JPH07134422A - パターン形成方法 - Google Patents

パターン形成方法

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Publication number
JPH07134422A
JPH07134422A JP5537194A JP5537194A JPH07134422A JP H07134422 A JPH07134422 A JP H07134422A JP 5537194 A JP5537194 A JP 5537194A JP 5537194 A JP5537194 A JP 5537194A JP H07134422 A JPH07134422 A JP H07134422A
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JP
Japan
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resist
pattern
resin
insoluble layer
width
Prior art date
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Application number
JP5537194A
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English (en)
Inventor
Takahiro Yamauchi
孝裕 山内
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Oki Electric Industry Co Ltd
Original Assignee
Oki Electric Industry Co Ltd
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Publication date
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  • Drying Of Semiconductors (AREA)
  • Photosensitive Polymer And Photoresist Processing (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 隣接するマスクパターン間のスペース幅を狭
くしつつ、ドライエッチングに適した形状のマスクパタ
ーンを形成する。 【構成】 下地20上にノボラックレジストにより主パタ
ーン22を形成する。次に樹脂成分としてアクリル樹脂を
含むと推定されるレジスト(日本ゼオン社製ZEP520)26
を、主パターン側壁22a 上に積層する(図2(A) )。次
に主パターン22及びレジスト26を加熱して不溶層28を形
成する(図2(B) )。不溶層28は主パターン22及びレジ
スト26の樹脂成分が熱拡散により混合して形成されると
考えられる。次にレジスト26をその全面にわたって露光
し(図2(C) )、然る後レジスト26を現像して除去す
る。現像液に対して不溶な主パターン22及び不溶層28よ
り成るマスクパターンを得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明はパターン、例えばエッ
チングに用いるマスクパターンの形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、例えば半導体装置を製造する
ためのリソグラフィ工程において、レジストにより形成
したマスクパターンが使用されている。このようなレジ
ストパターンの形成技術として、例えば文献:「Proc.
of 1991 Intern. MicroProcessConference (プロシー
ディング オブ 1991 インターナショナル マイ
クロプロセス カンファレンス)」pp145〜152
に開示されている、CARL(Chemical Amplification
of Resist Lines)技術がある。この技術は、(1).
形成したレジストパターンを、シリル化することでその
体積を膨張させてシリル化前の状態よりも太らせるか、
(2).レジストを、露光した後にシリル化して露光部
分を太らせるものであって、半導体装置の高集積化に対
応可能な微細なレジストパターンを形成できる。この技
術では、シリル化のために特殊なレジストを使用する必
要がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら半導体装
置の製造においては、シリル化を行なえる特殊なレジス
トのみならず、それ以外のレジストも使用できる方が、
工程の自由度を高める上で好ましい。
【0004】一方、微細でしかもドライエッチング耐性
の高いマスクパターンを形成するのに適したレジストと
して、ノボラックレジスト(樹脂成分としてノボラック
樹脂を含むポジ型レジスト)が使用されている。
【0005】図17はノボラックレジストを用いたマス
クパターンの形成工程を概略的に示す断面図である。そ
の形成に当っては、まず、半導体基板10上にノボラッ
クレジスト12を塗布する(図17(A))。次に、縮
小投影露光装置(図示せず)を使用して、エッチングし
たい領域のレジスト12を選択的に露光する。エッチン
グしたくない領域のレジスト12は露光せず、従ってレ
ジスト12には露光部分12bと未露光部分12aとが
形成される(図17(B))。次に、現像液としてアル
カリ性水溶液を使用して、レジスト12を現像する。露
光部分12bは現像液で溶解されるので除去され、従っ
てエッチングしたい領域の半導体基板10を露出するス
ペース14が形成される。一方、未露光部分12aは現
像液に対し不溶であるので残存し、その結果、残存する
未光部分12aより成るマスクパターン16が得られる
(図17(C))。
【0006】しかしながらノボラックレジストを用いた
従来のマスクパターンの形成においては、レジスト12
の露光後に、マスクパターン16の幅を太らせて隣接す
るマスクパターン16間のスペースを狭めることができ
ない。このため例えば、次に述べるような問題を生じ
る。
【0007】図18はレジストの露光量とスペース底部
の幅Wとの関係を概略的に示す図であって、図の横軸に
露光量及び縦軸に幅Wを取って示す。同図においては、
縮小投影露光の露光マスクを同一として露光量を種々に
変化させてマスクパターン16を形成した場合の、スペ
ース14底部の幅W(図19参照)の変化の様子を示し
た。また図19(A)、(B)及び(C)はそれぞれ露
光量を異ならせて形成した場合の、スペース及びマスク
パターンの様子を示す断面図であって、それぞれ図18
の露光量A、B及びCに対応する様子を示す。同図に示
すように、幅Wは、隣接する一方及び他方のマスクパタ
ーン16に挟まれたスペース14の底部の幅である。
【0008】図18及び図19からも理解できるよう
に、ノボラックレジスト12を用いてマスクパターン1
6を形成した場合、スペース14底部の幅Wは、レジス
ト12の露光量を増加又は減少させるにつれて広く又は
狭くなる。一方、マスクパターン16の断面形状は、レ
ジスト12の露光量を十分に大きくした場合(例えば露
光量B或はCの場合)にはマスクパターン16の側壁面
が基板10面に対してほぼ垂直に切り立った形状と成る
が、レジスト12の露光量を小さくし過ぎた場合(例え
ば露光量Aの場合)にはテーパ状となる。
【0009】従って、スペース14底部の幅Wを狭める
ためには露光量を小さくすれば良いが、露光量を小さく
しすぎるとマスクパターン16の断面形状はテーパ状と
成ってしまう。
【0010】ドライエッチングを行なう場合、マスクパ
ターン16の断面形状はその側壁面が基板10面に対し
てほぼ垂直に切り立った形状と成っているのが好まし
く、従ってノボラックレジストを用いた従来のマスクパ
ターン形成においては、ドライエッチングに適した断面
形状のマスクパターン16を形成するようにしながら、
スペース14底部の幅Wを狭めることには限界がある。
【0011】このような限界を無くすため、ノボラック
レジストの露光後にマスクパターン16を太らせること
ができれば、非常に便利である。
【0012】さらにノボラックレジストを用いたマスク
パターン形成においては、このような限界とは別の問題
もある。すなわち、スペース14底部の幅Wを狭めるた
め露光量を小さくした場合には、露光量A付近で露光量
に対する幅Wの変化量が大きくなり(図18参照)、こ
れがため幅Wの寸法を精度良く制御することが難しくな
る。
【0013】第一及び第二の発明は上述した点に鑑み成
されたものであり、第一及び第二発明の目的は、シリル
化できるレジストを用いなくても、マスクパターンの幅
を太らせることのできる新規なパターン形成方法を提供
することにある。
【0014】第一及び第二発明の第二目的は、ドライエ
ッチングに適した断面形状を有するマスクパターンを形
成しつつ、隣接するマスクパターン間のスペース幅を狭
めることのできるパターン形成方法を提供することにあ
る。
【0015】
【課題を解決するための手段】第一目的を達成するた
め、第一発明のパターン形成方法は、第一のレジストを
用いて、下地上に主パターンを形成する工程と、第二の
レジストを、主パターンの側壁上に積層する工程と、主
パターン及び第二のレジストを加熱し、当該レジストの
現像液に対し不溶性を有する不溶層を、主パターンの側
壁上に形成する工程と、不溶層形成後の第二のレジスト
を露光及び現像して除去し、主パターン及び不溶層を有
