JP3126877B2 - ろう付け継手構造及びろう付け装置並びにろう付け方法 - Google Patents

ろう付け継手構造及びろう付け装置並びにろう付け方法

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JP3126877B2
JP3126877B2 JP06161319A JP16131994A JP3126877B2 JP 3126877 B2 JP3126877 B2 JP 3126877B2 JP 06161319 A JP06161319 A JP 06161319A JP 16131994 A JP16131994 A JP 16131994A JP 3126877 B2 JP3126877 B2 JP 3126877B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、中実の銅導体と管状の
銅導体とから構成されたいんろう型のろう付け継手構造
に係わり、特に、ガス絶縁開閉装置内部における銅導体
の接続部分に用いて好適なろう付け継手構造、及びその
ろう付け装置並びにろう付け方法に関する。
【0002】
【従来の技術】変電施設の一つであるガス絶縁開閉装置
の内部にある中心導体は、必要な長さを得るため、所定
長さの管状の肉厚銅導体を数本接続することにより構成
される。この時、管状の銅導体は、それよりも体積の十
分小さい中実の銅導体を介してろう付けによって接続さ
れ、さらに中実の銅導体と管状の銅導体とがボルト締め
される。管状の銅導体を用いるのは、10000アンペア程
度の大電流の挙動に適合させること、及び重量低減を図
ること等を考慮したためである。また、管状の銅導体と
中実の銅導体とのろう付けはいんろう型のろう付け継手
構造を採用し、通常、中実の銅導体を上方に、管状の銅
導体を下方に配置して、その継手部分にろう材を配置し
加熱することにより行われる。さらに、ろう材が完全に
溶融した後にろう材中から空気やガス等の気体を追い出
すため、両銅導体を摺動させる方法が採用される。
【0003】上記のようなガス絶縁開閉装置の内部にあ
る中心導体は、完全に密封された圧力容器内の特殊な雰
囲気中にあるので、不良があっても交換するのに大変手
間がかかてしまう。従って、上記銅導体のろう付け継手
構造においてはそのろう付け後の製品の品質を良好かつ
一定に保ち、その信頼性を確保する必要がある。
【0004】従来、上記のようなガス絶縁開閉装置の内
部における銅導体のろう付け継手構造は、図10に示す
ように、中実の銅導体を上方に、前記管状の銅導体を下
方に配置すると共に、上方に配置した中実の銅導体を凸
形状に、下方に配置した管状の銅導体を凹形状に成形し
たいんろう型であった。また、両銅導体の継手部分の突
き合わせ面は水平な平面であった。
【0005】また、中実の銅導体と管状の銅導体で構成
されたいんろう型のろう付け継手ではないが、単なる金
属管同士をいんろう型に加工してろう付けをする方式と
しては、特開昭62−113312号公報や特開平4−
75773号公報に記載のものがある。これらの従来技
術は、ろう付け接続する金属管のいんろう型の接続部分
を、テーパをもった面が向かい合うように成形するもの
である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ガス絶縁開閉装置内部
の銅導体における従来のろう付け継手構造は、前述のよ
うに両銅導体の継手部分の突き合わせ面が水平な平面で
あるため、ろう材が完全に溶融した時にその水平な平面
部分にろう材が溶け込みにくく、ボイドができたりして
溶融欠陥になりやすい。また、下方に配置した管状の銅
導体と上方に配置した中実の銅導体とが同一の材料であ
ったとしても、両銅導体は形状が異なり、管状の銅導体
の方が中実の銅導体よりも体積が大きく、しかも管状の
