JPH07136481A - 攪拌装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 処理物に対し均一な高剪断を与えて混合、分
散状態を良くした攪拌装置を提供する。 【構成】 回転軸４には十字型のレンズ形状をなした回
転パドル５が軸方向に間隔を保って複数個取付けられて
いる。容器１の内壁には半レンズ形状の固定パドル８が
軸方向に間隔を保って複数個取付けられている。回転パ
ドル５と固定パドル８の先端部には、それぞれ、断面三
角形状のスクレーパ７と９が取付けられている。回転パ
ドル５、固定パドル８及びスクレーパ７，９は互いに僅
かな隙間を保って配置されている。入口２から容器１内
に入った処理物は均一に混合され出口３から排出され
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は高粘度液と低粘度液の混
合や高粘度液と粉体の混合等を目的とした攪拌装置に関
する。

【０００２】

【従来の技術】この種の混合装置の従来例としては、ピ
ンミキサーのように円柱状の攪拌棒を多数装着したよう
な形式のものがあった。また、一軸、二軸の押出し機等
が混合または粉体（フィラーなど）の分散等で良く知ら
れている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら前記ピン
ミキサーのように攪拌体が単なる円柱状または角状のも
のでは流体が攪拌翼に対してスリップしたりして、高剪
断場へ流体を導くことが困難となり微細な混合性能が得
られていなかった。前記のように一部の流体が高剪断場
を通過せずに装置から排出された場合、部分的に極度に
混合や分散状態の悪いものが存在するため製品に悪影響
を与えていた。

【０００４】また、一軸、二軸押出し機では、スクリュ
ーに数多くの異なった形状を持つニーディングタイプの
攪拌翼を設けたり、出口付近に特殊な混合ゾーンを設け
たりすることによりコスト的に非常に高価となってい
た。また、一軸、二軸押出し機の場合、装置内での処理
物の滞溜時間も１０分以内と非常に短いものであり、比
較的長時間の反応を伴なう系での用途には使用不能であ
った。本発明は従来のものに見られたこれらの欠点を除
き、処理物に対し均一な高剪断を与え、混合、分散状態
の良い攪拌を与えうる攪拌装置を提供することを課題と
している。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は、処理物の入
口、出口と、内壁に固定された複数個の固定パドルとを
具えた円筒状容器を有し、攪拌作用をなす複数の回転パ
ドルが固定された回転軸をその円筒状容器内に具えてな
る攪拌装置における前記課題を解決するため、その回転
パドルは十字型のレンズ形状をなしていて、相隣るもの
との間に軸方向の間隔を保って回転軸に取付けられてい
ると共にその回転パドルの先端部に断面三角形状のスク
レーパが容器内壁と少隙を保って回転軸と平行に取付け
られている構成とする。

【０００６】また、固定パドルは半レンズ形状をなして
いてその先端部に断面三角形状のスクレーパが回転軸と
平行に取付けられており、前記した回転パドル、固定パ
ドル、及び前記スクレーパは互いに僅かな隙間を保って
配置されている構成を採用する。

【０００７】

【作用】前項記載の構成をもつ本発明による攪拌装置に
おいては回転軸に固定された十字型レンズ形状の回転パ
ドル先端部に設けられた断面三角形状のスクレーパが、
容器内壁に固定された半レンズ状の固定パドル先端部の
断面三角形状のスクレーパと容器内壁の間に、僅かな隙
間を保ちながら処理物流体を導くため、この部分で処理
物流体に高剪断が作用し、その混合、分散性を高める。

【０００８】更に、断面が三角形状のスクレーパは回転
軸と平行に配置されているため、流体の送液効果も大き
く、処理物流体の殆んどが前記した高剪断部を通過しや
すいため、得られる製品中に混合不良のものが混存しに
くい構造となっている。更に、容器内壁及び回転軸に取
付けられたパドルは、各々同一形状のものであり、製品
コストも非常に安価である。このように、本発明によれ
ば、処理物に対し均一な高剪断を与えて混合、分散状態
を良くしつつも、安価な攪拌装置が提供される。

