JPH07129184A - 車両の振動低減装置 - Google Patents

車両の振動低減装置

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JPH07129184A
JPH07129184A JP5273564A JP27356493A JPH07129184A JP H07129184 A JPH07129184 A JP H07129184A JP 5273564 A JP5273564 A JP 5273564A JP 27356493 A JP27356493 A JP 27356493A JP H07129184 A JPH07129184 A JP H07129184A
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JP
Japan
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vibration
reference signal
signal
engine
rotation cycle
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Pending
Application number
JP5273564A
Other languages
English (en)
Inventor
Shingo Harada
真悟 原田
Eiichi Miyahiro
栄一 宮広
Naoki Ikeda
直樹 池田
Norihiko Nakao
憲彦 中尾
Hiroshi Somai
浩史 仙井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
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Publication date
Application filed by Mazda Motor Corp filed Critical Mazda Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 車両の振動低減装置において、エンジン以外
の回転駆動体からの伝達振動を、エンジンからの伝達振
動と併せて良好に低減できるようにする。 【構成】 エンジン2の回転周期と関連する第1リファ
レンス信号Sr1を生成する第1リファレンス信号生成手
段11と、オルタネータ(回転駆動体)5の回転周期と関
連する第2リファレンス信号Sr2を生成する第2リファ
レンス信号生成手段12とを設ける。第1,第2リファレ
ンス信号Sr1,Sr2を調節して駆動信号Scを生成し、
この駆動信号Scでスピーカ9の駆動を制御することに
より、エンジン2からの伝達振動およびオルタネータ5
からの伝達振動を共に打ち消す振動を、スピーカ9から
発生させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車等の車両におい
て車体構成要素や車室内の空気などの所定の振動要素に
生じる振動を、この振動を打ち消すための新たな振動を
発生することにより積極的に低減するようにした車両の
振動低減装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に自動車のような車両では、エンジ
ンの振動が車体構成要素や車室内の空気に伝達して、乗
員に不快感をもたらす車体振動やこもり音等の騒音を発
生させるという問題がある。
【0003】従来、このような問題を解決するための技
術として、例えば特開昭60-88146号公報に開示されてい
るように、車両の所定の振動要素を加振する加振力を発
生するスピーカや加振マウント等の加振器を備え、この
加振器から、エンジン振動に起因して上記振動要素に生
じる振動を打ち消す新たな振動を発生させるようにした
車両の振動低減装置が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで車両において
はエンジン以外にも、周期的な振動を発生する、例えば
空調ファンやオルタネータ等回転駆動体が装備されてお
り、このような回転駆動体の振動が、車体構成要素や車
室内の空気に伝達して乗員に不快感を与えることもあ
る。
【0005】エンジンからの伝達振動のみを低減対象と
する従来の車両の振動低減装置では、上述のような回転
駆動体からの伝達振動を良好に低減することができなか
った。
【0006】本発明はこのような事情に鑑みなされたも
のであり、その目的は、エンジン以外の回転駆動体から
の伝達振動を、エンジンからの伝達振動と併せて良好に
低減することの可能な車両の振動低減装置を提供するこ
とにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
請求項1記載の発明による車両の振動低減装置は、車両
の所定の振動要素の振動を検出する振動センサと、前記
振動要素を加振する加振力を発生する加振器と、車両の
エンジンの回転周期と関連する第1のリファレンス信号
を生成する第1リファリンス信号生成手段と、車両の所
定の回転駆動体の回転周期と関連する第2のリファレン
ス信号を生成する第2リファレンス信号生成手段と、前
記第1および第2のリファレンス信号を調節して前記加
振器を駆動させるための駆動信号を生成する調節器と、
前記振動センサからの振動検出信号に基づいて前記振動
要素の振動が低減するように前記調節器を最適化調整す
る適応機構とを備えてなることを特徴とする。
【0008】上記回転駆動体とは、周期的な振動を発生
する回転要素、具体的には、ラジエータファンや空調フ
ァンのようにそれ自体が回転するもの、あるいはオルタ
ネータのようにその一部に回転する要素を備えているも
のなどをいう。
【0009】請求項2記載の発明は、請求項1記載の発
明において、前記回転駆動体が、前記エンジンによって
駆動されるものであることを特徴とする。
【0010】請求項3記載の発明は、請求項1記載の発
明において、前記回転駆動体が、前記エンジン以外の原
