JPH07134038A - 光ファイバジャイロ - Google Patents

光ファイバジャイロ

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JPH07134038A
JPH07134038A JP28133293A JP28133293A JPH07134038A JP H07134038 A JPH07134038 A JP H07134038A JP 28133293 A JP28133293 A JP 28133293A JP 28133293 A JP28133293 A JP 28133293A JP H07134038 A JPH07134038 A JP H07134038A
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良明 今村
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貞臣 佐久間
Toshiyuki Muroi
利幸 室井
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ディジタルクローズドループ方式によって位
相変調する形式の光ファイバジャイロにおいて、変調度
制御方法を改良することを目的とする。 【構成】 次式によって求められる変調度誤差εによっ
て位相変調器による変調度を制御するように構成する。 但し、I〔−π/2〕、I〔+π/2〕、I〔0〕、I
〔π〕は位相変調における位相差φm が−π/2、+π
/2、0、+πの時の干渉光の強さのディジタル値、k
〔−π/2〕、k〔+π/2〕は位相差φm が−π/
2、+π/2の時のリセット係数、IO は干渉光の強さ
に関係する係数。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば航空機、船舶、
自動車等の角速度計として使用して好適な光ファイバジ
ャイロに関し、より詳細には、ディジタルクローズドル
ープ方式によって位相変調する形式の光ファイバジャイ
ロにおいて変調度制御方法を改良することに関する。
【0002】
【従来の技術】光ファイバジャイロは光のサグナック効
果(サニャック効果ともいう。)を利用して角速度を計
測するように構成されており、高い信頼性を有し装置を
小型化することができる利点がある。光ファイバジャイ
ロのうち、干渉型光ファイバジャイロと称する形式のも
のがあり、これは複数回巻かれた光ファイバループより
なる1本の長い光路を互いに反対方向に光を伝播させ斯
かる2つの伝播光の位相差より角速度を求めるように構
成されている。
【0003】図8を参照して従来のファイバジャイロの
構成例を説明する。尚、図8で参照符号103が付され
た点線部分は後に説明するディジタルクローズドループ
方式の構成例である。光ファイバジャイロは、半導体レ
ーザ、発光ダイオード等の光源1と入射光を電流に変換
する受光器2と1本の光ファイバを複数回巻いて形成さ
れた光ファイバループ3と偏光子4と光ファイバを伝播
する光を合成し又は分岐するカプラ5、6とを有する。
【0004】光源1より出力された光線は第1のカプラ
5及び偏光子4を経由して第2のカプラ6に導かれる。
第2のカプラ6によって光線は分岐され、斯くして分岐
された2つの光線は光ファイバループ3を互いに反対方
向に伝播する。即ち、一方は光ファイバループ3を右周
りに伝播し、他方は左周りに伝播する。
【0005】光ファイバループ3に外力として角速度Ω
が加わると、サグナック効果によって、光ファイバルー
プ3内を互いに反対方向に伝播する光の間に位相差Δθ
が生じる。斯かる位相差Δθは角速度Ωに比例し、次の
式で表される。
【0006】
【数1】Δθ=(2πDL/λc)Ω
【0007】ここに、Dは光ファイバループ3のループ
径、Lは光ファイバループ3の長さ、λは光源1から出
力される光の波長、cは光速、Ωは光ファイバループ3
のループの中心軸線周りの角速度を表す。
【0008】位相差Δθを求める方法として、従来、位
相変調方式及び斯かる位相変調方式を改良したセロダイ
ン方式が知られており、斯かる方法の詳細については例
えば本願出願人と同一の出願人による特願平4−267
56を参照されたい。
【0009】位相変調方式によると、光ファイバループ
3の一端に位相変調器8が設けられ、斯かる位相変調器
8によって光ファイバループ3を右周りに伝播する光と
左周りに伝播する光はそれぞれ位相変調される。
【0010】位相変調器8によって位相変調された2つ
の光より干渉光が生成され、それが受光器2によって受
光され、電流信号に変換されて出力される。受光器2よ
り出力された電流信号は電流電圧変換器7によって電圧
信号に変換され、それより位相差Δθが求められる。受
光器2が受光する干渉光の強さIP は、次の式によって
表される。
【0011】
【数2】 IP =IO 〔1+cos{Δθ+φ(t)−φ(t−τ)}〕 =IO {1+cos(Δθ+φ)} =IO (1+cosx)
【0012】ここで、
【0013】
【数3】φ=φ(t)−φ(t−τ) x=Δθ+φ
【0014】である。また、IO は光の強さに関係する
定数、τは光が光ファイバループ3を伝播する時間であ
る。
【0015】これらの数式にて、記号Δθ、φ(t)、
φ(t−τ)、φ、xはいずれも位相差を表すが、記号
Δθは外力角速度Ωによって発生する位相差、記号φ
(t)は右周りに伝播する光が位相変調器8によって生
成される位相変化分、記号φ(t−τ)は左周りに伝播
する光が位相変調器8によって生成される位相変化分、
記号φは干渉光に含まれる位相変調器8によって生成さ
れる位相差、記号xは角速度による位相差と位相変調器
8による位相差の両者が合成されて生成された位相差で
ある。
【0016】数2の式において、光の強さIP は受光器
2の出力として得られ、位相差φは位相変調器8によっ
て適当な値に定められるから、位相差Δθを求めること
ができ、更に数1の式によって角速度Ωが求められる。
【0017】ディジタルクローズドループ方式を説明す
る前に、ディジタルデモジュレーション方式及びディジ
タルフェーズランプ方式について簡単に説明する。ディ
ジタルクローズドループ方式はディジタルデモジュレー
ション方式及びディジタルフェーズランプ方式を組み合
わせたものである。
【0018】ディジタルデモジュレーション方式では、
位相変調器8によって右周りの光と左周りの光は位相差
φ=φ(t)−φ(t−τ)がφ=+π/2とφ=−π
/2に交互に変化するように位相変調される。
【0019】位相差がφ=+π/2のときの光の強さI
P と位相差がφ=−π/2のときの光の強さIP の差を
求めると、数2の第2の式にφ=±π/2を代入して、
【0020】
【数4】 IP (Δθ−π/2)X −IP (Δθ+π/2)X =IO {1+cos(Δθ−π/2)}−IO {1+cos(Δθ+π/2)} =2IO sin(Δθ)
【0021】この式の右辺は位相変調器8によって生成
された位相差φを含まないから、この式より位相差Δθ
を求めることができる。
【0022】こうして、ディジタルデモジュレーション
方式によると、位相変調器8によって右周りの光は位相
差変化分φ(t)だけ位相変調され、左周りの光は位相
差変化分φ(t−τ)だけ位相変調され、2つの位相差
変化分の差φ{=φ(t)−φ(t−τ)}が交互に+
π/2及び−π/2になるように構成されている。次に
数4の式に示すように、位相差がφ=+π/2のときの
光の強さIP と位相差がφ=−π/2のときの光の強さ
P の差を求め、これよりΔθの値が求められる。
【0023】次に、図9を参照して、数2の式を使用し
て、位相差φがφ=±π/2のときの光の強さIP (Δ
θ±π/2)X を求める方法を示す。
【0024】図9Aは数2の第3の式のグラフであり、
位相差xと光の強さIP の関係を表すのによく用いられ
る。斯かるグラフにて、横軸はx(=Δθ+φ)、縦軸
は光の強さIP (x)即ちIP (Δθ+φ)X である。
図9Aの下側に示された図9B及び図9Cは横軸(図9
Aの縦軸方向)が時間、縦軸(図9Aの横軸方向)がx
(=Δθ+φ)である。図9Aの右側に示された図9D
及び図9Eは横軸(図9Aの横軸方向)が時間、縦軸
(図9Aの横軸方向)が光の強さIP である。
【0025】図9Bは数2の式においてΔθ=0の場合
のx(=Δθ+φ=φ)の波形を示し、図9Dは斯かる
場合の光の強さIP を表す。同様に、図9Cは数2の式
においてΔθ≠0の場合のx(=Δθ+φ)の波形を示
し、図9Eは斯かる場合の光の強さIP を表す。
【0026】図9Bのx(=Δθ+φ=φ)は時間τ毎
に交互に+π/2と−π/2に変化する矩形波だから、
光の強さIP の値はIP (+π/2)X とIP (−π/
2) X とが交互に得られる。
【0027】図9Dにて光の強さIP の信号波形が時間
τ毎にスポーク状の突起部を有するのは、図9Bの波形
にて示すxの値が−π/2と+π/2との間を変化する
ときに、図9Aの正弦波の光の強さIP が増加するから
である。
【0028】Δθ=0の場合には、図9Bに示すように
xの値が+π/2と−π/2とに交互に変化しても、光
の強さIP は図9Dに示すように(スポーク状の突起部
を除いて)一定値となる。しかしながら、Δθ≠0の場
合には、図9Cに示すようにxの値は時間τ毎に交互に
Δθ+π/2とΔθ−π/2に変化し、このとき光の強
さIP は図9Eに示すように(スポーク状の突起部を除
いて)時間τ毎に交互に変化する。
【0029】図9Eの矩形波がハイレベルにあるのはx
=Δθ−π/2のときの光の強さI P (Δθ−π/2)
X を表し、矩形波がロウレベルにあるのはx=Δθ+π
/2のときの光の強さIP (Δθ+π/2)X を表す。
