JPH07127247A - 透水性コンクリート型枠用マット材料及びその製造法 - Google Patents

透水性コンクリート型枠用マット材料及びその製造法

Info

Publication number
JPH07127247A
JPH07127247A JP29595493A JP29595493A JPH07127247A JP H07127247 A JPH07127247 A JP H07127247A JP 29595493 A JP29595493 A JP 29595493A JP 29595493 A JP29595493 A JP 29595493A JP H07127247 A JPH07127247 A JP H07127247A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mat
water
resin
silicone resin
coated
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP29595493A
Other languages
English (en)
Inventor
Norikazu Matsui
規和 松井
Hirotaka Amimoto
博孝 網本
Hirofumi Morikawa
弘文 森川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nakayama Steel Works Ltd
Unitika Ltd
Original Assignee
Nakayama Steel Works Ltd
Unitika Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nakayama Steel Works Ltd, Unitika Ltd filed Critical Nakayama Steel Works Ltd
Priority to JP29595493A priority Critical patent/JPH07127247A/ja
Publication of JPH07127247A publication Critical patent/JPH07127247A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Forms Removed On Construction Sites Or Auxiliary Members Thereof (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Moulds, Cores, Or Mandrels (AREA)
  • Phenolic Resins Or Amino Resins (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】透水性、離型性に優れた透水性コンクリ−ト型
枠用マット材料及びその製造法を提供する。 【構成】特定の高性能特性を有する繊維/バインダー樹
脂複合マットの少なくとも一面に転写被覆してなる薄層
のシリコーン樹脂被膜が形成された透水性コンクリ−ト
型枠用マット材料及び繊維とバインダ−樹脂とからなる
プリプレグマットをシリコ−ン樹脂で被覆したプレス型
に挟んで熱プレスするその製造法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、土木工事、建築工事等
の建設工事でのコンクリート打設において用いられる透
水性を有し、コンクリートからの離型性に優れた透水性
コンクリート型枠用マット材料及びその製造法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】近年、空気中の炭酸ガスや硫黄酸化物の
増加によるコンクリートの中性化や、海岸近くに敷設さ
れたコンクリート構造物の海水浸透による劣化が大きな
問題となっているが、これを防止する対策として、コン
クリート打設時に余剰水を排出する方法が有効なことが
知られている。また、本方法を採用すると、打設後のコ
ンクリートの強度がアップすると共に、排水時に混入気
泡が脱泡し、打設面が平滑化(アバタの消失)すること
も知られている。
【0003】このようなコンクリートの打設には型枠の
選択が重要であることが明らかとなり、種々検討された
結果、透水性型枠が提案されている。本型枠の構成とし
ては、ベニヤ合板や金属板を堰板とし、これに透水性を
もつ布帛を積層接合したものとか、これらの応用として
透水性をさらに向上させるために堰板に排水孔を設けた
り、布帛の代わりに多孔性マットやプラスチックのネッ
トを用いたものなどが提案されている。かかる透水性コ
ンクリート型枠は、コンクリートからの水及び気泡の排
出を効果的に促進する機能を果たすものであるが、この
際の排出物には水及び気泡とともにセメント微粒子も一
部含まれるため、これが型枠とコンクリートとの界面を
接合するような作用をもたらし、結果として余剰水や気
泡の排出の良好なものはコンクリート打設後の脱型時に
おける型枠の離型性が悪くなる傾向にある。一方、離型
性が良いものは余剰水や気泡の排出が悪くなる。
【0004】このような余剰水及び気泡の通過性向上と
離型性改良との二律背反する要求特性を相満たすものと
して、最近、アクリル系樹脂、ウレタン樹脂、ポリエス
テル樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂等の離型性を有
する樹脂製皮膜をフィルター層表面に付着させた透水性
コンクリート型枠が提案されている。しかし、この型枠
は上記要求特性は優れているものの透水性フィルター層
の形成と離型層の形成が2工程にわたるため、高価とな
