JPH0713117B2 - コンタクトレンズ材料 - Google Patents

コンタクトレンズ材料

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JPH0713117B2
JPH0713117B2 JP10207887A JP10207887A JPH0713117B2 JP H0713117 B2 JPH0713117 B2 JP H0713117B2 JP 10207887 A JP10207887 A JP 10207887A JP 10207887 A JP10207887 A JP 10207887A JP H0713117 B2 JPH0713117 B2 JP H0713117B2
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contact lens
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lens material
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polyfunctional monomer
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JP10207887A
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輝夫 阪上
克一 町田
健一 国分
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呉羽化学工業株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はコンタクトレンズ材料に関し、更に具体的に
は、酸素透過性の良好な含フッ素重合体よりなるコンタ
クトレンズ材料に関する。
〔従来の技術およびその問題点〕
一般に視力矯正のためには眼鏡レンズと共にコンタクト
レンズが使用されているが、現在において、眼鏡の使用
者に比べてコンタクトレンズの着用者は少なく、この理
由は、従来多用されているコンタクトレンズ材料そのも
のに種々の問題があるためと考えられる。従来広く使用
されているコンタクトレンズの材料としては、ポリメチ
ルメタクリレートを挙げることができる。このポリメチ
ルメタクリレートは、機械加工が容易であり、しかも光
学的には透明性が高くかつ耐久性も優れている点におい
てはコンタクトレンズ材料として好ましいものである
が、一方、硬度が高すぎるために装用感が悪く、また酸
素透過率が低いために長時間装用することができないと
いう問題点を有する。
このような問題点を改善した軟質のレンズとして、含水
ゲル系レンズおよびシリコンゴム系レンズが提案されて
いる。しかし含水ゲル系レンズは、水分含有率が高いの
で酸素透過性が高くて良好な装用感が得られる点では好
ましいが、反面、強度が小さく、菌類の培地となり易い
等の欠点を有し、更に光学的に所期の特性を得ることが
困難であるという欠点も指摘されている。
また、シリコンゴム系レンズは軟質であって酸素透過性
も良好であるが、この物質は本質的に非湿潤性であるた
めにタンパク質や脂肪等による汚染が問題となり、しか
も角膜上での運動が妨げられるおそれがあって、事実当
該コンタクトレンズ装用者に角膜損傷等の重篤な障害が
発生した例が報告されている。
一方、酸素透過性の良好なコンタクトレンズ材料として
フッ素樹脂が知られており、例えば特開昭57−51705号
公報、特開昭56−118408号公報、特開昭59−19918号公
報、特公昭51−46614号公報、特開昭57−211119号公
報、特開昭54−29660号公報等には、フッ素化アクリレ
ートあるいはフッ素化メタクリレート等の共重合体が開
示され、また特開昭58−127914号公報には主鎖にパーフ
ルオロオキシアルキル基を導入した重合体が報告されて
いる。しかしながら、これらのコンタクトレンズ材料
は、酸素透過率、硬度、機械加工性、装用感等におい
て、必ずしも充分なバランスがとれた特性を有するもの
ではない。
〔発明の目的〕
