JPH07133854A - 無段変速装置 - Google Patents
無段変速装置Info
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- JPH07133854A JPH07133854A JP27994793A JP27994793A JPH07133854A JP H07133854 A JPH07133854 A JP H07133854A JP 27994793 A JP27994793 A JP 27994793A JP 27994793 A JP27994793 A JP 27994793A JP H07133854 A JPH07133854 A JP H07133854A
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Abstract
簡素な構成により確実に行わせ、自動車用補機の伝動系
への使用に適した無段変速装置を提供する。 【構成】 入力軸4と出力軸たる伝動軸2とを同軸上に
支承し、他方との対向側端部に入力円板31と出力円板32
とを夫々取り付け、これらの外周を両者間に介在する周
方向に複数個の遊星コーン33,33…に転接させる一方、
これらの円錐母線上に一括して転接する変速リング34を
備え、この変速リング34の軸長方向の移動による転接位
置の変化に応じて入力軸4から伝動軸2への伝動の際の
変速比を無段階に変更できるようにする。入力円板31の
一側に半径方向外向きに支持杆45を突設し、この支持杆
45に取り付けた押圧体46が、入力軸4の回転に伴う遠心
力の作用により半径方向に移動して、変速リング34を保
持する保持筒40を一側のカム面44を介して押圧し、他側
を付勢するコイルばね43のばね力に抗して変速リング34
を移動させる構成とする。
Description
り駆動される各種の自動車用補機の伝動系において用い
られる無段変速装置に関する。
動変速機に作動油を供給する油圧ポンプ、バッテリの充
電用発電機、空調用のコンプレッサ等、種々の補機が搭
載されており、これらの多くは、エンジンを駆動源と
し、例えばクランクシャフトの端部に設けたクランクプ
ーリを介してのベルト伝動により駆動されている。
を直接的に伝達した場合、エンジンの回転数が高い高速
運転時に大なる動力損失を招くという問題があり、ま
た、このような動力損失を低く抑えるべく補機の仕様を
決定した場合、低速運転時に各補機の能力が不足すると
いう問題がある。そこで従来から、各補機への伝動系の
中途に変速装置を介装し、この変速装置の変速比をエン
ジンからの入力回転数の高低に応じて変更する構成と
し、例えば、入力回転数が低いときにはそのまま補機に
伝え、入力回転数が高いときには所定の減速を経た後に
補機に伝えることにより、前述した問題を解消するよう
にしている。
能な無段変速装置が多く用いられている。これは、前述
した変速比の変更に伴うエンジン負荷の急変を防ぎ、走
行安定性の悪化を防止するためである。また前記変速装
置における変速比の変更は、一般的には、エンジンから
の入力回転数を検出し、この検出結果に基づいて変速用
のアクチュエータを動作させる構成により実現される。
ところがこの場合、変速装置の全体構成が複雑となり、
大型化を招来して、エンジンからの伝動系の中途におけ
る配設空間の確保が難しい上、外部ノイズの影響による
誤作動の虞が生じる。
られる変速装置の望ましい構成は、入力回転数の高低に
応じた変速比の変更を、簡素な機械的手段により無段階
に実現し得るものであり、このことを可能とした無段変
速装置は、特開昭63-82876号公報及び特開昭61−228155
号公報に夫々開示されている。
速装置は、動力舵取装置に作動油を供給する油圧ポンプ
への適用例として提案されたものであり、エンジンから
の入力軸と油圧ポンプへの出力軸とを、有効径の変更に
より変速比を変える可変ピッチプーリを介して連結する
一方、出力軸側の可変ピッチプーリを構成する円錐形の
半体の外側に鋼球を配し、該鋼球が出力軸の回転に伴う
遠心力の作用により半径方向外向きに移動して、前記半
体を内向きに、即ち、他方の半体に近づける向きに押圧
