JPH07130324A - イオンの質量数演算表示方法 - Google Patents

イオンの質量数演算表示方法

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JPH07130324A
JPH07130324A JP5301096A JP30109693A JPH07130324A JP H07130324 A JPH07130324 A JP H07130324A JP 5301096 A JP5301096 A JP 5301096A JP 30109693 A JP30109693 A JP 30109693A JP H07130324 A JPH07130324 A JP H07130324A
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JP
Japan
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mass number
magnetic flux
electromagnet
flux density
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JP5301096A
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Inventor
Takao Matsumoto
貴雄 松本
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Nissin Electric Co Ltd
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Nissin Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 分析電磁石から選択的に導出するイオンの質
量数を表示するためのデータを短時間でしかも正確に収
集し、かつそのデータを用いて当該質量数を正確に求め
て表示することができる方法を提供する。 【構成】 この方法は、データ収集ステップ、データ編
集ステップ、質量数表示ステップを備えている。データ
収集ステップは、複数のイオン種ごとに、引出し電圧E
と、ターゲット12に流れるビーム電流IB が最大にな
るときの分析電磁石8における磁束密度Bとの関係を表
すデータを自動的に収集保存する。データ編集ステップ
は、データ収集ステップで得られたデータを用いて、引
出し電圧Eごとに、磁束密度Bと当該磁束密度のときに
分析電磁石8から導出されるイオンの質量数との関係を
求め保存する。質量数表示ステップは、データ編集ステ
ップで得られたデータを用いて、引出し電圧Eと磁束密
度Bとに応じて、その条件のときに分析電磁石8から導
出されるイオンの質量数を求め表示する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、イオン源に供給する
引出し電圧を変化させることのできるイオン注入装置に
おいて、分析電磁石によって選択的に導出される(即ち
質量分析される)イオンの質量数を正確に求めて表示す
ることのできるイオンの質量数演算表示方法に関する。
【0002】
【従来の技術】図10は、従来の質量数演算表示方法を
実施するイオン注入装置の一例を示す概略図である。こ
のイオン注入装置は、イオン源2から引き出したイオン
ビーム4を、分析電磁石8によって質量分析(即ち、所
望の質量のイオンのみを選択的に導出)した後に、例え
ばウェーハのようなターゲット12に入射させて、当該
ターゲット12にイオン注入を行うよう構成されてい
る。
【0003】イオン源2には、引出し電源6から、イオ
ンビーム4の引き出しのための引出し電圧Eが供給され
る。この引出し電圧Eの大きさは可変である。
【0004】分析電磁石8には、分析電磁石電源10か
ら、励磁用の分析電磁石電流Iが供給される。
【0005】ターゲット12とアース間には、ターゲッ
ト12にイオンビーム4が入射することにより流れるビ
ーム電流IB を計測するビーム電流計測器14が接続さ
れている。
【0006】上記分析電磁石8からどのような質量数の
イオンを選択的に導出させるかは、イオンビーム4のエ
ネルギーと分析電磁石8における磁束密度とによって決
まる。イオンビーム4のエネルギーは、イオン源2に供
給する引出し電圧Eによって決まり、分析電磁石8にお
ける磁束密度はそれに供給する分析電磁石電流Iによっ
て決まる。