従って、図9Eの矩形波のハイレベルとロウレベルの差
は、IP (Δθ−π/2)X −IP (Δθ+π/2) X
に対応している。
【0030】即ち、図9Eの矩形波のハイレベルとロウ
レベルの差の大きさは数4の式の右辺を表す。こうし
て、ディジタルデモジュレーション方式では、図9Aの
光の強さIP を示す正弦波より、図9Eの光の強さIP
の矩形波が生成され、斯かる矩形波のハイレベルとロウ
レベルの差を求めて数4の式によってΔθが求められ
る。尚、図9Aの光の強さIを表す正弦波信号は受光器
7によって出力され、図9D及び図9Eの光の強さIP
を表す矩形波信号のディジタル値はA/D変換器10に
よって得られる。
【0031】次に図10A及び図10Bを参照してディ
ジタルフェーズランプ方式の位相変調を説明する。ディ
ジタルフェーズランプ方式では、位相変調器8によっ
て、右周りの光は、図10Aに示す如き、位相差φ
(t)=φP (t)が生成するように位相変調され、同
様に、左周りの光は、図10Bに示す如き、位相差φ
(t−τ)=φP (t−τ)が生成するように位相変調
される。
【0032】ディジタルフェーズランプ方式における位
相差変化分φ(t)=φP (t)及びφ(t−τ)=φ
P (t−τ)は、図示のように、時間τ毎に1段の高さ
がφ S だけ変化する階段状波形である。
【0033】従って右周りの光と左周りの光の位相差φ
はφ=φ(t)−φ(t−τ)=φ S となり、数3の式
によって表される合計の位相差はx=Δθ+φS とな
る。この位相差x=Δθ+φS はφS を制御して打ち消
すことが可能である。このとき、φS は−Δθに等しく
なり、次の式より角速度Ωを求めることができる。
【0034】
【数5】Ω=(λc/2πDL)φS
【0035】図10A及び図10Bに示すように、ディ
ジタルフェーズランプ方式の位相変調では、位相差変化
分φP (t)、φP (t−τ)が0以下又は2π以上と
なることはない。即ち、位相差変化分φP (t)、φP
(t−τ)の値は、時間τ毎に1段の高さがφS だけ増
加するが、0以下又は2π以上となるとリセットされ
て、常に0より大きく又は2πより小さい値に維持され
る。
【0036】位相差変化分φP (t)、φP (t−τ)
は時間τ毎に位相が変化するので、nステップ時(1ス
テップの時間幅τ)の位相差変化分をそれぞれφ
P (t)=φP 〔n〕、φP (t−τ)=φP 〔n−
1〕と表すことができる。従って、図10A及び図10
Bの階段状波形の位相差φP (t)、φP (t−τ)は
次の式で表すことができる。
【0037】
【数6】 φP 〔n〕=φP 〔n−1〕+φS +2πk1 〔n〕 φP 〔n−1〕=φP 〔n−2〕+φS +2πk1 〔n−1〕
【0038】この式でk1 (整数)はリセット係数であ
る。リセット係数k1 は階段状波が段差φS だけ変化し
ている範囲では0である。φP 〔n〕、φP 〔n−1〕
の値が0以下または2π以上になる場合は、φ
P 〔n〕、φP 〔n−1〕の値が0から2πの範囲とな
るように、リセット係数k1 の値は選択され、それによ
ってφ P 〔n〕、φP 〔n−1〕はリセットされる。
尚、階段状波の1段の高さφS の値は数5の式より明ら
かなように、刻々変化する。
【0039】図10Cに示す位相変調波φm ′(t)及
び図10Dに示す位相変調波φm ′(t−τ)は前述の
ディジタルデモジュレーション方式で使用される位相変
調波である。斯かる位相変調波は、ステップ毎に即ち時
間τ毎に+π/4、−π/4と値が反転する矩形波であ
り、これらをφm ′(t)=φm ′〔n〕、φm ′(t
−τ)=φm ′〔n−1〕と表すこととする。
【0040】次に図11を参照してディジタルクローズ
ドループ方式の位相変調を説明する。図11Fに示すφ
(t)は右周りの光が位相変調器8によって変調された
位相変化分を表す波形であり、図10Aの位相差変化分
φP (t)と図10Cの位相差φm ′(t)を加算して
得られる。図11Gに示すφ(t−τ)は左周りの光が
位相変調器8によって変調された位相変化分を表す波形
であり、図10Bの位相差変化分φP (t−τ)と図1
0Dの位相差φm ′(t−τ)を加算して得られる。こ
れらの波形はそれぞれ次の式で表される。
【0041】
【数7】 φ(t)=φP 〔n〕+φm ′〔n〕 =φP 〔n−1〕+φS +2πk1 〔n〕+φm ′〔n〕+2πk2 〔 n〕 φ(t−τ)=φP 〔n−1〕+φm ′〔n−1〕 =φP 〔n−2〕+φS +2πk1 〔n−1〕+φm ′〔n−1〕 +2πk2 〔n−1〕
【0042】リセット係数k2 (整数)はφ(t)及び
φ(t−τ)が0以下または2π以上になる場合に、φ
(t)及びφ(t−τ)の値を0から2πの範囲となる
ように、選択される。それによってφ(t)、φ(t−
τ)はリセットされる。
【0043】数7の第1の式で表される位相差φ(t)
は右周りの光が位相変調器8によって変調された位相変
化分であり、数7の第2の式で表される位相差φ(t−
τ)は左周りの光が位相変調器8によって変調された位
相変化分を示している。
【0044】図11Hはディジタルクローズドループ方
式において干渉光が位相変調器8によって生成された位
相差φ=φ(t)−φ(t−τ)の波形を表し、図11
Fのφ(t)と図11Gのφ(t−τ)より得られる。
この位相差φは数7の式の2つの式の差より求められ、
次の式で表される。
【0045】
【数8】 φ=φ(t)−φ(t−τ) =φ〔n〕−φ〔n−1〕 =φS +φm ′〔n〕−φm ′〔n−1〕+2πk3 〔n〕 =φS +φm 〔n〕+2πk3 〔n〕
【0046】ここで、k3 (整数)はリセット係数であ
る。
【0047】
【数9】 φm 〔n〕=φm ′〔n〕−φm ′〔n−1〕 k3 〔n〕=k1 〔n〕−k1 〔n−1〕+k2 〔n〕−k2 〔n−1〕
【0048】である。以下に適宜、数8の式のφS をデ
ィジタルフェーズランプ位相差、φ m 〔n〕をディジタ
ルデモジュレーション位相差と称することとする。
【0049】ディジタルデモジュレーション位相差φm
〔n〕は図10Eに示す。φm ′〔n〕、φm ′〔n−
1〕の値はステップ毎に−π/4、+π/4に反転する
から、ディジタルデモジュレーション位相差φm 〔n〕
の値はステップ毎に−π/2、+π/2に反転する。
【0050】ディジタルデモジュレーション位相差φm
〔n〕が−π/2、+π/2の時の光の強さの値をそれ
ぞれI〔−π/2〕、I〔+π/2〕、リセット係数を
3〔−π/2〕、k3 〔+π/2〕として、光の強さ
P の値の差を計算すると、数2の第2式に数8の式を
代入して、
【0051】
【数10】 IP 〔−π/2〕−IP 〔+π/2〕 =IO 〔1+cos{Δθ+(φS −π/2+2πk3 〔−π/2〕)}〕 −IO 〔1+cos{Δθ+(φS +π/2+2πk3 〔+π/2〕)}〕 =IO {sin(Δθ+φS )+sin(Δθ+φS )} =2IO sin(Δθ+φS
【0052】ディジタルクローズドループ方式では、数
10の式の値がゼロとなるように制御される。即ち、サ
グナック効果による位相差Δθを打ち消すようにφS
大きさが制御される。
【0053】
【数11】Δθ+φS =0
【0054】こうして、ディジタルフェーズランプ位相
差φS は−Δθと等しくなり、数5の式より角速度Ωを
求めることができる。尚、図11Hにて破線で示したレ
ベルがφS に相当する。
【0055】数11の式の条件が満たされている場合に
は、数8の式を数3の式に代入して次の式を得る。
【0056】
【数12】x=Δθ+φ =Δθ+φS +φm 〔n〕+2πk3 〔n〕 =φm 〔n〕+2πk3 〔n〕
【0057】この式でφm 〔n〕=±π/2である。非
リセット状態ではリセット係数k3はk3 =0、リセッ
ト状態ではリセット係数k3 (整数)はk3 ≠0であ
る。位相変調器8によって生成される位相差xの値はx
=+π/2、−π/2、+3π/2、−3π/2等とな
る。位相差x=±3π/2の状態はリセット状態と呼ば
れる。
【0058】図11Iに数12の式の位相差xの波形を
示す。x=+π/2、−π/2、+3π/2、−3π/
2のときの光の強さの値IP をそれぞれ、I(+π/
2)X、I(−π/2)X 、I(+3π/2)X 、I
(−3π/2)X として、位相変調器8において、位相
変化分φP (t)、φP (t−τ)が正確に0又は2π
でリセットされる場合には、次の式が成立する。
【0059】
【数13】I(+π/2)X =I(−3π/2)X I(−π/2)X =I(+3π/2)X
【0060】再び図8を参照して説明する。図8の点線
部103は従来のディジタルクローズドループ方式の制
御部の第1の構成例を示す。タイミング信号発生器9は
周期τのタイミング信号を発生し、斯かるタイミング信
号をA/D変換器10とディジタル演算部11とD/A
変換器12に供給する。このタイミング信号を制御信号
としてA/D変換器10とディジタル演算部11とD/
A変換器12は動作する。電流電圧変換器7からの光の
強さIP を示す信号はA/D変換器10によってディジ
タル信号に変換され、斯かるディジタル信号はディジタ
ル演算部11に供給される。
【0061】ディジタル演算部11では、図10及び図
11を参照して説明したクローズドループ方式による位
相変化分φ(t)が生成される。ディジタル演算部11
の出力信号はD/A変換器12に供給される。D/A変
換器12からは位相変調信号φ(t)が位相変調器8に
供給される。
【0062】図12は図8に示したディジタルクローズ
ドループ方式の制御部103の主要部を示し、これを参
照してその動作を詳細に説明する。タイミング信号発生