する構成となっている。
プーリの有効径が、前記鋼球の移動に応じた半体同士の
接近により増す一方、前記鋼球の移動は、出力軸の回転
数の増加に伴って生じるから、入力軸から出力軸への変
速比が、出力軸の回転数の増加に伴って無段階に減速側
に変更されることになる。
た無段変速装置は、基本的には、エンジンからの入力側
の入力円板と補機への出力側の出力円板とを、両者間に
介在する周方向に複数個の遊星コーンに転接させる一
方、これらの遊星コーンに入力円板及び出力円板の軸心
と平行をなす夫々の円錐母線上にて一括して転接する変
速リングを備え、該変速リングの軸長方向への移動によ
り各遊星コーンとの転接位置を変え、入力側から出力側
への伝動の際の変速比を無段階に変更できるようにした
リングコーン式の無段変速装置であり、軸心を中心とす
る所定の円周上に枢支された遠心力駆動ギヤと、これの
外側に噛合する内歯ギヤを備えた環状のカム部材とを配
し、このカム部材のカム面に前記変速リングに突設され
たローラキーを転接せしめた構成となっている。
支軸回りに回転した場合、これに内歯ギヤを介して噛合
するカム部材が回転し、ローラキーを介して変速リング
が押圧され、軸長方向に移動して変速が行われる。遠心
力駆動ギヤは、周方向の一か所に枢支軸から偏心したウ
エイト部を備えており、配設円周上での回転に応じて作
用する遠心力により、前記ウエイト部が半径方向の外側
となるように枢支軸回りに回転する。従って、入力側か
ら出力側への変速比が、出力側の回転数の増加に伴って
無段階に変更されることになる。
号公報に開示された無段変速装置においては、遠心力の
作用による鋼球の移動に応じて出力軸側の可変ピッチプ
ーリの有効径が増減し、変速が行われることになってい
る。ところが、出力軸側の可変ピッチプーリの有効径を
増すためには、入力軸側の可変ピッチプーリとの間に巻
架された伝動ベルトの張力に抗する力が必要であり、前
記鋼球の移動力では不十分である。即ち、特開昭63-828
76号公報に開示された無段変速装置は、変速動作の実現
が困難であり、実用性に欠けるという問題がある。
示された無段変速装置においては、変速のための変速リ
ングの軸長方向の移動には大きい力を必要とせず、前述
した動作は支障なく行われる。ところが、内歯ギヤを備
えるカム部材、このカム部材に噛合する遠心力駆動ギヤ
等、高い加工精度を要求される精密な部品が必要であ
り、これらの加工及び組み立てに多大の工数を要すると
いう難点がある。
速装置はいずれも、本来の目的である入力回転数の増減
に応じた変速ではなく、出力側の回転数の増減に応じた
変速が行われるようになっており、出力側の回転数の増
減が入力側のそれと逆になる特性、例えば、入力回転数
の増加に応じて出力回転数が減少する特性を得ることは
できないが、このような特性は、適用対象となる自動車
用の補機において必要となる場合がある。
ための油圧ポンプにおいては、エンジンの回転数が高い
高速走行時には、舵取り用の車輪に作用する路面反力が
小さく操舵補助力を殆ど必要としないことから、低速走
行時よりも少ない油量を供給すればよい。ところが、従
来の無段変速装置を用いた場合、出力側の油圧ポンプの
回転数は、入力側のエンジン回転数の増加に伴って減少
するのではなく、その増加率を減じつつ増加するに過ぎ
ず、高速運転時に前記油圧ポンプは、操舵補助のために
用いられることのない無為な作動油の供給のために高回
転数にて駆動されることになる。油圧ポンプの消費動力
は、一般的に、回転数の3乗に略比例することが知られ
ており、前述した無為な作動油の発生のためのエンジン
の動力損失は大きく、自動車の走行性能及び燃費の低下
を招来している。
であり、入力回転数の増減に応じた無段階での変速を簡
素な構成により確実に実現することができ、また出力回
転数の増減が入力回転数の増減と逆になる特性も得られ
て、自動車用補機の伝動系への使用に適した無段変速装
置を提供することを目的とする。
置は、同軸上に支承された入力軸及び出力軸の他方との
対向側端部に入力円板及び出力円板を夫々取り付け、夫
々の外周をこれらの間に介在する周方向に複数個の遊星
