JPH07248485A - 液晶表示装置およびその駆動方法 - Google Patents

液晶表示装置およびその駆動方法

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JPH07248485A
JPH07248485A JP3954094A JP3954094A JPH07248485A JP H07248485 A JPH07248485 A JP H07248485A JP 3954094 A JP3954094 A JP 3954094A JP 3954094 A JP3954094 A JP 3954094A JP H07248485 A JPH07248485 A JP H07248485A
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voltage
pulse
period
liquid crystal
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JP3954094A
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Hiroo Nomura
浩朗 野村
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Original Assignee
Seiko Epson Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 マトリクス型双安定ネマチック液晶表示体の
書き込みスピード改善する駆動方法を提供し、ハイデュ
ーティ単純マトリクス表示を実現する。 【構成】 液晶分子をホメオトロピック状態にするリセ
ットパルスの後に遅延期間を設け、プリセット電圧を印
加、さらにインターバル期間を設けた後、2つの準安定
状態を選択する選択電圧を印加し、表示のon/off
を制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はカイラルネマチック液晶
を用いたメモリ性双安定液晶表示装置に関する。更に詳
しくは、双安定液晶表示体への書き込みスピードを改善
する駆動方法に関する。
【0002】
【従来の技術】カイラルネマチック液晶を用いた双安定
性液晶表示には特公平1−51818が既に開示されて
おり、初期配向条件、2つの安定状態、また、その安定
状態間の切り換えの方法等が記述されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記特公平1
−51818に述べられている駆動方法は、実際的と云
えず問題が多い。例えば、2つの安定状態間の切り換え
は、トグルスイッチを用いて60Hz、ピーク・ツ・ピ
ーク15Vの電圧をターンオフする事によって360゜
ツイスト状態を得るか、可変電圧器を用いて約1秒間に
わたって緩慢に同電圧をターンオフする事によって0゜
ユニフォーム状態を得ている。また、他の方法としては
低周波電界がターンオフされて、1500KHzの高周
波が直ちに印加されると360゜ツイストの状態が実現
され、同じ低周波のターンオフに続いて約1/4秒遅延
後に同高周波電界を印加するならば、0゜のユニフォー
ム状態になるとしている。しかし、前者の方法は全く実
用的ではなく、単なる実験室での現象確認の方法に過ぎ
ず、また、後者は我々の実験によれば、低周波のターン
オフに続いて約1/4秒後に同一高周波を与えれば、こ
れも360゜のツイストの状態となり、2安定状態間の
安定した切り換えにはならなかった。
【0004】更に云うならば、特公平1−51818に
は現在最も表示として実用性が高く、表示能力が高いマ
トリクス表示について何等記述が無く、その駆動方法に
ついても何等開示されていない。
【0005】そこで、我々は先に出願した特願平4−2
17932にあるような液晶セル構成と駆動方法から、
液晶セル内で発生するバックフローをコントロールし、
