JP2002365264A - イオン化式ガス感知器 - Google Patents

イオン化式ガス感知器

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JP2002365264A JP2001175595A JP2001175595A JP2002365264A JP 2002365264 A JP2002365264 A JP 2002365264A JP 2001175595 A JP2001175595 A JP 2001175595A JP 2001175595 A JP2001175595 A JP 2001175595A JP 2002365264 A JP2002365264 A JP 2002365264A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 検知対象ガスを高い精度で検出することがで
き、かつ高い動作の信頼性を有し、従って、高い安全性
を有するイオン化式ガス感知器を提供すること。 【解決手段】 ガス感知器は、板状の基体および2つの
チャンバ形成部材によって互いに区画されて形成された
測定用チャンバと補償用チャンバとを備え、各々のチャ
ンバ内には、放射線源が設けられると共に、開口が形成
された内部電極板が、当該開口により放射線源の一部が
露出するよう設けられており、当該基体の一面側に位置
される測定用チャンバに、ガス導入口およびガス排出口
が形成され、当該ガス排出口に吸引手段が接続されてな
り、基体の一面側には、当該基体とチャンバ形成部材と
の間に、シール部材による気密シール構造が形成されて
いると共に、測定用チャンバにおける内部電極板の開口
の開口径が、補償用チャンバにおける内部電極板の開口
の開口径に比して5〜30%大きいものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、イオン化式ガス感
知器に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、例えばオフィスや工場などの火災
報知設備として、火災の発生を示す煙粒子を検出するこ
とにより火災を報知する、いわゆる「イオン化式煙感知
器」が知られている。
【0003】このようなイオン化式煙感知器は、2つの
チャンバを備えており、一方のチャンバが、その内部に
検知対象ガスが導入されるべき測定室とされると共に、
他方のチャンバが、環境条件の変化の影響を補償するた
めの補償室とされている。
【0004】測定室内および補償室内には、それぞれ放
射線源が配設されており、通常、当該放射線源より放射
されたアルファ線により、測定室内および補償室内のガ
スが電離されて互いに異なる方向に等しい大きさの電離
電流が生じ、これにより、補償室と測定室との間で平衡
状態が維持されている。そして、測定室内に導入される
ガスに、例えば煙粒子などの異粒子が含まれている場合
には、この異粒子によって放射線源よりのアルファ線が
吸収されて測定室の電離電流が減少して補償室との平衡
状態が崩れるので、この電離電流の一定以上の変化を検
出することにより、例えば火災の発生や有害ガスの漏洩
などが感知されて、警報信号が発せられる。
【0005】而して、上記のようなイオン化式煙感知器
は、例えば高アルコール濃度の雰囲気下で使用される
と、その挙動が不安定になり、高い精度で異粒子を検出
することが困難となる、という問題がある。このような
問題の原因を究明したところ、測定室および補償室の両
者間の気密性が十分に確保されていないためであること
が判明した。
【0006】また、上記のようなイオン化式煙感知器に
おいては、ポンプなどの吸引手段によりガスが測定室内
に導入される場合には、測定室内に導入されるガスの流
入の状況が変動し、この現象により検出電流が変動して
ノイズとなるため、S/N比が低下し、結局、高い精度
でガス粒子を検出することが困難となる、という問題が
ある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、以上のよう
な事情に基づいてなされたものであって、その目的は、
検知対象ガスを高い精度で検出することができ、かつ高
い動作の信頼性が得られ、従って、高い安定性を有する