動機によって駆動されるものであることを特徴とする。
【0011】なお、エンジン以外の原動機自体も、本発
明でいう回転駆動体である。
【0012】請求項4記載の発明は、請求項2記載の発
明において、前記第2リファレンス信号生成手段が、前
記エンジンの回転周期を検出するエンジン回転周期検出
部と、検出された前記エンジンの回転周期に基づき演算
処理を行い前記第2のリファレンス信号を生成する演算
部とを備えてなることを特徴とする。
【0013】請求項5記載の発明は、請求項3記載の発
明において、前記原動機が、回転周期が可変のものであ
り、前記第2リファレンス信号生成手段が、前記原動機
の回転周期を検出する原動機周期検出部と、検出された
前記原動機の回転周期に基づき演算処理を行い前記第2
のリファレンス信号を生成する演算部とを備えてなるこ
とを特徴とする。
【0014】請求項6記載の発明は、請求項3記載の発
明において、前記原動機が、回転周期が一定のものであ
り、前記第2リファレンス信号生成手段が、前記原動機
の回転周期に対応した所定の正弦波信号を前記第2のリ
ファレンス信号として発生する正弦波発生部を備えてな
ることを特徴とする。
【0015】請求項7記載の発明は、請求項1記載の発
明において、前記第2のリファレンス信号を前記調節器
に入力するか否かを選択する選択手段と、所定時のみ前
記第2のリファレンス信号が前記調節器に入力されるよ
うに前記選択手段を制御する選択制御手段とが設けられ
ていることを特徴とする。
【0016】請求項8記載の発明は、請求項7記載の発
明において、前記所定時が、前記回転駆動体の駆動時で
あることを特徴とする。
【0017】請求項9記載の発明は、請求項7記載の発
明において、前記所定時が、前記回転駆動体の回転周期
が所定の回転周期領域にあるときであることを特徴とす
る。
【0018】請求項10記載の発明による車両の振動低減
装置は、車両の所定の振動要素の振動を検出する振動セ
ンサと、前記振動要素を加振する加振力を発生する加振
器と、車両のエンジンの回転周期と関連するリファレン
ス信号を生成するリファレンス信号生成手段と、前記リ
ファレンス信号を調節して前記加振器を駆動させるため
の第1の駆動信号を生成する第1の調節器と、前記振動
センサからの振動検出信号に基づいて前記第1の調節器
を最適化調整する第1の適応機構と、車両の所定の回転
駆動体の回転周期を検出する周期検出手段と、前記振動
センサからの振動検出信号を調節して前記加振器を駆動
させるための第2の駆動信号を生成する第2の調節器
と、前記周期検出手段からの回転周期信号に基づいて前
記所定の振動要素の振動が低減するように前記第2の調
節器を最適化調整する第2の適応機構とを備えてなるこ
とを特徴とする。
【0019】
【作用および発明の効果】請求項1記載の発明では、エ
ンジンの回転周期と関連する第1のリファレンス信号が
第1リファレンス信号生成手段によって生成される一
方、空調ファンなどの所定の回転駆動体の回転周期と関
連する第2のリファレンス信号が第2リファレンス信号
生成手段により生成される。第1および第2のリファレ
ンス信号は調節器により調節され駆動信号が生成され
る。この駆動信号生成の過程で調節器は、適応機構によ
って、車両の所定の振動要素の振動を検出した振動セン
サからの振動検出信号に基づき、この所定の振動要素の
振動が低減するように逐次最適化調整される。加振器は
調節器からの駆動信号により駆動して、エンジンおよび
回転駆動体から振動要素に伝達された振動を共に打ち消
す振動を発生し、これによりエンジンからの伝達振動と
回転駆動体からの伝達振動とを低減する。
【0020】このように請求項1記載の発明によれば、
エンジンの回転周期と関連する第1のリファレンス信号
と、回転駆動体の回転周期と関連する第2のリファレン
ス信号とをそれぞれ生成し、これらのリファレンス信号
を調節して駆動信号を駆動信号を生成するようにしてい
るので、加振器がエンジンからの伝達振動および回転駆
動体からの伝達振動を共に良好に打ち消すことのできる
振動を発生することが可能となり、エンジンからの伝達
振動と併せて回転駆動体からの伝達振動も良好に低減す
ることが可能となる。
【0021】請求項4記載の発明では、回転駆動体がエ
ンジンによって駆動されるものの場合においてエンジン
回転周期検出部がエンジンの回転周期を検出し、この検
出されたエンジンの回転周期に基づき、演算部が演算処
理を行い第2のリファレンス信号を生成する。
【0022】このように請求項4記載の発明によれば、
回転駆動体の回転周期に関連した第2のリファレンス信
号を、回転駆動体を駆動させるエンジンの回転周期に基
づいて生成するようにしているので、エンジンの回転周
期の変動に伴って変化する回転駆動体の回転周期を適切
に反映した第2のリファレンス信号の生成が可能とな
る。
【0023】請求項5記載の発明では、回転駆動体がエ
ンジン以外の原動機によって駆動されるものであり、か
つ原動機の回転周期が可変とされている場合において、
原動機回転周期検出部が原動機の回転周期を検出し、こ
の検出された原動機の回転周期に基づき演算部が演算処
理を行い第2のリファンレンス信号を生成する。
【0024】このように請求項5記載の発明によれば、
回転駆動体の回転周期に関連した第2のリファレンス信
号を、回転駆動体を駆動させる原動機の回転周期に基づ
いて生成するようにしているので、原動機の回転周期の
変動に伴って変化する回転駆動体の回転周期を適切に反
映した第2のリファレンス信号の生成が可能となる。
【0025】請求項6記載の発明では、回転駆動体がエ
ンジン以外の原動機によって駆動されるものであり、か
つ原動機の回転周期が一定(起動時・制動時等の過渡期
における回転周期の変動は含まない)とされている場合
において、制限波発生部が、原動機の回転周期に対応し
た所定の正弦波信号を第2のリファレンス信号を発生す
る。
【0026】このように請求項6記載の発明によれば、
第2のリファレンス信号を生成するための特別の演算処
理を行うことなく、原動機の一定の回転周期に対応した