【0007】しかし、そのような引出し電圧Eおよび分
析電磁石電流Iによって、真に所望の質量数のイオンが
引き出されているかを確認することは、誤注入防止等の
観点から重要であり、そのため従来は、マンマシンコン
トローラ16およびレコーダ24を設けて、これらを用
いて次のような方法によって、分析電磁石8から選択的
に導出されるイオンの質量数を表示するようにしてい
る。
【0008】マンマシンコントローラ16は、オペレー
タが分析電磁石電源10等への指令、それからのデータ
のモニタ等を行うマンマシンインタフェースと、データ
収集、質量数の演算等を行うコントローラとを兼ねてお
り、CPU18、メモリ20および表示器22を備えて
いる。
【0009】レコーダ24は、入力される分析電磁石電
流Iおよびビーム電流IB によって、例えば図11に示
すようなマススペクトルを描くものである。
【0010】データ収集に当たっては、まず、引出し電
源6から出力させる引出し電圧Eをある一定の値にして
おいて、分析電磁石電源10から出力させる分析電磁石
電流Iを手動で上下させることにより、例えば図11に
示すようなマススペクトルを得る。これにより、分析電
磁石8から選択的に導出されるイオンの質量数mおよび
そのイオンの量を最大にするときの(即ちビーム電流I
B がピークを示すときの)分析電磁石電流Iが得られ
る。そしてそのような操作およびデータ収集を、引出し
電圧Eを変化させて(例えば5KV刻みで引出し電源6
の最大電圧まで)行う。
【0011】上記のようにして得たデータを、例えば図
12に示すような表にする。この表において、√(mE
/k)は分析電磁石8における磁束密度の代用値であ
り、kは定数(1.206×10-4)である。
【0012】次に、この√(mE/k)と分析電磁石電
流Iとの関係をグラフにする。それによって、例えば図
13に示すようなグラフが得られる。
【0013】次に、上記グラフ上の複数点を通るよう
に、例えば図14に示すように数本の直線L1 、L2
3 ・・・を引く。直線の方程式を√(mE/k)=α
I+βとすると、各直線L1 、L2 、L3 ・・・につい
てα、βを求めることができる。例えば、図14の例で
は、直線L1 についてのα1 、β1 および直線L2 につ
いてのα2 、β2 は次のようになる。
【0014】
【数1】 α1=(1400−0)/(11−0)=127.27 β1=0 α2=(5000−1400)/(40−11)=12
4.14 β2=1400−124.14×11=34.46
【0015】このようにして求めたα、βを、マンマシ
ンコントローラ16内のメモリ20に記憶させる。そし
てこのようにして登録(記憶)したα、βと、その後の
当該イオン注入装置運転時のその時々の分析電磁石電流
Iおよび引出し電圧Eとを用いて、CPU18によって
次式の演算を行わせることにより、質量数mを求めてそ
れを表示器22に表示させる。
【0016】
【数2】m=k(αI+β)2/E
【0017】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記のよう
な従来の質量数演算表示方法においては、オペレータが
手動で各データを収集し、かつ直線の方程式を求めなけ
ればならないため、質量数を表示させるまでに非常に多
くの時間がかかるという問題がある。
【0018】また、図13に示すようなグラフから図1
4に示すような数本の直線を引くときに、多数点を結ぶ
曲線を、むりやり数本の直線で近似させるため、誤差が
不可避的に生じ、これが質量数表示に誤差を生じさせる
原因となっている。
【0019】そこでこの発明は、引出し電圧を変化させ
ることのできるイオン注入装置において、分析電磁石か
ら選択的に導出するイオンの質量数を表示するためのデ
ータを短時間でしかも正確に収集し、かつそのデータを
用いて当該質量数を正確に求めて表示することができる
イオンの質量数演算表示方法を提供することを主たる目
的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、この発明のイオンの質量数演算表示方法は、質量分
析しようとする複数のイオン種ごとに、前記引出し電圧
と、ターゲットに流れるビーム電流が最大になるときの
分析電磁石における磁束密度との関係を表すデータを自
動的に収集してそれを保存するデータ収集ステップと、
このデータ収集ステップによって得られたデータを用い
て、引出し電圧ごとに、分析電磁石における磁束密度
と、当該磁束密度のときに分析電磁石から選択的に導出
されるイオンの質量数との関係を求めてそれを保存する
