JPH06217500A - モータ固定子の製造方法及びその装置 - Google Patents

モータ固定子の製造方法及びその装置

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JPH06217500A
JPH06217500A JP2060093A JP2060093A JPH06217500A JP H06217500 A JPH06217500 A JP H06217500A JP 2060093 A JP2060093 A JP 2060093A JP 2060093 A JP2060093 A JP 2060093A JP H06217500 A JPH06217500 A JP H06217500A
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JP
Japan
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case
groove
iron core
brazing material
motor stator
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JP2060093A
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English (en)
Inventor
Tsutomu Miyazaki
力 宮崎
Eiji Suzuki
英司 鈴木
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Miyaden Co Ltd
Original Assignee
Miyaden Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 誘導加熱を利用してシャフトと積層鉄心の溝
等をロウ付け固定することにより、作業効率等を向上さ
せて製品コストの低減を図り得る、モータ固定子の製造
方法及びその装置を提供する。 【構成】 複数の溝(24a〜24h)にシャフト(2
5a〜25h)を嵌入すると共にその両側に押え板(2
2a、22a、23a、23b)を配設した積層鉄心
(21)を、被導電性のケース(3)内に略密閉した状
態で回転可能にセットし、ケースを包囲する如く配設し
た加熱コイル(5)に高周波電流を供給して積層鉄心を
誘導加熱すると共に、ケース内に不活性ガスを供給す
る。そして、積層鉄心を適宜回転させ、ケースに配設し
た供給孔(20)からロウ材(8)を供給して、シャフ
トと溝等を順次ロウ付けする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、積層鉄心及びこれを保
持する押え板等からなるモータ固定子の製造方法及びそ
の装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、モータ固定子には、複数枚の鉄心
を積層させた積層鉄心が使用されており、この積層鉄心
は、その両側面に押え板を配設すると共に、外周面に設
けた複数の溝に銅シャフト等を嵌入させて、各鉄心を固
定保持している。このシャフトと積層鉄心の溝との固定
方法としては、例えば特公昭63−50943号公報に
開示の方法が知られている。即ち、この方法は、あり溝
の開口端縁を斜交状に切り落とし、該あり溝内に挿入さ
れた断面台形の棒鋼材(シャフト)の傾斜状両側面との
間にV形の溶接開先を形成する。そして、このV形の開
先部分を、MIG溶接またはTIG溶接によって溶接
し、棒鋼材をあり溝に固定するものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この製
造方法にあっては、作業効率等が劣り、製品コストがア
ップするといういう問題点があった。即ち、複数の溝に
一々MIG溶接等を施す必要があるため、作業が面倒で
あると共に、溶接作業に熟練を要する等、該作業の自動
化が困難で作業効率が劣る。また、積層鉄心に形成され
る溝とこれに挿入される棒鋼材の形状が複雑になるた
め、その部品コストがアップする等、全体として製品コ
ストがアップすることになる。
【0004】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たもので、誘導加熱を利用してシャフトと積層鉄心の溝
