JPH07133741A - ディーゼルエンジンの燃料噴射量制御装置 - Google Patents

ディーゼルエンジンの燃料噴射量制御装置

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Publication number
JPH07133741A
JPH07133741A JP27842393A JP27842393A JPH07133741A JP H07133741 A JPH07133741 A JP H07133741A JP 27842393 A JP27842393 A JP 27842393A JP 27842393 A JP27842393 A JP 27842393A JP H07133741 A JPH07133741 A JP H07133741A
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JP
Japan
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angle
spill
pulse
time
fuel injection
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Application number
JP27842393A
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English (en)
Inventor
Shinji Ikeda
愼治 池田
Takayoshi Inaba
孝好 稲葉
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Denso Corp
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
NipponDenso Co Ltd
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Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp, NipponDenso Co Ltd filed Critical Toyota Motor Corp
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02BINTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
    • F02B3/00Engines characterised by air compression and subsequent fuel addition
    • F02B3/06Engines characterised by air compression and subsequent fuel addition with compression ignition

Landscapes

  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明はスピル弁の駆動制御を行うことにより
燃料噴射量を制御するディーゼルエンジンの燃料噴射量
制御装置に関し、燃料噴射量のバラツキ発生を防止する
ことを目的とする。 【構成】スピル弁制御手段(A7)で演算される実スピル角
度と、上記要求スピル角度演算手段(A4)で演算されるス
ピル弁(A2)の開弁角度(要求スピル角度)とを比較し、
実スピル角度と要求スピル角度との差に応じて実スピル
角度を補正するスピル角度補正手段(A8)を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はディーゼルエンジンの燃
料噴射量制御装置に係り、特にスピル弁の駆動制御を行
うことにより燃料噴射量を制御するディーゼルエンジン
の燃料噴射量制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子制御ディーゼルエンジンの燃
料噴射ポンプにおいては、そのプランジャのリフトに応
じて得られる燃料噴射量が目標値になるように、例えば
電磁スピル弁等を制御してスピルポートを開放させるよ
うにしている。これにより、プランジャ高圧室からの燃
料を燃焼室へ溢流(スピル)させ、燃料の圧送終わり
(即ち燃料の噴射の終了)を制御し、所要の燃料噴射量
を得るようにしている。
【0003】このような電磁スピル弁では、通常プラン
ジャのリフトに同期し、かつ一定のポンプ回転角度毎に
入力される信号(例えばエンジン回転パルス)等により
要求スピル角度を決定し、その要求スピル角度に基づい
て電磁スピル弁のオン・オフ制御を行うよう構成されて
いる。
【0004】例えば、特開昭62−267547号公報
に開示された技術では、その時々の運転状態に応じて決
定される燃料噴射量を得るべく、噴射終了時期に相当す
る要求スピル角度で電磁スピル弁を開弁させてスピルポ
ートを開放させている。ここで、要求スピル角度を決定
するには、一定のクランク角毎に得られるエンジン回転
パルスに基づき、そのエンジン回転パルスのある基準位
置から要求スピル角度までのパルスカウント数と、1パ
ルス分に満たない余り角度を求める。そして、その余り
角度については、前回のスピル時期を含む1パルス分の
所要時間(スピル時パルス時間)に基づいて時間換算す
るようにしていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記のように従来技術
では、一定のクランク角毎に得られるエンジン回転パル
スに基づき要求スピル角度を決定する構成とされてい
る。従って、このエンジン回転パルスの精度が低いと、
これに基づき演算される要求スピル角度の精度も低下し