る欠点を有する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、離型性及び
透水性が共に優れた透水性コンクリート型枠用マット材
料及びその容易且つ安価な製造法を提供するものであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、透水性フ
ィルター層に離型層を併用する透水性コンクリート型枠
用マット材料及びその容易且つ安価な製造法を鋭意研究
の結果、繊維とバインダー樹脂とが一体化した高性能の
複合マットの表層に転写被覆してなる薄層シリコーン樹
脂系離形層を形成した多孔マット及び透水性フィルター
層の形成と離型層の被覆を1工程で行う上記多孔マット
の製造法が本発明の目的に叶うことを見出し、本発明に
到達した。
【0007】すなわち、本発明は、引張強度80Kg/
cm2 以上、曲げ強度80Kg/cm2 以上、表面硬度
65以上、気孔率40〜80%の特性を有する繊維とバ
インダー樹脂とからなる複合マットの少なくとも一表層
にシリコーン樹脂が被覆されており、上記複合マットと
シリコーン樹脂被覆複合マットの通気性が実質的に等し
いことを特徴とする透水性コンクリート型枠用マット材
料を要旨とするものであり、また、繊維とバインダー樹
脂とで一体化したプリプレグマットを、二面のプレス面
の少なくとも一面にシリコーン樹脂を被覆したプレス型
に挟んで熱プレスすることを特徴とする透水性コンクリ
ート型枠用マット材料の製造法を要旨とするものであ
る。
【0008】以下、本発明を詳細に述べる。本発明の透
水性コンクリート型枠用マット材料は繊維とバインダー
樹脂からなり、多数の繊維が硬化したバインダー樹脂に
よって接着接合し、一体化したフェルト状の複合マット
である。
【0009】ここにいう繊維とは、ポリエチレンテレフ
タレート繊維、共重合ポリエステル繊維等のポリエステ
ル繊維、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン46等の
ポリアミド繊維、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポ
リオレフィン繊維、ポリビニルアルコール(ビニロン)
繊維、ポリアクリルニトリル繊維等の合成繊維から選ば
れた1種あるいは2種以上を混合したものが好適に使用
できる。繊維の形態は、長繊維(連続繊維)、短繊維あ
るいはフィブリッド等の何れの形態のものでも採用する
ことができる。また、バインダー樹脂としては、融点ま
たは軟化点が120℃以下の熱硬化性樹脂、熱可塑性樹
脂あるいはこれら樹脂(高分子物質)に各種配合剤を配
合した組成物が用いられる。このうち、特に好ましいバ
インダー樹脂としてはフェノール樹脂、あるいはそれを
主剤とする配合組成物が挙げられる。
【0010】ここで、フェノール樹脂としては、フェノ
ール類とアルデヒド類と含窒素化合物とを反応させて得
られる熱硬化性の含窒素フェノール・アルデヒド樹脂等
が好例である。このようなフェノール・アルデヒド樹脂
は、例えば水性媒体中でフェノール類、アルデヒド類を
ヘキサメチレンテトラミン等の硬化触媒、アラビアゴム
等の懸濁安定剤の存在下で懸濁重合させることにより製
造される。
【0011】本バインダー樹脂は、一体化以前において
は、熱流動性を有する未硬化又は半硬化状態のもので、
熱プレスの際の加圧と加熱により流動すると共に硬化す
る特性を有するものである。また、本バインダー樹脂の
一体化以前の形態は、粉末状、フィブリッド状又は短繊
維状等の固体あるいは溶液又は分散液等の液体のものが
好適に使用できる。本バインダー樹脂の上記高分子物質
以外の配合剤としては、従来公知の分散安定剤、流動性
改良剤、耐薬品性改良剤、耐候剤、接着性改良剤等が挙
げられる。
【0012】本発明で使用する複合マットは、引張強度
80Kg/cm2 以上、曲げ強度80Kg/cm2
上、表面硬度65以上、気孔率40〜80%の特性を有
する。ここで引張強度及び曲げ強度はJIS K−71
131981〔プラスチックの引張り試験方法〕及びJIS
K−72031982〔硬化プラスチックの曲げ試験方
法〕の規格で測定したものである。また、表面硬度は
「加硫ゴム物理試験方法(スプリング硬さ試験〔A型及
びB型〕)」の規格に定めるA型を用いて測定したゴム
硬度を表すものである。気孔率(%)は、マットの全容
積に対する気孔容積の割合を表したものである。具体的
には次のようにして測定される。まず、マットの乾燥重
量W(g)と体積V(cm3 )を測定する。次に、マッ
トを粉末状にしてマットの真密度ρ(g/cm3 )を測
定し、気孔率(%)を下記数式〔1〕により算出する。
【0013】
【数1】
【0014】上記特性を有する複合マットは、外力に対
する抵抗及び耐環境性が強い高性能マットであると共に
通気透水性が優れたものである。複合マットの一表面又
は両表面には繊維部(最外層繊維表面)に一様に薄膜状
のシリコーン樹脂が被覆されている。ここで使用される
シリコーン樹脂としては、シロキサン結合を骨格として
側鎖にメチル基等のアルキル基、フェニル基等の置換基
を持つ高分子物質を主成分とする樹脂で、広く離型剤と
して使用されているオイル状又はワニス状の物質であ
る。しかも、本発明の透水性コンクリート型枠用マット
材料の通気性は複合マットの通気性と実質的に等しい。
すなわち、シリコーン樹脂の被覆層は充分薄く、しかも
マット表面の最外層繊維表面のみに付着しており、繊維
間の間隙に相当する気孔部を遮ることは殆どないので、
シリコーン樹脂被覆により通気性が実質的に変わらない
のである。
【0015】ここで、通気性が実質的に変わらないとは
次の基準にて判断するものとする。すなわち、厚さ1.
