JPH07136241A - 救急絆創膏用フィルム - Google Patents

救急絆創膏用フィルム

Info

Publication number
JPH07136241A
JPH07136241A JP6100976A JP10097694A JPH07136241A JP H07136241 A JPH07136241 A JP H07136241A JP 6100976 A JP6100976 A JP 6100976A JP 10097694 A JP10097694 A JP 10097694A JP H07136241 A JPH07136241 A JP H07136241A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
kgf
aid
bandage
resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP6100976A
Other languages
English (en)
Inventor
Hironori Tabata
博則 田畑
Hideshi Matsumoto
英志 松本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sekisui Chemical Co Ltd filed Critical Sekisui Chemical Co Ltd
Priority to JP6100976A priority Critical patent/JPH07136241A/ja
Priority claimed from US08/261,116 external-priority patent/US5432009A/en
Publication of JPH07136241A publication Critical patent/JPH07136241A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Materials For Medical Uses (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 非PVC系樹脂からなり、可塑剤を実質的に
含有せず、柔軟で伸縮性を有し、伸張時に適度の強さを
有し、患部を圧迫したり、緩んだりしない、風合いがよ
い救急絆創膏用フィルムを提供する。 【構成】 ポリプロピレン系熱可塑性樹脂からなる救急
絆創膏用フィルムである。このフィルムは、幅19mm
のフィルムのx%伸張時の抗張力F(x)が、F(3
0)>F(10)>F(5)であり、かつ、0.2kg
f<F(30)≦1.2kgf、0.2kgf≦F(1
0)≦0.8kgf、0.1kgf≦F(5)≦0.6
kgfであり、該フィルムを10%伸張した後y秒後の
応力残存率R(10,y)が、R(10,5)≦80
%、R(10,300)≦60%であり、かつ、該フィ
ルム厚さtが30〜200μmであることを特徴とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は、特定の物性を有する、可塑剤を
実質的に含有しない熱可塑性樹脂からなる救急絆創膏用
フィルムに関し、詳細には、柔軟で患部を圧迫しない、
風合いのよい救急絆創膏が得られる救急絆創膏用フィル
ムに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に絆創膏、特に救急絆創膏は、軟質
フィルムの表面に粘着剤を塗布し、さらにその上にガー
ゼなどを貼着して、所定寸法に打ち抜いた後、その表裏
両面に個別包装紙を重ね、さらに所定寸法に裁断して得
られる。
【0003】このような救急絆創膏に使用される軟質フ
ィルムとしては、その価格や使いやすさから、一般に、
カレンダー法やゾルキャスト法により得られた、可塑化
ポリ塩化ビニル(以下PVCと言う)を主成分とするも
のが多く使用されてきた。
【0004】しかし、上記PVCは大量の可塑剤を含有
するために、フィルムから粘着剤へ可塑剤が移行し、経
時により粘着剤の粘着力が低下したり、フィルムと粘着
剤との間の接着力が低下して、絆創膏が剥がれ易くなる
という欠点があった。さらに、近年、環境問題の観点か
ら、塩素を含有するPVCの使用の是非があらゆる分野
で論議されている。
【0005】このため、最近、可塑化PVCに代わる材
料として、柔軟で、かつ伸縮性を有するポリオレフィン
