JPH07132495A - 基板分割装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 切断中におけるオペレータの安全性を高めな
がらも、金型による高圧、微速の切断により実装部品の
剥離、脱落を防止した良好な基板分割を実現でき、しか
も切断刃の損耗が少なくなり、耐用期間を延ばすことが
できる基板分割装置を提供する。 【構成】 プリント基板を着脱自在に支持する下金型を
支持してセットポジションとプレスポジションとの間を
横方向移動させるスライドテーブルと、該プレスポジシ
ョンにおいて昇降自在に支持され、該プレスポジション
に位置する上記下金型上に降下した時に支持した切断刃
により該下金型上の基板を分割する上金型とを備え、該
上金型は上記切断刃が上記基板に接する直前まで低圧、
高速で降下し、切断中は高圧、微速で降下する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はプリント基板を分割する
ための装置の改良に関し、詳細には安全性が高く、切断
時に実装部品に負荷がかからず、良好な切断を行うこと
ができる基板分割装置に関する。

【０００２】

【従来技術】表面実装型の部品を搭載するプリント基板
の製作においては、一枚の大面積の基板上に予め複数の
区画を形成し、各区画内に同一の回路素子を実装した後
で各各間の分割ラインに沿って基板を分割することによ
り、個別のプリント基板を得る所謂多面取り方法が採ら
れることが多く、この方法は量産効率向上を図る上で有
効である。

【０００３】従来の多面取り方法では、大面積のプリン
ト基板の区画間の境界線に沿ってミシン目、或はＶカッ
ト溝等を予め形成しておくことにより、人手、或は簡易
な治具により分割を行っていた。また、最近の部品実装
の手法としては、プリント基板上の配線パターン上にハ
ンダペーストを塗り、その上に部品を実装してから加熱
後、冷却することにより部品の固定を行うＳＭＴ実装方
式が一般であり、この方法により部品を実装した場合
に、上記ミシン目或はＶ溝に沿った分割を行うと、分割
時の基板の反り、及び跳ね上がりにより、実装した部品
が基板から剥離、或は脱落するという事態が発生し易く
なり、この点の改善が望まれていた。

【０００４】このような不具合をなくする為に、エンド
ミルカッタ（回転切削機）や大型プレス機を用いて分割
することが行われているが、いずれの切断方法にあって
も、切断時における実装部品の剥離、脱落を完全になく
することは困難であり、切断刃の損耗が早い等という問
題があった。また、従来方法においては、基板を切断装
置にセットする位置と、切断刃が作動して基板を切断す
る位置とが同一であるため、オペレータが誤って手や工
具を切断中の切断刃に向けて差し入れる等の事故が起き
る虞れがあった。

【０００５】

【発明の目的】本発明は上記に鑑みてなされたものであ
り、切断中におけるオペレータの安全性を高めながら
も、金型による高圧、微速の切断により実装部品の剥
離、脱落を防止した良好な基板分割を実現でき、しかも
切断刃の損耗が少なくなり、耐用期間を延ばすことがで
きる基板分割装置を提供することを目的としている。

【０００６】

【発明の概要】上記目的を達成するため本発明は、プリ
ント基板を着脱自在に支持する下金型を支持してセット
ポジションとプレスポジションとの間を横方向移動させ
るスライドテーブルと、該プレスポジションにおいて昇
降自在に支持され、該プレスポジションに位置する上記
下金型上に降下した時に支持した切断刃により該下金型
上の基板を分割する上金型とを備え、該上金型は上記切
断刃が上記基板に接する直前まで低圧、高速で降下し、
切断中は高圧、微速で降下することを特徴としている。

【０００７】

【発明の実施例】以下、添付図面に示した実施例により
本発明を詳細に説明する。図１及び図２は本発明の基板
分割装置の概略構成を示す平面図及び正面図であり、こ
の基板分割装置は、プリント基板Ｐを載置固定する下金
型１を上面に固定したスライドテーブル２と、該スライ
ドテーブル２を水平方向に移動可能に支持する為のガイ
ドレール３と、ガイドレール３を支持するステージ４
と、スライドテーブル２の底面に連結されてスライドテ
ーブルをガイドレール３に沿って水平方向に進退させる
ための駆動源となるエアシリダ５及びエアー電磁弁６ａ
と、スライドテーブル２が図２の実線で示すセットポジ
ションから点線で示すプレスポジションに移動して停止
した時にスライドテーブル２上の下金型１の上に降下し
て下金型上のプリント基板Ｐを切断するための上金型７
と、この上金型７を昇降自在に支持する機枠８と、機枠
８の上部に固定されて上金型７を支持する昇降台９を昇
降させる油圧ピストン（駆動源が油圧ポンプ６）１０
と、操作盤１１と、スライドテーブル２がセットポジシ
ョン側とプレスポジション側に夫々移動した時に、各方
向へ行き過ぎることを防止するために設けたショックア
ブソーバ１２、１３と、上金型７の降下により基板が分
割されたときの切り屑を受ける為の切り屑受け箱１４等
を有する。

【０００８】下金型１はスライドテーブル２上の固定領
域２ａに固定され、下金型１上には各区画間にミシン目
等の分割ラインを備えたプリント基板を載置固定する。
符号１５はスライドテーブル２の上面の適所から突設し
た位置合わせピンであり、この位置合わせピン１５はス
ライドテーブルがプレスポジションにある時に、降下し
てきた上金型７の位置合わせ穴７ａに嵌合することによ
り、上金型７に設けた各切断刃１６の刃先と基板側の分
割ラインとを一致させて、正確な切断を行わせるように
するためのものである。

