JPH07133126A - ガラス加熱炉の搬送ロール - Google Patents

ガラス加熱炉の搬送ロール

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JPH07133126A
JPH07133126A JP27384593A JP27384593A JPH07133126A JP H07133126 A JPH07133126 A JP H07133126A JP 27384593 A JP27384593 A JP 27384593A JP 27384593 A JP27384593 A JP 27384593A JP H07133126 A JPH07133126 A JP H07133126A
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glass
layer
heating furnace
ceramic surface
surface layer
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JP27384593A
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Otojiro Kida
音次郎 木田
Shigemi Katori
茂美 香取
Masashi Kudo
雅司 工藤
Yoko Suzuki
陽子 鈴木
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AGC Inc
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Asahi Glass Co Ltd
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B35/00Transporting of glass products during their manufacture, e.g. hot glass lenses, prisms
    • C03B35/14Transporting hot glass sheets or ribbons, e.g. by heat-resistant conveyor belts or bands
    • C03B35/16Transporting hot glass sheets or ribbons, e.g. by heat-resistant conveyor belts or bands by roller conveyors
    • C03B35/18Construction of the conveyor rollers ; Materials, coatings or coverings thereof
    • C03B35/186End caps, end fixtures or roller end shape designs
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
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    • C03B35/181Materials, coatings, loose coverings or sleeves thereof

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  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Re-Forming, After-Treatment, Cutting And Transporting Of Glass Products (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】アルカリ浸食や結晶化による凹凸ができず、異
物が付着せず、搬送されるガラス製品に欠点を導入しな
い、耐用の優れたガラス加熱炉の搬送ロール1を提供す
る。 【構成】粗面化した耐熱金属のスリーブ2の外周に中間