系樹脂の開発が積極的に行われている。このようなポリ
オレフィン系樹脂としては、例えば、ポリエチレン、エ
チレン−酢酸ビニル共重合体、ポリブタジエン、エチレ
ン−プロピレン共重合体などを使用したフィルムが挙げ
られる。救急絆創膏用フィルムとしては、特公昭57−
11342号公報で、エチレン−α−オレフィン共重合
体、LDPE(低密度ポリエチレン)、PP(ポリプロ
ピレン)のうち少なくとも1種類よりなるポリオレフィ
ン組成物を1.5〜3.5倍延伸したものが、特開昭6
2−82967号公報で、エチレン−プロピレンゴムま
たはエチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体などの
炭化水素系エラストマーと、エチレン−酢酸ビニル共重
合体などのポリオレフィン配合物からなるフィルムが開
示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のような
樹脂およびフィルムでは、貼付けされたフィルムすなわ
ち救急絆創膏がきつく締まったり、すぐ緩んだり、破れ
たりして、実際の使用には適さないことが多い。
【0007】本発明は上記従来の欠点を克服するもので
あり、柔軟で伸縮性を有し、伸張時に適度の強さを有す
る、可塑剤を実質的に含有しない熱可塑性樹脂を用いる
ことによって、患部を圧迫したり、緩んだりせず、風合
いがよく、従来の可塑化PVCフィルムの代替となる救
急絆創膏用フィルムを提供する。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の救急絆創膏用フ
ィルムは、可塑剤を実質的に含有しない熱可塑性樹脂か
らなるフィルムであって、幅19mmのフィルムのx%
伸張時の抗張力F(x)が、F(30)>F(10)>
F(5)であり、かつ、0.2kgf<F(30)≦
1.2kgf、0.2kgf≦F(10)≦0.8kg
f、0.1kgf≦F(5)≦0.6kgfであり、該
フィルムを10%伸張した後y秒後の応力残存率R(1
0,y)が、R(10,5)≦80%、R(10,30
0)≦60%であり、かつ、該フィルム厚さtが30〜
200μmであることを特徴とする。
【0009】本発明で用いられる可塑剤を実質的に含有
しない熱可塑性樹脂としては、ポリプロピレン系樹脂単
体、ポリプロピレン系樹脂とこのポリプロピレン系樹脂
以外のポリオレフィン系樹脂とのブレンド物、ポリプロ
ピレン系樹脂とポリオレフィン系熱可塑性エラストマー
とのブレンド物、およびポリプロピレン系樹脂とスチレ
ン系熱可塑性エラストマーとのブレンド物などが挙げら
れる。そして、救急絆創膏用フィルムとしては、この可
塑剤を実質的に含有しない熱可塑性樹脂の単層フィルム
および積層フィルムが挙げられる。この積層フィルム
は、上記のポリプロピレン系樹脂と前者のポリプロピレ
ン系樹脂以外のポリオレフィン系樹脂、ポリプロピレン
系樹脂とポリオレフィン系熱可塑性エラストマー、また
はポリプロピレン系樹脂とスチレン系エラストマーとの
組合せで積層されてなる。
【0010】本発明では、上記ポリプロピレン系樹脂の
含量が、フィルムを構成する全樹脂量の10重量%以上
であることが好ましい。この含量が10重量%よりも少
ない場合は、10%伸張y秒後の応力残存率Rが本発明
のR(10,5)≦80%、R(10,300)≦60
%を満たさない範囲となり、得られる絆創膏は患部を圧
迫する。
【0011】上記ポリプロピレン系樹脂は、例えば以下
のような多段重合法により製造される。上記ポリプロピ
レン系樹脂としては、プロピレン−エチレン共重合体、
プロピレン−α−オレフィン共重合体などが挙げられ
る。これらは、まず、第一段階として、チタン化合物触
媒およびアルミニウム化合物触媒の存在下においてプロ
ピレンモノマーおよび必要に応じてプロピレン以外のα
−オレフィンモノマーを用いて重合を行い、第一のプロ
ピレン系ポリオレフィンを得る。このポリオレフィンは
プロピレン単独重合体、プロピレン−エチレン共重合
体、プロピレン−α−オレフィン共重合体などであり得
る。第二段階として、前記のチタン化合物触媒およびア
ルミニウム化合物触媒を含有したままで、チタン含有プ
ロピレン系ポリオレフィンと上記化合物存在下で、オレ
フィンモノマー(例えば、エチレン、プロピレン、また
はα−オレフィン)とを共重合させて、第二のポリオレ
フィンを得る。この2段階反応により得られる第二のポ
リオレフィンは、プロピレン−エチレン共重合体または
