JP4306843B2 - 共振点追従システムおよびこのシステムを用いたリング共振方式光ファイバジャイロ - Google Patents
共振点追従システムおよびこのシステムを用いたリング共振方式光ファイバジャイロ Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、一般に、光ファイバリング共振器を用いたセンサに関し、特に光ファイバリング共振器内を対向伝搬する2光波間の、回転により生じた共振周波数差を測定する光ファイバジャイロに関する。
【0002】
【従来の技術】
回転により生ずるサニャック効果を利用し、測定対象の回転速度を検出する光ファイバジャイロの1つにリング共振方式光ファイバジャイロがある。このリング共振方式光ファイバジャイロに用いられる光ファイバリング共振器には反射形と透過形がある。
通常、反射形は図8(a)のようにセンシングループ(光ファイバループ)120と、1台の光ファイバカップラ121により構成される。レーザ光をポート1から入射させ、その出射光強度をポート2で観測し、入射光の周波数に対する特性を取得すると図9(a)に示すような反射形の共振特性が得られる。
【0003】
また、透過形は図8(b)のようにセンシングループ(光ファイバループ)123と、2台の光ファイバカップラ124、125により構成される。レーザ光をポート1から入射させ、その出射光強度をポート2で観測し、入射光の周波数に対する特性を取得すると図9(b)に示すような透過形の共振特性が得られる。共振特性はとびとびの周波数で最小値をとり、この点を共振点という。この最小値の間隔νFSR は自由スペクトル域と呼ばれ、
νFSR =c/nL ……(1)
で与えられる。ここでcは光速であり、nは光ファイバの屈性率、Lはセンシングループ長である。
【0004】
共振点付近では鋭い共振特性を持ち、この鋭さを表わすパラメータとしてフィネスがあり、(2)式で定義される。
フィネス=νFSR /Δν=π(αR)1/2 /(1−αR)… (2)
ここでΔνは図9に示した共振特性の半値全幅であり、Rは光ファイバカップラの分岐比、αは光ファイバループ中の損失である。フィネスは、光ファイバ中を光波が何回周回できるかを表わしており、フィネスが大きいほどジャイロの分解能は高い。
【0005】
以降、反射形の光ファイバリング共振器を例に説明する。
光ファイバリング共振器が静止しているときは、図10(a)(b)の実線1)に示すように左回りの光波と右回りの光波の共振周波数は等しくなる。光ファイバリング共振器が角速度Ωで回転すると、右回りと左回りの共振器の光路長にサニャック効果によるみかけ上の差が生じる。これは非相反的効果であり、共振周波数に差を生じさせ、図10(a)(b)の一点鎖線2)に示すように左右にずれた共振特性となる。この周波数差は(3)式のように表される。
ΔνS =(4S/λL)Ω ……(3)
ここで、Sは光ファイバリング共振器が囲む面積で、λはレーザの発振波長である。角速度Ωはこの共振周波数差を測定することにより得られ、一方の光波の共振点を基準とし、他方の光波の共振点を観測することによりジャイロの出力が得られる。
【0006】
ところで、温度の変化が共振器長を変化させ、共振周波数を大きく変動させる。しかしこれは左右の光波に対して同じ移動量を与える相反的な効果であるため、これを補償するために、左右2光波のうち片方の光信号をもとにレーザ光源の周波数に帰還させる方法が採用されている。または、レーザの周波数には帰還せずに、光ファイバリング共振器に取り付けた圧電素子(PZT)により共振器長をちょうど共振点に一致するように制御してもよい。
【0007】
図11は、特開平03−170016(米国特許5237387)号や米国特許5296912号等で開示された、リング共振方式光ファイバジャイロの一例を示す概略図である。光ファイバリング共振器を用いて左右を周回する光波の共振周波数のずれを測定するものである。
レーザ光源を出射した光は、ビームスプリッタ(BS)で2分岐される。2分岐された光はそれぞれレンズ(L1)、(L2)を通り、光ファイバに導かれ、光カップラ(C1)に入射する。光カップラ(C1)によりリング共振器に入射した光は右回りと左回りでループ内を伝播する。ファイバループ内で定在波となるような光の周波数は共振を生じ、光はリング共振器内に閉じ込められて出てくることができない。この様子は右回り光については受光器(D1)で、左回り光については受光器(D2)でそれぞれ観測される。ここで静止時は、左右の光波の共振周波数は等しいが、角速度が入力されるとサニャック効果により、右回りの光と左回りの光で光路長に差が生じ、その結果、共振周波数に差が生じる。
この共振周波数の差をジャイロ出力として利用することができる。透過形の光ファイバリング共振器を用いても同様に構成できるのは勿論のことである。
【0008】
共振点を検出するために左右両光波には、リング共振器に入射する前に、それぞれ圧電素子形位相変調器(PZT2)、(PZT1)により、周波数fn とfm の正弦波による変調が加えられる。周波数fn とfm は、同一の周波数でも良いが、好ましくは異なる周波数が用いられる。この正弦波による変調は共振周波数のずれを、正弦波の周波数成分を持つ誤差信号として与える。右回りの光波についてはロックインアンプ(LIA1)で、左回りの光波についてはロックインアンプ(LIA2)でそれぞれ同期検波され、共振周波数のずれが検出される。ロックインアンプ(LIA1)の出力は、レーザ周波数制御回路に入力され、レーザの周波数(f0 )が右回りの光を基準に、ある1つの共振点に一致するように制御される。ロックインアンプ(LIA2)の出力は、左右2光波の共振点のずれが電圧値として求められる。これをジャイロ出力とすれば開ループ出力となる。
【0009】
検出範囲を広くするためには、セロダイン波を用いて閉ループにする必要がある。セロダイン波は、その振幅を光波に2πの位相回転を与える電圧値とし、セロダイン波の周波数分だけ光波の周波数を変化させる働きをする。ニオブ酸リチウム(LiNbO3 )導波路上に電気光学変調器を配置した導波路形変調器は使用できる周波数帯域が広く、セロダイン波による変調が可能である。ロックインアンプ(LIA2)の出力をVCOに入力し、セロダイン波発生器2)により生成されるセロダイン波の周波数f2 を変化させる。セロダイン波は導波路形位相変調器(PM2)に入力され、左回りの光波が共振点に一致するように制御される。この周波数はf0 +f2 である。セロダイン波の周波数をカウントすることによりジャイロ出力が得られるが、分解能を高めるためには、静止時にセロダイン波がある程度の周波数を持っていた方が良い。そこで導波路形位相変調器(PM1)を用いてセロダイン波発生器1)より固定の周波数f1 をもつセロダイン波が右回りの光に入力される。右回りの光の周波数はf0 +f1 となる。2つの周波数差f2 −f1 は、ジャイロの閉ループ出力となる。
【0010】
従来のセロダイン波はアナログ的に生成されたセロダイン波であった。アナログのセロダイン波は、歪みなく生成することが難しく、またフライバック時間があるという問題があった。そのためこれらの問題を克服するためにディジタル的に生成したディジタルセロダイン波を用いた方式が提案されている。
