JPH07135754A - モータ固定子の製造方法及びその製造装置 - Google Patents

モータ固定子の製造方法及びその製造装置

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JPH07135754A
JPH07135754A JP30342493A JP30342493A JPH07135754A JP H07135754 A JPH07135754 A JP H07135754A JP 30342493 A JP30342493 A JP 30342493A JP 30342493 A JP30342493 A JP 30342493A JP H07135754 A JPH07135754 A JP H07135754A
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JP
Japan
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brazing material
case
shaft
iron core
motor stator
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JP30342493A
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Inventor
Tsutomu Miyazaki
力 宮崎
Eiji Suzuki
英司 鈴木
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Miyaden Co Ltd
Original Assignee
Miyaden Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 誘導加熱を利用してシャフトと溝等を強固に
ロウ付け固定し、製品コストの低減と作業効率の向上を
図り得る、モータ固定子の製造方法及びその製造装置を
提供する。 【構成】 外周面に形成された複数の軸方向の溝にシャ
フトが嵌入された積層鉄心を、非導電性の略密閉したケ
ース内に略水平状態でセットし、ケースの長手方向略中
央部に設けたガス供給孔からケース内に不活性ガスを供
給した後に、ケースに近接配置した加熱コイルに高周波
電流を供給して積層鉄心を誘導加熱すると共に、ケース
のガス供給孔と同一円周線上に設けたロウ材供給孔から
ロウ材を供給して、シャフトを溝にロウ付けし、その
後、積層鉄心を所定角度回転させて、全てのシャフトを
溝に順次ロウ付けする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、積層鉄心を有するモー
タ固定子の製造方法及びその製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、モータ固定子には、複数枚の鉄心
を積層させた積層鉄心が使用されており、この積層鉄心
は、その両側面に押え板を配設すると共に、外周面に設
けた複数の溝に銅シャフト等を嵌入させて、各鉄心を固
定保持している。このシャフトと積層鉄心の溝との固定
方法としては、例えば特公昭63−50943号公報に
開示の方法が知られている。即ち、この方法は、あり溝
の開口端縁を斜交状に切り落とし、該あり溝内に挿入さ
れた断面台形の棒鋼材(シャフト)の傾斜状両側面との
間にV形の溶接開先を形成する。そして、このV形の開
先部分を、MIG溶接またはTIG溶接によって溶接
し、棒鋼材をあり溝に固定するものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この製
造方法にあっては、作業効率等が劣り、製品コストがア
ップすると共に、高品質のモータ固定子が得られ難いと
いう問題点があった。即ち、複数の溝に一々MIG溶接
等を施す必要があるため、作業が面倒であり、該作業の
自動化が困難で作業効率が劣ると共に、積層鉄心に形成
される溝と、これに挿入される棒鋼材の形状が複雑にな
るため、その部品コストがアップする等、全体として製
品コストがアップすることになる。また、細かな溝への
溶接作業であるため、溶接作業に熟練を要し、安定した
品質の製品が得られ難く、特に、高回転、高精度が要求
