JPH07128641A - 液晶表示装置 - Google Patents

液晶表示装置

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JPH07128641A
JPH07128641A JP27573893A JP27573893A JPH07128641A JP H07128641 A JPH07128641 A JP H07128641A JP 27573893 A JP27573893 A JP 27573893A JP 27573893 A JP27573893 A JP 27573893A JP H07128641 A JPH07128641 A JP H07128641A
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JP
Japan
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liquid crystal
crystal display
field
pulse
state
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Application number
JP27573893A
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English (en)
Inventor
Hiroo Nomura
浩朗 野村
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Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 2つの準安定状態をもつカイラルネマチック
液晶を用いた液晶表示装置において、高速書込みの可能
な新規の実用的な駆動方法を得るとともに、階調表示の
可能な駆動手段を実現する。 【構成】 液晶にフレデリクス転移を生じさせ得る高電
圧のリセットパルスを印加した後、所定のパルス高、パ
ルス幅及び遅延時間をもつ選択パルスを所定の閾値を基
準として印加することにより、高速書込みを可能とし
た。このとき、液晶表示体の1フレーム期間を複数のフ
ィールドに分割し、フィールド走査回路22とゲート制
御回路24によりフィールド期間毎に上記リセットパル
ス及び選択パルスを印加する。階調データ19をビット
毎に保持するメモリ20のメモリ領域a,b,cから選
択回路21により順次データを出力させ、このデータに
応じて順次複数のフィールドで2つの準安定状態のいず
れかを出現させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はカイラルネマチック液晶
を用いた液晶表示装置に係り、特にこの種の液晶を単純
マトリクス型表示素子として使用する場合に好適な駆動
手段を備えるとともに階調表示を可能にした装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】カイラルネマチック液晶を用いた双安定
性を備えた液晶セルは特公平1−51818号公報に示
されている。この液晶セルは、初期状態において例えば
180度のねじれ構造を有し、これにフレデリクス転移
を生じさせるに充分な高電圧を印加すると、液晶分子は
一旦高エネルギー状態(以下、B状態という。)に励起
された後、その後の電圧印加態様に依存する2つの準安
定状態のいずれかに移行する。準安定状態の一つは、上
記初期状態の場合、ねじれ角0度のユニホーム状態(以
下、A状態という。)であり、もう一つは、ねじれ角3
60度の状態(以下、C状態という。)である。そし
て、A状態とC状態は、1秒前後その状態を維持し、そ
の後、初期状態へと自然緩和する。
【0003】これらA状態とC状態とは光の透過特性が
大きく異なるため、両状態を液晶表示のオン・オフに対
応させることができる。上記公報にはA状態とC状態と
の間の切り換え方法について、所定周波数の高電圧の印
加後に電圧をすばやくターンオフする場合にはC状態が
得られ、高電圧の印加後、可変電圧器により約1秒間か
けてゆっくりとターンオフする場合にはA状態が得られ
ると記載され、また低周波数の電界をターンオフさせた