コーンに転接させる一方、入力軸及び出力軸の軸心と平
行をなす夫々の円錐母線上にて前記遊星コーンに一括し
て転接する変速リングを備え、該変速リングの軸長方向
への移動により各遊星コーンとの転接位置を変更し、入
力軸から出力軸への伝動の際の変速比を無段階に変更で
きるようにした無段変速装置において、前記入力軸の回
転に伴う遠心力の作用により半径方向に移動する押圧体
と、該押圧体の移動を前記変速リングの移動に変換する
手段とを具備することを特徴とする。
装置の変速リングが押圧体の半径方向の移動により押圧
され、軸長方向に移動して変速がなされる。押圧体の移
動は、入力軸の回転に伴う遠心力の作用により生じ、変
速リングの移動により設定される変速比は、入力側の回
転数の増減のみに対応し、出力側の回転数の如何に拘わ
らずに定まり、出力側の回転数の変化が入力側のそれと
逆向きに生じる特性も得られる。
て詳述する。図1は、動力舵取装置に作動油圧を供給す
るための油圧ポンプの伝動系における本発明に係る無段
変速装置の適用例を示す縦断面図である。
半径方向への進退自在に保持する短寸円筒形のロータ10
と、偏肉環状をなすカムリング11とを備えたベーンポン
プである。カムリング11は、これの一側に同軸的に位置
決めされたプレッシャプレート12と共にポンプハウジン
グ14の内部に収納され、該ポンプハウジング14の他側を
閉塞するエンドプレート13と前記プレッシャプレート12
との間に挾持固定されている。またロータ10は、カムリ
ング11の内側に遊嵌されており、プレッシャプレート12
を貫通してカムリング11の軸心部を通りエンドプレート
13にその先端を支持された伝動軸2に嵌着され、該伝動
軸2の回転に応じてカムリング11の内側にて同軸的に回
転するようになしてある。
10の外周とカムリング11の内周との間に周方向に複数並
べて設けたポンプ室内での昇圧を伴って行われる。これ
らのポンプ室は、ポンプハウジング14の上部外側に取り
付けた吸込管15に、エンドプレート13の内側面及びポン
プハウジング14の周壁に形成された吸込油路16を介して
連通させてあり、また図示しない吐出管に、プレッシャ
プレート12の背面側に形成された圧力室17を介して連通
させてある。
する図示しない油タンクに連結してあり、伝動軸2の回
転によりロータ10が回転した場合、該ロータ10外側のポ
ンプ室には、吸込管15及び吸込油路16を経て作動油が導
入される。ロータ10に保持された複数のベーンは、夫々
の先端をカムリング11の内周面に押し付け、内周の凹凸
に追随して半径方向に進退動作しつつロータ10と共に回
転しており、各ポンプ室に導入された作動油は、相隣す
るベーン間に封止され、ロータ10と共に回転せしめられ
て昇圧し、圧力室17及び吐出管を経て動力舵取装置に供
給される。
レート13と逆側からポンプハウジング14に同軸的に組み
付けられた伝動ハウジング30の内部に構成されている。
この無段変速装置3は、入力円板31と出力円板32とを、
これらの間に介在する周方向に複数個(2個のみ図示)
の遊星コーン33,33…の底面に両側から転接させる一
方、これらの外側に周設された短寸円環状をなす変速リ
ング34を、入力円板31及び出力円板32の軸心と平行をな
す各遊星コーン33,33…の円錐母線上に一括して転接さ
せてなり、変速リング34を軸長方向に移動させ、遊星コ
ーン33,33…との転接位置を変えることにより変速を行
う構成としたリングコーン式の無段変速装置である。
同軸的に支承された入力軸4にスプライン結合され、該
入力軸4と一体回転するようになしてある。入力軸4の
他端は、ポンプハウジング14の組み付け側と逆側から伝
動ハウジング30の外部に突出させてあり、この突出端に
嵌着されたVプーリ5、及びこのVプーリ5に巻装され
たVベルトを介して図示しないエンジンの出力端に連結
してある。即ち、入力軸4及びこれに取り付けた入力円
板31は、油圧ポンプ1の駆動源となるエンジンの回転に
伴って回転する。
部を入力軸4の先端に外嵌し、該入力軸4を支持体とし
て同軸上での回転自在に支持されている。一方ポンプハ
ウジング14から伝動ハウジング30の内部に延設された前