されるモータにおいては、共振等の異音が生じ易く、適
用し難いのが実状である。
【0004】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たもので、その目的は、誘導加熱を利用してシャフトと
積層鉄心の溝等をロウ付け固定することにより、作業効
率等を向上させて、製品コストの低減を図ると共に、高
品質のモータ固定子が得られる、モータ固定子の製造方
法及びその製造装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成すべ
く、請求項1記載のモータ固定子の製造方法は、外周面
に形成された複数の軸方向の溝にシャフトが嵌入された
積層鉄心を、非導電性の略密閉したケース内に略水平状
態でセットし、ケースの長手方向の略中央部に設けたガ
ス供給孔から、ケース内に不活性ガスを供給した後に、
ケースに近接配置した加熱コイルに高周波電流を供給し
て、ケース内の積層鉄心を誘導加熱すると共に、ケース
のガス供給孔と同一円周線上に設けたロウ材供給孔か
ら、積層鉄心の溝部にロウ材を供給してシャフトをロウ
付けし、その後、積層鉄心を所定角度回転させて、シャ
フトを溝に順次ロウ付けすることを特徴とする。
【0006】また、請求項2記載のモータ固定子の製造
装置は、外周面に形成された複数の軸方向の溝にシャフ
トが嵌入された積層鉄心を、非導電性の略密閉したケー
ス内で略水平状態にして所定角度回転させる回転手段
と、ケースに近接配置した加熱コイルに高周波電流を供
給する電流供給手段と、ケースの長手方向の略中央部に
設けたガス供給孔からケース内に不活性ガスを供給する
ガス供給手段と、ケースのガス供給孔と同一円周線上に
設けたロウ材供給孔から、ケース内にロウ材を供給する
ロウ材供給手段と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
【作用】まず、請求項1記載のモータ固定子の製造方法
によれば、ケース内に不活性ガスが供給され、ガス置換
された後に、加熱コイルに高周波電流が供給されると、
ケース内に水平状態でセットされた積層鉄心が誘導加熱
される。ロウ材供給孔の円周線上で、例えばロウ材供給
孔と対向する位置に設けられた、ガス供給孔から供給さ
れる不活性ガスは、積層鉄心の外表面に吹き付けられ
て、ロウ付け前の積層鉄心の表面を清浄にさせると共
に、ロウ付け後の表面の酸化被膜の生成等が防止され
る。ロウ材供給孔から供給されたロウ材は、溝に沿って
溶融し、溝内のシャフトがロウ付けされる。一つの溝の
ロウ付けが終了したら、積層鉄心が所定角度回転し、次
のシャフトがロウ付けされる。この作業を全ての溝に対
して順次行なうことにより、シャフトが溝にロウ付けさ
れ、各鉄心が強固に固定されたモータ固定子が得られ
る。
【0008】また、請求項2記載のモータ固定子の製造
装置によれば、ガス供給手段からケース内に不活性ガス
が供給されてガス置換された状態で、電流供給手段から
加熱コイルに高周波電流が供給される。ケースの円周線
上に設けられたガス供給孔から供給される不活性ガス
は、積層鉄心に吹き付けられて、その表面を清浄にさせ
ると共に、酸化被膜の生成等を防止する。ロウ材供給手
段から、ガス供給孔と同一円周線上に設けられたロウ材
供給孔から供給されたロウ材は、誘導加熱されている積
層鉄心の溝部に当接して溶融し、溝に沿って流れ、シャ
フトがロウ付けされる。そして、回転手段によって積層
鉄心が所定角度回転され、各溝が同様にロウ付けされ
て、各鉄心が強固に固定されたモータ固定子が得られ
る。
【0009】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて詳
細に説明する。図1は、本発明に係わるモータ固定子の
製造装置の基本構成図を示している。図1において、製
造装置1は、内部にモータ固定子2が配設されるケース
3と、このケース3内のモータ固定子2を水平方向に移
動させる移動装置4と、このモータ固定子2を回転させ
る回転装置5と、ケースの蓋体3cを移動させる蓋体移
動装置6と、ケース3を包囲する如く配設される加熱コ
イル7と、この加熱コイル7に高周波電流を供給する高
周波電流供給装置8と、ケース3内に不活性ガスを供給
するガス供給装置9と、ケース3内にロウ材10を供給