プロピレン−α−オレフィン共重合体であり得る。以下
同様に目的に応じて多段階の共重合反応を行い得る。
【0012】この製造方法の特徴は、重合を一段階で終
了するのではなく、二段階以上の多段重合を行うことに
ある。このことにより、複数の種類のモノマーを続けて
重合することが可能となり、通常のポリマーブレンドと
は全く異なる、分子レベルでのブレンドタイプの共重合
体が生成される。通常、ポリマーブレンドの場合、柔軟
性と伸縮性を向上させるには、ブレンドするゴム成分の
分子量を上げるのがひとつの方法である。本発明に用い
られるポリプロピレン系樹脂の場合、このゴム成分にあ
たるのは上記の2段階以降の反応で生成する成分(α−
オレフィン−プロピレン、エチレン−プロピレン)であ
り、この成分は分子量が高いため、溶融粘度が高い。こ
のゴム成分は上記の多段重合法を用いることにより、微
分散させることができる。
【0013】しかし、通常の押出機などを用いたブレン
ド法では、このように分子量の高いゴム成分を用いる
と、溶融粘度が高いため、本発明に用いられるポリプロ
ピレン系樹脂のような微分散モルフォロジーを有する樹
脂は作製し得ない。さらに、従来の反応により得られる
ポリプロピレン系のブロック共重合体のような樹脂で
は、共重合されるエチレン、α−オレフィンなどのブロ
ック成分は、主成分であるプロピレン系オレフィンに対
してその製造プロセス上、約50重量%程度含有させる
のが限界であり、通常その含有量は30重量%までであ
る。このためポリプロピレン系樹脂において、可塑化P
VCのような柔軟性を実現するのは非常に困難であっ
た。しかし上記のような方法を用いれば、前記の共重合
成分を約80〜95重量%まで含有させることが可能と
なり、可塑化PVCと同様な物性を有するポリプロピレ
ン系樹脂が得られる。
【0014】このような製造方法としては例えば、特開
平4−224809号公報に記載の方法がある。この方
法ではチタン化合物としては、例えば三塩化チタンと塩
化マグネシウムとを共粉砕し、これをオルトチタン酸n
−ブチル、2−エチル−1−ヘキサノール、p−トルイ
ル酸エチル、四塩化ケイ素、フタル酸ジイソブチルなど
で処理して得られる、平均粒子径15μmの球状固体チ
タン触媒が用いられている。又、アルミニウム化合物触
媒としては、トリエチルアルミニウム等のアルキルアル
ミニウム化合物が用いられる。この方法ではさらに重合
層に電子供与体としてケイ素化合物、特にジフェニルジ
メトキシシランを添加し、さらにヨウ化エチルも添加し
ている。さらに、特開平3−97747号公報にはチタ
ン化合物として、塩化マグネシウムとアルコールの付加
物を四塩化チタンおよび電子供与体で処理したものを用
いることが記載されている。これらの方法の他にも、例
えば、特開平4−96912号公報、同4−96907
号公報、同3−174410号公報、同2−17080
3号公報、同2−170802号公報、同3−2054
39号公報、同4−153203号公報、および特開昭
61−42553号公報などに、このような製造方法の
記載がある。本発明の救急絆創膏用フィルムを形成する
ポリプロピレン系樹脂を製造する際には、上記のよう
な、公知の任意の方法が使用し得る。このような製造方
法により得られる実際の樹脂としては徳山曹達社の「P
ER」およびハイモント社の「キャタロイ」などが挙げ
られる。これらはいずれも本発明に用いられ得る。
【0015】上記ポリオレフィン系樹脂としては、ポリ
エチレン、上記以外のポリプロピレン、エチレン−酢酸
ビニル共重合体、ポリブタジエン、エチレン−プロピレ
ン共重合体などが挙げられる。
【0016】上記のオレフィン系熱可塑性エラストマー
としては、エチレン−プロピレンゴム、エチレン−1−
ブテンゴム、エチレン−酢酸ビニル共重合体などが挙げ
られる。
【0017】そして、上記スチレン系熱可塑性エラスト
マーとしては、スチレン−ブタジエンブロック共重合
体、スチレン−イソプレンブロック共重合体、スチレン
−エチレン/ブチレンブロック共重合体、スチレン−エ
チレン/プロピレンブロック共重合体などが挙げられ
る。
【0018】本発明の救急絆創膏用フィルムは、以上の
樹脂を、Tダイ法、インフレーション法、カレンダー法
などの通常の方法により、所定の厚みに成形することに
より得られる。
【0019】本発明の救急絆創膏用フィルムは、幅19
mmのフィルムのx%伸張時の抗張力をF(x)とする
とき、F(30)>F(10)>F(5)、かつ、0.