所定の正弦波信号を第2のリファレンス信号として生成
するので、第2のリファレンス信号を簡易的に生成する
ことが可能となる。
【0027】請求項7記載の発明では、選択制御手段に
より選択手段が制御されて、所定時のみ第2のリファレ
ンス信号が調節器に入力される。第2のリファレンス信
号が調節器に入力された場合には、調節器より出力され
る駆動信号によって加振器が駆動されて、エンジンおよ
び回転駆動体から振動要素に伝達された振動を共に打ち
消す振動が発生され、これにより、これらの振動が共に
低減される。一方、第2のリファレンス信号が調節器に
入力されない場合には、調節器より出力される駆動信号
によって加振器が駆動されて、エンジンからの伝達振動
を打ち消すための振動が発生され、これによりエンジン
からの伝達振動が重点的に低減される。
【0028】このように請求項7記載の発明によれば、
第2のリファレンス信号を調節器に入力するか否かを選
択することにより、所定時のみ回転駆動体からの伝達振
動を低減できるようにしているので、回転駆動体からの
伝達振動の振動レベルが高まるときなど必要時のみ回転
駆動体からの伝達振動を低減するようにできることとな
り、効率良く振動低減制御を行うことが可能となる。
【0029】請求項10記載の発明では、エンジンの回転
周期と関連するリファレンス信号がリファレンス信号生
成手段によって生成され、生成されたリファレンス信号
は第1の調節器により調節されて第1の駆動信号が生成
される。この第1の駆動信号の過程で第1の調節器は、
第1の適応機構によって車両の所定の振動要素の振動を
検出する振動センサからの振動検出信号に基づき、この
所定の振動要素の振動が低減するように逐次最適化調整
される。一方、所定の振動要素の振動を検出した振動セ
ンサからの振動検出信号が、第2の調節器により調節さ
れて第2の駆動信号が生成される。この第2の駆動信号
の生成過程で第2の調節器は、第2の適応機構によっ
て、回転駆動体の回転周期を検出した周期検出手段から
の回転周期検出信号に基づき、所定の振動要素の振動が
低減するように逐次最適化調整される。加振器は第1の
調節器からの第1の駆動信号、第2の調節器からの第2
の駆動信号により駆動して、エンジンおよび回転駆動体
から所定の振動要素に伝達された振動を打ち消す振動を
発生し、これにより、エンジンからの伝達振動と回転駆
動体からの伝達振動とを低減する。
【0030】このように請求項10記載の発明によれば、
エンジンからの伝達振動を打ち消す振動を加振器から発
生させるための第1の駆動信号を生成する機構と、回転
駆動体からの伝達振動を打ち消す振動を加振器から発生
させるための第2の駆動信号を生成する機構とをそれぞ
れ別個に備えていることにより、加振器がエンジンから
の伝達振動と回転駆動体からの伝達振動を共に良好に打
ち消す振動を発生することが可能となるので、エンジン
からの伝達振動と併せて回転駆動体からの伝達振動も効
果的に低減することが可能となる。
【0031】
【実施例】以下、添付図面に基づいて本発明の実施例を
説明する。
【0032】(第1実施例)図1は本発明の第1実施例
による車両の振動低減装置の概略構成図である。図示の
ように車両1の前部にはエンジン2が配され、このエン
ジン2の周辺には補機類としてのラジエータファン3、
空調ファン4およびオルタネータ5等が配設されてい
る。ラジエータファン3、空調ファン4およびオルタネ
ータ5は本発明でいう回転駆動体を構成するものであ
り、これらが回転したときに生じる振動は、エンジン2
の振動と同様に種々の伝達経路を経て車室内に伝達さ
れ、車室内の車体構成を加振して車体振動を生じさせた
り、車室内の空気に伝播して騒音を生じさせたりする。
【0033】ラジエータファン3はラジエータファンモ
ータ3mによって、空調ファン4は空調ファンモータ4
mによってそれぞれ回転駆動され、各モータ3m,4m
はバッテリ6からの供給電力によって作動するようにな
っている。またラジエータファンモータ3mは、エンジ
ン2の冷却水温が所定温度以上となったときに作動し、
冷却水温が所定温度未満のときには作動しないように構
成されており、空調ファンモータ4mは空調コントロー
ラ7によって作動するか否かが制御されるように構成さ
れている。一方、オルタネータ5はエンジン2によって
プーリ駆動される構成とされている。
【0034】また車室内の所定位置にはマイク8および
スピーカ9がそれぞれ配設されている。マイク8は車室
内の所定位置での空気の振動を検出する、本発明でいう
振動センサを構成するもので、例えば前席のヘッドレス
ト部や後席の側方等、乗員の体感上や聴感上重要な位置
に配設される。一方、スピーカは本発明でいう加振器を
構成するものであり、車室内の空気を加振する加振力を
発生する。なお、図ではマイク8およびスピーカ9をそ
れぞれ1つとした場合を示しているが、これらを複数個
ずつ設けるようにしてもよい。
【0035】また車両1にはスピーカ9の駆動を制御す
るコントローラ10が配されている。このコントローラ10
は、マイク8からの振動検出信号Seに基づいて、エン
ジン2および各補機類(本実施例では特にオルタネータ
5)から車室内の空気に伝達された振動が低減するよう
にスピーカ9の駆動を制御するもので、第1,第2リフ
ァレンス信号生成手段11,12および駆動信号生成手段13
を備えている。
【0036】第1リファレンス信号生成手段11は、イグ
ニッションコイル14の点火信号SI ら検出したエンジ
ン2の回転周期に基づいてエンジン2の回転周期と関連
した第1リファレンス信号Sr1を検出するもので、詳し
くは図2に示す構成を有している。すなわち図2に示す
ように第1リファレンス信号生成手段11は、上記点火信
号SI に基づいてエンジン2の回転周期を検出するエン
ジン回転周期検出部111 と、検出されたエンジン回転周
期TE に基づいて第1リファレンス信号Sr1を生成して
出力する第1リファレンス信号発生部112 とを備えてな
る。第1リファレンス信号発生部は、検出されたエンジ
ン回転周期TE の所定の回転次数の周波数を有する正弦
波を発生させる1個または複数個の正弦波発生器を備え