銅導体の方が表面積が大きいため、ろう付けのための加
熱時には中実の銅導体の方が管状の銅導体よりも速く熱
せられてしまう。これにより、凸形状の中実の銅導体が
速く膨張して両方の銅導体同士がかじってしまい、ろう
材中から気体を追い出すために両銅導体を摺動させるこ
とができなくなってしまう。以上のことから、ろう付け
後の製品の品質を良好かつ一定に保つことが困難であっ
た。
【0007】また、ろう材が溶融した時には、図11に
示すように、継手部分の間より溶融したろう材がはみ出
してしまい、ろう付け作業後にそのはみ出した部分をサ
ンダー等によって仕上げる作業が必要となり、作業工程
数が多くなる。
【0008】さらに、従来のろう付け作業では、作業者
がガスバーナなどによって継手部分を加熱しながらろう
材が溶融したことを目視で確認し、ろう材が完全に溶融
したのを確認後継手部分の加熱を中止し、ろう材中から
気体を追い出すために両銅導体を摺動させていた。この
ような多くの作業工程を逐次消化していく必要のある従
来のろう付け作業は、作業者の長年の経験に頼らなけれ
ばならない部分が多く、またろう付け後の製品の品質も
作業者の違いによって異なることが避けられず、その品
質を良好かつ一定に保つことが大変難しかった。
【0009】一方、前述の特開昭62−113312号
公報や特開平4−75773号公報に記載の従来技術
は、ろう付け接続する金属管の接続部分をテーパ状に成
形するため、ろう材の溶融時にその接続部分にろう材が
溶け込み易くなり、溶融欠陥の発生は避けられる。しか
し、これらの従来技術では、同様の形状の金属管同士を
ろう付け接続するため、熱せられる速さ、つまり膨張す
る速さに前述のような違いが生じることがなく、従って
金属管同士のかじりの問題が生じることがなく、当然前
述のようなかじりの問題を解決する手段は講じられてい
ない。しかも、そのろう付け作業も作業者の長年の経験
に頼る部分が多く、作業者の違いによって製品の品質が
異なることが避けられず、やはりその品質を良好かつ一
定に保つことが大変難しい。
【0010】本発明の目的は、容易にろう付け作業を行
うことができ、ろう付け後の製品の品質を良好かつ一定
に保つことができるろう付け継手構造、及びそのろう付
け方法並びにろう付け装置を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明によれば、管状の銅導体とその管状の銅導体
よりも体積の小さい中実の銅導体とをろう付けにより接
続するいんろう型のろう付け継手構造において、前記中
実の銅導体及び前記管状の銅導体がテーパを有するいん
ろう型の継手部分を備え、かつ前記管状の銅導体の継手
部分が凸形状で、前記中実の銅導体の継手部分が凹形状
であり、前記管状の銅導体の継手部分に接する外周面及
び内周面のうち少なくとも一方に、溶融後はみ出したろ
う材を収容する溝を設けることを特徴とするろう付け継
手構造が提供される。
【0012】
【0013】また、前述の目的を達成するため、本発明
によれば、上記のようなろう付け継手構造を用いてろう
付けを行うろう付け装置において、中実の銅導体を管状
の銅導体に押し付ける押し付け手段と、継手部分を加熱
する加熱手段と、ろう材の輝度を測定する輝度測定手段
と、前記中実の銅導体及び前記管状の銅導体のうち少な
くとも一方を把持し正逆回転させる把持回転手段とを有
することを特徴とするろう付け装置が提供される。
【0014】また、前述の目的を達成するため、本発明
によれば、管状の銅導体とその管状の銅導体よりも体積
の小さい中実の銅導体とをろう付けにより接続するろう
付け方法において、前記中実の銅導体及び前記管状の銅
導体に上記のようなろう付け継手構造を有する継手部分
を設け、管状の銅導体を下方に、中実の銅導体を上方に
配置し、前記継手部分にろう材を配置して加熱し、前記