5mmの複合マットとその一表面にシリコーン樹脂を被
覆した透水性コンクリート型枠用マット材料からそれぞ
れ直径10mmの円板を切抜き、これらの円板に1Nm
3 /minの割合で空気を流した場合に圧力損失が両者
で1%以内の差しかなかったときに通気性が実質的に変
わらないと判断する。換言すれば、この場合にはシリコ
ーン樹脂非被覆複合マットとシリコーン樹脂被覆複合マ
ットとの通気性が実質的に等しいことを意味する。
【0016】本発明で使用する複合マット及び本発明の
透水性コンクリート型枠用マット材料はJIS L−1
096で測定される通気量が5cc/cm2 ・秒以上、
好ましくは5〜100cc/cm2 ・秒である多数の連
続気孔を有するものが好ましい。通気量が5cc/cm
2 ・秒未満であると、余剰水、気泡の排出が不十分であ
る。また、100cc/cm2 ・秒より大きいと、余剰
水と共にセメント粒子も通過し、コンクリート打設後の
コンクリート表面強度が低下することがある。気孔率は
40〜80%のものが好ましい。気孔率が40%未満で
あると、余剰水、気泡の排出が不十分である上に、変形
性が小さくなり過ぎて操作性が低下し、また、80%よ
り大きいと、余剰水と共にセメント粒子も通過し、変形
性が大きくなり過ぎて逆に操作性が低下する。表面硬度
は、65以上が好ましい。この値が65未満であると、
使用時の損耗が大きくなり、また毛羽立ち等の変質も生
じ易くなる。
【0017】上記した透水性コンクリート型枠用マット
材料が一表層シリコーン樹脂被覆マットの場合には、そ
の非被覆面に、あるいは透水性コンクリート型枠用マッ
ト材料が両表層シリコーン樹脂被覆マットの場合には、
どちらかのシリコーン樹脂被膜と複合マットの間に、そ
れぞれ本材料以外の織布、編布、網、不織布、フェル
ト、紙等の布帛、ハニカムシート、連続気孔型スポンジ
シート等の多孔シートあるいはそれらの複層積層体及び
/又はそれらの高多孔性樹脂加工物よりなる高透水層が
少なくとも互いの一面を接して接合されてなる透水性コ
ンクリート型枠用マット材料も用途に応じて好適に使用
できる。この例において、上記高透水層は複合マットに
比較して嵩高で、気孔率が高く、透水性に優れている層
であって、複合マットとの積層化により層厚化による強
度向上が達成される一方、積層体の透水性が殆ど低下し
ないので、結果として補強効果が現れる。しかも、本高
透水層は複合マットに比較して安価であるので、コスト
ダウンも達成できる。
【0018】次に、本発明の透水性コンクリート型枠用
マット材料の製造法について詳述する。本発明の製造法
は、前記した繊維とバインダー樹脂とを均一に配合して
一体化したプリプレグマットを形成し、これを二面のプ
レス面の少なくとも一面にシリコーン樹脂を被覆したプ
レス型に挟んで熱プレスすることを要旨とする方法であ
る。
【0019】本発明で使用するプリプレグマットは、上
記繊維とバインダー樹脂とが一体化したフェルト状のマ
ットで、熱プレス後においてもマット全体に連続気孔を
有するものである。また、本発明のプリプレグマット
は、その一構成体であるバインダー樹脂が未だ未硬化状
態であって且つ熱流動性を有するものであり、それをバ
インダー樹脂の硬化温度以上の温度にて(プレス圧下
に)加熱することにより、マットが賦形化されると共に
バインダー樹脂が硬化して熱硬化樹脂となり繊維間が安
定かつ強力に接着される特性を有するものである。
【0020】本発明で使用するプリプレグマットは上記
繊維とバインダー樹脂を既知のカーディングマシン、あ
るいは空力学的ウェッブフォーマーの様な装置を用いて
一体化させて製造される。または、繊維ウェッブを製造