後直ちに高周波数の電界を印加するとC状態が得られ、
低周波数の電界をターンオフさせた後約1/4秒後に同
一高周波数の電界を印加するとA状態になるとしてい
る。
【0004】これら2つの切り換え方法のうち、前者の
方法では長い切り換え時間のために液晶表示体を実現す
ることはできない。また、我々の追試によれば、後者の
方法ではC状態を得ることはできるが、低周波数の電界
印加後に約1/4秒の遅延時間をおいて高周波数の電界
を付与してもC状態が得られ、A状態を出現させること
は不可能であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記カイラルネマチッ
ク液晶を用いた液晶表示体を実用的なものとするには、
まず、A状態とC状態とを高速且つ確実に得ることので
きる駆動方法を開発することが必要であり、上記従来例
では書き込み時間が大きく、例えば多数のラインを走査
するマトリクス表示に対応することはできない。しか
も、A及びC状態への移行の確実性の劣る上記の高低周
波数を用いる方法では、実用的な表示体の駆動は不可能
である。
【0006】また、この液晶はメモリ性を有しているた
め、単純マトリクス駆動方式においても走査線数の増大
に伴うコントラストの低下が少ないという利点を持って
いるが、2つの準安定状態間の切換えにより画像表示を
行う場合、そのままでは画像の階調表示を行うことがで
きないという問題がある。
【0007】そこで、本発明は上記問題点を解決するも
のであり、この種の液晶を表示体として使用する場合に
実用的な新規の駆動方法を得るとともに、階調表示を可
能とする駆動手段を実現することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本願発明に係る液晶表示
装置に採用される液晶材料は、初期状態においてねじれ
角φのねじれ構造を有するカイラルネマチック液晶を備
え、初期状態にフレデリクス転移を生じさせる電圧を印
加した後の緩和状態として初期状態とは異なる2つの準
安定状態を有するものである。この液晶材料を用いた表
示体としては、初期状態においてねじれ角φのツイスト
状態となるように、所定のセル厚に対してカイラル物質
の添加によりヘリカルピッチが調整される。仮に初期状
態のねじれ角が180度に調整されるならば、準安定状
態の一方はねじれ角0度のユニホーム状態、他方はねじ
れ角360度のツイスト状態となる。初期の上記ねじれ
角φは180度以外にも任意の角度に設定できる。例え
ば初期状態でねじれ角が90度であれば、2つの準安定
状態のねじれ角は−90度、270度となり、この状態
においても、後述する駆動方法と同様の方法で両状態間
のスイッチングが可能であることが実験上確認されてい
る。勿論セル厚、ヘリカルピッチについても、それぞれ
任意の値に設定できる。
【0009】この液晶表示体を駆動する方法としては、
フレデリクス転移を生じさせるための、初期状態及び2
つの準安定状態における閾値以上の電圧を付与するリセ
ットパルスと、リセットパルス印加後の液晶を2つの準
安定状態のいずれか一方に移行させるための、2つの準
安定状態のいずれかを生ずる臨界値を基準として選択付
与される選択パルスとを印加するものである。
【0010】そして、液晶表示体を複数フィールドに時
分割して走査し、該フィールド走査毎に前記2つの準安
定状態のいずれかを選択するためにリセットパルス及び
選択パルスを付与するフィールド走査手段と、液晶表示
体に表示する画像表示の階調データに応じて各フィール
ドで出現させるべき2つの準安定状態のいずれかを設定
するフィールド状態設定手段とを設けるものである。
【0011】ここで、複数フィールドの時分割比は、各
フィールド期間と当該フィールドにおける平均透過率と
の積の比が階調データに対応するように設定されること
が望ましい。また、フィールドの数を液晶表示体で表示
する階調数のビットに対応した数とし、対応する該ビッ
トの重みに等しい比率で各フィールド期間とその平均透
過率との積が設定されることが好ましい。
【0012】
【作用】上記液晶について本願の発明者が行なった研究
によれば、例えば初期状態がねじれ角180度の場合、
リセットパルスの印加後に適切な電圧が付与されている
と、リセットパルスの高電圧が遮断された後に一旦バッ