記伝動軸2の先端には、厚肉円板形をなす押圧ディスク
35がスプライン結合され、該押圧ディスク35は、前記出
力円板32の内側半部に、遊星コーン33,33…への転接側
と逆側から対向させてある。また、前記押圧ディスク35
の中心部には、支軸38の基端部が同軸的に圧入固定さ
れ、該支軸38の先端は、入力軸4先端の軸心部に適宜の
深さを有して穿設された支持孔に回転自在に嵌合させて
あり、この支軸38の作用により、入力軸4と伝動軸2と
の同心性を保つようになしてある。
両者間に介装されたコイルばね36のばね力により一定に
保たれている。また出力円板32及び押圧ディスク35は、
夫々との対向面の所定の円周上に周方向に傾斜するカム
面を備えており、これらのカム面間にはカム球37,37…
が介装されている。カム球37,37…は、出力円板32と押
圧ディスク35とが相対回転しようとするとき夫々のカム
面に噛み合い、両者を一体化せしめると共に、出力円板
32を押圧ディスク35から離反する向き、即ち、遊星コー
ン33,33…への転接を強化する向きに押圧する作用をな
す。
プ1への出力軸となる前記伝動軸2と一体回転すること
になり、無段変速装置3においては、入力軸4から伝動
軸2への伝動が、遊星コーン33,33…の円錐母線上にお
ける変速リング34の転接位置に応じた変速比に減速され
て行われる。
の説明図である。図示の如く、入力円板31と遊星コーン
33との転接位置が、入力軸4及び伝動軸2の軸心から
a、遊星コーン33の回転中心からbなる距離にあり、ま
た変速リング34と遊星コーン33との転接位置が、遊星コ
ーン33の回転中心からc、入力軸4及び伝動軸2の軸心
からdなる距離にあり、更に出力円板32と遊星コーン33
との転接位置が、遊星コーン33の回転中心からe、入力
軸4及び伝動軸2の軸心からfなる距離にある場合、出
力軸たる伝動軸2の回転数N2 は、変速リング34の回転
が拘束されているという条件下において、入力軸4の回
転数N1 を含む次式により表される。
の円錐母線上において変更され、この母線は、入力軸4
及び伝動軸2の軸心と平行をなす。従って、変速リング
34の転接位置の変更は、入力軸4及び伝動軸2の軸心か
らの距離dを一定に保って行われ、遊星コーン33の回転
中心からの距離cのみが増減する。前記(1)式に明ら
かな如く、入力軸4の回転数N1 が一定であるという条
件下での伝動軸2の回転数N2 、即ち、入力軸4から伝
動軸2への伝動に際しての変速比は、距離cの減少に伴
って増加し、逆に距離cの増加に伴って減少する。
接位置が遊星コーン33の頂点上にある場合、(1)式
は、次式の如く簡略化される。 N2 =−(ae/bf)×N1 …(2)
星コーン33との転接関係を示す数値のみを含む式となっ
ており、変速比は最大となる。なお、N2 が負の値とな
るのは、伝動軸2の回転方向が入力軸4のそれと逆にな
るためである。
回転数N2 は、前記距離cが次式を満たす場合に最小
(=0)となる。 c=ed/f …(3)
ン33との転接位置は、遊星コーン33の傾斜が上となる側
の周縁近傍に設定されており、入力軸4及び伝動軸2の
軸心からの距離fは、変速リング34の転接位置における
入力軸4及び伝動軸2の軸心からの距離dに略等しい。
従って、図2中に破線により示す如く、出力円板32の転
接位置、即ち、遊星コーン33の周縁近傍に変速リング34
の転接位置を変更した場合、c≒eとなって前記(3)
式が近似的に成立することになり、伝動軸2の回転が停
止した状態を得ることができる。
速リング34の転接位置が遊星コーン33の頂点に接近する
に従って増加し、離反するに従って減少する。即ち、入
力軸4から伝動軸2への伝動に際しての変速比(=N2
/N1 )は、図1及び図2における右向きの変速リング
34の移動に応じて増大し、左向きの移動に応じて減少す
ることになり、更に、この減少側においては、変速比が
零となるまでの無段階の変速が可能である。
ジング30の内側に遊嵌された円筒形の保持筒40の中途部
に、遊星コーン33,33…との転接縁を内向きに突設せし
めた態様に保持されている。伝動ハウジング30の内周に