「デジタルセロダイン方式共振型光ファイバジャイロ(春本道子、保立和夫 信学技報1996年5月)」は、閉ループを構成する場合のセロダイン波を、従来はアナログのセロダイン波であったものを、図12に示すような光波が光ファイバループを1周伝搬する時間(τ)を横幅にもつ、ディジタルで生成した階段状のセロダイン波とすることにより、受光器上の光強度が理想的なアナログセロダイン波と等しくなることを示した。また、共振点を検出するために、圧電素子形位相変調器により左右2光波にそれぞれ周波数fn とfm の正弦波による変調を加える代わりに、左右2光波にそれぞれ1つの導波路形変調器を用いて、それぞれに周波数の異なる2つのセロダイン波を交替周波数で切り替える変調とする手段が示されている。
【0011】
ディジタルセロダイン波による閉ループは図13に示すようなディジタル制御回路により実現することができる。このディジタル制御回路の1フレームは、光波が光ファイバループを1周伝搬する時間(τ)である。ロックインアンプ(LIA)の出力(v1)は、ADコンバータ(AD)でディジタル値に変換され、そのディジタル値(v2)は第1の加算器(ADD1)に入力される。第1の加算器は、ADコンバータの出力(v2)と第1の加算器の前回値を加算し、その結果(v3)を第2の加算器(ADD2)に入力する。
第2の加算器は、第1の加算器の出力(v3)と第2の加算器の前回値を加算し、その結果(v4)をDAコンバータ(DA)に出力する。DAコンバータの出力は、パワーアンプ(A)を経て、導波路形位相変調器(PM)に入力される。第1の加算器は、ディジタルセロダイン波のステップ1段の高さを決定するための符号付きディジタル積分器である。
【0012】
ADコンバータからDAコンバータまでのビット数および入出力のビット対応関係は、制御の応答性と1ビット当たりの分解能を考慮して決定される。
一般にADコンバータのビット数は、第1の加算器のビット数よりも小さく、この間の入出力は最下位ビット(LSB)を揃えて行われる。一般に第1の加算器のビット数は第2の加算器のビット数よりも大きく、この間のビット対応関係は、第2の加算器の最上位ビット(MSB)が、第1の加算器の最上位ビット(MSB)か、またはそれより下位のビットとなるように対応させる。第2の加算器とDAコンバータ間の入出力は最上位ビット(MSB)を揃えて行われ、フルスケールは位相差2πに対応する量である。第2の加算器のビット数をMとすると、2πは2M に対応しており、2M 以上の加算結果に対してはオーバーフローとなる。第2の加算器において、一定のステップ値で加算され増大していくセロダイン波は、2π以上では超過分を起点とし、再度、増大を始める性質を持つディジタルセロダイン波となり、これが位相変調器(PM)に入力される。
【0013】
図9に示した周波数に対する共振特性は、位相の面から図14に示すようにリング共振器内での伝搬回数が1周異なる光波の位相差に対して同様に表すことができる。ここで、Nは整数であり、伝搬回数の1周異なる光波の位相差が2πの整数倍となる所が共振点である。位相の面からディジタルのセロダイン波がアナログのセロダイン波と同様に機能することを示す。位相変調器への入射角周波数をωとすると、角周波数Δωに相当する周波数シフトにより、共振器一周の位相回転はφ=ωτ−2nπ(0≦φ<2π)からφ+Δφ(Δφ=Δωτ)になる。ここで、φ+Δφは、光が共振器を一周伝搬する間の位相回転であるが、これは受光器に到達した光のうち共振器における伝搬回数が一周異なる2つの光波間の位相差である。
【0014】
位相変調器にアナログセロダイン波による変調がかけられた場合は、位相変調器を通った時間がτ異なるm回周回光と(m+1)回周回光がそれぞれ受ける位相回転は図15(a)のようになる。2つの光の位相回転の差は図15(b)のようにΔφあるいはΔφ−2πとなるので、同時に受光器に到達した光で共振器の伝搬回数が一周異なる光の位相差は、φ+Δφかφ+Δφ−2πのいずれかとなる。
位相変調器にディジタルセロダイン波による変調がかけれらた場合は、階段の横幅の長さが光波のファイバループ伝搬時間(τ)に等しければ、位相変調器を通った時間がτ異なるm回周回光と(m+1)回周回光がそれぞれ受ける位相回転は図16(a)のようになる。2つの光の位相回転の差は図16(b)のようにΔφあるいはΔφ−2πとなるので、同時に受光器に到達した光のうち、ファイバ共振器の伝搬回数が一周異なる2つの光は、φ+Δφかφ+Δφ−2πのいずれかの位相差を持ち、アナログセロダイン波でもディジタルセロダイン波でもΔωの角周波数に相当する周波数シフトを与えたときと等しい受光器出力を与える。
【0015】
φ+Δφ−2πの位相差は、波形のリセット時に生じるが、セロダイン波の振幅が2πであれば不整合を生じない。セロダイン波の振幅が2πからずれていれば、セロダイン波の周期で誤差信号が現れる。この振幅誤差はセロダイン波の周期で同期検波することにより補正が可能である。
いずれにしても従来のリング共振方式光ファイバジャイロにおいては、相反的効果である温度による共振点の移動は、レーザ周波数または光ファイバリング共振器に取り付けた圧電素子(PZT)に帰還することにより追従するという方式を採用していた。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、温度による相反的効果は、回転による非相反的効果に対して極めて大きい。温度による共振点の移動は1℃当り数GHzであり、これは自由スペクトル域の数百倍に相当する。それに対してレーザ周波数またはPZTで補償できる量は、両者を併用した場合でも約20GHzほどでしかない。したがって温度に対して約10℃ほどの範囲でしか対応できない。そのため、10℃以上環境温度が変化した場合には、同一の共振点に追従し続けることは不可能であった。
【0017】
つぎに、共振周波数は、図9に示すように、自由スペクトル域νFSR おきの間隔で存在している。そこで、例えば、レーザの発振周波数またはファイバループに取り付けた圧電素子(PZT)に帰還する従来のリング共振方式光ファイバジャイロは、上記間隔で存在する、ある共振点に追従しているとき、フィードバック制御量が不足してきた場合には、より少ない制御量で追従が可能な領域にある共振点に、追従の対象を瞬時に移行すれば、ジャイロ機能として継続させることができる。しかしながら、制御の連続性を失うことなく追従対象とする共振点を移行することは困難が伴っていた。このようなことから、リング共振方式光ファイバジャイロは常に、当初において追従対象とした共振点に光波の周波数を一致させることを前提としなければならず、上記一定以上の大きな温度変化に対応することができなかった。
【0018】
本発明の目的は、リング共振器から出射されるレーザ光をディジタルセロダイン波を用いて変調手段に帰還させることにより、追従対象とする共振点を制御の連続性を失うことなく順次隣の共振点に移行させて共振点の継続的な追従を可能にし温度環境の大きな変動に対応できる共振点追従システムを提供することである。
本発明の他の目的は、上記共振点追従システムを用いた光ファイバジャイロを提供することである。