クフローが起こって360度ツイスト状態へ緩和しか
け、その後配向変化の方向が逆転してユニフォーム状態
へと戻る。このとき、付与されている電圧がある値より
も高ければそのままユニフォーム状態へ緩和し、ある値
よりも低ければ再び配向変化の方向が逆転して360度
ツイスト状態へ緩和する。
【0013】2つの準安定状態へ移行する場合には常に
上記バックフローの期間を経ることから、該期間直後に
おける電圧印加状態が主として準安定状態のいずれに移
行するかを決定すると考えられる。したがって、選択パ
ルスの電圧値の他に、選択パルスのパルス幅や遅延時間
等の選択パルスの付与状態が状態移行の鍵になる。
【0014】実際に、リセットパルスの印加後に与える
上記電圧を所定のパルス幅を備えた選択パルスとして付
与した場合、このパルス幅を短くすると2つの準安定状
態間の切り換えが不可能になるが、その選択パルスを適
切な遅延時間をおいて付与すると、パルス幅を短くして
も準安定状態間の切り換えが可能になることが明らかに
なった。この結果、遅延時間を最適値とすることによ
り、例えば表示体の単純マトリクス駆動において1ライ
ン当たりの書き込み時間を低減することが可能となっ
た。
【0015】また、パルス幅の変化及び遅延時間の変化
は、準安定状態間の切り換えの閾値を変動させることが
明らかとなった。したがって、上記選択パルスのパルス
高、パルス幅及び遅延時間は相互に関連性を有してお
り、これらの各値は、その組合せとして上記準安定状態
の選択に影響を与えることが判明した。
【0016】このような駆動方法に際しては、フィール
ド走査手段により複数フィールドに時分割走査するとと
もに、フィールド状態設定手段により、各フィールド期
間における準安定状態を階調データに応じて設定するこ
とによって、液晶表示体の階調表示が可能になる。
【0017】この場合、選択パルスの付与による書込み
時から液晶が光学的に応答するまでの時間遅れにより正
確な階調表示ができない場合があるが、フィールド期間
とこのフィールドにおける平均透過率との積の比が階調
データに対応するように、複数フィールドの期間の比を
設定することにより、応答時間による階調表示のずれを
補償することができる。
【0018】
【実施例】次に、図面を参照して本発明の実施例を説明
する。
【0019】〔共通事項〕後述する各実施例に用いた液
晶材料は、ネマチック液晶に光学活性剤を添加すること
により液晶のヘリカルピッチを調整したものである。セ
ルは、図3に示すように、上下のガラス基板5,5上に
ITOからなる透明電極4のパターンを形成し、その上
に各々ポリイミド配向膜2を塗布して相互に所定角度φ
異なる方向にラビング処理を施した。上下のガラス基板
の間にはスペーサを挿入して基板間隔を均一化し、その
間に上記液晶を注入した。
【0020】この液晶セルを図3に示す偏光方向の異な
る2枚の偏光板7,7で挟み込み、表示体を形成した。
なお、3は絶縁層、6は平坦化層、8は画素間の遮光
層、θ1,θ2は液晶分子1のプレチルト角、9は液晶
分子1のダイレクターベクトルである。
【0021】この液晶セルを用いて、図1に示す単純マ
トリクス型液晶表示体を構成した。この液晶表示体は液
晶セル11の背面にバックライト12を配置した透過型
である。液晶セル11の走査電極には走査駆動回路13
が接続され、走査制御回路15により制御される。一
方、液晶セル11の信号電極には信号駆動回路14が接
続され、信号制御回路16により制御される。走査駆動
回路13と信号駆動回路14には、電位設定回路17か
ら所定の印加電圧が供給され、また、走査制御回路15
と信号制御回路16には、線順次走査回路18から基準
クロック信号と所定のタイミング信号が供給される。
【0022】次に、上記液晶表示体の2値表示を行う場
合(階調表示を行わない場合)における駆動信号を図2
に示す。ここで(a)は走査電極に供給される走査電
位、(b)は信号電極に供給される信号電位、(c)は
両電極により液晶セルに付与される駆動電圧、(d)は
液晶セルの透過率である。ここでF1,F3は液晶セル
の画素を低透過率とするオフ(暗状態)選択フレーム、
F2は画素を高透過率とするオン(明状態)選択フレー
ムである。液晶セルには、各フレームに先立って期間t