てしまう。
【0006】一般にエンジン回転パルスは、燃料噴射ポ
ンプ内に設けられた回転角歯車(パルサ)と、この回転
角歯車に対向して配設された回転数センサとにより検出
される。回転角歯車は、ディーゼルエンジンのクランク
軸に接続されたドライブシャフトに配設されており、ク
ランク軸の回転と同期して回転する。そして、回転角歯
車に対向配設された回転数センサは、回転角歯車に形成
された複数の歯と対向する毎にパルスを発生する。従っ
て、回転数センサから出力されるパルスはディーゼルエ
ンジンのクランク軸の回転に同期したパルス(エンジン
回転パルス)となり、このエンジン回転パルスよりエン
ジン回転数を求めることができる。
【0007】しかるに、回転角歯車は機械加工により製
造されるものであり、その加工精度には限界がある。よ
って、上記加工精度の悪さにより回転角歯車に形成され
た複数の歯の形成位置にバラツキがあった場合、出力さ
れるエンジン回転パルスにもバラツキが発生してしま
う。
【0008】このように、出力されるエンジン回転パル
スにバラツキが生じると、このエンジン回転パルスに基
づき演算される要求スピル角度の精度が低下し、噴射さ
れる燃料量にもバラツキが生じ、トルク変動やサージが
発生してしまうという問題点があった。
【0009】本発明は上記の点に鑑みてなされたもので
あり、実スピル角度と要求スピル角度を比較しその差分
に応じて実スピル角度を補正することにより、燃料噴射
量のバラツキ発生を防止したディーゼルエンジンの燃料
噴射量制御装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】図1は本発明の原理図で
ある。同図に示すように、上記課題を解決するために本
発明では、ディーゼルエンジン(A1)の発生する駆動力に
より燃料を加圧し、この加圧された燃料をスピル弁(A2)
により噴射量を制御しつつディーゼルエンジン(A1)に圧
送する燃料噴射ポンプ(A3)と、上記ディーゼルエンジン
(A1)の運転状態に応じ決定される燃料噴射量に基づき、
燃料噴射終了時期に相当するスピル弁(A2)の開弁角度
(要求スピル角度)を演算する要求スピル角度演算手段
(A4)と、上記ディーゼルエンジン(A1)の一定クランク角
毎にエンジン回転パルスを出力するエンジン回転検出手
段(A5)と、上記要求スピル角度演算手段(A4)により演算
されるスピル弁(A2)の開弁角度(要求スピル角度)と、
一定のクランク角毎に上記エンジン回転検出手段(A5)か
ら出力されるエンジン回転パルスとに基づき、このエン
ジン回転パルスの基準位置からスピル位置までのカウン
ト数と、その1パルス分に満たない余り角度を演算する
と共に、この余り角度を時間換算し余り角度時間を演算
する余り角度時間演算手段(A6)と、この余り角度時間演
算手段(A6)により演算される基準位置からスピル位置ま
でのカウント数と余り角度時間とに基づきスピル弁(A2)
を駆動制御するスピル弁制御手段(A7)とを具備するディ
ーゼルエンジンの燃料噴射量制御装置において、上記ス
ピル弁制御手段(A7)で演算される実スピル角度と、上記
要求スピル角度演算手段(A4)で演算されるスピル弁(A2)
の開弁角度(要求スピル角度)とを比較し、実スピル角
度と要求スピル角度との差に応じて実スピル角度を補正
するスピル角度補正手段(A8)を設けたことを特徴とする
ものである。
【0011】
【作用】上記構成において、要求スピル角度演算手段(A
4)で演算される要求スピル角度は、例えばエンジン回転
速度,アクセル開度,冷却水温等に基づきマイクロコン
ピュータが演算するものであり、エンジン回転検出手段
(A5)が有する誤差(前記した回転角歯車の加工誤差等)
の影響を受けず演算されるものである。
【0012】これに対して、スピル弁制御手段(A7)で演
算される実スピル角度は、余り角度時間演算手段(A6)に
おいてエンジン回転検出手段(A5)から出力されるエンジ
ン回転パルスとに基づき演算される基準位置からスピル
位置までのカウント数及びその1パルス分に満たない余
り角度に基づき演算されるため、エンジン回転検出手段
(A5)が有する誤差の影響を受けたものである。
【0013】よって、要求スピル角度と実スピル角度と
の間に、エンジン回転検出手段(A5)が有する誤差に起因
してバラツキが発生する。
【0014】スピル角度補正手段(A8)は、スピル弁制御
手段(A7)で演算される実スピル角度と、要求スピル角度
演算手段(A4)で演算される要求スピル角度とを比較し、
実スピル角度と要求スピル角度との差に応じて実スピル
角度を補正するため、要求スピル角度と実スピル角度と
の間におけるバラツキの発生を防止することができる。
【0015】
【実施例】次に本発明の実施例について図面と共に説明
する。
【0016】図2はこの実施例における過給機付ディー
ゼルエンジンの燃料噴射量制御装置を示す概略構成図で
あり、図3はその分配型燃料噴射ポンプ1を示す断面図
である。燃料噴射ポンプ1はディーゼルエンジン2のク
ランク軸40にベルト等を介して駆動連結されたドライ
ブプーリ3を備えている。そして、そのドライブプーリ
3の回転によって燃料噴射ポンプ1が駆動され、ディー
ゼルエンジン2の各気筒(この場合は4気筒)毎に設け
られた各燃料噴射ノズル4に燃料が圧送されて燃料噴射
を行う。
【0017】燃料噴射ポンプ1において、ドライブプー
リ3はドライブシャフト5の先端に取付けられている。
又、そのドライブシャフト5の途中には、ベーン式ポン
プよりなる燃料フィードポンプ(この図では90度展開
されている)6が設けられている。更に、ドライブシャ
フト5の基端側には円板状のパルサ7が取付けられてい
る。このパルサ7の外周面には、ディーゼルエンジン2
の気筒数と同数の、即ちこの場合4個の切歯が等角度間