【0019】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために本発明による共振点追従システムは、所定周波数のレーザ光を出力するレーザ光源と、前記レーザ光源から出射されるレーザ光を位相変調する第1の位相変調手段と、前記レーザ光源から出射されるレーザ光を所定周波数の変調信号によって位相変調する第2の位相変調手段、または前記レーザ光源を周波数変調する周波数変調手段と、前記第1と第2の位相変調手段で位相変調されたレーザ光を導入して伝搬させる光ファイバリング共振器と、前記光ファイバリング共振器から出射されるレーザ光を検出する光検出器と、前記光検出器の出力と前記変調信号を入力して、前記光検出器の出力中の前記変調信号の周波数成分を同期検波するロックインアンプと、前記ロックインアンプの出力を入力し、積分してステップ値を発生し、2πに対応させたディジタルセロダイン波を出力し、該ディジタルセロダイン波を前記第1の位相変調手段の変調入力とする制御手段とを備え、前記光ファイバリング共振器中を伝搬する伝搬回数の1周異なる2光波に位相差が発生した場合、伝搬回数の1周異なる2光波に対し、前記ディジタルセロダイン波により共振点の移動に対して閉ループとなる位相差を与え、ディジタルセロダイン波が、波形の変化を規則的に繰り返すようにし、伝搬回数の1周異なる2光波の位相差に対して、2π異なる2値の位相差を与え、それら2値の位相差の発生頻度に応じて、制御の連続性を保ったまま、追従対称の共振点を移行し、2πおきに存在する共振点のうち、前後の2つの共振点のいずれかに追従するように構成してある。
上記構成において、前記第1の位相変調手段に所定周波数の変調信号を加えることにより前記第1の位相変調手段に前記第2の位相変調手段の機能を兼用させることができる。
【0020】
前記他の目的を達成するために本発明による光ファイバジャイロは、所定周波数のレーザ光を出力するレーザ光源と、前記レーザ光源から出射されるレーザ光を分岐する分岐手段と、前記分岐手段で分岐された第1および第2の光路のレーザ光をそれぞれ位相変調する第1および第3の位相変調手段と、前記分岐手段により分岐された第1および第2の光路のレーザ光をそれぞれ所定周波数の第1および第2の変調信号によって位相変調する第2の位相変調手段および第4の位相変調手段と、前記第1と第2の位相変調手段で位相変調されたレーザ光を右回りになるように、前記第3と第4の位相変調手段で位相変調されたレーザ光を左回りになるようにそれぞれ導入して伝搬させる光ファイバリング共振器と、前記光ファイバリング共振器から出射される右回りのレーザ光を検出する第1の光検出器と、前記光ファイバリング共振器から出射される左回りのレーザ光を検出する第2の光検出器と、前記第1の光検出器の出力と前記第1の変調信号を入力して、前記第1の光検出器の出力中の前記第1の変調信号の周波数成分を同期検波する第1のロックインアンプと、前記第1のロックインアンプの出力を入力し、積分してステップ値を発生し、2πに対応させた第1のディジタルセロダイン波を出力し、これを前記第1の位相変調手段の変調入力に帰還することにより、前記光ファイバリング共振器に角速度が与えられたとき、または、温度変化により光ファイバリング共振器の光路長が変動した場合、この位相変化に追従するように制御する第1の制御手段と、前記第2の光検出器の出力と前記第2の変調信号を入力して、前記第2の光検出器の出力中の前記第2の変調信号の周波数成分を同期検波する第2のロックインアンプと、前記第2のロックインアンプの出力を入力し、積分してステップ値を発生し、2πに対応させた第2のディジタルセロダイン波を出力し、これを前記第3の位相変調手段の変調入力に帰還することにより、前記光ファイバリング共振器に角速度が与えられたとき、または、温度変化により光ファイバリング共振器の光路長が変動した場合、位相変化に追従するように制御する第2の制御手段とを備え、前記光ファイバリング共振器中を右回りに伝搬する伝搬回数の1周異なる2光波および左回りに伝搬する伝搬回数の1周異なる2光波に位相差が発生した場合、右回りおよび左回りの伝搬回数の1周異なる2光波に対し、前記第1および第2のディジタルセロダイン波により共振点の移動に対して閉ループとなる位相差をそれぞれ与え、ディジタルセロダイン波が、波形の変化を規則的に繰り返すようにし、伝搬回数の1周異なる2光波の位相差に対して、2π異なる2値の位相差を与え、それら2値の位相差の発生頻度に応じて、制御の連続性を保ったまま、追従対称の共振点を移行し、2πおきに存在する共振点のうち、前後の2つの共振点のいずれかに追従するようにし、前記第1のディジタルセロダイン波のステップ1段の高さと、前記第2のディジタルセロダイン波のステップ1段の高さの差をとることにより左回り光と右回り光の非相反的な共振点の移動を計測しジャイロ出力とするように構成してある。
【0021】
また、前記他の目的を達成するために本発明による光ファイバジャイロは、所定周波数のレーザ光を出力するレーザ光源と、前記レーザ光源から出射されるレーザ光を分岐する分岐手段と、前記分岐手段で分岐された第1および第2の光路のレーザ光をそれぞれ位相変調する第1および第3の位相変調手段と、前記分岐手段で分岐された第1および第2の光路のレーザ光をそれぞれ所定周波数の第1および第2の変調信号によって位相変調する第2の位相変調手段および第4の位相変調手段と、前記第1と第2の位相変調手段で位相変調されたレーザ光を右回りになるように、前記第3と第4の位相変調手段で位相変調されたレーザ光を左回りになるようにそれぞれ導入して伝搬させる光ファイバリング共振器と、前記光ファイバリング共振器から出射される右回りのレーザ光を検出する第1の光検出器と、前記光ファイバリング共振器から出射される左回りのレーザ光を検出する第2の光検出器と、前記第1の光検出器の出力と前記第1の変調信号を入力して、前記第1の光検出器の出力中の前記第1の変調信号の周波数成分を同期検波する第1のロックインアンプと、前記第1のロックインアンプの出力を入力し、積分してディジタルセロダイン波のステップ1段の高さを生成するディジタル積分器である第1のステップ値発生器と、前記第1のステップ値発生器の出力と第2のステップ値発生器の出力を加算する加算器と、前記加算器の出力を入力して2πに対応させた第1のディジタルセロダイン波を発生し、前記第1の位相変調手段の変調入力に帰還する第1のディジタルセロダイン波発生器とからなり、前記光ファイバリング共振器に角速度が与えられたとき、または、温度変化により光ファイバリング共振器の光路長が変動した場合、この位相変化に追従するように制御する第1の制御手段と、前記2の光検出器の出力と前記第2の変調信号を入力して、前記第2の光検出器の出力中の前記第2の変調信号の周波数成分を同期検波する第2のロックインアンプと、前記第2のロックインアンプの出力を入力し、積分してディジタルセロダイン波のステップ1段の高さを生成するディジタル積分器である前記第2のステップ値発生器と、前記第2のステップ値発生器の出力を入力して2πに対応させた第2のディジタルセロダイン波を発生し、前記第3の位相変調手段の変調入力に帰還する第2のディジタルセロダイン波発生器とからなり、前記光ファイバリング共振器に角速度が与えられたとき、または、温度変化により光ファイバリング共振器の光路長が変動した場合、位相変化に追従するように制御する第2の制御手段とを備え、前記光ファイバリング共振器中を右回りに伝搬する伝搬回数の1周異なる2光波および左回りに伝搬する伝搬回数の1周異なる2光波に位相差が発生した場合、右回りおよび左回りの伝搬回数の1周異なる2光波に対し、前記第1および第2のディジタルセロダイン波により共振点の移動に対して閉ループとなる位相差をそれぞれ与え、ディジタルセロダイン波が、波形の変化を規則的に繰り返すようにし、伝搬回数の1周異なる2光波の位相差に対して、2π異なる2値の位相差を与え、それら2値の位相差の発生頻度に応じて、制御の連続性を保ったまま、追従対称の共振点を移行し、2πおきに存在する共振点のうち、前後の2つの共振点のいずれかに追従するようにし、前記第1のステップ値発生器の出力を、左回り光と右回り光の非相反的な共振点の移動に対応したジャイロ出力とするように構成してある。