ろう材が溶融するまでの間中実の銅導体を前記管状の銅
導体に押し付け、前記ろう材の溶融前後の輝度を測定
し、前記ろう材が完全に溶融した後に、中実の銅導体及
び管状の銅導体のうち少なくとも一方をその中心軸まわ
りに一定の角度正逆回転させ、溶融したろう材中から気
体を追い出すことを特徴とするろう付け方法が提供され
る。
【0015】
【0016】また、上記ろう付け方法において、好まし
くは、中実の銅導体及び管状の銅導体のうち少なくとも
一方を正逆回転させている間は、前記ろう材の溶融状態
が保持されるように保温しておき、一定の時間後にその
正逆回転及びその加熱を停止する。
【0017】
【作用】上記のように構成した本発明のろう付け継手構
造においては、中実の銅導体及び管状の銅導体のいんろ
う型の継手部分にテーパを設けることにより、ろう付け
時に溶融したろう材が両銅導体の継手部分の間に溶け込
みやすくなり、溶融欠陥の発生が避けられる。これに加
え、本発明では、管状の銅導体の継手部分を凸形状に、
その管状の銅導体よりも体積の小さい中実の銅導体の継
手部分を凹形状にするため、ろう付けのための加熱時に
体積の小さい中実の銅導体が速く熱せられ速く膨張して
も両銅導体同士がかじることがない。従って、ろう材が
溶融した状態で両銅導体を摺動させることができ、確実
に溶融したろう材中から気体を追い出すことが可能とな
る。また、管状の銅導体の継手部分に接する外周面及び
内周面のうち少なくとも一方に、溶融後はみ出したろう
材を収容する溝を設けるため、ろう付け作業後にはみ出
したろう材をサンダー等によって仕上げる作業が不要と
なると共に、はみ出したろう材によって外観を損うこと
がない。以上により、ろう付け後の製品の品質を良好か
つ一定に保つことが可能となる。
【0018】
【0019】また、上記のようなろう付け継手構造を用
いてろう付けを行うろう付け装置においては、中実の銅
導体を管状の銅導体に押し付ける押し付け手段、継手部
分を加熱する加熱手段、ろう材の輝度を測定する輝度測
定手段、及び中実の銅導体及び前記管状の銅導体のうち
少なくとも一方を把持し正逆回転させる把持回転手段を
有する。これにより、以下に述べる本発明のろう付け方
法を容易に実施することができ、またそのろう付け作業
を自動化することもできる。
【0020】また、本発明のろう付け方法においては、
中実の銅導体及び管状の銅導体に上記のようなろう付け
継手構造を有する継手部分を設け、管状の銅導体を下方
に、中実の銅導体を上方に配置し、それらの継手部分に
ろう材を配置して加熱し、ろう材が溶融するまでの間、
中実の銅導体を管状の銅導体に押し付ける。これによ
り、ろう材が溶融した時にそのろう材を介して両銅導体
を確実に密着させることができる。また、この時、ろう
材の溶融前後の輝度を測定することにより、その輝度の
変化に基づいてろう材が完全に溶融したことを確認する
ことが可能となる。また、ろう材が完全に溶融したこと
を確認した後に、中実の銅導体及び管状の銅導体のうち
少なくとも一方をその中心軸まわりに一定の角度正逆回
転させることにより、両銅導体が摺動し、溶融したろう
材中から気体が追い出され、ろう付け後の製品の品質を
良好かつ一定に保つことが可能となる。
【0021】
【0022】さらに、上記のように正逆回転させている
間、ろう材の溶融状態が保持されるよう保温しておくた
め、溶融したろう材中からの気体の追い出しがスムーズ
に行える。そして、一定の時間後に上記正逆回転及び加
熱を停止することにより、ろう付け作業が完了する。
【0023】
【実施例】本発明によるろう付け継手構造及びろう付け
装置並びにろう付け方法の一実施例について、図1〜図
11を参照しながら説明する。本実施例は、ガス絶縁開
閉装置内部の中心導体を構成する銅導体のいんろう型ろ
う付け継手構造に関するものである。
【0024】まず、本実施例のろう付け継手構造を図1