の熱膨張係数を有する金属の中間層3を介してAl2
3 質、安定化ZrO2 質、Al23 −TiO2質など
のセラミックス表面層4を溶射して設け、耐熱金属のス
リーブ2の内側をガス流で冷却する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、主に板ガラスを加熱加
工するのに使用されるガラス加熱炉用の搬送ロール、特
には、強化炉、曲げ強化炉または加熱曲げ炉用に好適な
板ガラスの搬送ロールに関する。
【0002】
【従来の技術】自動車の窓ガラスや建築用の板ガラスを
曲げ加工したり強化したりするため、強化炉、加熱曲げ
炉、曲げ強化炉等が使用されている。これらのガラス加
熱炉では、板ガラスを加熱して軟化させた後、板ガラス
をその自重によって型表面に倣うように変形させて曲げ
加工し、あるいは表面を急冷却して強化している。
【0003】板ガラスを加熱するガラス加熱炉には、定
置式の加熱炉と連続移動式の加熱炉があり、前者のガラ
ス加熱炉は、板ガラス1枚毎または板ガラス群毎に曲げ
型とともに炉内に入れて加熱するもので、後者の加熱炉
は、加熱炉中へ板ガラスを連続的に送りながら加熱し、
曲げ型上に配置して曲げ、さらに必要に応じて強化する
ものである。
【0004】後者のガラス加熱炉の中には、板ガラスを
搬送ロールにより搬送しながら加熱する炉と、板ガラス
を台座の小孔から吹き出す空気流によって浮上(エアフ
ローティング)させ、非接触の状態で搬送しながら加熱
する炉とがある。
【0005】後者の連続移動式の加熱炉は生産性が高い
ので加工ガラスの量産に適しており、これらのガラス加
熱炉で板ガラスと接触状態で使用される搬送ロールに
は、通常石英ガラスの粉体の泥漿を鋳込成形した後焼成
した石英ガラス質の、非常に小さい熱膨脹係数(0.5
×10-6/℃)を有していて耐熱衝撃性に優れ、冷却す
る必要がない搬送ロールが使用されている。
【0006】量産に適した連続移動式の加熱炉では、各
種形状ならびに高曲率の曲げ板ガラスが大量に生産さ
れ、加工された板ガラスには疵や付着物のない高い品質
が要求される。しかしながら、これらの炉に使用されて
いる石英ガラス質の材料の搬送ロールは、加熱炉で使用
される際に板ガラスから発生するアルカリ成分の蒸気に
よって浸食を受ける(石英ガラスはアルカリ成分に弱
い)他、アルカリ成分が搬送ロールの表面に付着すると
650℃程度以上の温度において表面の石英ガラスが結
晶化する。
【0007】アルカリ浸食と搬送ロールの表面の結晶化
によってその表面肌が荒れ、表面に凹凸が生じると炉内
の浮遊物が搬送ロール表面に付着あるいは堆積する傾向
が生じ、搬送ロールの凹凸が板ガラスに転写されたり、
搬送ロールに付着した異物が板ガラスに再付着すること
によって加工される板ガラスの品質と歩留りが低下する
原因となっている。このため、使用途中の搬送ロールの
表面については細心の管理を必要とし、現状では搬送ロ
ールのメンテナンスに要する負担が大きい。
【0008】また、加工される板ガラスの品質と歩留り
を安定して確保するために搬送ロールの再研摩や取替を
頻繁に行えば、それだけ生産ラインの生産性の低下、す
なわちコスト増大の不利を余儀なくされる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は従来技
術が有する前述の問題点を解決し、加熱されつつ搬送さ
れる板ガラス等から発生するアルカリ成分と反応しにく
く、耐アルカリ浸食抵抗性を有し、長期間に亘って平滑
な表面状態を維持し得るガラス加熱炉用搬送ロールを提
供しようとするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は前述の課題を達
成すべくなされたものであり、本発明のガラス加熱炉の
搬送ロールは、耐熱金属のスリーブの外周面に中間層と
セラミックス表面層の順に溶射層が設けられ、中間層が
耐熱金属のスリーブとセラミックス表面層の中間の熱膨
張係数を有する金属層であり、セラミックス表面層がA
23 質、安定化ZrO2 質、Al23 −TiO2
質、Al23 −ZrO2 質、Al23 −SiO2
質、ZrO2 −SiO2 質のいずれか1つのセラミック