てなるもので、所定の周波数、ゲインを有する正弦波信
号または互いに周波数の異なる複数の正弦波を合成した
信号を第1リファレンス信号Sr1として出力するように
なっている。本実施例では特に、エンジン2の回転2次
の周期を有する正弦波信号を第1リファレンス信号Sr1
として用いるようにしている。
【0037】第2リファレンス信号生成手段12は、イグ
ニッションコイルの点火信号SI から検出したエンジン
2の回転周期に基づいてオルタネータ5の回転周期と関
連した第2リファレンス信号Sr2を生成するもので、詳
しくは図3に示す構成を有している。すなわち図3に示
すように第2リファレンス信号生成手段12は、上記点火
信号SI に基づいてエンジン2の回転数TE を検出する
エンジン回転数検出部121 と、検出されたエンジン回転
数TE にオルタネータ5のプーリ比(例えば1.4)を乗じ
てオルタネータ5の回転数TO を算定するオルタネータ
回転数算定部122 と、算定されたオルタネータ回転数T
O に基づいて第2リファレンス信号Sr2を生成して出力
する第2リファレンス信号発生部123 とを備えている。
第2リファレンス信号発生部123 は、算定されたオルタ
ネータ回転周期TO の所定の回転次数の周波数を有する
正弦波を発生させる1個または複数個の正弦波発生器を
備えてなるもので、所定の周波数、ゲインを有する正弦
波信号または互いに周波数の異なる複数の正弦波信号を
合成したものを第2リファレンス信号Sr2として出力す
るようになっている。本実施例ではオルタネータ5が6
相とされているため、オルタネータ5の回転6次の周期
を有する正弦波信号を、第2リファレンス信号Sr2とし
て出力するようにしてある。
【0038】なお、上記第1リファレンス信号生成部11
1 および第2リファレンス信号生成部112 がそれぞれ有
する正弦波発生器は、正弦波をアナログ信号として発生
するものであってもよいし、正弦波の情報をデジタル信
号として発生するものであってもよい。アナログ信号と
して出力する場合にはこれをデジタル信号に変換するA
D変換器を備えることとなる。
【0039】また、第2リファレンス信号生成手段12
は、オルタネータ5の所定信号Soからオルタネータ5
の発電電流値IO を検出するオルタネータ発電電流値検
出部124 と、検出されたオルタネータ発電電流値IO
オルタネータ回転数TO とに基づいて第2リファレンス
信号発生部123 から出力された第2リファレンス信号S
r2のゲインを調整するゲイン調整器125 とを備えてい
る。このようにゲイン調整器125 を設けているのは、オ
ルタネータ5の振動特性が、その発電電流値IO および
回転数TO に応じて変化する(一般には発電電流値IO
および回転数が増加するに略比例して、振動レベルが大
きくなる)ことに対応して、第2リファレンス信号Sr2
のゲインを早い段階で補正するためである。
【0040】再び図1において駆動信号生成手段13は、
入力されるリファレンス信号Sr(このリファレンス信
号Srは後述するように、第1リファレンス信号Sr1の
みからなる場合と、第1リファレンス信号Sr1と第2リ
ファレンス信号Sr2とが合成されてなる場合とがある)
の位相、ゲイン等を調節する可変パラメータ(フィルタ
係数)を有する適応フィルタからなる調節器15と、この
調節器15のフィルタ係数を最適化調整する適応機構16と
を備えている。
【0041】適応機構16がフィルタ係数の最適化更新の
ために用いる適応アルゴリズムは最小二乗法であり、適
応機構16は、収束係数設定回路17と、スピーカ9とマイ
ク8との間の伝達関数Hをモデル化したデジタルフィル
タ18と、乗算回路19とを備えている。収束係数設定回路
18は、フィルタ係数の最適化への収束特性を決める収束
係数αを設定すると共に、マイク8からの振動検出信号
Seと収束係数αとの掛算を行うように構成され、乗算
回路19は収束係数設定回路17からの出力とデジタルフィ
ルタ18からの出力とを乗算するように構成されている。
そしてこのような構成を有する適応機構16は、マイク8
からの振動検出信号Seに基づき、車室内の空気が低減
するように調節器15のフィルタ係数を逐次最適化するよ
うに機能する。
【0042】また図1に示すようにコントローラ10は、
第1リファレンス信号生成手段11からの第1リファレン
ス信号Sr1と、第2リファレンス信号生成手段12からの
第2リファレンス信号Sr2とを合成してリファレンス信
号Srを生成する合成回路20と、第2リファレンス信号
生成手段12から出力された第2リファレンス信号Sr2を
合成回路20に入力するか否かを選択する選択スイッチ21
と、この選択スイッチ21の選択動作を制御する選択制御
手段22とを備えている。合成回路20は、第2リファレン
ス信号Sr2が選択スイッチ21により選択されて入力され
た場合には、第1リファレンス信号Sr1と第2リファレ
ンス信号Sr2とを合成してリファレンス信号Srを生成
しこれを駆動信号生成手段13に出力し、第2リファレン
ス信号Sr2が入力されない場合には、第1リファレンス
信号Sr1をそのままリファレンス信号Srとして駆動信
号生成手段13に出力するように構成されている。
【0043】一方、選択制御手段22は、選択スイッチ21
と共に本発明でいう選択手段23を構成するもので、本実
施例においてはマイク8からの振動検出信号eに基づい
て、選択スイッチ21の選択動作を制御するように作用
し、詳しくは図4に示す構成を有している。すなわち図
4に示すように選択制御手段22は、上記振動検出信号S
eを周波数分析する周波数分析器221 と、周波数分析さ
れた信号からエンジン2の振動周波数領域の成分をフィ
ルタリングしてエンジン振動に起因して発生している振
動のレベルLE (以下、エンジン振動レベルLE とい
う)を検出するエンジン振動レベル検出部222 と、同じ
く周波数分析された信号からオルタネータ5の振動周波
数領域の成分をフィルタリングしてオルタネータ信号に
起因して発生している振動のレベルLO (以下、オルタ