データ編集ステップと、このデータ編集ステップによっ
て得られたデータを用いて、引出し電圧と、分析電磁石
における磁束密度とに応じて、その条件のときに分析電
磁石から選択的に導出されるイオンの質量数を求めてそ
れを表示する質量数表示ステップとを備えており、かつ
前記データ収集ステップが、分析電磁石電流を一方向に
相対的に粗く変化させることによって、ターゲットに流
れるビーム電流が最大になるときの分析電磁石電流値を
求めてそれを保存する粗調ステップと、この粗調ステッ
プによって得られた前記分析電磁石電流値の近くから分
析電磁石電流を一方向に相対的に細かく変化させること
によって、ターゲットに流れるビーム電流が最大になる
ときの分析電磁石における磁束密度を計測してそれを保
存する微調ステップとを含むことを特徴とする。
【0021】
【実施例】図1は、この発明に係る質量数演算表示方法
を実施するイオン注入装置の一例を示す概略図である。
図10の従来例と同一または相当する部分には同一符号
を付し、以下においては当該従来例との相違点を主に説
明する。
【0022】この例では、従来のマンマシンコントロー
ラ16およびレコーダ24の代わりに、インタフェース
部30およびコントローラ34を設けている。
【0023】インタフェース部30は、オペレータとコ
ントローラ34との間にあって、オペレータがデータ収
集指令を与える、あるいは質量数表示用のデータの登録
値の確認・編集を行う、更には得られた質量数の表示を
行うマンマシンインタフェース部であり、質量数を表示
する表示器32を有している。
【0024】コントローラ34は、質量数表示用のデー
タをオペレータに代わって自動で収集し、そのデータに
基づいて質量数を求めるものであり、CPU36および
メモリ38を有している。このコントローラ34は、上
記インタフェース部30との間で、指令、データ等のや
り取りを行う。
【0025】また、このコントローラ34は、前述した
引出し電源6に対して、それからイオン源2に供給する
引出し電圧Eを所定電圧(例えば10KV)ずつ上昇さ
せる指令を出すと共に、そのときの引出し電圧Eがフィ
ードバックされる。更にこのコントローラ34は、前述
した分析電磁石電源10に対して、それから分析電磁石
8に供給する分析電磁石電流Iをある初期値から一方向
に変化させる(例えば上昇させる)指令を出すと共に、
そのときの分析電磁石電流Iがフィードバックされる。
上記初期値は、イオンの質量数ごとに、かつ引出し電圧
Eごとに、例えば図2に示すようなテーブルとして、メ
モリ38内に予め格納されている。
【0026】更にこの例では、分析電磁石8内に、その
磁束密度Bを計測するホール素子26を設けており、こ
れで計測した磁束密度の信号がアンプ28を経由してコ
ントローラ34に与えられる。また、前述したビーム電
流計測器14から、ターゲット12に流れるビーム電流
B がフィードバックされる。
【0027】図3は、この発明に係る質量数演算表示方
法の全体的な流れを示すフローチャートである。この質
量数演算表示方法は、データ収集ステップ51、データ
編集ステップ52および質量数表示ステップ53を備え
ている。
【0028】データ収集ステップ51は、質量分析しよ
うとする複数のイオン種ごとに、前述した引出し電圧E
と、ターゲット12に流れるビーム電流IB が最大にな
るときの分析電磁石8における磁束密度Bとの関係を表
すデータを自動的に収集してそれを保存するステップで
ある。
【0029】データ編集ステップ52は、上記データ収
集ステップ51によって得られたデータを用いて、引出
し電圧Eごとに、分析電磁石8における磁束密度Bと、
当該磁束密度Bのときに分析電磁石8から選択的に導出
されるイオンの質量数との関係を求めてそれを保存する
ステップである。
【0030】質量数表示ステップ53は、上記データ編
集ステップ52によって得られたデータを用いて、引出
し電圧Eと、分析電磁石8における磁束密度Bとに応じ
て、その条件のときに分析電磁石8から選択的に導出さ
れるイオンの質量数を求めてそれを表示するステップで
ある。
【0031】以下にこれらのステップ51〜53につい
て詳述する。
【0032】データ収集ステップ51は、この例では、
図4に示すようなステップ61〜70から成る。このよ
うな処理は、使用するイオン種(質量数)ごとに行う。
【0033】まず、コントローラ34から引出し電源6
に対して、イオン源2に供給する引出し電圧Eを一定電
圧、例えば10KVだけ上昇させる指令を出す(ステッ
プ61)。ステップ62において、その引出し電圧Eが
