JPH07126549A - 表面処理シリカの製造方法 - Google Patents

表面処理シリカの製造方法

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JPH07126549A
JPH07126549A JP27651693A JP27651693A JPH07126549A JP H07126549 A JPH07126549 A JP H07126549A JP 27651693 A JP27651693 A JP 27651693A JP 27651693 A JP27651693 A JP 27651693A JP H07126549 A JPH07126549 A JP H07126549A
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    • C09CTREATMENT OF INORGANIC MATERIALS, OTHER THAN FIBROUS FILLERS, TO ENHANCE THEIR PIGMENTING OR FILLING PROPERTIES ; PREPARATION OF CARBON BLACK  ; PREPARATION OF INORGANIC MATERIALS WHICH ARE NO SINGLE CHEMICAL COMPOUNDS AND WHICH ARE MAINLY USED AS PIGMENTS OR FILLERS
    • C09C1/00Treatment of specific inorganic materials other than fibrous fillers; Preparation of carbon black
    • C09C1/28Compounds of silicon
    • C09C1/30Silicic acid
    • C09C1/3081Treatment with organo-silicon compounds

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  • Chemical & Material Sciences (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 温和な条件で容易かつ均一にシリカの表面処
理を行うことができ、反応性に富む有機官能基でも損な
うことなく被覆させることができ、装置の損傷のない、
操作性、安全性が改善された表面処理シリカの製造方法
を提供する。 【構成】 ケイ素原子に直結したアルコキシ基を有する
有機ケイ素化合物を、Si-F結合を有するフッ素含有ケイ
素化合物あるいはフッ素の塩化合物触媒の存在下、水あ
るいは含水有機溶剤中に分散させたシリカと反応させる
ことを特徴とする表面処理シリカの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は表面処理シリカの製造方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】シリカをオルガノアルコキシシラン(シ
ランカップリング剤)で表面処理する方法については従
来多くの提案がなされているが、大別すると乾式法と湿
式法に分けられる。乾式法は溶剤を使用しないのでコス
ト的には有利であり、湿式法は溶剤系あるいは水系で処
理を行うため、シリカの表面を均一に処理できるという
利点がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、乾式法にはシ
リカの表面を均一に処理できないという不利がある。ま
た、湿式法では加水分解触媒として酸あるいはアルカリ
性触媒(酢酸、塩酸、硫酸、アンモニア等)を使用しな
ければならず、有機官能基が損なわれる可能性がある
し、触媒が腐食性物質であるので工程用の機器の損傷が
早められ、かつ操作性、安全性もそれほど優れていると
はいえない。このように、従来は均一性、安定性に優
れ、かつ操作性、安全性にも優れた方法が見出されてい
なかった。本発明は上述の不利を解決しようとしてなさ
れたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記の課題