して成る複合パターンを形成する工程とを含み、第一及
び第二のレジストの一方をノボラック樹脂を含むポジ型
レジストとすると共に、第一及び第二のレジストの他方
をアクリル樹脂を含むポジ型レジストとしたことを特徴
とする。
【0016】また第一目的を達成するため、第二発明の
パターン形成方法は、第一のレジストを用いて、下地上
に主パターンを形成する工程と、第二のレジストを、主
パターンの側壁上に積層する工程と、主パターン及び第
二のレジストを加熱し、当該レジストの現像液に対し不
溶性を有する不溶層を、主パターンの側壁上に形成する
工程と、不溶層形成後の第二のレジストを露光及び現像
して除去し、主パターン及び不溶層を有して成る複合パ
ターンを形成する工程とを含み、第一及び第二のレジス
トの一方が含む樹脂を溶解可能な溶媒の溶解パラメータ
の数値範囲内の値を、第一及び第二のレジストの他方が
含む樹脂の溶解パラメータの値としたことを特徴とす
る。
【0017】
【作用】請求項1記載の第一発明によれば、樹脂成分と
してノボラック樹脂を含むポジ型レジストを、第一及び
第二のレジストの一方とし、樹脂成分としてアクリル樹
脂を含むポジ型レジストを、第一及び第二のレジストの
他方とするので、不溶層を形成できる。また不溶層形成
時の加熱温度により、主パターン側壁と交差する方向に
おける不溶層の厚さを厚くしたり或は薄くしたりでき従
って隣接する複合パターン間のスペースの幅を調整でき
る。
【0018】ノボラック樹脂及び又はアクリル樹脂が不
溶層形成時の加熱により熱拡散し、その結果、これら樹
脂が混合して不溶層を形成すると推定される。従って第
一レジストが含む樹脂及び又は第二レジストが含む樹脂
の熱拡散による拡散速度は、不溶層形成時の加熱温度に
応じて遅くしたり或は速くしたりでき、その結果、不溶
層形成時の加熱温度により、不溶層の厚さを調整できる
と考えられる。
【0019】請求項2記載の第一発明によれば、主パタ
ーン側壁と交差する方向における不溶層の厚さを、添加
剤の主剤に対する混合比率により制御できる。従って不
溶層の厚さ制御手法として、不溶層形成時の加熱温度を
調整するという手法以外の、新たな手法を提供できる。
【0020】添加剤の主剤に対する混合比率に応じて、
第一のレジストが含む樹脂が第二のレジスト中へと拡散
する速度が変化するため、不溶層の厚さを調整できると
考えられる。
【0021】請求項3記載の第一発明によれば、第一の
レジストを、ノボラック樹脂を含むポジ型レジストと
し、第二のレジストを、アクリル樹脂を含むポジ型レジ
ストとする。この場合、第一のレジストの露光量を制御
することにより、主パターンの形状を、側壁が下地に対
し垂直に切り立った形状に近づけることができる。この
とき、主パターンの幅が狭くなっても、隣接する複合パ
ターン間のスペースの幅を不溶層により狭めることがで
きる。
【0022】しかも主パターン側壁と交差する方向にお
ける不溶層の厚さを、主パターン側壁の全面にわたって
ほぼ一定とすることができる。従って側壁が下地に対し
てほぼ垂直に切り立つような形状の主パターンを形成す
ることにより、側壁が下地に対してほぼ垂直に切り立っ
た形状の複合パターンを形成できる。
【0023】請求項4記載の第二発明によれば、第一及
び第二のレジストの一方が含む樹脂を溶解可能な溶媒の
溶解パラメータの数値範囲内の値を、第一及び第二のレ
ジストの他方が含む樹脂の溶解パラメータの値とするの
で、第一のレジストが含む樹脂と第二のレジストが含む
樹脂とを、熱拡散により混合できる。従って第一及び第
二のレジストが含む樹脂をそれぞれ任意好適に選択する
ことにより、不溶層を形成することが可能であると考え
られる。
【0024】従って、第一レジストが含む樹脂及び又は
第二レジストが含む樹脂の熱拡散による拡散速度を、不
溶層形成時の加熱温度に応じて遅くしたり或は速くした
りすることができると考えられる。この結果、主パター
ン側壁と交差する方向における不溶層の厚さを、不溶層
形成時の加熱温度に応じて、厚くしたり或は薄くしたり
でき、従って隣接する複合パターン間のスペースの幅を
調整できると考えられる。
【0025】請求項5記載の第二発明によれば、主パタ
ーン側壁と交差する方向における不溶層の厚さを、添加
剤の主剤に対する混合比率により制御できる。従って不
溶層の厚さ制御手法として、不溶層形成時の加熱温度を
調整するという手法以外の、新たな手法を提供できる。
【0026】添加剤の主剤に対する混合比率に応じて、
第一のレジストが含む樹脂が第二のレジスト中へと拡散
する速度が変化するため、不溶層の厚さを調整できると
考えられる。
【0027】請求項6記載の第二発明によれば、第一の
レジストを、ノボラック樹脂を含むポジ型レジストとす
る。この場合、第一のレジストの露光量を制御すること
により、主パターンの形状を、側壁が下地に対し垂直に
切り立った形状に近づけることができる。このとき、主
パターンの幅が狭くなっても、隣接する複合パターン間
のスペースの幅を不溶層により狭めることができる。
【0028】しかも第二のレジストが含む樹脂を任意好
適に選択することにより、主パターン側壁と交差する方
向における不溶層の厚さを、主パターン側壁の全面にわ
たってほぼ一定とすることができると考えられる。従っ
てこのような第二レジストを用い、かつ、側壁が下地に
対してほぼ垂直に切り立つような形状の主パターンを形
成することにより、側壁が下地に対してほぼ垂直に切り
立った形状の複合パターンを形成できる。
【0029】
【実施例】以下、図面を参照し、発明の実施例につき説
明する。尚、図面は発明が理解できる程度に概略的に示
してあるに過ぎず、従って発明を図示例に限定するもの
ではない。
【0030】第一実施例 図1〜図3は実施例の主要な工程を段階的に示す要部断
面図である。この実施例を、第一発明の実施例として説
明する。
【0031】まず、第一のレジスト18を用いて、下地
20上に主パターン22を形成する。この実施例では、
下地20としてSi基板を用意し、この下地20上にス
ピンコート法により第一のレジスト18を積層する。第
一のレジスト18は樹脂成分としてノボラック樹脂を含
むポジ型レジスト例えば住友化学工業株式会社製 PF
I−26である。然る後、下地20をホットプレート
(図示せず)上に載置して90℃で90秒間加熱して、
第一のレジスト18をベークする。このベークにより、
第一のレジスト18が含む溶剤を蒸発させて第一のレジ
スト18を乾燥させる(図1(A))。尚、ベーク後の
第一のレジスト18の膜厚をほぼ1μmとする。
【0032】次いで第一のレジスト18を露光及び現像
して、主パターン22を形成する。図示せずも、露光装
置としてi線縮小投影露光装置及び露光マスクとして
0.5μm幅のストライプ状透光部及び0.5μm幅の
ストライプ状遮光部を交互に配置して成るマスクを用い
る。そしてこの露光マスクを介して、i線を第一のレジ
スト18に照射し、第一のレジスト18を露光する。露
光マスクの透光部及び遮光部に対応する領域の第一のレ
ジスト18に未露光部分18a及び露光部分18bを形
成する。然る後、下地20をホットプレート上に載置し
110℃で90秒間加熱して、第一のレジスト18をベ
ークする。このベークにより、第一のレジスト18が含
む感光剤を部分的に(露光部分18b内で局所的に)拡
散させ、第一のレジスト18の露光工程を終了する(図
1(B))。
【0033】次いで第一のレジスト18に対して、東京
応化工業株式会社製 現像液NMD−3 2.38%を
用いてパドル方式による現像処理を行なう。この結果、
第一のレジスト18の露光部分18bは現像液によって
溶解除去されこの露光部分18bに対応する領域の下地
20を露出するスペース(間隙)24が形成される。一
方、第一のレジスト18の未露光部分18aは下地20
上に残存し、残存する未露光部分18aより成る主パタ
ーン22が得られる。次いで、下地20及び主パターン
22を水洗する。然る後、下地20をホットプレート上
に載置して120℃で90秒間加熱して、下地20及び
主パターン22を乾燥させて、第一のレジスト18の現
像工程を終了従って主パターン22の形成工程を終了す
る(図1(C))。
【0034】次に、第二のレジスト26を、主パターン
22の側壁22a上に積層する。この実施例では、主パ
ターン22の側壁22a上にスピンコート法により第二
のレジスト26を積層する(図2(A))。第二のレジ
スト26は日本ゼオン株式会社製 電子ビーム用ポジ型
レジストZEP520(ロット番号350022 製造
年月日1992年12月9日)である。このZEP52
0の成分は必ずしも明らかではないが、この出願の発明
者の推定によれば、ZEP520は樹脂成分としてアク
リル樹脂を含むポジ型レジストであると考えられる。
【0035】次に、主パターン22及び第二のレジスト
26を加熱し、当該レジスト26の現像液に対し不溶性
を有する不溶層28を、主パターン22の側壁22a上
に形成する。この実施例では、下地20をホットプレー
ト上に載置して150℃で90秒間加熱して、主パター
ン22及び第二のレジスト26をベークする。
【0036】このベークにより、第二のレジスト26が
含む溶剤を蒸発させて第二のレジスト26を乾燥させる
と共に、主パターン22の側壁22a上に不溶層28を
形成する(図2(B))。不溶層28が形成される理由
は明らかではないが、この出願の発明者の推定によれ
ば、主パターン22の樹脂成分であるノボラック樹脂
と、第二のレジスト26の樹脂成分であるアクリル樹脂
とが、熱拡散により混合することによって、不溶層28
が形成されると考えられる。尚、主パターン22が形成
されていない領域でのレジスト26の厚さDをほぼ0.