器9からのタイミング信号はスイッチ回路111に入力
され、スイッチ回路111によってA/D変換器10か
らのディジタル信号が第1のレジスタ112−1と第2
のレジスタ112−2に入力される。
【0063】第1のレジスタ112−1には位相差がx
=+π/2のときの光の強さI(+π/2)X が記憶さ
れ、第2のレジスタ112−2には位相差がx=−π/
2のときの光の強さI(−π/2)X が記憶される。リ
セット状態であれば、位相差がx=±3π/2のときの
光の強さI(±3π/2)X がA/D変換器10より出
力されるが、数13の式の関係を用いて求められた値が
それぞれに対応するレジスタ112−1、112−2に
記憶される。
【0064】第1の演算部113−1では第1のレジス
タ112−1に記憶された値I(+π/2)X と第2の
レジスタ112−2に記憶された値I(−π/2)X
差が計算され、斯かる差の値を示す信号が第2の演算部
113−2へ出力される。この差の値をΔとすると次の
式によって表される。
【0065】
【数14】Δ=I(+π/2)X −I(−π/2)X =I(−3π/2)X −I(+3π/2)X
【0066】図13を参照して第2の演算部113−2
の構成及びその動作を説明する。第1の演算部113−
1からの差の信号Δは第1の加算器113−2Aに入力
され、その結果は第3のレジスタ113−2Bに記憶さ
れる。斯かる記憶された値は次のタイミングで第1の加
算器113−2Aに入力され、第1の演算部113−1
からの差の信号Δに加算されて第3のレジスタ113−
2Bに記憶される。
【0067】こうして、第1の演算部113−1から出
力されたの差の信号Δがゼロになると、第3のレジスタ
113−2Bの値は一定値に保持される。この保持され
た一定値がディジタルフェーズランプ位相差φS の値で
ある。このφS の値より、数5の式から角速度Ωを求め
ることができる。第3のレジスタ113−2Bからの出
力は第2の演算部113−2からの出力として、第3の
演算部113−3に供給される。
【0068】再び図12を参照すると、第3の演算部1
13−3では数6の式の演算及びリセット処理が行われ
る。第3の演算部113−3より出力された位相差信号
φP(t)は第4の演算部113−4に供給される。
【0069】変調信号発生部114はタイミング信号発
生器9からのタイミング信号を入力して、時間τ毎に交
互に値が+π/4、−π/4に反転する位相差信号
φm ’(t)を発生する。第4の演算部113−4は変
調信号発生部114からの位相差信号φm ’(t)と第
3の演算部113−3からの位相差信号φP (t)を入
力し、数7の式の演算及びリセット処理を行う。第4の
演算部113−4からの出力φ(t)はD/A変換器1
2に出力され、D/A変換器12の出力は位相変調器8
に出力される。
【0070】こうして、ディジタルクローズドループ方
式では、角速度Ωが変化すると光ファイバループ内に生
じた位相差Δθに等しいディジタルフェーズランプ位相
差φ S が作り出され、これがジャイロ信号として第2の
演算部113−2より出力されることになる。
【0071】ところが、このような動作をおこなって正
しい信号を得るためには、位相変調器8において、正確
に0又は2πでリセットされなければならない。即ち、
数7の式の右周りの光の位相変化分φ(t)と左周りの
光の位相変化分φ(t−τ)が正確に0又は2πでリセ
ットされなければならない。
【0072】一般に位相変調器8は温度感度を持ってお
り、D/A変換器12からの出力が一定でも、温度が変
化すると位相変調器8の変調度が変化し、その光の位相
が変化することとなる。従って、リセット値がφ(t)
=0又は2πより偏倚することとなる。
【0073】これを補正するにはφ(t)=0又は2π
に相当するD/A変換器12からの出力を補正すればよ
い。従来、このφ(t)=0又は2πからのズレの検出
及び補正は次のように行っていた。
【0074】図14に位相差xと光の強さIP の関係を
示す。図14にて図14A、図14B、図14C、図1
4D、図14Eの縦軸と横軸は図9と同じであるので、
説明は省略する。図14は図8に示した従来の光ファイ
バジャイロが動作している状態を示している。
【0075】図14Bは位相変調器8が正しくφ(t)
=0又は2πでリセットされる場合を示している。この
時、数12の式に示したように、リセット時ではxの値
が+3π/2、−3π/2等の値をとる。ここで、x=
−π/2、+π/2、+3π/2、−3π/2のときの
光の強さIP の値の点をそれぞれI 、II、III 、IVとす
ると、図14Dに示すようにI 、II、III 、IV点の光の
強さIP は(スポーク状の突起部を除いて)同じ値をと
り、区別がつかない。
【0076】図14Cはリセットがφ(t)=0又は2
πより偏倚してされた場合の位相差信号を示している。
同様に、x=−π/2、+π/2、+3π/2、−3π
/2のときの光の強さIP は図14Aに示すようにI
′、II′、III ′、IV′点となる。従って、図14E
に示すようにI ′、II′の組とIII ′、IV′の組では組
の中では同じ値であるが、それぞれの組の値は異なる。
即ち、数13の式は成立しない。数13の式の両辺の偏
差を求める。
【0077】
【数15】 ε=(リセット状態でない時の光の強さ)−(リセット状態の時の光の強さ) =I(+π/2)X −I(−3π/2)X =I(−π/2)X −I(+3π/2)X
【0078】数15の式で示される偏値εの値がゼロに
なるように、位相変調器8へ供給する電圧の値を制御す
れば、正しくφ(t)=0又は2πでリセットされるこ
ととなる。
【0079】図15を参照して従来の光ファイバジャイ
ロの他の例を説明する。この例では、ディジタルクロー
ズドループ方式の制御部105はφ(t)=0又は2π
からのズレを検出し、補正を行う機能を有する。これは
位相変調器8へ供給する電圧を補正するもので変調度制
御方法と呼ばれる。
【0080】図15の点線部105は従来のディジタル
クローズドループ方式の制御部の第2の構成例を示す。
タイミング信号発生器9は周期τのタイミング信号を発
生し、斯かるタイミング信号をA/D変換器10とディ
ジタル演算部11と第1のD/A変換器12と第2のD
/A変換器13に供給する。このタイミング信号を制御
信号としてA/D変換器10とディジタル演算部11と
D/A変換器12、13は動作する。電流電圧変換器7
からの光の強さIP を示す信号はA/D変換器10によ
ってディジタル信号に変換され、斯かるディジタル信号
はディジタル演算部11に供給される。
【0081】ディジタル演算部11では、図10及び図
11を参照して説明したクローズドループ方式による位
相変化分φ(t)が生成される。ディジタル演算部11
の出力信号は第1のD/A変換器12に供給される。第
1のD/A変換器12からの位相変調信号φ(t)は可
変利得増幅器14に供給される。
【0082】一方、ディジタル演算部11からはリセッ
ト状態φ(t)=0又は2πを補正するための補正信号
が第2のD/A変換器13に供給される。第2のD/A
変換器13は可変利得増幅器14へ制御信号を供給す
る。斯かる制御信号によって、可変利得増幅器14から
位相変調器8へ補正された電圧の値が供給され、それに
よって正しくφ(t)=0又は2πの値にてリセットさ
れることとなる。
【0083】図16は図15に示したディジタルクロー
ズドループ方式の制御部105の主要部を示し、これを
参照してその動作を詳細に説明する。尚、説明にあたっ
て図12に示した例と同じ動作をする部分は省略する。
【0084】タイミング信号発生器9からのタイミング
信号はスイッチ回路111及び変調信号発生部114に
出力される。変調信号発生部114はタイミング信号発
生器9からのタイミング信号によって値が+π/4、−
π/4に交互に反転する位相差信号φm ’(t)を発生
する。第4の演算部113−4は斯かる位相差信号
φ m ’(t)を入力し、数7の式の演算及びリセット処
理を行う。
【0085】第4の演算部113−4からの出力信号φ
(t)は第1のD/A変換器12に出力される。一方、
第4の演算部113−4からはスイッチ回路111と第
1の演算部113−1と第5の演算部113−5へ制御
信号が出力される。
【0086】スイッチ回路111はタイミング信号発生
器9からのタイミング信号を入力し、A/D変換器10
からのディジタル信号を第1〜第4のレジスタ112−
1〜112−4に入力する。
【0087】第1のレジスタ112−1は位相差xが+
π/2のときの光の強さI(+π/2)X を記憶し、第
2のレジスタ112−2は位相差xが−π/2のときの
光の強さI(−π/2)X を記憶し、第2のレジスタ1
12−2は位相差xが−3π/2のときの光の強さI
(−3π/2)X を記憶し、第3のレジスタ112−3
は位相差xが+3π/2のときの光の強さI(+3π/
2)X を記憶し、第4のレジスタ112−4は位相差x
が−3π/2のときの光の強さI(−3π/2) X を記
憶する。
【0088】第1の演算部113−1は第1のレジスタ
112−1の値と第2のレジスタ112−2の値の差Δ
1 を計算し、又は第3のレジスタ112−3の値と第4
のレジスタ112−4の値の差Δ2 を計算し、計算され
た差Δ1 、Δ2 の値を第2の演算部113−2へ出力す
る。そのどちらを演算するかは第4の演算部113−4
からの制御信号によって選択される。
【0089】
【数16】Δ1 =I(+π/2)X −I(−π/2)X Δ2 =I(−3π/2)X −I(+3π/2)X
【0090】第2の演算部113−2と第3の演算部1
13−3の動作は図12の例と同じであるので説明を省
略する。
【0091】第5の演算部113−5では次の数17の
