JPH07127198A - 軒樋伸縮継手 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 シール効果を長く保持できて水漏れが生じる
恐れのない軒樋伸縮継手を提供するにある。 【構成】 継手本体１と、その継手本体１の内側にシー
ル材３を介して摺動可能に嵌合されたスライダー２とを
備え、継手本体１が、スライダー嵌合部１１と、そのス
ライダー嵌合部１１の一端に形成され、軒樋の端部を嵌
合可能な軒樋嵌合部１２とで構成され、スライダー２
が、継手本体１と嵌合する嵌合部２１と、その嵌合部２
１の一端に形成された軒樋嵌合部２２とで構成されてい
る樋用伸縮継手において、継手本体１のスライダー嵌合
部１１の内面とスライダー２の嵌合部の外面とのいずれ
か一方にシール材固定部２１が設けられ、シール材固定
用部２１にクッション材３１及びその表面のマグネット
シート３２からなるシール材３が固定され、他方にはマ
グネットシート３２と吸着し得る被覆材１３が被覆され
ている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、気温の変化に伴う軒樋
の伸縮を吸収する機能を有する軒樋伸縮継手に関する。

【０００２】

【従来の技術】軒樋、特に硬質塩化ビニル樹脂等の合成
樹脂を素材とした軒樋は、熱膨張係数が大きいために、
気温の変化に伴う伸縮により変形や破損などの弊害を余
儀なくされていた。そこで、気温の変化に伴う軒樋の伸
縮を吸収する機能を有する伸縮継手が多数知られており
賞用されている。

【０００３】代表的な軒樋伸縮継手は、継手本体と、そ
の継手本体の内側にシール材を介して嵌合されたスライ
ダーとで構成されている。この継手本体は、内面にシー
ル材が固定されているスライダー嵌合部と、そのスライ
ダー嵌合部の一端に形成され、軒樋の端部を嵌合可能な
軒樋嵌合部とで構成され、スライダーは、前記シール材
に沿って摺動する被シール部と、その被シール部の一端
に形成され、軒樋の端部を嵌合可能な軒樋嵌合部とで構
成された構造となっている（実公平４−１９１４１号、
実公平４−１９１４２号公報参照）。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の軒樋伸縮継手にあっては、次の問題が生じて
いた。

【０００５】即ち、シール材としては、ゴム製の半リン
グ状のものが使用されており、長期間の使用によりゴム
製半リング状シール材が変形し、或いは、高温域の場合
には、逆に継手本体又はスライダーがシール材による押
圧の為に変形し、シール効果が減少し、水漏れを生じる
ことがあった。

【０００６】本発明は、上記のような従来の軒樋伸縮継
手における問題に着目してなされたものであって、その
目的とするところは、シール効果を長く保持できて水漏
れが生じる恐れのない軒樋伸縮継手を提供するにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の軒樋伸縮継手においては、継手本体と、そ
の継手本体の内側にシール材を介して摺動可能に嵌合さ
れたスライダーとを備え、継手本体が、スライダー嵌合
部と、そのスライダー嵌合部の一端に形成され、軒樋の
端部を嵌合可能な軒樋嵌合部とで構成され、スライダー
が、前記継手本体と嵌合する嵌合部と、その嵌合部の一
端に形成された軒樋嵌合部とで構成されている樋用伸縮
継手において、継手本体のスライダー嵌合部の内面とス
ライダーの嵌合部の外面とのいずれか一方にシール材固
定部が設けられ、シール材固定部にクッション材及びそ
の表面のマグネットシートからなるシール材が固定さ
れ、他方にはマグネットシートと吸着し得る被覆材が被
覆されていることを特徴とするものである。

【０００８】本発明において、継手本体及びスライダー
の材質としては、特に限定されるものではないが、例え
ば、硬質塩化ビニル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリカーボネートのような合成樹脂の他、ポリフェ
ニレンサルファイドのようなエンジニアリングプラスチ
ック、又は、鉄、ステンレス鋼、銅、アルミニウムのよ
うな金属を単独に使用してもよく、或いは、鉄等の金属
製芯材の両面に硬質塩化ビニル樹脂の被覆層を設ける
等、これらの材質を適宜組み合わせて使用してもよい。