上記欠点を改良する方法を考案した。この方法は、まず
1ms程度のしきい値以上の電圧を印加してフレデリク
ス転移を生じさせる期間と、それにすぐ続く前記パルス
と逆極性または同極性の低電圧パルスで0゜ユニフォー
ム状態を作るか、同様に前記フレデリクス転移電圧にす
ぐ続く電圧絶対値が0の期間を設け、360゜ツイスト
の状態を実現するものである。具体的には特願平4−2
17932の図2、3、6、7にその実施例が示してあ
る。また、その駆動波形に対応した光学応答も図4、8
に示してある。更には、本願ではこれを応用してマトリ
クス表示を駆動する場合も示した。しかし、この方法で
はマトリクス表示の1ライン当たりの書き込み時間が4
00μsとされており、400ライン以上の書き込みに
は計160ms(フレームサイクル6.25Hz相当)
以上の時間が必要で、これは表示のフリッカーを伴うた
め実用的ではない。本発明はこの書き込み時間の高速化
を図り、大容量のマトリクス表示にも応用できるように
改良したものである。
【0006】なお、本発明者は書き込み時間の改良手段
として既に特願平5−37057を出願しており、これ
は特願平5−37057の図1または図4の様にフレデ
リクス転移を起こすリセットパルスの後に遅延期間を設
け、その後にONまたはOFFの選択信号を印加するも
のである。こうすると書き込み時間は従来の数倍の速さ
の50μsが実現できている。本発明はこの発明を応用
しつつ、他の現象を取り入れて、さらに発展させたもの
である。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、初期状態にお
いてねじれ構造を有し、該初期状態にフレデリクス転移
を生じさせた後の緩和状態として初期状態とは異なる2
つの準安定状態を有するカイラル・ネマチック液晶表示
体において、フレデリクス転移により液晶の配向状態を
一時的にホメオトロピック状態に遷移させるリセットパ
ルスと、それに続く適度の遅延期間と波高値をもった前
置補助パルスと、該前置補助パルスの後あるいは前にお
いて該前置補助パルスと一定間隔(インターバル)を置
いて設定された選択パルスからなり、該選択パルスの波
高値の増減によって前記液晶表示体の第1の安定状態、
あるいは、第2の安定状態を生じさせる新規の駆動方法
である。
【0008】また、上記遅延期間およびインターバル期
間を、選択パルス幅の整数倍とし、前記前置補助パルス
および選択パルスを液晶の流動期間内に設定する。
【0009】さらには、本発明の応用として、複数の行
と複数の列からなるマトリクス型の表示において、Yド
ライバはリセット期間、遅延期間、前置補助期間、イン
ターバル期間、選択期間の順序でリセットパルス電圧、
前置補助パルス電圧、選択パルス電圧の各々を発生し、
これを表示体の行電極に順次走査信号として与え、一
方、Xドライバは上記選択期間に同期して合成電圧がし
きい値以上の電圧、あるいは、しきい値以下の電圧を生
じさせる2種類のパルス電圧を発生し、これを表示体の
各列電極にデータ信号として与え、マトリクス上の指定
画素のonまたはoffの状態を選択する事ができる。
【0010】また、実際の液晶の駆動に当たっては、マ
トリクス型液晶表示体の行電極走査波形における非選択
期間の電圧レベルVnsを第1の基準であるグランドレベ
ルを中心にプラス・マイナス対称に2電位設置し、これ
を第2、第3の基準の位置としてリセットパルス電圧V
s、前置補助パルス電圧Vp、選択パルス電圧Vsの各電
圧を設定し、一方、画素のデータ信号Vdについても、
第2、第3の基準である非選択期間電圧レベル±Vnsを
基準にon電圧とoff電圧を設定する。さらには、こ
の非選択期間電圧±Vnsをグランドレベルと一致させて
もよい。また、さらには行電極走査波形における遅延期
間の電圧、インターバル期間の電圧を、非選択期間電圧
Vnsと一致させることが、駆動波形を単純化する。
【0011】一方、液晶に印加される駆動波形の反転を
1)1フレームごと、または、2)選択期間(1H)の