を解決するため鋭意検討の結果、水あるいは有機溶剤中
で行う湿式法において、触媒としてSi-F結合を有するフ
ッ素含有ケイ素化合物あるいはフッ素の塩化合物の存在
下、ケイ素原子に直結したアルコキシ基を有する有機ケ
イ素化合物とシリカとを反応させる方法によれば目的が
達成されることを見出して本発明に至った。
【0005】すなわち本発明は、ケイ素原子に直結した
アルコキシ基を有する有機ケイ素化合物を、Si-F結合を
有するフッ素含有ケイ素化合物あるいはフッ素の塩化合
物触媒の存在下、水あるいは含水有機溶剤中に分散させ
たシリカと反応させることを特徴とする表面処理シリカ
の製造方法、に関するものである。
【0006】以下に本発明について詳しく説明する。本
発明で使用するケイ素原子に直結したアルコキシ基を有
する有機ケイ素化合物は、典型的には一般式 YSiR1 a(OR
2)3-a で表され、式中のR1は非置換又は置換のアルキル
基及びフェニル基から選ばれる基であり、R2は炭素原子
数1〜4のアルキル基から選ばれる基である。Yは非置
換又は置換のアルキル基、アルケニル基、フェニル基、
Si-C結合でケイ素原子に結合した有機基であってエポキ
シ基、(メタ)アクリロキシ基、アミノ基、メルカプト
基、水酸基、シロキシ基、エーテル結合、ケトン基、エ
ステル結合、リン結合などから選ばれる官能基又は結合
を含む基及びSi-C結合でケイ素原子に結合した有機基で
あってポリ(ビニル芳香族)、ポリエーテル、ポリアミ
ドなどから選ばれるポリマーを含む基から選ばれるもの
である。また、aは0〜2の整数である。なお、上記一
般式に含まれないものも勿論使用できる。
【0007】このようなケイ素原子に直結したアルコキ
シ基を有する有機ケイ素化合物の具体例としては下記の
ものが挙げられる。CH3Si(OCH3)3, (CH3)2Si(OCH3)2,
(CH3)3SiOCH3, CH3Si(OCH2CH3)3,(CH3)2Si(OCH2CH3)2,
(CH3)3SiOCH2CH3, CH3CH2Si(OCH3)3,(CH3CH2)2Si(OCH3)
2, (CH3CH2)3SiOCH3, CH3CH2Si(OCH2CH3)3,(CH3CH2)2Si
(OCH2CH3)2, (CH3CH2)3SiOCH2CH3, CH3CH2CH2Si(OC
H3)3,(CH3CH2CH2)2Si(OCH3)2, (CH3CH2CH2)3SiOCH3, CH
3CH2CH2Si(OCH2CH3)3,(CH3CH2CH2)2Si(OCH2CH3)2, (CH3
CH2CH2)3SiOCH2CH3,CH3CH2CH2CH2Si(OCH3)3, (CH3CH2CH
2CH2)2Si(OCH3)2,(CH3CH2CH2CH2)3SiOCH3, CH3CH2CH2CH
2Si(OCH2CH3)3,(CH3CH2CH2CH2)2Si(OCH2CH3)2, (CH3CH2
CH2CH2)3SiOCH2CH3,
【0008】CH3CH2(CH3)CHSi(OCH3)3, [CH3CH2(CH3)C
H]2Si(OCH3)2,[CH3CH2(CH3)CH]3SiOCH3, CH3CH2(CH3)CH
Si(OCH2CH3)3,[CH3CH2(CH3)CH]2Si(OCH2CH3)2, [CH3CH2
(CH3)CH]3SiOCH2CH3,(CH3)2CHCH2Si(OCH3)3, [(CH3)2CH
CH2]2Si(OCH3)2, [(CH3)2CHCH2]3SiOCH3,(CH3)2CHCH2Si
(OCH2CH3)3, [(CH3)2CHCH2]2Si(OCH2CH3)2,[(CH3)2CHCH
2]3SiOCH2CH3, (CH3)3CSi(OCH3)3, [(CH3)3C]2Si(OCH3)
2,[(CH3)3C]3SiOCH3, (CH3)3CSi(OCH2CH3)3, [(CH3)3C]
2Si(OCH2CH3)2,[(CH3)3C]3SiOCH2CH3,
【0009】
【化1】
【0010】CH2=CHSi(OCH3)3, CH2=CH(CH3)Si(OCH3)2,
CH2=CHSi(OCH2CH3)3,CH2=CH(CH3)Si(OCH2CH3)2, CH2=C
