JPH07127768A - 耐久性ブレーキホースとその製造方法 - Google Patents
耐久性ブレーキホースとその製造方法Info
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- JPH07127768A JPH07127768A JP5294180A JP29418093A JPH07127768A JP H07127768 A JPH07127768 A JP H07127768A JP 5294180 A JP5294180 A JP 5294180A JP 29418093 A JP29418093 A JP 29418093A JP H07127768 A JPH07127768 A JP H07127768A
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Abstract
ーキホースを提供することを目的とする。 【構成】 内ゴム管と外ゴム管との間に補強糸による編
組の補強層を2層に設けてなるブレーキホースにおい
て、内側の第1補強層中の編目を埋め込むとともに、補
強糸の外周面を被覆してなる充填ゴム層を設け、前記充
填ゴム層のゴムは内ゴム管のゴムよりもブレーキ液の透
過性の良いゴムとする。また、編目へのゴム糊の埋め込
みは、粘度が200〜1000ポイズのゴム糊中を浸漬
しながら移送させホースをしごくことによって強制的に
埋め込むことができる。
Description
置に使用する耐久性ブレーキホースとその製造方法に関
する。
レーキペダルの踏み力をマスタシリンダによって油圧に
変え、ブレーキホースを通して各ホイールシリンダに伝
えられる。従来のブレーキホースはゴム管と編組による
補強層とからできている。図3はブレーキホースの一部
を切り欠いた斜視図、図2は一部拡大断面図である。ブ
レーキホースは、耐油性のエチレン・プロピレン・ジエ
ンゴム(EPDM)、スチレン・ブタジエンゴム(SB
R)等による内ゴム管10、補強糸としてビニロン糸を
編組してなる第1補強層11、天然ゴム(NR)、EP
DM、ブチルゴム(IIR)等による中間ゴム層12、
ビニロン糸を編組してなる第2補強層13、さらに、E
PDM、クロロプレンゴム(CR)による外ゴム管14
から構成されている。
常、次のようにして製造される。即ち、予め用意した長
尺の樹脂マンドレルの外周に内ゴム管10を押出成形
し、内ゴム管10の外表面に第1補強層11を編組む。
次いで、第1補強層11の外周面に押出機によって押し
出すか、長尺のゴムテープを巻き付けながら中間ゴム層
12を形成し、ゴムテープを巻き付ける場合にはゴムテ
ープを巻き付けながら第2補強層13を編組む。さら
に、第2補強層13の外周に外ゴム管14を押出成形す
る。これらのゴムホースを長尺マンドレルとともに加硫
し、加硫後、長尺マンドレルを水圧を利用して抜き取
り、長尺ゴムホースはその後所定の長さに切断されて使
用される。
ブレーキホースとその製造方法には、次のような問題が
あった。ブレーキホースは、走行時ブレーキペダルの踏
力による繰り返し加圧とタイヤのバウンド、リバウンド
によって絶えず揺動を受けている。そのために、繰り返
し加圧及び揺動によって補強層11、13を形成する糸
同志が擦れ、糸の摩損が起こる。ブレーキホースでは、
糸の摩損によって補強層が内圧に絶えられなくなり破裂
するという破壊様式をとる。従来のブレーキホースは、
第1補強層11と第2補強層13との間に中間ゴム層1
2を介在させているが、中間ゴム層12は補強層中の編
目や重なり合う糸同志の間には埋め込まれていない。こ
れはブレーキホースのような高圧ホースでは補強糸が密
に編組まれているからである。従って、中間ゴム層12
は第1補強層11と第2補強層13との層間の摩損防止
には効果があるが、補強層中の糸同志の摩損防止には効
果が得られない。
ゴム管10のゴムよりブレーキ液の透過性の悪いゴム材
質であると、内ゴム管10から透過したブレーキ液が中
間ゴム層12によって抑えられてしまう。抑えられたブ
レーキ液はそのまま第1補強層11に染み込み、糸の劣
化を促進させ、ホースの耐久性低下の原因となってい
る。また、中間ゴム層12を押出成形する場合には、押