した後にバインダー樹脂を含む溶液、分散液等の液体に
含浸せしめて一体化させる製造法も好適に使用できる。
【0021】ここで一体化とは、繊維の間隙にバインダ
ー樹脂が部分的に充填して混合マット状となった状態、
あるいは繊維にバインダー樹脂が部分的に被覆して接合
マット状となった状態を意味する。本発明で使用するプ
リプレグマットは、前記したように熱プレスすることに
よって、バインダー樹脂を繊維に固着すると共に樹脂を
加熱硬化せしめ、繊維間をバインダー接着して賦形加工
を行い、耐環境性の優れた高寸法安定性の透水性マット
になる。
【0022】この際、プレス温度は120〜300℃が
好ましく、140℃〜250℃が特に好ましい。120
℃未満であると熱プレス成形が不十分でバインダー樹脂
の接着性が不十分である。300℃を超えると繊維によ
っては構成繊維の一部の溶融による気孔率の低下や、繊
維の強度劣化によりマット全体の強度が低下することが
ある。
【0023】本発明の透水性コンクリート型枠用マット
材料の厚さおよび目付は特に限定されることはない。本
プリプレグマットを熱プレスする際に、熱プレス機のプ
レス盤に固定したプレス型にプリプレグマットを直接挟
んで熱プレスしてもよいが、通常は平板状あるいは曲面
状等の型枠の型形状に加工した可搬式のプレス型(プレ
ス面を接して全面密着する2枚のプレス板よりなる。以
下、キャリア板と称する。)の間にプリプレグマットを
挟んで、これをプレス盤にセットして熱プレスする方法
が好適に使用される。後者の方法では、熱プレス加工と
平行して後記する離型剤の被覆から脱型までの操作を別
工程にて一連処理が行えるので有利である。
【0024】このようなキャリア板としては、ステンレ
ス鋼、アルミニウム合金等の金属製板又は金属製板にク
ロム等のメッキを施した板が好適に用いられる。一対の
キャリア板の少なくとも1枚のプレス面に離型剤として
シリコーン樹脂を被覆せしめて熱プレスを行う。
【0025】ここで使用されるシリコーン樹脂として
は、前記した構造の離型性高分子物質で、25℃におけ
る粘度が10〜500センチポイズ程度のワニス状のも
の、あるいは同粘度が10〜5000センチストークス
程度のオイル状のもので原液のまま、トルエン、キシレ
ン、イソプロピルアルコール、ノルマルブタノール等で
希釈したもの、あるいはこれらを水に分散させたものを
使用する。
【0026】本発明にて使用される好適なシリコーン樹
脂の例としては、信越化学工業(株)製KFシリーズ、
東芝シリコーン(株)製TSFシリーズ等のシリコーン
オイルあるいは変性シリコーンオイル,又は信越化学工
業(株)製KSシリーズ、KMシリーズ、東芝シリコー
ン(株)製TSRシリーズ、TSMシリーズ、YGシリ
ーズ、トスガードシリーズ等のシリコーン(変性シリコ
ーン)溶液(オイル系、ゴム系、ワニス系)あるいはエ
マルジョン等が挙げられる。この中、特に好ましいシリ
コーン樹脂としては、数10回ないし数100回程度打
設離型性の持続するゴム系、ワニス系等の皮膜形成樹脂
である。例えば、信越化学工業(株)製シリコーンKS
707、KS717、KM2002T,SEPAーCO
AT H、東芝シリコーン(株)製TSR144、TS
M6281、TSM6450、トスガード510等が好
例としてあげられる。
【0027】シリコーン樹脂をキャリア板に被覆する量
は0.1g/m2 以上であることが好ましい。0.1g
/m2 未満では熱プレス後のマットへのシリコーン樹脂
の付着量が不十分となることがある。キャリア板へのシ
リコーン樹脂の被覆は、二面のプレス面の少なくとも一
面に全面的に施す。この際の被覆法としては、塗布法、