スからなり、かつ耐熱金属のスリーブの内側がガス流に
より冷却されていることを特徴とする。
【0011】本発明のガラス加熱炉の搬送ロールでは、
ロール自体と搬送されるガラスの重量を支える耐熱金属
製のスリーブが使用時にクリープ変形しないように、か
つ強い冷却を施すことにより熱損失が大きくならないよ
うに、また、搬送される板ガラスなどが搬送ロールによ
って実質的に冷却されないように、加熱炉内の温度に近
い温度(600〜700℃)に搬送ロールの表面温度を
保つように水より冷却の利きを緩くできるガス流、好ま
しくは空気流により冷却している。
【0012】また、好ましくは耐熱金属製のスリーブの
表面をAl23 やSiCの砥粒でサンドブラスト処理
して粗面化し、中間層の溶射による密着性を確保する。
耐熱金属のスリーブの表面に細かいV字溝を刻んでおい
てからサンドブラスト処理すれば、密着性のさらに良好
な粗面が得られる。
【0013】また、セラミックス表面層の熱膨張係数と
耐熱金属のスリーブの熱膨張係数にはかなりの差がある
(耐熱金属のスリーブの熱膨張係数の方が大きい)の
で、密着性を高め、かつ熱膨張係数の差による大きな熱
応力の発生を抑えてセラミックス表面層が剥離しないよ
うに、両者の間には中間の熱膨張係数を有する金属の中
間層が溶射されている。
【0014】本発明の搬送ロールでは、セラミックス表
面層がAl23 質、安定化ZrO2 質、Al23
TiO2 質(Al23 とTiO2 を主成分とする複合
体を意味する。以下同じ。)、Al23 −ZrO2
質、Al23 −SiO2 質、ZrO2 −SiO2 質の
いずれか1つのセラミックスとされている。これらのセ
ラミックスはいずれも十分な耐熱性があり、アルカリ成
分に対する耐食性に優れ、硬度が大きいので傷がつきに
くく、金属材料への溶射が比較的容易である。また、使
用温度において搬送される軟化したガラスに全く粘着せ
ず、優れた耐用の搬送ロールが得られる。
【0015】セラミックス表面層、特にZrO2 を多く
含むセラミックス表面層の熱伝導性は小さいので、耐熱
金属のスリーブの温度はセラミックス表面層の表面温度
と比べて低くなる。
【0016】Al23 −TiO2 質セラミックスは、
好ましくは2〜15重量%のTiO2 を含むものであ
り、3Al23 ・2SiO2 (ムライト)などを含む
Al23 −SiO2 質のものも使用できる。ZrO2
質セラミックスは、例えば安定化剤としてCaO、Mg
O、Y23 、CeO2 の1種以上を加えて安定化され
たものが好ましく使用できる。また、2種以上のセラミ
ックスの複合系、例えばAl23 −ZrO2 質(例え
ばAl23 /ZrO2 重量比が5/95〜50/50
のもの)やZrO2 ・SiO2 (ジルコン)を含む熱膨
張係数の小さいセラミックスもセラミックス表面層とし
て使用することができる。
【0017】溶射用セラミックス粉末は粒径が20〜1
00μmのものとするのが好ましい。溶射用セラミック
ス粉末の粒径が100μmより大きいと高温のプラズマ
ガス中で半溶融状態となりにくく、また、粒径が20μ
mより小さいとプラズマ溶射時に高温のプラズマガス中
に分散してガス流によって運び去られてしまい、金属の
下地に付着しにくくなる。
【0018】溶射用セラミックス粉末は、例えば、次の
ようにして作る。先ず、調合したセラミックス原料粉末
をボールミル中で混合あるいは粉砕し、任意の形状に成
形して電気炉中で焼成する。得られた焼成物を粉砕し、
分級して100〜20μmの粉末とする。または、上記
の調合粉末に水を媒体として加え、ボールミル中で混合
あるいは粉砕し、得られた泥漿をスプレードライするこ
とによって得た造粒を焼成して粒径100〜20μmの
顆粒とする。また、調合したセラミックス原料粉末を電
気溶融し、得られた冷却塊を粉砕して所要の粒度に分級
してもよい。
【0019】金属の中間層および/またはセラミックス
表面層は、好ましくはプラズマ溶射法により、耐熱金属
のスリーブ上に形成する。プラズマ溶射には、例えばA
r、Ar+H2 等の高温プラズマガスを使用し、溶射粉
末を半溶融状態にしつつプラズマガスにより上記耐熱金
属のスリーブ上に溶射して付着させ溶射層を形成する。
