JP3379176B2 - 副室式ガスエンジン - Google Patents

副室式ガスエンジン

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JP3379176B2
JP3379176B2 JP29252393A JP29252393A JP3379176B2 JP 3379176 B2 JP3379176 B2 JP 3379176B2 JP 29252393 A JP29252393 A JP 29252393A JP 29252393 A JP29252393 A JP 29252393A JP 3379176 B2 JP3379176 B2 JP 3379176B2
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  • Combustion Methods Of Internal-Combustion Engines (AREA)
  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、天然ガスを副室に供
給すると共に、副室内に水噴射して副室での燃焼温度を
低下させてNOX の発生を抑制する副室式ガスエンジン
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、天然ガスを主燃料とするエンジン
は、コジェネレーション型エンジンとして、政府、官公
庁研究機関或いは民間会社で開発が進められている。こ
のコジェネレーション型エンジンは、動力を発電機で電
気エネルギーとして取り出し、排気ガスエネルギーが有
する熱を熱交換器で水を加熱して温水にして給湯用とし
て利用している。そして、このコジェネレーション型エ
ンジンは、ホテル、病院、事務所等での電気供給システ
ムとして利用されることが期待されている。天然ガスを
燃料とするガスエンジンとして、例えば、特開昭54−
156911号公報、特開昭63−6358号公報、特
開平1−232119号公報、実公平3−41068号
公報に開示されたものがある。
【0003】また、特開平3−115725号公報に開
示された副室式断熱エンジンの燃料噴射装置は、断熱構
造の副室に圧縮行程前半に燃料を噴射する燃料噴射手
段、前記副室に圧縮行程後半に水を噴射する水噴射手
段、及び圧縮行程上死点付近で混合気に火花着火するも
のである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ナチュ
ラルガスを燃料とするガスエンジンは、燃料がガス体で
あるので、ガソリンと同じように燃料ガスを吸気バルブ
から吸入し、圧縮、着火されているので、圧縮比を大き
くすることができず、理論熱効率は必ずしも高くない。
通常使用されているガスエンジンは、圧縮比が12〜1
3程度であり、理論熱効率は48%に過ぎないものであ
り、ガスエンジンの動力を電気エネルギーにした場合に
は、熱効率は34〜35%で、場合によっては30%を
割るような効率である。そこで、ガスエンジンから電気
エネルギーとして取り出す場合に、熱効率を向上させる
ことが望まれているのが現状である。ガスエンジンは、
ナチュラルガス即ち天然ガスを燃料とするものであり、
燃料が気体である。そこで、吸入行程でガスを吸入し、
次いで圧縮すると、高圧縮となり温度が高くなり、自己
着火の現象即ちノッキングが発生する。しかるに、天然
ガスのガス燃料は圧縮比が12以下でないと、自己着火
するものである。また、エンジンの熱効率については、
圧縮比が小さいと熱効率が小さくなるという現象があ
る。従って、ガスエンジンでは、ガス燃料の自己着火を
避けて、圧縮比を如何に高くするかの課題があると共
に、NOX の発生を抑制するという課題がある。
【0005】そこで、この発明の目的は、上記の課題を
解決することであり、副室に天然ガスを導入し、主室で
吸入空気のみを圧縮して圧縮比を高め、主室内の空気を
高温に上昇させた状態で連絡孔弁で連絡孔を開放して主
室の高圧縮空気を副室に流入させ、副室内の天然ガスと
高圧縮空気とを一気に混合させることで短期間に着火燃