本発明は、従来のコンタクトレンズ材料が有する種々の
欠点がなく、良好な酸素透過性を有すると共に、機械加
工性に優れ、また快適な装用感が得られるなど、良好で
バランスのとれた特性を有し、しかも容易に製造するこ
とのできるコンタクトレンズ材料を提供することを目的
とする。
〔目的を達成するための手段〕
本発明は、フッ素化アルキル基またはフッ素化アルキル
エーテル基を有する多官能性単量体を重合して得られる
重合体または共重合体をコンタクトレンズ材料とするこ
とによって上記の目的を達成したものであり、その特徴
とするところは、2つ以上のラジカル重合性官能基およ
び1つ以上の水酸基を有する化合物と、一般式 RfCOX (式中、Rfは炭素数1〜30のフッ素化アルキル基または
フッ素化アルキルエーテル基、Xは塩素原子またはフッ
素原子を表わす。) で示される化合物とをエステル化反応させて得られる、
側鎖にフッ素化された基を有する多官能性単量体を単独
で重合して得られる重合体、または前記多官能性単量体
の15重量%以上と、この多官能性単量体と共重合可能な
単量体の85重量%以下とを共重合して得られる共重合体
よりなる点にある。
〔効果〕
本発明のコンタクトレンズ材料は、フッ素化されたアル
キル基またはアルキルエーテル基を側鎖に有し、かつ2
つ以上のラジカル重合性官能基を有する多官能性単量体
を必須の重合成分とする重合体または共重合体よりなる
ものであるため、酸素透過率が高く、従って装用された
ときに十分な量の酸素が角膜へ補給され、従って長期間
にわたって装用することのできるコンタクトレンズが得
られるものである。またこのコンタクトレンズ材料は、
機械的な強靭さとたわみ性を有すると共に、フッ素原子
を含有することによってタンパク質や脂質等による汚染
性が低い点においても優れたものである。
本発明のコンタクトレンズ材料がこのように優れた性質
を有する理由は、その材質である重合体または共重合体
の必須の成分とされる単量体が、比較的バルキーなフッ
素化されたアルキル基またはアルキルエーテル基を側鎖
に有するものであるため、主鎖を構成する炭素がフッ素
化されているものに比してフッ素含有基による良好な酸
素透過性が得られるからである。しかもその単量体の製
造も容易である。更に本発明に係る単量体は2つ以上の
ラジカル重合性官能基を有するものであるため、その重
合体または共重合体は相当高度に架橋したものとなり、
その結果、機械的に強靭でしかも適度のたわみ性が得ら
れると考えられる。
以下本発明について具体的に説明する。
本発明によるコンタクトレンズ材料を構成する重合体ま
たは共重合体は、特定の多官能性単量体、即ち2つ以上
のラジカル重合性官能基および1つ以上の水酸基を有す
る化合物(以下「化合物I」ともいう)と、一般式 RfCOX (式中、Rfは炭素数1〜30のフッ素化アルキル基または
フッ素化アルキルエーテル基、Xは塩素原子またはフッ
素原子を表わす。) で示される化合物(以下「化合物II」ともいう)と をエステル化反応させて得られる多官能性単量体を必須
の主成分とする重合体または共重合体からなるものであ
る。
この多官能性単量体は、これを得るための一方の成分が
2つ以上のラジカル重合性官能基と1つ以上の水酸基と
の両方を有する化合物Iであり、かつ他方の成分が上記
一般式によって表わされる化合物IIであるので、化合物
Iの水酸基と化合物IIの酸ハロゲン化物としての官能基
(−OX)がエステル化反応し、その結果、側鎖にフッ素
化アルキル基またはフッ素化アルキルエーテル基を有し
かつ2つ以上のラジカル重合性官能基を有するものとな
る。
そして以上の多官能性単量体が単独で、あるいはこれと
共重合可能な単量体(以下「共重合性単量体」ともい
う)と共に共重合されるため、ここに得られる重合体ま
たは共重合体は、2つ以上のラジカル重合性官能基によ
る重合の結果として架橋構造が多く形成されたものとな
る。従って、このようにして得られる本発明のコンタク
トレンズ材料は、十分大きな機械的な強度を有するもの
となるため、これに所望の機械加工や研磨を施すことが
可能となる。しかも当該多官能性単量体は、その側鎖に
フッ素化されたアルキル基またはアルキルエーテル基を