0においてリセットパルスRPが印加され、続く選択期間
t1,t2,t3において選択パルスSPとして、Voff
=Vw−Vd又はVon=Vw+Vdが印加される。
【0023】図4は液晶に印加される駆動電圧の別のパ
ターンを示すもので、(a)はフレーム毎にパターンの
極性を逆転させるようにしたもの、(b)はパターンを
交流信号で形成したものを示す。ここで、図2との相違
点はリセットパルスRPの後に所定の遅延時間τを付与し
た点にある。この遅延時間の導入により選択パルスのパ
ルス幅を短くしても確実にオンオフ駆動を行うことが可
能であり、信号の書込み時間を低減して走査線数を増加
することができる。また、この遅延時間を調整すること
により選択パルスの閾値、パルス幅に対する臨界値を変
えることができるため、特に本実施例のような単純マト
リクス駆動方式では駆動電圧の設定余裕を充分に確保す
ることができる。図4(a)、(b)のバイアス電圧B
は他のラインの選択の際に必然的に印加されてしまうク
ロストーク電圧である。
【0024】本発明に係る液晶表示装置の駆動方法は、
液晶にリセットパルスRPを印加することによりフレデリ
クス転移を生じさせ、その後、所定の臨界値を基準とし
て選択パルスSPを印加することにより、2つの準安定状
態のいずれかを選択的に出現させるものである。選択パ
ルスの付与基準となる臨界値は、選択パルスのパルス
高、選択パルスのパルス幅、選択パルスの遅延時間及び
温度Tの各値に依存し、所定の温度に対してパルス高、
パルス幅及び遅延時間の組合わせ即ち選択パルスの付与
状態により与えられる。
【0025】例えば選択パルスのパルス幅、遅延時間及
び温度を一定にした場合、臨界値は選択パルスのパルス
高として閾値Vth1,Vth2 として与えられる。リセット
パルスの電圧値をVe、選択パルスの電圧値をVsとす
ると、準安定状態の一方(例えばねじれ角0度のユニフ
ォーム状態)が出現する領域は、|Ve|>V0 かつ
|Vth1 |<|Vs|<|Vth2 |である。準安定状
態の他方(例えばねじれ角360度のツイスト状態)が
出現する領域は、|Ve|>V0 かつ |Vs|<|
Vth1 | 又は、|Ve|>V0 かつ |Vs|>|
Vth2 |であり、実用的な範囲内で存在する2つの閾値
Vth1 とVth2 により、種々の駆動態様を設定できる。
【0026】なお、臨界値が上記3つのパラメータの組
により与えられることは、閾値Vthとパルス幅Pwとの
負の相関、閾値Vthと遅延時間τとの相関により実験的
に確認されている。
【0027】〔実施例1〕本実施例に用いた液晶材料
は、市販のネマチック液晶(E.Merck社製ZLI
−3329)に光学活性剤(E.Merck社製S−8
11)を添加してヘリカルピッチを3.5μmに調整し
たものである。図3に示すセルでは、ポリイミド配向膜
2を塗布して上下の基板のラビング方向が相互に反平行
(180度)となるようにし、上下のガラス基板の間隔
を1.8μmとして液晶を注入する。このとき、セル内
の液晶分子1の配向状態は、プレチルト角が数度、ねじ
れ角が180度のツイスト状態となる。
【0028】この液晶セルを上記装置に適用して液晶表
示体を構成した。ここで、デューティー比は画素数に応
じて1/60、1/120、1/240、1/480等
を用いている。選択パルスのパルス幅は40〜400μ
s、好ましくは50〜100μs、遅延時間は0〜40
0μs、好ましくは150〜250μsの範囲内であ
る。典型的な駆動条件としては、リセットパルスRPの印
加電圧が±25V、選択パルスの印加電圧がオン電圧±
2〜3V、オフ電圧0〜1Vであり、バイアス電圧は±
1vである。選択パルスの付与される選択期間において
走査電位と信号電位の組合せで駆動する場合には、走査
電位1〜2V、信号電位を1Vとした。
【0029】図1に示すように、画像の階調データ19
はビット毎に前回走査終了後にメモリ20に入力され、
選択回路21を介して電位設定回路17に供給される。
フィールド走査回路22は、フィールド切換信号をデコ
ーダ23及び単安定マルチバイブレータ等からなるゲー
ト制御回路24に供給するようになっている。
【0030】ゲート制御回路24は、上記フィールド切
換信号に基づいて各フィールドにおける走査期間に対応