焼させ、特に、副室での着火燃焼時に副室内に水を噴射
して燃焼温度を低下させると共に、気化した水蒸気の膨
張によって火炎、未燃混合気等のガスを副室から主室へ
噴出させ、二次燃焼をできるだけ均一な混合気で短時間
で燃焼を完結させ、NOX 、HC等の発生を低減し、熱
効率を高め、ガス燃料の自己着火を防止してノッキング
の発生を防止する副室式ガスエンジンを提供することで
ある。
【0006】また、この発明の別の目的は、上記の課題
を解決することであり、副室に天然ガスを導入し、主室
で吸入空気のみを圧縮して圧縮比を高め、主室内の空気
を高温に上昇させた状態で連絡孔弁で連絡孔を開放して
主室の高圧縮空気を副室に流入させ、副室内の天然ガス
と高圧縮空気とを一気に混合させることで短期間に着火
燃焼させ、特に、副室に水を噴射して副室内の燃焼温度
を低下させ、スパークプラグの補助で圧縮行程上死点近
傍で着火燃焼させ、火炎、未燃混合気等のガスを副室か
ら主室へ一気に噴出させて二次燃焼をできるだけ短時間
で燃焼を完結させ、NOX 、HC等の発生を低減し、ガ
ス燃料の自己着火を防止してノッキングの発生を防止
し、熱効率を向上させると共に排気エネルギーの回収量
を増大させて低燃費を実現する副室式ガスエンジンを提
供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記の目的
を達成するため、次のように構成されている。即ち、こ
の発明は、シリンダヘッドに形成した副室と吸排気ポー
ト、シリンダ側に形成した主室、前記吸排気ポートに配
置した吸排気弁、前記副室と前記主室とを連通する連絡
孔、吸気行程中頃で前記連絡孔を閉鎖し且つ圧縮行程上
死点付近で開放する連絡孔弁、前記連絡孔を前記連絡孔
弁が閉鎖した状態で前記副室にガス燃料を供給するガス
燃料供給手段、及び前記副室での着火燃焼時に前記連絡
孔の反対側の前記副室の内壁に向けて水を噴射する水噴
射ノズル、から構成したことを特徴とする副室式ガスエ
ンジンに関する。
【0008】又は、この発明は、シリンダヘッドに形成
した副室と吸排気ポート、シリンダ側に形成した主室、
前記吸排気ポートに配置した吸排気弁、前記副室と前記
主室とを連通する連絡孔、吸気行程中頃で前記連絡孔を
閉鎖し且つ圧縮行程中頃に僅かに前記連絡孔を開放して
圧縮行程上死点付近で全開する連絡孔弁、前記連絡孔が
閉鎖した状態で前記副室にガス燃料を供給するガス燃料
供給手段、前記副室内温度を着火温度以下に保持するた
め圧縮行程中頃から前記副室内に水を噴射する水噴射ノ
ズル、及び圧縮行程上死点近くで混合気を着火させるた
め前記副室に設けられたスパークプラグ、から構成した
ことを特徴とする副室式ガスエンジンに関する。
【0009】また、この副室式ガスエンジンにおいて、
前記ガス燃料供給手段は前記副室にガス燃料供給口を開
口するガス燃料供給路、及び該ガス燃料供給口に配置さ
れたガス燃料弁から構成されているものである。
【0010】
【作用】この発明による副室式ガスエンジンは、上記の
ように構成されており、次のように作用する。即ち、こ
の副室式ガスエンジンは、シリンダヘッドに形成した副
室とシリンダ側に形成した主室とを連絡孔で連通し、連
絡孔を開閉する連絡孔弁を吸気行程中頃で閉鎖し且つ圧
縮行程上死点付近で開放し、前記連絡孔を前記連絡孔弁
が閉鎖した状態でガス燃料供給手段で前記副室にガス燃
料を供給し、前記副室での着火燃焼時に水噴射ノズルか
ら前記連絡孔の反対側の前記副室の内壁に向けて水を噴
射するように構成したので、副室に噴射された水は副室
壁面及び空気から受熱して気化して水蒸気を発生させて
膨脹する。そこで、水蒸気は火炎、未燃混合気等のガス
を後押しする状態でガスを主室へ押し出し、火炎、未燃
混合気等のガスが副室から連絡孔を通じて主室へ一気に
噴出し、副室内にガスの残留が無くなり、火炎、未燃混
合気等のガスの噴出エネルギーで主室の新気との混合気
が促進され、主室での燃焼ガスが短縮されて性能が向上
し、しかも水噴射によって燃焼ガス温度が低下してNO
X の発生が抑制される。
【0011】又は、この副室式ガスエンジンは、シリン