有するため、このフッ素原子に由来して良好な酸素透過
性を有するものとなる。
上記の多官能性単量体を得るための成分である化合物
I、即ち2つ以上のラジカル重合性官能基および1つ以
上、具体的には1〜3つの水酸基を有する化合物の具体
例としては、例えば2−ヒドロキシ−1,3−ジメタクリ
ロキシプロパン、テトラメチロールメタントリメタクリ
レート、2−ヒドロキシ−1−アクリロキシ−3−メタ
クリロキシプロパン、N−ヒドロキシエチルジアリルイ
ソシアヌレート、1,2−ビス(3−アクリロキシ−2−
ヒドロキシプロポキシ)エタン、2−ヒドロキシ−1,3
−ビス)(3−アクリロキシ−2−ヒドロキシプロポキ
シ)プロパン、2,2−ビス{{2−(3−メタクリロキ
シ−2−ヒドロキシプロポキシ)−1−メチルエトキシ
フェニル}プロパン、2,2−p−アクリロキシフェニル
−p−ヒドロキシフェニルプロパン等の多価アルコール
のアクリロキシエステル、メタクリロキシエステルある
いはアリル化合物を、好ましいものとして挙げることが
できる。勿論本発明においては、これらのもののみに限
定されるものではない。
本発明においては、以上の化合物Iとエステル化反応さ
れる化合物II、即ちフッ素化アルキル基またはフッ素化
アルキルエーテル基を有する酸クロライドまたは酸フロ
ライドとしては、そのアルキル基またはアルキルエーテ
ル基の炭素数が1〜30のものが用いられる。
斯かるフッ素化アルキル酸クロライドまたは酸フロライ
ドの具体例としては、例えばトリフルオロ酢酸クロライ
ドまたはフロライド、1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロプ
ロピル−カルボキシリックアシッドクロライドまたはフ
ロライド、パーフルオロ−n−ヘキシルメチルカルボキ
シリックアシッドクロライドまたはフロライド、パーフ
ルオロ−n−オクチルメチルカルボキシリックアシッド
クロライドまたはフロライド、パーフルオロ−n−デカ
ンメチルカルボシリックアシッドクロライドまたはフロ
ライド、パーフルオロ−n−ドデカンメチルカルボキシ
リックアシッドクロライドまたはフロライド、1,1,2,2
−テトラフルオロエチルカルボキシリックアシッドクロ
ライドまたはフロライド、パーフルオロオクタニックア
シッドクロライドまたはフロライド等、およびこれらの
混合物を挙げることができる。しかしこれらのみに限定
されるものではない。
またフッ素化アルキルエーテル酸フロライドの具体例と
しては、例えばヘキサフルオロプロピレンオキサイドま
たはテトラフルオロエチレンオキサイド等のパーフルオ
ロエポキサイドのオリゴメリゼーションから得られるオ
リゴマーである、下記の構造式で表わされる炭素数が30
以下の酸フロライドを挙げることができる。
これらの酸フロライドのオリゴマーは、後述する実施例
の説明からも理解されるように、フッ化セシウムやピリ
ジン等のアミン類を触媒として、ヘキサフルオロプロピ
レンオキサイドやテトラフルオロエチレンオキサイドを
オリゴメリゼーションさせることによって得ることがで
きる。
以上の化合物IIとしては、上記一般式におけるRf基、即
ちそのフッ素化アルキル基またはフッ素化アルキルエー
テル基の炭素数が1〜30の範囲のものが用いられる。そ
して、このRf基における炭素数の大きいものを用いる場
合には、当該炭素数の増加に従って当該化合物IIのフッ
素含量が必然的に高くなり、従ってこの点では酸素透過
性のより良好なコンタクトレンズ材料が得られるので有
利である。しかし一方、Rf基における炭素数の大きいも
のを用いると、多官能性単量体におけるラジカル重合性
官能基の割合が相対的に少なくなるので、斯かる多官能
性単量体によって得られる重合体または共重合体は機械
加工性や研磨特製に劣るものとなる。以上の点から、こ
の化合物IIにおける炭素数の値は、得られるコンタクト
レンズ材料の使用目的等に応じて選定すればよい。な
お、化合物IIは、その一般式における上記Rf基の炭素が
すべてフッ素化されていてもよいし、部分的にフッ素化
されていてもよい。
上述の2つ以上のラジカル重合性官能基および1つ以上