したゲート幅を構成するゲート制御信号を線順次走査回
路18に出力する。
【0031】デコーダ23は、フィールド切換信号を受
ける度に変更されるビット切換信号を上記選択回路21
に送出する。
【0032】ここで、フィールド走査回路22とゲート
制御回路24はフィールド走査手段を構成し、メモリ2
0と選択回路21とデコーダ23はフィールド状態設定
手段を構成する。
【0033】この実施例の動作を図1及び図5を参照し
てm×nラインの単純マトリクス型液晶表示体として説
明する。液晶セル11に形成された図示しない走査ライ
ンには所定の走査電位を走査駆動回路13から線順次に
付与しつつ、これと直交する信号ラインには所定の表示
データに対応した信号電位を付与してm×n個の画素を
オンオフ駆動する。フレーム周波数は30〜60Hzで
ある。
【0034】図5のフレーム同期信号FLを基準とし
て、フィールド走査回路22からフィールド切換信号F
Iがゲート制御回路24に出力されて所定のゲート幅を
備えたゲート信号GSが生成される。ゲート信号GSは
線順次走査回路18に入力され、基準クロック信号CL
からゲート幅に対応した走査ライン数m個のパルスを含
む走査制御信号SSが形成される。走査制御信号SSは
走査制御回路15及び信号制御回路16に供給され、走
査電位S1,S2,・・・Sm及び信号電位D1,D
2,・・・Dnが走査駆動回路13及び信号駆動回路1
4からそれぞれ走査ライン及び信号ラインに出力され
る。走査制御信号SSの最終パルスが出力されると線順
次走査回路18は走査終了信号FSを図示しないメモリ
制御回路に出力してメモリ20内における走査の終了し
た階調ビットの内容を更新する。
【0035】この実施例では各画素に対応する階調デー
タ19は3ビットで構成され、各ビット毎に全画素に対
応するm×n個の2値データがメモリ領域a,b及びc
に格納される。選択回路21は、メモリ20の各メモリ
領域のいずれかを、デコーダ23から供給されるビット
切換信号により順次a,b,cの順番で選択し、選択し
たビットの内容を階調ビット信号MRとして信号制御回
路16に出力する。信号制御回路16は、各フィールド
において供給された階調データのビット内容に応じてO
N又はOFFの電位を選択して各フィールド期間におけ
る液晶画素のオンオフ駆動を行う。
【0036】ここで、フィールド切換信号FIは、1フ
レーム期間をf1,f2,f3の3つのフィールド期間
に分割する。フィールド期間f1,f2,f3の時間比
率は階調ビットa,b,cの重みに等しい1:2:4に
設定されている。これによって、フィールド期間f1,
f2,f3のオン・オフ状態を階調ビットの値に対応さ
せ、(0,0,0)、(1,0,0)、(0,1,
0)、(1,1,0)、(0,0,1)、(1,0,
1)、(0,1,1)、(1,1,1)の8階調に表示
できる。
【0037】次に、図6を参照して上記実施例における
走査電位S1,S2,・・・Sm及び信号電位D1,D
2,・・・Dnの具体例と、これらにより液晶画素に印
加される駆動電圧とを説明する。
【0038】まず、走査電位Sは、選択期間前に設定さ
れるリセットパルス期間t0において大きな電位±V1
を与え、遅延期間t1においては電圧ゼロとして、更に
期間t2において±V2となるように交流波形を形成
し、残りの非選択期間を0電位としている。また、信号
電位Dについては画素のON状態は電位±V3の波形を
走査電位Sと逆相で付与し、画素のOFF状態では電位
±V3の波形を同相で付与している。
【0039】このようにすると、選択期間中の液晶に印
加される電圧Pは、 ±(V2+V3)又は±(V2−V3)となり、 前者は閾値を越える±|V2+V3|となるので、ON
状態が得られる。
【0040】また後者は、選択期間t2において閾値以
下の±|V2−V3|となり、360度のツイスト状態
即ち本実施例ではオフ状態となる。
【0041】なお、前記電位V2=2v、V3=vと設
定すると、ON状態は±3v、OFF状態は±vで、残
り非選択期間も±vの等バイアス駆動波形となり、いわ
ゆる電圧平均化法の1/3バイアス法となる。
【0042】上記例においては、液晶の初期状態にフレ
デリクス転移を生じさせ得る充分に高い電圧を付与し、