ダヘッドに形成した副室とシリンダ側に形成した主室と
を連絡孔で連通し、連絡孔に配置した連絡孔弁が吸気行
程中頃で前記連絡孔を閉鎖し且つ圧縮行程中頃に僅かに
前記連絡孔を開放して圧縮行程上死点付近で全開し、前
記連絡孔が閉鎖した状態で前記副室にガス燃料供給手段
でガス燃料を供給し、圧縮行程中頃から水噴射ノズルで
前記副室内に水を噴射して前記副室内温度を着火温度以
下に保持し、前記副室に設けられたスパークプラグで圧
縮行程上死点近くで混合気を着火させたので、圧縮比を
高めることができると共にリーン燃焼が可能となり、熱
効率を向上できる。副室に水を噴射することによって燃
焼温度を低下させることができ、NOX の発生を抑制で
き、熱効率を向上できる。前記副室にガス燃料を供給し
た後の圧縮行程中頃で前記連絡孔を僅かに開口すること
によって、前記主室から前記副室へガス燃料が着火しな
い程度の空気を供給して予混合気を生成でき、圧縮行程
上死点近傍で全開することによって前記主室から前記副
室へ高温空気を供給して着火燃焼させることができる。
【0012】また、この副室式ガスエンジンは、吸入空
気が主室内で高圧縮比になっても、前記主室内にはガス
燃料が自己着火する程には存在しないので、ガス燃料が
自己着火することなく、ノッキングが発生することがな
く、燃焼ガス温度を低下させて燃焼させることによって
NOX の発生を低減できる。
【0013】
【実施例】以下、図面を参照して、この発明による副室
式ガスエンジンの実施例を説明する。図1はこの発明に
よる副室式ガスエンジンの一実施例を示す断面図、及び
図2は図1の副室式ガスエンジンにおける吸排気弁、連
絡孔弁、水噴射ノズル及びガス燃料の供給の各タイミン
グを示す説明図である。
【0014】この副室式ガスエンジンは、シリンダブロ
ック14、シリンダブロック14にガスケット21を介
在させて固定されたシリンダヘッド7、シリンダヘッド
7に形成された吸気ポート15、吸気ポート15に配置
された吸気弁8、シリンダヘッド7に形成された排気ポ
ート16、排気ポート16に配置された排気弁9、シリ
ンダヘッド7に形成されたキャビティ18に配置した副
室壁体3で形成した副室2、シリンダブロック14に形
成した孔部19に嵌合したシリンダライナ13、該シリ
ンダライナ13に形成したシリンダ20内を往復運動す
るピストン4、シリンダ20側に形成された主室1、及
び主室1と副室2とを連通する副室壁体3に形成した連
絡孔12を有している。
【0015】この副室式ガスエンジンは、特に、連絡孔
12を開閉するための連絡孔12に配置された連絡孔弁
5、副室2に水を噴射できる水噴射ノズル6及び副室2
にガス燃料を供給できるガス燃料供給手段を有している
ことである。水噴射ノズル6は、副室2での着火燃焼時
に、連絡孔12の反対側の副室2の内壁に向けて水を噴
射する多噴孔17を有している。また、ガス燃料供給手
段は、副室2にガス燃料供給口22を開口するガス燃料
供給路10、及び該ガス燃料供給口22に配置されたガ
ス燃料弁23から構成されている。ガス燃料供給手段
は、例えば、燃料タンクからの天然ガスが蓄圧室で蓄圧
され、該蓄圧室の天然ガスをガス燃料供給路10を通じ
てガス燃料供給口22から副室2に供給するものであ
る。
【0016】連絡孔弁5は、図2に示すように、連絡孔
12を吸気行程中頃に閉鎖し、副室2にガス燃料を供給
した後の圧縮行程上死点近傍で開放するようにバルブタ
イミングが設定されている。また、シリンダヘッド7に
は、副室2にガス燃料を供給するガス燃料供給手段が設
けられている。ガス燃料供給手段は、副室2にガス燃料
供給口22を開口するガス燃料供給路10、及び該ガス
燃料供給口22に配置されたガス燃料弁23から構成さ
れており、該ガス燃料弁23は連絡孔弁5が連絡孔12
を閉鎖した後で圧縮行程で副室2へのガス燃料を供給
し、圧縮行程上死点前にガス燃料の副室2への供給が完
了するようにガス燃料の供給タイミングが設定されてい
る。また、圧縮行程上死点近傍で連絡孔12が開放する
ことによって主室1から連絡孔12を通って噴射2に高