5μmとした。
【0037】次に、不溶層28形成後の第二のレジスト
26を露光及び現像して除去し、主パターン22及び不
溶層28を有して成る複合パターン30を形成する。こ
の実施例では、露光装置としてアメリカのFusion社製
Illuminator を用い、波長230〜280nmの遠紫外
光を露光量2000mJ/cm2 で第二のレジスト26
に照射し、第二のレジスト26をその全面にわたって露
光する(図2(C))。
【0038】次いで現像液としてキシレンを用い、第二
のレジスト26を現像液で30秒間リンスする(第二の
レジスト26を現像する)。不溶層28以外の第二のレ
ジスト26は現像液によって溶解除去される。不溶層2
8及び主パターン22は第二のレジスト26の現像液に
対しては実質的に不溶であるので溶解せずに残存する。
この実施例で用いる第二のレジスト26は電子ビーム用
レジストであるので、電子ビームを用いて第二のレジス
ト26を露光したほうが効率良く第二のレジスト26を
除去でき好ましい。しかしここでは、第二のレジスト2
6の感度が電子ビームよりも鈍くなる遠紫外線を用いて
いるので、1回目の露光及び現像では第二のレジスト2
6の除去を必ずしも充分に行なえず、このため第二のレ
ジスト26が一部残存してしまう。(図3(A))。
【0039】然る後、下地20を、ホットプレート上に
載置して120℃で90秒間加熱して、これら下地2
0、主パターン22等を乾燥させる。
【0040】次いで残存する第二のレジスト26を除去
するため、第2回目の露光を行なう。この露光では上述
した露光装置及び遠紫外光を用い、露光量1000mJ
/cm2 で残存する第二のレジスト26を露光する(図
3(B))。
【0041】次いで残存する第二のレジスト26を、現
像液としてのキシレンで30秒間リンスして、第二のレ
ジスト26に対する第2回目の現像を行なう。このよう
にして、第二のレジスト26に対する露光及び現像を1
回又は複数回繰り返し行なって、残存する第二のレジス
ト26が実質的に無くなるように、第二のレジスト26
を除去して、下地20上に残存する主パターン22及び
不溶層28より成る複合パターン30を得る。複合パタ
ーン30を例えばエッチングに用いるマスクパターンと
する。
【0042】然る後、下地20を、ホットプレート上に
載置して120℃で90秒間加熱して、これら下地20
及び複合パターン30を乾燥させる(図3(C))。
【0043】この実施例によれば、第一レジスト18と
してノボラックレジストを用いる。従って主パターン2
2の形成工程において、第一レジスト18の露光量を任
意好適に調整することにより、例えば露光量をB〜C
(図18参照)の範囲の任意好適な値とすることによ
り、主パターン22の断面形状をその側壁22aが下地
20に対してほぼ垂直に切り立った形状とすることがで
きる。そして側壁22aと交差する方向における不溶層
28の層厚は側壁22aの全面にわたってほぼ均一とな
るので、複合パターン30の断面形状をその側壁30a
が下地20に対してほぼ垂直に切り立った形状とするこ
とができる。
【0044】しかも不溶層28の形成により、スペース
24の幅を狭めることができる(図2(A)及び(B)
参照)。
【0045】図4は第一のレジストの露光量とパターン
幅との関係を実験的に調べた結果を示す図であって、図
の横軸に第一のレジストの露光時間(第一のレジストに
露光光を照射している期間の長さ)[ms]及び縦軸に
パターン幅T[μm]を取って示す。
【0046】同図において曲線aは実施例に関わる実験
結果を示す。この実験においては、第一のレジスト18
の露光時間を段階的に種々に変化させて、主パターン2
2を形成する。そのほかは上述した実施例と同一の条件
で複合パターン30を形成する。そして各段階毎に複合
パターン30の幅T(図3(C)参照)をSEM測長機
により測定した。この場合の測定結果を白抜き丸印でプ
ロットして示し、これら測定結果の最小二乗近似曲線を
曲線aで示した。
【0047】曲線bは比較例1に関わる実験結果を示
す。この実験においては、曲線aの実験条件と同一条件
で、主パターン22を形成する。そして主パターン22
の形成後に、下地20をホットプレート上に載置し15
0℃で90秒間加熱して、主パターン22をベークす
る。このベークの熱処理条件は、曲線aの実験において
不溶層28を形成するときのベーク条件と同じである。
然る後、露光時間の各段階毎に主パターン22の幅T
(図1(C)参照)をSEM測長機により測定した。こ
の場合の測定結果を白抜き四角印でプロットして示し、
これら測定結果の最小二乗近似曲線を曲線bで示した。
【0048】曲線cは比較例2に関わる実験結果を示
す。この実験においては、曲線aの実験条件と同一条件
で、主パターン22を形成する。そしてベークを行なわ
ないで、主パターン22の幅T(図1(C)参照)をS
EM測長機により測定した。この場合の測定結果を黒塗
り丸印でプロットして示し、これら測定結果の最小二乗
近似曲線を曲線cで示した。
【0049】実施例、比較例1及び2に関わる実験にお
いて、第一のレジスト18の露光に用いた露光マスクは
同一であるにもかからわず、パターン幅Tは実施例の方
が比較例1及び2よりも太くなる。
【0050】パターン幅Tが太くなる要因としては、不
溶層28形成時のベークにより主パターン22が加熱さ
れて変形する(熱ダレする)ことも考えられる。しかし
ながら、比較例1及び2を比較すると、いずれの場合も
パターン幅Tはほとんど同じであるので、主パターン2
2はベークにより加熱されても実質的に変形しないと考
えられる。
【0051】一方、実施例においては主パターン22上
に積層した第二のレジスト26をベークした後、第二の
レジスト26をその全面にわたって露光する。然る後、
第二のレジスト26を現像して除去する。従って、主パ
ターン22の変形によってパターン幅Tが太くなったの
ではないとすれば、第二のレジスト26のベークにより
当該レジスト26の現像液に対し実質的に不溶な層28
が形成され、この不溶層28がパターン幅Tを太くする
と考えることができる。パターン幅Tが太くなれば、不
溶層28形成後のスペース24の幅は不溶層28形成前
よりも狭くなる。
【0052】さらにこの出願の発明者は、実施例に関し
て、不溶層28形成前の主パターン22の高さH1(図
1(C)参照)を測定すると共に、不溶層28形成後の
主パターン22の高さとして複合パターン30の高さH
2(図3(C)参照)を測定した。測定装置にはテンコ
ール社製の表面探針法による膜厚測定機P−1を用い
た。H1及びH2の測定結果はほぼ1.02μm及びほ
ぼ0.96μmであり、従って主パターン22の高さは
不溶層28形成後の方が低くなる。このことから、不溶
層28は、主に主パターン22の側壁22a上に形成さ
れると推定される。
【0053】図5は不溶層形成時のベーク温度と複合パ
ターンのパターン幅との関係を実験的に調べた結果を示
す図であって、図の横軸に不溶層形成時のベーク温度
[℃]及び縦軸に複合パターン30のパターン幅T[μ
m]を取って示す。
【0054】同図において曲線d、e、f、g及びhは
実施例に関わる実験結果を示す。曲線dの実験において
は、第一のレジスト18の露光時間を410msで一定
とする。また不溶層28形成時のベーク温度を120〜
150℃の範囲で段階的に種々に変化させ、各段階毎に
ベーク温度を一定として不溶層28を形成する。そのほ
かは上述した実施例と同一条件で複合パターン30を形
成する。そして各段階毎に複合パターン30の幅TをS
EM測長機により測定した。この場合の測定結果を白抜
き丸印でプロットして示し、これら測定結果の最小二乗
近似曲線を曲線dで示した。
【0055】また曲線e、f、g及びhの実験において
は、第一のレジスト18の露光時間をそれぞれ470m
s、560ms、650ms及び770msで一定とす
るほかは、曲線dの実験条件と同一条件で、複合パター
ン30を形成しそして複合パターン30の幅Tを測定し
た。曲線e、f、g及びhの各場合の測定結果を、黒塗
り丸印、白抜き四角印、黒塗り四角印、及び、白抜き四
角であって45°回転させた四角印でプロットして示
し、これら各場合の測定結果の最小二乗近似曲線をそれ
ぞれ曲線e、f、g及びhで示した。
【0056】曲線d〜hの各実験結果から理解できるよ
うに、ベーク温度120〜150℃の範囲においては、
不溶層28形成時のベーク温度を高くするにつれて複合
パターン30の幅Tが太くなる。従って主パターン側壁
22aと交差する方向における不溶層28の厚さを、当
該不溶層28形成時の加熱温度により制御することがで
きる。不溶層28の厚さを厚くすれば、スペース24の
幅を狭くすることができる。尚、ベーク温度120〜1
50℃以外の温度範囲でも、不溶層28形成時のベーク
温度を高くするにつれて複合パターン30の幅Tを太く
することができると考えられる。
【0057】この出願の発明者は、不溶層28の厚さを
ベーク温度で制御できる理由を次のように推定してい
る。すなわち、ベーク温度を高くするにしたがって主パ
ターン22の樹脂成分であるノボラック樹脂と第二のレ
ジスト26の樹脂成分であるアクリル樹脂との間の相互
拡散の拡散速度が上がり従って一定時間内における樹脂
の拡散範囲が広くなり、その結果、不溶層28の厚さが
厚くなるためであると推定される。
【0058】また曲線d〜hからも理解できるように、
ベーク温度120〜150℃の範囲においては、ベーク
温度に対するパターン幅Tの変化量は比較的に小さいの
で、パターン幅Tの寸法を精度良く制御することが比較
的に容易である。尚、ベーク温度120〜150℃以外
の温度範囲でも、ベーク温度に対するパターン幅Tの変
化量が比較的に小さくなる温度範囲が存在すると考えら
れる。
【0059】第二実施例 この実施例では、不容層28の形成を可能とする第二の
レジスト26が、ZEP520以外のものでも良いこと
を示す。この実施例を、第一及び第二発明の実施例とし
て説明する。この実施例は、第二のレジスト26に用い
るレジストの種類と、不溶層形成時の加熱温度と、第二
のレジスト26除去時の露光量とが異なるほかは、第一
実施例と同様である。
【0060】まず、第一のレジスト18を用いて、下地
20に主パターン22を形成する。この実施例では、下