隔で形成され、更に各切歯の間にはクランク角度にし
て、3.75度毎に突起(歯)が等角度間隔で形成され
ている。そして、ドライブシャフト5の基端部は図示し
ないカップリングを介してカムプレート8に接続されて
いる。
【0018】パルサ7とカムプレート8との間には、ロ
ーラリング9が設けられ、同ローラリング9の円周に沿
ってカムプレート8のカムフェイス8aに対向する複数
のカムローラ10が取付けられている。カムフェイス8
aはディーゼルエンジン2の気筒数と同数だけ設けられ
ている。又、カムプレート8はスプリング11によって
常にカムローラ10に付勢係合されている。
【0019】カムプレート8には燃料加圧用プランジャ
12の基端が一体回転可能に取付けられ、それらカムプ
レート8及びプランジャ12がドライブシャフト5の回
転に連動して回転される。即ち、ドライブシャフト5の
回転力がカップリングを介してカムプレート8に伝達さ
れることにより、カムプレート8が回転しながらカムロ
ーラ10に係合して、気筒数と同数だけ図中左右方向へ
往復駆動される。又、この往復運動に伴ってプランジャ
12が回転しながら同方向へ往復駆動される。つまり、
カムプレート8のカムフェイス8aがローラリング9の
カムローラ10に乗り上げる過程でプランジャ12が往
復(リフト)され、その逆にカムフェイス8aがカムロ
ーラ10を乗り下げる過程でプランジャ12が復動され
る。
【0020】プランジャ12はポンプハウジング13に
形成されたシリンダ14に嵌挿されており、プランジャ
12の先端面とシリンダ14の底面との間が高圧室15
となっている。又、プランジャ12の先端側外周には、
ディーゼルエンジン2の気筒数と同数の吸入溝16と分
配ポート17が形成されている。又、それら吸入溝16
及び分配ポート17に対応して、ポンプハウジング13
には分配通路18及び吸入ポート19が形成されてい
る。
【0021】そして、ドライブシャフト5が回転されて
燃料フィードポンプ6が駆動されることにより、図示し
ない燃料タンクから燃料供給ポート20を介して燃料室
21内へ燃料が供給される。又、プランジャ12が復動
されて高圧室15が減圧される吸入行程中に、吸入溝1
6の一つが吸入ポート19に連通することにより、燃料
室21から高圧室15へと燃料が導入される。一方、プ
ランジャ12が往動されて高圧室15が加圧される圧縮
行程中に、分配通路18から各気筒毎の燃料噴射ノズル
4へ燃料が圧送されて噴射される。
【0022】ポンプハウジング13には、高圧室15と
燃料室21とを連通させる燃料溢流(スピル)用のスピ
ル通路22が形成されている。このスピル通路22の途
中には、高圧室15からの燃料スピルを調整する溢流調
整弁としての電磁スピル弁23が設けられている。この
電磁スピル弁23は常開型の弁であり、コイル24が無
通電(オフ)の状態では弁体25が開放されて高圧室1
5内の燃料が燃料室21へスピルされる。又、コイル2
4が通電(オン)されることにより、弁体25が閉鎖さ
れて高圧室15から燃料室21への燃料のスピルが止め
られる。
【0023】従って、電磁スピル弁23の通電時間を制
御することにより、同弁23が閉弁・開弁制御され、高
圧室15から燃料室21への燃料のスピル調量が行われ
る。そして、プランジャ12の圧縮行程中に電磁スピル
弁23を開弁させることにより、高圧室15内における
燃料が減圧されて、燃料噴射ノズル4からの燃料噴射が
停止される。つまり、プランジャ12が往動しても、電
磁スピル弁23が開弁している間は高圧室15内の燃料
圧力が上昇せず、燃料噴射ノズル4からの燃料噴射が行
われない。又、プランジャ12の往動中に、電磁スピル
弁23の閉弁・開弁の時期を制御することにより、燃料
噴射ノズル4からの燃料噴射量が制御される。
【0024】ポンプハウジング13の下側には、燃料噴
射時期を調整するためのタイマ装置(この図では90度
展開されている)26が設けられている。このタイマ装
置26は、ドライブシャフト5の回転方向に対するロー
ラリング9の位置を変更することにより、カムフェイス
8aがカムローラ10に係合する時期、即ちカムプレー
ト8及びプランジャ12の往復駆動時期を変更するため
のものである。
【0025】このタイマ装置26は油圧により駆動され
るものであり、タイマハウジング27と、同ハウジング
27内に嵌装されたタイマピストン28と、同じくタイ
マハウジング27内一側の低圧室29にてタイマピスト
ン28を他側の加圧室30へ押圧付勢するタイマスプリ
ング31等とから構成されている。そして、タイマピス
トン28はスライドピン32を介してローラリング9に
接続されている。
【0026】タイマハウジング27の加圧室30には、
燃料フィードポンプ6により加圧された燃料が導入され
るようになっている。そして、その燃料圧力とタイマス
プリング31の付勢力との釣り合い関係によってタイマ
ピストン28の位置が決定される。又、タイマピストン
28の位置が決定されることにより、ローラリング9の
位置が決定され、カムプレート8を介してプランジャ1
2の往復動タイミングが決定される。
【0027】タイマ装置26の燃料圧力、即ち制御油圧
を調整するために、タイマ装置26にはタイミングコン
トロールバルブ33が設けられている。即ち、タイマハ
ウジング27の加圧室30と低圧室29とは連通路34
によって連通されており、同連通路34の途中にタイミ
ングコントロールバルブ33が設けられている。このタ
イミングコントロールバルブ33は、デューティ制御さ
れた通電信号によって開閉制御される電磁弁であり、同
タイミングコントロールバルブ33の開閉制御によって
加圧室30内の燃料圧力が調整される。そして、その燃
料圧力調整によって、プランジャ12のリフトタイミン
グが制御され、各燃料噴射ノズル4からの燃料噴射時期
が調整される。