等をロウ付け固定することにより、作業効率等を向上さ
せて、製品コストの低減を図り得る、モータ固定子の製
造方法及びその装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成すべ
く、請求項1の製造方法は、外周面に形成した複数の溝
にシャフトを嵌入すると共にその両側に押え板を配設し
た積層鉄心を、被導電性のケース内に略密閉した状態で
回転可能にセットする工程と、上記ケースに近接配置し
た加熱コイルに高周波電流を供給して上記積層鉄心を誘
導加熱すると共に、上記ケース内に不活性ガスを供給す
る工程と、上記積層鉄心を所定角度回転させ、上記ケー
スに配設した供給孔からロウ材を供給して、上記シャフ
トを溝に順次ロウ付けする工程とを備えたことを特徴と
する。
【0006】また、請求項2の製造装置は、外周面に形
成した複数の溝にシャフトを嵌入すると共にその両側に
押え板を配設した積層鉄心を、略密閉した被導電性のケ
ース内で回転させる回転手段と、上記ケースに近接配置
した加熱コイルと、該加熱コイルに高周波電流を供給す
る電流発生手段と、上記ケース内に不活性ガスを供給す
るガス供給手段と、上記ケースに配設した供給孔から該
ケース内にロウ材を供給するロウ材供給手段とを備えた
ことを特徴とする。また、請求項3の製造装置は、上記
ケースが、透明もしくは半透明な円筒管で形成されてい
ることを特徴とする。
【0007】
【作用】請求項1の製造方法によれば、加熱コイルに高
周波電流が供給されると、被導電性のケース内にセット
された積層鉄心が誘導加熱され、また、ケース内に不活
性ガスが供給されると該ケース内がガス置換される。供
給孔からケース内の誘導加熱された積層鉄心の溝部に当
接されたロウ材は、溶融しながら溝内を流れ、シャフト
と溝及び鉄心と押え板等がロウ付けされる。一つの溝の
ロウ付けが終了したら、積層鉄心が所定角度回転し、次
の溝がロウ付けされ、これが全ての溝に対して順次行な
われる。
【0008】また、請求項2の製造装置によれば、電流
発生手段から加熱コイルに高周波電流が供給されると共
に、ガス供給手段からケース内に不活性ガスが供給され
る。ケース内がガス置換された状態で、ロウ材供給装置
からケース内に供給されたロウ材は、誘導加熱されてい
る積層鉄心の溝部に当接して溶融し、溝内を流れてシャ
フトと溝及び鉄心と押え板等がロウ付けされる。そし
て、回転手段によって積層鉄心が所定角度回転され、各
溝が同様にロウ付けされる。また、請求項3の製造装置
によれば、ケースを円筒管で形成することにより、ガス
の使用量を少なくなると共に、装置自体がコンパクトに
構成される。
【0009】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて詳
細に説明する。図1は、本発明に係わるモータ固定子の
製造装置の基本構成図を示している。図1において、製
造装置1は、内部にモータ固定子2が配設されるケース
3と、このケース3内のモータ固定子2を回転させるモ
ータ4と、ケース3を包囲する如く配設される加熱コイ
ル5と、この加熱コイル5に高周波電流を供給する電流
発生装置6と、ケース3内に不活性ガスを供給するガス
供給装置7と、ケース3内にロウ材8を供給するロウ材
供給装置9と、上前記モータ4、電流発生装置6、ガス
供給装置7、ロウ材供給装置9等を制御する制御装置1
0等からなる。
【0010】上記ケース3は、モータ固定子2の外径よ
り若干大きい直径を有する、例えば円筒状の石英管で形
成されたケース本体3aを有し、このケース本体3aの
両端開口部には、蓋3b、3cがそれぞれ嵌合されてい
る。この蓋3b、3cには、軸受け12a、12bがそ
れぞれ配設されると共に、蓋3bは予めケース本体3a
に嵌合され、その軸受け12aには、治具13の回転棒
13aが嵌合されている。そして、この治具13は、そ
の回転棒13aの一端が軸受け14に軸支されると共
に、その他端部には嵌合部13bが設けられている。ま
た、蓋3bにはガス供給弁15が配設され、上記ガス供
給装置7に接続されている。
【0011】一方、蓋3cはケース本体3aに着脱可能
に配設され、その軸受け12bには治具16の回転棒1
6aが嵌合される。この治具16の回転棒16aの一端
には、嵌合部16bが設けられると共に、その他端部
は、連結部材17を介して上記モータ4に連結される。