イオン化式ガス感知器を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明のイオン化式ガス
感知器は、板状の基体および2つのチャンバ形成部材に
よって互いに区画されて形成された測定用チャンバと補
償用チャンバとを備え、各々のチャンバ内には、放射線
源が設けられると共に、開口が形成された内部電極板
が、当該開口により放射線源の一部が露出するよう設け
られており、当該基体の一面側に位置される測定用チャ
ンバに、検知対象ガスの導入口および排出口が形成さ
れ、当該排出口に吸引手段が接続されてなるイオン化式
ガス感知器であって、基体の一面側には、当該基体とチ
ャンバ形成部材との間に、シール部材による気密シール
構造が形成されていると共に、測定用チャンバにおける
内部電極板の開口の開口径が、補償用チャンバにおける
内部電極板の開口の開口径に比して5〜30%大きいこ
とを特徴とする。
【0009】本発明のイオン化式ガス感知器において
は、内部電極板の各々は、基体を貫通する金属製の固定
用部材により電気的に接続された状態で固定されてお
り、基体の一面側において、固定用部材が貫通される挿
入孔にシール材が配置されて内部電極板と基体との間に
気密シール構造が形成されていることが好ましい。
【0010】
【作用】本発明のイオン化式ガス感知器によれば、測定
用チャンバが補償用チャンバから実質的に気密に分離さ
れているので、測定用チャンバ内のガスが補償用チャン
バ内に流入するようなことがなく、その結果、検出され
るべき電離電流の差を高い信頼性で感知することができ
る。しかも、測定用チャンバには、補償用チャンバより
多くのアルファ線が放射されるので、出力信号の絶対値
が大きくなり、その結果、S/N比を向上させることが
できる。従って、検知対象ガスを高い精度で検出するこ
とができる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明について、火災の発
生を示す煙を感知するための煙報知システムを例に挙げ
て、図面を参照して説明する。図1は、本発明に係る煙
報知システムの一例における構成の概略を示す説明図で
ある。この煙報知システム10は、煙粒子を感知して検
知対象ガスである煙を検出するイオン化式ガス感知器
(以下、単に「煙感知器」ともいう。)20と、この煙
感知器20に接続された吸引手段であるポンプ22と、
このポンプ22によるガス流量を調整する制御手段23
と、煙感知器20により検出される煙の濃度に応じて警
報信号を発する警報装置24とを備えている。
【0012】煙感知器20は、図2および図3に示すよ
うに、前後方向(図において左右方向)に長い板状の絶
縁性の基体30により区画された2つの円筒状のチャン
バを備えており、基体30の一面側(図3において上
側)における一方のチャンバが、その内部空間に検知対
象ガスが導入されるべき測定用チャンバ(以下、「測定
室」という。)31とされていると共に、基体30の他
面側における他方のチャンバが、環境条件等の変化を補
償するための補償用チャンバ(以下、「補償室」とい
う。)32とされている。ここに、測定室31の内部空
間の大きさは、補償室32のそれと等しい状態とされて
いる。
【0013】測定室31を形成するチャンバ形成部材で
ある上側殻体33は、導電性を有する材料例えば金属よ
りなり、その開口縁に鍔部分33Aが全周にわたって形
成されており、この鍔部分33Aには、その一部に半径
方向外方に伸びるよう舌片部分33Bが形成されてい
る。また、補償室32を形成するチャンバ形成部材であ
る下側殻体34についても、同様の構成とされている。
【0014】基体30の一面側において、上側殻体33
の鍔部分33Aが位置される部分には、環状溝40が形
成されており、この環状溝40には、シール部材である
Oリング41が設けられている。
【0015】基体30の一面には、板状の位置決め部材
42の複数が、基体30に対して垂直に伸びるよう環状
溝40の内周に沿って並ぶよう設けられており、これに
より、上側殻体33が、その変位が禁止された状態で、
Oリング41に対して位置決めされて、鍔部分33Aが
基体30の一面に形成された複数、例えば4つの固定用
爪部43によって係止されて固定されている。また、下
側殻体34についても、鍔部分34Aが基体30の他面
に形成された複数、例えば4つの固定用爪部(図示せ