地20としてSi基板を用意し、この下地20上にスピ
ンコート法により第一のレジスト18を積層する。第一
のレジスト18は樹脂成分としてノボラック樹脂を含む
ポジ型レジスト、例えば住友化学工業株式会社PFI−
26である。然る後、下地20をホットプレート(図示
せず)上に配置して90℃で90秒間加熱して、第一の
レジスト18をベークする。このベークにより、第一の
レジスト18が含む溶剤を蒸発させて第一のレジストを
乾燥させる(図1(A))。尚、ベーク後の第一のレジ
スト18の膜厚をほぼ1μmとする。
【0061】次いで第一のレジスト18を露光及び現像
して、主パターン22を形成する。図示せずも、露光装
置としてi線縮小投影露光装置及び露光マスクとして
0.5μm幅のストライプ状透光部及び0.5μm幅の
ストライプ状遮光部を交互に配置して成るマスクを用い
る。そしてこの露光マスクを介して、i線を第一のレジ
スト18に照射し、第一のレジスト18を露光する。露
光マスクの透光部及び遮光部に対応する領域の第一のレ
ジスト18に露光部分18b及び未露光部分18aを形
成する。然る後、下地20をホットプレート上に載置し
110℃で90秒間加熱して、第一のレジスト18をベ
ークする。このベークにより、第一のレジスト18が含
む感光剤を部分的に(露光部分18b内で局所的に)拡
散させ、第一のレジスト18の露光工程を終了する(図
1(B))。
【0062】次いで、第一のレジスト18に対して、東
京応化工業株式会社製 現像液NMD−3 2.38%
を用いてパドル方式による現像処理を行う。この結果、
第一のレジスト18の露光部分18bは現像液によって
溶解除去され、この露光部分18bに対応する領域の下
地20を露出するスペース(間隙)24が形成される。
一方、第一のレジスト18の未露光部分18aは下地2
0上に残存し、残存する未露光部分18aよりなる主パ
ターン22が得られる。次いで、下地20及び主パター
ン22を水洗する。然る後、下地20をホットプレート
上に載置して120℃で90秒間加熱して、下地20及
び主パターン22を乾燥させて、第一のレジスト18の
現像工程を終了従って主パターン22の形成工程を終了
する(図1(C))。
【0063】次に、第二のレジスト26を、主パターン
22の側壁22a上に積層する。この実施例では、主パ
ターン22の側壁22a上にスピンコート法により第二
のレジスト26を積層する(図2(A))。第二のレジ
スト26は長瀬産業株式会社製 PMMA6%である。
このレジスト26は、アクリル樹脂の一つであるポリメ
チルメタクリレート(以下、PMMAと称する)を含む
ポジ型レジストである。
【0064】次に主パターン22及び第二のレジスト2
6を加熱し、当該レジスト26の現像液に対し不溶性を
有する不溶層28を、主パターン22の側壁22a上に
形成する。この実施例では、下地20をホットプレート
上に載置して120℃で90秒間加熱して、主パターン
22及び第二のレジスト26をベークする。
【0065】このベークにより、第二のレジスト26が
含む溶剤を蒸発させて第二のレジスト26を乾燥させる
とともに、主パターン22の側壁22a上に不溶層28
を形成する(図2(B))。不溶層28が形成される理
由は明らかではないが、主パターン22の樹脂成分であ
るノボラック樹脂と、第二のレジスト26の樹脂成分で
あるPMMAとが、熱拡散により混合することによっ
て、不溶層28が形成されると考えられる。尚、主パタ
ーン22が形成されていない領域でのレジスト26の厚
さDをほぼ0.5μmとした。
【0066】次に、不溶層28形成後の第二のレジスト
26を露光及び現像して除去し、主パターン22及び不
溶層28を有して成る複合パターン30を形成する。こ
の実施例では、露光装置としてアメリカのFusion
社製Illuminatorを用い、波長230〜28
0nmの遠紫外光を露光量1000mJ/c■で第二の
レジスト26に照射し、第二のレジスト26をその全面
にわたって露光する(図2(C))。
【0067】次いで現像液としてキシレンを用い、第二
のレジスト26を現像液で30秒間リンスする(第二の
レジスト26を現像する)。不溶層28以外の第二のレ
ジスト26は現像液によって溶解除去される。不溶層2
8及び主パターン22は、第二のレジスト26の現像液
には実質的に不溶であるので溶解せずに残存する。この
実施例で用いる第二のレジスト26は遠紫外光に対し比
較的低感度のレジストであるので、1回目の露光及び現
像では第二のレジスト26の除去を必ずしも充分には行
えず、このため第二のレジスト26が一部残存してしま
う(図3(A))。
【0068】次いで下地20、主パターン22及び不溶
層28と残存する第二のレジスト26をホットプレート
に載置して120℃90秒間加熱して、これら下地2
0、主パターン22等を乾燥させる。
【0069】次いで残存する第二のレジスト26を除去
するため、第二回目の露光を行う。この露光では上述し
た露光装置及び遠紫外光を用い、露光量1000mJ/
c■で残存する第二のレジスト26を露光する(図3
(B))。
【0070】次いで残存する第二のレジスト26を、現
像液としてのキシレンで30秒間リンスして、第二のレ
ジスト26に対する第二回目の現像を行う。このように
して、第二のレジスト26に対する露光及び現像を1回
または複数回繰り返し行って、残存する第二のレジスト
26が実質的に無くなるように、第二のレジスト26を
除去して、下地20上に残存する主パターン22及び不
溶層28より成る複合パターン30を得る。複合パター
ン30を例えばエッチングに用いるマスクパターンとす
る。
【0071】次いで下地20及び複合パターン30を、
ホットプレート上に載置して120℃で90秒間加熱し
て、これら下地20及び複合パターン30を乾燥させる
(図3(C))。
【0072】この実施例によれば、不溶層28の形成に
より、スペース24の幅を狭めることができる。この不
溶層28の形成は、第一のレジスト18の樹脂成分であ
るノボラック樹脂と第二のレジスト26の樹脂成分であ
るPMMAとの相互熱拡散により起因するものである
と、推定される。
【0073】図6の表1は第一のレジストの露光量とパ
ターン幅Tとの関係を実験的に調べた結果を示す表であ
る。表1においては、露光量と記した縦欄に第一のレジ
ストの露光量(mJ/cm2 )を、及び、データa*
* 及びc* と記した各縦欄にパターン幅T(μm)を
掲載し、また露光量を同一として測定したパターン幅T
を同一の横欄内に掲載した。図7は表1に示す実験結果
を折れ線グラフで示した図である。同図の横軸に第一の
レジストの露光量(mJ/cm2 )を、また縦軸にパタ
ーン幅T(μm)を示す。
【0074】図6及び図7のデータa* 及び折れ線a*
は、実施例に関わる実験の結果を示す。この実験では、
第一のレジスト18の露光時間を段階的に種々に変化さ
せて、主パターン22を形成する。そのほかは上述した
実施例と同一の条件で複合パターン30を形成する。そ
して、各段階毎に複合パターン30の幅T(図3(C)
参照)をSEM測定機により測定した。この測定結果
を、図6のデータa* 欄に示すと共に図7の白抜き四角
印を結ぶ折れ線a* で示した。
【0075】データb* 及び曲線b* は、比較例1*
関わる実験の結果を示す。この実験では、データa*
実験条件と同一条件で、主パターン22を形成する。こ
の後、比較実験のためのポジ型レジストである東ソー株
式会社製 CMS−EX(尚、CMS−EXはポリスチ
レン樹脂を含むレジストである。)を、スピンコート法
により主パターン22側壁上に積層する。次いで下地2
0を、ホットプレート上に載置して120℃で90秒間
加熱する。このベークの熱処理条件は、データa* の実
験において不溶層28を形成するときのベーク条件と同
じである。次に現像液としてキシレンを用い、30秒間
リンスする(CMS−EXを現像する)。この現像条件
は、データa* の実験において不溶層28以外の第二の
レジスト26を溶解除去する時の現像条件と同じであ
る。次に下地20を、ホットプレート上に載置して12
0℃で90秒間加熱する。然る後、露光時間の各段階毎
に複合パターン30の幅T(図3(C)参照)をSEM
測長機により測定した。この測定結果を図6のデータb
* 欄に示すと共に図7の黒塗り菱形印を結ぶ折れ線b*
で示した。
【0076】データc* 及び曲線c* は、比較例2*
関わる実験結果を示す。この実験においては、データa
* の実験と同一条件で、主パターン22を形成する。然
る後、第二のレジストの形成は行わずに、主パターン2
2の幅T(図1(C)参照)をSEM測長機により測定
した。この測定結果を図6のデータc* 欄に示すと共に
図7の黒塗り四角印を結ぶ折れ線c* で示した。
【0077】実施例及び比較例2* に関わる実験におい
て、第一のレジスト18の露光に用いたマスクは同一で
あるにもかかわらず、パターン幅Tは実施例の方が比較
例2* よりも太くなる。この実施例のパターン幅Tが太
くなる要因も、第一実施例と同様に、第二のレジスト2
6のベークにより当該レジスト26の現像液に対し実質
的に不溶な層28が形成されたことによると、推定でき
る。
【0078】このように第二のレジスト26としてPM
MAを含むレジストを用いてもパターン幅Tを太くでき
ることが明らかになった。PMMAを含む第二のレジス
ト26を用いたこの実施例では、第二のレジスト26の
露光を合計で2回行ないその露光量はトータルで200
0mJ/cm2 となる。これに対し第一実施例では、第
二のレジスト26の露光を合計で2回行ないその露光量
はトータルで3000mJ/cm2 である。このように
PMMAを含む第二のレジスト26を用いることによ
り、第二のレジスト26の除去に要する露光量を低減で
き従ってパターン幅Tを太くする処理のスループットを
向上できる。
【0079】また実施例及び比較例2* に関わる実験に
おいては、不溶層28形成時の加熱温度を第一実施例の
場合よりも低い120℃として、実施例及び比較例2*
のパターン幅Tの差をほぼ0.08μmとすることがで
きた。すなわちこの実施例によれば複合パターン30の
幅Tを、第一実施例よりも低い加熱温度で、第一実施例
と同程度にまで太くすることができる。これは、第二の