半分の時間(1/2H)ごと、または、3)選択期間(1
H)ごとに行い、かつ、1フレームごとの反転を重畳さ
せるいずれかの方法によって交流化する。
【0012】
【作用】本発明に係る液晶表示は、初期状態に於いてね
じれ角φのツイスト状態となるように、所定のセル厚に
対してカイラル物質の添加によりヘリカルピッチが調整
される。例えば、初期状態のねじれ角が180度に調整
されるならば、準安定状態の一方はねじれ角0度のユニ
ホーム状態、他方はねじれ角360度のツイスト状態と
なる。この表示体にフレデリクス転移を生じるリセット
パルスを印加し、その後に適切な電位が付与されている
と、高電圧のリセットパルスが遮断された後にいったん
バックフローが起こって360度の状態に緩和しかけ、
その後配向変化の方向が逆転してユニホーム状態へと戻
る。この時付与されている電圧がある値、すなわち、閾
値よりも高ければそのままユニホーム状態に緩和し、閾
値よりも低ければ再び配向変化の方向が逆転して360
度のツイスト状態へ緩和する。
【0013】2つの準安定状態へ移行する場合には常に
上記バックフローの期間を経ることから、該期間直後に
おける電圧印加状態が主として準安定状態のいずれに移
行するかを決定すると考えられる。従って、選択パルス
の電圧値の他に、選択パルスのパルス幅、印加のタイミ
ング等の選択パルスの付与状態が状態移行の鍵となる。
実際に、リセットパルスの印加後に与える上記電圧を所
定の電圧値を備えた選択パルスとして付与した場合、こ
のパルス幅を短くすると2つの準安定状態間の切り換え
が不可能になるが、その選択パルスを適切な遅延時間を
おいて付与すると、パルス幅を短くしても準安定状態間
の切り換えが可能となることが明らかとなった。さらに
は、上記選択パルスを状態が転移している期間中に分割
して印加してもよいことも明らかとなった。この結果、
遅延時間、パルス幅を最適値とする事によって、例えば
表示体の単純マトリクス駆動に於いて1ライン当たりの
書き込み時間を低減することが可能となる。
【0014】一方、遅延時間、選択パルス幅を一定とし
パルスの電圧値を変化させていくと、図5のように2つ
の準安定状態を得る2つの閾値が現れる。即ち、リセッ
ト電圧|Vr|>V0の条件下において選択パルス電圧V
sが、 0≦ Vs <Vth1 あるいは Vsat2< Vs の領域では、ねじれ角360度の一方の緩和状態が現
れ、また、 Vsat1< Vs <Vth2 では、ねじれ角0度の他方の緩和状態となる。そこで、
前記選択パルスを分割印加できる性質を使って、最初の
第1のパルスではねじれ角0度の状態が出易い状況、あ
るいは、ねじれ角0度になる状態を作っておいて、それ
に加算する第2のパルスのみを変化させVth2以下の0
度ユニフォーム状態と、Vsat2以上のねじれ角360度
の状態を確実に選択することができる。シミュレーショ
ンの結果を図4に示す。1度目のバックフローで0度ユ
ニフォーム方向に流動した液晶は(曲線a)、第2のパ
ルス(図の期間T5)によって再びバックフローを起こ
し、そのバックフローの大きさの大小によって360度
ツイストになるか(曲線c)、0度ユニフォームになる
か(曲線b)が決定される。第2の印加パルスは第1の
印加パルスの効果を受けて、液晶の流れを変化させるだ
けでよい為、そのパルス幅は1つのパルスを印加する場
合より短くてよい。その結果、表示体の単純マトリクス
駆動における1ライン当たりの書き込み時間をさらに短
縮することが出来る。
【0015】
【実施例】
(実施例1)母体液晶材料に市販のTN用ネマチック液
晶(メルクZLI−3329)を用い、これに左ねじれ
の光学活性剤(メルクS−811)を添加して螺旋ピッ
チを3〜4μmに調整した。セルは図6のようにガラス
基板5の上にITO透明電極パターン4を形成し、ポリ
イミド配向膜2(東レSP−740)を塗布、上下基板
で反平行方向(180゜)のラビングを施した。2枚の
ガラス基板はスペーサ6を介して保持し、セル間隔は2
μm以下とした。従って、液晶層厚/ねじれピッチの比