式によって誤差信号ε1 又はε2 が演算される。そのど
ちらを演算するかは第4の演算部113−4からの制御
信号によって選択される。斯かる演算の結果ε1 又はε
2 は第6の演算部113−6へ出力される。
【0092】
【数17】ε1 =I(+π/2)X −I(−3π/2)
X ε2 =I(−π/2)X −I(+3π/2)X
【0093】第4の演算部113−4からの制御信号を
使用してリセット状態が判別される。即ち、斯かる制御
信号によって数16の式の光出力の差信号Δ1 、Δ2
は数17の式の誤差信号ε1 、ε2 が選択され、それに
よってリセットが正確になされているかが判別される。
【0094】図17は第6の演算部113−6の構成例
を示す。第5の演算部113−5からの誤差信号ε1
はε2 は第1の加算器113−6Aに入力され、第1の
加算器113−6Aからの出力信号は第5のレジスタ1
13−6Bに記憶される。第5のレジスタ113−6B
に記憶された値は、タイミング信号の次のタイミングで
第1の加算器113−6Aに入力され、第5の演算部1
13−5からの誤差信号ε1 又はε2 に加算され、その
結果は第5のレジスタ113−6Bに記憶される。つま
り、第5の演算部113−5からの誤差信号ε1 又はε
2 がゼロになると、第5のレジスタ113−6Bの記憶
値は一定値に保持される。この一定値が補正値となって
第2のD/A変換器13へ出力される。
【0095】再び図16を参照すると、第2のD/A変
換器13はタイミング信号発生器9からのタイミング信
号を入力し、可変利得増幅器14のゲインを制御する信
号を発生する。つまり、第5の演算部113−5からの
誤差信号ε1 又はε2 がゼロになるように、第2のD/
A変換器13からの出力が制御される。
【0096】誤差信号ε1 、ε2 がゼロの時は、数13
の式で示した関係が満たされているから、リセット状態
では可変利得増幅器14から位相変調器8に出力される
電圧信号と位相変調器8において位相差φ(t)=0又
は2πとが正しく1:1に対応している。つまり正確に
位相差φ(t)=0又は2πでリセットされる状態とな
る。この結果、スケールファクタ精度が向上し、高性能
なジャイロを得ることができる。
【0097】
【発明が解決しようとする課題】従来のディジタルクロ
ーズドループ方式の位相変調方法において使用されてい
る変調度制御方法は、入力角速度Ωの大きさに依存して
幾つかの不都合があった。
【0098】図18は位相差xと光の強さIP の関係を
示す。図18で図18A、図18B、図18C、図18
D、図18Eの縦軸と横軸は図9と同じでありその詳細
な説明は省略する。図18は図15に示した従来の光フ
ァイバジャイロが動作している状態を示している。
【0099】図18Bは入力角速度Ωが大きく、位相差
Δθが+π/2<Δθ<+πの状態を示している。位相
差xの値がx=−π/2、+π/2、+3π/2、−3
π/2、−5π/2、+5π/2の時の光の強さIP
値の点をそれぞれI、II、III 、IV、V、VIとすると、
VI点で位相差xがx=5π/2となる。
【0100】図18Cは入力角速度Ωが更に大きく、位
相差Δθが+π<Δθ<+3π/2の状態を示してい
る。同じようにVI点で位相差xがx=5π/2となる。
【0101】図18Bに対応する光の強さIP は図18
Dに、図18Cに対応する光の強さIP は図18Eにそ
れぞれ示す。この場合、可能な光の強さIP の値はI、
II、III 、IV点の4つの状態となる。これは入力角速度
Ωが正の場合であり、負の場合まで考慮すると、I、I
I、III 、IV、V、VI点の6つの状態が起こり得る。
【0102】既に、図14を参照して説明したように、
これらの6つの状態の光の強さIPの値は正しくφ
(t)=0又は2πの値でリセットされている時は、全
て等しく同じ値となるが、φ(t)=0又は2πから偏
倚した状態でリセットされている時は、I、IIの組とII
I 、IVの組とV、VIの組の3組は互いに異なる値とな
る。従って、補正計算を行うためには、これら全ての状
態の光の強さIP の値を記憶しなければならない。つま
り、入力角速度Ωに対応して位相差Δθが−3π/2<
Δθ<+3π/2の範囲の場合には図16の主要部にて
示したレジスタの数が4個ではなく、位相差x=Δθ+
φに対応して6個準備する必要がある。
【0103】さらに入力角速度Ωが大きくなると、位相
差x=±7π/2、±9π/2、±11π/2等の状態
が起こり得ることになり、それに対応してレジスタの数
がより多く必要となる。
【0104】更に、従来の例では、入力角速度Ωがゼロ
の時、即ちリセット状態が起きない時には、変調度制御
信号が得られない。リセット状態の頻度は入力角速度Ω
の大きさに関係しているため、変調度制御精度が角速度
Ωの大きさによって異なるという不都合があった。
【0105】更に、光源1からの光の強さ及び光路によ
る光エネルギの損失は、一般に、長期間では変動する。
従って、受光器2によって検出される光の量又は強さは
変動し、電流電圧変換器7からの光出力値が変動するこ
とになる。ディジタル型の信号処理系は、装置の組立時
に入力ゲインを最初の光出力値を使用して調節するか
ら、組立後に電流電圧変換器7からの光出力値が変動す
ると信号処理系の精度が低下する欠点があった。
【0106】本発明は、斯かる点に鑑み、入力角速度Ω
の値が大きくなっても、それに対応して位相差xを記憶
するためのレジスタの数を増加させることがなく、簡単
な装置によって正確に位相変調することができる光ファ
イバジャイロ及びそれを使用した角速度測定方法を提供
することを目的とする。
【0107】更に、本発明は、従来の変調度制御方法の
如き入力角速度Ωがゼロ又は小さくリセット状態の頻度
が低いときに正確に位相変調することができなかった点
を解決することを目的とする。
【0108】即ち、本発明は、入力角速度Ωの大きさに
関係なく、即ちリセット状態の頻度に関係なく、正確に
リセット状態の偏倚を補正して正確な位相変調をするこ
とができる光ファイバジャイロ及びそれを使用した角速
度測定方法を提供することを目的とする。
【0109】本発明では、光出力値が変動しても、信号
処理系の入力のゲインが変動することなく、常に高い精
度にて角速度Ωを検出することができる光ファイバジャ
イロを提供することを目的とする。
【0110】
【課題を解決するための手段】本発明によれは、光ファ
イバループ3と、光ファイバループ3内を互いに反対方
向に伝搬する第1の伝播光と第2の伝播光をそれぞれ位
相変調する位相変調器8と、第1の伝播光と第2の伝播
光の干渉光を検出する受光器2と、を有し、光ファイバ
ループ3がループの中心軸線周りに角速度Ωにて回転す
るとき第1の伝播光と第2の伝播光との間に発生する位
相差Δθより角速度Ωを求めるように構成された光ファ
イバジャイロにおいて、第1の伝播光と第2の伝播光は
ディジタルクローズドループ方式によって位相変調さ
れ、次式によって求められる変調度誤差εによって位相
変調器による変調度を制御するように構成されている。
【0111】
【0112】但し、I〔−π/2〕、I〔+π/2〕、
〔0〕、I〔π〕は上記ディジタルクローズドループ
方式の位相変調における位相差φm が−π/2、+π/
2、0、+πの時の受光器2によって検出される干渉光
の強さのディジタル値、k〔−π/2〕、k〔+π/
2〕は上記ディジタルクローズドループ方式の位相変調
による位相差φm が−π/2、+π/2の時のリセット
係数、IO は受光器2によって検出される干渉光の強さ
に関係する係数。
【0113】本発明によれば、光ファイバジャイロにお
いて、ディジタルクローズドループ方式の位相変調にお
いて、受光器2によって検出される干渉光の光の強さを
指示する信号IP は次の式によって表される位相差xを
含み、 x=Δθ+φ φ:位相変調器8によって生成される位相差 Δθ:角速度によって発生する位相差 位相差φは、 φ=φS +φm 〔n〕+2πk〔n〕 φS :ディジタルフェーズランプ位相差 φm 〔n〕:ディジタルデモジュレーション位相差 k〔n〕:リセット係数(整数) によって表され、 I〔−π/2〕−I〔+π/2〕=0 となるように、位相差φが生成されることを特徴とす
る。
【0114】本発明によれば、光ファイバジャイロにお
いて、ディジタルクローズドループ方式の位相差φm
1周期に−π/2、+π/2、0、+π、−πの値をと
る矩形波形であることを特徴とする。
【0115】本発明によれば、光ファイバジャイロにお
いて、位相差φm は1周期に少なくとも1回ずつの+
π、0、−πの値をとり、それ以外は−π/2、+π/
2の2つの値を交互にとる矩形波形であることを特徴と
する。
【0116】本発明によれば、光ファイバジャイロにお
いて、光源1と、光源1より出力された光を分配する第
1のカプラ5と、第1のカプラ5を経由した光を偏光す
る偏光子4と、偏光子4を経由した光を光ファイバルー
プ3内を互いに反対方向に伝搬する第1の伝播光と第2
の伝播光に分配しそれより干渉光を生成する第2のカプ
ラ6と、第2のカプラ6によって生成された干渉光を偏
光子4及び第1のカプラ5を経由して受光するための受
光器2と、受光器2より出力された電流信号を電圧信号
に変換するための電流電圧変換器7と、電流電圧変換器
7より出力されたアナログ信号をディジタル信号に変換
するためのA/D変換器10と、A/D変換器10より
出力されたディジタル信号より角速度Ωを演算しそれを
ジャイロ信号として出力するディジタル演算部11と、
ディジタル演算部11より出力されたディジタル信号を
アナログ信号に変換して位相変調器8に制御信号を供給
するD/A変換器12と、を有することを特徴とする。
【0117】本発明によれば、光ファイバジャイロにお