により説明する。上部ワーク1は鍛造または機械加工に
よって製作された中実の銅導体であり、下部ワーク2は
管(パイプ)状の肉厚銅導体である。また、上部ワーク
1の体積は下部ワーク2に比べて十分短く体積も十分小
さい。このろう付け継手構造の特徴は、上部ワーク1の
継手部分11と下部ワーク2の継手部分12の突き合わ
せ面3がテーパを有すること、上部ワーク1の継手部分
11が凹形状で下部ワーク2の継手部分12が凸形状と
なるように成形されていること、及び下部ワーク2の継
手部分12に接する外周面及び内周面にそれぞれ溝4,
5を設けていることである。
【0025】ところで、従来、ガス絶縁開閉装置内部の
中心導体を構成する銅導体のいんろう型ろう付け継手構
造は、図10に示すように、上部ワーク1Aの継手部分
11Aと下部ワーク2Aの継手部分12Aの突き合わせ
面3Aが水平な平面であり、中実の上部ワーク1Aの継
手部分11Aが凸形状で、管状の下部ワーク2Aの継手
部分12Aが凹形状となるように成形されていた。従っ
て、ろう材が完全に溶融した時に水平な突き合わせ面3
Aにろう材が溶け込みにくく、ボイド7Aができたりし
て溶融欠陥になりやすかった。また、上部ワーク1Aと
下部ワーク2Aを同一の材料にしたとしても、両者は形
状が異なり、下部ワーク2Aの方が上部ワーク1Aより
も体積が大きく、しかも下部ワーク2Aの方が表面積が
大きいため、ろう付けのための加熱時に上部ワーク1A
の方が下部ワーク2Aよりも速く熱せられて膨張してし
まい、両方のワーク同士がかじってしまうという不具合
が生じる可能性があった。さらに、ろう材が溶融した時
には、図11に示すように、継手部分11A及び12A
の間より溶融したろう材6Aがはみ出してしまい、ろう
付け作業後にそのはみ出した部分をサンダー等によって
仕上げる作業が必要となり、作業工程数が多くなる。
【0026】これに対し、本実施例では、継手部分11
と継手部分12の突き合わせ面3がテーパを有すること
により、ろう付け時に溶融したろう材が継手部分11及
び12の間に溶け込みやすくなり、溶融欠陥の発生が避
けられる。また、下部ワーク2を凸形状に、下部ワーク
2よりも体積の小さい上部ワーク1を凹形状にするた
め、ろう付けのための加熱時に体積の小さい上部ワーク
1が速く熱せられ速く膨張しても両ワーク同士がかじる
ことがなく、従って後述のようにろう材が溶融した状態
で両ワークを互いに摺動させることができる。さらに、
下部ワーク2の外周面の溝4及び内周面の溝5により、
溶融後はみ出したろう材がこれらの溝4,5に収容さ
れ、ろう付け作業後にはみ出したろう材をサンダー等に
よって仕上げる作業が不要となると共に、はみ出したろ
う材によって外観を損うことがない。
【0027】次に、本実施例のろう付け装置について図
2及び図3により説明する。図2は本実施例のろう付け
装置の外観を示す図、図3はろう付け装置の一部である
ワーク把持回転装置を示す断面図である。
【0028】図2において、ろう付け装置100は、ろ
う付け装置本体50、ろう付け装置本体50を昇降させ
る本体用リフター51、本体用リフター51を支持する
支持ブロック52、ろう付け装置本体50に取り付けら
れ上部ワークを把持し回転させるワーク把持回転装置5
3、ろう付け装置本体50に取り付けられた加熱用の高
周波電流コイル54、ワーク把持回転装置53に取り付
けられ溶融したろう材の輝度を測定する光度計55、下
部ワーク2を支持及び位置決めするポジショナ56、ポ
ジショナ56を昇降させるワーク用リフター57、ワー
ク用リフター57を案内するレール58、及びろう付け
作業を自動的に制御する制御盤59を備える。但し、ポ
ジショナ56においては、下部ワーク2を挟むワークチ
ャック56aが円盤56bの平面内で回転可能であり
(図中矢印A参照)、さらに、円盤56bは回転軸56
cのまわりに回転可能である(図中矢印B参照)。