は0.5±0.2の範囲の設定である。このセルに液晶
を注入するとプレティルト角θ数度、初期配向180度
のツイスト状態となり、これを2枚のほぼ直交偏光板7
で挟み込み表示体とした。
【0016】以上のようにして得た試料に図3に示した
ピーク電圧±30V、持続時間T1=1msのリセット
パルスを印加した後、引き続きパルス幅T5=150μ
s、ピーク値0〜±2.7Vの選択電圧を与え、非選択
期間(T6)に±2.0Vのバイアス電圧を与える駆動
波形を印加すると、360゜ツイストの状態が発現し、
表示は暗くなった。また、リセットパルスに続く選択パ
ルスのピークをしきい値を越えた5.7〜6.4Vにす
ると、0゜ユニフォームが形成され、表示は明の状態と
なった。さらに、パルス幅50〜100μsで同様の試
みをしたが、この場合は如何なる電圧でも0度ユニフォ
ームは実現できなかった。
【0017】次に、図2のようにリセットパルスの後に
遅延期間T2を入れ、パルス幅を変えて閾値特性を調べ
ると、図5に示したような360度→0度→360度の
2つの閾値を持つ特性が現れた。遅延時間200μs、
パルス幅40μsの条件では、パルス電圧0〜4.8V
および14.5V以上では360度ツイストの状態とな
り、8.1V〜10.5Vでは0度ユニフォーム状態と
なった。同様に遅延時間400μs、パルス幅20μs
ではパルスのピーク電圧が12.0〜16.6Vの間で
0度ユニフォーム、また、0〜7.4Vおよび20.9
V以上では360度ツイストとなった。前者のパルス幅
40μsの場合、閾値特性のVthとVsat間の電圧差△
1、△2はそれぞれ3.3V、4.0Vとなり、電圧平
均化法の1/4.5バイアスの条件で駆動が可能とな
る。しかし、後者のパルス幅20μsの場合△1、△2
は4.6V、4.3Vとなり、高々バイアス電圧の2倍
の4Vのon/off電圧差しかつけられない電圧平均
化法では、閾値の急峻性が足らずパルス幅20μsの駆
動はできない。
【0018】次に、図1のように遅延期間T2後の前値
補助パルス(期間T3)を固定し、これにある一定期間
T4を置いた選択パルス(期間T5)を後続させると興
味ある結果が得られた。即ち、リセットパルスの後に遅
延時間300μsを置いて前値補助パルス8Vを固定
し、さらに、インターバル期間300μsで選択パルス
20μsを印加すると、最初の360度ツイスト領域の
上限(Vth1)は不明瞭となるが、0度ユニフォームの
領域が広がり、かつ、△2が4V以下に狭まった。つま
り、この結果はVth2とVsat2間の閾値特性を利用して
電圧平均化法による駆動が可能なことを示している。さ
らには、前値補助パルスを10Vとし同様の特性を観測
すると、さらに△2は3.5Vに狭まり、電圧平均化法
を用いた単純マトリクス駆動に好適となることが分かっ
た。以上をまとめて図7に示した。また、参考までに上
記T2からT5に対応する液晶の挙動を図4に示した。
【0019】図8はリセット電圧を25V〜40Vまで
変えた時の閾値電圧の変化を調べたものである。この図
からリセット電圧を上げすぎると0度ユニフォーム領域
が狭まり、かつ、閾値の急峻性△2が悪くなることが分
かる。
【0020】図9は図1のバイアス電圧を変えたときの
閾値電圧と、その時の閾値の急峻性を示す△2の大きさ
をプロットしたものである。この図からは閾値電圧Vth
2、Vsat2はバイアス電圧の増加と共に上昇し、かつ、
0度ユニフォーム領域は広がることが分かる。しかし、
急峻性の最も出るバイアス電圧は多少低めの1.8Vに
あり、ここが最もマージンの取れる駆動電圧となること
が分かった。
【0021】図7、8、9より前置補助パルスを用いた
本発明による駆動方法では、リセットパルスの印加後か
ら前置補助パルスの設置までの遅延時間と、前置補助パ
ルスそのものの波高値、前置補助パルスから選択パルス
の印加までのインターバル期間と選択パルスの波高値、
ならびに、リセット電圧、バイアス電圧の設定を適正に
する必要があることが分かる。また、これらのパラメー