スプレー法、浸漬法等の従来公知の方法が採用できる。
【0028】本発明の製造法にて調製された透水性コン
クリート型枠用マット材料は、シリコーン樹脂が上記し
たように転写被覆法によって被覆されているので、被膜
が極めて薄く、しかも表面に一様に被覆されており、且
つ複合マットの気孔部を遮蔽することは殆どないため、
通気透水性が優れている。事実、本発明の製造法にて熱
プレスした後、プレス後キャリア板からマットを取り出
してみると、シリコーン樹脂を塗布した側は均一にシリ
コーン樹脂がマットの表面繊維に付着していることが確
認できる。また、表面繊維にのみシリコーン樹脂が付着
しているので、気孔表面開口部がふさがれることなく、
通気性が妨げられない様子が明らかとなる。
【0029】本発明の複合マットと高透水層とからなる
積層型の透水性コンクリート型枠用マット材料を製造す
るには、繊維とバインダー樹脂とで一体化したプリプレ
グマットと前記した高透水層を積層し、二面のプレス面
の少なくとも一面にシリコーン樹脂を被覆したプレス型
に前記積層体のプリプレグマットの非接触表面がシリコ
ーン樹脂に接するように積層体を配置したものを挟んで
熱プレスする方法が好適に使用できる。
【0030】本発明の透水性コンクリート型枠用マット
材料は、ベニヤ合板、金属板等の板状材料あるいはこれ
らに排水孔及び/又は賦形加工を施した堰材料よりなる
堰板に接着、粘着、機械的接合(ステッチング、フック
留め等)等の方法にて積層接合して透水性コンクリート
型枠として使用する。この際、型枠用マット材料のシリ
コーン樹脂被覆面が本型枠と打設コンクリートとの界面
となるように型枠用マット材料を配置する。
【0031】
【実施例】以下、本発明を実施例によって具体的に説明
する。 参考例 バインダー樹脂;フェノール樹脂の調製 100l の攪拌機付反応容器にノボラック樹脂[三井東
圧化学(株)製#6000(融点70〜76℃)]20
Kg、水15Kg、及びアラビアゴム400gを仕込
み、攪拌しながら内容物を95℃に加熱した。これにヘ
キサメチレンテトラミン2Kgを15Kgの水に溶解し
た溶液を加え、95℃に保持しながら60分間攪拌を続
けた。しかる後に、30℃に冷却し、容器系外に払出し
た。この反応液に100Kgの水を加えて攪拌し、微小
球状のフェノール樹脂の水性懸濁液が得られた。この懸
濁液より微小球状フェノール樹脂を濾過機を使って濾別
し、水洗風乾し、さらに5mmHg以下の減圧下に35
℃で24時間乾燥して平均粒径200μm のフェノール
樹脂を得た。
【0032】プリプレグマットの調製 上記フェノール樹脂10kgとポリエチレンテレフタレ
ート短繊維(平均繊維長5mm、平均繊度4デニール)
20kgをカーディングマシンに供給し、両成分が均一
に混合分散し一体化した混合ウェッブを調製した。この
ウェッブを150℃に設定したカレンダーロールを通す
ことにより、厚さ10mm、目付800g/m2 のフェ
ルト状のプリプレグマット及び厚さ3mm、目付180
g/m2のフェルト状のプリプレグマットを得た。かく
して得られた前者のプリプレグマットをプリプレグマッ
トA、後者のプリプレグマットをプリプレグマットBと
称する。
【0033】実施例1 透水性コンクリート型枠用マット材料の調製 縦横1.5mよりなる正方形のジュラルミン製キャリア
板を2枚用意し、一方の板の片面にシリコーン樹脂〔信
越化学工業(株)製シリコーンKS707〕の1対1ト
ルエン溶液を塗布し、24時間放置して5g/m2 の被
膜を形成した。もう一方のキャリア板(無被覆処理)の
上に転写性の全くないシリコーン系離型紙を敷いてその
上に上記プリプレグマットA(1m四方の正方形カット