【０００９】又、本発明において、シール材のクッショ
ン材の材質としては、弾性に富むものであれば特に限定
されるものではないが、例えば、ゴム、或いは、ポリエ
チレン、ポリプロピレン等の合成樹脂の発泡体等が好適
に使用できる。

【００１０】又、本発明において、シール材のクッショ
ン材の表面を覆うマグネットシートの材質としては、磁
性を有するものであれば、特に限定されるものではない
が、例えば、磁性を帯びた鉄の薄板、磁石の粉末を混入
したゴム或いは塩化ビニル樹脂、ナイロンのような合成
樹脂のシート等が好適に使用できる。

【００１１】又、本発明においては、シール材のマグネ
ットシートと吸着し得る被覆材の材質としては、マグネ
ットシートと吸着し得るもであれば特に限定されない
が、例えば、クロムメッキした鉄板、磁石の粉末を混入
したゴム或いは塩化ビニル樹脂、ナイロンのような合成
樹脂等が好適に使用できる。

【００１２】

【作用】本発明軒樋伸縮継手においては、継手本体のス
ライダー嵌合部の内面とスライダーの嵌合部の外面との
いずれか一方にシール材固定部が設けられ、シール材固
定部にクッション材及びその表面のマグネットシートか
らなるシール材が固定され、他方にはマグネットシート
と吸着し得る被覆材が被覆されているので、継手本体に
対するスライダーの移動に伴いシール材のマグネットシ
ートが被覆材に対して摺動するが、マグネットシートは
クッション材の弾性復元力により被覆材に密接される上
に磁力により吸着し合っている為、これら相互間の水密
は保持される。又、シール材のマグネットシートと被覆
材とは広い面同志で接触されるので、水密効果が増大す
る上に、従来のゴム製シール材のように変形することが
なく長期間に亘り水密性を維持する。

【００１３】

【実施例】本発明の実施例を図１〜図４に基づいて説明
する。図１は本発明軒樋伸縮継手の一例を示す断面図、
図２は図１に示す本発明軒樋伸縮継手の要部拡大断面図
である。図１に示す本発明軒樋伸縮継手は硬質塩化ビニ
ル樹脂製の継手本体１と、その継手本体１の内側にシー
ル材３を介して摺動可能に嵌合された硬質塩化ビニル樹
脂製のスライダー２とで構成されている。

【００１４】継手本体１は、内面にスライダー２が嵌合
されているスライダー嵌合部１１と、そのスライダー嵌
合部１１の一端に形成され、軒樋の端部を嵌合可能な軒
樋嵌合部１２とで構成されている。

【００１５】スライダー嵌合部１１は、平らな底壁１１
１の両側部に、側壁１１２を立設させると共に、各側壁
１１２の上端に、Ｌ字形の耳受け部１１３を設けた形状
に形成されており、。スライダー嵌合部１１の一端に形
成されている軒樋嵌合部１２は、平らな底壁１２１の両
側部に、側壁１２２を立設させると共に、各側壁１２２
の上端に、コの字形の耳受け部１２３を設けた形状に形
成されている。

【００１６】スライダー２は、継手本体１と嵌合する嵌
合部２１と、その嵌合部２１の一端に形成され、軒樋の
端部を嵌合可能な軒樋嵌合部２２とで構成されている。

【００１７】軒樋嵌合部２２は、平らな底壁２２１の両
側部に、側壁２２２を立設させると共に、各側壁２２２
の上端に、コの字形の耳受け部２２３を設けた形状に形
成されている。又、嵌合部２１の外面には、シール材３
を保持する凹溝が凹設されたシール材固定部２３が設け
られ、シール材固定部２３の凹溝内にシール材３が嵌合
接着固定されている。