2kgf<F(30)≦1.2kgf、0.2kgf≦
F(10)≦0.8kgf、0.1kgf≦F(5)≦
0.6kgfの関係を有するものであり、より好ましく
は、幅19mmのフィルムのx%伸張時の抗張力F
(x)が、F(30)>F(10)>F(5)であり、
かつ、0.2kgf<F(30)≦1.0kgf、0.
2kgf≦F(10)≦0.7kgf、0.1kgf≦
F(5)≦0.4kgfであり、該フィルムを10%伸
張した後y秒後の応力残存率R(10,y)が、R(1
0,5)≦80%、R(10,300)≦60%であ
り、かつ、該フィルム厚さtが30〜200μmであ
る。
【0020】このx%伸張時の抗張力F(x)が、F
(30)>F(10)>F(5)を満たさなければ、フ
ィルムを用いて形成される絆創膏を貼付ける時に、絆創
膏が必要以上に伸びる。このことにより、例えば、ガー
ゼの部分が傷口からずれてしまう、貼付けが困難である
などの問題点が生じる。
【0021】F(30)≦0.2kgf、F(10)<
0.2kgf、F(5)<0.1kgfの場合では、そ
の貼付け時および貼付け後の指などの伸縮運動時に、絆
創膏が必要以上に伸びるため、貼付けが困難である、貼
付けた後緩むなどの問題点が生じる。F(30)>1.
2kgf、F(10)>0.8kgf、F(5)>0.
6kgfの場合では、抗張力が強すぎて、貼付け時およ
び貼付け後に充分な伸びが生じないため、風合いが悪
い、貼付けが困難である(この場合、肌にフィットしに
くい)、指などの伸縮運動時に抵抗感が強いなどの問題
点が生じる。
【0022】本発明の救急絆創膏用フィルムは、このフ
ィルムを10%伸張した後y秒後の応力残存率をR(1
0,y)とするとき、R(10,5)≦80%、R(1
0,300)≦60%の関係を有するものである。
【0023】上記応力残存率R(10,y)がR(1
0,5)>80%の場合、貼付け直後の締付け感が強す
ぎるという問題点が生じる。R(10,300)>60
%の場合、貼付け後の圧迫感が強すぎるという問題点が
生じる。
【0024】本発明の救急絆創膏用フィルムの厚みt
は、30〜200μmである。30μmより薄いと、腰
が弱すぎて貼付け時に絆創膏にしわが入りやすいという
問題点が生じる。200μmを超えると、柔軟性に欠
け、指などの細いものに巻き付けて貼るときに貼りづら
いという問題点が生じる。
【0025】本発明により得られたフィルムを基材とし
て使用することにより救急絆創膏を形成する。この形成
方法を以下に述べる。
【0026】まず、本発明救急絆創膏用フィルムの一方
の面に、必要に応じてコロナ処理やアンカーコートを施
した後、粘着剤層を設け、その上にガ─ゼ等を積層し、
これを所定寸法に打ち抜いた後、表裏面に個別包装紙を
重ねると共に、さらに所定寸法に切断して得られる。
尚、上記コロナ処理を行う場合は、フィルムの表面張力
を38dyn/cm程度以上とすることが好ましい。
【0027】上記粘着剤層は、基材フィルムの表面全面
に設けても良く、あるいは、細かい線状、格子状、散点
状、粘着剤が塗布されていない小円部が多数形成された
面状等、用途によって 自由に選定しても良い。
【0028】上記粘着剤の種類は、特に限定されるもの
ではなく、例えば、天然ゴム系、合成ゴム系、アクリル
系、ウレタン系、ビニルエーテル系、シリコンーン系等
の各種粘着剤が好適に用いられ、又、その形態は、溶剤
型、エマルジョン型、ホットメルト型等の何れであって
も良い。
【0029】基材フィルムへの上記粘着剤の塗工方法
は、特に限定されるものではなく、フィルム表面に粘着
剤を直接塗工しても良いし、あるいは離型紙や離型フィ
ルムのようなセパレーターの離型処理面に粘着剤を塗工
して、基材フィルムと重ね合わせることによって粘着剤
層をフィルム側ヘ転写する方法を採っても良い。
【0030】又、上記基材フィルムの粘着剤層と反対側
の表面には、目的に応じて、各種の印刷を任意の形状及
び寸法で行い得る。例えばメッシュ状、散点状、幼児用
のキャラクター等の形状を印刷し得る。
【0031】
【作用】本発明の救急絆創膏用フィルムは、可塑剤を実
質的に含有せず、柔軟で伸縮性を有しており、しかも伸
張時の応力緩和が速いため、患部を圧迫せず、風合いが
よい救急絆創膏を提供することができる。
【0032】本発明の救急絆創膏用フィルムが上記のよ
うな優れた特徴を有する理由は、以下のように推定され
る。本発明に用いられるポリプロピレン系樹脂は、ポリ
プロピレン樹脂にエチレン−プロピレン共重合体などに
代表される非晶性ポリマーが重合中に大量に導入されア
ロイされたようになっていると考えられる。非常に活性
が高く、寿命が長いチタン系触媒の使用により、この種
の樹脂の製造が一部のメーカーで可能になっているよう
である。このような重合によるポリマー中には、分子構
造の異なる共重合体が数種存在し、そのためポリプロピ
レンなどの通常樹脂部とこれら共重合体部のアロイにお
いて特徴あるモルフォロジーが発現していると考えられ
る。この結果、樹脂中に架橋を含まない材料であるにも
関わらず、本発明における救急絆創膏用フィルムは、可
塑化PVCに非常に近い物性を発揮すると考えられる。
【0033】本発明の救急絆創膏用フィルムは、可塑剤
を実質的に含有しないポリプロピレン系熱可塑性樹脂か
らなる。幅19mmのフィルムのx%伸張時の抗張力F
(x)が、F(30)>F(10)>F(5)であり、
かつ、0.2kgf<F(30)≦1.2kgf、0.