引出し電源6の最大値(例えば80KV)以下であるか
否かを判断し、最大値以下であればステップ63に進
む。
【0034】ステップ63において、分析電磁石電源1
0から分析電磁石8に供給する分析電磁石電流Iを、そ
のときのイオン種および引出し電圧Eに対する初期値に
セットする。これは、具体的には、図2に示した初期値
テーブルを用いて行われる。例えば、質量数が11のイ
オン種で引出し電圧が10KVのときは、8.9Aにセ
ットする。このように分析電磁石電流Iをそのときのイ
オン種および引出し電圧Eに対する初期値にセットする
のは、その条件下ではどの程度の分析電磁石電流Iでビ
ーム電流IB のピークが得られるかはおよそ分かってお
り、それより少な目の電流値を初期値としておくことに
より、分析電磁石電流Iをいちいち0Aから立ち上げな
くて済み、データ収集に要する時間を短縮することがで
きるからである。
【0035】次いで、分析電磁石電流Iを粗く、例えば
0.01Aずつ上昇させながら、ターゲット12に流れ
るビーム電流IB を計測する(ステップ64)。これに
よって、例えば図5に示すようなカーブ(マススペクト
ル)が得られる。そして、ビーム電流IB が最大点での
分析電磁石電流Iの値、図5の例ではI1 をメモリ38
内に格納保存する。このようにして、ビーム電流IB
最大になる点での分析電磁石電流Iを粗く見つけること
ができる。このステップ64および65が粗調ステップ
である。
【0036】次いで、分析電磁石電流Iを0Aに一定時
間(例えば3秒間程度)固定する(ステップ66)。こ
れは、先の粗調ステップにおける分析電磁石8の鉄心の
ヒステリシスが、次の微調ステップに影響を及ぼすのを
排除するためである。
【0037】次いで、分析電磁石電源10から分析電磁
石8に供給する分析電磁石電流Iの値を、ステップ65
で保存した値I1 よりも少し(例えば0.02A)小さ
い値(即ち、I1 −0.02A)にセットする(ステッ
プ67)。これは、粗調動作でのピーク点より少し下側
から微調動作を開始するためであり、そのようにすれば
微調動作を短時間で終了させることができる。
【0038】次いで、分析電磁石電流Iを上記値から細
かく、例えば0.001Aずつ上昇させながら、ターゲ
ット12に流れるビーム電流IB を計測する(ステップ
68)。これによって、例えば図6に示すようなカーブ
(マススペクトル)が得られる。分析電磁石8における
磁束密度Bは、前述したホール素子26によって計測さ
れているので、このビーム電流IB が最大になるときの
磁束密度Bをメモリ38内に格納保存する(ステップ6
9)。このようにして、ビーム電流IB が最大になる点
での磁束密度Bを細かく見つけることができる。このス
テップ68および69が微調ステップである。
【0039】なお、図5や図6のようなマススペクトル
を求めるときに、例えば10B、11Bというような質量数
の近接したイオンを混同しないように判別する必要があ
る。イオン源2から引き出されるイオンビーム4に含ま
れているイオン種の比率は、イオン源2にイオンビーム
生成のために供給するイオン源物質によって予め決まっ
ているので、上記混同を防止するためには、このような
比率による判断を併用しても良い。また、各イオン種に
固有のマススペクトルをテンプレートとしてコントロー
ラ34内に持たせておき、収集されたマススペクトルと
このテンプレートとのパターンの一致を検出するテンプ
レートマッチング法等の画像処理アルゴリズムを併用し
ても良い。
【0040】また、この例では、他の用途のために、上
記微調動作でのビーム電流IB が最大になる点での分析
電磁石電流I(図5の例ではI3 )をもメモリ38内に
格納保存するようにしているが(ステップ70)、これ
は必須ではない。
【0041】ステップ70が終了したら、ステップ61
に戻って、引出し電圧Eを更に10KV上昇させて、そ
れ以降、上記と同様の処理を、引出し電圧Eが最大値に
なるまで続ける。引出し電圧Eが最大値を越えると、こ
のデータ収集ステップは終了する。
【0042】そして、上記ステップ61〜70の処理
を、使用するイオン種(質量数)ごとに行う。
【0043】このようにして、各イオン種について、そ
れを分析電磁石8から選択的にかつ最も多く導出すると
きの磁束密度Bが引出し電圧Eごとに得られる。これ
は、表にすると例えば図9に示すようになる。Gはガウ
スである。これを例えばメモリ38内に格納しておく。
【0044】図3に戻って、上記のようなデータ収集ス
テップ51が終了したら、処理はデータ編集ステップ5
