JPH07127530A - 副室を有するガスエンジン - Google Patents

副室を有するガスエンジン

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JPH07127530A
JPH07127530A JP29252193A JP29252193A JPH07127530A JP H07127530 A JPH07127530 A JP H07127530A JP 29252193 A JP29252193 A JP 29252193A JP 29252193 A JP29252193 A JP 29252193A JP H07127530 A JPH07127530 A JP H07127530A
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JP
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gas
chamber
sub
air
fuel
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JP29252193A
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Inventor
Katsunori Hirai
克典 平井
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Isuzu Motors Ltd
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Isuzu Motors Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、ガス室と副室とを設け、ガス室に
燃焼ガスを残さずに燃焼を改善して燃費を向上させる副
室を有するガスエンジンを提供する。 【構成】 本発明は、シリンダヘッド7にガス室3と副
室2を設け、ガス噴出用連絡口11にガス噴出用バルブ
6を配置し、ガス室3にガス燃料を供給するガス燃料供
給通路5を連通する。ガス室3に圧縮空気を供給するた
めガス噴出用連絡口11の反対側に連絡路4の空気流入
口29を開口する。連絡路4の副室2側の空気流入用連
絡口20に空気供給用バルブ12を設ける。連絡路4か
らの圧縮空気がガス室3内の燃焼ガスを後押して副室2
へ噴出させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、天然ガスの燃料をガ
ス室に供給し、該ガス室での連絡が遮断された状態の主
室で吸入空気を高圧縮することができる副室を有するガ
スエンジンに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ナチュラルガス即ち天然ガスを主
燃料とするエンジンは、コジェネレーション型エンジン
として、開発が進められている。このコジェネレーショ
ン型エンジンは、動力を発電機で電気エネルギーとして
取り出し、排気ガスエネルギーが有する熱を熱交換器で
水を加熱して温水にして給湯用として利用している。そ
して、このコジェネレーション型エンジンは、都市、事
務所、ホテル、病院等で電気供給システムとして利用さ
れることが期待されている。このようなエンジンとして
は、例えば、特開昭54−156911号公報、特開昭
63−6358号公報、特開平1−232119号公報
等に開示されたものがある。
【0003】また、実開平4−65921号公報に開示
された希薄燃焼ガスエンジンは、副室内で一次燃焼させ
た燃焼ガスを、副室の下部に開口された噴孔より主室内
へ噴出して、主室内の希薄混合気を燃焼させるように構
成したものであり、主室へ燃焼ガスを噴出する噴孔を主
室内に発生させる希薄混合気のスワール方向に傾斜させ
たものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ナチュ
ラルガスを燃料とするガスエンジンは、燃料がガス体で
あるので、ガソリンと同じように燃料ガスを吸気バルブ
から吸入され、圧縮、着火されるので、圧縮比を大きく
することができず、理論熱効率(η=仕事の熱換算/燃
料の熱量)は必ずしも高くない。通常使用されているガ
スエンジンは、圧縮比が12〜13程度であり、理論熱
効率は48%に過ぎないものであり、ガスエンジンの動
力を電気エネルギーにした場合には、熱効率は34〜3
5%で、場合によっては30%を割るような効率であ
る。
【0005】そこで、ガスエンジンから電気エネルギー
として取り出す場合に、熱効率を向上させることが望ま
れているのが現状である。そこで、ガスエンジンに遮熱
型ガスエンジンを取り入れ、熱効率を向上させることが
考えられるようになった。ガスエンジンは、ナチュラル
ガスを燃料とするものであり、燃料が気体である。そこ
で、吸気行程でガスを吸入し、次いで圧縮すると、高圧
縮となり温度が高くなり、自己着火の現象即ちノッキン
グが発生する。しかるに、ナチュラルガスのガス燃料は
圧縮比が12以下でないと、自己着火するものである。
また、エンジンの熱効率については、圧縮比が小さいと
熱効率が小さくなるという現象がある。従って、ガスエ
ンジンでは、ガス燃料の自己着火を避けて、圧縮比を如
何に高くするかの課題がある。
【0006】そこで、ガスエンジンでは、ガス燃料の自
己着火を避けるため、図2に示すように、副室をガス室
17と副室2とで構成したものが開発されている。この
ガスエンジンは、シリンダブロック14、シリンダブロ
ック14にガスケット21を介在して固定されたシリン
ダヘッド7、シリンダヘッド7に形成された吸排気ポー
トに配置された吸排気バルブ、シリンダヘッド7に形成
されているガス室17と副室2、シリンダブロック14
に形成した孔部25に嵌合したシリンダライナ13、該
シリンダライナ13に形成したシリンダ15内を往復運
動するピストン10、及びシリンダ15側に形成される
主室1を有している。主室1と副室2とは連絡口9で連
通されており、副室2とガス室17とは空気流入用連絡
口20とガス噴出用連絡口23とで連通されている。更
に、空気流入用連絡口20には空気流入用バルブ19が
配置され、ガス噴出用連絡口23にはガス噴出用バルブ
18が配置されている。また、ガス室17にガス燃料を
供給するため、ガス室17にガス燃料供給通路5が開口
し、ガス燃料供給通路5のガス燃料供給口22にはガス
燃料供給バルブ8が配置されている。
【0007】上記のような副室を有するガスエンジンで
は、圧縮行程上死点近傍で空気流入用バルブ19によっ
て空気流入用連絡口20を開放してガス室17に新気を
流入させ、ガス室17のガス燃料に着火させる燃焼方式
を採用している。しかしながら、ガス室17で着火燃焼
した段階でガス噴出用バルブ18によってガス噴出用連
絡口23を開放してガス室17から副室2へガスを噴出
させるが、その時、ガス室17に燃焼ガスが多量に残留
するという問題が発生する。ガス室17に余分な燃焼ガ
スが残留すると、空気流入用バルブ19で空気流入用連
絡口20を閉鎖し、ガス噴出用バルブ18でガス噴出用
連絡口23を閉鎖し、ガス燃料供給バルブ8を作動して
開口部22を開放し、ガス燃料供給通路5を通じてガス
室17にガス燃料を導入する時に、十分なガス燃料がガ
ス室17に供給されないばかりでなく、ガス室17に供
給したガス燃料が自己着火するという問題が発生する。
【0008】そこで、この発明の目的は、上記の課題を
解決することであり、シリンダヘッドにガス室と副室を
設け、ガス室に燃焼ガスを残さずに燃焼を改善して燃費
を向上させることであり、ガス室にガス燃料を供給し、
主室からの高圧縮比の高温空気を連絡路を通じてガス室
