JPH07132614A - インク供給装置 - Google Patents

インク供給装置

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Publication number
JPH07132614A
JPH07132614A JP30341693A JP30341693A JPH07132614A JP H07132614 A JPH07132614 A JP H07132614A JP 30341693 A JP30341693 A JP 30341693A JP 30341693 A JP30341693 A JP 30341693A JP H07132614 A JPH07132614 A JP H07132614A
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JP
Japan
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ink
ink tank
pressure
tank
recording head
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Application number
JP30341693A
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English (en)
Inventor
Kazuyuki Oda
和之 小田
Yoshihiko Fujimura
義彦 藤村
Junichi Yoshida
淳一 吉田
Atsushi Takagi
淳 高木
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Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 簡単な構成により、インクの収容効率を高
め、記録ヘッドへのインク供給性を高めるとともに、周
囲環境変化による影響を確実に抑えることができるイン
クジェット記録装置のインク供給装置を提供する。 【構成】 インクタンク1内にはインクが充填されてお
り、インクタンク1の内壁の一部には、弾性を有する弾
性部材が設けられている。また、弾性部材には、微小径
穴が設けられており、インクのミクロなメニスカスが形
成されている。インクの消費又は周囲環境の変化によっ
てインクタンク1内の圧力が相対的に減少する場合、弾
性体膜4は、インクタンク1の内部に向かって凸の状態
で張り出す。さらに圧力が低下すると、微小径穴3から
気泡がインクタンク1内に入り込み、インクタンク1内
の負圧をほぼ一定に保ち、良好な印字を補償する。イン
クタンク1内の圧力が増加する場合、弾性体膜4の凸状
態が減少する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インクジェット記録装
置において、記録ヘッドにインクを供給するインク供給
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、インクジェット記録装置において
用いられていたインク供給機構としては、記録ヘッドに
連通接続されるインクタンクの内部全域に、スポンジも
しくは繊維状材料であるフェルト等のインク吸収体を装
填し、このインク吸収体にインクをあらかじめ含浸保持
させておき、インク吸収体内のインクを記録ヘッドに供
給するようにしたものが知られている。
【0003】しかしながら、このタイプのインク供給機
構では、インク吸収体の毛細管力によってインクを保持
するので、インクタンクの内容積の約40%〜60%の
インク量しか使用することができず、使用効率が低い。
インクタンクの使用寿命を伸ばそうとすると、必然的に
インクタンクが大型化してしまい、小型化の要請に沿わ
ないという問題があった。
【0004】また、インクが消費されるにつれてインク
吸収体で保持されるインク量が減少すると、インク水頭
圧の減少から、インク吸収体に含浸したインクに作用す
る負圧が上昇し、記録ヘッドへのインクの供給が妨げら
れるという問題もある。このような現象が顕著になる
と、記録ヘッドにインクが供給されない状態でインクの
吐出動作が行なわれるため、結果的に印字ノズル部より
気泡が逆流し、画質欠陥を引き起こす。
【0005】このような問題を解決するため、例えば特