ネータ振動レベルLO という)を検出するオルタネータ
振動レベル検出部223 と、エンジン振動レベルLE とオ
ルタネータ振動レベルLO との大小を比較する比較部22
4 とを備えている。比較部224はエンジン振動レベルL
E の方がオルタネータ振動レベルLO よりも大きい場合
にはLレベル信号を選択スイッチ21に出力し、逆にオル
タネータ振動レベルLO 方が大きい場合にはHレベル
信号を選択スイッチ21に出力するように構成されてお
り、選択スイッチ21は、比較部224 からLレベル信号が
入力された場合にはスイッチオフとして第2リファレン
ス信号Sr2の合成回路20への入力を遮断し、逆にHレベ
ル信号が入力された場合にはスイッチオンとして第2リ
ファレンス信号Sr2が合成回路20へ入力されるように作
動するようになっている。
【0044】以下、選択手段23による第2リファレンス
信号Sr2の選択動作について説明する。図5は第2リフ
ァレンス信号Sr2の選択動作を示すフローチャートであ
る。
【0045】まずステップS1において選択制御手段22
は、マイク8からの振動検出信号Seの周波数分析を行
い、次のステップS2およびS3において、オルタネー
タ振動レベルLO およびエンジン振動レベルLE をそれ
ぞれ検出する。次いでステップS3においてオルタネー
タ振動レベルLO とエンジン振動レベルLE との大小比
較を行い、オルタネータ振動レベルLO の方がエンジン
振動レベルLE よりも大きい場合にはステップS5に進
み、比較部224 よりHレベルネ信号を出力して選択スイ
ッチ21をオンとし、第2リファレンス信号Sr2が合成回
路20に入力されるようにする。一方、上記ステップS4
での判定がNOの場合すなわちオルタネータ振動レベル
の方が小さい場合にはステップS6に進み、比較部224
よりLレベル信号を出力して選択スイッチ21をオフと
し、第2リファレンス信号Sr2の合成回路20への入力を
遮断する。
【0046】上述のような第2リファレンス信号Sr2の
選択動作を行う本実施例の車両の振動低減装置によれ
ば、オルタネータ振動レベルLO がエンジン振動レベル
E よりも小さい場合は、第1オリフィス信号生成手段
11が生成した第1リファレンス信号Sr1がリファレンス
信号Srとして駆動信号生成手段13に入力され、駆動信
号生成手段13は、このリファレンス信号Srに基づき駆
動信号Scを生成してスピーカ9の駆動を制御し、この
駆動制御されたスピーカ9より、エンジン2からの伝達
振動を打ち消す振動が発生することによって良好な振動
低減効果が得られることとなる。一方、オルタネータ振
動レベルLO がエンジン振動レベルLE よりも大きい場
合は、第1リファレンス信号Sr1と第2リファレン信号
Sr2とが合成されてリファレンス信号Srが生成され、
駆動信号生成手段13は、このリファレンス信号Srに基
づき駆動信号Scを生成してスピーカ9の駆動を制御
し、この駆動制御されたスピーカ9より、エンジン2か
らの伝達振動およびオルタネータ5からの伝達振動を共
に打ち消す振動が発生することによって、良好な振動低
減効果が得られることとなる。
【0047】(第2実施例)次に、本発明の第2実施例
を説明する。図6は本発明の第2実施例による車両の振
動低減装置の概略構成図である。なお、前記第1実施例
と共通する構成要素には、前記第1実施例で用いたもの
と同一の符番を付し、その詳細な説明は省略する。この
ことは以後に説明する他の実施例についても同様とす
る。
【0048】本実施例が前記実施例と異なるのは、本実
施例では選択制御手段22が、第2リファレンス信号生成
手段12において算定されたオルタネータ回転数TO およ
び検出されたオルタネータ発電電流値IO に基づいて、
選択スイッチ21の選択動作を制御するように構成されて
いる点にある。この本実施例による選択制御手段22の内
部構成を図7に示す。図示のように選択制御手段22は、
オルタネータ基準回転数記憶部225 、オルタネータ基準
発電電流値記憶部226 、第1比較回路227 、第2比較回
路228 および判定回路229 を備えている。
【0049】上述したオルタネータ5は、回転数または
発電電流値が増大するに従って、発生する振動のレベル
が比例的に増大する傾向を有しており、オルタネータ基
準回転数記憶部225 は、前もって設定されたオルタネー
タ5の基準回転数TS を、オルタネータ基準発電電流値
記憶部226 は、オルタネータ5の基準発電電流値IS
それぞれ記憶するように構成されている。第1比較回路
227 は、第2リファレンス信号生成手段12で算定された
オルタネータ5の現在の回転数TO と、オルタネータ基
準回転数記憶部225 に記憶された基準回転数TS との大
小比較を行い、現在の回転数TO の方が基準回転数TS
よりも大きい場合にはHレベル信号を出力し、反対に現
在の回転数TO の方が小さい場合にはLレベル信号を出
力するように構成されている。第2比較回路228 は、第
2リファレンス信号生成手段12で検出されたオルタネー
タ5の現在の発電電流値IO と、オルタネータ基準発電
電流値記憶部226 に記憶された基準発電電流値IS との
大小比較を行い、現在の発電電流値IO の方が基準発電
電流IS よりも大きい場合にはHレベル信号を出力し、
反対に現在の発電電流値IO の方が小さい場合にはLレ
ベル信号を出力するように構成されている。判定回路22
9 は第1比較回路227 と第2比較回路228 とから共にH
レベル信号が出力された場合にはHレベル信号を選択ス
イッチ21に出力し、それ以外の場合にはLレベル信号を
選択スイッチ21に出力するように構成されている。図6
において選択スイッチ21が、Hレベル信号が入力された
ときに第2リファレンス信号Sr2を合成回路20に入力さ
せ、Lレベル信号が入力されたときに第2リファレンス
信号Sr2の合成回路20への入力を遮断するように構成さ
れている点は前記第1実施例と同じである。
【0050】本実施例の選択手段23(選択スイッチ21お
よび選択制御手段22からなる)における第2リファレン