するロウ材供給装置11と、これらを制御する制御装置
12等からなる。
【0010】ケース3は、モータ固定子2の外径より、
2倍程度の大きさの直径を有する円筒状で、例えば透明
で非導電性の石英管で形成されたケース本体3aを有
し、このケース本体3aの両端開口部には、石英管もし
くは他の非導電性物質で形成された蓋体3b、3cがそ
れぞれ嵌合されている。ケース本体3aの上面で、長手
方向の略中央部には、ロウ材供給孔14が穿設されると
共に、この供給孔14と円周線上で対向する位置、即
ち、ケース3の下面には、ガス供給孔15が穿設されて
いる。このガス供給孔15には、ガス供給装置9に接続
された供給弁16が配設されている。
【0011】また、ケース本体3aの適宜位置には、ガ
ス排出孔17が穿設され、この排出孔17には、排出弁
18が配設されている。なお、ロウ材供給孔14には、
必要に応じてロウ材10の外径と略同一の孔を有する、
非導電性のブッシュ等(図示せず)が嵌合される。
【0012】一方の蓋体3bには、その中心部に軸受け
20を介して、スクリュウ軸21が回転可能に配設さ
れ、このスクリュウ軸21のケース3内に位置する一端
部には、嵌合部22が固定されている。また、スクリュ
ウ軸21のケース3外に突出する部分には、移動装置4
が配設されている。移動装置4は、モータ23と、スク
リュウ軸21に螺合されたギヤ24等を有し、モータ2
3を回転させることによりギヤ24が回転し、スクリュ
ウ軸21を矢印イまたはロ方向に移動させる。
【0013】他方の蓋体3cには、その中心部に軸受け
25を介して、回転軸26が回転可能に配設され、この
回転軸のケース3内に位置する一端部には、嵌合部27
が固定されている。また、回転軸26のケース3外に突
出する部分には、回転装置5が配設されている。回転装
置5は、モータ28と、回転軸26に連結された連結部
材29等を有している。この連結部材29は、モータ2
8が回転する場合は、例えば回転軸26をチャックして
所定角度回転させ、モータ28が回転しない場合は、回
転軸26を単に支持するのみで、回転軸26の軸方向へ
の移動が許容される如く構成されている。
【0014】また、蓋体3cには、蓋体移動装置6が連
結されている。この蓋体移動装置6は、例えば図示しな
いエアシリンダ等を有し、エアシリンダの作動により、
そのシャフトに連結された蓋体3cを、矢印ハまたはニ
方向に移動させる。なお、蓋体3b、3cとケース本体
3aの嵌合部には、適宜のシール部材(図示せず)が配
設されている。
【0015】モータ固定子2は、図2及び図3に示すよ
うに、複数の鉄心30a、30b・・・を積層した積層
鉄心30を有し、この積層鉄心30の両端部には、例え
ば2枚の押え板31a、31b及び32a、32bがそ
れぞれ配設されている。また、積層鉄心30の外周面に
は、軸方向に例えば8個の溝33a〜33hが形成され
ている。この溝33a〜33h内には、銅製の円形シャ
フト34a〜34hが嵌入され、このシャフト34a〜
34hの両端部は、押え板31a、32aより若干突出
している。また、積層鉄心30の中心部には、モータ回
転子(図示せず)が嵌入する貫通孔35が形成され、こ
の貫通孔35の両端に、前記嵌合部22、27のがそれ
ぞれ嵌合される。
【0016】加熱コイル7は、銅製のパイプを所定回数
巻回して形成され、該パイプの両端が、高周波電流供給
装置8に接続されている。また、パイプの両端にはホー
スコネクタ(図示せず)が固定され、これが、例えば高
周波電流供給装置8内に設けられた図示しない冷却水供
給装置に接続されている。そして、加熱時に冷却水供給
装置から加熱コイル7内に冷却水が循環・供給されて、
加熱コイル7の発熱が抑えられる。高周波電流供給装置
8は、例えば、FET、SIT、IGBT等の電力半導
体スイッチング素子を使用した電流型のインバータで構
成され、所定周波数の高周波電流を出力する。
【0017】ガス供給装置9は、例えばアルゴンガス、
窒素ガス等の不活性ガスを、供給弁16を介してケース
3内に所定の圧力で供給する。ロウ材供給装置11は、
例えば図示しない、ロールに巻回されたワイヤ状の銀ロ
ウを、プリントモータで回転する一対のローラで送出
し、これをケース本体3aの供給孔14からケース3内
に供給する。
【0018】次に、上記製造装置1におけるモータ固定