プラズマ溶射法にはガスプラズマ溶射、水プラズマ溶
射、減圧プラズマ溶射等があり、これらを溶射する材料
に応じて選ぶことができる。かくして、厚さが0.2〜
2mmのセラミックス表面層は、適切な中間層を耐熱金
属のスリーブの外周に形成しておくことによって形成が
可能となる。
【0020】金属の中間層を好ましくは複数の層、より
好ましくは2層とし、セラミックス表面層に近い側の中
間層の熱膨張係数が耐熱金属のスリーブに近い側の中間
層の熱膨張係数より小さくすれば、耐熱金属のスリーブ
とセラミックス表面層の間の熱膨張係数の差による大き
な熱応力の発生を抑えることができ、セラミックス表面
層の剥離を確実に避けられる。セラミックス表面層に最
も近い中間層の熱膨張係数とセラミックス表面層の熱膨
張係数の差の絶対値は、優れた密着性を得るために好ま
しくは2×10-6/℃以内とする。熱膨張が直線的でな
い場合、本発明では熱膨張係数として室温と800℃と
の間の平均熱膨張係数を採る。
【0021】金属の中間層には、例えば、Mo、Ti、
Ni、Nb、Ta、W、Ni- Al系、Ni- Cr系、
Ni- Cr- Al系、Ni- Cr- Al- Y系、Ni-
Co- Cr- Al- Y系などの金属または合金が使用で
きる。中間層の厚さは、好ましくは50〜200μm
(中間層が複数層の場合には合計の厚さ)とする。中間
層が50μmより薄いとセラミックス表面層と耐熱金属
のスリーブとの間の熱応力の緩和効果が不十分な場合が
あり、200μmより厚くしても溶射に時間がかかるだ
けで特にメリットはない。
【0022】中間層の金属は、密着性を高めるために耐
熱金属のスリーブとセラミックス表面層の熱膨張係数に
応じて変えるのが好ましい。例えば、耐熱金属のスリー
ブに使用可能な材料には、HK40、HH、ステンレス
などの鋼があり、これらの金属材料の熱膨張係数は16
〜18×10-6/℃である。
【0023】また、セラミックス表面層がZrO2 を主
成分とするセラミックス(熱膨張係数10〜12×10
-6/℃)である場合、中間層の好ましい熱膨張係数は1
2〜14×10-6/℃であり、該当する材料には、N
i、Ni- Al系、Ni- Cr系、Ni- Cr- Al
系、Ni- Cr- Al- Y系、Ni- Co- Cr- Al
-Y系等の金属または合金がある。このようにセラミッ
クス表面層と耐熱金属のスリーブとの間の熱膨脹係数の
差が小さい場合には中間層は1層のみで足りる。
【0024】中間層を2層としたときの耐熱金属のスリ
ーブに近い側の中間層をA層とし、セラミックス表面層
に近い側の中間層をB層とするとき、例えばセラミック
ス表面層をAl23 質(熱膨張係数7〜8×10-6
℃)セラミックスとする場合、中間層A層の好ましい熱
膨張係数は12〜15×10-6/℃であり、該当する材
料には、Ni、Ni- Al系、Ni- Cr系、Ni- C
r- Al系、Ni- Cr- Al- Y系、Ni- Co- C
r- Al- Y系等の金属または合金がある。また、この
場合におけるB層の好ましい熱膨張係数は7〜10×1
-6/℃であり、該当する材料にはTi、Nb等の金属
がある。
【0025】金属の中間層を3層以上の構成とする場
合、セラミックス層に近い熱膨張係数をもつ中間層と耐
熱金属のスリーブに近い熱膨張係数を有する中間層を熱
膨張係数を傾斜して配列させた中間層とするとさらにセ
ラミックス表面層の密着性が向上する。
【0026】金属の中間層とセラミックス表面層の溶射
には、プラズマ溶射法を採用するのが好ましい。その理
由は、プラズマ溶射法では溶射材料を高温で溶射するの
で耐熱性のある材料も溶射でき、溶射を非酸化性雰囲気
で行うことが可能であり、高温で酸化されやすい材料を
酸化されないように溶射することができる。また、中間
層とセラミックス表面層の両方を同じ溶射装置を使用し
て溶射できる。
【0027】搬送ロールの表面粗度、すなわちセラミッ
クス表面層の表面粗度は、好ましくはRaで0.8〜3
μmとする。どの程度の表面粗度が好ましいかは、搬送
されるガラス製品に要求される平滑性や加熱されたガラ
スの軟化の程度によって変わるが、多くの場合Raを
0.8〜3μmの範囲内とすれば、搬送されるガラスの