HCH2Si(OCH3)3, CH2=CHCH2(CH3)Si(OCH3)2,CH2=CHCH2Si
(OCH2CH3)3, CH2=CHCH2(CH3)Si(OCH2CH3)2,CH2=CH(CH2)
4Si(OCH3)3, CH2=CH(CH2)4(CH3)Si(OCH3)2,CH2=CH(CH2)
4Si(OCH2CH3)3, CH2=CH(CH2)4(CH3)Si(OCH2CH3)2,CH2=C
H(CH2)8Si(OCH3)3, CH2=CH(CH2)8Si(OCH2CH3)3,CH2=CHO
(CH2)3Si(OCH3)3, CH2=CHO(CH2)3Si(OCH2CH3)3,CH2=CHO
OC(CH2)10Si(OCH3)3, CH2=CHOOC(CH2)10Si(OCH2CH3)3,
【0011】
【化2】
【0012】
【化3】
【0013】CH2=C(CH3)COO(CH2)3Si(OCH3)3, CH2=C(CH
3)COO(CH2)3Si(OCH2CH3)3,CH2=C(CH3)COO(CH2)3(CH3)Si
(OCH3)2,CH2=C(CH3)COO(CH2)3(CH3)Si(OCH2CH3)2,CH2=C
HCOO(CH2)3Si(OCH3)3, CH2=CHCOO(CH2)3Si(OCH2CH3)3,C
H2=CHCOO(CH2)3(CH3)Si(OCH3)2, CH2=CHCOO(CH2)3(CH3)
Si(OCH2CH3)2,HS(CH2)3Si(OCH3)3, HS(CH2)3Si(OCH2C
H3)3, HS(CH2)3(CH3)Si(OCH3)2,HS(CH2)3(CH3)Si(OCH2C
H3)2, CH3O(CH2CH2O)10(CH2)3Si(OCH3)3,CH3O(CH2CH2O)
10(CH2)3Si(OCH2CH3)3, CF3(CH2)2Si(OCH3)3,.CF3(C
H2)2Si(OCH2CH3)3, CH3COCH2COO(CH2)3Si(OCH3)3,CH3CO
CH2COO(CH2)3Si(OCH2CH3)3,
【0014】
【化4】
【0015】CH2=C(CH3)OCH2CH2O(CH2)3Si(OCH3)3,CH2=
C(CH3)OCH2CH2O(CH2)3Si(OCH2CH3)3,CH2=C(CH3)COO(C
H2)11Si(OCH3)3, CH2=C(CH3)COO(CH2)11Si(OCH2CH3)3,H
2N(CH2)3Si(OCH3)3, H2N(CH2)3Si(OCH2CH3)3,H2N(CH2)3
(CH3)Si(OCH3)2, H2N(CH2)3(CH3)Si(OCH2CH3)2,CH3NH(C
H2)3Si(OCH3)3, CH3NH(CH2)3Si(OCH2CH3)3,(CH3)2N(C
H2)3Si(OCH3)3, (CH3)2N(CH2)3Si(OCH2CH3)3,(CH3CH2CH
2CH2)2N(CH2)3Si(OCH3)3, (CH3CH2CH2CH2)2N(CH2)3Si(O
CH2CH3)3,H2N(CH2)2NH(CH2)3Si(OCH3)3, H2N(CH2)2NH(C
H2)3Si(OCH2CH3)3,H2N(CH2)2NH(CH2)3(CH3)Si(OCH3)2,
H2N(CH2)2NH(CH2)3(CH3)Si(OCH2CH3)2,H2N(CH2)6NH(C
H2)3Si(OCH3)3, H2N(CH2)6NH(CH2)3Si(OCH2CH3)3,H2N(C
H2)2NH(CH2)2NH(CH2)3Si(OCH3)3,H2N(CH2)2NH(CH2)2NH
(CH2)3Si(OCH2CH3)3,
【0016】
【化5】
【0017】(CH3O)3Si(CH2)3NH(CH2)2NH(CH2)3Si(OC
H3)3,(CH3CH2O)3Si(CH2)3NH(CH2)2NH(CH2)3Si(OCH2CH3)
3,(CH3O)3Si(CH2)3NH(CH2)3Si(OCH3)3,(CH3CH2O)3Si(CH
2)3NH(CH2)3Si(OCH2CH3)3,(CH3)3SiOSi(OCH3)3, [(CH3)
3SiO]2Si(OCH3)2, [(CH3)3SiO]3SiOCH3,(CH3)3SiOSi(OC
H2CH3)3, [(CH3)3SiO]2Si(OCH2CH3)2,[(CH3)3SiO]3SiOC