の背面側からガス室に導入して着火燃焼させると共に、
ガス噴出用連絡口を開放してガス室内の燃焼ガスを連絡
路の圧縮空気によって押し出すようにガス室から副室へ
噴出させ、ガス室内に燃焼ガスが残存しないようにし、
ガス室内のガス燃料と高圧縮空気とを一気に混合させる
ことで短期間に着火燃焼させ、副室の空気と混合して希
薄混合気を生成しつつ燃焼させて主室に噴き出させ、主
室での燃焼をできるだけ均一な混合気で短時間で完結さ
せ、NOX 、HC等の発生を低減して熱効率を高め、ガ
ス燃料の自己着火を防止してノッキングの発生を防止で
きる副室を有するガスエンジンを提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記の目的
を達成するために、次のように構成されている。即ち、
この発明は、シリンダヘッドに設けられた副室とガス
室、連絡口を通じて前記副室に連通するシリンダ側に形
成された主室、ガス燃料を前記ガス室に供給するガス燃
料供給手段、前記ガス室から前記副室へ燃焼ガスを噴出
させるガス噴出用連絡口に設けたガス噴出用バルブ、及
び前記副室から前記ガス室に圧縮空気を供給するため前
記副室と前記ガス室とを連通する連絡路に配置された空
気供給用バルブ、から構成したことを特徴とする副室を
有するガスエンジンに関する。
【0010】また、この副室を有するガスエンジンにお
いて、前記ガス燃料供給手段はガス燃料を前記ガス室に
供給するガス燃料供給通路及び該ガス燃料供給通路を開
閉するため前記ガス燃料供給通路に配置されたガス燃料
供給バルブから構成され、前記連絡路は前記副室から前
記ガス室に圧縮空気を供給するため前記副室に開口する
空気流入用連絡口と前記ガス噴出用連絡口とは反対側に
前記ガス室に開口する空気流入口とを連絡し、前記空気
供給用バルブは前記連絡路における前記空気流入用連絡
口に配置されているものである。
【0011】また、この副室を有するガスエンジンにお
いて、前記連絡路における前記ガス室へ開口する前記空
気流入口には絞り部が形成されているものである。
【0012】また、この副室を有するガスエンジンにお
いて、前記連絡路には圧縮空気溜まり部が形成されてい
るものである。
【0013】
【作用】この発明による副室を有するガスエンジンは、
上記のように構成されており、次のように作用する。即
ち、この副室を有するガスエンジンは、シリンダヘッド
にガス室と前記ガス室にガス噴出用連絡口を通じて連通
する副室を設け、前記ガス噴出用連絡口にガス噴出用バ
ルブを配置し、前記ガス室にガス燃料を供給するガス燃
料供給手段を設け、前記ガス室に圧縮空気を供給するた
め前記ガス噴出用連絡口に対向する側の前記ガス室に連
絡路を開口し、該連絡路の前記副室側の開口部に空気供
給用バルブを設けたので、前記ガス噴出用連絡口を開放
して前記ガス室内の燃焼ガスを前記連絡路の圧縮空気で
押し出すように、前記ガス室から前記副室へ噴出させ、
前記ガス室内に燃焼ガスが残存しないようにし、また、
前記ガス噴出用バルブと前記空気供給用バルブを閉鎖し
て前記ガス室を前記副室から遮断した状態で吸入空気を
主室に供給でき、空気が主室内で高圧縮されても、前記
ガス室のガス燃料が自己着火することなく、ノッキング
が発生することがない。
【0014】この副室を有するガスエンジンでは、前記
連絡路に前記ガス室へ開口する部分に絞り部が形成さ
れ、また、前記連絡路には空気溜まり部が形成されてい
る。従って、前記ガス室での着火時に燃焼ガスが前記連
絡路に逆流することがない。即ち、前記ガス室でガス燃
料に着火すると、同時にガス噴出用バルブが開放する
が、前記ガス室では圧縮行程後期の新気が前記空気溜ま
り部から前記ガス室の上部から流入し、前記ガス室の上
部は希薄混合気に且つ下部は濃混合気になる濃度分布を
示し、前記ガス室のガス噴出用連絡口近傍で着火して前
記副室へ噴出する状態になる。前記ガス室から前記副室