開昭62−231759号公報に記載されているインク
供給装置では、密閉したインクタンク内にインクのみを
充填し、このインクタンクと記録ヘッドとの間に圧力制
御弁を設けることによって、記録ヘッドに一定の圧力で
インクを供給している。また、特開平1−148559
号公報では、密閉したインクタンク内にインクのみを充
填し、毛管流路と溢れ溜めを設けることによって、イン
クタンク内の圧力を一定の負圧に保っている。
【0006】上述の圧力制御弁を設けるタイプのインク
供給装置では、微少な負圧の作用によって完全に開閉す
る制御弁を実際に作成することは非常に困難であり、装
置が大型化、高価格化してしまうという問題があった。
また、長期にわたり使用する場合には、制御弁の部分に
インクが固着し、開閉しなくなるというトラブルが発生
するなどの不具合があり、信頼性は低かった。
【0007】また、毛管流路と溢れ溜めを組み合わせた
タイプのインク供給装置では、印字の初期段階におい
て、インクタンク内のインクが消費されるにしたがって
インクタンク内の負圧が増加すると、毛細管を通じて空
気がインクタンク内に導入され、インクタンク内の負圧
値はほぼ一定に保たれ、インクタンク内のインクが記録
ヘッドに安定供給される。しかし、周囲の環境が変化
し、たとえばインクタンク内の上方空間の空気が膨張し
た場合、インクタンク内のインクは毛細管を通じて溢れ
溜めへ移動し、インクタンク内のインクが一時的に溢れ
溜め側へ退避することになる。そのため、記録ヘッドに
は溢れ溜め内のインクが形成する自由表面と記録ヘッド
部分との高低差分だけの正圧が発生することになる。こ
のような状態では、ヘッド面が少しでも汚れていると、
ノズルからのインク漏れを引き起こすというトラブルが
発生し、信頼性に欠けていた。また、密閉したインクタ
ンクに対して、かなりの長さの毛細管を介して溢れ溜め
を連通接続しているため、毛細管を適宜屈曲させる等、
装置構成が複雑化してしまう。さらに、インクタンク内
のインク消費にともなって、インクタンク内の負圧値が
増加したとしても、毛細管内にゴミや乾燥したインクが
詰まると、毛細管からの気泡の導入が不確実になってし
まう。この結果、インクタンク内の負圧値が不安定にな
りやすく、記録ヘッドにインクを安定供給することが難
しいという問題があった。
【0008】また、例えば特開平4−296566号公
報に記載されているように、インクタンク内の貯蔵容器
浮き袋にインクのみを充填し、インクタンク下部にバブ
ル発生器を設けることによって、インクタンク内をある
範囲の負圧に保持する方法が開発されている。しかし、
この方法では、周囲環境が大幅に変化し、貯蔵容器浮き
袋のアキュムレータ機能を超えてしまうようなアクシデ
ントが発生すると、インクタンク内は大気圧になってし
まい、インクタンク下部のバブル発生器を通して、多量
のインクが漏れるという事態が発生する。インク漏れの
ひどいときには、プリンタとのコンタクト部などにイン
クが付着することによって、プリンタの故障を招くとい
うこともあった。また、インクタンクをプリンタ上から
外し、放置したような場合には、インクタンクは様々な
姿勢で放置されることになる。このようなとき、インク
タンク下部のバブル発生器とインクが接触していない場
合があり、その場合には、バブル発生器に付着したイン
クが固化してしまい、バブル発生器が動作しなくなるな
どのトラブルが発生した。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述した事
情に鑑みてなされたもので、装置構成の簡略化および小
型化という要請を満足させながら、インクの収容効率を
高め、記録ヘッドへのインク供給性を高めるとともに、
プリンタ本体搭載時にはもちろんのこと、どのような姿
勢に放置されても、周囲の環境変化による影響を確実に
抑えることができるインクジェット記録装置のインク供
給機構を提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、記録ヘッドに
インクを供給するインク供給装置において、インクが充
填されるインクタンクを有し、該インクタンクの内壁の
少なくとも一部は弾性を有する部材で構成されており、
前記弾性を有する部材にメニスカス形成部が設けられて
いることを特徴とするものである。
【0011】
【作用】本発明によれば、インク供給装置はインクが充
填されるインクタンクを有し、そのインクタンクの内壁