【0029】図3において、ワーク把持回転装置53
は、チャック71a,71bとこれらチャック71a,
71bをそれぞれ回転駆動するモータ72a,72bと
を有するチャック機構70a,70b、チャック機構7
0a,70bを貫通するネジ穴と螺合するボールネジ7
3a及び73b、ボールネジ73a及び73bのそれぞ
れの先端部に取り付けられたかさ歯車74a及び74
b、かさ歯車74a及び74bの管に位置しそれぞれに
係合するかさ歯車75、ボールネジ73aを回転駆動す
るモータ76を備える。また、このワーク把持回転装置
53の中央部の枠体77A下部にはリミットスイッチ7
7が取り付けられている。
【0030】次に、上記のような構成のろう付け装置を
用いたろう付け作業の手順について説明する。まず、ポ
ジショナ56を図2中の紙面右側、即ちレール58の制
御盤59側に移動させ、その位置で下部ワーク2をワー
クチャック56aに取り付ける。この作業は、円盤56
bを真上に向けておき(図中2点鎖線参照)、かつ下部
ワーク2の長手方向がレール58の長手方向と一致する
ような方向にワークチャック56aを向けた状態で行
う。そして、ポジショナ56をレール58上紙面左側へ
移動させ、円盤56bを回転軸56cを中心にろう付け
装置本体50側へ倒し、さらに円盤56bをその平面内
で回転させワークチャック56a、従って下部ワーク2
を図2の如く垂直に立てる。これで、下部ワーク2のセ
ットが完了する。以上が図4のフローチャートのステッ
プS1である。
【0031】次に、図4のステップS2で線状のろう材
6(図5参照)を下部ワーク2上にセットし、ステップ
S3で上部ワーク1を下部ワーク2の上に置く。ここま
でのステップS1〜ステップS3の作業は作業者が直接
行う。
【0032】以後のろう付け作業は、ろう付け装置10
0により自動で行なう。まず、ろう付け装置本体50を
本体用リフター51によって下降させ、継手部分11及
び12の周囲に高周波電流コイル54を位置させる。そ
して、リミットスイッチ77が上部ワーク1上面に当た
りONになると同時にろう付け本体装置50の下降を止
める。次に、高周波電流コイル54に高周波電流を流し
上部ワーク1及び下部ワーク2の継手部分11,12を
加熱する(図4のステップS4)。この時、ろう材6が
溶融するまでの間、リミットスイッチ77をONにした
状態で上部ワーク1を下部ワーク2に押し付けておく。
このよう上部ワーク1を下部ワーク2に押し付けておく
ことにより、ろう材6が溶融した時にそのろう材6を介
して両ワークを確実に密着させることができる。この時
の継手部分11,12付近の断面図を図5に示す。
【0033】ろう材6が溶融しない間はろう材6が流動
しないので、リミットスイッチ77はONのままで図4
のステップS4における加熱が継続される。ろう材6が
溶融するとろう材6が流動するため、上部ワーク1が下
降しリミットスイッチ77がOFFになる(ステップS
5)。
【0034】また、光度計55によってろう材6の溶融
前後の輝度を測定しておき、その輝度の変化に基づいて
ろう材6が完全に溶融したことを確認する(ステップS
6)。上記のようなろう材の温度変化とその輝度変化の
関係の一例を図6に示す。図6において、温度T1にお
いてろう材が溶融し始め、温度T2においてろう材の溶
融が完了するとすると、ろう材が溶融し始める時の輝度
はS1であり、ろう材の溶融が完了する時の輝度はS2
あるから、光度計55で測定した輝度がS2を超えた時
点がろう材が完全に溶融した時点であると判断すること
ができる。ステップS6では光度計55で測定した輝度
がS2(ろう材の溶融が完了する時の輝度)を超えたか
どうかを判断し、超えていなければステップS4におけ
る加熱が継続され、超えていれば、次のステップS7に
移る。ろう材6が完全に溶融した時の継手部分11,1
