JPH07134111A - ガスセンサ - Google Patents

ガスセンサ

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JPH07134111A
JPH07134111A JP28272593A JP28272593A JPH07134111A JP H07134111 A JPH07134111 A JP H07134111A JP 28272593 A JP28272593 A JP 28272593A JP 28272593 A JP28272593 A JP 28272593A JP H07134111 A JPH07134111 A JP H07134111A
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岡本英司
Kuniaki Miyake
三宅邦明
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 圧力依存性を低減させることにより、圧力が
変動する箇所におけるガス濃度の検出を可能とする。 【構成】 補償用ヒータ3が配設される容器4内に所定
圧の基準ガスを封入した補償用素子2と、検出用ヒータ
6が配設される容器7に被検出ガスを導入するためのガ
ス流入口7aを穿設した検出用素子5とをブリッジ回路
に接続し、ブリッジ回路に所定の電圧(電流)を供給し
た状態で検出用素子5の検出用ヒータ6に被検出ガスを
作用させ、補償用ヒータ3と検出用ヒータ6との出力差
により被検出ガスの濃度を検出するガスセンサであっ
て、ブリッジ回路に供給する電圧(電流)を、基準ガス
に対する補償用ヒータ3の放熱量が被検出ガスに対する
検出用ヒータ6の放熱量よりも大きくなる範囲内に制限
したもの。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明はガスセンサに関し、特
に、圧力が変動する箇所(例えば、自動車のパージライ
ン等)のガス濃度の検出に好適なガスセンサに関するも
のである。
【0002】
【従来技術およびその問題点】従来、ガスの濃度を検出
するセンサとしては種々のタイプのものが提案されてお
り、例えば、図8に示すようなガスセンサが既に知られ
ている。
【0003】すなわち、このガスセンサ41は、いわゆ
る熱伝導式のガスセンサであって、内部に補償用ヒータ
43が設けられている密封容器44内に所定圧の基準ガ
スを封入した補償用素子42と、内部に検出用ヒータ4
6が設けられている密封容器47の壁面に被検出ガスを
導入するためのガス流入口47aを穿設した検出用素子
45とを具えており、前記両素子42、45は、図9に
示すようなブリッジ回路48に接続されるようになって
いる。
【0004】そして、上記のように構成したガスセンサ
41を被検出ガス雰囲気中に位置し、前記ブリッジ回路
48に所定の電圧(電流)を供給すると、前記補償用素
子42の補償用ヒータ43は被検出ガスの濃度によらず
に一定の放熱量(出力)を示すが、前記検出用素子45
の検出用ヒータ46は被検出ガスの濃度に応じて放熱量
(出力)が変化するため、補償用ヒータ43と検出用ヒ
ータ46の出力差を求めれば被検出ガスの濃度を検出す
ることができることになる。
【0005】ところで、省エネルギー化が要求される今
日、圧力が頻繁に変化する箇所、例えば、0mmHgか
ら−500mmHgの範囲内で圧力が変化する自動車の
パージライン等におけるガス濃度を正確に検出すること
が強く要望されているが、上記のようなガスセンサ41
では圧力依存性が大きいため、使用することができな
い。
【0006】すなわち、前述したガスセンサ41は、図
10に示すように、ブリッジ回路48への供給電圧(電
流)を一定にし、基準ガス(空気)および被検出ガス
(ブタン)の圧力を0mmHg(大気圧)から−500
mmHgまで変化させていくと、図中実線または破線で
示したような挙動を示し、0mmHg(大気圧)の基準
線に対して−20%〜−60%FSのずれが生じる。こ
れでは、圧力が頻繁に変化する自動車のパージライン等
のガス濃度の検出には用いることができない。
【0007】この発明は前記のような従来のもののもつ
問題点を解決したものであって、圧力が頻繁に変化する
箇所においてもガス濃度を正確に検出することができる