【0028】ローラリング9の上部には、電磁ピックア
ップコイルよりなるエンジン回転検出手段としての回転
数センサ35がパルサ7の外周面に対向して取付けられ
ている。この回転数センサ35はパルサ7の突起等が横
切る際に、それらの通過を検出してエンジン回転数NE
に相当するタイミング信号、即ち所定のクランク角度毎
の回転角度信号としてのエンジン回転パルスを出力す
る。又、更に、この回転数センサ35は、ローラリング
9と一体であるため、タイマ装置26の制御動作に関わ
りなく、プランジャリフトに対して一定のタイミングで
基準となるタイミング信号を出力する。
【0029】次に、ディーゼルエンジン2について説明
する。このディーゼルエンジン2ではシリンダ41、ピ
ストン42及びシリンダヘッド43によって各気筒毎に
対応する主燃焼室44がそれぞれ形成されている。又、
それら各主燃焼室44が、同じく各気筒毎に対応して設
けられた副燃料室45に連設されている。そして、各副
燃焼室45に各燃料噴射ノズル4から噴射される燃料が
供給される。又、各副燃焼室45には、始動補助装置と
しての周知のグロープラグ46がそれぞれ取付けらてい
る。
【0030】ディーゼルエンジン2には、吸気管47及
び排気管50がそれぞれ設けられ、その吸気管47には
過給機を構成するターボチャージャ48のコンプレッサ
49が設けられ、排気管50にはターボチャージャ48
のタービン51が設けられている。又、排気管50に
は、過給圧力PIMを調節するウェイストゲートバルブ
52が設けられている。周知のようにこのターボチャー
ジャ48は、排気ガスのエネルギーを利用してタービン
51を回転させ、その同軸上にあるコンプレンサ49を
回転させて吸入空気を昇圧させる。これによって、密度
の高い混合気を主燃焼室44へ送り込んで燃料を多量に
燃焼させ、ディーゼルエンジン2の出力を増大させるよ
うになっている。
【0031】又、ディーゼルエンジン2には、排気管5
0内の排気の一部を吸気管47の吸入ポート53へ還流
させる還流管54が設けられている。そして、その還流
管54の途中には排気の還流量を調節するエキゾースト
ガスリサキュレイションバルブ(EGRバルブ)55が
設けられている。このEGRバルブ55はバキュームス
イッチングバルブ(VSV)56の制御によって開閉制
御される。
【0032】更に、吸気管47の途中には、アクセルペ
ダル57の踏込量に連動して開閉されるスロットルバル
ブ58が設けられている。又、そのスロットルバルブ5
8に平行してバイパス路59が設けられ、同バイパス路
59にはバイパス絞り弁60が設けられている。このバ
イパス絞り弁60は、二つのVSV61,62の制御に
よって駆動される二段のダイヤフラム室を有するアクチ
ュエータ63によって開閉制御される。このバイパス絞
り弁60は各種運転状態に応じて開閉制御されるもので
ある。例えば、アイドル運転時には騒音振動等の低減の
ために半開状態に制御され、通常運転時には全開状態に
制御され、更に運転停止時には円滑な停止のために全閉
状態に制御される。
【0033】そして、上記のように燃料噴射ポンプ1及
びディーゼルエンジン2に設けられた電磁スピル弁2
3、タイミングコントロールバルブ33、グロープラグ
46及び各VSV56,61,62は要求スピル角度演
算手段、余り角度時間演算手段、スピル弁制御手段及び
要求スピル角度補正手段を構成する電子制御装置(以下
単に「ECU」という)71にそれぞれ電気的に接続さ
れ,、同ECU71によってそれらの駆動タイミングが
制御される。
【0034】運転状態を検出するセンサとしては、回転
数センサ35に加えて以下の各種センサが設けられてい
る。即ち、吸気管47にはエアクリーナ64の近傍にお
ける吸気温度THAを検出する吸気温センサ72が設け
られている。又、スロットルバルブ58の開閉位置か
ら、ディーゼルエンジン2の負荷に相当するアクセル開
度ACCPを検出するアクセル開度センサ73が設けら
れている。吸入ポート53の近傍には、ターボチャージ
ャ48によって過給された後の吸入空気圧力、即ち過給
圧力PIMを検出する吸気圧センサ74が設けられてい
る。更に、ディーゼルエンジン2の冷却水温THWを検
出する水温センサ75が設けられている。又、ディーゼ
ルエンジン2のクランク軸40の回転基準位置、例えば
特定気筒の上死点に対するクランク軸40の回転位置を
検出するクランク角センサ76が設けられている。更に
又、図示しないトランスミッションには、そのギアの回
転によって回されるマグネット77aによりリードスイ
ッチ77bをオン・オフさせて車両速度(車速)SPを
検出する車速センサ77が設けられている。
【0035】そして、ECU71には上述した各センサ
72〜77がそれぞれ接続されると共に回転数センサ3
5が接続されている。又、ECU71は各センサ35,
72〜77から出力される信号に基づいて、電磁スピル
弁23、タイミングコントロールバルブ33、グロープ
ラグ46及びVSV56,61,62等を好適に制御す
る。
【0036】次に、前述したECU71の構成につい
て、図4のブロック図に従って説明する。ECU71は
中央処理装置(CPU)81、所定の制御プログラム及
びマップ等を予め記憶した読み出し専用メモリ(RO
M)82、CPU81の演算結果等を一時記憶するラン
ダムアクセスメモリ(RAM)83、予め記憶されたデ
ータを保存するバックアップRAM84、所定のクロッ
ク信号を生成するクロック92等と、これら各部と入力
ポート85及び出力ポート86等とをバス87によって
接続した論理演算回路として構成されている。
【0037】入力ポート85には、前述した吸気温セン
サ72、アクセル角度センサ73、吸気圧センサ74及
び水温センサ75が、各バッファ88,89,90,9
1、マルチプレクサ93及びA/D変換器94を介して
