JPH071315Y2 - 自動車用ウエザストリップ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は自動車用ウエザストリップ、特にスライディン
グサンルーフまわりに取付けるウエザストリップに関す
るものである。

［従来技術］ 第１図に示すように、スライディングサンルーフ１はル
ーフパネル４に設けた開口に前後方向へ移動可能に取付
けられ、開口を開放するときには後退せしめてルーフパ
ネル４の下面側に格納するようになっている。そして、
スライディングサンルーフ１まわりには閉時にルーフパ
ネル開口との間をシールするためのウエザストリップ２
が取付けられている。

このウエザストリップ２には一般に、その底面に下方へ
伸びる水切りリップを備えており、ウエザストリップ２
から漏れた水をリップ下方に設けたドリップ溝に導くよ
うになっている（実開昭56-49622号）。

ところで、自動車の高速走行時にはスライディングサン
ルーフには吸出され現象が生じ、特にその前部を持ち上
げる力が作用する。吸出されが生じるとシール力が低下
し、車室内から車室外への空気の吸出されによる風切り
音が発生するおそれがある。そこで、水切りリップとは
別に、先端がルーフ開口の開口縁に当接する風切り音防
止リップを形成する対策がなされている（実開昭64-343
28号）。

ところがこの風切り音防止リップは、スライディングサ
ンルーフの吸出されに対する抵抗となるが、同時にスラ
イディングサンルーフを前進後退せしめるときの抵抗と
なる。そこで、ウエザストリップの全周に形成した風切
り音防止リップを、吸出されにより持ち上げられるスラ
イディングサンルーフの前端縁部分のみを残し、他の部
分、即ち左右の両側縁および後端縁の部分を切除するこ
とがなされている。

第５図および第６図はその実例を示すもので、第５図は
前端縁部分の断面を、第６図は前端縁から側縁に至るコ
ーナ部を示す。ウエザストリップ２は水切りリップ23と
風切り音防止リップ24をわ備えており、この風切り音防
止リップ24は、ウエザストリップの前端部を残し、他の
部分では切除される。25はカット面である。なお、サン
ルーフ１はガラス板よりなる。吸出されにより持ち上げ
られる前端部ではリップ24はルーフパネル４の開口縁41
と圧接することで、シール性を維持するとともに持ち上
げに対する抵抗となる。一方、側面部ではリップ24は存
在しないからスライディングサンルーフ開閉時の抵抗は
増大しない。

［本考案が解決しようとする課題］ しかしながら、このウエザストリップでは、近接位置に
２本のリップが伸出するウエザストリップを、これ等リ
ップが正確な形状を保持するように押出成形するのは極
めて困難であり、かつ成形後に、一方のリップの不必要
部分をいちいちカッター等で切除しなければならず、作
業性がよくないという問題がある。

ここで本考案は、水切りと風切り音防止の役割を果すリ
ップを有し、かつ押出成形も容易で製造作業性も改善さ
れたウエザストリップを提供することを目的とするもの
である。

［課題を解決するための手段］ 本考案のウエザストリップは、四角形のスライディング
サンルーフまわりに取付けられる前端縁に沿って先端が
ルーフパネル開口縁に接し、中間部にくびれを形成して
薄肉とした水切り兼、風切り音防止用のシールリップを
備え、左右両側縁、および後端縁に沿って、上記シール
リップの根元側を延長した水切り専用のリップを備えて
おり、この水切りリップはウエザストリップの全周に形
成した上記構造のシールリップを薄肉部で引裂いて先端
側を除去することで形成する。

［作用、効果］ 本考案のウエザストリップは、リップは１本であって押
出成形が容易であり、かつリップの不必要部分は引裂き
により除去できるから、製造作業性が向上される。

［実施例］ 第１図ないし第３図に示す実施例において、自動車のル
ーフパネル４の開口を開閉するスライディングサンルー
フ１まわりに取付けるウエザストリップ２はゴムの押出
成形体で、ガラス板の上記スライディングサンルーフ
（以下、単にサンルーフという）１の外周を挟持すると
ともにサンルーフハウジング３のフランジ31に装着され
る基部21と、その外側面に形成されてルーフパネル４の
開口縁41に圧接される中空シール部22を備えている。

上記中空シール部22には、その前端縁2aおよびその両端
から左右の側縁2b、2cへ移るコーナ部にかけて、底面か
ら下方へ伸び屈曲して更に前方斜め下方へ伸びて先端が
上記開口縁41に圧接するシールリップ26が形成してあ
る。上記屈曲個所はくびれ状としてあって薄肉部28を形
成している。上記シールリップ26のうち、薄肉部28にて
区切られた根元部は、ウエザストリップ２の左右の両側
縁2b、2c、および後端縁2dへと一連に延びて水切りリッ
プ27を形成している。水切りリップ27は上記開口縁41と
は接触しない。

上記ウエザストリップは、シールリップ26を全長にわた
って有するウエザストリップを押出成形し、側縁2b、2c
の前端位置でシールリップ26を幅方向に薄肉部28までカ
ットし、薄肉部28を一方の側縁2bから後端縁2dへ更に他
方の側縁2cへと引裂き、シールリップ26の先端部を除去
することにより得られる。

しかしてこのウエザストリップ２においては、前端縁の
シールリップ26は自動車の高速走行時にサンルーフ１の
前部が吸出されたとき、開口縁41との摩擦抵抗で吸出さ
れを少なくするとともに、開口縁41との間のシール力に
より風切り音の発生を防止する。一方、両側縁2b、2cお
よび後端縁2dでは、たとえ水漏れが生じても水切りリッ
プ27により水をドリップ溝（図示略）へ導く。また両側
縁2b、2cの水切りリップは開口縁41と非接触であるか
ら、サンルーフ１を前進後退せしめるときに抵抗になる
ことはない。

特に本考案のウエザストリップは、リップ26、27は１本
で一連に形成されているから押出成形が容易であり、か
つ両側縁2b、2cおよび後端縁2dの水切りリップ27は一連
に形成されたリップを薄肉部28で引裂くことにより作業
性よく形成することができる。

第４図は他の実施例を示すもので基部21は断面Ｕ字形を
なし、この基部21により、合成樹脂板よりなり外周にフ
ランジ11を形成したサンルーフ１をそのフランジ11にお
いて保持している。他の構造および作用効果は上記実施
例と実質的に同一である。

【図面の簡単な説明】

第１図はスライディングサンルーフを有する自動車の斜
視図、第２図および第３図は本考案の第１の実施例を示
すもので、第２図は第１図のII-II線に沿う位置での断
面図、第３図は第１図のＣ部の斜視図、第４図は第２の
実施例を示すもので、第２図に対応する位置での断面
図、第５図および第６図は従来例を示すもので、第５図
は第２図に対応する位置での断面図、第６図は第３図に
対応する位置での斜視図である。 １……スライディングサンルーフ ２……ウエザストリップ 26……シールリップ 27……水切りリップ 28……薄肉部 ４……ルーフパネル 41……開口縁

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】自動車ルーフパネルに設けた開口を開閉す
   るスライディングサンルーフまわりに取付けるウエザス
   トリップであって、前端縁に沿って先端が上記開口の開
   口縁に接触し中間部にくびれを形成して薄肉としたシー
   ルリップを備え、左右の両側縁および後端縁に沿って上
   記シールリップよりも幅が狭く先端が上記開口縁とは非
   接触の水切りリップを備え、該水切りリップはウエザス
   トリップの全周に形成した上記シールリップを左右の両
   側縁および後端縁において上記薄肉部で引裂き、薄肉部
   よりも先端側を除去して成る自動車用ウエザストリッ
   プ。