ガスセンサを提供することを目的とするものである。
【0008】
【問題点を解決するための手段】上記の問題点を解決す
るためにこの発明は、補償用ヒータが配設される容器内
に所定圧の基準ガスを封入した補償用素子と、検出用ヒ
ータが配設される容器に被検出ガスを導入するためのガ
ス流入口を穿設した検出用素子とをブリッジ回路に接続
し、前記ブリッジ回路に所定の電圧(電流)を供給した
状態で前記検出用素子の検出用ヒータに被検出ガスを作
用させ、補償用ヒータと検出用ヒータの出力差により被
検出ガスの濃度を検出するようになっているガスセンサ
において、前記ブリッジ回路に供給する電圧(電流)
を、基準ガスに対する補償用ヒータの放熱量(出力)が
被検出ガスに対する検出用ヒータの放熱量(出力)より
も大きくなる範囲内に制限した手段を採用したものであ
る。
【0009】
【作用】この発明は、前記のような手段を採用したこと
により、前記ブリッジ回路に供給する電圧(電流)を、
基準ガスに対する補償用ヒータの放熱量(出力)が被検
出ガスに対する検出用ヒータの放熱量(出力)よりも大
きくなる範囲内に制限することができるので、圧力依存
性を極めて少なくすることができることになる。したが
って、圧力が頻繁に変化する箇所においてもガスの濃度
を正確に検出することができることになる。
【0010】
【実施例】以下、図面に示すこの発明の実施例について
説明する。図1および図2には、この発明によるガスセ
ンサの第1の実施例が示されていて、この実施例による
ガスセンサ1も前記従来のものと同様に、いわゆる熱伝
導式のガスセンサであって、内部に補償用ヒータ3が設
けられている密封容器4内に所定圧の基準ガスを封入し
た補償用素子2と、内部に検出用ヒータ6が設けられて
いる密封容器7の壁面に被検出ガスを導入するためのガ
ス流入口7aを穿設した検出用素子5とを具えており、
前記両素子2、5も前記従来のものと同様に、図2に示
すようなブリッジ回路8に接続されている。
【0011】そして、この実施例に示すガスセンサ1を
被検出ガス雰囲気中に位置し、前記ブリッジ回路8に所
定の電圧(電流)を供給した場合においても、前記従来
のものと同様に、前記補償用素子2の補償用ヒータ3は
被検出ガスの濃度によらずに一定の放熱量(出力)を示
すが、前記検出用素子5の検出用ヒータ6は被検出ガス
の濃度に応じて放熱量(出力)が変化するため、補償用
ヒータ3と検出用ヒータ6の出力差を求めれば被検出ガ
スの濃度を検出することができるものである。
【0012】ここで、この実施例によるガスセンサ1の
ブリッジ回路8への供給電圧(電流)とセンサ出力との
関係を図3に示す。この場合、基準ガスとして空気を使
用し、被検出ガスとしてブタンを使用し、両ガスの圧力
は0mmHg(大気圧)、−500mmHgとし、セン
サへの供給電流は0mA〜20mAの範囲内で変化させ
た。
【0013】この結果、センサ出力を供給電流の大きさ
によって3態様に分けることができた。
【0014】すなわち、図中AおよびA′は、基準ガス
(空気)に対する補償用ヒータ3の出力が被検出ガス
(ブタン)に対する検出用ヒータ6の出力よりも大きく
なる領域であって、Aは両ガスの圧力が0mmHg(大
気圧)、A′は−500mmHgの場合である。
【0015】また、図中B、B′は、基準ガス(空気)
に対する補償用ヒータ3の出力と被検出ガス(ブタン)
に対する検出用ヒータ6の出力が等しくなる点、すなわ
ちセンサが不感となる点であって、Bは両ガスの圧力が
0mmHg(大気圧)、B′は−500mmHgの場合
である。
【0016】さらに、図中C、C′は、基準ガス(空
気)に対する補償用ヒータ3の出力が被検出ガス(ブタ
ン)に対する検出用ヒータ6の出力よりも小さくなる領
域であって、Cは両ガスの圧力が0mmHg(大気
圧)、C′は−500mmHgの場合である。
【0017】一方、この実施例によるガスセンサ1のブ
リッジ回路8への供給電圧(電流)と放熱量との関係を
図4に示す。この場合の条件は、前述したセンサ出力と
同じ条件としてある。
【0018】この結果、放熱量を供給電流の大きさによ
って3態様に分けることができる。
【0019】すなわち、図中AおよびA′は、基準ガス
(空気)に対する補償用ヒータ3の放熱量が被検出ガス
(ブタン)に対する検出用ヒータ6の放熱量よりも大き