接続されている。同じく、入力ポート85には、前述し
た回転数センサ35、クランク角センサ76及び車速セ
ンサ77が、波形整形回路95を介して接続されてい
る。そして、CPU81は入力ポート85を介して入力
される各センサ35,72〜77等の検出信号を入力値
として読み込む。又、出力ポート86には各駆動回路9
6,97,98,99,100,101を介して電磁ス
ピル弁23、タイミングコントロールバルブ33、グロ
ープラグ46及びVSV56,61,62等が接続され
ている。
【0038】また、本実施例では、出力ポート86、駆
動回路96を介して電磁スピル弁23に向け出力したス
ピル弁駆動信号(この信号は実スピル角度に相当する)
を、バッファ102を介して再びECU71に入力する
構成としたことを特徴としている。
【0039】そして、CPUI81は各センサ35,7
2〜77から読み込んだ入力値に基づき、電磁スピル弁
23、タイミングコントロールバルブ33、グロープラ
グ46及びVSV56,61,62等を好適に制御す
る。
【0040】次に、前述したECU71により実行され
る燃料噴射量制御動作について図5及び図6を用いて説
明する。図5に示すフローチャートは、ECU71によ
り実行される、本発明の特徴となる実スピル角度補正処
理を示している。尚、この燃料噴射時間演算処理は燃料
の噴射毎に実行される。
【0041】図5に示される実スピル角度補正処理が起
動すると、先ずステップ10(図ではステップをSと略
称する)において、回転数センサ35から出力されるエ
ンジン回転パルスに基づき求められるエンジン回転数N
E、及びアクセル開度センサ73から求められるアクセ
ル開度ACCPに基づき燃料噴射量SPVが求められ
る。
【0042】続くステップ12においては、ステップ1
0で求められた燃料噴射量SPVに基づき燃料噴射を開
始する噴射開始角度ANGSPS(即ち電磁スピル弁2
3をオンする角度)と、燃料噴射を終了する噴射開終了
位置である要求スピル角度ANGSPV(即ち電磁スピ
ル弁23をオフするスピル位置)を演算する。
【0043】いま、前記したパルサ7に形成されている
突起(歯)が加工誤差の発生が無く正規に形成されたこ
とを想定し、この加工誤差が無い状態における要求スピ
ル角度ANGSPVと噴射開始角度ANGSPSを図6
(A)に示す。いま、パルサ7が理想的に加工形成さ
れ、かつディーゼルエンジン2が一定の回転数で回転し
ている場合、エンジン回転パルスは同一周期で定常的に
発生する。いま、この同一周期で定常的に発生するパル
スの周期を正規パルス時間TNINT0 とすると、パル
サ7に加工誤差が無い場合には各パルスのパルス時間T
NINT0 〜TNINT3 は正規パルス時間TNINT
Eと等しくなる(TNINT0 =TNINT1 =TNI
NT2 =TNINT3 =TNINTE)。また、正規パ
ルスをクランクアングルに換算した値は、前記のように
3.75°CA(以下、これを正規パルス角度ANGINT
0 という)となる。
【0044】しかるに、パルサ7に加工誤差が発生して
いる場合には、回転数センサ35から出力されるエンジ
ン回転パルスに変動が生じる。図6(B)はパルサ7に
加工誤差が発生している場合における要求スピル角度と
噴射開始角度との関係を示している。同図に示すよう
に、パルサ7に加工誤差が発生している場合には、ディ
ーゼルエンジン2が一定の回転数で回転している状態で
あってもエンジン回転パルスに変動が生じ、同図の例に
おいては第2パルスに変動が生じている。このエンジン
回転パルスの変動は、具体的にはパルサ7に形成されて
いる突起(歯)の歯幅(本例においては第2パルスを発
生させた歯の歯幅)が、正規な歯の歯幅より長く或は短
く形成加工されたことに起因する。
【0045】一方、上記したようにステップ12で演算
される要求スピル角度ANGSPV及び噴射開始角度A
NGSPSはエンジン回転数NEに基づき演算され、ま
たこのエンジン回転数NEは回転数センサ35から出力
されるエンジン回転パルスに基づき求められる。従っ
て、パルサ7に加工誤差が発生している場合、この加工
誤差がステップ12で求められる要求スピル角度ANG
SPV及び噴射開始角度ANGSPSに影響を及ぼすか
どうかが問題となる。
【0046】しかるに、エンジン回転数NEは所定時間
内に回転数センサ35から出力されるエンジン回転パル
スのパルス数に基づき演算されるものであり、加工誤差
が生じていてもパルサ7に形成されている歯数は加工誤
差の無いパルサと同一歯数であるため、演算されるエン
ジン回転数NEが上記加工誤差により影響を受けること
はない。従って、ステップ12で演算される要求スピル
角度ANGSPV及び噴射開始角度ANGSPSは、パ
ルサ7の加工誤差に影響を受けない高い精度を有した値
となっている。
【0047】上記のようにステップ12において噴射開
始角度ANGSPS及び要求スピル角度ANGSPVが
求められると、続くステップ14ではこの各値に基づき
スピル時パルス数CANGLa及び余り角θREMが算
出される。
【0048】ここで、スピル時パルス数CANGLa及
び余り角θREMを、エンジン回転パルスが正規であっ
たものとして図6(A)を用いて説明する。スピル時パ
ルス数CANGLaとは、基準位置から要求スピル角度
ANGSPVを含むエンジン回転パルス(本実施例では
第3パルスがこれに該当する。尚、以下のこのパルスを
スピル時パルスという)の1パルス前までのパルス数を
いう。また、余り角θREMとは、スピル時パルスの立
ち上がり位置から要求スピル角度ANGSPVまでのク
ランクアングルをいう。更に、本実施例において基準位
置とは、回転数センサ35から出力されるエンジン回転
パルスの内、パルサ7の回転に伴い切歯形成位置の次に
形成された突起(歯)により出力されるパルスの立ち上