温空気が流入し、副室2内で着火燃焼が起こるが、この
時、水噴射ノズル6からの副室2の連絡孔12から離れ
た反対側の壁面或いは混合気に向けて水を噴射するよう
に水噴射タイミングが設定されている。
【0017】この副室式ガスエンジンは、連絡孔弁5の
リフトタイミング、水噴射ノズル6からの副室2への水
噴射タイミング、及びガス燃料の供給タイミングが上記
のように設定される。従って、水噴射ノズル6から副室
2の上部の壁面11及び混合気に向けて水が噴射される
と、噴射水は壁面等から熱を受けて直ちに気化して水蒸
気になって膨脹する。副室2の上部で水が水蒸気になっ
て膨脹することによって、副室2の下部で着火燃焼して
いる火炎、未燃混合気等のガスは水蒸気によって連絡孔
12を通じて一気に押し出され、混合気の主室1への噴
出速度が速くなり、しかも副室2内の未燃混合気は噴き
出されて副室2に残留することがなく、主室1での燃焼
が速くなり、性能が向上する。また、副室2内に水を噴
射するため、燃焼ガスの温度が低下し、NOX の発生を
抑制できる。
【0018】また、連絡孔12の領域では、燃焼ガスで
高温になるため、連絡孔12に配置した連絡孔弁5は高
温強度を有する耐熱性に優れた窒化ケイ素、炭化ケイ素
等のセラミックスから製作することが好ましいものであ
る。また、ピストン4は、例えば、耐熱性に優れた窒化
ケイ素等のセラミックスから成るピストンヘッドと、ピ
ストンヘッドにメタルフローによって固定したピストン
スカートから構成することができるものである。
【0019】この副室式ガスエンジンは、上記のように
構成されており、次のように作動する。この副室式ガス
エンジンは、吸入行程、圧縮行程、膨張行程及び排気行
程の4つの行程を順次繰り返すことによって作動される
ものである。この副室式ガスエンジンでは、通常どおり
に吸気行程で吸気弁8が開放し、排気行程で排気弁9が
開放するものである。まず、吸気行程で吸気弁8が開放
すると、吸気ポート15から吸入空気が主室1内の導入
される。吸気行程中頃に連絡孔弁5が連絡孔12を閉鎖
する。主室1と副室2とが遮断された状態で、吸気行程
終盤においてガス燃料弁23を開放して副室2に天然ガ
スのガス燃料を供給し、圧縮行程中間では副室2へのガ
ス燃料の供給を完了する。次いで、圧縮行程で副室2へ
のガス燃料の噴射を完了して圧縮行程上死点付近で連絡
孔弁5が連絡孔12を開放し、連絡孔12を通じて高圧
縮で高温化した圧縮空気が主室1から副室2へ流入し、
該吸入空気はガス燃料と混合を促進して着火燃焼する。
この時、水噴射ノズル6から副室2の上部に水を噴射す
る。噴射された水は副室壁面及び高温空気から熱を受け
て直ちに気化して水蒸気になる。水が水蒸気になること
によって膨脹し、副室2内の火炎、未燃混合気等のガス
を後押しする状態で副室2から連絡孔12を通じて主室
1へ噴き出すことになり、膨脹行程に移行する。
【0020】副室2の火炎、未燃混合気等のガスは、主
室1へ噴出し、主室1に存在する新気と混合を促進して
短期間に二次燃焼を完結する。この膨張行程では、連絡
孔12の開放状態を維持して副室2から主室1へ火炎を
噴出させて仕事をさせ、吸気行程中盤付近で連絡孔12
を連絡孔弁5で閉鎖する。従って、副室2内の火炎、未
燃混合気等のガスは水蒸気によって押し出され、副室2
内には未燃混合気は残存しない状態になり、主室1での
燃焼スピードがアップされ燃焼期間を短縮して熱効率が
向上し、しかも副室2に水を噴射して気化熱が奪われる
ので、燃焼ガス温度は低下し、NOX の発生は抑制され
る。
【0021】次に、この発明による副室式ガスエンジン
の別の実施例を、図3及び図4を参照して説明する。図
3はこの発明による副室式ガスエンジンの別の実施例を
示す断面図、及び図4は図3の副室式ガスエンジンにお
ける吸排気弁、連絡孔弁、水噴射ノズル、及びガス燃料
の供給のタイミングを示す説明図である。この実施例
は、上記実施例と比較して、連絡孔弁のバルブタイミン
グ及び水噴射のタイミングが異なると共に着火補助のた
めのスパークプラグを設けていること以外は、同一の構
成を有しているので、同一の部品には同一の符号を付