子2の製造方法を、図5のフローチャートに基づいて説
明する。なお、このフローチャートは、主に制御装置1
2に設けられた図示しないCPU(中央演算処理装置)
によって実行される。まず、プログラムが開始(S10
0)されると、制御装置12の制御信号によって蓋体移
動装置6を作動させて、蓋体3cを図1の矢印ハ方向に
移動(S101)させて、ケース本体3aから取り外
す。この時、蓋体3cの移動と共に、回転軸26も同方
向に移動する。
【0019】蓋体3cが取り外されたら、図2に示す如
く組み付けられ、各鉄心30a、30b・・・が、適宜
の方法により所定の圧力で圧接された積層鉄心30を、
ケース3の蓋体3c側の開口部からケース3内に挿入
し、積層鉄心30の一端側の貫通孔35に、スクリュウ
軸21の嵌合部22を嵌合させる。なお、積層鉄心30
と嵌合部22の嵌合は、積層鉄心30がスクリュウ軸2
1と共に左右方向(図1の矢印イ、ロ方向)に移動し得
る程度の強さで嵌合されるが、例えば嵌合部22を、貫
通孔35に挿入後、回転させることにより、嵌合部22
と貫通孔35とが係合する構成としてもよい。
【0020】そして、スクリュウ軸21と一体化された
積層鉄心30の他端側の貫通孔35に、回転軸26の嵌
合部27を嵌合させると共に、蓋体移動装置6を作動さ
せて、蓋体3cを矢印ニ方向に移動させてケース本体3
aに嵌合させる。この時、貫通孔35の両端に嵌合部2
2、27がそれぞれ嵌合された積層鉄心30も、同時に
移動する。これにより、積層鉄心30がケース3内に装
着(S102)される。
【0021】積層鉄心30が装着されたら、制御装置1
2の制御信号により、移動装置4及び回転装置5等を作
動させて、積層鉄心30を初期位置に設定(S103)
する。これにより、ロウ材供給孔14の直下に、積層鉄
心30の所定の溝、例えば溝33aの左端側が位置する
ことになる。この状態で、制御装置12の制御信号によ
り、ガス供給装置8を作動させて、供給弁16を介して
ケース3内に、例えばアルゴンガス、窒素ガス等の不活
性ガスを所定時間供給(S104)する。このガスは、
ガス供給孔15からケース内に噴出され、積層鉄心30
の外周面に吹き付けられる。また、高周波電流供給装置
8を作動させて、加熱コイル7に高周波電流を供給(S
105)すると共に、加熱コイル7のパイプ内に冷却水
を供給する。
【0022】そして、制御装置12の制御信号により、
ロウ材供給装置11を作動させて、ロウ材供給孔14か
ら、ケース3内にロウ材10を前進(S106)させ、
その先端を積層鉄心30の溝33a部に当接させる。積
層鉄心30に当接したロウ材10は、誘導加熱された積
層鉄心30の温度によって溶融し、シャフト34aの左
端部が溝33aにロウ付けされると共に、押え板31
a、31bがロウ付けされる。
【0023】ロウ材10が溝33a部に当接してから所
定時間後に、制御装置12の制御信号により、移動装置
4のモータ23を所定の回転数で回転させる。モータ2
3の回転により、ギヤ24が回転し、このギヤ24に螺
合しているスクリュウ軸21も回転する。スクリュウ軸
21の回転により、積層鉄心30が矢印イ方向に移動
(S107)する。なお、積層鉄心30の移動中、回転
軸26は、回転装置5の連結部材29に、単に支持され
ているのみである。
【0024】この積層鉄心30の移動により、ロウ材1
0と溝33aの当接位置が、溝33aに沿って連続的に
変化し、この間、ロウ材10も連続的に一定量送出さ
れ、図4に示すように、シャフト34aが溝33aにロ
ウ付けされる。そして、積層鉄心30が所定距離移動し
たら、制御装置12の制御信号により、移動装置4の作
動を停止させると共に、ロウ材供給装置11によるロウ
材10の供給を一時停止させ、さらに、ロウ材10を一
旦所定距離後退(S108)させ、積層鉄心30との接
触状態を解く。これにより、最初の溝33aのロウ付け
が終了する。
【0025】溝33aのロウ付けが終了したら、制御装
置12の制御信号により、回転装置5を作動させる。こ
の回転装置5の作動により、まず連結部材29が回転軸
26をチャックし、モータ28の回転に応じて、回転軸
26、即ち、積層鉄心30をを所定角度回転(S10
9)させる。この角度は、制御装置12に予め入力設定
されている、積層鉄心30の隣合う溝33a〜33h間