がり位置をいうものとする(本実施例では第0パルスの
立ち上がり位置を基準位置としている)。
【0049】従って、要求スピル角度ANGSPVは上
記のスピル時パルス数CANGLa, 余り角θREM,
及び正規パルス角度ANGINT0 を用いて下式のよう
に示される。
【0050】 ANGSPV=ANGINT0 ×CANGLa+θREM … 続くステップ16では余り時間TθREMを演算する。
ここで、余り角度時間TθREMとはステップ14で求
められた余り角度θREMを時間換算したものである。
この余り時間TθREMを演算するには、先ずスピル時
パルス(本実施例では第3パルス)より1パルス前のパ
ルス時間TNINT2 を演算する。そして、求められた
パルス時間TNINT2 及びステップ14で求められた
余り角θREMを用いることにより、余り時間TθRE
Mは下式により求めることができる。
【0051】 TθREM=(θREM×TNINT2 )/ANGINT0 … ここで、余り時間TθREMを正確に演算するには、ス
ピル時パルスのパルス時間TNINT3 を求め、これに
基づき余り角度θREMを時間換算し、余り時間TθR
EMを演算する必要がある。しかる、式においてスピ
ル時パルスより1パルス前のパルス時間TNINT2
基づき余り時間TθREMを演算する構成としたのは次
の理由による。
【0052】即ち、実際のスピル時パルス時間TNIN
3 は、スピル時パルスの次のエンジン回転パルス(第
4パルス)が発生した時点でなければ求めることはでき
ない。これに対し、燃料噴射の終了時である要求スピル
角度ANGSPVは第4パルスの発生時前に存在するた
め、余り角度時間TθREMの演算は第4パルスの発生
時前に演算する必要がある。よって、余り時間TθRE
Mの演算は、第3パルスの発生時において演算すること
が可能なスピル時パルスの直前の第2パルスのパルス時
間TNINT2 に基づき演算する構成としている。
【0053】また、エンジン回転は変動するものであ
り、このエンジン回転変動はある特定のエンジン回転パ
ルスから急激に生じるのではなく、エンジン状態によっ
て漸次生じるものである。従って、仮にスピル時パルス
から離れたエンジン回転パルスのパルス時間に基づいて
余り角度時間TθREMを演算した場合、求められる余
り角度時間TθREMは実際の余り角度時間TθREM
に対して大きな差が生じてしまうおそれがある。これに
対して、スピル時パルスの直前の第2パルスのパルス時
間TNINT2 は、スピル時パルス時間TNINT3
近似した時間となっている。このため、このスピル時パ
ルスの直前のパルス時間TNINT2 に基づき余り角度
時間TθREMを演算することにより、上記の式で演
算される余り角度時間TθREMを実際の余り角度時間
TθREMに近付けることができる。
【0054】上記の如くステップ16において余り角度
時間TθREMが演算されると、処理はステップ18に
進む。ステップ18においては、ステップ16で求めら
れた余り角度時間TθREMに基づき燃料噴射時間TS
PVが演算される。ここで、燃料噴射時間TSPVと
は、基準位置より燃料噴射が停止されるまでの時間をい
う。いま、ステップ14で求められるスピル時パルス数
CANGLaを時間換算した値をTCANGLaとする
と、燃料噴射時間TSPVは下式で示される。
【0055】 TSPV=TCANGLa+TθREM … 但し、TCANGLa=TNINT0 +TNINT1 +TNINT2 … ここで、エンジン回転パルスを生成するパルサ7が正規
の場合と、加工誤差を有する場合との夫々において、ス
テップ18で演算される燃料噴射時間TSPVの値につ
いて図6を用いて考察する。
【0056】先ず、パルサ7に加工誤差の生じていない
正規状態(図6(A)に示す状態)の場合について考察
する。パルサ7に加工誤差が無い場合には、前記したよ
うにエンジン回転パルスは同一周期で定常的に発生す
る。従って、余り角度時間TθREMを演算する基準と
なる第3パルスのパルス時間TNINT2 は正規パルス
時間TNINT0 と等しくなっている。従って、ステッ
プ16で演算される余り角度時間TθREMも精度の高
い値となっており、ステップ18で演算される燃料噴射
時間TSPVは、ステップ12で演算された要求スピル
角度ANGSPVと一致している。
【0057】これに対し、パルサ7に加工誤差が生じて
いる誤差発生状態(図6(B)に示す状態)の場合、次
のような問題点が生じる。いま、パルサ7に発生した加
工誤差により、図6(B)に示されるように第2パルス
に異常が発生したとして説明する。
【0058】同図に示される例においては、ステップ1
0及びステップ12の処理に基づきステップ14におい
てスピル時パルス数CANGLaが(CANGLa=
3)と演算される。このステップ10乃至ステップ14
で実施される処理は、エンジン回転数NE,アクセル開
度ACCP等により求められるものであり、演算される
結果にはパルサ7の加工誤差分は反映されていないこと
は前述した通りである。
【0059】続くステップ16においては余り角度時間
TθREMが演算されるが、この余り角度時間TθRE
Mは、前記のようにスピル時パルス(第3パルス)より
1パルス前のエンジン回転パルス(第2パルス)のパル
ス時間TNINT2 に基づき演算される。しかるに、第
2パルスには異常が発生しており、そのパルス時間(以
下、この異常が発生した第2パルスのパルス時間を(T
NINT2 ) MISSという)は正規のパルス時間TNIN
TEと異なっている。
【0060】従って、ステップ16において、この異常
が発生した第2パルスのパルス時間(TNINT2 )
MISSに基づいて演算される余り角度時間も、実際の余り
時間に対して相違した値となる(以下、(TNIN