高い品質を確保できる。また、プラズマ溶射されたセラ
ミックス表面層の組織は従来の石英ガラス質の搬送ロー
ルの組織と比べてきめが細かいので、搬送ロールの表面
をより滑らかに加工することができ、搬送されるガラス
製品の品質が向上する。
【0028】Raが0.8μm未満(さらに滑らか)に
加工されても、それ以上搬送されるガラスの品質を向上
する効果は得られず、Raが3μmより粗いと、搬送さ
れるガラスに高品質が要求される場合には製品の表面に
影響を及ぼす場合がある。また、粗い搬送ロール表面に
は異物が付着しやすく、付着した異物がさらに搬送され
るガラスに移される可能性もある。
【0029】表面が滑らかな、即ち粗度Raの小さい搬
送ロールは、セラミックス表面層を研削ホイールによっ
て円筒研削し、さらに必要に応じて研磨加工することに
よって得られる。
【0030】本発明のガラス加熱炉の搬送ロールは、搬
送されるガラスが板ガラスである強化炉、曲げ強化炉ま
たは曲げ加熱炉に特に好適な搬送ロールである。
【0031】
【実施例】以下本発明を実施例によって具体的に説明す
るが、本発明はこれらの実施例によってなんら限定され
るものではない。
【0032】図1は本発明の搬送ロールの一例の断面図
であり、図において1は搬送ロール、2は外周面がサン
ドブラスト加工された耐熱金属のスリーブ、3は金属の
中間層(アンダーコートともいう)、4はセラミックス
表面層、5は耐熱金属のスリーブ2の端面に取りつけた
エンドキャップ、6は冷却空気の出入口である。
【0033】試験例 耐熱合金鋼(HK40)のスリーブ(外径63.5mm
φ、内径55mmφ、長さ2181mm)の外周面をア
ルミナ砥粒によりサンドブラスト処理し、その上にNi
−Cr系合金(Ni/Crの重量比が8:2)の粉末を
プラズマ溶射(メテコ社製のプラズマ溶射装置を使用し
た。以下同じ。)して中間層Aとし、さらにその上にN
b粉末をプラズマ溶射して中間層Bとし、それぞれ約7
0μm、合わせて約140μmの厚さの中間層を形成し
た。また、Ni−Cr系合金(Ni/Crの重量比が
8:2)の中間層のみ(厚さ約100μm)としたもの
も作成した。
【0034】溶射して設けた金属の中間層の上に、表1
に示した各種組成(最初に記載された成分がバルク成
分)を有するセラミックス溶射粉末をプラズマ溶射して
厚さが0.3〜1.0mmのセラミックス表面層を形成
した。溶射して形成したセラミックス表面層を研削およ
び研摩加工し、表面の粗さRaを0.8〜2μmに仕上
げ、図1に示した構成の搬送ロールをそれぞれの種類に
ついて10本準備した。ZrO2 質セラミックスからな
るセラミックス表面層を設けた搬送ロールでは、金属の
中間層を一層のみとした。
【0035】比較例として、耐熱金属のスリーブに中間
層を形成しなかった搬送ロール、ガス流による冷却をし
ない搬送ロールおよび従来の石英ガラス質ロールを準備
し、それぞれ10本の搬送ロールを炉内温度が約650
℃のガラス曲げ強化炉の高温帯に取り付け、板ガラスの
搬送試験を行った。この試験では、厚さ5mmの各種の
形状を有する板ガラスを連続して14m/毎分の速度で
合計約2000m2 を加熱炉内に送り込んだ。
【0036】搬送ロールの評価は、その表面のアルカリ
による浸食の有無、凹凸の発生の有無、異物の付着の有
無、耐熱衝撃性、搬送されたガラスに導入された欠点の
有無等について行い、これらの結果を表2にまとめて示
した。
【0037】表1と表2から分かるように、従来の溶融
石英質ロール(例12)ではアルカリ浸食の進行が早
く、結晶化が起きることもあって表面に凹凸ができ、異
物の付着も認められ、結果として搬送される板ガラスに
多くの欠点を導入することが認められた。また、適切な
金属の中間層を設けなかった搬送ロール(例10)では
セラミックス表面層に亀裂や剥離が認められ、ガス冷却
を施さなかった例11の搬送ロールでガラスに欠点が導
入されたのは、搬送ロールに認められた若干のクリープ
変形に原因があると推定された。
【0038】一方、本発明の搬送ロールでは、セラミッ
クス表面層がアルカリで浸食されず、結晶化しないので
凹凸が発生せず表面が滑らかなので、異物等の付着もな
く、搬送された板ガラスに欠点が導入されず、高品質の