【０００９】エアシリンダ５により進退可能に支持され
たロッド２０は、スライドテーブル２の底面から突出し
た突部２１に固定され、突部２１はステージ４に設けた
横方向に延びる開口２２から下方に突出することにより
ロッド２０と係合し、エアシリンダの作動により図面左
右方向に押圧されてセットポジションとプレスポジショ
ンとの間を進退可能となっている。符号２３は、ロッド
２０の根元を覆う切り屑よけの屋根であり、切り屑落下
穴２４から落下してくる切り屑がエアシリンダ等の上に
落下、付着することを防止する。上金型７は下面中央部
に凹所を有し、この凹所内には上記切断刃１６が下に向
けて突設固定され、プレスポジションに位置する下金型
１上の基板の分割ラインに沿って基板を分割する。尚、
下金型１にも図１に示す上向きの切断刃１７を設け、両
切断刃の間で基板を挟んで分割することとなる。スライ
ドテーブル２の位置の検知は、セットポジションとプレ
スポジショに夫々設けた光センサ、リミットスイッチ等
の検知手段２５、２６が行う。セットポジション側の検
知手段２５がスライドテーブルのセットポジションへの
進入を検知した時に、その旨を所定の表示手段等により
オペレータに報知するようにしたり、プレスポジション
側の検知手段２６によりスライドテーブルがプレスポジ
ションにあることが検知された時に、該プレスポジショ
ン内部を開閉自在に覆う図示しないカバーの開閉を禁止
するスイッチを作動させて、プレスポジション内部にア
クセスできないようにしてもよい。

【００１０】本発明の特徴的な構成は、上金型７を下金
型１上に向けて降下開始させる際には低圧（約１ｔ）に
て高速に降下せしめ、切断刃１６が基板に接する直前位
置に達した時点で高圧（約５ｔ）且つ微速に切り替えて
切断を行うように、油圧ピストン１０を制御するように
した点である。

【００１１】即ち、上記構成を備えた本発明の分割装置
による分割手順は次の通りである。まず、オペレータが
セットポジションにある下金型１の上に基板をセットし
てから操作盤１１上のスタートボタンをＯＮすると、エ
アー電磁弁６ａがエアシリンダを作動させてロッド２０
を図面右方向へ移動させるので、スライドテーブル２が
ガイドレール３に沿ってプレスポジションに移動して停
止する。続いて、油圧ピストン１０が作動を開始して昇
降台９を低圧、高速で降下させるので、昇降台９に支持
された上金型７は迅速に切断開始直前位置まで降下す
る。該位置に達した時点で、加圧力及び降下速度を、夫
々高圧、微速に切り替えて、分割を実行する。分割完了
後に、上金型７は低圧、高速にて上昇し、位置合わせピ
ン１５が穴７ａから離脱した後で、再びエアシリンダ５
の作動により、セットポジション側へ移動して停止す
る。オペレータはセットポジションに復帰した下金型１
から分割された基板を取り出して新たな基板をセットす
る。

【００１２】上記構成を有した本発明の装置によれば、
切断時における上金型が高圧且つ微速で降下する為、分
割の対象となる基板上に対して負荷がかからない状態で
分割することができるので、基板の反り、跳ね上がりに
起因した実装された部品の剥離、脱落がなくなり、また
切断面の状態も良好となる。また、プレス速度が微速で
ある為、切断刃の刃先の消耗も少なくて済む。また、オ
ペレータが切断工程に関与するのはセットポジションに
おける基板の着脱作業だけであり、切断が行われるプレ
スポジションではオペレータが関与する余地がない為、
安全性が高い。更に、切断中以外の昇降動作は、迅速に
行われる為、作業性が向上し量産性を高めることができ
る。また、金型の交換が容易であり、金型の変更に容易
に対応できる。

【００１３】

【発明の効果】以上のように本発明の基板の分割装置
は、セットポジションとプレスポジショとの間を進退可
能に支持されたスライドテーブル上に下金型及び基板を
載置し、プレスポジションにおいて昇降自在に支持され
た上金型を、該プレスポジションに移動してきた基板上
に降下させる際に、切断直前位置までは低圧、高速で降
下させ、切断開始から終了までは高圧、微速で降下させ
るようにしたので、実装部品の剥離、脱落のない良好な
基板分割を実現できる。また、切断刃の損耗が少なくな
り、耐用期間が延びる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例の構成を示す平面図。

【図２】本発明の一実施例の構成を示す正面図。

【符号の説明】

１ 下金型、２ スライドテーブル、３ ガイドレー
ル、４ ステージ、５ エアシリダ、６ 油圧ポンプ、
６ａ エアー電磁弁、７ 上金型、８ 機枠、９昇降
台、１０ 油圧ピストン、１１ 操作盤、１２、１３
ショックアブソーバ、１４ 切り屑受け箱、１５ 位置
合わせピン、１６ 切断刃、２０ ロッド、２１ 突
部、２２ 開口、２３ 切り屑よけの屋根、２５、２６
検知手段、

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 プリント基板を着脱自在に支持する下金
   型を支持してセットポジションとプレスポジションとの
   間を横方向移動させるスライドテーブルと、該プレスポ
   ジションにおいて昇降自在に支持され、該プレスポジシ
   ョンに位置する上記下金型上に降下した時に支持した切
   断刃により該下金型上の基板を分割する上金型とを備
   え、該上金型は上記切断刃が上記基板に接する直前まで
   低圧、高速で降下し、切断中は高圧、微速で降下するこ
   とを特徴とする基板分割装置。