その直後若しくは所定の遅延時間後に所定の閾値の上下
いずれかに設定された電圧を付与することにより、オン
状態とオフ状態とを選択する事を基本としている。この
駆動方法により、この種の液晶においても単純マトリク
ス型の表示体を構成できる高速の書込み動作が可能にな
った。しかも、この駆動方法で選択パルスのパルス高、
パルス幅、遅延時間の各パラメータを調整することによ
り書込み時間を短縮可能であることが実証されており、
フレーム期間を複数のフイールド期間に分割することに
よる上記の階調表示も充分に可能となった。
【0043】〔実施例2〕次に、上記実施例1とは異な
る方法で各フィールド期間の設定をする実施例を説明す
る。この実施例は液晶表示体及び駆動装置の構成におい
ては上記実施例1と同等である。但し、図7(a)に示
すように、実施例1が階調データのビットの重みに等し
い1:2:4の比率でフイールド期間f1,f2,f3
を設定しているのに対し、図7(b)に示すように、本
実施例では異なる時間比率のフイールド期間f11,f
12,f13が設定されている点で異なる。
【0044】本発明に係る液晶表示体の場合、選択期間
に印加される選択パルスSPに対し、画素の透過率がほぼ
飽和するまでに約4〜9msの応答時間が必要である。
したがって、図7(a)に示すように、フレーム周波数
30〜60Hz(フレーム期間16.7〜33.4m
s)に対して透過率の立ち上がり時間が無視できないた
め、各フィールド期間f1,f2,f3における平均透
過率は、フィールド期間の値により大きく異なる。例え
ば、応答時間が8〜9ms、フィールド期間が24.5
msの場合を基準として、図7(a)のように各フレー
ムのフィールド期間を1:2:4に分割した場合、平均
透過率は以下のようになる。
【0045】
【表1】
【0046】この場合、書込み時間を50μsとした場
合、走査可能なライン数は以下のようになる。
【0047】
【表2】
【0048】これに対し、本実施例では、図7(b)に
示すように、上記平均透過率とフィールド期間との積が
1:2:4となるように、各フィールド期間f11,f
12,f13を設定している。この場合のフィールド期
間と平均透過率とを以下に示す。
【0049】
【表3】
【0050】この場合、書込み時間を50μsとした場
合、走査可能なライン数は以下のようになる。
【0051】
【表4】
【0052】このように、実施例1では液晶の応答時間
のために各フィールド期間における平均透過率が大きく
異なり、従って階調表示をしても実際に認識される輝度
は1:2:4よりも大きな比率になってしまうのに対
し、本実施例では各フィールド期間と平均透過率との積
が1:2:4に設定されているので、正確な階調表示を
行うことができる。
【0053】しかも、このようなフィールド期間の時間
設定をすることにより、最短フィールド期間(上記例で
はf1及びf11)が相対的に長くなるから、階調表示
の所定分解能に対して書込み可能なライン数を増加でき
る。
【0054】さらに、実施例1のフレーム期間内では、
特に高輝度画素(全灯状態)において時間の経過ととも
に透過率が大きく変化し、画素の輝度が変動するのに対
し、本実施例では平均透過率の差が緩和されているため
輝度変動が少なく、画質を向上させることができる。
【0055】なお、本実施例では最長フィールド期間を
24.5ms、フィールド周波数40Hzとしたので、
表示のチラツキは発生しない。
【0056】本発明に係る液晶表示装置は、準安定状態
のメモリ性(1秒前後)、高コントラスト比(100以
上)、広視野角(60〜80度)、高速応答(8〜9m
s以下)というSTN液晶を上回る特性をもつカイラル
ネマティック液晶を、ニーズの高い画素数640×40
0、640×480等のマトリクス表示体にも能動素子
の助けを借りずに対応させること、及び実用的な階調表
示を行うことを可能としたため、この種の液晶表示体の
高精細表示やカラー表示においてきわめて有効である。
【0057】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
カイラルネマチック液晶の2つの準安定状態を用いて高
速に信号の書き込みを行うことができるとともに階調表
示を可能にした液晶表示装置を実現することができる。