上記構成において、前記第1および第3の位相変調手段にそれぞれ所定周波数の変調信号を加えることにより前記第1および第3の位相変調手段にそれぞれ前記第2および第4の位相変調手段の機能を兼用させることができる。
【0022】
【作用】
上記構成によれば、温度変化で共振器長が大きく変化し、その結果、共振周波数がレーザ周波数、圧電素子(PZT)による共振器長への帰還で補償できる範囲以上に移動したとしても、制御の連続性を失うことなく共振点を継続的に追従し、ジャイロとして機能させることが可能になる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、図1〜図3用いて本発明の実施の形態を詳しく説明する。
ディジタルセロダイン波による閉ループは図13に示すようなディジタル制御回路により実現することができる。このディジタル制御回路の1フレームは、光波が光ファイバループを1周伝搬する時間(τ)である。
ロックインアンプ(LIA)の出力(v1)は、ADコンバータ(AD)でディジタル値に変換され、そのディジタル値(v2)は第1の加算器(ADD1)に入力される。第1の加算器は、ADコンバータの出力(v2)と第1の加算器の前回値を加算し、その結果(v3)を第2の加算器(ADD2)に入力する。第2の加算器は、第1の加算器の出力(v3)と第2の加算器の前回値を加算し、その結果(v4)をDAコンバータ(DA)に出力する。DAコンバータの出力は、パワーアンプ(A)を経て、導波路形位相変調器(PM)に入力される。第1の加算器は、ディジタルセロダイン波のステップ1段の高さを決定するための符号付きディジタル積分器である。
【0024】
ADコンバータからDAコンバータまでのビット数および入出力のビット対応関係は、制御の応答性と1ビット当たりの分解能を考慮して決定される。
一般にADコンバータのビット数は、第1の加算器のビット数よりも小さく、この間の入出力は最下位ビット(LSB)を揃えて行われる。一般に第1の加算器のビット数は第2の加算器のビット数よりも大きく、この間のビット対応関係は、第2の加算器の最上位ビット(MSB)が、第1の加算器の最上位ビット(MSB)か、またはそれより下位のビットとなるように対応させる。第2の加算器とDAコンバータ間の入出力は最上位ビット(MSB)を揃えて行われ、フルスケールは位相差2πに対応する量である。第2の加算器のビット数をMとすると、2πは2M に対応しており、2M 以上の加算結果に対してはオーバーフローとなる。第2の加算器において、一定のステップ値で加算され増大していくセロダイン波は、2π以上では超過分を起点とし、再度、増大を始める性質を持つディジタルセロダイン波となり、これが位相変調器(PM)に入力される。
【0025】
第1の加算器は、伝搬回数の1周異なる2光波に位相差が生じた場合、それに対し相殺する位相差を生成するための積分器であり、第1の加算器の出力(v3)は増大または減少し、ちょうど相殺する位相差で一定値となり、これがディジタルセロダイン波のステップ値となる。
伝搬回数の1周異なる2光波間に大きな位相差が生じた場合は、これを相殺するために、第1の加算器は大きなステップ値を生成しなければならない。しかし第2の加算器のフルスケールが位相差2πに相当するため、2π以上のステップ値を第2の加算器に入力することはできない。第2の加算器のビット数がMであるため、2M 以上のステップ値に対しては2M −1以下の値にリセットされる。第1の加算器の最上位ビットを符号ビットとして扱うと、リセットされたステップ値は、当初、ある共振点に対して追従させ、閉ループとするために生成したステップ値に対して、2πの整数倍異なる、−π以上、π以下の値となる。ステップ値が0以上、π以下のときデジタルセロダイン波は上昇形である。ステップ値が−π以上、0以下のときデジタルセロダイン波は下降形である。ステップ値がπであることと、−πであることは同じであり、同一の波形すなわち矩形波となる。ステップ値がπのときを境に、デジタルセロダイン波の波形が上昇形から下降形、または下降形から上昇形に変化する。
【0026】
これは、伝搬回数の1周異なる2光波の位相差に対して波形の変化を規則的に繰り返す性質を持つことを示している。
この性質を利用すれば、ステップ値がΔφのディジタルセロダイン波は伝搬回数の1周異なる2光波にΔφあるいはΔφ−2 πの位相差を与えること、および、共振点は伝搬回数が1周異なる2光波の位相差に対して2πおきに存在していることにより、共振点が2π以上に大きく移動しても共振点の追従が継続されることを以下に説明する。
【0027】
ステップ1段の高さがΔφのディジタルセロダイン波は、伝搬回数の1周異なる2光波にΔφあるいはΔφ−2 πの位相差を与える。温度等の外乱あるいは角速度入力により、伝搬回数の1周異なる光波に正の方向の位相差ΔφX が生じた場合、これに対し零位法を行い閉ループとするためにステップ1段の高さをΔφX とする増大していく上昇形のディジタルセロダイン波を用いて、同量の位相差を負帰還し共振点に追従させる。伝搬回数の1周異なる光波に、負の方向の位相差−ΔφX が生じた場合、これを相殺し閉ループとするためにステップ一段の高さを−ΔφX とし、減少していく下降形のディジタルセロダイン波を用いて、同量の位相差を負帰還し、共振点に追従させる。
【0028】
伝搬回数の1周異なる2光波に大きな位相差が加わっていくと、ディジタルセロダイン波のステップ数は小さくなり、少ないステップ数で振幅2πを超えたとき、ディジタル的にリセットされる。伝搬回数の1周異なる2光波にさらに大きなπ以上の位相差が加わった場合、これまで上昇形であったディジタルセロダイン波は下降形に変化する。これはステップ1段の高さがΔφX −2πとなることを意味している。上昇形の波形と下降形の波形の境は振幅がπである矩形波形となる。ステップ1段の高さがπであることと、−πであることは同じであり、同一の波形である。さらに伝搬回数の1周異なる光波の位相差が増大していけば、下降形の波形が、上昇形の波形になり、ステップ1段の高さがπを超えたときに、再度下降形となる。
【0029】
このように伝搬回数の1周異なる光波の位相差に対し零位法を行い、閉ループとするステップ1段の高さは、図1に示すようになる。これはアナログセロダイン波が継続的に周波数を上げていく、すなわち変調される光波の位相回転を継続的に増大させるのに対して、ディジタルセロダイン波による光波の位相回転は−2π以上、2π以下に制限され、その値はアナログセロダイン波によるものに対して2πの整数倍だけ異なっている。これはアナログセロダイン波が、当初追従していた共振点を、永続的に追従の対象とするのに対して、ディジタルセロダイン波は最も近い共振点に追従することを示している。
【0030】