2付近の断面図を図7に示す。
【0035】ステップS5でリミットスイッチ77がO
FFになり、かつステップS6で光度計55によってろ
う材6が完全に溶融したことを確認すると、次の作業を
実施するための電気的指令が高周波電流コイル54及び
ワーク把持回転装置53に入力される。上記電気的指令
により、高周波電流コイル54は上部ワーク1及び下部
ワーク2をろう材6の溶融状態が保持される温度T
0(図9参照)に保温し(ステップS7)、ワーク把持
回転装置53は上部ワーク1を下部ワーク2に対して後
述するように摺動させる(ステップS8)。上部ワーク
1及び下部ワーク2を温度T0に保温するのは、ステッ
プS8で上部ワーク1を摺動させる時にろう材6が凝固
するのを防ぐためである。
【0036】次に、ワーク把持回転装置53による上部
ワーク1の摺動動作について説明する。ろう材6が完全
に溶融した後の電気的指令により、モータ76が回転駆
動され、これによってボールネジ73aが回転し、その
回転がかさ歯車74a,75,74bによってボールネ
ジ73bに伝えられ、ボールネジ73bがボールネジ7
3aとは逆方向に回転する。ボールネジ73a及び73
bがそれぞれ逆方向に回転することにより、チャック機
構70a,70bが中央へ互いに近づくように移動し、
上部ワーク1をチャック71a及び71bで挟み込む。
その後、チャック機構70a,70bのモータ72a,
72bがチャック71a及び71bをそれぞれ一定周期
毎に正逆方向に回転駆動することにより、上部ワーク1
が一定の角度正逆回転し、上部ワーク1を下部ワーク2
に対して摺動させる。上部ワーク1を正逆回転させる角
度としては、好ましくは30゜〜60゜の範囲の適当な角
度を選定すればよい。このように上部ワーク1を下部ワ
ーク2に対して摺動させることにより、溶融したろう材
6の中から空気やガス等の気体が追い出され、ろう付け
後の製品の品質を良好かつ一定に保つことが可能とな
る。上部ワーク1の摺動時における継手部分11,12
付近の断面図を図8に示す。
【0037】上記のような上部ワーク1の摺動動作を一
定時間継続した後、ステップS9において高周波電流コ
イル54の電源を切り、ろう付け作業を終了する。
【0038】図9は本実施例におけるろう付け作業の際
のワークまたはろう材の温度変化の一例を模式的に示す
図である。図9に示すように、最初は高周波電流コイル
54の出力を高くして温度T(>T2)まで上部ワーク
1及び下部ワーク2を加熱し、ろう材6が完全に溶解し
たら(時刻t0)高周波電流コイル54の出力を減じ、
ろう材6の溶融状態が保持される温度T0(≦T)に保
温する。そして、温度T0に保温した状態でワーク把持
回転装置53により上部ワーク1を下部ワーク2に対し
て摺動させ、溶融したろう材6の中から気体を追い出
し、一定の時間上部ワーク1を摺動させた後に(時刻t
1)ワーク把持回転装置53の動作を止め、高周波電流
コイル54の電源を切る。
【0039】上記のようなろう付け作業を終了したら、
ろう付け装置本体50を一旦上昇させ、下部ワーク2を
倒立させてその反対側の端部にろう材及び別の上部ワー
クを置き、同様の手順でろう付け作業を行なう。
【0040】本実施例のろう付け装置100の特徴は、
上部ワーク1及び下部ワーク2の取り付け作業及びろう
付け作業終了後のワークの搬出は作業者が直接行うが、
それ以外のろう付け作業は完全に自動的に行なわれるこ
とである。勿論、このろう付け装置100において、作
業者が直接行う上部ワーク1及び下部ワーク2の取り付
け作業、及びろう付け作業終了後のワークの搬出等を自
動化することは可能であり、そのような自動化によれば
ろう付け作業の完全な自動化が可能となる。
【0041】以上のような本実施例によれば、上部ワー
ク1の継手部分11と下部ワーク2の継手部分12の突
き合わせ面3がテーパを有するので、ろう付け時に溶融