【0058】また、液晶表示体の応答時間の影響を補償
して正確な階調表示を可能にすると同時に最短フイール
ド期間が相対的に長くなることにより走査線数を増加す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る液晶表示装置の実施例の構成を
示す概略ブロック図である。
【図2】 同実施例に用いた液晶表示体の駆動方法を示
すタイミングチャートである。
【図3】 同実施例の液晶セルの構造を示す概略断面図
である。
【図4】 選択パルスの遅延時間を導入した場合におけ
る駆動波形を示すタイミングチャートである。
【図5】 実施例1における各部の信号を示すタイミン
グチャートである。
【図6】 本発明に係る液晶表示体の駆動波形の例を示
す波形図である。
【図7】 本発明における実施例1及び実施例2の各駆
動電圧と透過率との対応を示す説明図である。
【符号の説明】
11 液晶セル 13 走査駆動回路 14 信号駆動回路 15 走査制御回路 16 信号制御回路 17 電位設定回路 18 線順次走査回路 19 階調データ 20 メモリ a,b,c (階調ビット毎の)メモリ領域 21 選択回路 22 フィールド走査回路 23 デコーダ 24 ゲート制御回路 RP リセットパルス SP 選択パルス

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 初期状態においてねじれ角φのねじれ構
    造を有するカイラルネマチック液晶を備え、初期状態に
    フレデリクス転移を生じさせる電圧を印加した後の緩和
    状態として初期状態とは異なる2つの準安定状態をもつ
    液晶表示装置において、 フレデリクス転移を生じさせるための閾値以上の電圧を
    付与するリセットパルスと、リセットパルス印加後の液
    晶を2つの準安定状態のいずれか一方に移行させるため
    の、2つの準安定状態のいずれかを生ずる臨界値を基準
    として選択付与される選択パルスとを液晶に印加する液
    晶表示装置であって、 液晶表示体を複数フィールドに時分割して走査し、該フ
    ィールド走査毎に前記2つの準安定状態のいずれかを選
    択するために前記リセットパルス及び前記選択パルスを
    付与するフィールド走査手段と、液晶表示体に表示する
    画像表示の階調データに応じて各フィールドで出現させ
    るべき前記2つの準安定状態のいずれかを設定するフィ
    ールド状態設定手段とを有することを特徴とする液晶表
    示装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記複数フィールド
    の時分割比は、各フィールド期間と当該フィールドにお
    ける平均透過率との積の比が前記階調データに対応する
    ように設定されていることを特徴とする液晶表示装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2において、前記フ
    ィールドの数を液晶表示体で表示する階調数のビットに
    対応した数とし、対応する該ビットの重みに等しい比率
    で各フィールド期間とその平均透過率との積が設定され
    ていることを特徴とする液晶表示装置。
JP27573893A 1993-11-04 1993-11-04 液晶表示装置 Pending JPH07128641A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004117406A (ja) * 2002-09-20 2004-04-15 Minolta Co Ltd 液晶表示装置
JP2014228820A (ja) * 2013-05-27 2014-12-08 スタンレー電気株式会社 液晶素子とその駆動方法、及び、液晶装置

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JP2014228820A (ja) * 2013-05-27 2014-12-08 スタンレー電気株式会社 液晶素子とその駆動方法、及び、液晶装置

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