くなる領域であって、Aは両ガスの圧力が0mmHg
(大気圧)、A′は−500mmHgの場合である。
【0020】また、図中B、B′は、基準ガス(空気)
に対する補償用ヒータ3の放熱量と被検出ガス(ブタ
ン)に対する検出用ヒータ6の放熱量が等しくなる点、
すなわちセンサが不感となる点であって、Bは両ガスの
圧力が0mmHg(大気圧)、B′は−500mmHg
の場合である。
【0021】さらに、図中C、C′は、基準ガス(空
気)に対する補償用ヒータ3の放熱量が被検出ガス(ブ
タン)に対する検出用ヒータ6の放熱量よりも小さくな
る領域であって、Cは両ガスの圧力が0mmHg(大気
圧)、C′は−500mmHgの場合である。
【0022】これらの結果から、B(B′)を境界とし
てA(A′)領域とC(C′)領域とで、基準ガスに対
する補償用ヒータ3の出力(放熱量)と被検出ガスに対
する検出用ヒータ6の出力(放熱量)が逆転し、この場
合、圧力の変化に対するセンサの出力(放熱量)の変動
率は、A(A′)領域よりもC(C′)領域の方が大き
いことが判明した。
【0023】従来は、センサへの供給電圧(電流)を前
記C(C′)領域に設定していたため、センサ出力は前
述したように圧力依存性が大きいものとなっていた。
【0024】そこで、この実施例では、センサへの供給
電圧(電流)を前記A(A′)領域に設定するようにし
た。
【0025】この結果、圧力変化に対するセンサの出力
(放熱量)の変動率を極めて少なくすることができ、セ
ンサの圧力依存性をガス濃度を検出するにほとんど影響
のない値にまで低減させることができた。したがって、
従来技術では困難であった圧力が頻繁に変化する箇所、
例えば自動車のパージライン等におけるガス濃度の検出
であっても正確な値が得られるようになった。
【0026】図5(a)〜(c)には、この発明による
ガスセンサの第2の実施例が示されていて、この実施例
に示すガスセンサ11は、シリコンウエハ上に異方性エ
ッチングにより形成したヒータ13を気密端子17上に
一対設け、一方のヒータ13をガス流入口16aを有す
る容器16で被包して検出用素子15とするとともに、
他方のヒータ13をガス流入口のない容器14で被包し
てその内部に所定圧の基準ガスを封入して補償用素子1
2としたものであって、これら両素子15、12も前記
第1の実施例に示すものと同様に、図2に示すようなブ
リッジ回路8に接続されるようになっている。
【0027】そして、この実施例によるガスセンサ11
にあっても供給電流とセンサ出力(放熱量)との関係は
前記第1の実施例に示すものと同様となるので、センサ
への供給電流を図3および図4のA(A′)領域に設定
することにより、圧力変化に対するセンサの出力(放熱
量)の変動率を極めて少なくすることができ、センサの
圧力依存性をガス濃度を検出するにほとんど影響のない
値にまで低減させることができる。したがって、従来技
術では困難であった圧力が頻繁に変化する箇所、例えば
自動車のパージライン等のガス濃度を正確に検出するこ
とができる。
【0028】なお、図6には、この実施例によるガスセ
ンサ11を、図3のA(A′)領域中でも特にセンサ出
力の変動率が少ないD領域で使用した結果が示してあ
り、このD領域を使用することにより、圧力依存性を1
0%FS以下とすることができる(この場合、ブタンで
正の出力が得られるように、出力の正負を反転して測定
している)。
【0029】図7(a)および(b)には、この発明に
よるガスセンサの第3の実施例が示されていて、この実
施例に示すガスセンサ31は、アルミナ基板を用いて作
製した一対のヒータ33、33の一方をガス流入口36
aを有する容器36で被包して検出用素子35とすると
ともに、他方のヒータ33をガス流入口のない容器34
で被包してその内部に所定圧の基準ガスを封入して補償
用素子32としたものであって、これら両素子35、3
2も前記第1、第2の実施例に示すものと同様に、図2
に示すようなブリッジ回路8に接続されるようになって
いる。
【0030】そして、この実施例によるガスセンサ31
にあっても供給電流とセンサ出力(放熱量)との関係は
前記第1および第2の実施例に示すものと同様となり、
センサへの供給電流を図3および図4のA(A′)領域
に設定することにより、圧力変化に対するセンサの出力