の水酸基を有する化合物Iと、上記一般式RfCOXで表わ
される化合物IIとは混合されてエステル化反応される
が、このエステル化反応は、水酸基や化合物IIとは反応
を生じない脱水した有機溶媒を用いて行うことができ、
あるいは有機溶媒の存在しない系で行うことができる。
化合物Iと化合物IIの両者を混合することにより、エス
テル化反応が生じて塩化水素またはフッ化水素が生成す
るので、これを減圧下で除去することによって反応を進
めることもできるが、より一般的には、塩化水素または
フッ化水素と反応して塩を生成する三級アミンを反応系
に存在させ、これによりエステル反応を進行させること
ができる。エステル化反応の程度は、目的とするコンタ
クトレンズ材料に得るべき酸素透過率、その他の特性に
応じて任意に設定することができるが、通常、全水酸基
の45〜100%をエステル化すればよい。
以上のようなエステル化反応により、側鎖にフッ素化ア
ルキル基またはフッ素化アルキルエーテル基を有かつ2
つ以上のラジカル重合性官能基を有する多官能性単量体
が得られる。
本発明においては、このようにして得られる多官能性単
量体をそのまま単独で重合させ、これによって得られる
重合体をコンタクトレンズ材料としてもよいし、あるい
は、この多官能性単量体と共重合性単量体、即ち、詳細
は後述するこの多官能性単量体と共重合可能な単量体と
を重合させ、これによって得られる共重合体をコンタク
トレンズ材料としてもよい。後者の共重合体を得る場合
には、全単量体成分のうち、多官能性単量体の割合を15
重量%以上、好ましくは20重量%以上とすることが必要
である。この割合が15重量%未満では、得られるコンタ
クトレンズ材料は、酸素透過性が低いのみならず、機械
加工性および研磨性に劣るものとなるおそれがある。
しかし共重合性単量体を全単量体成分のうち85重量%以
下、好ましくは80重量%以下の割合で用いることによ
り、得られるコンタクトレンズ材料において、次のよう
な優れた効果を得ることができる。
(イ)親水性が向上し、角膜上の涙液となじみの良いコ
ンタクトレンズが得られる。
(ロ)酸素透過性が一層向上する。
(ハ)硬度および機械的強度が一層向上する。
(ニ)屈折率が一層大きくなる。
主として以上のような観点から使用される共重合性単量
体の具体例としては、 スチレン、α−メチルスチレン、p−クロルスチレン、
ビニルトルエン、ビニルナフタレン、ジイソプロペニル
ベンゼン、イソプロペニルナフタレン、p−ビニルフェ
ノール、p−ビニル安息香酸メチル、ジビニルベンゼン
等の芳香族ビニル化合物、 ビニルピロリドン、ブタジエン、4−ビニル−1−シク
ロヘキセン、塩化ビニル、酢酸ビニル等の脂肪族ビニル
化合物、 メチルメタクリレート、メチルアクリレート、ブチルメ
タクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、エチ
レングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコ
ールジアクリレート、グリセリントリメタクリレート、
トリメチロールプロパントリメタクリレート、2−ヒド
ロキシエチルメタクリレート、トリメチロールプロパン
ジアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、
テトラメチロールメタントリメタクリレート、フェニル
メタクリレート、メタクリロキシ−ポリエトキシベンゼ
ン、2,2−ビス(4−アクリロキシ−エトキシフェニ
ル)プロパン等の脂肪族あるいは芳香族の1価または多
価アルコールのアクリレート化合物もしくはメタクリレ
ート化合物、 アクリル酸、アクリルアミド、メタクリル酸、メタクリ
ルアミド、N−メチロールメタクリルアミド等のアクリ
ル酸もしくはメタクリル酸の誘導体、 アリルアルコール、アリルフェノール、トリアリルイソ
シアヌレート、ジエチレングリコールビスアリルカーボ
ネート、ジアリルフタレート等の脂肪族あるいは芳香族
のアリル化合物、 等を挙げることができる。
以上のような共重合性単量体として用いられる単量体の
うち、特に水に可溶性の単量体は、得られる共重合体に
好適な親水性を賦与することができる点で好ましいもの