いて、偏光子4と第2のカプラ6と位相変調器8とは1
つの光集積回路51に含まれるように構成されているこ
とを特徴とする。
【0118】本発明によれば、光ファイバジャイロにお
いて、ディジタル演算部11は光の強さのディジタル値
I〔−π/2〕、I〔+π/2〕、I
〔0〕、I〔π〕
をそれぞれ記憶する4つのレジスタ112−1、112
−2、112−3、112−4とリセット係数k〔−π
/2〕、k〔+π/2〕をそれぞれ記憶する2つのレジ
スタ113−4B、113−4Cとレジスタに記憶され
たディジタル値を使用して角速度Ωを演算する演算部1
13−2と変調度誤差εを演算する演算部113−4、
113−5、113−6とを有するように構成されてい
ることを特徴とする。
【0119】本発明によれば、光ファイバジャイロにお
いて、 ΔI=2IO −(I
〔0〕−I〔π〕) によって入力ゲイン誤差ΔIを求め、入力ゲイン誤差Δ
Iによってディジタル演算部11の入力ゲインを制御す
るように構成されていることを特徴とする。
【0120】本発明によれば、光ファイバループ3がル
ープの中心軸線周りに角速度Ωにて回転するとき光ファ
イバループ3内を互いに反対方向に伝搬する第1の伝播
光と第2の伝播光との間に発生する位相差Δθより角速
度Ωを演算するように構成された角速度測定方法におい
て、第1の伝播光と第2の伝播光をそれぞれディジタル
クローズドループ方式によって位相変調することと、位
相変調された第1の伝播光と第2の伝播光の干渉光を検
出して光の強さをディジタル値として求めることと、を
含み、ディジタルクローズドループ方式による位相変調
において、次式によって求められる変調度誤差εによっ
て位相変調度を制御するように構成されていることを特
徴とする。
【0121】
【0122】但し、I〔−π/2〕、I〔+π/2〕、
〔0〕、I〔π〕はディジタルクローズドループ方式
の位相変調における位相差φm が−π/2、+π/2、
0、+πの時に検出された光の強さのディジタル値、k
〔−π/2〕、k〔+π/2〕はディジタルクローズド
ループ方式の位相変調における位相差φm が−π/2、
+π/2の時のリセット係数、IO は光の強さに関係す
る係数。
【0123】本発明によれば、角速度測定方法におい
て、ディジタルクローズドループ方式の位相変調におい
て、干渉光の光の強さを指示する信号IP は次の式によ
って表される位相差xを含み、 x=Δθ+φ φ:位相変調によって生成される位相差 Δθ:角速度によって発生する位相差 位相差φは φ=φS +φm 〔n〕+2πk〔n〕 φS :ディジタルフェーズランプ位相差 φm 〔n〕:ディジタルデモジュレーション位相差 k〔n〕:リセット係数(整数) によって表され、 I〔−π/2〕−I〔+π/2〕=0 となるように、位相差φが生成されることを特徴とす
る。
【0124】本発明によれば、角速度測定方法におい
て、ディジタルクローズドループ方式の位相変調におけ
る位相差φm は1周期に−π/2、+π/2、0、+
π、−πの値をとる矩形波形であることを特徴とする。
【0125】本発明によれば、角速度測定方法におい
て、位相差φm は1周期に少なくとも1回ずつの+π、
0、−πの値をとり、それら以外は−π/2、+π/2
の値を交互にとる矩形波形であることを特徴とする。
【0126】本発明によれば、角速度測定方法におい
て、 ΔI=2IO −(I
〔0〕−I〔π〕) によって入力ゲイン誤差ΔIを求め、入力ゲイン誤差Δ
Iによって入力ゲインを制御するように構成されている
ことを特徴とする。
【0127】
【作用】ディジタルクローズドループ方式の位相変調方
法によると、干渉光には数21の式によって表される位
相差φが生成され、数24の式の左辺(又は数10式の
左辺)がゼロとなるように制御される。
【0128】従って、リセットが正確にφ(t)=0又
は2πにてなされている場合、即ち、変調度誤差εがゼ
ロの時はΔθ+φS =0となりΔθ=−φS より位相差
Δθが正確に求められる。しかしながら、リセットがφ
(t)=0又は2πより偏倚してなされている場合、即
ち、変調度誤差εがゼロでない時は、Δθ+φS ≠0で
あり、真の位相差Δθを求めるためには、数27の式に
示すように、変調度誤差εの値を求める必要がある。
【0129】本例では、変調度誤差εは数31の式によ
って求められる。斯かる変調度誤差εは、数31の式よ
り明らかなように、ディジタルクローズドループ方式の
位相変調によって使用される位相差φm が−π/2、+
π/2、0、πの時の光の強さのディジタル値I〔−π
/2〕、I〔+π/2〕、I
〔0〕、I〔π〕とリセッ
ト係数k〔−π/2〕、k〔+π/2〕によって求めら
れる。即ち、変調度誤差εは、数21の式によって表さ
れる位相差φ(t)がリセット状態となる時とは無関係
である。
【0130】本例では、位相差φ(t)のリセット状態
とは無関係な変調度誤差εを使用して、位相変調が補正
されるから、常に正確なリセット状態が得られ、正確な
位相差Δθの値が求められる。
【0131】更に、本発明によると、数33の式によっ
て求められる入力ゲイン誤差ΔIによって入力ゲインが
制御されるから、受光器2によって検出される光の強さ
が変動しても常に正確な位相変調をなすことができる。
【0132】
【実施例】以下に、先ず本発明の概念について説明す
る。ディジタルクローズドループ方式において、位相差
φ(t)がφ(t)=0又は2πより偏倚されてリセッ
トされる場合の変調度の誤差εを求める。従来例の説明
と同様に、ディジタルクローズドループ方式にて、右周
りの光が位相変調器8によって変調される位相変化分φ
(t)=φ〔n〕を求める。
【0133】ディジタルフェーズランプ処理における位
相差φP (t)は、時間τ毎に1段の高さがφS だけ増
加する階段状波であり、nステップ時(1ステップの時
間幅τ)の位相差をφP 〔n〕とすると、
【0134】
【数18】φP 〔n〕=φP 〔n−1〕+φS
【0135】である。次にディジタルデモジュレーショ
ン処理をする。即ちこの式に変調位相差信号φm
(t)を加算する。φm ′(t)は、ステップ毎に+π
/4、−π/4に値が反転する。
【0136】
【数19】 φ(t)=φ〔n〕 =φP 〔n〕+φm ′〔n〕+2πk1 〔n〕 =φP 〔n−1〕+φS +φm ′〔n〕+2πk1 〔n〕
【0137】リセット係数k1 (整数)は数19の式で
表される位相差φ〔n〕が階段状に増加している間はゼ
ロであるが、φ〔n〕が0以下または2π以上になる場
合は、リセットされてφ〔n〕の値が0から2πの範囲
になるように選択される。
【0138】左周りの光が位相変調器8によって変調さ
れる位相変化分φ(t−τ)=φ〔n−1〕も同様に次
のようになる。
【0139】
【数20】 φ(t−τ)=φ〔n−1〕 =φP 〔n−1〕+φm ′〔n−1〕+2πk2 〔n−1〕 =φP 〔n−2〕+φS +φm ′〔n−1〕+2πk2 〔n−1〕
【0140】数8の式と同様に、干渉光が位相変調器8
によって生成される位相差φを求めると、
【0141】
【数21】 φ=φ(t)−φ(t−τ) =φ〔n〕−φ〔n−1〕 =φS +φm ′〔n〕−φm ′〔n−1〕+2πk〔n〕 =φS +φm 〔n〕+2πk〔n〕
【0142】ここで、φm 〔n〕はステップ毎に−π/
2、+π/2と値が反転し、数8の式のφm 〔n〕に相
当し、リセット係数kは数8の式によって表されるリセ
ット係数k3 に相当する。即ち、
【0143】
【数22】 φm 〔n〕=φm ′〔n〕−φm ′〔n−1〕 k〔n〕=k1 〔n〕−k2 〔n−1〕
【0144】ここで、数8の式と同様に、適宜、φS
ディジタルフェーズランプ位相差、φm 〔n〕をディジ
タルデモジュレーション位相差と称することとする。
【0145】次に、変調度の誤差εを考慮して光の強さ
P を求める。数2の式に数21の式を代入して、
【0146】
【数23】 IP =IO 〔1+cos{Δθ+(1+ε)φ}〕 =IO 〔1+cos{Δθ+(1+ε){φ(t)−φ(t−τ)}}〕 =IO 〔1+cos{Δθ+(1+ε){φ〔n〕−φ〔n−1〕}}〕 =IO 〔1+cos{Δθ+φS +φm 〔n〕+2πk〔n〕 +ε{φS +φm 〔n〕+2πk〔n〕}}〕
【0147】となる。φm 〔n〕が−π/2、+π/2
の時の光の強さの値をそれぞれI〔−π/2〕、I〔+
π/2〕とし、その時のリセット係数をk〔−π/
2〕、k〔+π/2〕とし、Δθ+φS とεの値が十分
に小さいとして光の強さの値IP の差と和を計算する。
【0148】
【数24】 I〔−π/2〕−I〔+π/2〕 =IO 〔1+cos{Δθ+φS −π/2+2πk〔−π/2〕 +ε(φS −π/2+2πk〔−π/2〕)}〕 −Io 〔1+cos{Δθ+φS +π/2+2πk〔+π/2〕 +ε(φS +π/2+2πk〔+π/2〕)}〕 =IO 〔sin{Δθ+φS +ε(φS −π/2+2πk〔−π/2〕)} +sin{Δθ+φS +ε(φS +π/2+2πk〔+π/2〕)}〕 =2IO sin{Δθ+φS +ε(φS +π(k〔−π/2〕 +k〔+π/2〕))} ・cos{ε(−π/2+π(k〔−π/2〕−k〔+π/2〕))} ≒2Io {Δθ+φS +ε(φS +π(k〔−π/2〕 +k〔+π/2〕))}
【0149】
【数25】 I〔−π/2〕+I〔+π/2〕 =2IO +IO 〔sin{Δθ+φS +ε(φS −π/2+2πk〔−π/2 〕)} −sin{Δθ+φS +ε(φS +π/2+2πk〔+π/2〕)}〕 =2IO +2IO sin{ε(−π/2+π(k〔−π/2〕−k〔+π/2 〕))} ・cos{Δθ+φS +ε(φS +π(k〔−π/2〕+k〔+π/2〕) )} ≒2IO {1+επ(−1/2+(k〔−π/2〕−k〔+π/2〕))}