また、この蓋3cにはガス排出弁18が配設されてい
る。なお、このガス排出弁18をケース本体3aに配設
し、ロウ付け後のケース3内のガスをホース等によって
適宜箇所に排出するようにしてもよい。上記ケース本体
3aの上面の長手方向中心位置には、供給孔20が穿設
され、この供給孔20に、ロウ材供給装置9から送られ
てくるロウ材8が挿入される。
【0012】上記モータ固定子2は、図2、図3に示す
ように、複数の鉄心21a、21b・・・を積層した積
層鉄心21を有し、この積層鉄心21の両端部には、例
えば2枚の押え板22a、22b及び23a、23bが
それぞれ配設されている。また、積層鉄心21の外周面
には8個の溝24a〜24h(図3参照)が形成されて
いる。この溝24a〜24h内には、銅製の円形シャフ
ト25a〜25hが嵌入され、このシャフト25a〜2
5hの両端部は、押え板22a、23aより若干突出し
ている。また、積層鉄心21の中心部には、モータの回
転子(図示せず)が嵌入する貫通孔26が形成され、こ
の貫通孔26の両端に、上記治具13、16の嵌合部1
3b、16bがそれぞれ嵌合される。
【0013】上記加熱コイル5は、銅製のパイプを所定
回数巻回して形成され、該パイプの両端が、上記電流発
生装置6に接続されている。また、パイプの両端にはホ
ースコネクタ(図示せず)が固定され、これが、例えば
電流発生装置6内に設けた図示しない冷却水供給装置に
接続されている。そして、加熱時に冷却水供給装置から
加熱コイル5内に冷却水が供給・循環されて、加熱コイ
ル5の発熱が抑えられる。上記電流発生装置6は、例え
ば、FET、SIT、IGBT等の電力半導体スイッチ
ング素子を使用した電流型のインバータで構成されてい
る。
【0014】次に、上記製造装置1におけるモータ固定
子2の製造方法について説明する。まず、図2に示す如
く組み付けられた積層鉄心21の貫通孔26の一方側
に、上記治具16の嵌合部16bを嵌合させ、治具16
と積層鉄心21とを一体化させる。なお、嵌合部16b
と貫通孔26との嵌合は、積層鉄心21が治具16と共
に回転し得る程度の強さで嵌合されるが、例えば嵌合部
16bに凸部を設け、押え板23aにこの凸部の係合す
る凹部を設ければ、貫通孔26に嵌合部16bを単に挿
入する構成とし得る。
【0015】そして、治具16と一体化された積層鉄心
21をケース本体3a内に挿入し、貫通孔26の他端側
を、ケース本体3aに予め配設されている治具13の嵌
合部13bに嵌合させる。また、治具16の回転棒16
aを蓋3cの軸受け12bに嵌合させつつ、蓋3cをケ
ース本体3aに嵌合させると共に、回転棒16aの先端
とモータ4とを連結部材17で連結する。これにより、
積層鉄心21がケース3内にセットされたことになる。
この時、積層鉄心21は、その一つの溝、例えば溝24
aの長手方向の中心が、ケース3の供給孔20の下に位
置する如くセットする。
【0016】この状態で、制御装置10の制御信号によ
り、電流発生装置6が作動して加熱コイル5に高周波電
流を供給すると共に、加熱コイル5のパイプ内に冷却水
を供給する。また、電流の供給と同時に、ガス供給装置
7が作動して、ガス供給弁15を介してケース3内に、
例えばアルゴンガス、窒素ガス等の不活性ガスを所定時
間供給する。そして、ロウ材供給装置9から上記供給孔
20を介してロウ材8を供給し、その先端を積層鉄心2
1の溝24a部に当接させる。積層鉄心21に当接した
ロウ材8は、誘導加熱された該鉄心21の温度によって
溶融し、溝24aに沿って左右方向にそれぞれ流れる。
この時、ロウ材8が溝24aの長手方向の中心位置に当
接しているため、溶融したロウ材8は、溝24aの左右
に均等に流れることになる。これにより、図4に示す如
く、シャフト25aが溝24aにロウ付けされると共
に、両側の鉄心(例えば鉄心21a)と押え板22b、
23b及び押え板22aと22b、押え板23aと押え
23bとが、それぞれ溝24a部分においてロウ付けさ
れる。
【0017】所定量のロウ材8を供給して一つの溝24
aに対するロウ付けが終了したら、制御装置10の制御
信号により、ロウ材供給装置9を作動させてロウ材8を
積層鉄心21から一旦離し、モータ4を所定角度、即
ち、次の溝24bが供給孔20の下に位置するまで回転
させる。そして、ロウ材8を再び積層鉄心21に当接さ
せて、溝24bとシャフト25b等をロウ付けする。こ