H2CH3,
【0018】
【化6】
【0019】これらのケイ素原子に直結したアルコキシ
基を有する有機ケイ素化合物は1種単独で用いることも
2種以上併用することもできる。この有機ケイ素化合物
の使用量は特に限定されないが、シリカ 100重量部に対
して 0.001〜10重量部、特には0.01〜1重量部が好まし
い。この有機ケイ素化合物の使用量が 0.001重量部未満
であるとシリカ表面の処理が不十分になってくる。ま
た、10重量部を超えても効果はそれほど大きくならない
しコスト高になるために経済的に不利である。
【0020】また、上記のケイ素原子に直結したアルコ
キシ基を有する有機ケイ素化合物の他にも、下記に示す
ようなテトラアルコキシシランを併用あるいは前処理し
てもよい。 Si(OCH3)4, Si(OCH2CH3)4, Si(OCH2CH2CH3)4, Si(OCH2C
H2CH2CH3)4 上記テトラアルコキシシランを併用する場合、ケイ素原
子に直結したアルコキシ基を有する有機ケイ素化合物 1
00重量部に対して30重量部以下の量を添加するのがよ
い。30重量部を超えるとケイ素原子に直結したアルコキ
シ基を有する有機ケイ素化合物とテトラアルコキシシラ
ンとが縮合してしまい、シリカの表面をうまく処理でき
ず好ましくない。
【0021】反応系に添加する触媒はSi-F結合を分子内
に少なくとも1個有するフッ素含有ケイ素化合物あるい
はフッ素の塩化合物である。Si-F結合を分子内に少なく
とも1個有するフッ素含有ケイ素化合物としては、Si-F
結合を持つものであれば有機化合物でも無機化合物でも
よい。有機化合物系のものは例えば、FSi(OCH3)3, FSi
(OC2H5)3, FSi(OC3H7)3, FSi(OC4H9)3, F2Si(OCH3)2,F2
Si(OC2H5)2, F2Si(OC3H7)2, F2Si(OC4H9)2, F3SiOCH3,
F3SiOC2H5,F3SiOC3H7, F3SiOC4H9, FSi(CH3)3, FSi(C2H
5)3, FSi(C3H7)3, FSi(C4H9)3,F2Si(CH3)2, F2Si(C2H5)
2, F2Si(C3H7)2, F2Si(C4H9)2, F3SiCH3, F3SiC2H5,F3S
iC3H7, F3SiC4H9等を具体例としてあげることができる
が、Si-F結合を含有していればポリシロキサン、ポリシ
ラン化合物でもよい。また、無機化合物系のものでは、
例えばSiF4, H2SiF6, Na2SiF6, (NH4)2SiF6 等をあげる
ことができる。これらの化合物の中でコスト、操作性、
安全性などを考慮するとFSi(OCH3)3, FSi(OC2H5)3, (NH
4)2SiF6 などが特に好適である。
【0022】また、フッ素の塩化合物としては、例えば
LiF, NaF, KF, RbF, CsFなどI族元素のフッ化物、Be
F2, MgF2, CaF2, SrF2, BaF2などのII族元素のフッ化
物、BF3, AlF3, GaF3,InF3, TlF3などの III族元素のフ
ッ化物、CuF2, ZnF2, SnF2, PdF2, SbF3, CrF3, YF3
どのフッ化物、LaF3,CeF3, PrF3, NdF3, SmF3, EuF3, G
dF3, TbF3, DyF3, HoF3, ErF3などのランタノイド系の
フッ化物などをあげることができるが、これらの水和物
でもよい。また、(CH3)4N・F, (CH3CH2)4N・F, (CH3CH2CH
2)4N・F, (CH3CH2CH2CH2)4N・Fのようなフッ素のアンモニ
ウム塩化合物も例示することができる。これらの化合物
の中でコスト、水溶解性、操作性、安全性を考慮する
と、NaF,KF, (CH3CH2CH2CH2)4N・Fなどが特に好適であ
る。
【0023】本発明の方法においては、粉末状の球状あ
るいは無定形のシリカ、コロイダルシリカ、アルコキシ
シラン類を加水分解させて作成したシリカ、また、酸化
チタン、アルミナ等の無機酸化物の表面をシランカップ
リング剤で処理したものなどであれば処理することが可
能である。
【0024】本発明の製造方法は湿式法であり、水ある