の角度である。これにより、ロウ材供給孔14の直下に
は、次の溝33bの右端部が位置することになる。
【0026】この状態で、ロウ材供給装置11を作動さ
せて、ロウ材10を前進(S110)させ、所定時間後
に、移動装置4を作動させて、積層鉄心30を図1の矢
印ロ方向に移動(S111)させる。これにより、シャ
フト34bが溝33bにロウ付けされる。そして、積層
鉄心30が初期位置に戻ると、全ての溝33a〜33h
のロウ付けが完了したか否かを判断(S112)する。
この実施例の場合は、「NO」となり、ステップS10
6に戻り、溝33cと溝33dを同様にロウ付けする。
同様にして溝33hまでロウ付けが終了すると、ステッ
プS112で「YES」となり、まず、制御装置12の
制御信号により、高周波電流の供給を停止(S113)
させると共に、ガスの供給を停止(S114)させる。
【0027】そして、蓋体移動装置6を作動させ、蓋体
3cを移動(S115)させて、ケース本体3aから取
り外し、積層鉄心30を、適宜の方法により冷却した後
に、回転軸26の嵌合部27から取り外す(S11
6)。これにより、一つの積層鉄心30に対するステッ
プが終了(S117)し、モータ固定子2が製造され、
蓋体3cが取り外されている状態で、次の積層鉄心30
が装着される。
【0028】このように、上記実施例によれば、ガス置
換された略真空状態のケース3内で、積層鉄心30を高
周波誘導加熱して、シャフト34a〜34hと溝33a
〜33h及び鉄心30a、30b・・と押え板31a、
31b、32a、32b等をロウ付けするため、充分な
ロウ付け強度となり、各鉄心30a、30b・・・が強
固に固定されたモータ固定子2が得られる。
【0029】特に、ロウ材供給孔14の対向位置にガス
供給孔15を設け、このガス供給孔15からガスを積層
鉄心30に吹き付けつつロウ付けするため、ロウ付け前
の積層鉄心30の外表面が清浄にされると共に、ロウ付
け後のロウ材表面の酸化被膜等の生成が防止される。ま
た、積層鉄心30を水平状態にして、移動させながらロ
ウ付けするため、溶融したロウ材10が溝33a〜33
hの全長に沿って均等に流れる。これらにより、良好な
ロウ付け状態の高品質のモータ固定子が得られ、回転時
にシャフト34a〜34hが振動することもなくなり、
高回転を必要とするモータ等に使用しても好適である。
【0030】また、ロウ材10をロウ材供給装置11に
よって溝33a〜33hに当接させ、移動装置4によっ
て積層鉄心30を移動させるため、その長さが長い積層
鉄心30にも適用でき、種々の形状のモータ固定子2を
得ることができる。さらに、積層鉄心30を、移動装置
4によって移動させると共に、回転装置5によって所定
角度回転させるだけで、複数の溝33a〜33hを順次
ロウ付けすることができ、ロウ付け作業の自動化が可能
になって、作業時間の短縮等の作業効率の大幅な向上が
図れる。
【0031】また、シャフト34a〜34h及び溝33
a〜33hの形状を簡略化することができ、部品の製造
コストを低減し得る。またさらに、ケース3は、モータ
固定子2の外径より若干大きい径の透明な石英管で形成
されているため、1個のモータ固定子2を製造する際に
使用する不活性ガスの量を少なくし得て、装置自体の小
型化とコストダウンが図れると共に、ロウ付け状態等を
外部から視認することもできる。
【0032】なお、上記実施例においては、ロウ材供給
孔14とガス供給孔15とを、ケース本体3aの同一円
周線上の対向位置に穿設したが、例えば図6に示すよう
に構成してもよい。即ち、ロウ材供給孔14を溝33a
の上方に位置させ、ガス供給孔15を、同一円周線L上
で溝33bの上方に位置させると共に、積層鉄心30を
矢印ホの如く回転させる。このように構成すれば、不活
性ガスによって、ロウ付け前の溝33a〜33hの洗浄
効果をより高めることができる。また、両供給孔14、
15を逆に位置させるか、積層鉄心30を逆回転させれ
ば、不活性ガスによって、ロウ付け表面の酸化被膜の発
生をより防止することができる。
【0033】また、上記実施例においては、ロウ材10
をロウ材供給装置11によって自動的に供給したり、モ
ータ23、28によって、積層鉄心30を移動させたり
回転させたりしたが、本発明はこれに何等限定されず、