つぎに、ステップ1段の高さがΔφの上昇形のディジタルセロダイン波を用いた場合、伝搬回数の1周異なる光波に与える位相差は、ΔφとΔφ−2πのいずれかである。ステップ1段の高さが、−Δφの下降形のディジタルセロダイン波の場合、伝搬回数の1周異なる光波に与える位相差は、−Δφと−Δφ+2πのいずれかである。2値の時間配分は、上昇形ではΔφの位相差を与える時間が、((ステップ数)−1)×(光ファイバループ伝搬時間(τ))であり、Δφ−2πの位相差を与える時間が、光ファイバループ伝搬時間(τ)である。そして下降形で−Δφの位相差を与える時間が、((ステップ数)−1)×(光ファイバループ伝搬時間(τ))であり、−Δφ+2πの位相差を与える時間が、光ファイバループ伝搬時間(τ)である。以上の関係をまとめると、ディジタルセロダイン波によって発生する位相差と、それらの位相差の発生頻度は、伝搬回数の1周異なる光波の位相差に対して図2に示す関係を満たすこととなる。
【0031】
図2は、伝搬回数の1周異なる2光波に位相差は生じた場合、それに対し零位法を行い、閉ループとするためのディジタルセロダイン波により発生する位相差を説明するための図である。
ディジタルセロダイン波により発生する位相差はどの共振点に追従しているかを示している。図2のAの領域は、2Nπの共振点と2(N+1)πの共振点のいずれかに追従する領域であり、Bの領域は、2(N+1)πの共振点と2(N+2)πの共振点のいずれかに追従する領域である。Cの領域は、2Nπの共振点と2(N−1)πの共振点のいずれかに追従する領域であり、Dの領域は、2(N−1)πの共振点と2(N−2)πの共振点のいずれかに追従する領域である。追従する共振点がどれであるかは位相差の発生頻度に応じて順次移行する。
【0032】
図3は、伝搬回数の1周異なる2光波に位相差が生じた場合、ディジタルセロダイン波により追従している共振点の比率を表す図である。
追従している共振点とそれらの時間的比率を図示すると図3のようになる。この関係は、ディジタルセロダイン波の振幅2πのリセットにより常に2つの共振点に追従しており、伝搬回数の1周異なる2光波に大きな位相差が生じても、図13に示したようなディジタル制御回路を用いて、制御の連続性を保ったまま、追従対象の共振点を移行し、追従を継続できることを示している。
追従を継続するためには、図13の第1の加算器(ADD1)と第2の加算器(ADD2)間のビット対応関係は、最上位ビット(MSB)を揃え、第1の加算器はそれより上位のビットを設ける必要はないが、さらに上位のビットを設ければ、当初追従していた共振点の移動量を広い範囲にわたって計測することができる。
【0033】
この方法を用いてリング共振器の共振点に追従させれば、温度により共振器長が大きく変化したとしても、光波の周波数が変動する共振器長に合うように、レーザの周波数、あるいは光ファイバリング共振器に取り付けた圧電素子(PZT)に帰還させる必要はなく、ディジタルセロダイン波のみで共振点に追従することが可能となる。また、この方法を用いてディジタルセロダイン波のみで左右2光波それぞれの共振点に追従させれば、光ファイバリング共振器に角速度の入力がない場合、温度による共振点の移動に対してのみ追従する。これは左右2光波に等しい位相回転を与える相反的効果である。したがって、左回りの光が追従する2つの共振点と、右回りの光が追従する2つの共振点は常に同じ共振点である。このとき左回りの光を追従させるために生成されたディジタルセロダイン波のステップ値と、右回りの光を追従するために生成されたディジタルセロダイン波のステップ値は同一である。
【0034】
光ファイバリング共振器に角速度の入力がある場合は、共振点の移動量は、サニャック効果による非相反的な成分と温度による成分の両方が加わった量となるが、温度による成分は相反的な効果であるため、このとき左回りの光を追従するために生成されたディジタルセロダイン波のステップ値と、右回りの光を追従するために生成されたディジタルセロダイン波のステップ値の差は、サニャック効果による非相反的な成分であり、これをジャイロ出力とすることができる。
【0035】
【実施例】
図4は、本発明による共振点追従システムの実施例を示す概略ブロック図である。請求項1および2に対応するものである。
レーザ光源1を出射した所定周波数のレーザ光は、レンズ(L)2を通り、光ファイバに導かれ、第1の位相変調手段である導波路形変調器(PM)3、第2の位相変調手段である圧電素子形位相変調器(PZT)4を介して光カップラ(C)6に入射する。
【0036】
光カップラ(C)6により入射した光は、光ファイバリング共振器7のループ内を伝播する。リング共振器の出射光は受光器(D)8で観測される。
共振点を検出するために入射光には、光ファイバリング共振器7に入射する前に、圧電素子形位相変調器(PZT)4により、発振器19からの周波数fm の正弦波による位相変調が加えられる。共振点を検出するためには、正弦波による変調ではなく、導波路形変調器3のみを使用して、周波数の異なる2つのセロダイン波を交替周波数で切り替える変調とする手段を用いてもよい。また、圧電素子形位相変調器(PZT)4は導波路形位相変調器(PM)3の入力側に接続することもできる。
【0037】
光波はロックインアンプ(LIA)9で同期検波され共振点からのずれが検出される。ロックインアンプ(LIA)9出力は、図13と同等の機能をもつ制御回路(CC)18に入力される。
制御回路(CC)18内のステップ値発生器11の出力(ST)は、それをステップ値としてディジタルセロダイン波発生器12に入力され、ディジタルセロダイン波が生成される。このディジタルセロダイン波は、DAコンバータ(DA)15、パワーアンプ(A)16を経て導波路形位相変調器(PM)3に入力され、光波が共振点に追従するように制御される。
【0038】
導波路形位相変調器(PM)3に入力されるディジタルセロダイン波(S)は、その振幅を光波に2πの位相回転を与える電圧値に保たなければならない。そのため、ステップ値発生器11の出力はステップ値/周波数変換手段17に入力され、ディジタルセロダイン波(S)に等しい周波数を発生させ、ロックインアンプ(LIA' )13に入力される。ロックインアンプ(LIA' )13は、光に含まれるディジタルセロダイン波(S)の振幅誤差信号を同期検出することとなる。ロックインアンプ(LIA' )13で同期検波された振幅誤差信号は積分器14で積分されDAコンバータ(DA)15の基準電圧に帰還される。この結果、ディジタルセロダイン波(S)の振幅は2πとなるように制御される。
【0039】
図5は、本発明による共振点追従システムを適用した光ファイバジャイロの実施例を示す概略ブロック図である。請求項3および5に対応するものである。
レーザ光源21を出射した所定周波数のレーザ光は、ビームスプリッタ(BS)22で2分岐される。2分岐されたレーザ光はそれぞれレンズ(L2)23、(L1)28を通り、光ファイバに導かれ、第1の位相変調手段である導波路形変調器(PM2)24、第3の位相変調手段である導波路形変調器(PM1)29、第2の位相変調手段である圧電素子形位相変調器(PZT2)25、第4の位相変調手段である(PZT1)30を経て、光カップラ(C1)32に入射する。ビームスプリッタ22から2つの導波路形変調器24,29までは、好ましくは多機能光集積チップを用いるのが良い。
【0040】
光カップラ(C1)32により入射した光は、右回りと左回りで光ファイバリング共振器33のループ内を伝播する。右回り光については受光器(D1)34で、左回り光については受光器(D2)35でそれぞれ観測される。