【0150】本例のディジタルクローズドループ方式で
は数24の式がゼロとなるように制御される。従って、
変調度誤差εがゼロの時はΔθ+φS =0となってΔθ
=−φS となる。即ち数11の式が成立する。このと
き、数12の式と同様な式が成立する。即ち、数21の
式を数3の式に代入して、Δθ+φS =0であることを
使用すると、次の式が成立する。
【0151】
【数26】x=Δθ+φ =Δθ+φS +φm 〔n〕+2πk〔n〕 =φm 〔n〕+2πk〔n〕
【0152】従って、本例のディジタルクローズドルー
プ方式ではリセット値2πk〔n〕が0の時は、位相差
xはディジタルデモジュレーション位相差φm 〔n〕に
一致する。
【0153】しかし、変調度誤差εがゼロでない時は、
【0154】
【数27】 Δθ=−φS −ε{φS +π(k〔−π/2〕+k〔+π/2〕)}
【0155】となってスケールファクタ誤差が生ずる。
【0156】次に、ディジタルデモジュレーション位相
差φm 〔n〕が±π/2の代わりに0とπに交互に変化
する場合を考える。ディジタルデモジュレーション位相
差φ m 〔n〕が0、πの時の光の強さIP の値をそれぞ
れI
〔0〕、I〔π〕とし、その時のリセット係数をk
〔0〕、k〔π〕とし、Δθ+φS とεの値が十分に小
さいとして光の強さの値IP の差と和を計算する。
【0157】
【数28】 I
〔0〕−I〔π〕 =IO 〔1+cos{Δθ+φS +2πk
〔0〕 +ε(φS +2πk
〔0〕)}〕 −IO 〔1+cos{Δθ+φS +π+2πk〔π〕 +ε(φS +π+2πk〔π〕)}〕 =IO 〔cos{Δθ+φS +ε(φS +2πk
〔0〕)} −cos{Δθ+φS +ε(φS +π+2πk〔π〕)}〕 =2IO cos{Δθ+φS +ε(φS +π/2+π(k
〔0〕+k〔π〕) )}・cos{ε(−π/2+π(k
〔0〕−k〔π〕))} ≒2IO
【0158】
【数29】 I
〔0〕+I〔π〕 =2IO +IO 〔cos{Δθ+φS +ε(φS +2πk
〔0〕)} −cos{Δθ+φS +ε(φS +π+2πk〔π〕)}〕 =2IO +2IO sin{ε(−π/2+π(k
〔0〕−k〔π〕))} ・sin{Δθ+φS +ε(φS +π/2+π(k
〔0〕+k〔π〕))} ≒2IO
【0159】ここで数25の式と数29の式の差を求め
る。
【0160】
【数30】 (I〔−π/2〕+〔+π/2〕)−(I
〔0〕+I〔π〕) =2πIO ・ε{−1/2+(k〔−π/2〕−k〔+π/2〕)}
【0161】となる。したがって次の式より変調度誤差
εを求めることができる。
【0162】
【数31】
【0163】ここに係数Kは次の式によって表される。
【0164】
【数32】
【0165】数31の式は入力角速度Ωに制限がなく、
入力角速度Ωがどのような値であっても変調度誤差εを
求めることができることを示している。従って、斯かる
変調度誤差εを変調度制御のための制御信号として使用
すれば、入力角速度Ωの大きさに制限なく、変調度制御
を行うことができる。また、この数31の式は4つの光
の強さの値IP を使用して変調度誤差εを求めることが
できることを示している。従って、ディジタル演算部1
1は斯かる4つの光の強さの値IP を記憶するために必
要な数のレジスタを用意すればよい。
【0166】なお、数28の式と数29の式の結果は同
じ値であるが、実際にはA/D変換器のバイアスを考慮
すると正確には同じではない。数28の式はバイアス分
がキャンセルされているが、数29の式ではそれが加算
されて2倍になっている。
【0167】数24の式と数25の式にも同じことが言
える。数24の式ではバイアス分がキャンセルされてい
るが、数25の式ではそれが加算されて2倍になってい
る。従って、数25の式と数29の式の差を取ることに
よってバイアス分がキャンセルされる。
【0168】更に、数28の式より定数2IO が求めら
れる。この定数2IO は受光器2によって受光される光
の強さに関係する定数であるので、この定数2IO の値
を求めることによって逆に受光器2によって受光される
光の強さIP をモニタすることができる。従って、定数
2IO が一定となるように入力のゲインを制御すれば常
に同じ精度で信号処理を行うことができる。
【0169】図1を参照して本発明によるディジタルク
ローズドループ方式の光ファイバジャイロの位相変調の
例を説明する。図1はディジタルデモジュレーション位
相差φm (t)の波形の1例であり、図10Eのφ
m (t)に対応している。この例ではディジタルデモジ
ュレーション位相差φm (t)は1ステップの幅が時間
τで1周期がmステップからなる矩形波である。1周期
のステップ数mの値は数10から数100としてよい。
【0170】この例では、最初の3ステップはφ
m (t)=+π、0、−πであり、以後φ m (t)=−
π/2、+π/2を繰り返す。しかしながら、φ
m (t)=+π、0、−πよりなる3ステップは1周期
の最初の3ステップ以外のどの位置にあってもよい。更
に、この例では、1周期に3つの値φm (t)=+π、
0、−πはそれぞれ1つずつ含むように構成されている
が、これら3つの値φm (t)=+π、0、−πは少な
くとも1つずつ含めばよく、それ以上であってもよい。
【0171】図2にディジタルデモジュレーション位相
差の波形φm (t)の例を示す。斯かる位相差波形φm
(t)のステップ数mは偶数と奇数が可能であり、いず
れも3つの値φm (t)=+π、0、−πはそれぞれ少
なくとも1つ含み、それ以外は2つの値φm (t)=−
π/2、+π/2を交互に繰り返す。従って、これ以外
の例も可能である。区分A及びBの波形はm=1〜4で
は3つの値φm (t)=+π、0、−πよりなり、m=
5〜mでは2つの値φm (t)=−π/2、+π/2を
交互に繰り返す。区分C及びDの波形はm=1〜3及び
m=mでは3つの値φm (t)=+π、0、−πよりな
り、m=4〜m−1では2つの値φm (t)=−π/
2、+π/2を交互に繰り返す。区分E及びFの波形は
m=1〜3では3つの値φm (t)=+π、0、−πよ
りなり、m=4〜mでは2つの値φ m (t)=−π/
2、+π/2を交互に繰り返す。図1に示す位相差波形
はこの中の区分Eの場合に対応している。
【0172】図3は本発明によるディジタルクローズド
ループ方式の位相変調の説明図である。この図3は図2
の区分Eの位相差波形を使用した位相変調の例を示して
おり、図10及び図11と対照させながら、斯かる本例
の動作を説明する。図3Aはディジタルデモジュレーシ
ョン位相差波形φm (t)を示し、図10Eの位相差波
形φm (t)に対応している。図3Bは数19の式に示
される右周りの光の位相差φ(t)を表しており、図1
1Fの位相差φ(t)に対応している。斯かる位相差φ
(t)は図3Aの位相差φm (t)に図10Aの位相差
φP (t)を加算して得られる。
【0173】図3Cは数20の式に示される左周りの光
の位相差φ(t−τ)を表しており、図11Gの位相差
φ(t−τ)に対応している。斯かる位相差φ(t−
τ)は図3Aの位相差φm (t)に図10Bの位相差φ
P (t−τ)を加算して得られる。図3Dは数21の式
によって示される位相変調器8によって生成された位相
差φ=φ(t)−φ(t−τ)を表しており、図11H
の位相差φに対応している。斯かる位相差φは図3Bの
位相差φ(t)より図3Cの位相差φ(t−τ)を減算
して得られる。図3Dにおいて、位相差波形φの横軸か
らの偏倚量はディジタルフェーズランプ位相差φS を示
している。
【0174】図4は本発明によるディジタルクローズド
ループ方式の光ファイバジャイロの構成例である。この
構成例では、光ファイバジャイロは光源1と入射光を電
流に変換する受光器2と光ファイバループ3とカプラ5
と光集積回路51とを有し、斯かる光集積回路51は偏
光子4とカプラ6と位相変調器8の機能を含む。
【0175】光源1より出力された光はカプラ5を経由
して光集積回路51に導かれる。光集積回路51におい
て、この光は、偏光子4、Y分岐状のカプラ6を経由し
て光ファイバループ3を互いに反対方向に伝搬する。
【0176】光集積回路51はチタン拡散型のLiNb
3 によって形成されたものであってよい。斯かる場
合、偏光子4は金属装荷型に形成されてよい。しかしな
がら、この光集積回路51はプロトン交換型のLiNb
3 によって形成されたものであってよい。斯かる場
合、プロトン交換型のLiNbO3 が偏光子の機能を果
たすので偏光子4は省略されることができる。
【0177】位相変調器8はY分岐の後端に配置されて
いるが、Y分岐の両端に設けてプッシュプル動作をさせ
るように構成してもよい。
【0178】図4の点線部101は本発明によるディジ
タルクローズドループ方式の制御部の構成例である。こ
の構成例は図8に示した従来の光ファイバジャイロの制
御部の構成例103と基本的には同じである。
【0179】図5は図4の制御部の主要部を示してお
り、これを参照してその動作を説明する。変調周期制御
部115は、タイミング信号発生器9からのタイミング
信号によって、ステータス信号を発生する。斯かるステ
ータス信号は1ステップが時間τで1周期がmステップ
よりなり、ディジタルデモジュレーション位相差φ
m (t)のステップ番号mを指示する。
【0180】このステータス信号はスイッチ回路11
1、変調信号発生部114、第1の演算部113−1、
第4の演算部113−4および第5の演算部113−5
へ出力される。
【0181】A/D変換器10は、タイミング信号発生
器9からのタイミング信号によって、電流電圧変換器7
からの信号をディジタル値に変換する。斯かるA/D変