し、重複する説明は省略する。
【0022】この実施例では、特に、連絡孔弁5が圧縮
行程中頃でカム24及びロッカアーム27によってリタ
ーンスプリング26に抗して押し下げられて連絡孔12
が開放され、ガス燃料が自己着火しない程度の空気を主
室1から連絡孔12を通じて副室2に導入される。主室
1から連絡孔12を通じて副室2に空気が導入される
と、副室2内でガス燃料と空気との予混合気が生成され
ることになり、しかも副室2への空気の導入に伴って圧
縮行程中頃において水噴射ノズル6から水を副室2に噴
射し、予混合気の温度を低下させて予混合気の自己着火
以下の温度に維持し、圧縮行程上死点前に水噴射を止
め、均一な予混合気を副室2内に生成させる。次いで、
圧縮行程上死点近傍で、スパークプラグ25を点火して
予混合気を着火燃焼させ、着火ミスを防止する。
【0023】この実施例は、上記のように構成すること
によって、圧縮比を大きくすることができ、熱効率を向
上させることができ、スパークプラグ25の着火補助に
よって混合気のリーン燃焼を可能にし、熱効率を向上さ
せることができる。また、水噴射ノズル6による副室2
への水噴射によって気化熱が奪われ、燃焼温度が低下す
るため、NOX の発生を抑制すると共に熱効率を向上さ
せることができる。また、副室2への水噴射によって熱
エネルギーは水を気化させて水蒸気として膨脹させるの
で、膨脹行程において仕事をさせることができ、しかも
排気ガスエネルギーとして放出すれば、エネルギー回収
装置等で排気エネルギーを回収でき、燃費を低減でき
る。
【0024】
【発明の効果】この発明による副室式ガスエンジンは、
上記のように構成されており、次のような効果を有す
る。即ち、この副室式ガスエンジンは、副室と主室とを
連絡孔で連通し、連絡孔に連絡孔弁を配置すると共に、
副室にガス燃料供給手段と水噴射ノズルを設け、連絡孔
弁を吸気行程中頃で閉鎖し且つ圧縮行程上死点付近で開
放し、前記連絡孔を前記連絡孔弁が閉鎖した状態でガス
燃料供給手段で前記副室にガス燃料を供給し、前記副室
での着火燃焼時に水噴射ノズルから前記連絡孔の反対側
の前記副室の内壁に向けて水を噴射するように構成した
ので、副室に噴射された水は副室から受熱して気化して
水蒸気になる。水が水蒸気になることによって膨脹し、
水蒸気が火炎、未燃混合気等のガスを後押しする状態で
そのガスを押し出し、副室から連絡孔を通じて主室へ一
気に短時間に噴出し、副室内に未燃混合気が残留しなく
なり、噴出エネルギーで主室に存在する新気との混合が
促進され、主室での燃焼スピードが速くなり、燃焼期間
が短縮されて熱効率が上がり性能が向上する。しかも、
副室への水噴射によって燃焼ガス温度が低下してNOX
の発生が抑制される。
【0025】又は、この副室式ガスエンジンは、副室と
主室とを連絡孔で連通し、連絡孔に連絡孔弁を配置する
と共に、副室にガス燃料供給手段、水噴射ノズル及びス
パークプラグを設け、連絡孔弁が吸気行程中頃で前記連
絡孔を閉鎖し、前記連絡孔が閉鎖した状態で前記副室に
ガス燃料供給手段でガス燃料を供給し、ガス燃料の副室
への供給が完了した後に圧縮行程中頃に僅かに前記連絡
孔を開放して副室内にガス燃料と空気との予混合気を生
成する。この時、ガス燃料の自己着火以下の温度に保持
するため水噴射ノズルから副室内に水を噴射して温度を
低下させ、圧縮行程上死点付近で連絡孔弁を全開し、連
絡孔を通じて主室から副室へ高温空気を導入すると共
に、スパークプラグを点火して混合気を着火燃焼させ
る。従って、この副室式ガスエンジンは、圧縮比を高め
ることができると共に自己着火がなく、ノッキングの発
生はなく、リーン燃焼が可能となり、熱効率を向上させ
ることができる。しかも、副室で予め均一な予混合気を
生成させておき、水噴射で自己着火以下の温度に保持
し、予混合気の着火をスパークプラグで補助するので、
着火ミスがなく、副室に水を噴射することによって燃焼
温度を低下させることができ、NOX の発生を抑制で
き、熱効率を向上できる。また、この副室式ガスエンジ
ンは、吸入空気が主室内で高圧縮比になっても、前記主