共振点を検出するために左右2光波には、光ファイバリング共振器33に入射する前に、それぞれ圧電素子形位相変調器(PZT2)25、(PZT1)30により、発振器からの周波数fn とfm の正弦波による位相変調が加えられる。共振点を検出するためには、左右2光波に正弦波による変調ではなく、導波路形変調器24、29のみを使用して、それぞれ周波数の異なる2つのセロダイン波を交替周波数で切り替える変調とする手段を用いてもよい。周波数fn とfm は、同一の周波数でも良いが、好ましくは異なる周波数が用いられる。また、圧電素子形位相変調器(PZT2)25および(PZT1)30は導波路形位相変調器(PM2)24および(PM1)29の入力側にそれぞれ接続することもできる。
【0041】
右回りの光波についてはロックインアンプ(LIA1)45で同期検波され共振点からのずれが、左回りの光波についてはロックインアンプ(LIA2)36で同期検波され共振点からのずれがそれぞれ検出される。ロックインアンプ(LIA1)45とロックインアンプ(LIA2)36の出力は、それぞれ図13と同等の機能をもつ制御回路(CC1)55、(CC2)54に入力される。
制御回路(CC1)55内のステップ値発生器(1)47の出力(ST1)は、それをステップ値としてディジタルセロダイン波発生器(1)48に入力され、ディジタルセロダイン波が生成される。このディジタルセロダイン波(S1)は、DAコンバータ(DA)51、パワーアンプ(A1)52を経て導波路形位相変調器(PM1)29に入力され、右回りの光波が共振点に追従するように制御される。
【0042】
一方、制御回路(CC2)54内のステップ値発生器38の出力(ST2)は、それをステップ値として、ディジタルセロダイン波発生器(2)39に入力され、ディジタルセロダイン波が生成される。このディジタルセロダイン波(S2)はDAコンバータ(DA)42、パワーアンプ(A2)43を経て、導波路形位相変調器(PM2)24に入力され、左回りの光波が共振点に追従するように制御される。
ステップ値発生器(1)47の出力(ST1)とステップ値発生器(2)38の出力(ST2)の差は回転により生じた位相差に零位法を行って閉ループとするのに必要な成分であり、ジャイロ出力となる。
【0043】
導波路形位相変調器(PM1)29に入力されるディジタルセロダイン波(S1)は、その振幅を光波に2πの位相回転を与える電圧値に保たなければならない。そのため、ステップ値発生器(1)47の出力(ST1)はステップ値/周波数変換手段(1)53に入力され、ディジタルセロダイン波(S1)に等しい周波数を発生させ、ロックインアンプ(LIA1' )49に入力される。ロックインアンプ(LIA1' )49は、右回り光に含まれるディジタルセロダイン波(S1)の振幅誤差信号を同期検出することとなる。ロックインアンプ(LIA1' )49で同期検波された振幅誤差信号は積分器(1)50で積分されDAコンバータ(DA)51の基準電圧に帰還される。この結果、ディジタルセロダイン波(S1)の振幅は2πとなるように制御される。
【0044】
一方、導波路形位相変調器(PM2)24に入力されるディジタルセロダイン波(S2)も、その振幅を光波に2πの位相回転を与える電圧値に保たなければならない。そのため、ステップ値発生器(2)38の出力(ST2)はステップ値/周波数変換手段(2)44に入力され、ディジタルセロダイン波(S2)に等しい周波数を発生させ、ロックインアンプ(LIA2' )40に入力する。ロックインアンプ(LIA2' )40は、左回り光に含まれるディジタルセロダイン波(S2)の振幅誤差信号を同期検出することとなる。ロックインアンプ(LIA2' )40で同期検出された振幅誤差信号は積分器(2)41で積分されDAコンバータ(DA)42の基準電圧に帰還される。この結果、(S1)と同様、ディジタルセロダイン波(S2)の振幅が2πとなるように制御される。
【0045】
図6は、本発明による共振点追従システムに適用した光ファイバジャイロの他の実施例を示す概略ブロック図であり、2つの制御回路で相反的効果による成分と非相反的効果による成分を分担するように構成したものである。請求項4および5に対応するものである。
レーザ光源61を出射した所定周波数のレーザ光は、ビームスプリッタ(BS)62で2分岐される。2分岐されたレーザ光はそれぞれレンズ(L2)63、(L1)68を通り、光ファイバに導かれ、第1の位相変調手段である導波路形変調器(PM2)64、第3の位相変調手段である導波路形変調器(PM1)69、第2の位相変調手段てある圧電素子形位相変調器(PZT2)65、第4の位相変調手段である圧電素子形位相変調器(PZT1)70を経て、光カップラ(C1)72に入射する。
ビームスプリッタ62から2つの導波路形変調器64、69までは、好ましくは多機能光集積チップを用いるのが良い。
【0046】
光カップラ(C1)72により入射した光は、右回りと左回りで光ファイバリング共振器73のループ内を伝播する。右回り光については受光器(D1)76で、左回り光については受光器(D2)77でそれぞれ観測される。
共振点を検出するために左右2光波には、光ファイバリング共振器73に入射する前に、それぞれ圧電素子形位相変調器(PZT2)65、(PZT1)70により、発振器からの周波数fn とfm の正弦波による位相変調が加えられる。共振点を検出するためには、左右2光波に正弦波による変調ではなく、導波路形変調器64、69のみを使用して、それぞれ周波数の異なる2つのセロダイン波を交替周波数で切り替える変調とする手段を用いてもよい。周波数fn とfm は、同一の周波数でも良いが、好ましくは異なる周波数が用いられる。また、圧電素子形位相変調器(PZT2)65および(PZT1)70は導波路形位相変調器(PM2)64および(PM1)69の入力側にそれぞれ接続することもできる。
【0047】
右回りの光波についてはロックインアンプ(LIA1)87で同期検波された共振点からのずれが、左回りの光波についてはロックインアンプ(LIA2)78で同期検波された共振点からのずれがそれぞれ検出される。ロックインアンプ(LIA1)87とロックインアンプ(LIA2)78の出力は、それぞれ図13と同等の機能をもつ制御回路(CC1)98、(CC2)97に入力される。制御回路(CC2)97内のステップ値発生器(2)80の出力(ST2)と、制御回路(CC1)98内のステップ値発生器(1)89の出力(ST1)は、加算器90で加算される。そして、その結果(ST3)をステップ値としてディジタルセロダイン波発生器(1)91に入力され、ディジタルセロダイン波が生成される。このディジタルセロダイン波(S1)は、DAコンバータ(DA)94、パワーアンプ(A1)95を経て導波路形位相変調器(PM1)69に入力され、右回りの光波が共振点に追従するように制御される。
【0048】
一方、制御回路(CC2)97内のステップ値発生器80の出力ST2は、それをステップ値として、ディジタルセロダイン波発生器(2)81に入力され、ディジタルセロダイン波が生成される。このディジタルセロダイン波(S2)はDAコンバータ(DA)84、パワーアンプ(A2)85を経て、導波路形位相変調器(PM2)64に入力され、左回りの光波が共振点に追従するように制御される。
【0049】
制御回路(CC2)97は左右2光波に共通するステップ値を生成する。したがって、これは温度による相反的な共振点の移動に追従するのに必要な成分である。制御回路(CC1)98は、非相反的な効果と相反的な効果の両方による共振点の移動に追従するのに必要なステップ値を生成する。これらの差であるステップ値発生器(1)89の出力(ST1)は回転により生じた位相差に零位法を行って閉ループとするのに必要な成分であり、ジャイロ出力となる。