ガラス製品が安定して得られた。
【0039】
【表1】
【0040】
【表2】
【0041】
【発明の効果】本発明のガラス加熱炉の搬送ロールで
は、ガラスから発生するアルカリ蒸気に対して耐食性の
あるセラミックスのセラミックス表面層が設けてあるの
で浸食されず、既に安定な結晶であるので結晶化による
凹凸の発生がない。また、このセラミックス表面層が耐
熱金属のスリーブとの両者の中間の熱膨張係数を有する
中間層を介して形成してあるので、セラミックス表面層
の密着性がよく、セラミックス表面層に亀裂が生じた
り、剥離したりすることがない。
【0042】また、ガス流によって内部から適度の冷却
が利かせてあり、セラミックス表面層の熱伝導性が小さ
いので、搬送ロールの表面温度と搬送されるガラスとの
間の温度差が小さく、搬送ロールからの熱損失は僅かで
あり、搬送されるガラスが冷却を利かせた搬送ロールに
よって冷却されることもない。
【0043】これらの構成により本発明の曲げ加熱炉用
ロールは、実用上十分な耐熱性、耐熱衝撃性および強度
を有していて、ガラスから発生するアルカリ蒸気に対し
て十分な耐食性を示し、浸食による凹凸が発生せず、滑
らかな表面を保つので異物の付着がなく、搬送されるガ
ラスの表面に疵などの欠点をもたらすことがない。
【0044】かくして、本発明の曲げ加熱炉用ロール
は、自動車用ガラスまたは建築用板ガラスの強化炉、曲
げ強化炉または曲げ加熱炉用等のガラス搬送ロールとし
て長期間安定して使用でき、ガラス製品に欠点を導入す
ることなく高い生産性と歩留りが得られ、搬送ロールの
耐用の向上により、メインテナンスの手間が大巾に軽減
されるので、その産業上の利用価値は多大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の搬送ロールの一例を示す断面図
【符号の説明】
1:搬送ロール 2:耐熱金属のスリーブ 3:中間層 4:セラミックス表面層 5:金属のエンドキャップ 6:冷却空気の出入口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 陽子 神奈川県横浜市神奈川区羽沢町1150番地 旭硝子株式会社中央研究所内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】耐熱金属のスリーブの外周面に中間層とセ
    ラミックス表面層の順に溶射層が設けられ、中間層が耐
    熱金属のスリーブとセラミックス表面層の中間の熱膨張
    係数を有する金属層であり、セラミックス表面層がAl
    23 質、安定化ZrO2 質、Al23 −TiO2
    質、Al23 −ZrO2 質、Al23 −SiO2
    質、ZrO2 −SiO2 質のいずれか1つのセラミック
    スからなり、かつ耐熱金属のスリーブの内側がガス流に
    より冷却されていることを特徴とするガラス加熱炉の搬
    送ロール。
  2. 【請求項2】中間層が複数の金属層からなり、セラミッ
    クス表面層に近い側の金属層の熱膨張係数が耐熱金属の
    スリーブに近い側の金属層の熱膨張係数より小さくして
    ある請求項1に記載のガラス加熱炉の搬送ロール。
  3. 【請求項3】中間層および/またはセラミックス表面層
    がプラズマ溶射法により形成されたものである請求項1
    または2に記載のガラス加熱炉の搬送ロール。
  4. 【請求項4】粗面化された耐熱金属のスリーブの外周面
    に中間層が溶射されている請求項1〜3のいずれか1つ
    に記載のガラス加熱炉の搬送ロール。
  5. 【請求項5】セラミックス表面層の表面粗度がJISの
    Raで0.8〜3μmに加工されている請求項1〜4の
    いずれか1つに記載のガラス加熱炉の搬送ロール。
  6. 【請求項6】搬送されるガラスが板ガラスであり、搬送
    ロールが強化炉、曲げ強化炉または曲げ加熱炉に使用さ
    れるものである請求項1〜5のいずれか1つに記載のガ
    ラス加熱炉の搬送ロール。
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