2kgf≦F(10)≦0.8kgf、0.1kgf≦
F(5)≦0.6kgfであることにより、貼付け時お
よび貼付け後の指などの伸縮運動時に適度に伸び、貼り
付けが容易であり、伸縮運動にも追従し、緩んだりしな
い。しかも、このフィルムを10%伸張した後y秒後の
応力残存率R(10,y)が、R(10,5)≦80
%、R(10,300)≦60%であることにより、貼
付け直後および貼付け後の締め付け感、圧迫感がなく、
良好な貼付け特性を有させることが可能である。そし
て、フィルム厚さtが30〜200μmであることによ
り、適度な柔軟性を有し、貼り付けが容易である救急絆
創膏を提供することができる。
【実施例】以下、実施例に基づき本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれに限定されない。
【0034】以下の実施例において、抗張力、応力緩
和、人体(指)における装着感、および人体(指)への
貼付け性は以下に示す方法で試験された。
【0035】1.抗張力:引張試験機により、試料幅1
9mm,初期試料長(つかみ間隔)100mmの試料
を、引張速度200mm/minで引っ張り、伸度5
%、10%、および30%における抗張力を測定した。
【0036】2.応力緩和:引張試験機により、試料幅
19mm、初期試料長100mmの試料を、引張速度2
00mm/minで、伸度10%まで引っ張った後、そ
のまま保持してから5秒後および300秒後の抗張力を
測定し、次式により、応力残存の割合を計算した。
【0037】
【数1】
【0038】3.人体(指)への装着感:絆創膏を人差
指の第2関節の周囲に巻き付け、指を曲げたり伸ばした
りしたときの感触(圧迫感)を評価した。
【0039】4.人体(指)への貼付け性:救急絆創膏
を人差指の第2関節に貼付けるときにしわになったり硬
すぎたりなどの問題点がないかを評価した。
【0040】(実施例1)ポリプロピレン系樹脂(徳山
曹達社製PER)100重量部およびポリプロピレン系
樹脂(ハイモント社製キャタロイ)50重量部を、図1
に示されるように、Tダイ6により、金型温度約240
℃で混合して押し出し、冷却した後、工程紙1上に加熱
ラミネートし、フィルム2面をコロナ放電処理し、巻取
って厚さ65μmの救急絆創膏用フィルム2と工程紙1
との積層体を得た。
【0041】このようにして得られたフィルムから工程
紙を剥がした後、縦方向の抗張力、応力緩和、熱収縮を
前記方法で測定した。その結果は表1に示す通りであっ
た。
【0042】次に、クラフト紙の片面にポリエチレン層
をラミネートし、更にポリエチレン層の表面にシリコー
ン離型剤を塗工した工程紙の離型処理面にゴム系粘着剤
溶液(天然ゴム、ポリテルペン樹脂、ポリブテン、老化
防止剤の35重量%トルエン溶液)を塗布乾燥巻取機を
用いて、乾燥後の膜厚が40μmとなるように塗布、乾
燥し、次いで図2に示されるように、フィルム2のコロ
ナ処理面21と上記粘着剤層3とを積層し、工程紙を剥
離した後、巻取機でロール状に巻取った。次に、このロ
ール状の救急絆創膏用テープ原反をスリッターを用い