物)を設置し、さらにその上に上記シリコーン樹脂被覆
キャリア板を被覆面をマット側に向けて重ね、サンドイ
ッチ状のキャリア板/プリプレグマット積層体を形成
し、これを圧縮成形機のプレス盤に挟んで温度160
℃、プレス圧1kgf/cm2 で7分間熱プレスした。
【0034】室温まで放冷後、両キャリア板からマット
を取りだしてみると、マットのシリコーン樹脂被膜に接
した面はシリコーン樹脂が付着しており、ツルツルした
仕上がりになっていたが、離型紙に接した面はザラザラ
しており、シリコーン樹脂の付着は認められなかった。
かくして得られたマットをマットAと称する。本マット
Aについて、下記の測定法により性能評価を行った。
【0035】透水性コンクリート型枠の調製 上記マットAを縦60cm、横90cmにカットし、堰
板材としての同サイズのベニヤ合板に接着剤としてポリ
ウレタン系接着剤〔コニシ(株)製ボンドKU805〕
を用いて接着し、型枠を調製した。この型枠を透水型枠
Aと称する。この型枠について下記のコンクリート打設
評価を行った。
【0036】実施例2 透水性コンクリート型枠用マット材料の調製 上記参考例に記したプリプレグマットBと高透水マット
としての厚さ5mm、目付け300g/m2 のポリエス
テル系不織布〔ユニチカ(株)製マリックスAN300
WTE〕とを重ね合わせ、その積層体を実施例1と同じ
シリコーン樹脂塗布キャリア板上にプリプレグマットB
の非接触表面がシリコーン樹脂塗膜に触れる方向に配置
し、その上面(高透水マット非接触表面)にさらに無被
覆処理のキャリア板を乗せて実施例1と同様の熱プレス
処理を行った。かくして得られたマットをマットBと称
する。本マットBについて、下記の測定法により性能評
価を行った。 透水性コンクリート型枠の調製 上記マットBを縦60cm、横90cmにカットし、堰
板材としての同サイズのベニヤ合板に接着剤としてポリ
ウレタン系接着剤〔コニシ(株)製ボンドKU805〕
を用いて接着し、型枠を調製した。この型枠を透水型枠
Bと称する。この型枠について下記のコンクリート打設
評価を行った。
【0037】比較例1 従来の透水性コンクリート型枠用マット材料及びそれを
用いた透水性コンクリート型枠の調製 実施例1において上下双方のキャリア板に上記離型紙を
用いた以外は実施例1と同様に操作した。キャリア板か
ら取り出したマットは両面ともにザラザラしており、シ
リコーン樹脂の付着は認められなかった。かくして得ら
れたマットをマットCと称する。本マットCについて、
下記の測定法により性能評価を行った。このマットCを
用いて実施例1と同様に加工して型枠を調製した。この
型枠を透水型枠Cと称する。この型枠について下記のコ
ンクリート打設評価を行った。
【0038】比較例2 現在、最も広く使用されている従来型のコンクリート型
枠用合板(これを型枠Dと称する。)を用いて実施例1
及び比較例1と同様に型枠のコンクリート打設評価を行
った。
【0039】評価法及びその結果 透水性コンクリート型枠用マット材料の性能評価 上記マットA、BおよびマットCについて、JIS L
−1096の方法で通気量、JIS K−7113の方
法で引張強度、JIS K−7203の方法で曲げ強
度、マットの乾燥重量W(g)、体積V(cm3 )、真
密度ρ(g/cm3 )の測定値より数式〔1〕にて算出
する方法で気孔率及び「加硫ゴム物理試験方法(スプリ
ング硬さ試験〔A型及びB型〕)」の規格に定めるA型
の方法で表面硬度(すなわち、ゴム硬度)をそれぞれ測
定した。その結果を表1に示す。
【0040】
【表1】
【0041】型枠のコンクリート打設評価 普通ポルトランドセメント:細骨材:粗骨材=1:2.
