発熱体自身が支持体を兼ねる支持発熱体であ
り、保護層3が輝尽層2及び支持発熱体H3の裏面を含め
全表面を包んで被覆している。同図(f)は発熱層H4が
輝尽層2の上面に接して設けられ、同図(g)では輝尽
層2が発熱層H2およびH4に差挟まれた態様である。同図
(h)は発熱体が含有組込まれた発熱保護層3Hを有する
例である。 本発明のパネルは上例に限られないが、発熱体からなる
か或は発熱体が含有組込まれた層が輝尽層より保護層側
にあり且つ画像読取りを保護層側から行う形態のときに
は該発熱体は透明な物質が用いられる。 前記発熱体が含有組込まれた層あるいは発熱支持体には
カーボンブラック、金属微粉末等の導電性微粉末を用い
られることが好しい。 また発熱体からなる発熱層には、透明な酸化インジウム
等の電気抵抗体の金属酸化物或は金属等の蒸着、スパッ
タリングによる薄膜、またはカーボンブラック、金属微
粉末等を分散懸濁する塗料の塗布膜が用いられる。 また、前記発熱体自身が支持体を兼ねる支持発熱体に
は、カーボンファイバシート等が用いられる。 パネルの乾燥もしくは防湿のための加熱温度範囲は40〜
150℃、好ましくは40〜80℃であって、該温度範囲にお
いては、支持体、保護層に非耐熱性素材(例えばポリエ
チレンテレフタレート等)使用の自由が許される。また
加熱温度が高すぎると、読取り時には輝尽層への放射線
エネルギー蓄積にロスを生じたり、残光量が増大したり
して好しくない。 加熱の時期は放射線画像を輝尽励起する読取り時および
/または非読取り時の任意時期でよい。尚気相堆積によ
るバインダフリーの輝尽層の方が乾燥効率(感度回復速
度)がよい。 また読取り時よりも非読取り時の加熱温度を高め乾燥硬
化および画像消去効率を上げる等の方策を高じてもよい
し、読取り時は加熱を中止するようにしてもよい。 また使用の度毎に逐次乾燥処理を行ってもよいし、夜間
等の非使用時或は蛍光体が水分により分解しその機能回
復不能に嵌入らない限度の長期貯留後に一括除湿処理を
行ってもよい。 前記した態様例のように発熱体をパネルに組込む場合、
発熱体は電流回路を形成しパネル全面に充分加熱効果を
及しうる形態であれば如何様のパターンを採ってもよ
い。その例を第2図に示す。同時(a)は発熱体に均一
薄層回路を形成させた例であり、同図(b)は櫛型、同
図(c)は屈曲単線型回路とした例である。第2図にお
いてPは電極、Hは発熱体である。 次にパネルの乾燥温度制御は熱電対等の温度検出器に温
度制御器、ヒータ用電源を組合せることによって容易に
行うことができる。第3図にその1例のブロック図を示
した。 上記詳述した本発明に係るパネルは、輝尽性蛍光体プレ
ートを内蔵した撮影・読取一体型放射線画像読取装置に
利用することが特に適しているが、撮影、読取装置が別
個になっている場合にも利用できる。 本発明によるパネルは第4図に概略的に示される放射線
画像変換方法に用いられる。 すなわち、第4図において、41は放射線発生装置、42は
被写体、43は本発明に係るパネル、44は輝尽励起光源、
45は該パネルより放射された輝尽蛍光を検出する光電変
換装置、46は45で検出された信号を画像として再生する
装置、47は再生された画像を表示する装置、48は輝尽励
起光と輝尽蛍光とを分離し、輝尽蛍光のみを透過させる
フィルタである。尚45以降は43からの光情報を何らかの
形で画像として再生できるものであればよく、上記に限
定されるものではない。 第4図に示されるように、放射線発生装置41からの放射
線は被写体42を通してパネル43に入射する。この入射し
た放射線はパネル43の輝尽層に吸収され、そのエネルギ
ーが蓄積され、放射線透過像の蓄積像が形成される。 次にこの蓄積像を輝尽励起光源44からの輝尽励起光で励
起して輝尽発光として放出せしめる。 放射される輝尽発光の強弱は蓄積された放射線エネルギ
ー量に比例するので、この光信号を例えば光電子増倍管
等の光電変換装置45で光電変換し、画像再生装置46によ
って画像として再生し画像表示装置47によって表示する
ことにより、被写体の放射線透過像を観察することがで
きる。
【実施例】
次に、実施例によって本発明を説明する。 実施例1 支持体として500μm厚の化学強化ガラスを蒸着器中に
設置した。次に抵抗加熱用のタングステンボート中にア
ルカリハライド光輝尽性蛍光体(RbBr:0.0006Tl)を入
れ、抵抗加熱用電極にセットし、続いて蒸着器を排気し
て2×10-6Torrの真空度とした。 次にタングステンボートに電流を流し、抵抗加熱法によ
ってアルカリハライド光輝尽性蛍光体を蒸発させ化学強
化ガラス上に輝尽層の層厚が300μmの厚さになるまで
堆積させた。 次にこのパネルを大気中に取出した後、化学強化ガラス
の輝尽層の設けられていない面に、ポリイミドフィルム