て、フィルム層2と工程紙1とが剥がれないようにしな
がら、19mm幅に切断し、長尺(200m)に巻取っ
た。得られた19mm幅の救急絆創膏用テープ原反A
を、図3に示される救急絆創膏用加工装置によって加工
し、救急絆創膏47を得た。
【0043】この装置には、所定幅の救急絆創膏用副資
材(ガーゼ、差替え用剥離紙、個包装紙等)の供給装置
が設けられており、この装置にかけられた上記の救急絆
創膏用テープ原反Aが繰り出されると、原反Aの軟質フ
ィルム層2と粘着剤層3に、先ず通常の微小な穴明け加
工41が施される。次いで、粘着剤層3の上面に厚さ1
mm、幅17mm×長さ25mmのガーゼ42を装着
し、工程紙1を軟質フィルム層2の下面から剥離すると
共に、差替え用の離型紙43をガーゼ42の上面に被
せ、積層物を得る。次いで、得られた積層物を所定の寸
法(幅19mm×長さ75mm、両端は半径12mmの
円弧状)に打ち抜き44、個包装材45で包装し、切断
46をおこなって、図4に示されるような救急絆創膏4
7の包装体が得られる。得られた救急絆創膏47から離
型紙43を剥がし、人体への装着感を前記方法で評価し
た。その結果は表1に示す通りであった。
【0044】(実施例2)フィルム厚さが80μmであ
ること以外は、実施例1と同様の方法で救急絆創膏用フ
ィルムおよび救急絆創膏を作製した。抗張力、応力緩
和、装着感、および貼付け性を実施例1と同様に評価し
た。結果を表1に示す。
【0045】(実施例3)ポリプロピレン系樹脂(ハイ
モント社製キャタロイ)100重量部、およびエチレン
−プロピレンゴム(三井石油化学工業社製タフマー:P
−0280)50重量部を用いたこと以外は、実施例1
と同様の方法で救急絆創膏用フィルムおよび救急絆創膏
を作製した。抗張力、応力緩和、装着感、および貼付け
性を実施例1と同様に評価した。結果を表1に示す。
【0046】(実施例4)ポリプロピレン系樹脂(ハイ
モント社製キャタロイ)100重量部、およびスチレン
ーイソプレンースチレンゴム(シェル化学社製カリフレ
ックスTR:TR1107P)20重量部を用いたこと
以外は、実施例1と同様の方法で救急絆創膏用フィルム
および救急絆創膏を作製した。抗張力、応力緩和、装着
感、および貼付け性を実施例1と同様に評価した。結果
を表1に示す。
【0047】(実施例5)フィルム厚さが100μm以
外は実施例1と同様の方法で救急絆創膏用のフィルムお
よび救急絆創膏を作製した。抗張力、応力緩和、装着感
および貼付け性を実施例1と同様に評価した。結果を表
1に示す。
【0048】(比較例1)フィルム厚さが25μmであ
ること以外は、実施例1と同様の方法で救急絆創膏用フ
ィルムおよび救急絆創膏を作製した。抗張力、応力緩
和、装着感、および貼付け性を実施例1と同様に評価し
た。結果を表1に示す。
【0049】(比較例2)フィルム厚さが210μmで
あること以外は、実施例1と同様の方法で救急絆創膏用
フィルムおよび救急絆創膏を作製した。抗張力、応力緩
和、装着感、および貼付け性を実施例1と同様に評価し
た。結果を表1に示す。