は、周方向に略等配をなして複数のガイドキー41,41…
が固設してある。また保持筒40の外周には、前記ガイド
キー41,41…の夫々に対応する位置に軸長方向の全長に
亘ってガイド溝が形成してあり、伝動ハウジング30への
保持筒40の遊嵌は、前記ガイド溝の夫々を対応するガイ
ドキー41,41…に係合せしめてなされている。即ち、保
持筒40及び変速リング34は、ガイドキー41,41…により
案内され、伝動ハウジング30に回転を拘束された状態で
軸長方向に移動することができる。
き円板形の遮蔽板42が連設されている。この遮蔽板42
は、内周に嵌着保持されたオイルシールを伝動軸2の先
端に嵌合する前記押圧ディスク35の外周に摺接させ、こ
の摺接位置の両側を液密に封止して無段変速装置3の構
成部を油圧ポンプ1の連設部から遮蔽する作用をなす。
また遮蔽板42は、背面(伝動軸2側の端面)の所定の円
周上に、周方向に等配をなして複数のコイルばね43,43
…を保持している。これらのコイルばね43,43…は、前
記背面に対向する伝動ハウジング30の内壁面に弾接させ
てあり、保持筒40を入力軸4側(図の右側)に向けて付
勢している。
縁には、図1に示す如く、端部に向かって拡径するテー
パ状のカム面44が形成されている。一方入力軸4には、
入力円板31の外側に隣接して支持部材がスプライン結合
されている。図示の如く、この支持部材は、入力軸4に
外嵌されたボス部の外側に放射状をなして突設された複
数の支持杆45,45…を備えており、これらの支持杆45,
45…の夫々は、押圧体46,46…を支持している。
体であり、軸心部を貫通する各別の支持杆45に沿って半
径方向への移動可能に支持されている。支持杆45,45…
は、入力軸4にスプライン結合されたボス部に突設さ
れ、該入力軸4の回転に伴って回転するから、各支持杆
45に支持された押圧体46は、入力軸4の回転に応じた遠
心力の作用により半径方向外向きに移動する。
筒40の周縁に形成されたカム面44に臨ませてあり、各支
持杆45に沿って移動する押圧体46は、この移動経路の中
途において前記カム面44に内側から当接し、この後は、
入力軸4の回転に応じた遠心力の作用により、前記カム
面44を半径方向外向きに押圧する。カム面44は、前述し
た如き傾きを有しており、該カム面44を有する保持筒40
は、押圧体46によるカム面44の押圧に応じて伝動軸2側
(図の左側)に向けて移動する。
押圧体46の半径方向の移動により押圧され、コイルばね
43,43…の付勢に抗して左向きに移動することになり、
押圧体46による押圧力とコイルバネ43,43…のばね力と
が平衡する位置に停止する。押圧体46の移動は、入力軸
4の回転に伴う遠心力の作用によるものであるから、変
速リング34の軸長方向位置は、入力軸4の回転数の増減
に応じて左右に変化する。また、変速リング34の移動
は、ガイドキー41,41…により回転を拘束された状態で
生じるから、入力軸4から伝動軸2への伝動に際しての
変速比は、入力軸4の回転数の減少に伴って増加し、逆
に増加に伴って減少する。
最小の場合の各構成部材の位置関係を夫々示している。
図3(b)に示す状態、即ち、押圧体46の半径方向位置
が最外側となる状態において得られる最小の変速比は、
押圧体46のサイズ及び重量により推定される遠心力に対
しコイルばね43,43…のばね力を適正に設定することに
より、前述した如く、伝動軸2の回転数が零となる場合
(図示の場合は零とはならない)を含めて実現できる。
圧する前記コイルばね43,43…のばね力は常に一定であ
るのに対し、変速比を減じる側に変速リング34を押圧す
る押圧体46の遠心力は、入力軸4の回転数N1 の2乗に
比例して増す。従って、出力軸たる伝動軸2の回転数N
2 及び該伝動軸2の回転により駆動される油圧ポンプ1
の吐出油量は、図4に示す特性、即ち、入力軸4の回転
数N1 が低い領域では回転数N1 の増加に伴って増加
し、入力軸4の回転数N1 が高い領域では回転数N1 の
増加に伴って逆に減少する特性を示すことになる。この
ような特性は、前述した如く、動力舵取装置用の油圧ポ
ンプ1において望ましい特性である。