ず)によって係止されて固定されている。
【0016】上側殻体33には、2つのガス流通孔35
A、35Bが形成されており、測定室31内を流過され
るガスの流れ方向に対して下流に位置する排気側のガス
流通孔35Bには、吸引手段としてのポンプ22が接続
されてガス排出口とされると共に、吸気側のガス流通孔
35Aは例えば大気に開放されてガス導入口とされてい
る。
【0017】測定室31および補償室32の内部空間の
各々には、板状の放射線源25A、25Bがそれぞれ設
けられており、放射線源25A、25Bとしては、例え
ばアメリシウム241(Americium241)な
どを用いることができる。具体的には、基体30の一面
側における測定室31が区画されるべき部分において、
その中央位置より前方(図において右方)に変位した個
所に微小な方形状の凹所36Aが形成されており、この
凹所36Aに嵌合された状態で第1の放射線源25Aが
配設されている。そして、中央位置に開口27Aが形成
された略円板状の内部電極板26Aが、当該開口27A
により、第1の放射線源25Aの一部が露出される状態
で設けられており、これにより、第1の放射線源25A
が保持されている。
【0018】基体30の他面側についても、同様の構成
とされており、補償室32が区画されるべき部分におい
て、基体30を挟んで第1の放射線源25Aと対称の位
置に、第1の放射線源25Aと同一の第2の放射線源2
5Bが凹所36Bに嵌合された状態で配設され、内部電
極板26Bが、その開口27Bが第2の放射線源25B
に対向して位置された状態で設けられている。この内部
電極板26Bには、出力端子28が設けられており、図
示しないリード線を介して、後述する回路基板45の入
力端子に接続されている。なお、同一の部材について
は、Aの代わりにBを用いた符号で示されている。
【0019】測定室31における内部電極板26Aの開
口27A、および補償室32における内部電極板26B
の開口27Bは、その開口径が、放射線源25A、25
Bより小さい状態とされており、例えば放射線源25
A、25Bの大きさに対して60〜95%の大きさであ
る。
【0020】測定室31側の開口27Aは、補償室32
側の開口27Bの開口径に比して5〜30%、好ましく
は5〜20%大きい状態とされている。測定室31側の
開口27Aの開口径が、補償室32側の開口27Bの開
口径に比して5〜30%大きいことにより、検出電流に
ついて必要なレベルの出力信号が得られると共に、検知
対象ガスの流入状況の変動によるノイズの影響を小さく
することができる。
【0021】ここに、測定室31側の開口27Aの開口
径は、例えば1.0〜5.0mmとされ、好ましくは
2.0〜4.0mmとされる。また、補償室32側の開
口27Bの開口径は、例えば0.8〜4.8mmとさ
れ、好ましくは1.5〜3.8mmとされる。
【0022】各々の内部電極板26A、26Bは、基体
30を貫通する固定用部材である金属製のネジ37によ
り電気的に接続された状態で基体30に固定されてお
り、基体30の一面側において、ネジ37が貫通された
貫通孔38には、上方に向かって広がるテーパ部分38
Aが形成されている。このテーパ部分38Aの斜面に
は、シール部材であるOリング39が支持されており、
これにより、貫通孔38が気密に閉塞されて、測定室3
1と補償室32とが実質的に独立した状態とされる。
【0023】基体30の他面側においては、補償室32
が区画されるべき部分より後方(図において左方)に伸
びる部分に、回路基板45が、その一部が下側殻体34
により収容されて補償室32内に位置される状態で配設
されており、この回路基板45の一方の電極には、下側
殻体34の鍔部分34Aにおける舌片部分34Bが接続
されている。また、回路基板45における他方の電極に
は、上側殻体33の鍔部分33Aにおける舌片部分33
Bが、回路基板45および基体30を貫通する金属製の
ネジ46によって電気的に接続されている。回路基板4
5の各々の電極には、電圧印加手段(図示せず)が接続
されており、例えば、上側殻体33に正(+)、下側殻
体34に負(−)の電圧がそれぞれ印加される。ここ
に、印加される電圧の大きさは、例えば5V程度であ
る。
【0024】以下、上記の煙報知システム10の動作に
ついて説明する。先ず、制御手段23によって、ガス流