【0050】(比較例3)熱可塑性樹脂としてエチレン
−酢酸ビニル共重合体(三菱油化(株)社製「V50
5」)を用いたこと以外は、実施例1と同様の方法で救
急絆創膏用フィルムおよび救急絆創膏を作製した。抗張
力、応力緩和、装着感、および貼付け性を実施例1と同
様に評価した。結果を表1に示す。
【0051】(比較例4)熱可塑性樹脂としてエチレン
−酢酸ビニル共重合体(三菱油化(株)社製「EVA2
0F」)50重量部、エチレン−プロピレンゴム(三井
石油化学工業社製タフマー:P−0280)50重量部
を用いたこと以外は、実施例1と同様の方法で救急絆創
膏用フィルムおよび救急絆創膏を作製した。抗張力、応
力緩和、装着感、および貼付け性を実施例1と同様に評
価した。結果を表1に示す。
【0052】(比較例5)熱可塑性樹脂としてエチレン
−プロピレンゴム(三井石油化学工業社製タフマー:P
−0280)を用いたこと以外は、実施例1と同様の方
法で救急絆創膏用フィルムおよび救急絆創膏を作製し
た。抗張力、応力緩和、装着感、および貼付け性を実施
例1と同様に評価した。結果を表1に示す。
【0053】(比較例6)熱可塑性樹脂としてポリプロ
ピレン系樹脂(ハイモント社製キャタロイ)を用いたこ
と以外は、実施例1と同様の方法で救急絆創膏用フィル
ムおよび救急絆創膏を作製した。抗張力、応力緩和、装
着感、および貼付け性を実施例1と同様に評価した。結
果を表1に示す。
【0054】本実施例および比較例で得られた救急絆創
膏用フィルムおよび救急絆創膏の評価結果を、以下の表
1に示す。
【0055】
【表1】
【0056】
【発明の効果】本発明によれば、柔軟で伸縮性を有し、
伸張時に適度の強さを有する、可塑剤を実質的に含有し
ない熱可塑性樹脂を用いることによって、患部を圧迫し
たり、緩んだりせず、風合いがよい、救急絆創膏用フィ
ルムが得られる。
【0057】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の救急絆創膏用フィルムの製造法の一例
を示す概略図である。
【図2】救急絆創膏用フィルムと工程紙の上に設けられ
た粘着剤層とを積層した状態を示す断面図である。
【図3】救急絆創膏の製造工程を示す概略図である。
【図4】本発明の救急絆創膏用フィルムを用いて得られ
た救急絆創膏の平面図である。
【符号の説明】
1 工程紙 11 離型処理面 2 フィルム 21 コロナ処理面 3 粘着剤層 A 救急絆創膏用テープ原反 41 穴明け加工 42 ガーゼ 43 離型紙 44 打ち抜き加工 45 個包装材 46 切断加工 47 救急絆創膏 5 Tダイ 6 冷却ロール 7 ラミネートロール

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 可塑剤を実質的に含有しない熱可塑性樹
    脂からなるフィルムであって、幅19mmのフィルムの
    x%伸張時の抗張力F(x)が、F(30)>F(1
    0)>F(5)であり、かつ、0.2kgf<F(3
    0)≦1.2kgf、0.2kgf≦F(10)≦0.