上にITOを蒸着した導電膜シート(ミクロ技術研究所
製、10Ω/□)を接着した。 さらに電極と第3図の様な温度制御回路を取付け、パネ
ル原体Pを作製した。パネル原体Pの断面図を第5図
(a)に簡単に示す。 次に該パネル原体Pの輝尽層面に厚さ15μmの延伸ポリ
プロピレンフィルムをポリウレタン系接着剤を用いて接
着し、輝尽層表面および側面を被覆する保護層を形成し
本発明のパネルAを作製した。本発明のパネルAの断面
図を第5図(b)に簡単に示す。 実施例2 実施例1において延伸ポリプロピレンフィルムの代わり
に厚さ12μmの四弗化エチレン−六弗化プロピレン共重
合体フィルムを用いること以外は実施例1と同様にして
本発明のパネルBを作製した。 実施例3 実施例1において延伸ポリプロピレンフィルムの代わり
に厚さ12μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを
用いること以外は実施例1と同様にして本発明のパネル
Cを作製した。 比較例1 実施例1において延伸ポリプロピレンフィルムの代わり
に厚さ25μmのポリ塩化ビニルフィルムを用いること以
外は実施例1と同様にして比較のパネルDを作製した。 比較例2 実施例1において延伸ポリプロピレンフィルムの代わり
に厚さ25μmのポリスチレンフィルムを用いること以外
は実施例1と同様にして比較のパネルEを作製した。 以上のようにして得られた本発明のパネルA,B,Cおよび
比較のパネルD,Eについてパネルの強制劣化試験および
性能回復試験を以下に述べる方法で行った。 :強制劣化試験: パネルをよく乾燥させたのち放射線感度を測定した。次
に該パネルを50℃RH90%の恒温恒湿槽中に48時間放置し
た後再び放射線感度を測定した。劣化試験前の感度値を
100として、劣化試験後の感度を相対値で表したものを
第1表に示す。 :性能回復試験: パネルをよく乾燥させたのち放射線感度を測定した。次
に該パネルを50℃RH90%の恒温恒湿槽中に放置して強制
劣化させつつ時々取り出して放射線感度を測定した。感
度が当初の感度の約50%まで低下したところで室温中に
取り出し、発熱体に通電して輝尽層を80℃に加熱した。
加熱開始時より15分おきに感度を測定し、感度が再び約
100となるまでの回復時間を測定した。結果を第1表に
合わせて示す。 また、JIS Z-208に基いて測定した各保護層の透湿度q
および80℃における透湿係数P80の20℃における透湿係
数P20に対する比P80/P20を第1表に合わせて示す。 第1表よりわかるとおり、本発明のパネルA,BおよびC
は、いずれも耐湿性に優れているとともに、吸湿後にお
いては、パネルに組込まれた発熱体による加熱乾燥が容
易に行なわれうる。 それに比べて比較のパネルDは、耐湿性の点では十分で
あるものの、乾燥による性能回復に長時間を要し実用的
でない。また比較のパネルEは、吸湿後の乾燥は容易で
あるが耐湿性が劣っており実用的でない。
【発明の効果】
本発明の放射線画像変換パネルは、その保護層が防湿性
に優れているため輝尽性蛍光体層の吸湿による劣化が抑
制され、長期間にわたり良好な状態で使用することがで
きる。かつ、本発明に係わる保護層は高温における透湿
性が比較的良好であるためパネルを加熱乾燥することに
より水分を収着した輝尽性蛍光体層の性能を容易に回復
することができる。 本発明のパネルは、特に特願昭61-289691号に述べられ
ている発熱体を組込んだ構成のパネルに応用すると効果
が大きく好しい。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係る各種態様のパネル例の断面図であ
る。 第2図は発熱体の組込み形態例を示す平面図であり、第
3図は温度制御態様の1例を示すブロック図である。 第4図は放射線画像変換方法の説明図である。 第5図は実施例に用いたパネルの断面図である。 1……支持体、2……輝尽性蛍光体層 3……保護層、H1……発熱層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−15498(JP,A)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】支持体上に輝尽性蛍光体層と少なくとも一
    層の保護層を有し、乾燥させて複数回繰り返し用いる放
    射線画像変換パネルであって、 該保護層のJIS Z-208に基づく透湿度が60g/m2・24hr以
    下であり、かつ該保護層の80℃における透湿係数が20℃
    における透湿係数の5倍以上であることを特徴とする放
    射線画像変換パネル。
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