の操作を他の全ての溝24c〜24hに対して順次行う
ことにより、シャフト25c〜25hと各溝24c〜2
4h等のロウ付けが完了する。
【0018】なお、積層鉄心21の回転角度は、予め溝
24a〜24hの位置を制御装置10に設定することに
より、モータ4によって自動的に所定角度回転される。
ロウ付けが完了すると、制御装置10により電流発生装
置6及びガス供給装置7の作動を停止させる。そして、
治具16とモータ4との連結を解くと共に、蓋3cをケ
ース本体3aから外し、積層鉄心21をケース3から取
り出す。これにより、1個のモータ固定子2が製造さ
れ、次の積層鉄心21を上記と同様にケース3内にセッ
トし、次のモータ固定子2を製造する。
【0019】このように、上記実施例によれば、ガス置
換された略真空状態のケース3内で、積層鉄心21を高
周波誘導加熱して、シャフト25a〜25hと溝24a
〜24h及び鉄心と押え板22b、23b等をロウ付け
するため、充分なロウ付け強度となり、各鉄心21a、
21b・・・が強固に連結されたモータ固定子2が得ら
れる。これにより、回転時にシャフト25a〜25hが
振動することもなくなり、高品質のモータを得ることが
でき、特に高回転を必要とするモータに適用して好適で
ある。
【0020】また、ロウ材8をロウ材供給装置9によっ
て溝24a〜24hに当接させるだけで、溶融したロウ
材8が溝24a〜24hに沿って左右に均等に流れてロ
ウ付けされると共に、モータ4の所定角度の回転によっ
て、積層鉄心21の複数の溝24a〜24hを順次ロウ
付けし得るため、ロウ付け作業の自動化が可能となり、
作業時間の短縮等の作業効率の大幅な向上が図れる。さ
らに、シャフト25a〜25h及び溝24a〜24hの
形状を簡略化することができ、部品の製造コストを低減
し得る。また、ケース3は、モータ固定子2の外径より
若干大きい径の石英管で形成されているため、1個のモ
ータ固定子2を製造する際に使用する不活性ガスの量を
少なくし得ると共に、装置自体の小型化が図れる。
【0021】なお、上記実施例においては、ロウ材8を
ロウ材供給装置9によって自動的に供給したり、モータ
4によってモータ固定子2を回転させたが、本発明はこ
れに何等限定されず、手動によって、ロウ材8を供給し
たりモータ固定子2を回転させてもよいことは勿論であ
る。また、上記実施例においては、加熱コイル5がケー
ス3を包囲する如く構成したが、例えば適宜形状の加熱
コイルを、ケース3の供給孔20側にのみ近接配置する
ようにしてもよい。さらに、上記実施例における、ケー
ス3の構成、モータ固定子2とモータ4の連結構造、治
具13、16の構造等は一例であって、本発明の要旨を
逸脱しない範囲において、種々変更可能であることは言
うまでもない。
【0022】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明のモータ固
定子の製造方法及びその装置によれば、誘導加熱によっ
てシャフトと溝等をロウ付けするため、各鉄心が強固に
連結されたモータ固定子が得られると共に、作業効率等
を向上させて、製品コストを低減させることができる等
の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わるモータ固定子の製造装置の基本
構成図
【図2】同モータ固定子の斜視図
【図3】同要部断面図
【図4】同要部拡大断面図
【符号の説明】
1 製造装置 2 モータ固定子 3 ケース 3a ケース本体 3a、3b 蓋 4 モータ 5 加熱コイル 6 電流発生装置 7 ガス供給装置 8 ロウ材 9 ロウ材供給装置 10 制御装置 20 供給孔 21 積層鉄心 22a、22b、23a、23b 押え板 24a〜24h 溝 25a〜25h シャフト
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年10月12日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 モータ固定子の製造方法及びその装置
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、積層鉄心を有するモー
タ固定子の製造方法及びその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、モータ固定子には、複数枚の鉄心