換器10によるディジタル変換は図14Aの光の強さI
P より図14D又は図14Eの波形に変換することに対
応している。このディジタル信号IP はスイッチ回路1
11に出力される。
【0182】スイッチ回路111はA/D変換器10か
らのディジタル信号を入力し、変調周期制御部115か
らのステータス信号によって、第1から第4のレジスタ
112−1〜112−4に対応するディジタル信号を入
力する。第1のレジスタ112−1にはディジタルデモ
ジュレーション位相差がφm (t)=−π/2のときの
光の強さI〔−π/2〕が記憶され、第2のレジスタに
はディジタルデモジュレーション位相差がφm (t)=
+π/2のときの光の強さI〔+π/2〕が記憶され、
第3のレジスタにはディジタルデモジュレーション位相
差がφm (t)=0のときの光の強さI
〔0〕が記憶さ
れ、第4のレジスタにはディジタルデモジュレーション
位相差がφm (t)=πのときの光の強さI〔π〕が記
憶される。
【0183】第1の演算部113−1は、第1のレジス
タ112−1と第2のレジスタ112−2に記憶された
値と変調周期制御部115からのステータス信号を入力
する。第1の演算部113−1では、ステータス信号に
よって指示されるステップ数がm≠1〜5の時には第1
のレジスタ112−1と第2のレジスタ112−2の差
を計算し、斯かる差信号を第2の演算部113−2へ出
力する。ステップ数がm=1〜5のときはゼロを第2の
演算部113−2へ出力する。
【0184】第2の演算部113−2の構成例及びその
動作は図13に示した第2の演算部113−2の例と同
じである。この第2の演算部113−2からディジタル
フェーズランプ位相差φS の値がジャイロ信号として出
力される。第2の演算部113−2からの出力は第3の
演算部113−3へ供給される。
【0185】変調信号発生部114は変調周期制御部1
15からのステータス信号を入力して、−π/2、+π
/2、0、+π、−πのいずれかの値を指示するディジ
タルデモジュレーション位相差φm (t)を発生し、そ
れを第3の演算部113−3に出力する。
【0186】第3の演算部113−3は変調信号発生部
114からの位相差信号φm (t)を入力し、数19の
式の位相差φ(t)=φ〔n〕を求める演算及びリセッ
ト処理を行う。第3の演算部113−3からは、位相差
φ(t)を示す信号が第7の演算部113−7に出力さ
れ、リセット係数k〔n〕を示す信号が第4の演算部1
13−4に出力される。
【0187】第4の演算部113−4では第3の演算部
113−3からの出力信号と変調周期制御部115から
のステータス信号を入力して数32の式の係数Kを求め
る演算を行う。
【0188】図6は第4の演算部113−4の構成例を
示す。第3の演算部113−3からの出力はスイッチ回
路113−4Aに入力される。スイッチ回路113−4
Aからの出力は変調周期制御部115からのステータス
信号によって第1のレジスタ113−4B又は第2のレ
ジスタ113−4Cに入力される。第1のレジスタ11
3−4Bにはディジタルデモジュレーション位相差φm
(t)=−π/2のときのリセット係数k〔−π/2〕
が記憶され、第2のレジスタ113−4Cにはディジタ
ルデモジュレーション位相差φm (t)=+π/2のと
きのリセット係数k〔+π/2〕が記憶される。演算部
113−4Dでは第1のレジスタ113−4Bに記憶さ
れた値と第2のレジスタ113−4Cに記憶された値よ
り数32の式のKを求める演算が行われ、その結果Kが
出力される。
【0189】再び図5を参照する。第5の演算部113
−5は数31の式によって変調度誤差εを計算する。第
5の演算部113−5は第4の演算部113−4から出
力された係数Kを示す信号を入力する。一方、第5の演
算部113−5では第1のレジスタ112−1に記憶さ
れた値I〔−π/2〕と第2のレジスタ112−2に記
憶された値I〔+π/2〕の和と第3のレジスタ112
−3に記憶された値I
〔0〕と第4のレジスタ112−
4に記憶された値I〔π〕の和がそれぞれ計算され、斯
かる2つの和の差が計算される。斯かる差の値と係数K
の値によって変調度誤差εが計算される。この計算は変
調周期制御部115からのステータス信号によって、例
えばステップm=4の時に行われる。第5の演算部11
3−5からの出力は第6の演算部113−6へ出力され
る。
【0190】第6の演算部113−6の構成例及びその
動作は図17の第6の演算部113−6の例と同じであ
る。第6の演算部113−6からは変調度の補正信号ε
0 が第7の演算部113−7へ出力される。
【0191】第7の演算部113−7では、第6の演算
部113−6からの補正信号εによって第3の演算部1
13−3からの変調度信号を制御する。この結果はD/
A変換器12へ出力される。つまり、第5の演算部11
3−5からの出力がゼロとなるように第7の演算部11
3−7からの出力が制御される。
【0192】図7は本発明によるディジタルクローズド
ループ方式の光ファイバジャイロの第2の構成例であ
る。この構成例は図5の第1の構成例に対して入力側の
ゲインを制御する機能が付加されている。斯かる付加的
機能は第8から第10の演算部113−8〜113−1
0によって提供される。尚、その他の部分の動作は図5
の第1の構成例と同じであり、その詳細な説明は省略す
る。
【0193】第8の演算部113−8では、次の数33
の式によって入力ゲイン誤差ΔIの演算を行う。
【0194】
【数33】ΔI=2IO −(I
〔0〕−I〔π〕)
【0195】この入力ゲイン誤差ΔIは数28の式の左
辺と右辺の差に対応しており、光の強さに関係する定数
O の誤差である。斯かる入力ゲイン誤差ΔIは第3の
レジスタ112−3と第4レジスタ112−4の出力の
差より求められる。この計算は変調周期制御部115か
らのステータス信号によって、例えばステップ数m=5
の時に行われる。第8の演算部113−8からの出力は
第9の演算部113−9へ出力される。
【0196】第9の演算部113−9の構成例及びその
動作は図17の第6の演算部113−6の例と同じであ
る。入力ゲイン誤差信号ΔIO は第9の演算部113−
9から第10の演算部113−10へ出力される。
【0197】第10の演算部113−10ではA/D変
換器10からの信号を入力し、この信号に対して第9の
演算部113−9からの入力ゲイン誤差信号ΔIO によ
っ入力ゲインを制御する。入力ゲインが入力ゲイン誤差
信号ΔIO によって補正され、その結果はスイッチ回路
111へ出力される。即ち、第8の演算部113−8か
らの出力がゼロとなるように第10の演算部113−1
0からの出力が制御される。この時、第10の演算部1
13−10からスイッチ回路111へ入力される信号は
常に同じ値となり、高い精度にて信号処理がなされる。
【0198】以上本発明の実施例について詳細に説明し
てきたが、本発明は上述の実施例に限ることなく本発明
の要旨を逸脱することなく他の種々の構成が採り得るこ
とは当業者にとって容易に理解されよう。
【0199】
【発明の効果】本発明によると、ディジタルクローズド
ループ方式の光ファイバジャイロにおいて、数31の式
に示す如き入力角速度Ωに無関係な変調度誤差εを変調
度制御のための制御信号として使用するから、入力角速
度Ωの大きさ又はリセット状態の頻度に無関係に、変調
度制御をなすことができる利点がある。
【0200】本発明によると、ディジタルクローズドル
ープ方式の光ファイバジャイロにおいて、数33の式に
示す如き入力ゲイン誤差信号ΔIによっ入力ゲインを制
御するから、装置の組立後に電流電圧変換器7からの光
出力値が変動しても信号処理系の精度が低下しない利点
がある。
【0201】本発明によると、ディジタルクローズドル
ープ方式の光ファイバジャイロにおいて、入力角速度Ω
に無関係な変調度誤差εを変調度制御のための制御信号
として使用するように構成されており、斯かる変調度誤
差εは数31の式に示す如き4つの位相差φm (t)=
−π/2、+π/2、0、πに対する光の強さのディジ
タル値I〔−π/2〕、I〔+π/2〕、I
〔0〕、I
〔π〕より求められるから、斯かる4つの光の強さの値
Iを記憶するための4つのレジスタを用意すればよく、
入力角速度Ωの大きさΩが大きくなり、位相差x=±5
π/2、±7π/2、±9π/2、±11π/2等の状
態が起っても、それに対応してレジスタの数を増加する
必要がない利点がある。
【0202】本発明によれば、ディジタルクローズドル
ープ方式の光ファイバジャイロにおいて、入力角速度Ω
の大きさに無関係にスケールファクタ誤差を除去して高
い精度のジャイロ信号を提供することができる利点があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による光ファイバジャイロの変調位相差
信号の波形を示す図である。
【図2】本発明による光ファイバジャイロの変調位相差
信号の内容を説明する説明図である。
【図3】本発明による光ファイバジャイロの位相差信号
を生成する方法を説明するための各位相差信号の波形を
示す図である。
【図4】本発明による光ファイバジャイロの構成例を示
す図である。
【図5】本発明による光ファイバジャイロの主要部の構
成例を示す図である。
【図6】本発明による第4の演算部の構成例を示す図で
ある。
【図7】本発明による光ファイバジャイロの主要部の他
の構成例を示す図である。
【図8】従来の光ファイバジャイロの構成例を示す図で
ある。
【図9】ディジタルデモジュレーション方式を説明する
説明図である。
【図10】ディジタルクローズドループ方式を説明する
説明図である。
【図11】ディジタルクローズドループ方式を説明する
説明図である。
【図12】従来の光ファイバジャイロの主要部の構成例