2へと進む。ここでは、まず、データ収集ステップ51
で得られたデータを用いて、粗い引出し電圧10KV、
20KV、30KV・・・の間を補間する意味で、引出
し電圧Eとそのときの磁束密度Bとの関係を、イオンの
質量数ごとに求める。より具体的には、例えば図7に示
すような引出し電圧Eと磁束密度Bとの関係を表す傾き
1 、K2 、K3 ・・・を、イオンの質量数ごとに求
め、それをメモリ38内に格納する。この傾きK1 、K
2 、K3 ・・・を用いることにより、任意の引出し電圧
Eに対応する磁束密度Bを、イオンの質量数ごとに求め
ることができる。
【0045】次いで、粗い質量数11、18、40・・
・の間を補間する意味で、磁束密度Bとその磁束密度B
のときに分析電磁石8から選択的に導出されるイオンの
質量数との関係を、引出し電圧Eごとに求める。より具
体的には、例えば図8に示すような磁束密度Bと質量数
との関係を表す傾きα1 、α2 、α3 ・・・を、引出し
電圧Eごとに求め、それをメモリ38内に格納する。こ
の傾きα1 、α2 、α3 ・・・を用いることにより、任
意の磁束密度Bに対応する質量数を、引出し電圧Eごと
に求めることができる。
【0046】従って、上記傾きK1 、K2 、K3 ・・・
および傾きα1 、α2 、α3 ・・・を用いることによ
り、任意の引出し電圧Eおよび任意の磁束密度Bのとき
に分析電磁石8から選択的に導出されるイオンの質量数
を求めることができる。これを質量数表示ステップ53
において行う。即ち、上記傾きK1 、K2 、K3 ・・・
および傾きα1 、α2 、α3 ・・・を用いて、当該イオ
ン注入装置運転時のその時々の引出し電圧Eおよび磁束
密度Bに応じて、その条件下で分析電磁石8から選択的
に導出されるイオンの質量数を演算し、それを表示器3
2に表示する。例えば、引出し電圧Eが10KVの場合
は図8のデータを用いることができ、そのときに磁束密
度Bが512ガウスであれば、質量数は11と求まる。
【0047】上記のような方法によれば、全て自動でデ
ータの収集を行うことができるので、短時間でしかも正
確に、質量数表示用のデータを収集することができる。
【0048】特に、オペレータが手動操作でマススペク
トルの計測を行う場合、ビーム電流IB のピーク点を通
過して初めて通過点であったことを認識し、その後、分
析電磁石電流Iを減少させてピーク点での分析電磁石電
流Iを計測するという方法しか採れない。しかし、分析
電磁石電流Iを一旦減少させて再び上昇させると、分析
電磁石8の鉄心のヒステリシスにより、ピーク点での分
析電磁石電流Iは初めの値とは若干異なり、これが誤差
の原因になる。これに対して、この発明の方法では、図
5および図6に示すようなマススペクトルの計測を行う
場合、分析電磁石電流Iは一方向(例えば上昇方向)に
のみ変化させるので、分析電磁石8でのヒステリシスの
問題は生じない。これは、コントローラ34において分
析電磁石電流Iおよびビーム電流IB 等のデータを収集
しているので、ビーム電流IB のピーク点を通過して
も、当該ピーク点での分析電磁石電流Iはデータとして
残っているからである。従って、この発明の方法の場合
は、分析電磁石8におけるヒステリシスに起因する誤差
は生じないので、正確なデータ収集を行うことができ
る。
【0049】また、この発明の方法では、図7および図
8のところで説明したように、多数の傾きK1 、K2
・・および傾きα1 、α2 ・・・を求めるようにしてお
り、これによって質量数表示に用いるデータが非常に多
く得られるため、この意味からも質量数を正確に表示す
ることができる。
【0050】なお、以上ではインタフェース部30とコ
ントローラ34とを別にしている例を示したが、両者を
一つにまとめても良いのは勿論である。
【0051】
【発明の効果】以上のようにこの発明によれば、前述し
たようなデータ収集ステップ、データ編集ステップおよ
び質量数表示ステップを備えているので、分析電磁石か
ら選択的に導出するイオンの質量数を表示するためのデ
ータを短時間でしかも正確に収集することができる。そ
して、そのようなデータを用いて、イオンの質量数を正
確に求めて表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る質量数演算表示方法を実施する
イオン注入装置の一例を示す概略図である。
【図2】図1中のメモリに格納されている、分析電磁石
電流の初期値テーブルの一例を示す図である。
【図3】この発明に係る質量数演算表示方法の全体的な