したろう材6が継手部分11,12の間に溶け込みやす
くなり、溶融欠陥の発生を避けることができる。これに
加え、下部ワーク2を凸形状に、下部ワーク2よりも体
積の小さい上部ワーク1を凹形状にするので、ろう付け
のための加熱時に体積の小さい上部ワーク1が速く熱せ
られ速く膨張しても両ワーク同士がかじることがなく、
従ってろう材が溶融した状態で上部ワーク1を下部ワー
ク2に対して摺動させることができる。さらに、下部ワ
ーク2の外周面及び内周面に、溶融後はみ出したろう材
を収容する溝4,5をそれぞれ設けるので、ろう付け作
業後にはみ出したろう材をサンダー等によって仕上げる
作業が不要となり、はみ出したろう材によって外観を損
うことがない。
【0042】また、本実施例のろう付け装置100によ
れば、作業者の長年の経験に頼る必要がなく、ろう付け
作業を容易に実施することができ、その自動化を図るこ
とができる。この結果、人員削減やろう付け作業の効率
向上を図ることができる。
【0043】従って、本実施例によれば、容易にろう付
け作業を行うことができ、ろう付け後の製品の品質を良
好かつ一定に保つことができる。
【0044】
【発明の効果】本発明によれば、中実の銅導体及び管状
の銅導体の継手部分にテーパを設けるので、ろう材が継
手部分の間に溶け込みやすくなり、溶融欠陥の発生が避
けられる。これに加え、管状の銅導体の継手部分を凸形
状に、その管状の銅導体よりも体積の小さい中実の銅導
体の継手部分を凹形状にするので、加熱時に両銅導体同
士がかじることがなく、ろう材の溶融状態で両銅導体を
摺動させて確実にろう材中から気体を追い出すことが可
能となる。
【0045】また、管状の銅導体の外周面及び内周面の
うち少なくとも一方に、溶融後はみ出したろう材を収容
する溝を設けるので、サンダー等によって表面を仕上げ
る作業が不要となり、外観を損うことがない。
【0046】また、本発明のろう付け装置によれば、作
業者の長年の経験に頼ることなくろう付け作業を容易に
実施することができ、その自動化を図ることができ、さ
らに人員削減やろう付け作業の効率向上を図ることがで
きる。
【0047】従って、本発明によれば、容易にろう付け
作業を行うことができ、ろう付け後の製品の品質を良好
かつ一定に保つことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例によるろう付け継手構造を示
す断面図である。
【図2】図1のろう付け継手構造のろう付けを行うろう
付け装置の外観を示す図である。
【図3】図2のろう付け装置の一部であるワーク把持回
転装置を示す断面図である。
【図4】図1のろう付け装置を用いたろう付け作業の手
順を示すフローチャートである。
【図5】上部ワーク及び下部ワークの継手部分を加熱し
ている時の継手部分付近の断面図である。
【図6】ろう材の温度変化とその輝度変化の関係の一例
を示す図である。
【図7】ろう材が完全に溶融した時の継手部分付近の断
面図である。
【図8】上部ワークの摺動時における継手部分付近の断
面図である。
【図9】ろう付け作業の際のワークまたはろう材の温度
変化の一例を模式的に示す図である。
【図10】ガス絶縁開閉装置内部の中心導体を構成する
銅導体のいんろう型ろう付け継手構造の従来例を示す断
面図である。
【図11】図10のろう付け継手構造においてろう材が
溶融した時の断面図である。
【符号の説明】