の少なくとも一部は弾性を有する部材で構成されてお
り、この弾性を有する部材の弾性力により、インクタン
ク内の圧力がある程度一定に保たれる。また、弾性を有
する部材にはメニスカス形成部が設けられている。この
メニスカス形成部に、インクタンク内のインクにより、
インクのミクロなメニスカスが形成される。
【0012】インクが消費され、あるいは、周囲環境の
変化によってインクタンク内の圧力が相対的に減少する
ときには、インクタンクの内壁の一部に設けられている
弾性を有する部材は、インクタンク内部に向かって凸の
状態で張り出す。さらにインクタンク内の圧力が低下す
ると、メニスカス形成部に形成されているインクのメニ
スカスが大気により押され、インクタンク内に空気が入
り込み、気泡となり、インクタンク内の体積を増加させ
て、インクタンク内の圧力を上昇させる。気泡の発生後
は、メニスカス形成部には再びインクの膜が形成され
て、メニスカスによる圧力バランスが保たれる。
【0013】周囲環境が変化し、インクタンク内の圧力
が相対的に増大するときには、インクタンクの内壁の一
部に設けた弾性を有する部材が、インクタンクの内部に
向かって凸の状態から徐々に凹むことによって、インク
タンク内部の負圧値はある一定の範囲に保たれる。この
ような動作により、記録ヘッドに適度な負圧が発生され
良好な印字が補償される。
【0014】
【実施例】図1は、本発明のインク供給装置の第1の実
施例を示す断面図である。図中、1はインクタンク、2
は大気連通口、3は微小径穴、4は弾性体膜、5はフィ
ルタ、6は記録ヘッド、7はマニホールドである。この
実施例では、インクタンク1と記録ヘッド6が一体に形
成された例を示している。
【0015】インクタンク1の筐体は、剛性を持ち、長
期のインク保持を可能にするため、耐インク性の良い材
料が選択される。インクタンク1内の側壁には、その一
部に微小径穴3を有する弾性体膜4が設けられている。
インクタンク1の側壁には、大気連通口2が設けられて
おり、弾性体膜4の変形により、弾性体膜4とインクタ
ンク1の側壁との間に大気が侵入できるように構成され
ている。インクタンク1の弾性体膜4の内部にインクが
収容されている。弾性体膜4としては、例えば、膜厚
0.6mmのネオプレンゴム等を用いることができる。
この他にも適度の弾性を有し、空気の透過を十分に阻止
し、インク耐性のあるものなら使用することが可能であ
る。例えば、ブチルゴム、ニトリルゴム、ウレタンゴ
ム、シリコンゴムなどが考えられる。弾性体膜4として
ゴム材を用いる際には、インクタンクの振動などによっ
て、弾性体膜4に設けられている微小径穴のインクメニ
スカスが破壊されないように、また強度的にもある程度
の膜厚が必要である。
【0016】弾性体膜4が有する微小径穴3には、イン
クタンク1内のインクによりメニスカスが形成される。
このメニスカスにおけるインクの表面張力によって、イ
ンクタンク1内の負圧を調整する。この微小径穴3は、
弾性体膜4のなるべく下部に設けることにより、インク
タンク1内にインクが残っている限り、微小径穴3はイ
ンクにより濡れた状態に保持され、微小径穴3に形成さ
れるメニスカスが破壊されることはない。微小径穴3の
径は、例えば、約70μmとすることができる。微小径
穴3は、レーザビーム加工、電子ビーム加工により形成
することができ、高精細な穴径を確保することができ
る。
【0017】弾性体膜4をゴムなどの材料を用いた場
合、インクタンク1内の圧力変化により弾性体膜4の形
状が変化し、伸縮する。これに伴い、微小径穴3の径も
変化する。しかし、この微小径穴3の径の変化は、イン
クタンク1内の圧力が高くなると径が小さくなり、空気
やインクの出入りを阻止し、インクタンク1内の圧力が
低下すると径が大きくなって、例えば気泡が侵入しやす
くなり、インクタンク1内の圧力低下を緩和するように
働く。そのため、微小径穴3の径の変化を、有効に用い
ることができる。微小径穴3の径が大きくなってもイン
クのメニスカスが良好に形成されるように、微小径穴3
の部分は撥水性を有するように構成するとよい。また、
微小径穴3は多数形成されるが、1つあるいは小数でも
よい。記録ヘッド6に適正な負圧を維持するためには、
微小径穴3の径を一定に保った方が有利な場合もある。
その時には、弾性体膜4の微小径穴3の部分を固めた
り、シールなどで伸縮しないように構成したり、あるい
は、別のメニスカス形成部材を用いることも考えられ