へ火炎、未燃混合気等のガスが噴出する時には前記空気
供給用バルブは閉鎖するので、前記連絡路に形成された
前記空気溜まり部内では圧縮空気は弾性流体となってい
るうえ熱膨張するので、その圧縮空気によって前記ガス
室の燃焼ガスは上部から下部へと後押しされて前記ガス
室から前記副室へと噴出し、燃焼ガスが前記連絡路へ逆
流することはない。
【0015】また、前記空気供給用バルブが開放するこ
とで、前記主室から高圧縮の吸入空気が前記ガス室の背
面側から前記ガス室へ流入し、ガス燃料と吸入空気とが
混合して着火燃焼し、前記ガス室では当量比の大きい燃
料リッチな状態で高速燃焼してNOX の発生が抑制され
る。次いで、前記ガス噴出用バルブが開放することによ
って前記ガス室の燃焼ガスは前記副室へ一気に噴出する
が、前記連絡路内に存在する圧縮空気が前記ガス室の背
面から前記ガス室内の燃焼ガスを押し出すように作用
し、前記ガス室に燃焼ガスが残留することがない。そこ
で、前記副室の希薄な混合気は希薄燃焼をしながら主室
へ噴き出され、前記主室への噴出エネルギーが有効に利
用されて前記主室での燃焼を短期に完結し、熱効率が向
上する。
【0016】
【実施例】以下、図面を参照して、この発明による副室
を有するガスエンジンの実施例を説明する。図1はこの
発明による副室を有するガスエンジンの一実施例を示す
断面図である。
【0017】図示のように、この副室を有するガスエン
ジンは、シリンダブロック14、シリンダブロック14
にガスケット21を介在して固定されたシリンダヘッド
7、シリンダヘッド7に形成された吸排気ポート(図示
せず)、吸排気ポートに配置された吸排気バルブ(図示
せず)、シリンダヘッド7に形成したガス室3と副室
2、シリンダブロック14に形成した孔部25に嵌合し
たシリンダライナ13、該シリンダライナ13に形成し
たシリンダ15内を往復運動するピストン10、及びシ
リンダ15側に形成される主室1を有している。
【0018】この副室を有するガスエンジンは、特に、
ナチュラルガス即ち天然ガスを燃料とするものであり、
副室をガス室3と副室2とから構成し、シリンダ15側
に形成された主室1が副室2に連絡口9を通じて連通
し、ガス燃料をガス室3に開口するガス燃料供給通路5
を通じてガス室3に供給できるように構成されている。
主室1は、シリンダ15側に形成されているが、ここで
は、ピストン10のピストンヘッドに形成されたキャビ
ティ27によって一部が形成されている。ガス供給通路
5のガス室3の開口部22にガス燃料供給バルブ8が配
置されている。ガス室から副室2へ燃焼ガス即ち火炎、
未燃混合気等のガスを噴出させるため、副室2とガス室
3とはガス噴出用連絡口11を通じて連通し、ガス噴出
用連絡口11にはガス噴出用連絡口11を開閉するため
ガス噴出用バルブ6が配置されている。また、副室2か
らガス室3へ圧縮空気を供給するため、副室2とガス室
3とを連通する連絡路4を通じて行われる。連絡路4は
ガス噴出用連絡口11に対向する側のガス室3、即ち、
図ではガス室3の上部に開口している。また、連絡路4
の副室2側の空気流入用連絡口20には空気供給用バル
ブ12が配置されている。
【0019】即ち、この副室を有するガスエンジンは、
特に、ガス室3への新気の流入をガス室3の上部から行
い、ガス燃料のガス室3への供給をガス室3のガス噴出
用連絡口11に近づけた側面から行うことによって、ガ
ス室3内の燃焼ガスをガス室3内に残存させることなく
副室2へ速やかに噴出させることであり、更に、副室2
からガス室3に圧縮空気を導入する連絡路4に設けた空
気流入用連絡口20と、ガス室3から副室2へ燃焼ガス
即ち火炎、未燃混合気等のガスを噴出させるガス噴出用
連絡口11とを別に形成し、空気流入用連絡口20に空
気供給用バルブ12を配置し、ガス噴出用連絡口11に
ガス噴出用バルブ6を配置したものである。更に、ガス