出スピードや肉厚の調整等の工程管理が必要になる。ま
た、ゴムテープを巻き付けて中間ゴム層12を成形する
場合には、第2補強層13の編組の際に巻き付けられる
が、予めゴムテープを成形して置かなければならないと
ともに、ラップしたり隙間があいたりして均一に巻き付
けるのが困難であった。
もので、繰り返し加圧揺動下での耐久性に優れたブレー
キホースを提供することを目的とする。
成するために次のような構成とした。即ち、この発明に
係る耐久性ブレーキホースは、内ゴム管と外ゴム管との
間に補強糸による編組の補強層を2層に設けてなるブレ
ーキホースにおいて、内側の第1補強層中の編目を埋め
込むとともに、補強糸の外周面を被覆してなる充填ゴム
層を設け、前記充填ゴム層のゴムを内ゴム管のゴムより
もブレーキ液の透過性の良いゴムとしたことを特徴とす
る。前記充填ゴム層はゴム糊を塗布し、編目に強制的に
埋め込むことによって形成することができる。また、前
記内ゴム管及び外ゴム管はEPDMで形成し、補強層は
ビニロン糸で編組みし、ゴム糊を調製するゴムはCRと
することが望ましい。
法は、長尺マンドレルの外周面に内ゴム管を押出成形
し、次いで、内ゴム管の外周面にビニロン糸の編組によ
る第1補強層を設ける。次に、この第1補強層を設けた
ホースを移送しながら、ゴム粘度が200〜1000ポ
イズであり、CRで調製したゴム糊槽中に浸漬して塗布
するとともに、ゴム糊槽の出口で編組径よりも小さいゴ
ムリングを通過させてしごくようにして前記ゴム糊を編
目に強制的に埋め込む。その後、ビニロン糸の編組によ
る第2補強層を設け、最後に、EPDMにより外ゴム管
を押出成形するものである。ゴム糊のゴム粘度を200
〜1000ポイズとしたのは、200ポイズ以下では糸
にゴム糊が浸透して編目に残らないとともに、第2補強
層まで浸透して外ゴム管との接着力を低下させるからで
ある。また、ゴム糊のゴム粘度を1000ポイズ以上と
すると、粘度が高すぎてゴム糊がホースの下側に流動せ
ず、その結果ホース下側にキャビテーション(空洞)が
発生し、ホース下面にゴム糊が塗布されないからであ
る。
充填ゴム層を形成するので、糸同志が直接摩擦するのを
防止する。また、ゴム糊は内ゴム管よりもブレーキ液の
透過性の良いCRで調製し、従来のように中間ゴム層を
形成するものではないから、糸へのブレーキ液の浸透が
防止される。ゴム糊槽の出口ではゴムリングでしごくの
で、ゴム糊が編目に強制的に埋め込まれる。
まず、この発明に係るブレーキホースの拡大断面を図1
に示す。図において、20はブレーキ液が透過し難いE
PDMからなる内ゴム管、21は内ゴム管20の外周面
にビニロン糸により編組した第1補強層、22はゴム糊
を充填することによって編目の間を埋め込み、ビニロン
糸の外周面を被覆してなる充填ゴム層であり、23は前
記充填ゴム層22の外周面にビニロン糸により編組して
なる第2補強層、24はEPDMにより被覆してなる外
ゴム管である。前記充填ゴム層22を形成するゴム糊
は、内ゴム管20を形成するEPDMよりもブレーキ液
の透過性に優れており、極性のあるCRにより調製し
た。
強層21にのみ設けたが、第2補強層23にも設けるこ
とができる。ブレーキホースの耐圧は第1補強層21で
保持されており、第2補強層23は補助的機能を果たし
ているにすぎないから、充填ゴム層22は第1補強層2
1に設ければ十分である。
長尺マンドレルに内ゴム管20を押出成形し、編組によ
る第1及び第2の補強層を設け、最後に外ゴム管を押出
成形する点では基本的に従来の製造方法と同一である。
従来の製造方法と異なるのは、第1補強層の編組工程の
次に中間ゴム層の押出成形に代えてゴム糊を塗布し、強
制的に編目に埋め込んで充填ゴム層を形成する工程を設
け、中間ゴム層の押出工程を省略する点である。図2は
ゴム糊槽によるゴム糊の塗布方法を示している。ゴム糊
槽25には下端部の対向する側面に第1補強層21の編
組径よりも大径の透孔26と透孔27が穿設されてお
り、前記透孔26、透孔27にはそれぞれゴムリング2
8、29が同一軸上に固着されている。
40〜70であり、ホースを挿通する挿通孔30、31
は第1補強層の編組径よりも0.1〜0.3mm小さく
形成されている。ゴムリング28、29がゴム硬度Hs