る。このような構成では、工程や部品点数が増加する
が、弾性体膜4の部小径穴3における強度を増し、耐久
性を向上させることができる。
【0018】インクタンク1の底面には、記録ヘッド6
と連通するマニホールド7が設けられている。また、イ
ンクタンク1とマニホールド7の接続部には、フィルタ
5が設けられており、インク中のゴミ、気泡などの異物
を捕集する。フィルタ5としては、例えば、濾過精度2
0μmのものが使用されている。この濾過精度は、記録
ヘッド6中のインク流路径よりも、大きい異物をトラッ
プするという考えから決定されている。記録ヘッド6に
は、図示しない多数のノズルが高密度で形成されてい
る。例えば、128個のノズルを300spiの密度で
形成することができる。各ノズルには、通電によって気
泡を発生させ、インク滴を噴射するための図示しない発
熱体が設けられている。図1においてインク滴の噴射は
下向きに行なわれる。記録ヘッド6の周囲には、記録ヘ
ッド6自身が取り付けられたヒートシンク、記録ヘッド
6に電気信号を供給するプリント配線基板等も存在して
いる。
【0019】図2、図3は、本発明のインク供給機構の
第1の実施例における動作の説明図である。図中の符号
は図1と同様である。工場出荷時において、インクタン
ク1にインクが充満され、弾性体膜4のインクタンク底
面近くに形成された微小径穴3には、インクのミクロな
メニスカスが形成されている。その後、記録ヘッド6か
らプライミングを行なうことによって、インクタンク1
内に初期負圧を発生させる。この状態において、記録ヘ
ッド6におけるインク圧力は、例えば、−20mmH2
Oとすることができる。このとき、インクタンク1の内
壁の弾性体膜4は、インクタンク1の内部に向かって凸
の状態となっている。この後、記録ヘッド6のノズル部
および大気連通口2には気密シールが貼られて、パッケ
ージングされる。
【0020】プリンタに装着され、記録ヘッド6で印字
が始まると、インクタンク1内の負圧は徐々に上昇す
る。それにともなって、図2(A)に示すように、弾性
体膜4は、その張力に逆らって、インクタンク内部に向
かってますます凸の状態で張り出してくる。弾性体膜4
の膨張にしたがって、膜上に形成されている微小径穴3
の開口径は徐々に増大して行く。インクタンク1内の負
圧値がある値以上になり、弾性体膜の膨張が進むと、図
2(B)に示すように、弾性体膜4の微小径穴3に形成
されたインクのミクロなメニスカスを通過して、インク
タンク1の内部に向かって気泡が発生し、インクタンク
1の内部に空気が導入される。この動作が繰り返し行な
われ、インクタンク1内部の負圧値の増加を抑え、イン
クタンク1内の負圧を一定に保つ。発生した気泡がイン
クタンク1内に取り込まれた後は、再びインクによって
メニスカスが微小径穴3に形成され、インクタンク1内
が大気に解放されることはない。
【0021】このとき、微小径穴3の直径をd、インク
タンク1内のインクの水頭圧をρgh、インクの界面張
力をγ、濡れ角をθとするとヘッドに生じる負圧Pneg
は以下のように書ける。 Pneg =4γcosθ/d−ρgh>0 …(1) ここで、インク水頭圧hは初期状態において最大値を示
すが、この際にもPnegは記録ヘッド6からのインク漏
れを防止するために、少なくとも0以上である必要があ
る。また、Pneg は、ノズルからのインクの噴射を妨げ
ない程度の負圧値である必要がある。あまりに負圧が高
いとノズルへのリフィルが阻害されるからである。毛細
管力の関係から、微小径穴の直径dは、ノズル直径より
も大きい必要がある。 Pneg <const.(安定インク噴射域) …(2) 式(1),(2)の関係を同時に満たすように、微小径
穴の直径dは選択される。
【0022】印字中に記録ヘッド6でのインク圧が−1
25mmH2 Oを超過すると、インクのリフィルを阻害
し、記録ヘッド6から吐出されるインク滴の量が減少し
て、かすれと呼ばれる印字画質の低下を起こすことが判
明している。図1に示した第1の実施例では、インクタ
ンク1内の高低差分のインク水頭圧しか、記録ヘッド6
にかかるインク静圧の変化はない。また、インク供給機
構中の抵抗成分が印字中に発生する圧力損失は、ベタ印
字時において30mmH2 O程度であることから、イン
ク残量が殆どない最悪状態における記録ヘッド圧力P
headは、次のように計算できる。 Phead=−20mmH2 O(初期負圧)−50mmH2