燃料をガス室3に供給するガス燃料供給手段を、ガス燃
料をガス室3に供給するガス燃料供給通路5及び該ガス
燃料供給通路5を開閉するためガス燃料供給通路5のガ
ス燃料供給口22に配置されたガス燃料供給バルブ8か
ら構成したものである。更に、連絡路4は、副室2から
ガス室3に圧縮空気を供給するため、副室2に開口する
空気流入用連絡口20と、ガス噴出用連絡口11の反対
側にガス室3に開口する空気流入口29とを連絡し、空
気供給用バルブ12が連絡路4における空気流入用連絡
口20に配置されているものである。
【0020】また、この副室を有するガスエンジンにお
いて、連絡路4には、ガス室3へ開口する部分即ち空気
流入口29に絞り部26が形成されている。従って、ガ
ス室3には、空気流入側の空気流入口29とガス噴出用
連絡口11とで絞り部が形成されることになり、ガス室
3に供給されたガス燃料はガス室3の下部のガス噴出用
連絡口11の近傍に集まる構造に構成されている。更
に、連絡路4の途中には、圧縮空気を封入できる空気溜
まり部24が形成されている。この実施例では、副室
2、ガス室3、連絡路4、絞り部26、空気溜まり部2
4及びガス供給通路5をシリンダヘッド7に具体的に形
成する構造は図示していないけれども、例えば、それら
をセラミックス、耐熱金属等で作製し、それらの部材を
シリンダヘッド7を鋳込む時に配置して形成できるもの
である。
【0021】また、この副室を有するガスエンジンで
は、副室2及びガス室3については遮熱性及び耐熱性に
富んだセラミックスで作製して遮熱構造に構成できるも
のである。また、主室1は、シリンダ15側及びピスト
ンヘッド28に形成したキャビティ27によって構成さ
れ、シリンダライナ13及びピストンヘッド28の燃焼
室即ち主室1に晒される表面は耐熱性に富んだセラミッ
クスで作製できる。ピストン10には、耐熱性に富んだ
セラミックス及び断熱性に富んだセラミックスを組み込
むことによって、主室1を遮熱構造に形成できる。ま
た、連絡孔9は、耐熱性に富んだセラミックスで作製す
ることができる。
【0022】この副室を有するガスエンジンは、上記の
ように構成されており、次のように作動される。この副
室を有するガスエンジンは、吸気行程、圧縮行程、膨張
行程及び排気行程の4つの行程を順次繰り返すことによ
って作動されるものである。まず、ピストン10が上昇
する圧縮行程始めに、ガス燃料供給バルブ8がガス燃料
供給通路5のガス燃料供給口22を開放し、ガス燃料が
ガス室3に供給される。この時、ガス噴出用バルブ6は
ガス噴出用連絡口11を閉鎖し、空気供給用バルブ12
は空気流入用連絡口20を閉鎖した状態である。シリン
ダ15内に供給されている空気が圧縮されて筒内圧がガ
ス室3内のガス圧以上になった時に、空気供給用バルブ
12が空気流入用連絡口20を開放し、圧縮空気を連絡
路4を通じてガス室3内に流入させる。この時、ガス燃
料供給バルブ8によってガス燃料供給通路5のガス燃料
供給口22を閉鎖する。
【0023】次いで、ガス室3内の温度が着火温度にな
る手前で、空気供給用バルブ12が空気流入用連絡口2
0を一端閉鎖する。引き続きピストンは上昇し、筒内空
気は圧縮されるが、着火タイミングに応答して再び空気
供給用バルブ12が空気流入用連絡口20を開放し、圧
縮された高温空気を連絡路4を通じてガス室3に流入さ
せ、ガス室3内のガス燃料に着火させ、ガス燃料が燃焼
して膨張行程に移行する。ガス室3内のガス燃料が着火
した時、空気供給用バルブ12によって空気流入用連絡
口20を閉鎖すると共に、ガス噴出用バルブ6を作動し
てガス噴出用連絡口11を開放する。ガス室3からガス
噴出用連絡口11を通じて副室2へ火炎、未燃混合気等
のガスを噴出させる。火炎、未燃混合気等のガスは副室
2で更に燃焼し、燃焼ガスは副室2から連絡口9を通じ
て主室1へ噴出される。
【0024】この副室を有するガスエンジンでは、連絡