40以下では耐摩耗性に劣りホースを移送しているうち
に摩耗してしまいゴム糊を強制的に編目に埋め込むため
のしごきが不十分になる。従って、第1補強層21に必
要以上のゴム糊が塗布されることになる。一方、ゴム硬
度Hs70以上では柔軟性に欠けしごき効果が大きすぎ
てゴム糊が均一に被覆できないからである。ゴムリング
28の外面にはホースの挿入を容易にするために漏斗状
の切欠32が形成されており、ゴムリング29の内面に
はしごき効果を上げるために漏斗状の切欠33が形成さ
れている。
り200〜1000ポイズの粘度に調製されている。ゴ
ム糊の粘度が200ポイズ以下では、糸にゴム糊が浸透
してしまい編目に残らないばかりでなく、第2補強層2
3まで浸透して外ゴム管24と第2補強層23との接着
力を低下させるからである。また、ゴム糊の粘度が10
00ポイズ以上では、ゴム糊中をホースを移送させると
きにホース上側のゴム糊の流動が少なくホース下側に巻
き込まれないので、ホース下側にキャビテーション(空
洞)が発生する。その結果、ホース全周にゴム糊が塗布
されないからである。
には、ホースをゴムリング28側から挿入し反対側のゴ
ムリング29から引き抜いてゴム糊槽25内を浸漬しな
がら一定速度で移送すればよい。第1補強層21の外周
面に付着したゴム糊は、ゴムリング29によってしごか
れるので編目に強制的に埋め込まれるとともに、外周面
を被覆することになる。
験結果について説明する。まず、ゴム糊の粘度差による
第1補強層21上へのゴム糊の塗布状態及び編目への埋
め込み状態を調べた。第1補強層21外周面にゴム糊が
完全に塗布されており、しかも編目にゴム糊が完全に埋
め込まれているものを○、ゴム糊の塗布が完全でないも
の、あるいはゴム糊の編目への埋め込みが完全でないも
のを×とした。結果は表1に示す通りである。
耐久性を調べた。この耐久試験は、長さ200mmのブ
レーキホースの両端に取付金具を固着して試験機に取り
付け、100℃の温度中で、0〜100kgf/cm2
の間で加圧サイクル42cpmで加圧を繰り返すととも
に、±50mmの揺動を揺動サイクル150cpmで加
えた。ホースが破裂するまでの揺動回数と耐久試験後の
ホースの第1補強層の糸へのブレーキ液の染み込み状態
を調べた。尚、比較例における中間ゴム層はゴムテープ
を巻き付けることにより形成した。結果は表2に示す通
りである。
ポイズ以下では、編目への埋め込みが不完全であり、1
000ポイズ以上では第1補強層21上への塗布状態が
不完全になる。従って、ゴム糊の粘度を200〜100
0ポイズとした場合に耐久性が極めて良好であった。さ
らに、耐久試験終了後にブレーキホースを分解したとこ
ろ、内ゴム管のSBRよりもブレーキ液の透過性の悪い
NRを中間ゴム層に使用した場合には、第1補強層の糸
にブレーキ液の染み込みが認められたが、実施例では全
く認められなかった。
の第1補強層の編目を強制的に埋め込んで充填ゴム層を
形成したから、従来のように第1補強層と第2補強層と
の間の摩損とともに、第1補強層中の糸同志の摩損を防
止する。また、充填ゴム層を形成するゴム糊は内ゴム管
のゴムよりもブレーキ液の透過性の良いゴムにより調製
し、補強層間ではわずかな層を形成するにすぎないか
ら、内ゴム管を透過したブレーキ液が第1補強層の糸に
染み込んで劣化させることがない。従って、第1補強層
は糸同志の摩損とブレーキ液による劣化が防止され、繰
り返し加圧揺動下での耐久性に優れたブレーキホースが
得られる。
図である。
面図である。
図である。
る。
Claims (5)
- 【請求項1】 内ゴム管と外ゴム管との間に補強糸によ
る編組の補強層を2層に設けてなるブレーキホースにお
いて、内側の第1補強層中の編目を埋め込むとともに、
補強糸の外周面を被覆してなる充填ゴム層を形成し、前
記充填ゴム層を形成するゴムを内ゴム管のゴムよりもブ
レーキ液の透過性の良いゴムとしたことを特徴とする耐
久性ブレーキホース。 - 【請求項2】 前記内ゴム管及び外ゴム管のゴムはエチ
レン・プロピレン・ジエンゴムであり、補強層の補強糸
はビニロン糸であり、充填ゴム層のゴムはクロロプレン
ゴムであることを特徴とする請求項1記載の耐久性ブレ
ーキホース。 - 【請求項3】 前記充填ゴム層がゴム糊を塗布すること