量が所定の大きさに制御された状態において、ポンプ2
2が作動されて、例えば煙感知器20が設置された室内
の空気などのガスが煙感知器20の測定室31内に導入
される。ここに、測定室31に導入されるガス流量は、
検知対象ガスの種類によって異なるが、例えば150〜
300cm3 /minである。
【0025】一方、煙感知器20においては、例えば上
側殻体33に正(+)の電圧、下側殻体34に負(−)
の電圧がそれぞれ印加されることにより、各々の放射線
源25A、25Bよりアルファ線が放射されて、これに
より、測定室31内および補償室32内の空気が電離さ
れて回路基板45に電離電流が流れるが、測定室31に
はアルファ線が補償室32より多く放射されるため、測
定室31に流れる電離電流の方が、補償室32に流れる
電離電流より大きくなり、測定室31と補償室32との
間に電位差が生じた状態に維持される。
【0026】そして、煙感知器20に導入されるガスが
一定以上の煙粒子を含むものである場合には、測定室3
1において、第1の放射線源25Aよりのアルファ線が
煙粒子に吸収されて電離電流が減少し、当該煙粒子の濃
度に応じた出力信号が得られ、電離電流の変化の程度が
一定以上であるとき、すなわち一定以上の濃度の煙粒子
が検出されたときに、警報装置24によって警報信号が
発生される。
【0027】而して、上記の煙感知器20によれば、基
本的に、ポンプ22によってガスが確実に一定量に制御
された状態で測定室31内に導入されるので、煙粒子を
確実に検出することができることに加え、測定室31側
に気密シール構造が形成されていることにより、測定室
31が補償室32から実質的に気密に分離されているの
で、測定室31内のガスが補償室32内に流入するよう
なことがなく、その結果、検出されるべき電離電流の変
化を高い信頼性で感知することができる。
【0028】しかも、測定室31における内部電極板2
6Aの開口27Aの開口径が、補償室32における内部
電極板26Bの開口27Bの開口径に比して大きいこと
により、測定室31には、補償室32より多くのアルフ
ァ線が放射されるので、煙粒子の存在に起因する電離電
流の変化についての出力信号が大きくなり、その結果、
S/N比を向上させることができる。
【0029】具体的に説明すると、ポンプ22によりガ
スを導入することによって、ガスの流入量に絶対的に変
化する脈動が生ずるため、これに起因して不可避的に、
例えば±0.05V程度のノイズが生ずるが、このノイ
ズの幅(大きさ)は、測定室31内のアルファ線量に関
わらず、実質上同一であり、従って、測定室31に放射
されるアルファ線量が多いことにより、出力信号の絶対
値が大きくなり、結果としてS/N比が向上する。
【0030】しかし、測定室31側の開口27Aの開口
径が、補償室32側の開口27Bの開口径に比して過大
である場合には、測定室31におけるアルファ線量が多
くなるが、補償室32として、環境条件等の変化を補償
することが実質的に困難となり、その結果、補償室32
それ自体が無意義なものとなるおそれがある。一方、測
定室31側の開口27Aの開口径が、補償室32側の開
口27Bの開口径に比して過小である場合には、従来に
おける構成、すなわち測定室側および補償室側の各々の
開口の開口径が同一のものと同様に、検知対象ガスの流
入状況の変動によるノイズの影響を大きく受け、検知対
象ガスの濃度を高い信頼性で検知することが困難となる
おそれがある。従って、補償室32側の開口27Bの開
口径との関係において、測定室31側の開口27Aの開
口径を、補償室32側の開口27Bの開口径より大きく
することにより、上記のような不都合を生じさせること
なしに、S/N比を向上させることができる。
【0031】以上のように、上記の煙感知器20によれ
ば、検知対象ガスを高い精度で検出することができ、例
えば、高アルコール濃度環境下や拡散性の高いガス環境
下で使用される場合であっても、安定的に作動させるこ
とができ、高い動作の信頼性が得られる。
【0032】また、各々の内部電極板26A、26Bを
電気的に接続するネジ37が貫通する貫通孔38に対し
ても気密シール構造が形成されているので、一層確実
に、煙粒子を高い精度で検出することができる。
【0033】以上のような煙感知器20を備えてなる煙