ス信号Sr2の選択動作のフローを図8に示す。まずステ
ップS11およびS12において選択制御手段22は、第2リ
ファレンス信号生成手段12からオルタネータ5の現在の
回転数TO および現在の発電電流値IO を入力し、次い
でステップS13において、入力された現在のオルタネー
タ回転数TO が記憶していた基準回転数TS よりも大き
いか否かを判定する。現在のオルタネータ回転数TO
方が基準回転数TS よりも大きい場合はステップS14に
進み、さらに入力された現在の発電電流値IO が記憶し
ていた基準発電電流値IS よりも大きいか否かを判定す
る。現在の発電電流値IO の方が大きい場合にはオルタ
ネータ5の振動レベルが増大していると判断してステッ
プS15に進み、選択スイッチ21をオンとして第2リファ
レンス信号Sr2が合成回路20に入力されるようにする。
一方、上記ステップS13またはステップS14での判定が
NOの場合には、オルタネータ5の振動レベルが増大し
ていないと判断してステップS16に進み、選択スイッチ
21をオフとして第2リファレンス信号Sr2の合成回路20
への入力を遮断する。
【0051】上述のような第2リファレンス信号Sr2の
選択動作を行う本実施例の車両の振動低減装置によれ
ば、オルタネータ5の回転数TO が基準回転数TS より
も小さいかあるいはオルタネータ5の発電電流値IO
基準発電電流値IS よりも小さい場合、すなわちオルタ
ネータ5の振動レベルがそれほど大きくなっていないと
判断される場合は、第1リファレンス信号生成手段11が
生成した第1リファレンス信号Sr1がリファレンス信号
Srとして駆動信号生成手段13に入力され、駆動信号生
成手段13は、このリファレンス信号Srに基づき駆動信
号Scを生成してスピーカ9の駆動を制御し、この駆動
制御されたスピーカより、エンジン2からの伝達振動を
打ち消す振動が発生することによって良好な振動低減効
果が得られることとなる。一方、オルタネータ5の回転
数TO が基準回転数TS を超え、かつオルタネータ5の
発電電流値IO が基準発電電流値IS を超えている場
合、すなわちオルタネータ5の振動レベルが増大してい
ると判断される場合は、第1リファレンス信号Sr1と第
2リファレン信号Sr2とが合成されてリファレンス信号
Srが生成され、駆動信号生成手段13は、このリファレ
ンス信号Srに基づき駆動信号Scを生成してスピーカ
9の駆動を制御し、この駆動制御されたスピーカ9よ
り、エンジン2からの伝達振動およびオルタネータ5か
らの伝達振動を共に打ち消す振動が発生することによっ
て、良好な振動低減効果が得られることとなる。
【0052】(第3実施例)次に、本発明の第3実施例
を説明する。図9は本発明の第2実施例による車両の振
動低減装置の概略構成図である。本実施例は、前記第
1,第2実施例がエンジン2からの伝達振動に併せてオ
ルタネータ5からの伝達振動を低減する構成であったの
に対し、エンジン2からの伝達振動に併せて空調ファン
4からの伝達振動を低減するように構成されている点
で、前記第1,第2実施例と異なっている。
【0053】図9に示すように本実施例の第2リファレ
ンス信号生成手段12は、バッテリ6の電圧値を示す所定
信号SB および空調ファンモータ4mの回転タイミング
を示す所定信号SSFに基づいて、空調ファン4の回転周
期と関連した第2リファレンス信号Sr2を生成するもの
で、詳しくは図10に示す構成を有している。すなわち図
10に示すようにリファレンス信号生成手段12は、上記所
定信号SB に基づいてバッテリ6の電圧値VB を検出す
るバッテリ電圧検出部126 と、上記所定信号SAFに基づ
いて空調ファンモータ4mの回転タイミングを検出する
空調ファンモータタイミング検出部127 と、周期・ゲイ
ン検索部128 と、第2リファレンス信号発生部129 とを
備えている。
【0054】空調ファン4の振動レベルおよび周期はバ
ッテリ電圧値VB と所定の相関関係を有しており、上記
周期・ゲイン検索部128 は、バッテリ電圧値VB と空調
ファン4の振動レベルとを、およびバッテリ電圧値VB
と空調ファン4の周期とをそれぞれ対応させたマップを
前もって記憶し、さらにバッテリ電圧検出部126 で検出
されたバッテリ電圧値VB に応じて、記憶したマップか
ら空調ファン4の現在の振動レベルおよび周期を検索す
ると共に、その検索した振動レベルおよび周期に適応し
た、第2リファレンス信号Sr2の周期およびゲインを求
めるように構成されている。第2リファレンス信号発生
部129 は、正弦波発生器を備え、上記周期・ゲイン検索
部128 において求められた周期およびゲインを有する正
弦波信号を第2リファレンス信号Sr2として、上記空調
ファンモータタイミング検出部127 において検出された
空調ファンモータ4mの回転タイミングに応じて出力す
るように構成されている。
【0055】一方、図9に示すように本実施例の選択手
段23は、選択制御手段22が、空調コントローラ7から空
調ファンモータ4mに出力される制御信号SACを検出
し、空調ファンモータ4mが作動した場合には選択スイ
ッチ21をオンとして第2リファレンス信号Sr2が合成回
路20に入力されるようにし、空調ファンモータ4mが作
動しない場合には選択スイッチをオフとして第2リファ
レンス信号Sr2の合成回路20への入力を遮断するように
構成されている。
【0056】すなわち本実施例による車両の振動低減装
置によれば、空調ファン4が回転していない場合は、第
1リファレンス信号製威勢手段11が生成した第1リファ
レンス信号Sr1がリファレンス信号Srとして駆動信号
生成手段13に入力され、駆動信号生成手段13は、このリ
ファレンス信号Srに基づき駆動信号Scを生成してス
ピーカ9の駆動を制御し、この駆動制御されたスピーカ
より、エンジン2からの伝達振動を打ち消す振動が発生
することによって良好な振動低減効果が得られることと
なる。一方、空調ファン4が回転して空調ファン4から
の伝達振動が発生している場合は、第1リファレンス信
号Sr1と第2リファレン信号Sr2とが合成されてリファ