タが適切に設定された時には、電圧平均化法によるハイ
デューティの単純マトリクス駆動が可能なことが証明さ
れた。
【0022】さらに別の実験では、前置補助パルスと選
択パルスの関係を入れ換えて、即ち、遅延期間後の最初
のパルスを選択パルス、次にインターバルをおいて設定
した第2のパルスを補助パルスとして固定した場合に
も、同様のVth2とVsat2の閾値を使用した駆動ができ
ることを確認した。しかし、前述の実施例ほどの書き込
みスピードの短縮の効果は上がらなかった。
【0023】(実施例2)図10はマトリクス型の液晶
表示に本発明を適用したときのXm、Yn電極(m、nは
正の整数)に印加する駆動波形を示した図である。Y側
の走査信号はリセット期間T1とリセット電圧Vr、遅延
期間T2、前置補助パルス期間(以後、プリセットパル
ス期間またはプリセット期間と称す)T3とプリセット
電圧Vp、インターバル期間T4、選択期間T5と選択電
圧Vsの順で各電圧が与えられ、これが順次1選択期間
ずつずれて、Yn、Yn+1、Yn+2、・・・の各行電極に
印加される。また、上記以外の非選択期間T6と、遅延
期間、インターバル期間は同じ電圧値Vnsとする。図で
はVns=0である。図10は1フレームごとに電圧の極
正を反転させるため、第kフレームが正の場合には、次
の第(k+1)フレームは負の極性とする。極性の切り
換え信号はFRで示した。X側のデータ信号Xmには選
択期間T5に同期して画素のon/offを切り換えるデータ
電圧Vdが与えられる。図10の場合、フレームkでは
+Vdで0度ユニフォーム状態の選択、−Vdで360度
ツイスト状態の選択が対応している。データ信号Xmも
次のフレーム(k+1)では走査信号に合わせて、プラ
ス、マイナスが反転される。液晶表示体の各画素(m、
n)には、走査信号とデータ信号の差信号(Yn−Xm)
が印加され、画素のon/off切り換えに有効な電圧変化は
選択期間T5のVs±Vdだけである。即ち、データ信号
の重畳されたリセット電圧Vr±Vdと、プリセット電圧
Vp±Vdは表示の書換に影響せず、選択電圧の振幅2V
dの電圧変化のみに追随する。図11は図10の選択期
間T5を単位時間1Hとした時、その半分の時間1/2
Hごとに印加パルス電圧をプラスマイナスで反転させ、
交流化させたものである。この交流化は表示のフリッカ
ー解消、液晶の長寿命化などに効果がある。もちろん、
本発明に係わる液晶表示は、図5のように印加電圧のプ
ラスマイナスで対称性を有する閾値特性を有しているた
め、上記交流化でもプリセットパルスおよび選択パルス
の効果は変わらない。
【0024】実際の電圧設定としてはVr=±25〜3
0V、Vp=±8〜10V、Vs=±15V、Vns=
0V、Vd=±1.5〜2Vとし、1H=25μsでフ
レーム周波数41.7Hz、デューティ比1/960の
単純マトリクス駆動ができた。
【0025】(実施例3)液晶のドライバ電圧の上昇を
抑え、高耐圧ICの使用を出きる限り避けるための駆動
波形例を図12に示す。走査用の行電極信号Ynのうち
高電圧を要するリセット電圧Vrおよび選択電圧Vs
を、非選択電圧Vnsを中心にプリセット電圧Vpと反
対方向に設定し、データ信号の電圧VdをやはりVns
を中心にプラスまたはマイナス方向に変化させる。さら
に、フレームが変わるごとにリセット電圧±Vrの中心
電圧を対称位置にフレームごとの反転を繰り返す。
【0026】図13は図12と同じ考えに基づいて1/
2Hごとの反転を行った例である。極性の反転は信号F
Rに従って行われる。実際の電圧設定としては、例えば
Vr=±17〜22V、Vp=±16〜18V、Vs=
±7V、Vns=±8V、Vd=±(9.5〜10)〜
(6.5〜6.0)Vとすれば、実施例2よりピーク電
圧を8V下げられる。
【0027】図14は図12、図13と同じ電圧設定の
考えに基づいて実施した他の例である。この例は交流化
信号に1Hごとの反転を指示するFR1と、1フレームご
との反転を指示するFR2を考え、あるフレームとそれに