いは含水有機溶剤中で処理を行う。有機溶剤としては例
えば、メチルアルコール、エチルアルコール、1−プロ
ピルアルコール、2−プロピルアルコール等のアルコー
ル類、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル等のエー
テル類、酢酸メチル、酢酸エチル、アセト酢酸エチル等
のエステル類、アセトン、ジエチルケトン、イソプロピ
ルメチルケトン、メチルエチルケトン等のケトン類をあ
げることができる。溶媒の量は処理するシリカ 100重量
部に対して20〜1000重量部が好ましく、更に好ましくは
20〜500 重量部である。溶剤の量が1000重量部を超える
と反応装置などを大きくしなければならず、ポットイー
ルドも低下するため経済的に不利である。また、溶剤の
量が20重量部より少ないとシリカ表面を均一に処理する
ことが難しくなる。
【0025】溶剤系への水の添加量はケイ素原子に直結
したアルコキシ基を有する有機ケイ素化合物のアルコキ
シ基対水のモル比で1対0.5 〜1対10が好ましい。水の
モル比が 0.5よりも少ないと加水分解せずに残るアルコ
キシ基の量が増加するため、シリカ表面をうまく処理で
きなくなってくるので好ましくない。また、水のモル比
が10を超えるとシリカが処理される前にケイ素原子に直
結したアルコキシ基を有する有機ケイ素化合物が自己縮
合するようになり、処理能力が低下するので好ましくな
い。
【0026】触媒を反応系に添加する方法は、フッ素含
有ケイ素化合物の場合、このものが有機化合物の時はケ
イ素原子に直結したアルコキシ基を有する有機ケイ素化
合物に混合するのがよく、無機化合物の時は水、溶媒に
溶解させればよい。フッ素の塩化合物の場合は水、溶媒
に溶解させて使用する方法が好ましい。触媒の量はケイ
素原子に直結したアルコキシ基を有する有機ケイ素化合
物のSi対触媒の Fのモル比が 1.0対0.0001〜1.0 対2.0
の範囲となるようにすることが好ましい。Siに対する F
のモル比が1.0 対0.0001よりも小さいと触媒としての効
果があまりなく処理に長時間を要し、また、シリカの表
面を均一に処理することが難しくなるので好ましくな
い。逆にこのモル比が1.0 対2.0 よりも大きいとポット
イールドが低下し、高コストになってしまうためやはり
好ましくない。より好ましくはSi対 Fのモル比が 1.0対
0.001 〜 1.0対0.1 の範囲を満たすことである。
【0027】実際の代表的な処理操作においては、シリ
カの水性懸濁液に所定量の触媒を加え、攪拌下にケイ素
原子に直結したアルコキシ基を有する有機ケイ素化合物
を室温で徐々に添加する。これによりシリカの表面はケ
イ素原子に直結したアルコキシ基を有する有機ケイ素化
合物によって速やかに処理される。上記操作によって表
面処理されたシリカをろ過等の方法によって懸濁液中か
ら分離し、溶媒、水等を揮発乾燥させると、目的とする
ケイ素原子に直結したアルコキシ基を有する有機ケイ素
化合物で表面処理されたシリカが得られる。また、スプ
レードライヤーなどの機器を利用して懸濁液から直接取
り出してもよい。
【0028】
【実施例】実施例1 球形シリカ20g 、メタノール100g、水2g、KF 0.01g(0.2
mmol) を攪拌機、温度計及び冷却器を備えた 500mlの反
応器に入れ攪拌混合した。ここにトリメチルメトキシシ
ラン2g(19mmol)を滴下し、室温で1時間攪拌熟成を行っ
た。ついで熟成後の懸濁液中の処理シリカをブフナーロ
ートで濾別し、蒸留水つづいてアセトンで洗浄した後、
真空乾燥機により80℃、10mmHgの条件で2時間処理して
溶媒を除去し、表面がトリメチルシリル化されたシリカ
を得た。このシリカの疎水化度を測定したところ、処理
前の球形シリカは0%であったが、処理されたシリカは
63.7%に達し、トリメチルメトキシシランで疎水化処理
されていることがわかった。なお、疎水化度(%)は、
水50ccにシリカ0.2gを入れ、そこにメタノールを少しづ
つ滴下して振とうし、静置後、シリカが混合液層に全て
湿潤する限界のメタノール濃度(%)で表した。
【0029】実施例2 KFを(NH4)2SiF6 0.005g(0.03mmol) とした以外は実施例