3:2.8、水セメント比55%、スランプ値18cm
のコンクリートを用いて透水型枠A、B、C及び従来型
型枠Dについてコンクリート打設を行い、以下のコンク
リート打設評価を行った。
【0042】コンクリートからの離型性 官能試験で次のようにランク付けした。 ○‥‥極めて容易に剥離しやすい △‥‥やや剥離しがたい
【0043】打設後のコンクリート表面強度(表2中略
記;表面強度) シュミットハンマーN型による反発硬度で型枠脱型7日
後の測定値である。
【0044】コンクリート打設繰返し使用可能回数(表
2中略記;繰返使用回数) 上記した透水型枠を用いて前記条件にてコンクリート打
設を行い、本型枠を脱型して水にて洗浄し、風乾後さら
に続けて上記操作を行い、マット面が目詰まり・変質等
により離型性が極端に悪くなって使用不能状態になるま
でコンクリート打設・脱型を繰り返す。この際の繰返し
回数が本測定値となる。なお、使用不能の限界の離型性
は前記評価法にて△と評価したレベルを基準とする。
【0045】アバタ発生率 上記した透水型枠を用いて前記条件にてコンクリート打
設を行い、本型枠を脱型して、顕れたコンクリート面を
観察し、アバタ面の面積を測定し、これをアバタ面面積
とする。また、透水型枠とコンクリートとの接合部面積
を型枠面積とし、下記の数式〔2〕によりアバタ発生率
を求める。
【0046】
【数2】
【0047】なお、ここで用いるアバタ面なる用語は、
打設時におけるコンクリート中の気泡と余剰水が型から
排出されなかったためにコンクリート表面に生じた多数
の無定形クラックが散在する面を意味しており、クラッ
クの大きさの基準としては最大長さが1mm以上、深さ
が1mm以上のものを指す。これらのコンクリート打設
評価結果について表2に示した。
【0048】
【表2】
【0049】表1より明らかなように、マットA、B、
Cともに通気量、引張強度、曲げ強度、気孔率、表面硬
度のいずれもが同程度の測定値を示しており、マットへ
のシリコーン樹脂の付着が通気量、引張強度、曲げ強
度、気孔率、表面硬度に影響しないことを示している。
また、この通気量及び気孔率はともに透水性コンクリー
ト型枠として十分な余剰水、気泡の排出が行える値であ
り、引張強度、曲げ強度は共にコンクリート打設に耐え
得るに十分な強度であり、表面硬度は手頃な操作性を物
語る値である。表2より明らかなように本発明の透水型
枠A及びBは、従来の透水型枠C、通常型枠Dに比べて
離型性、表面強度、繰返し使用可能回数、アバタ発生率
すべてにおいて優れていた。特に、本発明の透水型枠A
及びBの繰返し使用可能回数は、従来の透水型枠C、通
常型枠Dに比べて圧倒的に優れており、本発明の透水型
枠A及びBは透水型枠表面へのセメント粒子の付着がほ
とんどなかった。
【0050】
【発明の効果】本発明の透水性コンクリート型枠用マッ
ト材料を用いた透水型枠は、コンクリートからの離型性
に優れ、打ち上がりのコンクリート面は極めて平滑に仕
上る。また、この透水型枠は使用による性能劣化が少な
く、高頻度の繰返し連続使用が可能であり、しかも安価
である。本発明の製造法によると、マット面の離型処理
とプリプレグの硬化処理が同時に施されるうえに、シリ
コーン樹脂による一回のプレス型面被覆にて数度のマッ
ト面の離型処理が可能となるので、経済的であり、得ら
れたマット面は一様に薄層の離型性皮膜が形成されると
ともに無数の通気透水性の連続気孔が保持される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森川 弘文 京都府宇治市宇治小桜23番地 ユニチカ株 式会社中央研究所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 引張強度80Kg/cm2 以上、曲げ強
    度80Kg/cm2以上、表面硬度65以上、気孔率4
    0〜80%の特性を有する繊維とバインダー樹脂とから
    なる複合マットの少なくとも一表層にシリコーン樹脂が
    被覆されており、上記複合マットとシリコーン樹脂被覆
    複合マットの通気性が実質的に等しいことを特徴とする
    透水性コンクリート型枠用マット材料。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の透水性コンクリート型枠
    用マット材料の一表層シリコーン樹脂被覆マットにおけ
    る非被覆面、あるいは両表層シリコーン樹脂被覆マット
    における一対のシリコーン樹脂被膜と複合マットとの
    間、に織布、編布、網、不織布、フェルト、紙等の布
    帛、ハニカムシート、連続気孔型スポンジシート等の多
    孔シートあるいはそれらの複層積層体及び/又はそれら
    の高多孔性樹脂加工物よりなる高透水層が少なくとも互
    いの一面を接して接合されてなることを特徴とする透水
    性コンクリート型枠用マット材料。
  3. 【請求項3】 繊維とバインダー樹脂とで一体化したプ
    リプレグマットを、二面のプレス面の少なくとも一面に
    シリコーン樹脂を被覆したプレス型に挟んで熱プレスす
    ることを特徴とする透水性コンクリート型枠用マット材
    料の製造法。
  4. 【請求項4】 繊維とバインダー樹脂とで一体化したプ