を積層させた積層鉄心が使用されており、この積層鉄心
は、その両側面に押え板を配設すると共に、外周面に設
けた複数の溝に銅シャフト等を嵌入させて、各鉄心を固
定保持している。このシャフトと積層鉄心の溝との固定
方法としては、例えば、特公昭63−50943号公報
に開示の方法が知られている。即ち、この方法は、あり
溝の開口端縁を斜交状に切り落とし、該あり溝内に挿入
された断面台形の棒鋼材(シャフト)の傾斜状両側面と
の間にV形の溶接開先を形成する。そして、このV形の
開先部分を、MIG溶接またはTIG溶接によって溶接
し、棒鋼材をあり溝に固定するものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この製
造方法にあっては、作業効率等が劣り、製品コストがア
ップすると共に、高品質のモータ固定子が得られ難いと
いういう問題点があった。即ち、複数の溝に一々MIG
溶接等を施す必要があるため、作業が面倒であり、該作
業の自動化が困難で作業効率が劣ると共に、積層鉄心に
形成される溝とこれに挿入される棒鋼材の形状が複雑に
なるため、その部品コストがアップする等、全体として
製品コストがアップすることになる。また、細かな溝へ
の溶接作業であるため、溶接作業に熟練を要し、安定し
た品質の製品が得られ難く、特に、高回転、高品質が要
求されるモータにおいては、共振等の異音が生じ易く、
適用が難しいのが実状である。
【0004】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たもので、誘導加熱を利用してシャフトと積層鉄心の溝
等をロウ付け固定することにより、作業効率等を向上さ
せて、製品コストの低減等を図り得る、モータ固定子の
製造方法及びその装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成すべ
く、請求項1の製造方法は、外周面に形成された複数の
軸方向の溝にシャフトが嵌入された積層鉄心を、非導電
性の略密閉したケース内に略水平状態でセットする工程
と、ケースに近接配置した加熱コイルに高周波電流を供
給して積層鉄心を誘導加熱すると共に、ケース内に不活
性ガスを供給する工程と、積層鉄心を所定角度回転さ
せ、ケースに配設した供給孔からロウ材を供給して、シ
ャフトを溝に順次ロウ付けする工程とを備えたことを特
徴とする。
【0006】また、請求項2の製造装置は、外周面に形
成された複数の軸方向の溝にシャフトが嵌入された積層
鉄心を、非導電性の略密閉したケース内で略水平状態に
して回転させる回転手段と、ケースに近接配置した加熱
コイルに高周波電流を供給する電流発生手段と、ケース
内に不活性ガスを供給するガス供給手段と、ケースに配
設した供給孔から該ケース内にロウ材を供給するロウ材
供給手段とを備えたことを特徴とする。また、請求項3
の製造装置は、ケースが、透明もしくは半透明な円筒管
で形成されていることを特徴とする。
【0007】
【作用】請求項1の製造方法によれば、加熱コイルに高
周波電流が供給されると、非導電性のケース内に水平状
態でセットされた積層鉄心が誘導加熱され、また、ケー
ス内に不活性ガスが供給されると該ケース内がガス置換
される。供給孔からケース内の誘導加熱された積層鉄心
の溝部に当接されたロウ材は、溶融しながら溝内を水平
方向に左右に流れ、シャフトと溝及び鉄心と押え板等が
ロウ付けされる。一つの溝のロウ付けが終了したら、積
層鉄心が所定角度回転し、次の溝がロウ付けされ、これ
が全ての溝に対して順次行なわれる。
【0008】また、請求項2の製造装置によれば、電流
発生手段から加熱コイルに高周波電流が供給されると共
に、ガス供給手段からケース内に不活性ガスが供給され
る。ケース内がガス置換された状態で、ロウ材供給装置
からケース内に供給されたロウ材は、誘導加熱されてい
る積層鉄心の溝部に当接して溶融し、溝内を水平方向に
流れてシャフトと溝及び鉄心と押え板等がロウ付けされ
る。そして、回転手段によって水平状態で積層鉄心が所
定角度回転され、各溝が同様にロウ付けされる。また、
請求項3の製造装置によれば、ケースを円筒管で形成す
ることにより、ガスの使用量を少なくし得ると共に、装
置自体がコンパクトに構成される。
【0009】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて詳
細に説明する。図1は、本発明に係わるモータ固定子の