レジスト26としてPMMAを含むレジストを用いたこ
とによる効果であると考えられる。
【0080】(第一発明の実施例としての検討)第一及
び第二実施例はそれぞれアクリル樹脂を含む第二のレジ
スト26を用いた例であり、そして各実施例の実験にお
いて複合パターン30のパターン幅Tを太くできること
を確認できた。従って、アクリル樹脂を含む第二のレジ
スト26を用いることにより、複合パターン30のパタ
ーン幅Tを太くできると考えられる。
【0081】(第二発明の実施例としての検討)さらに
第二実施例の実験結果を別の観点から検討する。第一の
レジスト18の露光に用いたマスクは同一であるにもか
かわらず、この実施例及び比較例2* のパターン幅Tの
差が約0.08μmとなるのに対し、比較例1* 及び比
較例2*のパターン幅Tの差は約0.02μm程度に留
まる。従ってこの実施例の方がより効果的にパターン幅
Tを太くできていることが理解できる(尚、比較例1*
及び2* のパターン幅Tの差である0.02μmという
数値は、使用したSEM測長機の測定誤差範囲内の値で
あり、従ってCMS−EXを用いることによって不溶層
を形成できるか否かは必ずしも明らかではない。)。実
施例の方が太くできるのは、不溶層形成に用いたこの実
施例の第二レジスト26と比較例1* のレジストCMS
−EXとにおいて、それぞれのレジストが含む樹脂の構
造が相違することに起因すると考えられる。
【0082】すなわち不溶層は、第一のレジスト18が
含む樹脂(以下、樹脂A)と、第二のレジスト26或は
レジストCMS−EXが含む樹脂(以下、樹脂B)との
間の相互熱拡散によって生成すると考えられるので、こ
れら樹脂A、Bの相互熱拡散の拡散速度は、樹脂AとB
とが互いに溶けやすい構造になっている方が速いと予想
される。互いに溶けにくい構造となっている場合に樹脂
AとBとの間で相互熱拡散を起こすためには、互いに溶
けやすい場合よりも、より大きな自由エネルギーの変化
が必要となる。従って互いに溶けにくい場合の拡散速度
を、互いに溶けやすい場合の拡散速度と同程度にするた
めには、より高い温度が必要となる。このため、同じ温
度で相互熱拡散をさせた場合、互いに溶けやすい構造と
なっている方が拡散速度はより大となる。これが実施例
のパターン幅Tを比較例1* よりも太くできる理由であ
ると考えられる。
【0083】尚、樹脂AとBとが相互熱拡散を起こすた
めにはエントロピー変化ΔSが、ΔS>0であることが
必要である。相互熱拡散は混合の一形態であり、混合の
場合には一般にΔS>0となることが文献:溶剤ハンド
ブック (株)講談社サイエンティフィク 1989年
5月20発行 p91に示されている。
【0084】一般に、溶けやすさは分子間相互作用に大
きく影響されることが知られており、実施例及び比較例
* のパターン幅Tの差すなわち不溶層の厚さの差は樹
脂AとBとの分子間相互作用の差によるものと考えられ
る。図8に、この実施例で用いた第二のレジスト26が
含む樹脂BであるPMMAの構造を示し、図9に、比較
例1* で用いたレジストCMS−EXが含む樹脂Bの構
造を示す。
【0085】一方、高分子の溶けやすさの尺度として、
溶解パラメーターが知られている。溶解パラメーター
は、分子間相互作用に関係するパラメーターであって、
溶解パラメーターの値が近いものどうしがよく溶け合
う。溶解パラメーターを求める計算手法として、前掲文
献:溶剤ハンドブック p91〜93に開示されている
ものがある。これによれば、或る高分子物質の溶解パラ
メーターを求める場合、その物質の水素結合力或は極性
の大きさに応じて溶解パラメータを求める手法を適宜選
択すべきであり、そして水素結合力或は極性の小さな高
分子物質については例えばSmallの手法が適してお
り、また水素結合力或は極性の大きな物質については例
えばHoyの手法やVan Kreverenの手法が
適していることが述べられている。
【0086】図8及び図9に示す構造から明らかなよう
に、この実施例で用いた第二のレジスト26が含む樹脂
B(以下、この実施例の樹脂B)であるPMMA及び比
較例1* で用いたレジストCMS−EXが含む樹脂B
(以下、比較例1* の樹脂B)の水素結合力はいずれ
も、Smallの手法を適用できる程度に小さい。従っ
て前掲文献:溶剤ハンドブック p93 表3.30を
参考にしてSmallの手法によって、これら樹脂の溶
解パラメータを求めれば、この実施例の樹脂Bの溶解パ
ラメーターP1はほぼP1=9.1〜9.3の値とな
り、比較例1* の樹脂Bの溶解パラメーターP2はほぼ
P2=8.4〜8.5の値となる。
【0087】次に、第一のレジスト18が含む樹脂Aの
溶媒として用いて好適な物質Xの溶解パラメータP3を
考える。しかし物質Xの溶解パラメータP3は明らかで
はない。
【0088】これに対し、前掲文献:溶剤ハンドブック
p94〜96の表3.31には、或る高分子物質の溶
媒として用いて好適な物質Yを、弱い水素結合力を示す
物質Y、中程度の水素結合力を示す物質Y及び強い水素
結合力を示す物質Yの3種に分類し、これら3種につい
てそれぞれ、物質Yの溶解パラメータを示してある。第
一のレジスト18が含む樹脂Aは、住友化学工業株式会
社製 レジストPFI−26が含むノボラック樹脂であ
るので、前掲文献:溶剤ハンドブック p95の表3.
31中のフェノール樹脂の欄に示してあるCKR−24
00が含む樹脂と極めて近い物性を有すると考えられ
る。そこでこのCKR−2400の物質Yの溶解パラメ
ータを、第一のレジスト18が含む樹脂Aの物質Xの溶
解パラメータP3として用いれば、弱い水素結合力を示
す物質Xの溶解パラメータP3はほぼP3=8.9〜1
1.9の値となり、中程度の水素結合力を示す物質Xの
溶解パラメータP3はほぼP3=7.8〜13.3の値
となる。
【0089】ここで前述した樹脂Bの溶解パラメータP
1及びP2を、樹脂Aの物質Xの溶解パラメータP3と
比較する。
【0090】この実施例の樹脂Bは、C=O結合とC−
O−C結合とを有し従って中程度の水素結合力を有す
る。これに対し中程度の水素結合力を有する物質Xの溶
解パラメータP3はP3=7.8〜13.3である。従
ってこの場合、この実施例の樹脂Bの溶解パラメータP
1=9.1〜9.3は、溶解パラメータP3の下限値
7.8及び上限値13.3の平均値近傍の値となるの
で、樹脂Aとこの実施例の樹脂Bとは互いに拡散しやす
いことが理解できる。一方、比較例1* の樹脂Bは、水
素結合性を示す構造を有しておらず従って弱い水素結合
力を有する物質に分類される。これに対し弱い水素結合
力を有する物質Xの溶解パラメータP3はP3=8.9
〜11.9である。従ってこの場合、比較例1* の樹脂
Bの溶解パラメータP2=8.4〜8.5は、溶解パラ
メータP3の数値範囲外の値であるので、樹脂Aと比較
例1* の樹脂Bとは互いに拡散しにくいことが理解でき
る。
【0091】樹脂A及びBの溶解パラメータを、水素結
合力の強さをも加味して比較することにより、これら樹
脂A及びBが相互拡散しやすいか否かを判定でき、相互
拡散し易い樹脂A及びBの組み合わせ程、パターン幅T
を太くできることが理解できる。
【0092】以上の考察から、次のような結論を導き出
せる。すなわち、第一のレジスト18が含む樹脂Aを溶
解可能な溶媒の溶解パラメータP3の数値範囲内の値
を、第二のレジスト26が含む樹脂Bの溶解パラメータ
P1の値とすることにより、複合パターン30のパター
ン幅Tを太くできる。
【0093】この結論は、第一のレジスト18が含む樹
脂A及び第二のレジストが含む樹脂Bを、上述した第二
実施例で述べたノボラック樹脂及びPMMAとは異なる
種類の樹脂としても成立すると考えられる。
【0094】これと同様にして、第二のレジスト26が
含む樹脂Bを溶解可能な溶媒の溶解パラメータの数値範
囲内の値を、第一のレジスト18が含む樹脂Aの溶解パ
ラメータの値とすることにより、複合パターン30のパ
ターン幅Tを太くできる。
【0095】このように溶解パラメータに着目して、第
一のレジスト18及び第二のレジスト26を選択するこ
とにより、その選択の自由度を増すことができる。
【0096】第三実施例 第三実施例を、第一及び第二発明の実施例として説明す
る。第三実施例では、不溶層28の厚さを、第二のレジ
スト26が含有する溶剤成分によっても制御できること
を示す。第三実施例は、第二のレジスト26が含有する
溶剤成分が異なるほかは、第二実施例と同様なので、以
下の説明では説明の簡単化のために、第二実施例と同様
の点についてはその詳細な説明を省略し、第二実施例と
相違する点につき説明する。
【0097】第二のレジスト26が含む溶剤を溶剤イと
表せば、溶剤イはレジストに流動性を付与しレジストを
下地上へ塗布し易くするためのものである。この溶剤イ
として、第二実施例では、100%クロルベンゼンを用
いている。
【0098】これに対し第三実施例では、溶剤イとして
主剤ロ及び添加剤ハの混合物を用いる。主剤ロは、第一
のレジスト18が含む樹脂Aに対しては貧溶媒として作
用するが、第二のレジスト26が含む樹脂Bに対しては
良溶媒として作用する。主剤ロを例えばクロルベンゼン
とすることができる。添加剤ハは、第一のレジスト18
が含む樹脂Aに対して良溶媒として作用すれば、第二の
レジスト26が含む樹脂Bに対しては良溶媒及び貧溶媒
のいずれとして作用しても良い。添加剤ハを例えば樹脂
A及びBの双方に対し良溶媒となるエチルセロソルブア
セテート(ECA)とすることができる。これら主剤ロ
及び添加剤ハの混合比率に応じて、主パターン22の側
壁と交差する方向における不溶層28の厚さを変化させ
ることができる。
【0099】ここでは一例として、主剤ロを100%ク
ロルベンゼンとすると共に添加剤ハを100%ECAと
する。そしてこれら主剤ロ及び添加剤ハの混合溶剤イに
PMMAを溶解させて調製したレジストを、第二のレジ
スト26として使用する。
【0100】その調製は次のように行なう。まず、長瀬
産業株式会社製 PMMA6%(この商品名のレジスト
は溶剤を100%クロルベンゼン及び樹脂をPMMAと
して、これら溶剤及び樹脂を94:6の体積比で混合し
たものである)と、東京応化工業株式会社製 OEBR
−1000(この商品名のレジストは溶剤を100%E
CA及び樹脂をPMMAとして、これら溶剤及び樹脂を