である。そのような水に可溶性の単量体の具体例として
は、アクリル酸、メタクリル酸、アクリルアミド、メタ
クリルアミド、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、
2−ヒドロキシエチルアクリレート、アリルアルコー
ル、ビニルピロリドン、3−ヒドロキシプロピルアクリ
レート、3−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2,3
−ジヒドロキシプロピルアクリレート、2,3−ジヒドロ
キシプロピルメタクリレート、2−カルボキシエチルア
クリレート、2−カルボキシエチルメタクリレート、2
−スルホエチルアクリレート、2−スルホエチルメタク
リレート、2−スルホアミドエチルアクリレート、2−
スルホアミドエチルメタクリレート、ビニルスルホン酸
等を挙げることができる。
以上のものの他、本発明においては、共重合性単量体と
して、アクリル酸−2,2,3,3−テトラフルオロプロピル
エステル、メタクリル酸−2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオ
ロブチルエステル、メタクリル酸トリフルオロエチルエ
ステル、アクリル酸−2−(パーフルオロ−n−ヘキシ
ル)エチルエステル、メタクリル酸−2−(パーフルオ
ロ−n−オクチル)エチルエステル、メタクリル酸−2
−(パーフルオロ−n−デカン)エチルエステル、アク
リル酸−2−(パーフルオロ−n−ドデカン)エチルエ
ステル、p−フルオロフェノールのメタクリルエステ
ル、パーフルオロフェニルアクリレート等の各種のフッ
素化アクリレートもしくはフッ素化メタクリレート類を
用いることができる。これらのフッ素含有アルキル基を
有する単量体を共重合性単量体として用いると、得られ
るコンタクトレンズ材料に一層高い酸素透過性を得るこ
とができるので好ましい。
以上の他、アクリロキシプロピルトリス(トリメチルシ
ロキシ)シラン、メタクリロキシプロピルペンタメチル
ジシロキサン、メチルジ(トリメチルシロキシ)シリル
プロピルグリセロールメタクリレート、メタクリロキシ
プロピルトリス(ペンタメチルジシロキサニル)シラ
ン、ビス(メタクリロキシブチル)テトラメチルジシラ
ザン等のオルガノシラン基を有するアクリレート化合物
もしくはメタクリレート化合物も、良好な酸素透過性を
賦与し得る共重合性単量体として有用なものである。
勿論本発明においては、共重合性単量体が以上に掲げた
単量体のみに限定されるものではない。即ち本発明にお
いては、以上の単量体あるいはそれ以外の単量体の中か
ら、最終的に得られるコンタクトレンズ材料の目的、そ
の他に応じて選択されたものを共重合性単量体として使
用することができる。
本発明のコンタクトレンズ材料は、上述の多官能性単量
体を重合することにより、あるいは多官能性単量体と共
重合性単量体とを共重合することにより得られるが、こ
の重合反応には、ラジカル重合開始剤を用いる通常のラ
ジカル重合法が用いられる。そして実際上、この重合反
応は、例えばレンズ状等の所望の形状の型空間を有する
型を用い、これに多官能性単量体あるいはこれと共重合
性単量体とを型内に注入し、この型内で重合反応させる
ようにして行うことができる。この方法によれば、単一
の工程で、所望の最終形状を有するコンタクトレンズ材
料を容易に製造することが可能である。
上記のような重合反応によって得られる本発明のコンタ
クトレンズ材料は、既知の技術を用いて機械加工や研磨
処理を施すことができる。従って上述の重合反応によ
り、棒状、ブロック状またはシート状の重合体または共
重合体よりなるコンタクトレンズ材料を得、これに切
断、研磨等の機械加工を施すことにより、コンタクトレ
ンズを製造することも可能である。
本発明のコンタクトレンズ材料は、以上のように、フッ
素化アルキル基またはフッ素化アルキルエーテル基を側
鎖に有し、かつ架橋性を有する多官能性単量体を重合成
分として重合させて得られる重合体または共重合体より
なるものであるため、良好な酸素透過性および防汚性を
有し、かつ機械的強度に優れ、強靭で特に機械加工およ