光ファイバループに取り付けた圧電素子形変調器(PZT3)74は、発振器75により低周波で駆動され、ディジタルセロダイン波が特定の波形に偏らないようにならすためのものである。
【0050】
導波路形位相変調器(PM1)69に入力されるディジタルセロダイン波(S1)は、その振幅を光波に2πの位相回転を与える電圧値に保たなければならない。そのため、加算器90の出力(ST3)はステップ値/周波数変換手段(1)96に入力され、ディジタルセロダイン波(S1)に等しい周波数を発生させ、ロックインアンプ(LIA1' )92に入力される。ロックインアンプ(LIA1' )92は、右回り光に含まれるディジタルセロダイン波(S1)の振幅誤差信号を同期検出することとなる。ロックインアンプ(LIA1' )92で同期検波された振幅誤差信号は積分器(1)93で積分されDAコンバータ(DA)94の基準電圧に帰還される。この結果、ディジタルセロダイン波(S1)の振幅は2πとなるように制御される。
【0051】
一方、導波路形位相変調器(PM2)64に入力されるディジタルセロダイン波(S2)も、その振幅を光波に2πの位相回転を与える電圧値に保たなければならない。そのため、ステップ値発生器(2)80の出力(ST2)はステップ値/周波数変換手段(2)86に入力され、ディジタルセロダイン波(S2)に等しい周波数を発生させ、ロックインアンプ(LIA2' )82に入力する。ロックインアンプ(LIA2' )82は、左回り光に含まれるディジタルセロダイン波(S2)の振幅誤差信号を同期検出することとなる。ロックインアンプ(LIA2' )82で同期検出された振幅誤差信号は積分器(2)83で積分されDAコンバータ(DA)84の基準電圧に帰還される。この結果、(S1)と同様、ディジタルセロダイン波(S2)の振幅が2πとなるように制御される。
【0052】
図7は、本発明による共振点追従システムの他の実施例を示す概略ブロック図である。請求項1に対応するものである。
図4の実施例と異なるところは、共振点を検出するために圧電素子形位相変調器(PZT)を導波路形変調器103の出力側に挿入するものではなく、代わりにレーザ光源101のレーザ光を発振器118からの周波数fm の変調信号により周波数変調するようにしたものである。
102から117までの各部分は、図4の2から18にそれぞれ対応する各部分の構成および動作と同じである。
【0053】
【発明の効果】
以上、説明したように本発明は、温度の変化による共振点の移動を、レーザ周波数への帰還量または圧電素子(PZT)の共振器長変化量により追従することが不可能であった領域まで、追従対象とする共振点を、制御の連続性を失うことなく移行することにより、継続的に追従することを可能にした。したがって、従来、狭い温度範囲でしか機能できなかったリング共振方式光ファイバジャイロを実用的な温度範囲において機能させることができる。
また、追従のためにレーザの周波数を制御する構成ではないので、半導体レーザを使用することができる。さらに単一光源で複数軸のジャイロを構成できるという耐温度特性以外の利点も有し、航空機などに搭載可能なリング共振方式光ファイバジャイロの実用化を可能とする。
【図面の簡単な説明】
【図1】伝搬回数の1周異なる2光波に位相差が生じた場合、それに対し零位法を行い、閉ループとするためのステップ1段の高さを表す図である。
【図2】伝搬回数の1周異なる2光波に位相差が生じた場合、それに対し零位法を行い、閉ループとするためのディジタルセロダイン波により発生する位相差を説明するための図である。
【図3】伝搬回数の1周異なる2光波に位相差が生じた場合、ディジタルセロダイン波により追従している共振点の比率を表す図である。
【図4】本発明による共振点追従システムの実施例を示す概略ブロック図である。
【図5】本発明による共振点追従システムを適用した光ファイバジャイロの実施例を示す概略ブロック図である。
【図6】本発明による共振点追従システムを適用した光ファイバジャイロの他の実施例を示す概略ブロック図である。
【図7】本発明による共振点追従システムの他の実施例を示す概略ブロック図である。
【図8】光ファイバリング共振器の構成図で、(a)は反射形、(b)は透過形をそれぞれ示している。
【図9】反射形および透過形の光ファイバリング共振器の共振特性で、入射する光の周波数に対する共振器出力を表す図である。
【図10】リング共振方式光ファイバジャイロの角速度検出原理を説明するための図である。
【図11】従来のリング共振方式光ファイバジャイロの構成を表す図である。
【図12】ディジタルセロダイン波を表す図である。
【図13】ディジタルセロダイン波を発生し、閉ループを構成するための制御回路を表す図である。
【図14】光ファイバリング共振器の共振特性で、伝搬回数の1周異なる2光波の位相差に対する共振器出力を表す図である。
【図15】アナログセロダイン波により生じる、伝搬回数の1周異なる2光波の位相差を表す図である。
【図16】ディジタルセロダイン波により生じる、伝搬回数の1周異なる2光波の位相差を表す図である。
【符号の説明】
1、21、61、101…レーザ光源
22、62…ビームスプリッタ
2、23、63、68、102… レンズ
3、24、64,69、103…導波路形変調器
4、25、65、70、74…圧電素子形位相変調器
6、32、72、105…光カップラ
7、33、73、106…光ファイバリング共振器
8、34、35、76、77、107…受光器
9、13、36、40、45、49、78、82、87、92、108、112…ロックインアンプ
10、37、46、79、88、109…AD変換器
11、38、47、80、89、110…ステップ値発生器
12、39、48、81、91、111…ディジタルセロダイン波発生器
14、41、50、83、93、113…積分器
15、42、51、84、94、114…DAコンバータ
16、43、52、85、95、115…パワーアンプ
17、44、53、86、96、116…ステップ値/周波数変換手段
90…加算器
18、54、55、97、98、117…制御回路
19、75、118…発振器
26…光ファイバ
56…差分器
115…アンプ
Claims (5)
- 所定周波数のレーザ光を出力するレーザ光源と、
前記レーザ光源から出射されるレーザ光を位相変調する第1の位相変調手段と、前記レーザ光源から出射されるレーザ光を所定周波数の変調信号によって位相変調する第2の位相変調手段、または前記レーザ光源を周波数変調する周波数変調手段と、
前記第1と第2の位相変調手段で位相変調されたレーザ光を導入して伝搬させる光ファイバリング共振器と、
前記光ファイバリング共振器から出射されるレーザ光を検出する光検出器と、前記光検出器の出力と前記変調信号を入力して、前記光検出器の出力中の前記変調信号の周波数成分を同期検波するロックインアンプと、
前記ロックインアンプの出力を入力し、積分してステップ値を発生し、2πに対応させたディジタルセロダイン波を出力し、該ディジタルセロダイン波を前記第1の位相変調手段の変調入力とする制御手段とを備え、
前記光ファイバリング共振器中を伝搬する伝搬回数の1周異なる2光波に位相差が発生した場合、伝搬回数の1周異なる2光波に対し、前記ディジタルセロダイン波により共振点の移動に対して閉ループとなる位相差を与え、