報知システム10によれば、煙感知器20によって煙粒
子を高い精度で検出することができるので、例えば火災
が発生した場合であっても、その初期段階において確実
に報知することができ、従って、高い安全性が得られ
る。
【0034】以上においては、本発明のイオン化式ガス
感知器を火災の発生を示す煙、例えば一酸化炭素、硫化
水素、炭化水素、二酸化炭素、メタン、ブタンなどを感
知するための煙感知システムに適用した場合について説
明したが、例えば半導体製造工場における有機金属ガ
ス、例えばテトラエトキシシランガス(TEOSガ
ス)、シランガス(SiH4ガス)などの漏洩やその他
の有害ガスの漏洩を検知するためのガス報知システムに
適用することもできる。
【0035】図4は、本発明に係るガス報知システムの
一例における構成の概略を示す説明図であり、便宜上、
図1と同様の構成の部材については同じ符号が付してあ
る。このガス報知システム50においては、導入される
ガスを所定の温度に加熱する熱分解器51が、イオン化
式ガス感知器20の測定室31における吸気側のガス流
通孔35Aに接続されている。
【0036】熱分解器51は、図5に示すように、箱型
の外匣52を備えてなり、この外匣52を貫通して伸び
るよう、例えば石英よりなる直管状のガス導入管53が
設けられている。このガス導入管53の外周面には、加
熱手段としての線状の発熱体54がガス導入管53に巻
回された状態で設けられており、この発熱体54は、制
御手段23に接続されている。そして、外匣52とガス
導入管53とにより区画された内部空間には、断熱材5
5が充填されている。
【0037】上記のガス報知システム50においては、
導入されるガスに検知対象ガスが含まれている場合に
は、熱分解器51により検知対象ガスが加熱されること
により熱分解されて微粒子(ガス粒子)が生成された状
態において、イオン化式ガス感知器20における測定室
31に導入される。そして、測定室31において、第1
の放射線源25Aよりのアルファ線がガス粒子に吸収さ
れて電離電流が減少し、検知対象ガスの濃度に応じた出
力信号が得られ、電離電流の変化が一定以上であると
き、すなわち一定以上の濃度の検知対象ガスが検出され
たときに、警報装置24によって警報信号が発せられ
る。
【0038】上記のようなガス報知システム50におい
ても、イオン化式ガス感知器20により高い精度で検知
対象ガスを検出することができるので、有害ガスの漏洩
などの非常事態をその初期段階において確実に報知する
ことができ、従って、高い安全性が得られる。
【0039】以上、本発明の実施の形態について説明し
たが、本発明は上記の態様に限定されるものではなく、
種々の変更を加えることができる。 (1)基体の一面側に気密シール構造が形成されて、測
定室と補償室とが厳密に遮蔽された構成とされている
が、基体の他面側に気密シール構造が形成されていても
よい。 (2)シール部材は、Oリングに限定されるものではな
く、従来より知られている種々のものを利用することが
できる。
【0040】<実験例>以下、本発明のイオン化式ガス
感知器の実験例について具体的に説明するが、本発明が
これによって制限されるものではない。図3に示す構成
に従って、測定室(31)および補償室(32)の各々
の内部電極板(26A、26B)の開口(27A、27
B)の開口面積が互いに同一であるガス感知器を製造し
た。これを「ガス感知器A」とする。このガス感知器A
は、測定室(31)および補償室(32)の各々の内部
空間の大きさがいずれも約20cm3 、内部電極板(2
6A、26B)の開口(27A、27B)の開口径が
2.0mm、放射線源(25A、25B)は2.5mm
角のアメリシウム241である。
【0041】下記表1に従って、測定室(31)におけ
る内部電極板(26A)の開口(27A)の開口径の大
きさを変えたことの他は、ガス感知器Aと同様の構成の
ガス感知器を製造した。これらを、それぞれ「ガス感知
器B」、「ガス感知器C」とする。
【0042】そして、各々のガス感知器A〜Cについ
て、上側殻体(33)に対する印加電圧を+2.5V、
下側殻体(34)に対する印加電圧を−2.5Vとし、
テストガスとして、ガス濃度が15ppmのテトラエト
キシシランガス(TEOSガス)を使用し、150cm
3 /minのガス流量で測定室(31)内に導入するこ