路4におけるガス室3へ開口する空気流入口29に絞り
部26が形成され、また、連絡路4には空気溜まり部2
4が形成され、しかも空気供給用バルブ12によって空
気流入用連絡口20を閉鎖すると共に、ガス噴出用バル
ブ6を作動してガス噴出用連絡口11を開放するので、
ガス室3での着火時に燃焼ガスが連絡路4に逆流するこ
とがない。即ち、ガス室3でガス燃料に着火すると、同
時にガス噴出用バルブ6が開放するが、ガス室3では圧
縮行程後期の新気が空気溜まり部24からガス室3の上
部から流入し、ガス室3の上部は希薄混合気に且つ下部
は濃混合気になる濃度分布を示しており、ガス室3のガ
ス噴出用連絡口11近傍で着火して副室2へ噴出する状
態になる。ガス室3から副室2へ火炎、未燃混合気等の
ガスが噴出する時には、空気供給用バルブ12は閉鎖し
ているので、連絡路4に形成された空気溜まり部24内
では圧縮空気は弾性流体となっているうえ熱膨張するの
で、その圧縮空気によってガス室3の燃焼ガスは上部か
ら下部へと後押しされてガス室3から副室2へと噴出
し、燃焼ガスが連絡路4へ逆流することはない。
【0025】また、この副室を有するガスエンジンで
は、筒内圧力が高圧になって高温空気になったとして
も、着火タイミングまではガス室3はガス噴出用バルブ
6及び空気供給用バルブ12で遮断されているので、ガ
ス燃料が自己着火をしてノッキングが生じることがな
く、圧縮比を17〜18と高く設定することができ、ガ
ス室3での着火燃焼は確実に起こり、膨脹行程に移行す
ることができる。また、ガス室3で燃焼が急速に進展し
て燃料リッチでNOX を低減した状態で燃焼し、膨脹行
程ではガス室3の火炎が副室2の新気と混合を促進して
副室2内の混合気を押し出す状態で主室1へ噴出し、主
室1に存在する新気と混合を促進して短期間に燃焼を完
結する。従って、副室2及び主室1では希薄混合気での
燃焼を行い、NOX の発生を抑制すると共に、HC等の
発生を抑制した燃焼を行わせることができる。膨張行程
終端近傍まで、ガス噴出用連絡口11の開放状態を維持
してガス室3及び副室2から主室1へ火炎を噴出させて
仕事をさせ、膨脹行程終了付近でガス噴出用バルブ6に
よってガス噴出用連絡口11を閉鎖する。従って、この
副室を有するガスエンジンでは、NOX 、HC等の発生
を抑制でき、ガス室3内の残留ガスを主室1へほとんど
噴出させることができ、燃焼を改善して燃費を向上さ
せ、熱効率を高めることができる。
【0026】
【発明の効果】この発明による副室を有するガスエンジ
ンは、上記のように構成されており、次のような効果を
有する。即ち、この副室を有するガスエンジンは、シリ
ンダヘッドに副室とガス室を設け、連絡口を通じて前記
副室に連通する主室をシリンダ側に形成し、ガス燃料供
給手段でガス燃料を前記ガス室に供給し、前記ガス室か
ら前記副室へ燃焼ガスを噴出させるガス噴出用連絡口に
ガス噴出用バルブを設け、前記副室から前記ガス室に圧
縮空気を供給するため前記副室と前記ガス室とを連通す
る連絡路に空気供給用バルブを配置したので、前記ガス
噴出用バルブと前記空気供給用バルブで前記ガス室を遮
断している状態で前記主室の吸入空気を圧縮することが
でき、吸入空気を前記主室内で高圧縮することができ
る。そして、前記ガス室内は着火温度以下にコントロー
ルされている状態で前記ガス室にガス燃料が供給される
ので、前記ガス室でのガス燃料の質量を大きくすること
ができ、しかも前記ガス室でガス燃料が自己着火するこ
とがない。
【0027】特に、前記連絡路は前記副室から前記ガス
室に圧縮空気を供給するため前記副室に開口する空気流
入用連絡口と前記ガス噴出用連絡口とは反対側に前記ガ
ス室に開口する空気流入口とを連絡し、且つ前記空気供
給用バルブが前記連絡路における前記空気流入用連絡口
に配置されているので、前記ガス室内の残留ガスを前記