2 ) MISSに基づいて演算された余り角度時間を(Tθ
REM) MISSという)。
【0061】更に、ステップ18においては、スピル時
パルス数CANGLaを時間換算した値が求められ、こ
の値と余り角度時間(TθREM) MISSに基づき燃料噴
射時間TSPVが算出されるが、第2パルスのパルス時
間(TNINT2 ) MISSが正規のパルス時間と相違して
いることにより、スピル時パルス数CANGLaを時間
換算した値(この値を(TCANGLa) MISSという)
は、下式の値となる。
【0062】 (TCANGLa) MISS=TNINT0 +TNINT1 +(TNINT2 ) MISS …… 従って、パルサ7に加工誤差誤差が発生している場合の
燃料噴射時間を(TSPV) MISSとすると、この燃料噴
射時間を(TSPV) MISSは下式で示される値となる。
【0063】 (TSPV) MISS=(TCANGLa) MISS+(TθREM) MISS … そして、電磁スピル弁23はこの燃料噴射時間(TSP
V) MISSに基づき生成されるスピル弁駆動信号により駆
動制御される。
【0064】ここで、図6(A)の正規状態と図6
(B)の誤差発生状態を比較すると、正規の状態におい
て演算される燃料噴射時間TSPVと、誤差発生状態に
おいて演算される燃料噴射時間(TSPV) MISSとの間
に差が生じる。
【0065】誤差発生状態はパルサ7に加工誤差が発生
しているのみであり、これによりディーゼルエンジン2
を最適状態で駆動するため機関状態により決定される燃
料噴射時間TSPVが変化することはない。よって、誤
差発生状態においてもディーゼルエンジン2を最適状態
で駆動するための燃料噴射時間はTSPVである。しか
るに、誤差発生状態においては、実際の電磁スピル弁2
3の駆動はパルサ7の加工誤差の影響が反映された燃料
噴射時間(TSPV) MISSに基づいて行われる。従来に
おいては、このパルサ7の加工誤差の影響が反映された
燃料噴射時間(TSPV) MISSに基づいて燃料噴射が行
われていたためサージの発生やトルク変動の発生を誘発
していた。
【0066】本実施例においては、図4を用いて説明し
たように、電磁スピル弁23に送信されるスピル弁駆動
信号(この信号は燃料噴射時間(TSPV) MISSと等価
である)をECU71内に入力信号として取り込める構
成となっている。従って、実際に電磁スピル弁23を駆
動するための信号であるスピル弁駆動信号を取り込ん
で、これとステップ12で演算される要求スピル角度A
NGSPVを比較し、その差に基づき要求スピル角度A
NGSPVを補正することにより、パルサ7の加工誤差
に影響されない燃料噴射時間を演算することが可能とな
る。
【0067】図5におけるステップ20乃至ステップ2
4は要求スピル角度ANGSPVを補正するための処理
である。
【0068】ステップ20では、ステップ18で演算さ
れた燃料噴射時間を角度に換算し実スピル角度ANGS
PVACTを演算する処理を行う。このように燃料噴射
時間を角度に換算するのは、要求スピル角度ANGSP
Vのディメンションが角度であるのに対し、ステップ1
8で演算された燃料噴射時間のディメンションは時間で
あるため、両者を比較できるように両者を同じディメン
ションとするためである。実スピル角度ANGSPVA
CTは下式で示される。
【0069】 ANGSPVACT=(TSPV) MISS/ANGINT0 … 続くステップ22においては、ステップ12で演算され
た要求スピル角度ANGSPVと、ステップ20で演算
された実スピル角度ANGSPVACTとの差ΔANG
SPV(以下、この差をスピル角度差という)を演算す
る。ΔANGSPVは、下式により演算される。
【0070】 ΔANGSPV=|ANGSPVACT−ANGSPV| … スピル角度差ΔANGSPVが演算されると、ステップ
22では、このスピル角度差ΔANGSPVが所定の値
αを越えているかどうかが判断される。上記の説明から
明らかなように、スピル角度差ΔANGSPVの値が大
きい程サージやトルク変動が発生し易い。よって所定の
値αは、サージやトルク変動が問題とならない限界のス
ピル角度差に設定されている。
【0071】ステップ22において肯定判断がされる
と、即ちスピル角度差ΔANGSPVの値がサージやト
ルク変動を発生させる値以上であると判断されると、処
理はステップ24に進み要求スピル角度ANGSPVの
補正処理が行われる。具体的には、要求スピル角度AN
GSPVの補正は下式に基づき実施される。
【0072】 ANGSPVACT=ANGSPVACT+ΔANGSPV/k … 但し、kは定数 上記の式において、スピル角度差ΔANGSPVを実
スピル角度ANGSPVACTに直接その全てを加算す
るのではなく、スピル角度差ΔANGSPVを定数kに
より除算した上で実スピル角度ANGSPVACTに加
算補正する構成としたのは、実スピル角度ANGSPV
ACTが急激に変化することによるディーゼルエンジン
駆動の急激な変動を防止するためである。このような所
謂なまし処理を行うことにより、パルサ7の加工誤差に
起因した燃料噴射量のバラツキを滑らかに所望の値に近
づけることができる。
【0073】尚、ステップ22において否定判断がされ
た場合、即ちスピル角度差ΔANGSPVの値がサージ
やトルク変動を伴わない程度であると判断された場合に
は、要求スピル角度ANGSPVを補正することなく処
理を終了する構成とした。
【0074】燃料噴射処理においては、上記した一連の
処理により補正された実スピル角度ANGSPVを再び
時間換算し燃料噴射時間TSPVを求め、この値に基づ
き電磁スピル弁23を制御して燃料噴射を停止する。こ
の構成とすることにより、噴射される燃料量をステップ
10で求められた燃料噴射量SPVに極めて精度よく一