製造装置の基本構成図を示している。図1において、製
造装置1は、内部にモータ固定子2が配設されるケース
3と、このケース3内のモータ固定子2を回転させるモ
ータ4と、ケース3を包囲する如く配設される加熱コイ
ル5と、この加熱コイル5に高周波電流を供給する電流
発生装置6と、ケース3内に不活性ガスを供給するガス
供給装置7と、ケース3内にロウ材8を供給するロウ材
供給装置9と、上記モータ4、電流発生装置6、ガス供
給装置7、ロウ材供給装置9等を制御する制御装置10
等からなる。
【0010】上記ケース3は、モータ固定子2の外径よ
り若干大きい直径を有する、例えば透明な円筒状の石英
管(非導電性)で形成されたケース本体3aを有し、こ
のケース本体3aの両端開口部には、石英管もしくは他
の非導電性物質で形成された蓋3b、3cがそれぞれ嵌
合されている。この蓋3b、3cには、軸受け12a、
12bがそれぞれ配設されると共に、蓋3bは予めケー
ス本体3aに嵌合され、その軸受け12aには、治具1
3の回転棒13aが嵌合されている。そして、この治具
13は、その回転棒13aの一端が軸受け14に軸支さ
れると共に、その他端部には嵌合部13bが設けられて
いる。また、蓋3bにはガス供給弁15が配設され、上
記ガス供給装置7に接続されている。
【0011】一方、蓋3cはケース本体3aに着脱可能
に配設され、その軸受け12bには治具16の回転棒1
6aが嵌合されている。この治具16の回転棒16aの
一端には、嵌合部16bが設けられると共に、その他端
部は、連結部材17を介して上記モータ4に連結されて
いる。また、この蓋3cにはガス排出弁18が配設され
ている。なお、このガス排出弁18をケース本体3aに
配設し、ロウ付け後のケース3内のガスをホース等によ
って適宜箇所に排出するようにしてもよい。上記ケース
本体3aの上面の長手方向中心位置には、供給孔20が
穿設され、この供給孔20に、ロウ材供給装置9から送
られてくるロウ材8が挿入される。
【0012】上記モータ固定子2は、図2、図3に示す
ように、複数の鉄心21a、21b・・・を積層した積
層鉄心21を有し、この積層鉄心21の両端部には、例
えば2枚の押え板22a、22b及び23a、23bが
それぞれ配設されている。また、積層鉄心21の外周面
には、その軸方向(積層鉄心21の長手方向)に8個の
溝24a〜24h(図3参照)が形成されている。この
溝24a〜24h内には、銅製の円形シャフト25a〜
25hが嵌入され、このシャフト25a〜25hの両端
部は、押え板22a、23aより若干突出している。ま
た、積層鉄心21の中心部には、モータの回転子(図示
せず)が嵌入する貫通孔26が形成され、この貫通孔2
6の両端に、上記治具13、16の嵌合部13b、16
bがそれぞれ嵌合される。
【0013】上記加熱コイル5は、銅製のパイプを所定
回数巻回して形成され、該パイプの両端が、上記電流発
生装置6に接続されている。また、パイプの両端にはホ
ースコネクタ(図示せず)が固定され、これが、例えば
電流発生装置6内に設けた図示しない冷却水供給装置に
接続されている。そして、加熱時に冷却水供給装置から
加熱コイル5内に冷却水が供給・循環されて、加熱コイ
ル5の発熱が抑えられる。上記電流発生装置6は、例え
ば、FET、SIT、IGBT等の電力半導体スイッチ
ング素子を使用した電流型のインバータで構成されてい
る。
【0014】次に、上記製造装置1におけるモータ固定
子2の製造方法について説明する。まず、図2に示す如
く組み付けられた積層鉄心21の貫通孔26の一方側
に、上記治具16の嵌合部16bを嵌合させ、治具16
と積層鉄心21とを一体化させる。なお、嵌合部16b
と貫通孔26との嵌合は、積層鉄心21が治具16と共
に回転し得る程度の強さで嵌合されるが、例えば嵌合部
16bに凸部を設け、押え板23aにこの凸部の係合す
る凹部を設ければ、貫通孔26に嵌合部16bを単に挿
入する構成とし得る。
【0015】そして、治具16と一体化された積層鉄心
21をケース本体3a内に挿入し、貫通孔26の他端側
を、ケース本体3aに予め配設されている治具13の嵌
合部13bに嵌合させる。また、治具16の回転棒16
aを蓋3cの軸受け12bに嵌合させつつ、蓋3cをケ
ース本体3aに嵌合させると共に、回転棒16aの先端
とモータ4とを連結部材17で連結する。これにより、
積層鉄心21がケース3内にセットされたことになる。