O(インクタンク高低差)−30mmH2 O(圧力損
失) =−100mmH2 O>−125mmH2 O このように、最悪状態における記録ヘッド圧力P
headは、−125mmH2 Oより大きいので、かすれは
生じず、インク残量、印字カバレッジがどのような状態
においても良好な印字が可能である。
【0023】印字が進行し、インクタンク1内部のイン
クの量が減少し、空気に置換されるにともなって、イン
クタンク1は周囲環境の変化を受けやすくなる。すなわ
ち、周囲の温度変化によって、インクタンク1内に導入
された空気は膨張又は収縮する。また、大気圧の変化に
より、インクタンク1内の空気の圧力は相対的に増加ま
たは減少する。
【0024】インクタンク1内に空気が導入された状態
で周囲環境が変化し、例えば、周囲の温度が低下し、あ
るいは、大気圧が上昇して、インクタンク1内の圧力が
相対的に減少するときには、インクが消費された場合と
同様に、弾性体膜4の微小径穴3に形成されたインクの
ミクロなメニスカスが、インクタンク内部に向かってシ
ャボン玉状に膨張し、気泡がインクタンク1に導入され
る。これにより、インクタンク1内の圧力の減少を緩和
し、インクタンク1の内部の負圧値は一定に保たれる。
【0025】また、周囲環境が変化し、例えば、周囲の
温度が上昇し、あるいは、大気圧が低下して、インクタ
ンク1内の圧力が相対的に増大するときには、図3に示
すように、インクタンク1の内部に向かって凸の状態で
張り出している弾性体膜4は、その張力によって、徐々
にその凸の状態が少なくなり、インクタンク1の内容積
が大きくなるので、インクタンク1内の圧力の増加が抑
えられ、インクタンク1の内部の負圧値はある一定の範
囲に保たれる。
【0026】周囲環境が大幅に変化し、弾性体膜4のア
キュムレータ機能を超えてしまうようなアクシデントが
発生した場合には、インクタンク1内は大気圧あるいは
大気圧を越えた圧力になってしまうが、弾性体膜4上の
微小径穴の径の方が、記録ヘッド6のインク流路の径よ
りも大きいため、インク漏れは常に微小径穴3から生
じ、漏れたインクは弾性体膜4とインクタンク1の壁と
の間に設けられている空間に収容される。そのため、記
録ヘッド6からインクが漏れ、プリンタ本体を汚染し故
障の原因になるといったことは生じない。このとき、大
気連通口2をなるべくインクタンク1の上部に設けた
り、大気連通口2に、空気を通し、インクを通さない膜
を設けておけば、漏れたインクが大気連通口2からイン
クタンク1の外へ漏れ出すことはない。微小径穴3から
漏れたインクは、周囲環境が正常に回復するとともに、
インクタンク1内部の負圧が増大するため、弾性体膜4
上の微小径穴3を通じて、弾性体膜4の内部に再導入さ
れる。
【0027】図4は、本発明のインク供給装置の第2の
実施例を示す断面図である。図中、図1と同様の部分に
は同じ符号を付して説明を省略する。8は板バネであ
る。上述の第1の実施例では、インクタンク1の壁面の
一部をゴム材等の弾性体の膜により構成したが、バネ等
の弾性力を有する部材を用いることも可能である。図4
(A)では、図1に示した構造のインクタンク1におい
て、弾性体膜4の代わりに板バネ8を用いている。板バ
ネ8は、インクタンク1の壁面に設けられた溝に少なく
とも一方がはめ込まれている。板バネ8は、インクタン
ク1内の負圧が大きくなるとともに、弾性力により変形
し、インクタンク1内に凸形状となる。この弾性力によ
って、安定した負圧を発生することが可能となる。しか
し、伸縮はしないので、板バネ8の溝にはめ込まれた一
端は、上下動することになる。インクの漏れを防ぐた
め、ポリエチレンフィルムやポリエステルフィルムなど
の材料を併せて用いることも可能である。微小径穴3
は、板バネ8に設けることもできるし、ポリエチレンフ
ィルムやポリエステルフィルムなどの部分に設けること
も可能である。板バネ8に微小径穴3を設けた場合に
は、微小径穴3がポリエチレンフィルムやポリエステル
フィルムなどにより覆われないように構成する必要があ
る。
【0028】図4(B)は、複数枚の板バネ8を山型に
構成した部材を弾性体膜4の代わりに用いた例を示して
いる。このような構成では、インクタンク1内の負圧の
増加による板バネ8の変形とともに、板バネ8同士の接
続部がインクタンク1の内側へ移動し、インクタンク1
内の体積を減少させ、負圧の増加を抑える。このとき、
板バネ8のインクタンク1との接続部は、図4(A)に