致させることが可能となり、パルサ7の加工精度に拘わ
らず燃料噴射量制御を高精度に行うことができる。
【0075】ところで、本実施例で採用したいわゆるフ
ェイスカム型の燃料噴射ポンプ1に代えて、燃料をより
高い圧力で加圧できるインナーカム型の燃料噴射ポンプ
を採用した場合、燃料圧力が上昇することにより電磁ス
ピル弁23のオン・オフ制御をより精度よく行う必要が
生じる。
【0076】これは、燃料圧力が上昇することにより燃
料噴射ノズル4から噴射される単位時間当たりの噴射量
は増大し、電磁スピル弁23のオン・オフのタイミング
が所定のタイミングより若干ずれただけで、噴射される
燃料量は演算された既定の噴射量から大きく相違してし
まうことに起因する。従って、電磁スピル弁23のオン
・オフのタイミングの精度が悪い場合、最適エンジン制
御は不可能となり、エミッションの悪化及び大きなエン
ジン回転変動等が生じてしまう。
【0077】これに対し、本願構成の燃料噴射量制御装
置は、燃料噴射時間TSPVを極めて精度良く設定で
き、従って電磁スピル弁23のオン・オフのタイミング
を高精度に設定することができる。よって、本願構成の
燃料噴射量制御装置を採用することにより、上記のよう
に供給する燃料圧力が高い燃料噴射ポンプを採用しても
燃料噴射量制御を高精度かつ確実に行うことができる。
【0078】尚、上記した実施例においては、余り角度
θREMを時間変換して余り角度時間TθREMを求
め、これに基づき電磁スピル弁23のオフのタイミング
(即ちスピル位置)を高精度に設定する構成としたが、
この処理を噴射開始位置ANGSPSにおいても適用し
電磁スピル弁23のオンタイミングをより高精度に設定
する構成としてもよい。この構成とすることにより、電
磁スピル弁23のオン・オフのタイミングを共に高精度
に設定することが可能となり、特に上記のように燃料圧
力が高い燃料噴射ポンプにおいて精度の高い燃料噴射量
制御が可能となる。
【0079】
【発明の効果】上述の如く本発明によれば、要求スピル
角度と実スピル角度との間に、エンジン回転検出手段が
有する誤差に起因してバラツキが発生しても、スピル角
度補正手段により、実スピル角度と要求スピル角度との
差に応じて実スピル角度が補正されるため、要求スピル
角度と実スピル角度との間におけるバラツキの発生を防
止でき、これにより精度の高い燃料噴射量制御を行うこ
とが可能となる等の特長を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理図である。
【図2】本発明の一実施例である過給付ディーゼルエン
ジンの燃料噴射量制御装置を説明する概略構成図であ
る。
【図3】本発明の一実施例における燃料噴射ポンプを拡
大して示す断面図である。
【図4】本発明の一実施例におけるECUの構成を示す
ブロック図である。
【図5】ECUにより実行される実スピル角度補正処理
を示すフローチャートである。
【図6】スピル時パルス時間及び燃料噴射時間の求め方
を説明するための図である。
【符号の説明】
1 燃料噴射ポンプ 2 ディーゼルエンジン 4 燃料噴射ノズル 6 燃料フィードポンプ 7 パルサ 8 カムプレート 9 ローラリング 10 カムローラ 12 燃料加圧用プランジャ 21 燃焼室 22 スピル通路 23 電磁スピル弁 26 タイマ装置 35 回転数センサ 40 クランク軸 41 シリンダ 42 ピストン 48 ターボチャージャ 57 アクセルペダル 58 スロットルバルブ 71 ECU 73 アクセル開度センサ 76 クランク角センサ 81 CPU 82 ROM 83 RAM SPV :燃料噴射量 ANGSPS :噴射開始角度 ANGSPV :要求スピル角度 ANGSPVACT:実スピル角度 CANGLa :スピル時バルス数 TCANGLa :CANGLaを時間換算した値 θREM :余り角度 TθREM :余り角度時間 TSPV :燃料噴射時間

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ディーゼルエンジンの発生する駆動力に
    より燃料を加圧し、該加圧された燃料をスピル弁により
    噴射量を制御しつつディーゼルエンジンに圧送する燃料
    噴射ポンプと、 該ディーゼルエンジンの運転状態に応じ決定される燃料
    噴射量に基づき、燃料噴射終了時期に相当する該スピル
    弁の開弁角度(要求スピル角度)を演算する要求スピル
    角度演算手段と、 該ディーゼルエンジンの一定クランク角毎にエンジン回
    転パルスを出力するエンジン回転検出手段と、 該要求スピル角度演算手段により演算される該スピル弁
    の開弁角度(要求スピル角度)と、一定のクランク角毎
    に該エンジン回転検出手段から出力されるエンジン回転
    パルスとに基づき、該エンジン回転パルスの基準位置か
    らスピル位置までのカウント数と、その1パルス分に満
    たない余り角度を演算すると共に、該余り角度を時間換
    算し余り角度時間を演算する余り角度時間演算手段と、 該余り角度時間演算手段により演算される基準位置から
    スピル位置までのカウント数と余り角度時間とに基づき
    該スピル弁を駆動制御するスピル弁制御手段とを具備す
    るディーゼルエンジンの燃料噴射量制御装置において、 該スピル弁制御手段で演算される該実スピル角度と、該
    要求スピル角度演算手段で演算される該スピル弁の開弁
    角度(要求スピル角度)とを比較し、該実スピル角度と
    該要求スピル角度との差に応じて該実スピル角度を補正
    するスピル角度補正手段を設けたことを特徴とするディ
    ーゼルエンジンの燃料噴射量制御装置。
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