【０００９】

【実施例】本発明による攪拌装置を図１〜図３に示した
一実施例に基づいて具体的に説明する。図１は本発明の
一実施例を示したものであり、容器１の両端部付近に処
理物の入口２、出口３を有している。容器１には回転軸
４が設けられており、この回転軸４には十字型のレンズ
形状をした回転パドル５が軸方向に間隔を設けて複数個
取付けられている。この間隔は相隣るパドル５の間に介
在させるスペーサ６により調整される。

【００１０】回転パドル５の先端部には各々断面が三角
形状をしたスクレーパ７が回転軸４と平行に取付けられ
ている。なお、回転パドル５及びスクレーパ７は容器１
の内壁と僅かな隙間を有するようになっている。また容
器１の壁面には半レンズ形状をした固定パドル８がスク
レーパ７間にスクレーパ７と接しないように複数個固定
してあり、固定パドル８の先端部には断面が三角形状の
スクレーパ９が、回転軸４と平行にスリーブ６とスクレ
ーパ７及び十字型のレンズ形状の回転パドル５と接しな
いように固定されている。１０は回転軸４の軸封装置で
ある。また回転軸４は、図示されない駆動装置により回
転するようになっている。

【００１１】図示した実施例による装置は以上のように
構成されているので、回転パドル５の先端部に取付けら
れた断面三角形状のスクレーパ７が、容器１の内壁に取
付けられた固定パドル８先端部のスクレーパ９及び容器
１の内壁との間の少隙部分に処理物を導く。処理物は、
その少隙部分で高剪断を受け、十分に混合・分散が行わ
れる。また、回転パドル５と固定パドル８の各先端部に
取付けられた断面が三角形状のスクレーパ７，９は回転
軸４と平行に配設されていて処理物に対する送り作用を
行い、処理物の殆んど全部を前記したスクレーパ７，９
同志の間、スクレーパ７と容器１内壁との間に形成され
る少隙部分の高剪断部を通過させる。そのため本装置で
攪拌された処理物には混合不良のものが入り込まない。

【００１２】このような作用により本装置によれば処理
物に対し均一な高剪断を与え混合状態の優れた攪拌を与
えることができる。以上、本発明を図示した実施例に基
づいて具体的に説明したが、本発明がこれらの実施例に
限定されず特許請求の範囲に示す本発明の範囲内で、そ
の形状、構造に種々の変更を加えてよいことはいうまで
もない。例えば、回転パドルと固定パドルの数は適宜選
択してよく、上記実施例のものと違えてもよい。

【００１３】

【発明の効果】本発明による攪拌装置によれば軸方向に
伸びた断面三角形状のスクレーパの回転により処理物の
殆んどが固定スクレーパと容器内壁間に導びかれて高剪
断を１回転当り複数回受け、更に、固定スクレーパとス
リーブ間でも高剪断を与えるため処理物は容器内をショ
ートパスしにくく処理物全体がほぼ均一な混合、分散過
程を受けるため製品品質が安定する。更に、容器内壁に
取付けられる固定パドル及び回転軸に取付けられる回転
パドル及び両パドルに取付けるスクレーパは同一形状で
製作可能であるため、製作コストも非常に安価である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例に係る攪拌装置の軸方向断面
図。

【図２】図１のＡ−Ａ線に沿う断面図。

【図３】図１のＢ−Ｂ線に沿う断面図。

【符号の説明】

１ 容器 ２ 入口 ３ 出口 ４ 回転軸 ５ パドル ６ スペーサ ７ スクレーパ ８ 固定パドル ９ スクレーパ １０ 軸封装置

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 処理物の入口、出口と、内壁に固定され
   た複数個の固定パドルとを具えた円筒状容器を有し、攪
   拌作用をなす複数の回転パドルが固定された回転軸を前
   記円筒状容器内に具えてなる攪拌装置において、前記回
   転パドルは前記回転軸の軸方向に見て十字型のレンズ形
   状をなしていて、相隣るものとの間に軸方向の間隔を保
   って前記回転軸に取付けられていると共に、同回転パド
   ルの先端部に断面三角形状のスクレーパが前記容器内壁
   と少隙を保って前記回転軸と平行に取付けられており、
   前記固定パドルは前記回転軸の軸方向に見て半レンズ形
   状をなしていてその先端部に断面三角形状のスクレーパ
   が前記回転軸と平行に取付けられており、前記回転パド
   ル、前記固定パドル、及び前記スクレーパは互いに僅か
   な隙間を保って配置されていることを特徴とする攪拌装
   置。