主室へ速やかにほとんど噴出させることができ、そのた
め前記ガス室には燃焼後の燃焼ガスが残留することがな
いので、燃焼を改善して燃費を向上させ、熱効率を高め
ることができる。
【0028】また、前記空気供給用バルブを作動して前
記空気流入用連絡口が開放することで、前記主室から高
圧縮されて高温化した空気が前記連絡路を通じて前記ガ
ス室に一気に流入し、ガス燃料と吸入空気との混合が一
気に促進して着火し、その時、前記ガス噴出用バルブが
前記ガス噴出用連絡口を開放するが、前記ガス室では当
量比の大きい燃料リッチな状態で高速燃焼するのでNO
X の発生が抑制される。そして、前記ガス室内は燃焼に
より一気に圧力が上昇し、燃焼が促進され、前記ガス噴
出用連絡口を通じて前記ガス室から前記副室へ、次いで
前記主室へその火炎が一気に噴出し、該火炎は前記主室
で新気と混合し、予混合燃焼を促進して燃焼スピードを
上昇して理想的に燃焼期間を短縮して燃焼を完結する。
従って、前記副室での燃焼がリーンの状態で進行し、N
X の発生は抑制され、更に、前記連絡口を通じて前記
主室へ噴出する火炎、未燃混合気等のガスは噴出エネル
ギーで前記主室内で一気に拡散して新気との混合が促進
され、NOX 、HC等の発生を大幅に低減でき、熱効率
が上昇し高効率のエンジンを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による副室を有するガスエンジンの一
実施例を示す断面図である。
【図2】従来の副室を有するガスエンジンの一例を示す
断面図である。
【符号の説明】
1 主室 2 副室 3 ガス室 4 連絡路 5 ガス燃料供給通路 6 ガス噴出用バルブ 7 シリンダヘッド 8 ガス燃料供給バルブ 9 連絡口 10 ピストン 11 ガス噴出用連絡口 12 空気供給用バルブ 15 シリンダ 20 空気流入用連絡口 22 ガス燃料供給口 24 空気溜まり部 26 絞り部 28 ピストンヘッド 29 空気流入口

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリンダヘッドに設けられた副室とガス
    室、連絡口を通じて前記副室に連通するシリンダ側に形
    成された主室、ガス燃料を前記ガス室に供給するガス燃
    料供給手段、前記ガス室から前記副室へ燃焼ガスを噴出
    させるガス噴出用連絡口に設けたガス噴出用バルブ、及
    び前記副室から前記ガス室に圧縮空気を供給するため前
    記副室と前記ガス室とを連通する連絡路に配置された空
    気供給用バルブ、から構成したことを特徴とする副室を
    有するガスエンジン。
  2. 【請求項2】 前記ガス燃料供給手段はガス燃料を前記
    ガス室に供給するガス燃料供給通路及び該ガス燃料供給
    通路を開閉するため前記ガス燃料供給通路に配置された
    ガス燃料供給バルブから構成され、前記連絡路は前記副
    室から前記ガス室に圧縮空気を供給するため前記副室に
    開口する空気流入用連絡口と前記ガス噴出用連絡口とは
    反対側に前記ガス室に開口する空気流入口とを連絡し、
    前記空気供給用バルブは前記連絡路における前記空気流
    入用連絡口に配置されていることを特徴とする請求項1
    に記載の副室を有するガスエンジン。
  3. 【請求項3】 前記連絡路における前記ガス室へ開口す
    る前記空気流入口には絞り部が形成されていることを特
    徴とする請求項2に記載の副室を有するガスエンジン。
  4. 【請求項4】 前記連絡路には圧縮空気溜まり部が形成
    されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに
    記載の副室を有するガスエンジン。
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