ディジタルセロダイン波が、波形の変化を規則的に繰り返すようにし、伝搬回数の1周異なる2光波の位相差に対して、2π異なる2値の位相差を与え、それら2値の位相差の発生頻度に応じて、制御の連続性を保ったまま、追従対称の共振点を移行し、2πおきに存在する共振点のうち、前後の2つの共振点のいずれかに追従するように構成したことを特徴とする共振点追従システム。 - 前記第1の位相変調手段に所定周波数の変調信号を加えることにより前記第1の位相変調手段に前記第2の位相変調手段の機能を兼用させることを特徴とする請求項1記載の共振点追従システム。
- 所定周波数のレーザ光を出力するレーザ光源と、
前記レーザ光源から出射されるレーザ光を分岐する分岐手段と、
前記分岐手段で分岐された第1および第2の光路のレーザ光をそれぞれ位相変調する第1および第3の位相変調手段と、
前記分岐手段により分岐された第1および第2の光路のレーザ光をそれぞれ所定周波数の第1および第2の変調信号によって位相変調する第2の位相変調手段および第4の位相変調手段と、
前記第1と第2の位相変調手段で位相変調されたレーザ光を右回りになるように、前記第3と第4の位相変調手段で位相変調されたレーザ光を左回りになるようにそれぞれ導入して伝搬させる光ファイバリング共振器と、
前記光ファイバリング共振器から出射される右回りのレーザ光を検出する第1の光検出器と、
前記光ファイバリング共振器から出射される左回りのレーザ光を検出する第2の光検出器と、
前記第1の光検出器の出力と前記第1の変調信号を入力して、前記第1の光検出器の出力中の前記第1の変調信号の周波数成分を同期検波する第1のロックインアンプと、
前記第1のロックインアンプの出力を入力し、積分してステップ値を発生し、2πに対応させた第1のディジタルセロダイン波を出力し、これを前記第1の位相変調手段の変調入力に帰還することにより、前記光ファイバリング共振器に角速度が与えられたとき、または、温度変化により光ファイバリング共振器の光路長が変動した場合、この位相変化に追従するように制御する第1の制御手段と、
前記第2の光検出器の出力と前記第2の変調信号を入力して、前記第2の光検出器の出力中の前記第2の変調信号の周波数成分を同期検波する第2のロックインアンプと、
前記第2のロックインアンプの出力を入力し、積分してステップ値を発生し、2πに対応させた第2のディジタルセロダイン波を出力し、これを前記第3の位相変調手段の変調入力に帰還することにより、前記光ファイバリング共振器に角速度が与えられたとき、または、温度変化により光ファイバリング共振器の光路長が変動した場合、位相変化に追従するように制御する第2の制御手段とを備え、
前記光ファイバリング共振器中を右回りに伝搬する伝搬回数の1周異なる2光波および左回りに伝搬する伝搬回数の1周異なる2光波に位相差が発生した場合、右回りおよび左回りの伝搬回数の1周異なる2光波に対し、前記第1および第2のディジタルセロダイン波により共振点の移動に対して閉ループとなる位相差をそれぞれ与え、
ディジタルセロダイン波が、波形の変化を規則的に繰り返すようにし、伝搬回数の1周異なる2光波の位相差に対して、2π異なる2値の位相差を与え、それら2値の位相差の発生頻度に応じて、制御の連続性を保ったまま、追従対称の共振点を移行し、2πおきに存在する共振点のうち、前後の2つの共振点のいずれかに追従するようにし、前記第1のディジタルセロダイン波のステップ1段の高さと、前記第2のディジタルセロダイン波のステップ1段の高さの差をとることにより左回り光と右回り光の非相反的な共振点の移動を計測しジャイロ出力とすることを特徴とする光ファイバジャイロ。 - 所定周波数のレーザ光を出力するレーザ光源と、
前記レーザ光源から出射されるレーザ光を分岐する分岐手段と、
前記分岐手段で分岐された第1および第2の光路のレーザ光をそれぞれ位相変調する第1および第3の位相変調手段と、
前記分岐手段で分岐された第1および第2の光路のレーザ光をそれぞれ所定周波数の第1および第2の変調信号によって位相変調する第2の位相変調手段および第4の位相変調手段と、
前記第1と第2の位相変調手段で位相変調されたレーザ光を右回りになるように、前記第3と第4の位相変調手段で位相変調されたレーザ光を左回りになるようにそれぞれ導入して伝搬させる光ファイバリング共振器と、
前記光ファイバリング共振器から出射される右回りのレーザ光を検出する第1の光検出器と、
前記光ファイバリング共振器から出射される左回りのレーザ光を検出する第2の光検出器と、
前記第1の光検出器の出力と前記第1の変調信号を入力して、前記第1の光検出器の出力中の前記第1の変調信号の周波数成分を同期検波する第1のロックインアンプと、
前記第1のロックインアンプの出力を入力し、積分してディジタルセロダイン波のステップ1段の高さを生成するディジタル積分器である第1のステップ値発生器と、前記第1のステップ値発生器の出力と第2のステップ値発生器の出力を加算する加算器と、前記加算器の出力を入力して2πに対応させた第1のディジタルセロダイン波を発生し、前記第1の位相変調手段の変調入力に帰還する第1のディジタルセロダイン波発生器とからなり、前記光ファイバリング共振器に角速度が与えられたとき、または、温度変化により光ファイバリング共振器の光路長が変動した場合、この位相変化に追従するように制御する第1の制御手段と、
前記2の光検出器の出力と前記第2の変調信号を入力して、前記第2の光検出器の出力中の前記第2の変調信号の周波数成分を同期検波する第2のロックインアンプと、前記第2のロックインアンプの出力を入力し、積分してディジタルセロダイン波のステップ1段の高さを生成するディジタル積分器である前記第2のステップ値発生器と、前記第2のステップ値発生器の出力を入力して2πに対応させた第2のディジタルセロダイン波を発生し、前記第3の位相変調手段の変調入力に帰還する第2のディジタルセロダイン波発生器とからなり、前記光ファイバリング共振器に角速度が与えられたとき、または、温度変化により光ファイバリング共振器の光路長が変動した場合、位相変化に追従するように制御する第2の制御手段とを備え、
前記光ファイバリング共振器中を右回りに伝搬する伝搬回数の1周異なる2光波および左回りに伝搬する伝搬回数の1周異なる2光波に位相差が発生した場合、右回りおよび左回りの伝搬回数の1周異なる2光波に対し、前記第1および第2のディジタルセロダイン波により共振点の移動に対して閉ループとなる位相差をそれぞれ与え、
ディジタルセロダイン波が、波形の変化を規則的に繰り返すようにし、伝搬回数の1周異なる2光波の位相差に対して、2π異なる2値の位相差を与え、それら2値の位相差の発生頻度に応じて、制御の連続性を保ったまま、追従対称の共振点を移行し、2πおきに存在する共振点のうち、前後の2つの共振点のいずれかに追従するようにし、前記第1のステップ値発生器の出力を、左回り光と右回り光の非相反的な共振点の移動に対応したジャイロ出力とすることを特徴とする光ファイバジャイロ。 - 前記第1および第3の位相変調手段にそれぞれ所定周波数の変調信号を加えることにより前記第1および第3の位相変調手段にそれぞれ前記第2および第4の位相変調手段の機能を兼用させることを特徴とする請求項3または4記載の光ファイバジャイロ。
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