(放熱量)の変動率を極めて少なくすることができ、セ
ンサの圧力依存性をガス濃度を検出するにほとんど影響
のない値にまで低減させることができる。したがって、
従来技術では困難であった圧力が頻繁に変化する箇所、
例えば自動車のパージライン等のガス濃度を正確に検出
することができる。
【0031】
【発明の効果】この発明は、前記のように構成したこと
により、ブリッジ回路に供給する電圧(電流)を、基準
ガスに対する補償用ヒータの放熱量(出力)が被検出ガ
スに対する検出ヒータの放熱量(出力)よりも大きくな
る範囲内に制限することができるので、圧力依存性を極
めて少なくすることができることになる。したがって、
圧力が頻繁に変化する箇所、例えば自動車のパージライ
ン等においてもガス濃度を正確に検出することができる
ことになる等の優れた効果を有するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明によるガスセンサの第1の実施例を示
した概略図である。
【図2】図1に示すもののブリッジ回路である。
【図3】図1に示すものの供給電流とセンサ出力との関
係を示した説明図である。
【図4】図1に示すものの供給電流と放熱量との関係を
示した説明図である。
【図5】この発明によるガスセンサの第2の実施例を示
し、(a)は全体を示す概略図、(b)はヒータを示す
拡大図、(c)は(b)に示すものの断面図である。
【図6】図5に示すもののガス圧力の変化に対する出力
の変動率を示した説明図である。
【図7】この発明によるガスセンサの第3の実施例を示
し、(a)は全体を示す概略図、(b)はヒータを示す
拡大図である。
【図8】従来のガスセンサを示した概略図である。
【図9】図8に示すもののブリッジ回路である。
【図10】図8に示すもののガス圧力の変化に対する出
力の変動率を示した説明図である。
【符号の説明】
1、11、31、41……ガスセンサ 2、12、32、42……補償用素子 3、43……補償用ヒータ 4、7、14、16、34、36、44,47……容器 5、15、35、45……検出用素子 6、46……検出用ヒータ 7a、16a、36a、47a……ガス流入口 8、48……ブリッジ回路 13、33……ヒータ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 補償用ヒータ(3)が配設される容器
    (4)内に所定圧の基準ガスを封入した補償用素子
    (2)と、検出用ヒータ(6)が配設される容器(7)
    に被検出ガスを導入するためのガス流入口(7a)を穿
    設した検出用素子(5)とをブリッジ回路(8)に接続
    し、前記ブリッジ回路(8)に所定の電圧(電流)を供
    給した状態で前記検出用素子(5)の検出用ヒータ
    (6)に被検出ガスを作用させ、補償用ヒータ(3)と
    検出用ヒータ(6)の出力差により被検出ガスの濃度を
    検出するようになっているガスセンサにおいて、前記ブ
    リッジ回路(8)に供給する電圧(電流)を、基準ガス
    に対する補償用ヒータ(3)の放熱量(出力)が被検出
    ガスに対する検出用ヒータ(6)の放熱量(出力)より
    も大きくなる範囲内に制限したことを特徴とするガスセ
    ンサ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004027406A1 (de) * 2002-09-17 2004-04-01 Robert Bosch Gmbh Sensor und verfahren
JP2006058201A (ja) * 2004-08-23 2006-03-02 Gas Mitsukusu Kogyo Kk 熱伝導型ガス分析器
CN110794007A (zh) * 2019-10-29 2020-02-14 上海集成电路研发中心有限公司 一种气体传感器结构及其制造方法

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CN110794007A (zh) * 2019-10-29 2020-02-14 上海集成电路研发中心有限公司 一种气体传感器结构及其制造方法

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