続く次のフレームで完全に直流分を相殺する方法であ
る。このようにすると、パルスごとの反転は今までの例
の1/2倍となっているため、反転による波形なまりの
低減、駆動周波数の低減化などの効果がある。また、こ
の方法は駆動波形の電圧設定が違う実施例2にも適用で
きることは、言うまでもない。
【0028】(実施例4)図15から19に、実施例
2、3の駆動波形を実現するための実際の液晶駆動回路
の構成、並びに、タイムチャートを示す。図15は液晶
パネルおよびその駆動回路を含む表示装置の全体構成図
である。液晶パネル10は320×320画素を有し、
この液晶パネル10を駆動するために、第1、第2のY
ドライバ回路11A、11Bおよび第1、第2のXドラ
イバ12A、12Bが設けられている。第1、第2のY
ドライバ回路はそれぞれ同一の構成を有し、その詳細が
図16に示されている。また、第1、第2のXドライバ
回路も同一構成を有し、その詳細が図17に示されてい
る。
【0029】Yドライバ回路11Aについて図16を参
照して説明する。Yドライバ回路11Aはリセット用シ
フトレジスタ13A、プリセット用シフトレジスタ13
B、セレクト用シフトレジスタ13Cの3つのシフトレ
ジスタを有し、それぞれには160段のレジスタがあ
る。リセット用レジスタ13Aにはリセット期間T1を
指定したリセット信号RIが入力され、この信号はシフ
トクロックYSCKにより次段のレジスタに逐次シフト
されていく。なお、160段目のレジスタの内容は出力
端子ROを介して出力され、第2のYドライバ回路の入
力RIとなるカスケード接続がなされる。プリセット用
シフトレジスタ13B、セレクト用シフトレジスタ13
Cについても同様で、それぞれプリセット期間T3、セ
レクト期間T5を指定した信号PI、SIがシフトレジ
スタ13B、13Cに入力され、これらの信号はシフト
クロックYSCKにより次段のレジスタに次々に伝達さ
れていく。最終段160のレジスタの内容は出力端子P
O、SOを介して次の第2のYドライバ回路11Bの入
力信号PI、SIとなり、カスケード接続がなされる。
【0030】各シフトレジスタ13A、13B、13C
の内容は160チャンネル同時に並列出力され、出力コ
ントローラ14に入力される。この出力コントローラ1
4はリセット信号R、プリセット信号P、セレクト信号
Sおよび交流化信号FRの入力状態によって8つの状
態、即ち、R,P,S、FR=(0、0、0、0)また
は(0、0、0、1)または(0、0、1、0)または
(0、0、1、1)または(0、1、0、0)または
(0、1、0、1)または(1、0、0、0)または
(1、0、0、1)を区別した信号を出力し、この信号
がレベルシフタ15を介してYドライバ16に入力され
る。このYドライバ16には7ないし8種類の駆動電圧
±Vr,±Vp,±VS,0(または±Vs)が入力さ
れており、出力コントローラ14で区別された8つの状
態に基づき、表1に示す真理値表に従っていずれか1つ
の駆動電圧を各チャンネルごとに出力する。なお、表1
の真理値表においてYout1は図10、11に対応した
駆動波形を得るときの選択を、また、Yout2は図1
2、13、14に対応した駆動波形を得るときの選択を
示した。
【0031】
【表1】
【0032】図18はYドライブ回路に入出力される各
信号の状態を一部示したタイミングチャートである。図
18に示すタイミングチャートの場合、選択期間T5の
長さを1Hとしたとき、シフトクロックYSCKは1H
ごとにH/Lを繰り返す信号となっており、交流化信号
FRも同様となっているので、図11、13のように1
/2Hごとに液晶に印加される電圧の極性が反転するY
信号Ynとなる。FRの反転を1Hごとに行うと図14
のように、あるいは、フレームごとに行うと図10、1
2となる。
【0033】次に、第1のXドライバ回路12Aの詳細
について図17を参照して説明する。Xドライバ回路1
2Aは160段のレジスタを有するシフトレジスタ17
があり、入力信号EIをシフトクロックXSCKに従っ