とによりガス粒子検知テストを行い、ガス感知器Aの出
力電圧に対する各々のガス感知器B、Cの出力電力比を
算出した。結果を表1に示す。
【0043】
【表1】
【0044】以上のように、補償室における内部電極板
の開口の開口径との関係において、測定室における内部
電極板の開口径を大きくすることにより、出力電圧が大
きくなることが確認され、これにより、実際上、S/N
比が10%程度以上向上することが期待される。
【0045】
【発明の効果】本発明のイオン化式ガス感知器によれ
ば、測定用チャンバが補償用チャンバから実質的に気密
に分離されているので、測定用チャンバ内のガスが補償
用チャンバ内に流入するようなことがなく、その結果、
検出されるべき電離電流の差を高い信頼性で感知するこ
とができる。しかも、測定用チャンバには、補償用チャ
ンバより多くのアルファ線が放射されるので、出力信号
の絶対値が大きくなり、その結果、S/N比を向上させ
ることができる。従って、検知対象ガスを高い精度で検
出することができ、例えば火災の発生や有害ガスの漏洩
などの非常事態が発生した場合であっても、その初期段
階において確実に報知することができ、高い安全性が得
られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の煙報知システムの一例における構成の
概略を示す説明図である。
【図2】煙感知器の一例における構成の概略を示す平面
図である。
【図3】図2の煙感知器の縦断面図である。
【図4】本発明のガス報知システムの一例における構成
の概略を示す説明図である。
【図5】熱分解器の一例における構成の概略を示す説明
用断面図である。
【符号の説明】
10 煙報知システム 20 イオン化式ガス感知器(煙感知器) 22 ポンプ 23 制御手段 24 警報装置 25A 第1の放射線源 25B 第2の放射線源 26A、26B 内部電極板 27A、27B 開口 28 出力端子 30 基体 31 測定室(測定用チャンバ) 32 補償室(補償用チャンバ) 33 上側殻体 33A、34A 鍔部分 33B、34B 舌片部分 34 下側殻体 35A、35B ガス流通孔 36A、36B 凹所 37 ネジ 38 貫通孔 38A テーパー部分 39 Oリング 40 環状溝 41 Oリング 42 位置決め部材 43 固定用爪部 45 回路基板 46 ネジ 50 ガス報知システム 51 熱分解器 52 外匣 53 ガス導入管 54 発熱体 55 断熱材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 赤松 晃 東京都板橋区小豆沢2丁目7番6号 理研 計器株式会社内 Fターム(参考) 5C085 AA03 AB01 AC07 BA37 CA08 FA07

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 板状の基体および2つのチャンバ形成部
    材によって互いに区画されて形成された測定用チャンバ
    と補償用チャンバとを備え、各々のチャンバ内には、放
    射線源が設けられると共に、開口が形成された内部電極
    板が、当該開口により放射線源の一部が露出するよう設
    けられており、当該基体の一面側に位置される測定用チ
    ャンバに、検知対象ガスの導入口および排出口が形成さ
    れ、当該排出口に吸引手段が接続されてなるイオン化式
    ガス感知器であって、 基体の一面側には、当該基体とチャンバ形成部材との間
    に、シール部材による気密シール構造が形成されている
    と共に、測定用チャンバにおける内部電極板の開口の開
    口径が、補償用チャンバにおける内部電極板の開口の開
    口径に比して5〜30%大きいことを特徴とするイオン
    化式ガス感知器。
  2. 【請求項2】 内部電極板の各々は、基体を貫通する金
    属製の固定用部材により電気的に接続された状態で固定
    されており、基体の一面側において、固定用部材が貫通
    される貫通孔にシール材が配置されて内部電極板と基体
    との間に気密シール構造が形成されていることを特徴と
    する請求項1に記載のイオン化式ガス検知器。
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