流れを示すフローチャートである。
【図4】図3中のデータ収集ステップの詳細例を示すフ
ローチャートである。
【図5】図4中の粗調動作によって得られるマススペク
トルの一例を示す図である。
【図6】図4中の微調動作によって得られるマススペク
トルの一例を示す図である。
【図7】引出し電圧と分析電磁石における磁束密度との
関係の一例を示す図である。
【図8】分析電磁石における磁束密度とイオンの質量数
との関係の一例を示す図である。
【図9】イオンの質量数、引出し電圧および分析電磁石
における磁束密度との関係を表すテーブルの一例を示す
図である。
【図10】従来の質量数演算表示方法を実施するイオン
注入装置の一例を示す概略図である。
【図11】マススペクトルの一例を示す図である。
【図12】イオンの引出し電圧、質量数、分析電磁石電
流等の関係を表すテーブルの一例を示す図である。
【図13】磁束密度の代用値と分析電磁石電流との関係
の一例を示す図である。
【図14】図13の曲線を数本の直線で表した図であ
る。
【符号の説明】
2 イオン源 4 イオンビーム 6 引出し電源 8 分析電磁石 10 分析電磁石電源 12 ターゲット 14 ビーム電流計測器 16 ホール素子 30 インタフェース部 34 コントローラ 51 データ収集ステップ 52 データ編集ステップ 53 質量数表示ステップ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 イオン源から引き出したイオンビームを
    分析電磁石を通して質量分析した後にターゲットに入射
    させてイオン注入を行うイオン注入装置であって、イオ
    ン源に対してイオンビーム引き出しのために供給する引
    出し電圧を変化させることのできる装置において、質量
    分析しようとする複数のイオン種ごとに、前記引出し電
    圧と、ターゲットに流れるビーム電流が最大になるとき
    の分析電磁石における磁束密度との関係を表すデータを
    自動的に収集してそれを保存するデータ収集ステップ
    と、このデータ収集ステップによって得られたデータを
    用いて、引出し電圧ごとに、分析電磁石における磁束密
    度と、当該磁束密度のときに分析電磁石から選択的に導
    出されるイオンの質量数との関係を求めてそれを保存す
    るデータ編集ステップと、このデータ編集ステップによ
    って得られたデータを用いて、引出し電圧と、分析電磁
    石における磁束密度とに応じて、その条件のときに分析
    電磁石から選択的に導出されるイオンの質量数を求めて
    それを表示する質量数表示ステップとを備えており、か
    つ前記データ収集ステップが、分析電磁石電流を一方向
    に相対的に粗く変化させることによって、ターゲットに
    流れるビーム電流が最大になるときの分析電磁石電流値
    を求めてそれを保存する粗調ステップと、この粗調ステ
    ップによって得られた前記分析電磁石電流値の近くから
    分析電磁石電流を一方向に相対的に細かく変化させるこ
    とによって、ターゲットに流れるビーム電流が最大にな
    るときの分析電磁石における磁束密度を計測してそれを
    保存する微調ステップとを含むことを特徴とするイオン
    の質量数演算表示方法。
JP5301096A 1993-11-05 1993-11-05 イオンの質量数演算表示方法 Pending JPH07130324A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2002043095A (ja) * 2000-03-27 2002-02-08 Applied Materials Inc 線形加速装置用コントローラ
JP2003504820A (ja) * 1999-07-08 2003-02-04 バリアン・セミコンダクター・エクイップメント・アソシエイツ・インコーポレイテッド ビーム電流センサを使用してイオンビーム装置を位置合わせするための方法及び装置
US9984851B2 (en) 2013-08-21 2018-05-29 Sumitomo Heavy Industries Ion Technology Co., Ltd. Ion implanter, magnetic field measurement device, and ion implantation method

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