【００１８】シール材３は、図２に拡大して示すよう
に、クッション材３１と、その表面を覆うマグネットシ
ート３２から構成されている。クッション材３１はポリ
エチレン発泡体からなり、マグネットシート３２は軟質
塩化ビニル樹脂シート内に磁石の粉末が混合されて構成
されている。継手本体１のスライダー嵌合部１１の内面
には、表面クロムメッキされた鉄板からなる被覆材１３
が被覆されている。シール材３のマグネットシート３２
はクッション材３１の復元膨張力により被覆材１３に押
しつけられると共に、磁力によってもマグネットシート
３２は被覆材１３に吸着されており、その間が止水され
るようになっている。

【００１９】〔実施例の作用〕次に、図１、２に示す本
発明軒樋伸縮継手の作用を説明する。本発明樋用伸縮継
手により軒樋を接続する場合には、継手本体１の軒樋嵌
合部１２の内側に、一方の軒樋（図示しない）を嵌合接
着すると共に、スライダー２の軒樋嵌合部２２の内側
に、他方軒樋（図示しない）を嵌合接着する。継手本体
１に接着させた軒樋、並びにスライダー２に接着させた
軒樋が伸縮すると、スライダー２が継手本体１のスライ
ダー嵌合部１１の内側で摺動して、その伸縮が吸収され
る。

【００２０】スライダー２が継手本体１のスライダー嵌
合部１１の内側で摺動する際、シール材３の表面のマグ
ネットシート３２が継手本体１のスライダー嵌合部１１
の内面の被覆材１３の上を摺動するが、両者はクッショ
ン材３１と磁力により密接しているので、止水性が確保
される。

【００２１】以上、本発明の実施例を図面により説明し
たが、本発明の具体的な構成は図示の実施例に限られる
ものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における
設計の変更等があっても本発明に含まれる。例えば、図
示の実施例においては、スライダー２にシール材３が固
定され、継手本体１の内面に被覆材が被覆されている
が、逆に、継手本体１の内面にシール材が固定され、ス
ライダーの外面に被覆材が被覆されていてもよい。又、
図示の実施例においては、シール材と被覆材とが直接密
接されているが、双方の間に、例えばナイロン皮膜のよ
うな摩擦が少なく磁力の減少の少ない薄膜が介在されて
いてもよい。

【００２２】

【発明の効果】本発明軒樋伸縮継手においては、マグネ
ットシートはクッション材の弾性復元力により被覆材に
密接される上に、磁力により相互に吸着し合っている
為、これら相互間の水密は保持される。又、シール材の
マグネットシートと被覆材とは広い面同志で接触される
ので、水密効果が増大する上に、従来のゴム製シール材
のように変形することがなく長期間に亘り水密性を維持
する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明軒樋伸縮継手の一例を示す断面図。

【図２】図１に示す本発明軒樋伸縮継手の要部拡大断面
図。

【符号の説明】

１ 継手本体 １１ スライダー嵌合部 １２ 軒樋嵌合部 １３ 被覆材 ２ スライダー ２１ 嵌合部 ２２ 軒樋嵌合部 ２３ シール材固定部（凹溝） ３ シール材 ３１ クッション材 ３２ マグネットシート

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 継手本体と、その継手本体の内側にシー
   ル材を介して摺動可能に嵌合されたスライダーとを備
   え、継手本体が、スライダー嵌合部と、そのスライダー
   嵌合部の一端に形成され、軒樋の端部を嵌合可能な軒樋
   嵌合部とで構成され、スライダーが、前記継手本体と嵌
   合する嵌合部と、その嵌合部の一端に形成された軒樋嵌
   合部とで構成されている樋用伸縮継手において、継手本
   体のスライダー嵌合部の内面とスライダーの嵌合部の外
   面とのいずれか一方にシール材固定部が設けられ、シー
   ル材固定部にクッション材及びその表面のマグネットシ
   ートからなるシール材が固定され、他方にはマグネット
   シートと吸着し得る被覆材が被覆されていることを特徴
   とする軒樋伸縮継手。