94:6の体積比で混合したものである)とを用意す
る。次いで長瀬産業株式会社製 PMMA6%と東京応
化工業株式会社製 OEBR−1000とを、メスシリ
ンダーで計量して、99:1の体積比となるように混合
し、この混合物を第二のレジスト26として用いる。
【0101】このようにECAを添加した第二のレジス
ト26を用いて、第二実施例と全く同様にして、複合パ
ターン30を形成する。この結果、複合パターン30の
パターン幅Tを第二実施例よりも太くできることを、実
験的に確認したので、この点につき説明する。
【0102】さらにクロルベンゼン及びECAの混合比
率を変えることにより、複合パターン30の幅Tが変化
することを実験的に確認したので、この点についても説
明する。
【0103】図10の表2は第一のレジストの露光量と
パターン幅Tとの関係を実験的に調べた結果を示す表で
ある。表2においては、露光量と記した縦欄に第一のレ
ジストの露光量(mJ/cm2 )を、及び、データd
* 、e* 、f* 及びg* と記した各縦欄にパターン幅T
(μm)を掲載し、また露光量を同一として測定したパ
ターン幅Tを同一の横欄内に掲載した。図11は表2に
示す実験結果を折れ線グラフで示した図である。同図の
横軸に第一のレジストの露光量(mJ/cm2 )を、ま
た縦軸にパターン幅T(μm)を示す。
【0104】図10及び図11のデータf* 及び折れ線
* は、この実施例に関わる実験の結果を示す。この実
験では、第一のレジスト18の露光時間を段階的に種々
に変化させて、主パターン22を形成する。次いで長瀬
産業株式会社製 PMMA6%及び東京応化工業株式会
社製 OEBR−1000の混合比率を体積比で99:
1とした第二のレジスト26を用いて、複合パターン3
0を形成する。そのほかは第二実施例と同一条件で、複
合パターン30を形成する。そして各段階毎に複合パタ
ーン30の幅T(図3(C)参照)をSEM測定機によ
り測定した。この測定結果を、図10のデータf* 欄に
示すと共に図11の黒塗り四角印を結ぶ折れ線f* で示
した。
【0105】データg* 及び折れ線g* は、比較例3*
に関わる実験の結果を示す。この実験では、長瀬産業株
式会社製 PMMA6%及び東京応化工業株式会社製
OEBR−1000の混合比率を体積比で98:2とし
た第二のレジスト26を用いて、複合パターン30を形
成する。そのほかはデータf* の実験と同一条件で、複
合パターン30を形成する。そして第一レジスト18の
各露光時間に対応する複合パターン30の幅T(図3
(C)参照)をSEM測定機により測定した。この測定
結果を、図10のデータg* 欄に示すと共に図11の黒
塗り四角印を結ぶ折れ線g* で示した。
【0106】データd* 及び折れ線d* は、比較例4*
に関わる実験の結果を示す。これらデータd* 及び折れ
線d* は、第二実施例の実験で説明した比較例1* のデ
ータc* 及び折れ線c* と同一のものである。従ってこ
の実験結果は、長瀬産業株式会社製 PMMA6%及び
東京応化工業株式会社製 OEBR−1000の混合比
率を体積比で100:0とした場合に相当する。但し、
図11では黒塗り三角印を結んで折れ線d* を示してあ
る。
【0107】データe* 及び曲線e* は比較例5* に関
わる実験の結果を示す。これらデータe* 及び折れ線e
* は、第二実施例の実験で説明した比較例2* のデータ
及び折れ線a と同一のものである。従ってこの
実験結果は、不溶層28を形成せずに主パターン22の
パターン幅Tを計測した場合のものである。但し、図1
1では白抜き三角印を結んで折れ線e* を示してある。
【0108】実施例、比較例3* 、比較例4* 及び比較
例5* に関わる実験の結果に着目すると、実施例及び比
較例3* はECAを添加したもの、比較例4* はECA
を添加していない第二実施例に相当するもの、さらに比
較例5* は不溶層28を形成していないものである。そ
していずれにおいても第一のレジスト18の露光に用い
たマスクは同一であるにもかかわらず、実施例及び比較
例3* のパターン幅Tは、比較例4* よりも太くかつ比
較例5* よりも太くなる。このことから、ECAを添加
することにより、第二実施例よりも太い幅Tを有する複
合パターン30を形成できることが理解できる。しかも
実施例及び比較例3* と比較例4* とにおいては、不溶
層28形成時の加熱温度を同一としている。従って実施
例、比較例3* 及び4* において同一幅Tを有する複合
パターン30を形成しようとする場合、不溶層28形成
時の加熱温度を、実施例、比較例3* の方が比較例4*
よりも低くできることが理解できる。
【0109】さらに実施例及び比較例3* に関わる実験
の結果に着目すると、パターン幅Tは比較例3* の方が
太くなっており、従って不溶層28の厚さは比較例3*
の方が厚くなることがわかる。これは、実施例と比較例
* とでクロルベンゼン及びECAの混合比率が相違す
ることに起因すると考えられる。すなわち、長瀬産業株
式会社製 PMMA6%及び東京応化工業株式会社製
OEBR−1000の混合比率は、実施例では99:1
及び比較例3* では98:2であり、従ってECAの混
合比率は比較例3* の方が高い。このことから、不溶層
28の厚さを厚くし従って複合パターン30の幅Tを太
くするには、ECAの混合比率を増加させれば良いこと
が理解できる。
【0110】以上のように、ECAを添加することによ
り不溶層28を厚くでき、またECAの混合比率を変え
ることによって不溶層28の厚さを変化させることがで
きることが判った。
【0111】不溶層28は第一のレジスト18が含む樹
脂Aと第二のレジスト26が含む樹脂Bとの相互熱拡散
によって生成されるのであるから、これら樹脂A及びB
の間の熱拡散速度が速いほど、不溶層28の厚さを厚く
できると予想される。このことは、第一及び第二実施例
の実験において不溶層28形成時の加熱温度を高くする
ことにより不溶層28を厚くできたことからも、明らか
である。不溶層28形成時の加熱温度を高めることは、
主パターン22中の樹脂A及び第二のレジスト26中の
樹脂Bに対し与える熱エネルギーを大きくすることであ
り、従ってこれら樹脂A及びBの間の熱拡散速度を速め
ることに寄与する。
【0112】ECAは第一のレジスト18が含む樹脂A
に対し良溶媒として作用するのであるから、ECAの添
加は、樹脂A及びBの相互溶解性を高め従ってこれら樹
脂A及びBの間の熱拡散速度を速めることに寄与する。
しかもECAは沸点156℃の液体である。第三実施例
においては不溶層28形成時に第二のレジスト26を1
20℃で90秒間加熱しているが、ECAは沸点よりも
低い温度120℃では蒸発しにくく、徐々に蒸発してゆ
く。また90秒間という短時間では、ECAは第二のレ
ジスト26から完全には蒸発しないと考えられる。従っ
て不溶層28形成のための加熱において、その加熱開始
の初期段階或はその加熱開始から終了までの全期間にわ
たって、第二のレジスト26中にECAが残存している
ものと考えられる。従って樹脂A及びBの間の熱拡散速
度を速めることに寄与するECAが残存する状態で、樹
脂AとBとが熱拡散するので、これら樹脂A及びBの間
の熱拡散速度を速めることができ、その結果、不溶層2
8の厚さを厚くできると考えられる。
【0113】このことは、実施例及び比較例3* に関わ
る実験において、長瀬産業株式会社製 PMMA6%及
び東京応化工業株式会社製 OEBR−1000の混合
比率を体積比で99:1から98:2へと変化させ従っ
てECAの混合比率を増加させることにより、複合パタ
ーン30の幅Tをより太くできることからも、間接的に
証明される。尚、表2に示す実施例及び比較例3* のパ
ターン幅Tについてそれぞれ平均値を求め、これらパタ
ーン幅Tの平均値の差を求めたところ、その平均値の差
は、0.020μmであった。
【0114】また上述したように不溶層28を形成する
ための加熱において、少なくとも加熱開始の初期段階に
おいてECAが残存していれば、不溶層28を厚くする
ことができると考えられる。従って、少なくともこの初
期段階において、ECAが残存するように、加熱温度及
び加熱時間を設定すれば良い。従って不溶層形成時の加
熱温度を、ECAの沸点よりも低くするほか高くしても
構わない。
【0115】次にECAの混合比率の適正範囲を明らか
にするために行なった実験について説明する。図12は
この実験の試料作成の説明に供する平面図である。
【0116】試料作成に当っては、図12に示すSiウ
エハを下地10として用い、この下地10全面にわたっ
て第一のレジスト18を積層する。次いで図12の一点
鎖線より下側の領域では第一のレジスト18を露光して
主パターン22を形成し、上側の領域では第一のレジス
ト18を露光せずにベタパターンを形成する。次いで下
地10の全面にわたって第二のレジスト26を積層し、
然る後、下地10の全面にわたって不溶層28形成のた
めの加熱を行なう。次いで下地10の全面にわたって第
二のレジスト26の露光及び現像を行なって、第二のレ
ジスト26を除去する。従って一点鎖線より下側の領域
に複合パターン30が形成され上側の領域にはベタパタ
ーンが形成される。
【0117】実験においては、ECAの混合比率を異な
らせて作成した複数の試料を用意する。ECAの混合比
率を異ならせているほかは、第二実施例と同一の条件で
複合パターン30を形成する。試料の作成が終了した
ら、各試料毎に、前述の上側領域におけるベタパターン
の高さ(この高さは図3(C)に示す高さH2に相当す
る)を測定する。このベタパターン高さの測定は、各試
料毎に、11箇所ずつ行なった。これら11箇所の測定
位置を、図12中に符号1〜11を付して示す。ベタパ
ターン高さの測定には、キャノン社製 光学式膜厚測定
装置 TM005を用いて、下地10の基板面に垂直な
方向におけるベタパターン高さを測定した。
【0118】図13の表2はECAの混合比率とベタパ
ターン高さとの関係を示す表である。表2においては、
測定位置と記した縦欄に図12に示した1〜11の測定
位置を、またデータh* 、i* 、j* 、k* 及びl*
記した各縦欄にベタパターン高さ(Å)を掲載した。ま
た平均値と記した横欄にデータh* 、i* 、j* 、k*