1 上部ワーク 2 下部ワーク 3 突き合わせ面 4,5 溝 6 ろう材 11 (上部ワークの)継手部分 12 (下部ワークの)継手部分 50 ろう付け装置本体 51 本体用リフター 53 ワーク把持回転装置 54 高周波電流コイル 55 光度計 56 ポジショナ 56a ワークチャック 57 ワーク用リフター 58 レール 59 制御盤 70a,70b チャック機構 71a,71b チャック 72a,72b モータ 73a,73b ボールネジ 74a,74b,75 かさ歯車 76 モータ 77 リミットスイッチ 100 ろう付け装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 白田 悟 茨城県日立市国分町一丁目1番1号 株 式会社 日立製作所 国分工場内 (72)発明者 太田 勝郎 茨城県日立市国分町一丁目1番1号 株 式会社 日立製作所 国分工場内 (72)発明者 松島 修 茨城県日立市国分町一丁目1番1号 株 式会社 日立製作所 国分工場内 (72)発明者 竹内 茂隆 茨城県日立市国分町一丁目1番1号 株 式会社 日立製作所 国分工場内 (56)参考文献 特開 平4−75773(JP,A) 特開 昭64−44277(JP,A) 特開 昭58−9765(JP,A) 特開 平5−93592(JP,A) 実開 昭63−174189(JP,U) 特公 昭58−48273(JP,B1) 実公 昭46−17794(JP,Y1) 特表 昭56−500910(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B23K 1/14 B23K 1/002 B23K 33/00 H02G 5/06

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 管状の銅導体とその管状の銅導体よりも
    体積の小さい中実の銅導体とをろう付けにより接続する
    いんろう型のろう付け継手構造において、 前記中実の銅導体及び前記管状の銅導体がテーパを有す
    るいんろう型の継手部分を備え、かつ前記管状の銅導体
    の継手部分が凸形状で、前記中実の銅導体の継手部分が
    凹形状であり、 前記管状の銅導体の継手部分に接する外周面及び内周面
    のうち少なくとも一方に、溶融後はみ出したろう材を収
    容する溝を設けた ことを特徴とするろう付け継手構造。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のろう付け継手構造を用い
    てろう付けを行うろう付け装置において、前記中実の銅
    導体を前記管状の銅導体に押し付ける押し付け手段と、
    前記継手部分を加熱する加熱手段と、前記ろう材の輝度
    を測定する輝度測定手段と、前記中実の銅導体及び前記
    管状の銅導体のうち少なくとも一方を把持し正逆回転さ
    せる把持回転手段とを有することを特徴とするろう付け
    装置。
  3. 【請求項3】 管状の銅導体とその管状の銅導体よりも
    体積の小さい中実の銅導体とをろう付けにより接続する
    ろう付け方法において、 前記中実の銅導体及び前記管状の銅導体に請求項1記
    のろう付け継手構造を有する継手部分を設け、前記管状
    の銅導体を下方に、前記中実の銅導体を上方に配置し、
    前記継手部分にろう材を配置して加熱し、前記ろう材が
    溶融するまでの間前記中実の銅導体を前記管状の銅導体
    に押し付け、前記ろう材の溶融前後の輝度を測定し、 前記ろう材が完全に溶融した後に、前記中実の銅導体及
    び前記管状の銅導体のうち少なくとも一方をその中心軸
    まわりに一定の角度正逆回転させ、溶融した前記ろう材
    中から気体を追い出す ことを特徴とするろう付け方法。
  4. 【請求項4】 請求項記載のろう付け方法において、 前記中実の銅導体及び前記管状の銅導体のうち少なくと
    も一方を正逆回転させている間は、前記ろう材の溶融状
    態が保持されるように保温しておき、一定の時間後にそ
    の正逆回転及びその加熱を停止することを特徴とするろ
    う付け方法。
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