て次段のレジスタに逐次シフトしていく。160番目の
レジスタの内容はEO出力端を介して外部に出され、第
2のXドライバ回路12Bとカスケード接続が可能であ
る。シフトレジスタ17に入力される信号EIは、図1
9に示すように一水平走査期間(1H)に1回論理の1
となる信号である。従って、シフトレジスタ17の各レ
ジスタより論理の1が逐次出力されることで、第1のラ
ッチ回路18は各レジスタと対応するアドレスに画像デ
ータをラッチする事になる。この第1のラッチ回路18
の160チャンネルのデータは、ラッチパルスLPが入
力するタイミングにて第2のラッチ回路19に同時にラ
ッチされる。交流化信号FRおよび第2のラッチ回路1
9からのデータを入力する出力コントロール回路20
は、データDと交流化信号FRの入力状態によって4つ
の状態(D,FR)=(0、0)または(0、1)また
は(1、0)または(1、1)を区別した信号を、レベ
ルシフタ21を介して各チャンネルごとにX(SEG)
ドライバ22に入力させる。Xドライバ22は2または
4種類の駆動電圧すなわち±Vdまたは±Vonと±Vof
fを入力とし、出力コントロール回路20からの情報に
基づいてこの内の1つの電圧を選別出力する。表2にそ
の真理値表を示す。なお、真理値表2においてXout1
は図10、11に、Xout2は図12から13の実施例
に対応している。
【0034】
【表2】
【0035】
【発明の効果】以上述べたように、本発明はリセットパ
ルス後に遅延期間を設け,プリセットパルスを印加、更
に、このプリセットパルスに後続させてインターバル期
間を設け、選択電圧を印加するようにした。この結果、
マトリクス駆動の1ライン当たりの書き込み時間を遅延
期間を用いた従来の駆動方法のさらに数倍の20μs/
line以下に短縮する事が可能になった。即ち、本発明に
よればフリッカーレスのハイデューティ単純マトリクス
駆動でも1000ライン以上の表示が実現されることに
なる。更には、これに多重マトリクス等の手法を組み合
わせることで、さらに高精細・大容量表示の実現も可能
である。
【0036】一方、本発明による液晶表示装置は基本特
性として数秒のメモリ性を有すること、コントラスト比
が100を越えること、視角が上60゜、下80゜、左
右各80゜の広視野角であること、光学応答が4ms以
下と高速であることなどSTNを上回る特性を有してい
るため、先の高度の単純マトリクス駆動が可能であるこ
とと合わせ、低価格・高品質の表示装置実現に多大な貢
献が出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による駆動波形図。
【図2】従来の駆動波形図。
【図3】従来の他の駆動波形図。
【図4】本発明の原理を示した液晶の挙動説明図。
【図5】本発明に用いる液晶表示体の駆動電圧特性図。
【図6】本発明に用いる液晶表示体の構成図。
【図7】本発明を実施した駆動電圧特性図。
【図8】本発明のリセット電圧依存性を示した電圧特性
図。
【図9】本発明のバイアス電圧依存性を示した電圧特性
図。
【図10】本発明を実施するためのマトリクス駆動波形
図。
【図11】本発明を実施するための他のマトリクス駆動
波形図。
【図12】本発明を実施するための他のマトリクス駆動
波形図。
【図13】本発明を実施するための他のマトリクス駆動
波形図。
【図14】本発明を実施するための他のマトリクス駆動
波形図。
【図15】本発明による表示装置の全体構成図。
【図16】Yドライバの詳細ブロック図。
【図17】Xドライバの詳細ブロック図。
【図18】Yドライバのタイミングチャート。
【図19】Xドライバのタイミングチャート。
【符号の説明】
T1 リセット期間 T2 遅延期間 T3 プリセット期間 T4 インターバル期間 T5 選択期間 T6 非選択期間 1 液晶分子 2 配向膜 3 絶縁膜 4 透明電極 5 ガラス基板 6 スペーサ 7 偏光板 10 液晶表示体 11A、11B Yドライバ 12A、12B Xドライバ 13A、13B、13C シフトレジスタ 14、20 出力コントローラ 15、21 レベルシフタ 16 Y(COM)ドライバ 17 シフトレジスタ 18、19 ラッチ 22 X(SEG)ドライバ