及びl* の各データ毎に求めたベタパターン高さの平均
値を、標準偏差と記した横欄にデータh* 、i* 、j
* 、k* 及びl* の各データ毎に求めたベタパターン高
さの標準偏差を掲載した。図13は表2に示す実験結果
を折れ線グラフで示した図である。同図の横軸に測定位
置を、また縦軸にベタパターン高さ(Å)を示す。
【0119】図12及び図13のデータh* 及び折れ線
* は、比較例4* (すなわち比較例1* )に関わる実
験の結果を示す。図10で既に説明したように、比較例
*は、長瀬産業株式会社製 PMMA6%及び東京応
化工業株式会社製 OEBR−1000の混合比率を体
積比で100:0とした例である。比較例4* の試料作
成に関しては図10では詳細には説明しなかったが、そ
の作成は図12で説明したように行なっている。この試
料のベタパターン高さを測定した結果を、図13のデー
タh* 欄に示すと共に図14の白抜き三角印を結ぶ折れ
線で示す。
【0120】データi* 及び折れ線i* は、実施例に関
わる実験の結果を示す。この実施例は、図10で既に説
明したように、長瀬産業株式会社製 PMMA6%及び
東京応化工業株式会社製 OEBR−1000の混合比
率を体積比で99:1とした例である。この実施例の試
料作成に関しては図10では詳細には説明しなかった
が、その作成は図12で説明したように行なっている。
この試料のベタパターン高さを測定した結果を、図13
のデータi* 欄に示すと共に図14の黒塗り四角印を結
ぶ折れ線で示す。
【0121】データj* 及び折れ線j* は、比較例3*
に関わる実験の結果を示す。図10で既に説明したよう
に、比較例3* は長瀬産業株式会社製 PMMA6%及
び東京応化工業株式会社製 OEBR−1000の混合
比率を体積比で98:2とした例である。比較例3*
試料作成に関しては図10では詳細には説明しなかった
が、その作成は図12で説明したように行なっている。
この試料のベタパターン高さを測定した結果を、図13
のデータj* 欄に示すと共に図14の白抜き四角印を結
ぶ折れ線j* で示す。
【0122】データk* 及び折れ線k* は、比較例6*
に関わる実験の結果を示す。比較例6* は長瀬産業株式
会社製 PMMA6%及び東京応化工業株式会社製 O
EBR−1000の混合比率を体積比で97:3とした
例である。比較例6* の試料を図12で説明したように
行なう。この試料のベタパターン高さを測定した結果
を、図13のデータk* 欄に示すと共に図14の白抜き
丸印を結ぶ折れ線k* で示す。
【0123】データl* 及び折れ線l* は、比較例7*
に関わる実験の結果を示す。比較例7* は長瀬産業株式
会社製 PMMA6%及び東京応化工業株式会社製 O
EBR−1000の混合比率を体積比で81:19とし
た例である。比較例7* の試料を図12で説明したよう
に行なう。この試料のベタパターン高さを測定した結果
を、図13のデータl* 欄に示すと共に図14の黒塗り
丸印を結ぶ折れ線l*で示す。
【0124】これら実験結果から理解できるように、E
CAの混合比率が増加すると、ベタパターン高さの均一
性が悪くなる。主パターン22及びベタパターン上に第
二のレジスト26を積層した状態において、主パターン
22及びベタパターンが含む樹脂Aと第二のレジスト2
6が含む樹脂Bの溶剤イとに着目すれば、溶剤イ中にお
けるECAの混合比率が増加することにより、溶剤イに
対する樹脂Aの溶解性は高まり、その結果、主パターン
22及びベタパターンの高さは変動しやすくなる。従っ
てECAの混合比率が過度に増加すると、第二のレジス
ト26を回転塗布する際の遠心力により、主パターン2
2及びベタパターンの高さが大きく変動してしまう。こ
れがベタパターン高さの均一性が悪くなる理由であると
考えられる。
【0125】実験的にも、ECAの混合比率が最も大き
な比較例7* (データl* )においては、ベタパターン
高さの標準偏差は2199Åであり、ベタパターン高さ
のばらつきが非常に大きくなることが確認できる。しか
もこの比較例7* では、第二のレジスト26を回転塗布
し終えた時点で、主パターン22は原形をとどめずに消
失してしまい従って複合パターン30を形成できなかっ
た。
【0126】一方、比較例6* (データk* )において
は、ベタパターン高さの標準偏差は233Åでまだ大き
いが、第二のレジスト26の回転塗布を終了した後も、
主パターン22は消失せず、従って複合パターン30を
形成できた。しかしながら形成し終えた複合パターン3
0の幅Tが太くなりすぎており、その結果、隣接する複
合パターン30が互いに接触してこれらパターン30間
のスペース24が無くなってしまう。このため、複合パ
ターン30のスペース24の幅を、現状において望まれ
ている1μm以下にすることは困難であることが判っ
た。
【0127】これに対して、比較例3* (比較例j*
においては、ベタパターン高さの標準偏差を80Å程度
に小さくすることができ、しかも複合パターン30のス
ペース24の幅を、現状において望まれている1μm以
下にすることができた。
【0128】ここでECAの混合比率(溶剤イにおける
ECAの含有率)をα体積%とすれば、クロルベンゼン
の混合比率(溶剤イにおけるクロルベンゼンの含有率)
は(100−α)体積%と表せる。そして上述した各実
験でのECA混合比率αを算出すると、比較例4* (デ
ータh* )ではα=0、この実施例(データi* )では
α=1、比較例3* (データj* )ではα=2、比較例
* (データk* )ではα=3、及び、比較例7* (デ
ータk* )ではα=19となる。
【0129】これらECA混合比率αとベタパターン高
さの標準偏差との関係を、図15の表4及び図16の折
れ線グラフに示す。図15においては、混合比率と記し
た縦欄にECA混合比率α(体積%)を、標準偏差と記
した縦欄にベタパターン高さの標準偏差(Å)を掲載し
た。図16の横軸にECA混合比率α(体積%)を、及
び縦軸にベタパターン高さの標準偏差(Å)を取って示
す。
【0130】図16において領域o* は、データl*
代表されるように、第一のレジスト18により形成した
主パターン22が消失する領域である。ここでは領域o
* を、ベタパターン高さの標準偏差がほぼ500Åを越
える領域としている。
【0131】領域n* は、データk* で代表されるよう
に、第一のレジスト18により形成したパターン22は
消失しないが、複合パターン30の幅を狭くしかつ隣接
する複合パターン30間の幅を現状において望まれる1
μm以下にすることが困難な領域である。ここでは領域
* を、ベタパターン高さの標準偏差が80〜233Å
の間の値例えば180Åを越えかつ500Å以下となる
領域としている。
【0132】領域m* は、データi* 、j* 及びh*
代表されるように、複合パターン30の幅を狭くしかつ
隣接する複合パターン30間の幅を現状において望まれ
る1μm以下にすることができる領域である。ここでは
領域m* を、ベタパターン高さの標準偏差が0以上であ
って80〜233Åの間の値例えば180Å以下となる
領域としている。
【0133】従って複合パターン30の幅を狭くしかつ
隣接する複合パターン30間の幅を狭くするためには、
溶剤イにおけるECAの混合比率を0体積%以上であっ
て2体積%以下とするのが好ましいことが理解できる。
【0134】尚、領域l* 及びn* の境界は、データが
ないために必ずしも明らかではないが、ベタパターン高
さの標準偏差が500Åを越える場合、主パターン22
の高さは、第二のレジスト26積層前において1μmで
あったのに対して第二のレジスト26の積層前後で5%
以上減少することとなり、従って主パターン22の溶解
が部分的に始まっていると考えられる。従って領域l*
は、ベタパターン高さの標準偏差がほぼ500Åを越え
る領域であると考えられる。
【0135】以上の説明から理解できるように、この実
施例によれば、次のようなことが明らかになった。
【0136】第一に、溶剤イを主剤ロ及び添加剤ハの混
合物とすることにより、不溶層28を厚くして複合パタ
ーン30の幅を太らせることができ、従って複合パター
ン30の寸法を制御する新たな手段を提供できる。
【0137】ここで、溶剤イは第二のレジスト26が含
む溶剤である。主剤ロは第二のレジスト26が含む樹脂
Bに対する良溶媒であってかつ第一のレジスト18が含
む樹脂Aに対する貧溶媒、また添加剤ハは第一のレジス
ト18が含む樹脂Aに対する良溶媒である。添加剤ハは
第一のレジスト18が含む樹脂Aに対して良溶媒であれ
ば、第二のレジスト26が含む樹脂Bに対しては良溶媒
及び貧溶媒のいずれとして機能しても良い。このような
主剤ロ及び添加剤ハであれば、主剤ロ及び添加剤ハとし
てクロルベンゼン及びECA以外のものも用いることが
できる。
【0138】第二に、主剤ロ及び添加剤ハの混合比率に
応じて、不溶層28を厚くし従って複合パターン30を
太らせることができ、従って複合パターン30の寸法を
制御する新たな手段を提供できる。この場合、複合パタ
ーン30の幅を狭くしかつ隣接する複合パターン30間
のスペース24の幅を狭くするためには、溶剤イにおけ
る添加剤ロの混合比率を0体積%以上であって2体積%
以下とするのが好ましい。
【0139】発明は上述した実施例にのみ限定されるも
のではなく、従って各構成成分の形状、寸法、配設個
数、配設位置、形成材料、数値的条件及びそのほかを任
意好適に変更できる。
【0140】例えば、第一発明においては、第一のレジ
スト18をアクリル樹脂を含むポジ型レジストとし、第
二のレジスト26をノボラック樹脂を含むポジ型レジス
トとしても良い。但し、複合パターンの寸法制御をし易
くするためには、現状においては、第一のレジストをノ
ボラック樹脂を含むポジ型レジストとする方が有利であ
る。
【0141】また第二発明においては、第一のレジスト
18が含む樹脂Aと第二のレジスト26が含む樹脂Bと
の相互熱拡散による不溶層28の形成を利用したもので
あり、次に述べる条件を満足する任意好適な樹脂A及び
Bを用いることができる。すなわちその条件とは、樹脂
Aを溶解できる溶媒の溶解パラメータの範囲内に、樹脂
Bの溶解パラメータが入っていることであり、このよう
な条件を満足する樹脂A及びBを含む第一及び第二のレ
ジストを用いることができる。