1と同様な反応及び処理を行った。この時の疎水化度は
52.4%であった。
【0030】実施例3 メタノール100gを水100gにした以外は実施例1と同様な
反応及び処理を行った。この時の疎水化度は66.3%であ
った。
【0031】比較例1 KFを36% HCl水溶液0.1gとした以外は実施例1と同様な
反応及び処理を行った。この時の疎水化度は12%であっ
た。
【0032】実施例4 トリメチルメトキシシランをγ−グリシドキシプロピル
トリメトキシシラン2g(8.5mmol) とした以外は実施例1
と同様な反応及び処理を行った。疎水化度は52%であっ
た。また、チオ硫酸ソーダ法[実験化学講座 続5 有
機化合物の定性確認法(上)p518(丸善)参照]による
呈色反応を行ったところ紅色を呈し、エポキシ基が保持
されていることがわかった。また、この表面処理シリカ
についてCPMAS 法による13C-NMR 測定をしたところ図1
に示すチャートが得られた。この結果からもエポキシ基
が損なわれずシリカ表面に被覆されていることが確認さ
れた。
【0033】実施例5 トリメチルメトキシシランをビニルトリメトキシシラン
2g(13mmol)とした以外は実施例1と同様な反応及び処理
を行った。疎水化度は55%であった。また、過マンガン
酸カリウム法[実験化学講座 続5 有機化合物の定性
確認法(上)p132(丸善株式会社)参照]による呈色反
応を行ったところ紫色であった液が脱色され、ビニル基
の存在が確認された。
【0034】実施例6 KFをFSi(OCH2CH3)3 0.04g(0.2mmol)とした以外は実施例
1と同様な反応及び処理を行った。この時の疎水化度は
51.2%であった。
【0035】実施例7 トリメチルメトキシシランをγ−メタクリロキシプロピ
ルトリメトキシシラン2g(8mmol) とした以外は実施例1
と同様な反応及び処理を行った。疎水化度は56%であっ
た。過マンガン酸カリウム法(前出)による呈色反応を
行ったところ紫色であった液が脱色されたことからγ−
メタクリロキシプロピル基の存在が確認された。
【0036】実施例8 トリメチルメトキシシランをアミノプロピルトリメトキ
シシラン2g(11mmol)とした以外は実施例1と同様な反応
及び処理を行った。第1アミンに対するRimini試験[実
験化学講座 続5 有機化合物の定性確認法(下)p104
4 (丸善株式会社)参照]による呈色反応を行ったとこ
ろ紫赤色を呈したことからアミノ基の存在が確認され
た。
【0037】実施例9 トリメチルメトキシシランをトリメチルトリメトキシジ
シロキサン2g(9.5mmol) とした以外は実施例1と同様な
反応及び処理を行った。この時の疎水化度は60%であっ
た。
【0038】
【発明の効果】本発明の製造方法によれば、温和な条件
で容易にしかも均一にシリカの表面処理を行うことがで
き、例えばエポキシ基のような反応性に富む有機官能基
でも損なうことなく安定に被覆させることができる。そ
して、酸あるいはアルカリ性触媒を用いる場合に比べ、
装置等の損傷もなくかつ操作性、安全性が格段に改善さ
れた。本発明の製造方法によれば、シリカ表面を所望の
密度で各種の有機官能基により被覆することができ、こ
のような被覆処理シリカは、カラムなどの充填剤や各種
の酵素、金属化合物などの担持用固体として有用であ
り、バイオリアクター、固定化酵素、固定化触媒、金属
回収用などの担体としての用途に好適である。また、こ
のような被覆処理シリカは各種フィラー用としても有用
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例4で得た表面処理シリカのCPMAS 法によ
13C-NMR 測定の結果を示す図である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ケイ素原子に直結したアルコキシ基を有
    する有機ケイ素化合物を、Si-F結合を有するフッ素含有
    ケイ素化合物あるいはフッ素の塩化合物触媒の存在下、
    水あるいは含水有機溶剤中に分散させたシリカと反応さ
    せることを特徴とする表面処理シリカの製造方法。
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