び研磨加工の容易なものとなり、優れた特性のコンタク
トレンズを得ることができる。
〔実施例〕
以下本発明の実施例を説明するが、本発明がこれらによ
って限定されるものではない。
実施例1 ヒーターにより加熱乾燥させたフッ化セシウム5gと、脱
水蒸留しジエチレングリコールジメチルエーテル50mlと
を混合してその温度を25〜30℃にコントロールし、これ
に、塩化カルシウムで乾燥させた6フッ化プロピレンオ
キサイド約600mlをゆっくり添加してオリゴメリゼーシ
ョンを行った。そして減圧蒸留により、下記の構造式で
表わされる無色透明の6フッ化プロピレンオキサイドオ
リゴマーを得た。
このオリゴマーは、常圧換算で280〜300℃以下の沸点を
有し、また分析の結果、上式中のnの値は6以下で平均
約n=4.2のものであった。
次にアセトン300gに、2−ヒドロキシ−1−アクリロキ
シ−3−メタクリロキシプロパン6.4gと、トリエチルア
ミン3.64gとを混合し、温度0〜5℃に冷却させた。こ
れに、上述の6−フッ化プロピレンオキサイドオリゴマ
ー30.0gをゆっくり滴下して加えてエステル化反応を行
わせ、生成した塩を濾別除去した御アセトンおよびトリ
エチルアミンを真空除去することにより、側鎖にフッ素
化アルキルエーテル基を有する2官能ラジカル重合性単
量体である淡黄色の多官能性単量体を得た。
以上のようにして得られた多官能性単量体20gと、メチ
ルメタクリレート30gと、ビニルピロリドン15gと、2,2,
3,4,4,4−ヘキサフルオロブチルメタクリレート35gとを
添加混合し、これに重合開始剤としてラウロイルパーオ
キサイド0.6gを添加した後、60℃で16時間重合反応を行
い、淡黄色透明の共重合体よりなる棒状のコンタクトレ
ンズ材料を得た。
このコンタクトレンズ材料は、機械加工性に優れまた研
磨も可能なものであって、切削加工および研磨処理によ
ってきわめて容易にコンタクトレンズを得ることができ
た。
このコンタクトレンズ材料の物性は次とおりである。
平行光線透過率 87 % 比 重 1.393 屈折率 1.444 酸素透過率 2.6×10-11cc・cm/cm2・sec・mmHg なお、ここに平行光線透過率は「ヘイズメーター(HAZE
METER)TC−HIII」(東京電色社製)を用いて測定した
値、屈折率は「アッベ屈折計タイプ3」(アタゴ社製)
を用いて温度20℃で測定した値、また酸素透過率は製科
研式酸素透過率計によって測定した値である。
これらの物性値より明らかなように、このコンタクトレ
ンズ材料は、酸素透過性に優れ、また機械加工性に優れ
たものである。
また上記と同一の単量体組成物100重量部に、重合開始
剤としてラウロイルパーオキサイド1.0重量部を添加し
て溶解したものを、コンタクトレンズの形状の型空間を
有するガラス製モールド中に注入し、温度60℃で10時
間、次いで80℃で4時間重合反応を行ったところ、直後
に淡黄色透明のコンタクトレンズを製造することができ
た。
実施例2 実施例1で得られたものと同じ多官能性単量体35gと、
ビニルピロリドン15gと、メタクリロキシプロピルペン
タメチルジシロキサン30gと、2,2,2−トリフルオロエチ
ルメタクリレート20gとを混合し、実施例1に準ずる方
法に従って重合を行い、淡黄色透明の共重合体よりなる
棒状のコンタクトレンズ材料を得た。
このコンタクトレンズ材料は、機械加工性に優れまた研
磨も可能なものであって、切削加工および研磨処理によ
ってきわめて容易にコンタクトレンズを得ることができ
た。
このコンタクトレンズ材料の物性は次のとおりである。
平行光線透過率 90 % 比 重 1.374 屈折率 1.442 酸素透過率 36×10-11cc・cm/cm2・sec・mmHg 実施例3 分子中に3つの水酸基を有するジアクリレート化合物で
ある2−ヒドロキシ−1,3−ビス(3−アクリロキシ−
2−ヒドロキシプロポキシ)プロパン34.8gをアセトン3
00g中に溶解させ、この溶液にトリエチルアミン30.36g
を加えて温度0〜5℃に冷却した。これに、99.1gのパ
ーフルオロ−n−ヘキシルメチルカボキシリックアシッ
ドクロライド(C6F13CH2COCl)をゆっくり滴下して加え