【0142】さらに上述した第一及び第二発明の実施例
においては、0.5μm幅のストライプ状透光部および
0.5μm幅のストライプ状遮光部を交互に配置して成
るマスクを用いたが、マスクの構成はこれに限定されず
任意好適に変更できる。例えば、透光部と遮光部の幅の
異なるストライプ状マスク、或はコンタクトホールパタ
ーンを有するマスクを用いても良い。
【0143】さらに上述した第一及び第二発明の実施例
においては、露光装置に縮小投影露光装置及び露光光に
i線を用いたが、これ以外の任意好適な露光方式の露光
装置を用いることができるし、また第一のレジスト18
及び第二のレジスト26の感光特性に応じた波長の露光
光を用いることができる。またこれらレジスト28及び
26の現像方法も上述した実施例で述べた方法以外の任
意好適な方法を用いることができる。
【0144】
【発明の効果】上述した説明からも明らかなように、請
求項1記載の第一発明によれば、樹脂成分としてノボラ
ック樹脂を含むポジ型レジストを、第一及び第二のレジ
ストの一方とし、樹脂成分としてアクリル樹脂を含むポ
ジ型レジストを、第一及び第二のレジストの他方とする
ので、不溶層を形成できる。また不溶層形成時の加熱温
度により、主パターン側壁と交差する方向における不溶
層の厚さを厚くしたり或は薄くしたりでき従って隣接す
る複合パターン間のスペースの幅を調整できる。これが
ため、隣接するパターン間のスペース幅を調整できる新
規な手法を提供できる。
【0145】請求項2記載の第一発明によれば、主パタ
ーン側壁と交差する方向における不溶層の厚さを、添加
剤の主剤に対する混合比率により制御できる。
【0146】これがため、不溶層の厚さ制御手法とし
て、不溶層形成時の加熱温度を調整するという手法以外
の、新たな手法を提供できる。
【0147】請求項3記載の第一発明によれば、第一の
レジストを、ノボラック樹脂を含むポジ型レジストと
し、第二のレジストを、アクリル樹脂を含むポジ型レジ
ストとする。この場合、第一のレジストの露光量を制御
することにより、主パターンの形状を、側壁が下地に対
し垂直に切り立った形状に近づけることができる。この
とき、主パターンの幅が狭くなっても、隣接する複合パ
ターン間のスペースの幅を不溶層により狭めることがで
きる。
【0148】しかも主パターン側壁と交差する方向にお
ける不溶層の厚さを、主パターン側壁の全面にわたって
ほぼ一定とすることができる。従って側壁が下地に対し
てほぼ垂直に切り立つような形状の主パターンを形成す
ることにより、側壁が下地に対してほぼ垂直に切り立っ
た形状の複合パターンを形成できる。
【0149】これがため、例えばドライエッチング或は
リフトオフのマスクパターンの形成に適した、パターン
形成方法を提供できる。
【0150】請求項4記載の第二発明によれば、第一及
び第二のレジストの一方が含む樹脂を溶解可能な溶媒の
溶解パラメータの数値範囲内の値を、第一及び第二のレ
ジストの他方が含む樹脂の溶解パラメータの値とするの
で、第一のレジストが含む樹脂と第二のレジストが含む
樹脂とを、熱拡散により混合できる。従って第一及び第
二のレジストが含む樹脂をそれぞれ任意好適に選択する
ことにより、不溶層を形成することが可能であると考え
られる。しかも主パターン側壁と交差する方向における
不溶層の厚さを、不溶層形成時の加熱温度に応じて、厚
くしたり或は薄くしたりでき、従って隣接する複合パタ
ーン間のスペースの幅を調整できると考えられる。
【0151】これがため、隣接するパターン間のスペー
ス幅を調整できる新規な手法を提供できる。
【0152】請求項5記載の第二発明によれば、主パタ
ーン側壁と交差する方向における不溶層の厚さを、添加
剤の主剤に対する混合比率により制御できる。
【0153】これがため不溶層の厚さ制御手法として、
不溶層形成時の加熱温度を調整するという手法以外の、
新たな手法を提供できる。
【0154】請求項6記載の第二発明によれば、第一の
レジストを、ノボラック樹脂を含むポジ型レジストとす
る。この場合、第一のレジストの露光量を制御すること
により、主パターンの形状を、側壁が下地に対し垂直に
切り立った形状に近づけることができる。このとき、主
パターンの幅が狭くなっても、隣接する複合パターン間
のスペースの幅を不溶層により狭めることができる。
【0155】しかも第二のレジストが含む樹脂を任意好
適に選択することにより、主パターン側壁と交差する方
向における不溶層の厚さを、主パターン側壁の全面にわ
たってほぼ一定とすることができると考えられる。従っ
てこのような第二レジストを用い、かつ、側壁が下地に
対してほぼ垂直に切り立つような形状の主パターンを形
成することにより、側壁が下地に対してほぼ垂直に切り
立った形状の複合パターンを形成できる。
【0156】これがため、例えばドライエッチング或は
リフトオフのマスクパターンの形成に適した、パターン
形成方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)〜(C)は第一〜第三実施例の説明に供
する工程図である。
【図2】(A)〜(C)は第一〜第三実施例の説明に供
する工程図である。
【図3】(A)〜(C)は第一〜第三実施例の説明に供
する工程図である。
【図4】第一実施例の実験において、第一のレジストの
露光量と主パターン又は複合パターンの幅との関係を示
す図である。
【図5】第一実施例の実験において、不溶層形成時のベ
ーク温度と複合パターンの幅との関係を示す図である。
【図6】第二実施例の実験において、第一のレジストの
露光量と複合パターンの幅との関係を示す表である。
【図7】第二実施例の実験において、第一のレジストの
露光量と複合パターンの幅との関係を示す折れ線グラフ
である。
【図8】第二実施例の実験において、第二のレジストが
含むPMMA樹脂の構造を示す図である。
【図9】第二実施例の実験において、比較例で用いたレ
ジストCMS−EXが含む樹脂の構造を示す図である。
【図10】第三実施例の実験において、第一のレジスト
の露光量と複合パターンの幅との関係を示す表である。
【図11】第三実施例の実験において、第一のレジスト
の露光量と複合パターンの幅との関係を示す折れ線グラ
フである。
【図12】第三実施例の実験において用いた試料の作成
の説明に供する平面図である。
【図13】第三実施例の実験において、ECAの混合比
率とパターン高さとの関係を示す表である。
【図14】第三実施例の実験において、ECAの混合比
率とパターン高さとの関係を示す折れ線グラフである。
【図15】第三実施例の実験において、ECAの混合比
率とパターン高さのばらつきとの関係を示す表である。
【図16】第三実施例の実験において、ECAの混合比
率とパターン高さのばらつきとの関係を示す折れ線グラ
フである。
【図17】(A)〜(C)はレジストによる従来のマス
クパターン形成方法の説明に供する図である。
【図18】レジストの露光量とスペースの幅との関係を
示す図である。
【図19】(A)〜(C)は露光量を異ならせた場合の
スペース及びマスクパターンの様子を示す図である。
【符号の説明】
18:第一のレジスト 20:下地 22:主パターン 22a:主パターン側壁 24:スペース 26:第二のレジスト 28:不溶層 30:複合パターン

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第一のレジストを用いて、下地上に主パ
    ターンを形成する工程と、 第二のレジストを、前記主パターンの側壁上に積層する
    工程と、 前記主パターン及び第二のレジストを加熱し、当該レジ
    ストの現像液に対し不溶性を有する不溶層を、前記主パ
    ターンの側壁上に形成する工程と、 前記不溶層形成後の第二のレジストを露光及び現像して
    除去し、主パターン及び不溶層を有して成る複合パター
    ンを形成する工程とを含み、 前記第一及び第二のレジストの一方をノボラック樹脂を
    含むポジ型レジストとすると共に、前記第一及び第二の
    レジストの他方をアクリル樹脂を含むポジ型レジストと
    したことを特徴とするパターン形成方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のパターン形成方法におい
    て、 第一のレジストが含む樹脂に対する貧溶媒である主剤
    と、第一のレジストが含む樹脂に対する良溶媒である添
    加剤とを混合した溶剤を、第二のレジストが含む樹脂の
    溶剤としたことを特徴とするパターン形成方法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のパターン形成方法におい
    て、 第一のレジストを、ノボラック樹脂を含むポジ型レジス
    トとしたことを特徴とするパターン形成方法。
  4. 【請求項4】 第一のレジストを用いて、下地上に主パ
    ターンを形成する工程と、 第二のレジストを、前記主パターンの側壁上に積層する
    工程と、 前記主パターン及び第二のレジストを加熱し、当該レジ
    ストの現像液に対し不溶性を有する不溶層を、前記主パ
    ターンの側壁上に形成する工程と、 前記不溶層形成後の第二のレジストを露光及び現像して
    除去し、主パターン及び不溶層を有して成る複合パター
    ンを形成する工程とを含み、 前記第一及び第二のレジストの一方が含む樹脂を溶解可
    能な溶媒の溶解パラメータの数値範囲内の値を、前記第
    一及び第二のレジストの他方が含む樹脂の溶解パラメー
    タの値としたことを特徴とするパターン形成方法。
  5. 【請求項5】 請求項4記載のパターン形成方法におい
    て、 第一のレジストが含む樹脂に対する貧溶媒である主剤
    と、第一のレジストが含む樹脂に対する良溶媒である添
    加剤とを混合した溶剤を、第二のレジストが含む樹脂の
    溶剤としたことを特徴とするパターン形成方法。
  6. 【請求項6】 請求項4記載のパターン形成方法におい
    て、 第一のレジストをノボラック樹脂を含むポジ型レジスト
    としたことを特徴とするパターン形成方法。
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