コイルばね43の保持態様を示す拡大図である。遮蔽板42
の背面には、伝動ハウジング30との対向面に向けてスト
ッパ棒47が突設されており、コイルばね43は、ストッパ
棒47にその基端を嵌合せしめて保持されている。また前
記ストッパ棒47は、保持筒40の移動に伴うコイルばね43
の縮短に応じて伝動ハウジング30の内壁面に当接し、更
なる移動を制限する作用をなす。従って、ストッパ棒47
の突設長さを適宜に設定することにより、変速比を減じ
る側への変速リング34の移動範囲を制限することがで
き、図4中に破線にて示す如く、回転数N2 の減少領域
の適宜位置から高速側に増加領域を得ることができ、特
性選択の自由度が増す。
速側(右側)に向けて付勢するコイルばね43,43…とし
て、図6に示す如く、相互に長さが異なるものを用いて
もよい。図6には、周方向に8本のコイルばね43,43…
を保持する遮蔽板42の半部が示されており、図に現れた
5本のコイルばね43,43…の内、周方向に相対向する位
置にある2本のコイルばね43,43が伝動ハウジング30の
端壁に常時弾接し得る自然長(=x)を有し、他の6本
(図中の3本)の内の4本(図中の2本)は、xよりも
短い自然長(=y)を有し、残りの2本(図中の1本)
は、更に短い自然長(=z)を有している。
加に応じて変速リング34が減速側に移動するとき、この
移動に抗するコイルばね43,43のばね力が移動長さに応
じて段階的に増す。従って、入力軸4の回転数N1 の変
化に対する伝動軸2の回転数N2 及び油圧ポンプ1の吐
出油量の変化特性を、なお一層の自由度を持って選択で
きるようになる。
装置の作動油供給用の油圧ポンプ1への適用例について
述べたが、本発明の適用範囲はこれに限るものではな
く、また、以上の実施例においては、無段変速装置3の
減速装置としての使用例について述べたが、無段変速装
置3は、増速装置として使用も可能であり、この場合に
おいても同様の効果が得られることは言うまでもない。
装置においては、入力側の回転に伴う遠心力の作用によ
り生じる押圧体の半径方向の移動が、リングコーン式の
無段変速装置の変速リングの軸長方向の移動に変換され
て変速が行われるから、入力回転数の増減に応じた無段
階での変速を簡素な構成により確実に実現することがで
きると共に、入力回転数の増加に応じて出力回転数を逆
に減じることも可能となり、動力舵取装置に作動油を供
給するための油圧ポンプ等、エンジンを駆動源とする自
動車用補機の駆動特性を自在に設定できるようになる
等、本発明は優れた効果を奏する。
ポンプの伝動系における本発明に係る無段変速装置の適
用例を示す縦断面図である。
である。
置関係を示す模式図である。
る入力回転数と出力回転数との関係の一例を示すグラフ
である。
持態様を示す拡大図である。
る。
Claims (1)
- 【請求項1】 同軸上に支承された入力軸及び出力軸の
他方との対向側端部に入力円板及び出力円板を夫々取り
付け、夫々の外周をこれらの間に介在する周方向に複数
個の遊星コーンに転接させる一方、入力軸及び出力軸の
軸心と平行をなす夫々の円錐母線上にて前記遊星コーン
に一括して転接する変速リングを備え、該変速リングの
軸長方向への移動により各遊星コーンとの転接位置を変
更し、入力軸から出力軸への伝動の際の変速比を無段階
に変更できるようにした無段変速装置において、前記入
力軸の回転に伴う遠心力の作用により半径方向に移動す
る押圧体と、該押圧体の移動を前記変速リングの移動に
変換する手段とを具備することを特徴とする無段変速装
置。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27994793A JP3525193B2 (ja) | 1993-11-09 | 1993-11-09 | 無段変速装置 |
US08/331,134 US5484346A (en) | 1993-11-09 | 1994-10-27 | Stepless speed changing apparatus |
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