手動によって、ロウ材10を供給したり、積層鉄心30
を移動及び回転させてもよい。さらに、上記実施例にお
いては、加熱コイル7がケース3を包囲する如く構成し
たが、例えば馬蹄形の加熱コイル7をケース3のロウ材
供給孔14側にのみ近接配置する等、適宜構成の加熱コ
イル7を使用し得る。
【0034】またさらに、上記実施例においては、ケー
ス3を円筒状の石英管で構成したが、例えば磁器、雲母
等の他の非導電性物質で構成してもよいし、楕円筒状や
角筒状に構成してもよい。また、上記実施例における、
モータ固定子2の構成、移動装置4、回転装置5、蓋体
移動装置6等の構成も一例であって、本発明の要旨を逸
脱しない範囲において、種々変更可能であることは言う
までもない。
【0035】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明のモータ固
定子の製造方法及びその製造装置によれば、高周波誘導
加熱によってシャフトと溝等をロウ付けするため、各鉄
心が強固に固定された高品質のモータ固定子が得られる
と共に、作業効率等を向上させて、製品コストを低減さ
せることができる等の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わるモータ固定子の製造装置の基本
構成図
【図2】同モータ固定子の斜視図
【図3】同要部断面図
【図4】同要部拡大断面図
【図5】同製造方法の一例を示すフローチャート
【図6】ケースの他の実施例を示す斜視図
【符号の説明】
1 製造装置 2 モータ固定子 3 ケース 3a ケース本体 3b、3c 蓋体 4 移動装置 5 回転装置 6 蓋体移動装置 7 加熱コイル 8 高周波電流供給装置 9 ガス供給装置 10 ロウ材 11 ロウ材供給装置 12 制御装置 14 ロウ材供給孔 15 ガス供給孔 30 積層鉄心 33a〜33h 溝 34a〜34h シャフト

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】外周面に形成された複数の軸方向の溝にシ
    ャフトが嵌入された積層鉄心を、非導電性の略密閉した
    ケース内に略水平状態でセットし、ケースの長手方向の
    略中央部に設けたガス供給孔から、ケース内に不活性ガ
    スを供給した後に、前記ケースに近接配置した加熱コイ
    ルに高周波電流を供給して、ケース内の積層鉄心を誘導
    加熱すると共に、ケースの前記ガス供給孔と同一円周線
    上に設けたロウ材供給孔から、積層鉄心の溝部にロウ材
    を供給してシャフトをロウ付けし、その後、積層鉄心を
    所定角度回転させて、シャフトを溝に順次ロウ付けする
    モータ固定子の製造方法。
  2. 【請求項2】外周面に形成された複数の軸方向の溝にシ
    ャフトが嵌入された積層鉄心を、非導電性の略密閉した
    ケース内で略水平状態にして所定角度回転させる回転手
    段と、ケースに近接配置した加熱コイルに高周波電流を
    供給する電流供給手段と、ケースの長手方向の略中央部
    に設けたガス供給孔から、ケース内に不活性ガスを供給
    するガス供給手段と、ケースの前記ガス供給孔と同一円
    周線上に設けたロウ材供給孔から、ケース内にロウ材を
    供給するロウ材供給手段と、を備えたことを特徴とする
    モータ固定子の製造装置。
JP30342493A 1993-11-08 1993-11-08 モータ固定子の製造方法及びその製造装置 Pending JPH07135754A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2003084030A1 (en) * 2002-04-01 2003-10-09 Nissan Motor Co., Ltd. Rotor body and production method thereof
US7157814B2 (en) 2001-10-22 2007-01-02 Lg Electronics Inc. Stator for reciprocating motor and manufacturing method thereof

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