室内にはガス燃料が自己着火する程には存在せず、しか
も水噴射で副室内の温度が低く保持されているので、予
混合気が自己着火することなく、ノッキングが発生する
ことがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による副室式ガスエンジンの一実施例
を示す断面図である。
【図2】図1の副室式ガスエンジンにおける吸排気弁、
連絡孔弁、水噴射ノズル及びガス燃料の供給の各タイミ
ングを示す説明図である。
【図3】この発明による副室式ガスエンジンの別の実施
例を示す断面図である。
【図4】図3の副室式ガスエンジンにおける吸排気弁、
連絡孔弁、水噴射ノズル、スパークプラグ及び燃料噴射
の各タイミングを示す説明図である。
【符号の説明】
1 主室 2 副室 4 ピストン 5 連絡孔弁 6 水噴射ノズル 7 シリンダヘッド 8 吸気弁 9 排気弁 10 ガス燃料供給路(ガス燃料供給手段) 12 連絡孔 15 吸気ポート 16 排気ポート 17 多噴孔 20 シリンダ 22 ガス燃料供給口(ガス燃料供給手段) 23 ガス燃料弁(ガス燃料供給手段) 25 スパークプラグ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI F02B 47/02 F02B 47/02 F02D 19/02 F02D 19/02 D 19/12 19/12 A F02M 21/02 F02M 21/02 L 25/022 25/02 H (56)参考文献 特開 平5−171936(JP,A) 特開 平5−39721(JP,A) 特開 平3−115725(JP,A) 特開 平5−256160(JP,A) 特開 平6−229319(JP,A) 特開 平6−229318(JP,A) 特開 平6−229320(JP,A) 実開 平4−82322(JP,U) 特公 昭41−10561(JP,B1) 特表 平4−504296(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02B 1/00 - 23/10 F02D 19/00 - 19/12 F02M 21/02 F02M 25/022

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリンダヘッドに形成した副室と吸排気
    ポート、シリンダ側に形成した主室、前記吸排気ポート
    に配置した吸排気弁、前記副室と前記主室とを連通する
    連絡孔、吸気行程中頃で前記連絡孔を閉鎖し且つ圧縮行
    程上死点付近で開放する連絡孔弁、前記連絡孔を前記連
    絡孔弁が閉鎖した状態で前記副室にガス燃料を供給する
    ガス燃料供給手段、及び前記副室での着火燃焼時に前記
    連絡孔の反対側の前記副室の内壁に向けて水を噴射する
    水噴射ノズル、から構成したことを特徴とする副室式ガ
    スエンジン。
  2. 【請求項2】 シリンダヘッドに形成した副室と吸排気
    ポート、シリンダ側に形成した主室、前記吸排気ポート
    に配置した吸排気弁、前記副室と前記主室とを連通する
    連絡孔、吸気行程中頃で前記連絡孔を閉鎖し且つ圧縮行
    程中頃に僅かに前記連絡孔を開放して圧縮行程上死点付
    近で全開する連絡孔弁、前記連絡孔が閉鎖した状態で前
    記副室にガス燃料を供給するガス燃料供給手段、前記副
    室内温度を着火温度以下に保持するため圧縮行程中頃か
    ら前記副室内に水を噴射する水噴射ノズル、及び圧縮行
    程上死点近くで混合気を着火させるため前記副室に設け
    られたスパークプラグ、から構成したことを特徴とする
    副室式ガスエンジン。
  3. 【請求項3】 前記ガス燃料供給手段は前記副室にガス
    燃料供給口を開口するガス燃料供給路、及び該ガス燃料
    供給口に配置されたガス燃料弁から構成されていること
    を特徴とする請求項1又は2に記載の副室式ガスエンジ
    ン。
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