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 初期状態においてねじれ構造を有し、該
    初期状態にフレデリクス転移を生じさせた後の緩和状態
    として初期状態とは異なる2つの準安定状態を有するカ
    イラル・ネマチック液晶表示体において、フレデリクス
    転移により液晶の配向状態を一時的にホメオトロピック
    状態に遷移させるリセットパルスと、それに続く適度の
    遅延期間と波高値をもった前置補助パルスと、該前置補
    助パルスの後あるいは前において該前置補助パルスと一
    定間隔(インターバル)を置いて設定された選択パルス
    からなり、該選択パルスの波高値の増減によって前記液
    晶表示体の第1の安定状態、あるいは、第2の安定状態
    を生じさせる事を特徴とする液晶表示装置の駆動方法。
  2. 【請求項2】 上記遅延期間およびインターバル期間
    を、選択パルス幅の整数倍とし、前記前置補助パルスお
    よび選択パルスを液晶の流動期間内に設定した事を特徴
    とする請求項1に記載の液晶表示装置の駆動方法。
  3. 【請求項3】 初期状態においてねじれ構造を有し、該
    初期状態にフレデリクス転移を生じさせた後の緩和状態
    として初期状態とは異なる2つの準安定状態を有するカ
    イラル・ネマチック液晶を用いたマトリクス型の表示装
    置において、Yドライバはリセット期間、遅延期間、前
    置補助期間、インターバル期間、選択期間の順序でリセ
    ットパルス電圧、前置補助パルス電圧、選択パルス電圧
    を発生し、これを表示体の各行電極に順次走査信号とし
    て与え、一方、Xドライバは上記選択期間に同期して合
    成電圧がしきい値以上の電圧、あるいは、しきい値以下
    の電圧を生じさせる2種類のパルス電圧を発生し、これ
    を表示体の各列電極にデータ信号として与え、マトリク
    ス上の指定画素のonまたはoffの状態を選択する事
    を特徴とする液晶表示装置。
  4. 【請求項4】 マトリクス型液晶表示体の行電極(Y
    n)走査波形における非選択期間の電圧レベルVnsを第
    1の基準であるグランドレベルを中心にプラス・マイナ
    ス対称に2電位設置し、これを第2、第3の基準の位置
    としてリセットパルス電圧Vs、前置補助パルス電圧V
    p、選択パルス電圧Vsの各電圧を設定し、前記順次走査
    信号を発生するYドライバと、一方、列電極(Xm)に
    印加する画素のデータ信号Vdについては、上記第2、
    第3の基準である非選択期間電圧レベルVnsあるいは−
    Vnsを基準にon電圧とoff電圧を設定し、前記デー
    タ信号を発生するXドライバからなる事を特徴とする請
    求項3に記載の液晶表示装置。
  5. 【請求項5】 非選択期間電圧±Vnsをグランドレベル
    と一致させることを特徴とする請求項4に記載の液晶表
    示装置。
  6. 【請求項6】 行電極走査波形における遅延期間の電
    圧、インターバル期間の電圧を、非選択期間電圧Vnsと
    一致させることを特徴とする請求項3、4に記載の液晶
    表示装置。
  7. 【請求項7】 液晶に印加される駆動波形の反転を1)
    1フレームごと、または、2)選択期間の半分の時間
    (1/2H)ごと、または、3)選択期間(1H)ごと
    に行い、かつ、1フレームごとの反転を重畳させる手段
    のいずれかの方法を用いることを特徴とする請求項3に
    記載の液晶表示装置。
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