を示す図である。
【図13】従来例の第2の演算部の構成例を示す図であ
る。
【図14】位相差と光の強さの関係を説明する説明図で
ある。
【図15】従来の光ファイバジャイロの他の構成例を示
す図である。
【図16】従来の光ファイバジャイロの主要部の他の構
成例を示す図である。
【図17】従来例の第6の演算部の構成例を示す図であ
る。
【図18】位相差と光の強さの関係を説明する説明図で
ある。
【符号の説明】
1 光源 2 受光器 3 光ファイバループ 4 偏光子 5、6 カプラ 7 電流電圧変換器 8 位相変調器 9 タイミング信号発生器 10 A/D変換器 11 ディジタル演算部 12、13 D/A変換器 14 可変利得増幅器 51 光集積回路 101、103、105 制御部 111 スイッチ回路 112−1〜112−4 レジスタ 113−1〜113−10 演算部 114 変調信号発生部 115 変調信号制御部

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光ファイバループと、該光ファイバルー
    プ内を互いに反対方向に伝搬する第1の伝播光と第2の
    伝播光をそれぞれ位相変調する位相変調器と、上記第1
    の伝播光と第2の伝播光の干渉光を検出する受光器と、
    を有し、上記光ファイバループがループの中心軸線周り
    に角速度Ωにて回転するとき上記第1の伝播光と第2の
    伝播光との間に発生する位相差Δθより上記角速度Ωを
    求めるように構成された光ファイバジャイロにおいて、 上記第1の伝播光と第2の伝播光はディジタルクローズ
    ドループ方式によって位相変調され、次式によって求め
    られる変調度誤差εによって上記位相変調器による変調
    度を制御するように構成されていることを特徴とする光
    ファイバジャイロ。 但し、I〔−π/2〕、I〔+π/2〕、I〔0〕、I
    〔π〕は上記ディジタルクローズドループ方式の位相変
    調における位相差φm が−π/2、+π/2、0、+π
    の時の上記受光器によって検出される干渉光の強さのデ
    ィジタル値、k〔−π/2〕、k〔+π/2〕は上記デ
    ィジタルクローズドループ方式の位相変調による位相差
    φm が−π/2、+π/2の時のリセット係数、IO
    上記受光器によって検出される干渉光の強さに関係する
    係数。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の光ファイバジャイロにお
    いて、上記ディジタルクローズドループ方式の位相変調
    において、上記受光器によって検出される干渉光の光の
    強さを指示する信号IP は次の式によって表される位相
    差xを含み、 x=Δθ+φ φ:上記位相変調器によって生成される位相差 Δθ:角速度によって発生する位相差 上記位相差φは φ=φS +φm 〔n〕+2πk〔n〕 φS :ディジタルフェーズランプ位相差 φm 〔n〕:ディジタルデモジュレーション位相差 k〔n〕:リセット係数(整数) によって表され、 I〔−π/2〕−I〔+π/2〕=0 となるように、上記位相差φが生成されることを特徴と
    する光ファイバジャイロ。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の光ファイバジャイ
    ロにおいて、上記ディジタルクローズドループ方式の位
    相差φm は1周期に−π/2、+π/2、0、+π、−
    πの値をとる矩形波形であることを特徴とする光ファイ
    バジャイロ。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の光ファイバジャイロにお
    いて、上記位相差φm は1周期に少なくとも1回ずつの
    +π、0、−πの値をとり、それ以外は−π/2、+π
    /2の2つの値を交互にとる矩形波形であることを特徴
    とする光ファイバジャイロ。
  5. 【請求項5】 請求項1、2、3又は4記載の光ファイ
    バジャイロにおいて、光源と、該光源より出力された光
    を分配する第1のカプラと、該第1のカプラを経由した
    光を偏光する偏光子と、該偏光子を経由した光を上記光
    ファイバループ内を互いに反対方向に伝搬する上記第1
    の伝播光と第2の伝播光に分配しそれより干渉光を生成
    する第2のカプラと、該第2のカプラによって生成され
    た干渉光を上記偏光子及び上記第1のカプラを経由して
    受光するための受光器と、該受光器より出力された電流
    信号を電圧信号に変換するための電流電圧変換器と、該
    電流電圧変換器より出力されたアナログ信号をディジタ
    ル信号に変換するためのA/D変換器と、該A/D変換
    器より出力されたディジタル信号より上記角速度Ωを演
    算しそれをジャイロ信号として出力するディジタル演算
    部と、該ディジタル演算部より出力されたディジタル信
    号をアナログ信号に変換して上記位相変調器に制御信号
    を供給するD/A変換器と、を有することを特徴とする
    光ファイバジャイロ。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の光ファイバジャイロにお
    いて、上記偏光子と上記第2のカプラと上記位相変調器
    とは1つの光集積回路に含まれるように構成されている
    ことを特徴とする光ファイバジャイロ。
  7. 【請求項7】 請求項5又は6記載の光ファイバジャイ
    ロにおいて、上記ディジタル演算部は上記光の強さのデ
    ィジタル値I〔−π/2〕、I〔+π/2〕、I
    〔0〕、I〔π〕をそれぞれ記憶する4つのレジスタと
    上記リセット係数k〔−π/2〕、k〔+π/2〕をそ
    れぞれ記憶する2つのレジスタと上記レジスタに記憶さ
    れたディジタル値を使用して上記角速度Ωを演算する演
    算部と上記変調度誤差εを演算する演算部とを有するよ
    うに構成されていることを特徴とする光ファイバジャイ
    ロ。
  8. 【請求項8】 請求項5、6又は7記載の光ファイバジ
    ャイロにおいて、 ΔI=2IO −(I〔0〕−I〔π〕) によって入力ゲイン誤差ΔIを求め、該入力ゲイン誤差
    ΔIによって上記ディジタル演算部の入力ゲインを制御
    するように構成されていることを特徴とする光ファイバ
    ジャイロ。
  9. 【請求項9】 光ファイバループがループの中心軸線周
    りに角速度Ωにて回転するとき上記光ファイバループ内
    を互いに反対方向に伝搬する第1の伝播光と第2の伝播
    光との間に発生する位相差Δθより上記角速度Ωを演算
    するように構成された角速度測定方法において、 上記第1の伝播光と第2の伝播光をそれぞれディジタル
    クローズドループ方式によって位相変調することと、 上記位相変調された第1の伝播光と第2の伝播光の干渉
    光を検出して光の強さをディジタル値として求めること
    と、を含み、 上記ディジタルクローズドループ方式による位相変調に
    おいて、次式によって求められる変調度誤差εによって
    位相変調度を制御するように構成されていることを特徴
    とする角速度測定方法。 但し、I〔−π/2〕、I〔+π/2〕、I〔0〕、I
    〔π〕は上記ディジタルクローズドループ方式の位相変
    調における位相差φm が−π/2、+π/2、0、+π
    の時に検出された光の強さのディジタル値、k〔−π/
    2〕、k〔+π/2〕は上記ディジタルクローズドルー
    プ方式の位相変調における位相差φm が−π/2、+π
    /2の時のリセット係数、IO は光の強さに関係する係
    数。
  10. 【請求項10】 請求項9記載の角速度測定方法におい
    て、上記ディジタルクローズドループ方式の位相変調に
    おいて、上記干渉光の光の強さを指示する信号I P は次
    の式によって表される位相差xを含み、 x=Δθ+φ φ:上記位相変調によって生成される位相差 Δθ:角速度によって発生する位相差 上記位相差φは φ=φS +φm 〔n〕+2πk〔n〕 φS :ディジタルフェーズランプ位相差 φm 〔n〕:ディジタルデモジュレーション位相差 k〔n〕:リセット係数(整数) によって表され、 I〔−π/2〕−I〔+π/2〕=0 となるように、上記位相差φが生成されることを特徴と
    する角速度測定方法。
  11. 【請求項11】 請求項10記載の角速度測定方法にお
    いて、上記ディジタルクローズドループ方式の位相変調
    における位相差φm は1周期に−π/2、+π/2、
    0、+π、−πの値をとる矩形波形であることを特徴と
    する角速度測定方法。
  12. 【請求項12】 請求項11記載の角速度測定方法にお
    いて、上記位相差φm は1周期に少なくとも1回ずつの
    +π、0、−πの値をとり、それら以外は−π/2、+
    π/2の値を交互にとる矩形波形であることを特徴とす
    る角速度測定方法。
  13. 【請求項13】 請求項12記載の角速度測定方法にお
    いて、 ΔI=2IO −(I〔0〕−I〔π〕) によって入力ゲイン誤差ΔIを求め、該入力ゲイン誤差
    ΔIによって入力ゲインを制御するように構成されてい
    ることを特徴とする角速度測定方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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