レンス信号Srが生成され、駆動信号生成手段13は、こ
のリファレンス信号Srに基づき駆動信号Scを生成し
てスピーカ9の駆動を制御し、この駆動制御されたスピ
ーカ9より、エンジン2からの伝達振動および空調ファ
ン4からの伝達振動を共に打ち消す振動が発生すること
によって、良好な振動低減効果が得られることとなる。
【0057】なお、本実施例は空調ファン4からの伝達
振動を低減対象とするものであるが、ラジエータ3から
の伝達振動を低減対象とする場合にも、本実施例と同様
の構成により対応することができる。その場合は、図10
に示した空調ファンモータタイミング検出部127 に代え
て、ラジエータファンモータ3mの回転タイミングを検
出するラジエータファンモータタイミング検出部を設け
るようにする。また選択制御手段22は、ラジエータファ
ンモータ3mが作動してるか否かに応じて選択スイッチ
21の選択動作を制御するように構成すればよい。
【0058】また、本実施例は空調ファンモータ4mの
回転周期がバッテリ電圧値VB によって変化する場合に
対応するように構成してあるが、空調ファンモータ4m
の回転周期がバッテリ電圧値VB に依らず一定である場
合には、図10に示す第2リファレンス信号生成手段12
が、空調ファンモータタイミング検出部127 および第2
リファレンス信号発生部129 のみを備え、この第2リフ
ァレンス信号発生部129が、空調ファンモータ4mの一
定の回転周期に対応した周期を有する正弦波を第2リフ
ァレンス信号Sr2として、空調ファンモータタイミング
検出部127 において検出された空調ファンモータ4mの
回転タイミングに応じて出力するように、第2リファレ
ンス信号生成手段12を構成すればよい。
【0059】(第4実施例)次に、本発明の第4実施例
を説明する。図11は本発明の第4実施例による車両の振
動低減装置の概略構成図である。本実施例は、前記第
1,第2実施例と同様に、エンジン2からの伝達振動と
併せてオルタネータ5からの伝達振動の低減を図るもの
であるが、コントローラ10の内部構成が前記各実施例と
は大きく異なっている。すなわち図11に示すように本実
施例のコントローラ10は、リファレンス信号生成手段10
1 と第1駆動信号生成手段102 とオルタネータ回転検出
部103 と第2駆動信号生成手段104 とを備えている。
【0060】リファレンス信号生成手段101 は、イグニ
ッションコイル14の点火信号に基づいてエンジン2の回
転周期と関連したリファレンス信号Srを生成するもの
で、その構成は前述した第1実施例の第1リファレンス
信号生成手段11と同じである。第1駆動信号生成手段10
2 は、リファレンス信号生成手段101 から入力されたリ
ファレンス信号Srを調節することによって、エンジン
2からの伝達振動を打ち消す振動をスピーカ9から発生
させるための第1駆動信号Sc1を生成するもので、その
詳細な構成は図12に示すように前述した第1実施例の駆
動信号生成手段13と同じである。オルタネータ回転周期
検出部103 は、イグニッションコイル14の点火信号SI
に基づいてオルタネータ5の回転周期TO を算定する
(その算定方法は前記第1実施例で示したのと同じであ
る)もので、算定したオルタネータ5の回転周期TO
第2駆動信号生成手段104 に出力されるようになってい
る。第2駆動信号生成手段104 は、マイク8の振動検出
信号を調節することによって、オルタネータ5からの伝
達振動を打ち消す振動をスピーカ9から発生させるため
の第2駆動信号Sc2を生成するもので、詳しくは図13に
示す構成を有している。
【0061】すなわち図13に示すように第2駆動信号生
成手段104 は、オルタネータ回転周期検出部103 で算定
された回転周期TO に基づいてスピーカ9への出力信号
のベクトル周期を調整する回路105 と、同じく回転周期
O に基づいてマイク8とスピーカ9との間の伝達特性
であるインパルス応答の行列を時系列に変換する回路10
6 と、この回路106 からのインパルス応答の時系列とマ
スク8から出力される振動検出信号Seに基づき上記ベ
クトルを逐次最適化する回路107 と、この回路からのベ
クトル信号を時系列に変換して第2駆動信号Sc2を作る
回路108 とを有している。そして、ここでスピーカ9の
発生する振動の振動エネルギを設定すると共に、この振
動エネルギをマスク8の振動検出手段Seおよびマスク
8とスピーカ9との間の伝達特性に基づいて補正し、第
2駆動信号Sc2としてスピーカ9に出力するようになっ
ている。なお、本実施例における第2駆動信号生成手段
104 の構成は、本出願人が提案しているものであり、そ
の詳細は特願平4-32217 号等に記載されている。
【0062】上記第1駆動信号生成手段102 で生成され
た第1駆動信号Sc1と、第2駆動信号生成手段104 で生
成された第2駆動信号Sc2とは、図11に示すコントロー
ラ10内部の合成回路109 において合成された駆動信号S
cとしてスピーカ9に出力される。
【0063】上述した構成を有する実施例の車両の振動
低減装置によれば、エンジン2からの伝達振動を打ち消
す振動を発生させる第1駆動信号Sc1と、オルタネータ
5からの伝達振動を打ち消す振動を発生させる第2駆動
信号Sc2とが、それぞれ別個の駆動信号生成手段102 ,
104 により生成されて、この第1駆動信号Sc1と第2駆
動信号Sc2とが合成された駆動信号Scによりスピーカ
9の駆動が制御されることにより、エンジン2からの伝
達振動とオルタネータ5からの伝達振動とを共に打ち消
して、良好な振動低減効果を得ることが可能となる。
【0064】以上、本発明による車両の振動低減装置の
実施例を説明したが、本発明は、かかる実施例の具体的
態様に限定されるものではなく、種々の変更を行えるこ
とは勿論である。例えば、前記実施例では振動センサと
しマイクを、加振器としてスピーカをそれぞれ用いてい
るが、車体振動を積極的に低減するために振動センサと
してGセンサを、加振器として加振マウントを用いるよ
うにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例による車両の振動低減装置