示した例のように移動しないので、シーリングが容易で
ある。もちろん、内側又は外側にポリエチレンフィルム
やポリエステルフィルムなどを用いることもできる。ま
た、このほかにも、バネを組み合わせて弾性体とした部
材を用いることが可能である。
【0029】図5は、本発明のインク供給装置の第3の
実施例を示す断面図である。図中、図1と同様の部分に
は、同じ符号を付して説明を省略する。9はインク移動
体である。図5に示したインク供給装置は、インクタン
ク1の内面を包み込むようにインク移動体9を設置した
ものである。このような構成によれば、インクタンク1
がプリンタ上から外され、いかなる姿勢に保持されて
も、インクタンク1の各コーナーに配置されたインク移
動体9は常にインクと接触している。そのため、常にイ
ンク移動体9によって微小径穴3にインクが供給され、
微小径穴3に形成されたインクメニスカスは良好な状態
に保たれている。よって、インクメニスカスが乾燥など
によって破壊され、インクタンク1内の圧力が大気に解
放されることはなく、インクが固化するなどのトラブル
も発生しない。また、外気温の上昇、または外気圧の減
少もしくは外気温の下降、または外気圧の増大などの環
境変動が生じた際にも、微小径穴3に形成されたインク
メニスカスは良好な状態に保たれ、負圧解除などの問題
は起こらない。そのため、ほぼ一定の負圧を保つことが
できる。インク移動体9を設置する際には、弾性体膜4
の動作に影響しないようにする必要がある。また、微小
径穴3で発生する気泡のインクタンク1内への導入を妨
げないようにする必要がある。
【0030】インク移動体9としては、ポリエステル繊
維を1次元状に紡績したポリエステルフェルト等を使用
することができる。また、インクとの毛細管力が適度
で、インク耐性のある材料であれば、ポリウレタン、メ
ラミンフォームなどの多孔性部材でも、2次元、3次元
状の繊維構造体などでも良い。
【0031】図6は、本発明のインク供給装置の第4の
実施例を示す断面図である。図中、図1と同様の部分に
は同じ符号を付して説明を省略する。10はインク移動
体である。図6に示したインク供給装置では、微小径穴
3からインクタンク1の各コーナーに伸びるインク移動
体10を設置している。これによって、インクタンク1
がプリンタ上から外され、いかなる姿勢に保持されて
も、インク移動体10の一部は常にインクと接触し、微
小径穴3にインクが供給される。よって、図5に示した
第3の実施例と同様、微小径穴3にインクが常に供給さ
れ、微小径穴3に形成されたインクのメニスカスは良好
な状態に保たれるので、インクのメニスカスが破壊され
てインクタンク1内の圧力が大気に解放されることはな
い。また、外気温の上昇、または外気圧の減少もしくは
外気温の下降、または外気圧の増大などの環境変動にも
対応することができ、ほぼ一定の負圧を保つことができ
る。
【0032】図7は、本発明のインク供給装置の第5の
実施例を示す断面図である。図中、図1と同様の部分に
は同じ符号を付して説明を省略する。11はインク移動
体である。図7に示したインク供給装置では、インク移
動体11をインクタンク1内のインク中に浮遊させる構
成としている。この例では、微小径穴3を弾性体膜4の
上部に設けた場合を示している。このとき、微小径穴3
は、インク量の減少とともに直接インクと触れなくなる
が、インク移動体11が常にインクと接し、インク移動
体11によりインクが微小径穴3に供給されるので、微
小径穴3に形成されるインクのメニスカスは破壊される
ことはない。また、インクタンク1がプリンタ上から外
され、いかなる姿勢に保持されても、インク移動体11
がインクの移動とともに移動し、常にインクと接触す
る。そのため、図5に示した第3の実施例と同様、微小
径穴3にインクが常に供給され、微小径穴3に形成され
たインクのメニスカスは良好な状態に保たれるので、イ
ンクメニスカスが破壊されてインクタンク1内の圧力が
大気に解放されることはない。さらに、外気温の上昇、
または外気圧の減少もしくは外気温の下降、または外気
圧の増大などの環境変動にも対応することができ、ほぼ
一定の負圧を保つことができる。
【0033】図8は、本発明のインク供給装置の第6の
実施例を示す斜視図である。図中の符号は図1と同様で
ある。この実施例では、円筒形状のインクタンクを有す
るインク供給装置の例を示している。インク供給装置
は、直方体状のインクタンクを有する構成の他、図8に