によって形成したことを特徴とする請求項1記載の耐久
性ブレーキホース。 - 【請求項4】 第1補強層を編組したホースをゴム糊の
粘度が200〜1000ポイズであるゴム糊槽中に浸漬
しながら移送し、ゴム糊槽の出口においてゴムリングに
よりしごいてゴム糊を編目に強制的に埋め込んで充填ゴ
ム層を形成する工程を含むことを特徴とする耐久性ブレ
ーキホースの製造方法。 - 【請求項5】 前記ゴムリングはゴム硬度Hs40〜7
0であり、ホースを挿通する挿通孔は第1補強層の編組
径よりも0.1〜0.3mm小さく形成されていること
を特徴とする請求項4記載の耐久性ブレーキホースの製
造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5294180A JP2748223B2 (ja) | 1993-10-29 | 1993-10-29 | 耐久性ブレーキホースとその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5294180A JP2748223B2 (ja) | 1993-10-29 | 1993-10-29 | 耐久性ブレーキホースとその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07127768A true JPH07127768A (ja) | 1995-05-16 |
JP2748223B2 JP2748223B2 (ja) | 1998-05-06 |
Family
ID=17804352
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5294180A Expired - Lifetime JP2748223B2 (ja) | 1993-10-29 | 1993-10-29 | 耐久性ブレーキホースとその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2748223B2 (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2000094537A (ja) * | 1998-09-21 | 2000-04-04 | Meiji Rubber & Chem Co Ltd | 超低膨張ブレーキゴムホースとその製造方法 |
JP2003090466A (ja) * | 2001-07-11 | 2003-03-28 | Hitachi Cable Ltd | 車両用ブレーキホース |
JP2003211551A (ja) * | 2002-01-28 | 2003-07-29 | Meiji Rubber & Chem Co Ltd | 低膨張ブレーキゴムホースとその製造方法 |
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JP2015512019A (ja) * | 2012-03-14 | 2015-04-23 | プラパイプ ホールディング リミテッド | 高分子材料を含む多層パイプライン、多層パイプラインを製造する装置及び多層パイプラインを製造する方法 |
JP2018100726A (ja) * | 2016-12-21 | 2018-06-28 | 株式会社ニチリン | 液圧ブレーキホース |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6012225A (ja) * | 1983-06-13 | 1985-01-22 | デイ−ア・アンド・カンパニ− | チヤツク組立体 |
-
1993
- 1993-10-29 JP JP5294180A patent/JP2748223B2/ja not_active Expired - Lifetime
Patent Citations (1)
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JP2748223B2 (ja) | 1998-05-06 |
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