    8kgf、0.1kgf≦F(5)≦0.6kgfであ
    り、該フィルムを10%伸張した後y秒後の応力残存率
    R(10,y)が、R(10,5)≦80%、R(1
    0,300)≦60%であり、かつ、該フィルム厚さt
    が30〜200μmであることを特徴とする救急絆創膏
    用フィルム。
JP6100976A 1993-09-24 1994-05-16 救急絆創膏用フィルム Pending JPH07136241A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6100976A JPH07136241A (ja) 1993-09-24 1994-05-16 救急絆創膏用フィルム

Applications Claiming Priority (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP23791593 1993-09-24
JP5-237915 1993-09-24
JP6100976A JPH07136241A (ja) 1993-09-24 1994-05-16 救急絆創膏用フィルム
US08/261,116 US5432009A (en) 1993-06-17 1994-06-14 Film for first-aid sticking plaster

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH07136241A true JPH07136241A (ja) 1995-05-30

Family

ID=27309358

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6100976A Pending JPH07136241A (ja) 1993-09-24 1994-05-16 救急絆創膏用フィルム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH07136241A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0969882B1 (en) Substrate for adhesive dressing
JP4365624B2 (ja) 皮膚貼付用粘着シート及び救急絆創膏
US5432009A (en) Film for first-aid sticking plaster
JP4508345B2 (ja) 複合基材及び粘着フィルム
JPH11320780A (ja) 多層フィルム及びそれを用いた粘着テープ
US5958580A (en) Masking tape or sheet
JPH07136241A (ja) 救急絆創膏用フィルム
JP4461499B2 (ja) 医療用貼付材および救急絆創膏
JP4465729B2 (ja) 医療用貼付材および救急絆創膏
JP2000034450A (ja) 粘着テープ
JPH07148240A (ja) 救急絆創膏用フィルム
JP3432329B2 (ja) 救急絆創膏用フィルム
JP3462532B2 (ja) 柔軟性フィルム
JPH07330923A (ja) 軟質オレフィンフィルム
JP3432333B2 (ja) 救急絆創膏用フィルム
JP3382707B2 (ja) 救急絆創膏用フィルムの製造方法
JPH0748458A (ja) ポリオレフィン系軟質フィルムおよびそのフィルムを基材とする絆創膏
JPH07289625A (ja) 救急絆創膏用基材フィルム
JP3757218B2 (ja) 粘着シート用基材フィルムとその製造方法
JPH10118174A (ja) 救急絆創膏
JPH0759839A (ja) 救急絆創膏用フィルム
JPH07227422A (ja) 救急絆創膏用フィルム
JPH07148241A (ja) 救急絆創膏用フィルム
JP2001163771A (ja) 貼付材用フィルム
JP3437009B2 (ja) 救急絆創膏用フィルム