示すように、円筒形状のインクタンク1を有する構成と
することも可能である。また、別の形状でもよく、イン
クタンクの形状は様々な形態で実現可能であり、装着さ
れるプリンタに応じて設計することができる。
【0034】また、図8では、インクタンク1の側壁部
分をすべて弾性体膜4で構成している。しかし、一部の
みを弾性体膜4で構成することも可能である。このと
き、弾性体膜4の部分は、1ヶ所に限らず、複数箇所と
することもできる。さらに、微小径穴3を複数設ける場
合、1ヶ所にまとめて設けるほか、数箇所あるいは周状
に配置することもできる。
【0035】上述の各実施例におけるインク供給装置
は、プリンタに着脱自在に構成されるが、もちろん、プ
リンタに固定された構成であってもよい。また、上述の
各実施例では、記録ヘッドと一体型のインク供給装置を
示したが、これに限らず、別体としてもよい。このと
き、インクタンクのみを交換可能に構成したり、記録ヘ
ッドも交換可能に構成することもできる。インクの吐出
方向は、下向きのほか、横向きとすることもできる。
【0036】さらに、上述の各実施例は適宜組み合わせ
て構成することができる。例えば、図4に示した板バネ
を弾性体として用い、さらに図5や図6で示したインク
移動体を有するインク供給装置や、図8に示した円筒形
のインクタンクを用い、図7に示した浮遊するインク移
動体を用いたインク供給装置等を構成することができ
る。
【0037】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、インクタンクの内壁の一部に設けられた弾性
を有する部材の弾性力、及び、弾性を有する部材に設け
られたメニスカス形成部に形成されるメニスカスの表面
張力により、インクタンク内部をほぼ一定の負圧に保つ
ことが可能になっている。これにより、記録ヘッドに作
用するインク圧力の変動を適正な値の範囲内にとどめ、
インクの使用効率の向上を図り、周囲環境変化による影
響の抑制を両立することによって、信頼性を高め、高効
率なインクジェットプリンタのインク供給装置を提供す
ることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のインク供給装置の第1の実施例を示
す断面図である。
【図2】 本発明のインク供給機構の第1の実施例にお
ける動作の説明図である。
【図3】 本発明のインク供給機構の第1の実施例にお
ける動作の説明図である。
【図4】 本発明のインク供給装置の第2の実施例を示
す断面図である。
【図5】 本発明のインク供給装置の第3の実施例を示
す断面図である。
【図6】 本発明のインク供給装置の第4の実施例を示
す断面図である。
【図7】 本発明のインク供給装置の第5の実施例を示
す断面図である。
【図8】 本発明のインク供給装置の第6の実施例を示
す斜視図である。
【符号の説明】
1 インクタンク、2 大気連通口、3 微小径穴、4
弾性体膜、5 フィルタ、6 記録ヘッド、7 マニ
ホールド、8 板バネ、9〜11 インク移動体。
フロントページの続き (72)発明者 高木 淳 神奈川県海老名市本郷2274番地 富士ゼロ ックス株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 記録ヘッドにインクを供給するインク供
    給装置において、インクが充填されるインクタンクを有
    し、該インクタンクの内壁の少なくとも一部は弾性を有
    する部材で構成されており、前記弾性を有する部材にメ
    ニスカス形成部が設けられていることを特徴とするイン
    ク供給装置。
JP30341693A 1993-11-09 1993-11-09 インク供給装置 Pending JPH07132614A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007090731A (ja) * 2005-09-29 2007-04-12 Brother Ind Ltd インクカートリッジ

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007090731A (ja) * 2005-09-29 2007-04-12 Brother Ind Ltd インクカートリッジ

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