この時、積層鉄心21は、その一つの溝、例えば溝24
aの長手方向の中心が、ケース3の供給孔20の下に位
置する如くセットする。
【0016】この状態で、制御装置10の制御信号によ
り、電流発生装置6が作動して加熱コイル5に高周波電
流を供給すると共に、加熱コイル5のパイプ内に冷却水
を供給する。また、電流の供給と同時に、ガス供給装置
7が作動して、ガス供給弁15を介してケース3内に、
例えばアルゴンガス、窒素ガス等の不活性ガスを所定時
間供給する。そして、ロウ材供給装置9から上記供給孔
20を介してロウ材8を供給し、その先端を積層鉄心2
1の溝24a部に当接させる。積層鉄心21に当接した
ロウ材8は、誘導加熱された該鉄心21の温度によって
溶融し、溝24aに沿って左右方向にそれぞれ流れる。
この時、ロウ材8が溝24aの長手方向の中心位置に当
接しているため、溶融したロウ材8は、溝24aの左右
に均等に流れることになる。これにより、図4に示す如
く、シャフト25aが溝24aにロウ付けされると共
に、両側の鉄心(例えば鉄心21a)と押え板22b、
23b及び押え板22aと22b、押え板23aと押え
23bとが、それぞれ溝24a部分においてロウ付けさ
れる。
【0017】所定量のロウ材8を供給して一つの溝24
aに対するロウ付けが終了したら、制御装置10の制御
信号により、ロウ材供給装置9を作動させてロウ材8を
積層鉄心21から一旦離し、モータ4を所定角度、即
ち、次の溝24bが供給孔20の下に位置するまで回転
させる。そして、ロウ材8を再び積層鉄心21に当接さ
せて、溝24bとシャフト25b等をロウ付けする。こ
の操作を他の全ての溝24c〜24hに対して順次行う
ことにより、シャフト25c〜25hと各溝24c〜2
4h等のロウ付けが完了する。
【0018】なお、積層鉄心21の回転角度は、予め溝
24a〜24hの位置を制御装置10に設定することに
より、モータ4によって自動的に所定角度回転される。
ロウ付けが完了すると、制御装置10により電流発生装
置6及びガス供給装置7の作動を停止させる。そして、
治具16とモータ4との連結を解くと共に、蓋3cをケ
ース本体3aから外し、積層鉄心21をケース3から取
り出す。これにより、1個のモータ固定子2が製造さ
れ、次の積層鉄心21を上記と同様にケース3内にセッ
トし、次のモータ固定子2を製造する。
【0019】このように、上記実施例によれば、ガス置
換された略真空状態のケース3内で、積層鉄心21を高
周波誘導加熱して、シャフト25a〜25hと溝24a
〜24h及び鉄心と押え板22b、23b等をロウ付け
するため、充分なロウ付け強度となり、各鉄心21a、
21b・・・が強固に連結されたモータ固定子2が得ら
れる。これにより、回転時にシャフト25a〜25hが
振動することもなくなり、高品質のモータを得ることが
でき、特に高回転を必要とするモータに適用して好適で
ある。
【0020】また、ロウ材8をロウ材供給装置9によっ
て溝24a〜24hに当接させるだけで、溶融したロウ
材8が、水平状態の溝24a〜24hに沿って左右に均
等に流れてロウ付けされると共に、モータ4の所定角度
の回転によって、積層鉄心21の複数の溝24a〜24
hを順次ロウ付けし得るため、ロウ付け作業の自動化が
可能となり、作業時間の短縮等の作業効率の大幅な向上
が図れる。さらに、シャフト25a〜25h及び溝24
a〜24hの形状を簡略化することができ、部品の製造
コストを低減し得る。また、ケース3は、モータ固定子
2の外径より若干大きい径の透明な石英管で形成されて
いるため、1個のモータ固定子2を製造する際に使用す
る不活性ガスの量を少なくし得て、装置自体の小型化も
図れると共に、ロウ付け状態を外部から視認することも
できる。
【0021】なお、上記実施例においては、ロウ材8を
ロウ材供給装置9によって自動的に供給したり、モータ
4によってモータ固定子2を回転させたが、本発明はこ
れに何等限定されず、手動によって、ロウ材8を供給し
たりモータ固定子2を回転させてもよいことは勿論であ
る。また、上記実施例においては、加熱コイル5がケー
ス3を包囲する如く構成したが、例えば適宜形状の加熱
コイルを、ケース3の供給孔20側にのみ近接配置する
ようにしてもよい。さらに、上記実施例においては、ケ
ース3を円筒状の石英管で構成したが、例えば磁器、雲
母等の他の非導電性物質で構成してもよいし、楕円筒状