てエステル化反応を行わせた。そして生成する塩を濾別
除去した後アセトンおよびトリエチルアミンを真空除去
することにより、側鎖にフッ素化アルキル基を有する2
官能ラジカル重合性単量体得た。
このようにして得られた、側鎖にC6F13CH2基を有する2
官能性単量体70gを、メチルメタクリレート10gおよびビ
ニルピロリドン20gと混合し、これにラウロイルパーオ
キサイド0.6gを添加して60℃で16時間反応させて共重合
体よりなる丸棒状のコンタクトレンズ材料を得た。
このコンタクトレンズ材料は、機械加工性に優れまた研
磨も可能なものであって、切削加工および研磨処理によ
ってきわめて容易にコンタクトレンズを得ることができ
た。
このコンタクトレンズ材料の物性は次のとおりである。
平行光線透過率 87 % 比 重 1.459 屈折率 1.428 酸素透過率 31×10-11cc・cm/cm2・sec・mmHg 以上より、この共重合体は優れた特性のコンタクトレン
ズ材料であることが明らかである。
実施例4 実施例3における多官能性単量体の製造方法に準じ、2
−ヒドロキシ−1,3−ジメタクリロキシプロパンと、パ
ーフルオロ−n−ヘキシルメチルカルボキシリックアシ
ッドクロライドとを等モルの割合でエステル化反応さ
せ、これにより、側鎖にフッ素化アルキル基を有する2
官能ラジカル重合性単量体得た。
この単量体100重量部にラウロイルパーオキサイド0.6重
量部を溶解させ、温度60℃で16時間重合反応を行い、重
合体よりなる棒状のコンタクトレンズ材料を得た。
このコンタクトレンズ材料は硬くて機械加工性に非常に
優れており、また研磨処理も容易であって、これより容
易にコンタクトレンズを得ることができた。
このコンタクトレンズ材料の物性は次のとおりである。
平行光線透過率 88 % 比 重 1.523 屈折率 1.414 酸素透過率 40×10-11cc・cm/cm2・sec・mmHg 以上のように本発明によれば、良好な酸素透過性を有す
ると共に機械加工性に優れており、また快適な装用感が
得られるなど、良好でバランスのとれた特性を有し、し
かも容易に製造することのできるコンタクトレンズ材料
を提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G02C 7/04

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】2つ以上のラジカル重合性官能基および1
    つ以上の水酸基を有する化合物と、一般式 RfCOX (式中、Rfは炭素数1〜30のフッ素化アルキル基または
    フッ素化アルキルエーテル基、Xは塩素原子またはフッ
    素原子を表わす。) で示される化合物とをエステル化反応させて得られる、
    側鎖にフッ素化された基を有する多官能性単量体を単独
    で重合して得られる重合体、または 前記多官能性単量体の15重量%以上と、この多官能性単
    量体と共重合可能な単量体の85重量%以下とを重合して
    得られる共重合体 よりなることを特徴とするコンタクトレンズ材料。
  2. 【請求項2】多官能性単量体と共重合可能な単量体が、 (a)水に可溶性の単量体 (b)フッ素含有アルキル基を有するモノアクリレート
    またはモノメタクリレート (c)オルガノシラン基を有するアクリレートまたはメ
    タクリレート から選ばれたものであることを特徴とする特許請求の範
    囲第1項記載のコンタクトレンズ材料。
JP10207887A 1987-04-27 1987-04-27 コンタクトレンズ材料 Expired - Lifetime JPH0713117B2 (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US11439536B2 (en) * 2017-11-22 2022-09-13 Lutronic Vision Inc. Optical filter on contact lens surface

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