の概略構成図
【図2】図1に示す第1リファレンス信号生成手段の内
部構成を示す図
【図3】図1に示す第2リファレンス信号生成手段の内
部構成を示す図
【図4】図1に示す選択制御手段の内部構成を示す図
【図5】図1に示す選択手段による第2リファレンス信
号の選択動作を示すフローチャート
【図6】本発明の第2実施例による車両の振動低減装置
の概略構成図
【図7】図6に示す選択制御手段の内部構成を示す図
【図8】図6に示す選択手段による第2リファレンス信
号の選択動作を示すフローチャート
【図9】本発明の第3実施例による車両の振動低減装置
の概略構成図
【図10】図9に示す第2リファレンス信号生成手段の
内部構成を示す図
【図11】本発明の第4実施例による車両の振動低減装
置の概略構成図
【図12】図11に示す第1駆動信号生成手段の内部構成
を示す図
【図13】図11に示す第2駆動信号生成手段の内部構成
を示す図
【符号の説明】
1 車両 2 エンジン 3 ラジエータファン 3m ラジエータファンモータ 4 空調ファン 4m 空調ファンモータ 5 オルタネータ 6 バッテリ 7 空調コントローラ 8 マイク 9 スピーカ 10 コントローラ 11 第1リファレンス信号生成手段 12 第2リファレンス信号生成手段 13 駆動信号生成手段 14 イグニッションコイル 15 調節器 16 適応機構 Se 駆動信号 Sr リファレンス信号 Sr1 第1リファレンス信号 Sr2 第2リファレンス信号
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中尾 憲彦 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内 (72)発明者 仙井 浩史 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両の所定の振動要素の振動を検出する
    振動センサと、前記振動要素を加振する加振力を発生す
    る加振器と、車両のエンジンの回転周期と関連する第1
    のリファレンス信号を生成する第1リファリンス信号生
    成手段と、車両の所定の回転駆動体の回転周期と関連す
    る第2のリファレンス信号を生成する第2リファレンス
    信号生成手段と、前記第1および第2のリファレンス信
    号を調節して前記加振器を駆動させるための駆動信号を
    生成する調節器と、前記振動センサからの振動検出信号
    に基づいて前記振動要素の振動が低減するように前記調
    節器を最適化調整する適応機構とを備えてなることを特
    徴とする車両の振動低減装置。
  2. 【請求項2】 前記回転駆動体が、前記エンジンによっ
    て駆動されるものであることを特徴とする請求項1記載
    の車両の振動低減装置。
  3. 【請求項3】 前記回転駆動体が、前記エンジン以外の
    原動機によって駆動されるものであることを特徴とする
    請求項1記載の車両の振動低減装置。
  4. 【請求項4】 前記第2リファレンス信号生成手段が、
    前記エンジンの回転周期を検出するエンジン回転周期検
    出部と、検出された前記エンジンの回転周期に基づき演
    算処理を行い前記第2のリファレンス信号を生成する演
    算部とを備えてなることを特徴とする請求項2記載の車
    両の振動低減装置。
  5. 【請求項5】 前記原動機が、回転周期が可変のもので
    あり、前記第2リファレンス信号生成手段が、前記原動
    機の回転周期を検出する原動機周期検出部と、検出され
    た前記原動機の回転周期に基づき演算処理を行い前記第
    2のリファレンス信号を生成する演算部とを備えてなる
    ことを特徴とする請求項3記載の車両の振動低減装置。
  6. 【請求項6】 前記原動機が、回転周期が一定のもので
    あり、前記第2リファレンス信号生成手段が、前記原動
    機の回転周期に対応した所定の正弦波信号を前記第2の
    リファレンス信号として発生する正弦波発生部を備えて
    なることを特徴とする請求項3記載の車両の振動低減装
    置。
  7. 【請求項7】 前記第2のリファレンス信号を前記調節
    器に入力するか否かを選択する選択手段と、所定時のみ
    前記第2のリファレンス信号が前記調節器に入力される
    ように前記選択手段を制御する選択制御手段とが設けら
    れていることを特徴とする請求項1記載の車両の振動低
    減装置。
  8. 【請求項8】 前記所定時が、前記回転駆動体の駆動時
    であることを特徴とする請求項7記載の車両の振動低減
    装置。
  9. 【請求項9】 前記所定時が、前記回転駆動体の回転周
    期が所定の回転周期領域にあるときであることを特徴と
    する請求項7記載の車両の振動低減装置。
  10. 【請求項10】 車両の所定の振動要素の振動を検出す
    る振動センサと、前記振動要素を加振する加振力を発生
    する加振器と、車両のエンジンの回転周期と関連するリ
    ファレンス信号を生成するリファレンス信号生成手段
    と、前記リファレンス信号を調節して前記加振器を駆動
    させるための第1の駆動信号を生成する第1の調節器
    と、前記振動センサからの振動検出信号に基づいて前記
    第1の調節器を最適化調整する第1の適応機構と、車両
    の所定の回転駆動体の回転周期を検出する周期検出手段
    と、前記振動センサからの振動検出信号を調節して前記
    加振器を駆動させるための第2の駆動信号を生成する第
    2の調節器と、前記周期検出手段からの回転周期信号に
    基づいて前記所定の振動要素の振動が低減するように前
    記第2の調節器を最適化調整する第2の適応機構とを備
    えてなることを特徴とする車両の振動低減装置。
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