や角筒状に構成してもよい。またさらに、上記実施例に
おける、モータ固定子2の構成、モータ固定子2とモー
タ4の連結構造、治具13、16の構造等も一例であっ
て、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々変更
可能であることは言うまでもない。
【0022】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明のモータ固
定子の製造方法及びその装置によれば、誘導加熱によっ
てシャフトと溝等をロウ付けするため、各鉄心が強固に
連結された高品質のモータ固定子が得られると共に、作
業効率等を向上させて、製品コストを低減させることが
できる等の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わるモータ固定子の製造装置の基本
構成図
【図2】同モータ固定子の斜視図
【図3】同要部断面図
【図4】同要部拡大断面図
【符号の説明】 1 製造装置 2 モータ固定子 3 ケース 3a ケース本体 3a、3b 蓋 4 モータ 5 加熱コイル 6 電流発生装置 7 ガス供給装置 8 ロウ材 9 ロウ材供給装置 10 制御装置 20 供給孔 21 積層鉄心 22a、22b、23a、23b 押え板 24a〜24h 溝 25a〜25h シャフト

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】外周面に形成した複数の溝にシャフトを嵌
    入すると共にその両側に押え板を配設した積層鉄心を、
    被導電性のケース内に略密閉した状態で回転可能にセッ
    トする工程と、前記ケースに近接配置した加熱コイルに
    高周波電流を供給して前記積層鉄心を誘導加熱すると共
    に、前記ケース内に不活性ガスを供給する工程と、前記
    積層鉄心を適宜回転させ、前記ケースに配設した供給孔
    からロウ材を供給して、前記シャフトを溝に順次ロウ付
    けする工程と、を備えたことを特徴とするモータ固定子
    の製造方法。
  2. 【請求項2】外周面に形成した複数の溝にシャフトを嵌
    入すると共にその両側に押え板を配設した積層鉄心を、
    略密閉した被導電性のケース内で所定角度回転させる回
    転手段と、前記ケースに近接配置した加熱コイルと、該
    加熱コイルに高周波電流を供給する電流発生手段と、前
    記ケース内に不活性ガスを供給するガス供給手段と、前
    記ケースに配設した供給孔から該ケース内にロウ材を供
    給するロウ材供給手段と、を備えたことを特徴とするモ
    ータ固定子の製造装置。
  3. 【請求項3】前記ケースが、透明もしくは半透明な円筒
    管で形成されていることを特徴とする請求項2記載のモ
    ータ固定子の製造装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20150303778A1 (en) * 2012-11-22 2015-10-22 Compact Dynamics Gmbh Method for soldering a stator to a cooler, and stator comprising a solder connection to the stator support

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20150303778A1 (en) * 2012-11-22 2015-10-22 Compact Dynamics Gmbh Method for soldering a stator to a cooler, and stator comprising a solder connection to the stator support
US9356495B2 (en) * 2012-11-22 2016-05-31 Compact Dynamics Gmbh Method for soldering a stator to a cooler, and stator comprising a solder connection to the stator support

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