    リプレグマットと織布、編布、網、不織布、フェルト、
    紙等の布帛、ハニカムシート、連続気孔型スポンジシー
    ト等の多孔シートあるいはそれらの複層積層体及び/又
    はそれらの樹脂処理物である高多孔性プリプレグマット
    よりなる高透水層を積層し、二面のプレス面の少なくと
    も一面にシリコーン樹脂を被覆したプレス型に前記積層
    体のプリプレグマットの非接触表面がシリコーン樹脂に
    接するように積層体を配置したものを挟んで熱プレスす
    ることを特徴とする透水性コンクリート型枠用マット材
    料の製造法。
JP29595493A 1993-11-02 1993-11-02 透水性コンクリート型枠用マット材料及びその製造法 Pending JPH07127247A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29595493A JPH07127247A (ja) 1993-11-02 1993-11-02 透水性コンクリート型枠用マット材料及びその製造法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29595493A JPH07127247A (ja) 1993-11-02 1993-11-02 透水性コンクリート型枠用マット材料及びその製造法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH07127247A true JPH07127247A (ja) 1995-05-16

Family

ID=17827256

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP29595493A Pending JPH07127247A (ja) 1993-11-02 1993-11-02 透水性コンクリート型枠用マット材料及びその製造法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH07127247A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016525461A (ja) * 2013-08-21 2016-08-25 フィリップス ライティング ホールディング ビー ヴィ 頑丈な可撓性のある光治療用パッドのための織物オプティクス−ソリューション

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016525461A (ja) * 2013-08-21 2016-08-25 フィリップス ライティング ホールディング ビー ヴィ 頑丈な可撓性のある光治療用パッドのための織物オプティクス−ソリューション

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4150078B2 (ja) 多孔質研磨用製品の製造方法
JP4373152B2 (ja) 研磨シート
EP1757728B1 (en) Polymer particles mixed with fibers, method of making, and products such as press fabrics made therefrom
JP4773520B2 (ja) 繊維シート、積層繊維シート、および繊維シート成形物
JP3802839B2 (ja) フィルター用不織布及びエンジン用フィルター
WO2008004432A1 (fr) Feuille insonorisante en fibres et article profilé la comprenant
JPH07127247A (ja) 透水性コンクリート型枠用マット材料及びその製造法
JPH02261638A (ja) 複合材料の製造方法
JP3530699B2 (ja) 無機質板状体の製造方法
JPS63306003A (ja) コンクリ−トの表面処理法
JPH0545144U (ja) 脱水型枠
JPH04347261A (ja) 透水性コンクリート型枠およびその製造方法
KR102479993B1 (ko) 강도 및 탈형성이 우수한 콘크리트 거푸집용 폴리프로필렌 복합 이형 시트
JP2001009818A (ja) コンクリート型枠用シート及びその製造方法
JP2940554B2 (ja) 多孔性フロアー材の製造方法
JPH089913B2 (ja) 型枠貼付用シート
JP2023126801A (ja) 透水性シートとその製造方法
JPH02308066A (ja) コンクリート打設用型枠
JPH02128802A (ja) 吸水・排水用不織布
JP3404137B2 (ja) 多孔性樹脂積層体及びその製造方法
JPH03108527A (ja) 多孔性材料の製造方法
JPH11327564A (ja) サンドイッチ構造を有する吸音板及びその製造方法
EP2208836B1 (de) Betonschalung und Verfahren zu deren Herstellung
JPH0313319A (ja) 多孔性成形体の製造方法
JPH0455152B2 (ja)