JPH07126537A - 発泡体用生分解性樹脂材料及びこれを用いた生分解性樹脂発泡体の製造方法 - Google Patents

発泡体用生分解性樹脂材料及びこれを用いた生分解性樹脂発泡体の製造方法

Info

Publication number
JPH07126537A
JPH07126537A JP29419893A JP29419893A JPH07126537A JP H07126537 A JPH07126537 A JP H07126537A JP 29419893 A JP29419893 A JP 29419893A JP 29419893 A JP29419893 A JP 29419893A JP H07126537 A JPH07126537 A JP H07126537A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
biodegradable resin
foam
melting point
resin
water
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP29419893A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3454370B2 (ja
Inventor
Motoyasu Nakanishi
幹育 中西
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Suzuki Sogyo Co Ltd
Original Assignee
Suzuki Sogyo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Suzuki Sogyo Co Ltd filed Critical Suzuki Sogyo Co Ltd
Priority to JP29419893A priority Critical patent/JP3454370B2/ja
Priority to US08/274,038 priority patent/US5602188A/en
Priority to DE69432606T priority patent/DE69432606T2/de
Priority to DE69406366T priority patent/DE69406366T2/de
Priority to EP97200618A priority patent/EP0785055B1/en
Priority to EP94305110A priority patent/EP0634261B1/en
Publication of JPH07126537A publication Critical patent/JPH07126537A/ja
Priority to US08/734,957 priority patent/US5849339A/en
Priority to US09/210,664 priority patent/US6228898B1/en
Priority to US09/850,002 priority patent/US6626654B1/en
Application granted granted Critical
Publication of JP3454370B2 publication Critical patent/JP3454370B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Biological Depolymerization Polymers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 空洞や巣を生じたとしても、相互壁が極力接
着関連せしめられた生分解性樹脂発泡体を製造するこ
と。 【構成】 水分の気化膨張力を利用して生分解性樹脂発
泡体を製造するための発泡体用生分解性樹脂材料を、発
泡体主成分としての融点が100℃以上の生分解性樹脂
(主成分生分解性樹脂)と、融点が100℃以下の生分
解性樹脂(低融点生分解性樹脂)とにより構成する。水
分が閉じ込められた加熱加圧状態の流動状の生分解性樹
脂を水分の気化膨張力を利用して発泡させて生分解性樹
脂発泡体を製造する方法において、発泡体主成分として
の融点が100℃以上の生分解性樹脂と融点が100℃
以下の生分解性樹脂とからなる生分解性樹脂材料を用い
る。融点が100℃以下の生分解性樹脂としてポリカプ
ロラクトンまたはこれを含むものを用いる。必要に応じ
て生分解性樹脂に多価アルコール類及びその誘導体を添
加する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、合成樹脂に代わって脚
光を浴びてきた生分解性樹脂からなる発泡体用生分解性
樹脂材料及びこれを用いた生分解性樹脂発泡体の製造方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に普通の合成樹脂は、量産性、成形
性及び耐久性に優れているため多岐の分野にわたって使
用されており、なかでも合成樹脂の発泡体は、軽量で緩
衝性が高いことから、ガラス製品等の壊れやすい物の保
護ケース、運搬物の梱包用緩衝材、飲食用容器、さらに
は断熱材や防音材等に用いられている。ところが合成樹
脂品の廃棄量が莫大になってきたため、種々の問題が発
生している。
【0003】即ち、合成樹脂は、焼却されると大量の有
害ガスを発生して大気を汚染し、焼却されずにそのまま
廃棄されると酸化や光分解が起こらないため、長年その
ままの形状を維持し、環境を汚染する。また、合成樹脂
は分子間結合力が非常に強いため、焼却した場合には高
熱を発して炉壁の使用寿命を短くしてしまう。
【0004】このようなことから最近において生分解性
樹脂が注目されてきており、その開発が盛んに行われて
いる。この生分解性樹脂は、例えばデンプン系高分子を
配合してなるものであって、土中や水中の微生物により
分解されるため、廃棄物対策として非常に有効なもので
ある。
【0005】かかる生分解性樹脂の加工技術に関して
は、現在フィルム材の加工技術が実用化されつつある
が、発泡化についても実現できればその用途が非常に広
がり、生分解性樹脂の有利点をより有効に活用すること
ができる。ところで合成樹脂を発泡する技術としては、
例えばスチレンビーズを成形型の中に投入し、水蒸気を
加えた後減圧して発泡ビーズ群を得る方法や、押出機の
中に例えばスチレン樹脂を有機溶剤等の発泡剤とともに
投入し、樹脂が押し出されたときの減圧作用により発泡
させる方法等が知られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、生分解
性樹脂は通常の合成樹脂と性状が異なるため、例えば射
出成形機を用いて合成樹脂と同様にして発泡体を製造し
ようとすると、シリンダ内で加熱加圧されて流動状にな
った生分解性樹脂はシリンダのノズルから押し出されて
急激に減圧されたときに生分解性樹脂中の水分が気化膨
張して発泡するが、そのとき発泡体は気化熱を奪われる
ため温度が100℃程度に降下する。このように温度が
低下すると発泡体は若干収縮し、その状態で固化すると
ともに、周囲の水蒸気によっても若干収縮し、またこれ
らが集積されるようにして全体が賦形されるため、発泡
体に空洞や巣が発生し、不連続境界を生じて緩衝材とし
ては不適切なものとなる。
【0007】そこで、本発明の第1の目的は、空洞や巣
を生じたとしても、相互壁が極力接着関連せしめられた
発泡体を得ることのできる発泡体材料を提供することに
ある。また、本発明の第2の目的は、相互壁が極力接着
関連せしめて不連続境界の発生を防止した発泡体の製造
方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
水分の気化膨張力を利用して生分解性樹脂発泡体を製造
するための発泡体用生分解性樹脂材料において、発泡体
主成分としての融点が100℃以上の生分解性樹脂(主
成分生分解性樹脂)と、融点が100℃以下の生分解性
樹脂(低融点生分解性樹脂)とからなることを特徴とす
る。
【0009】請求項2に係る発明は、水分が閉じ込めら
れた加熱加圧状態の流動状の生分解性樹脂を水分の気化
膨張力を利用して発泡させて生分解性樹脂発泡体を製造
する方法において、前記生分解性樹脂として、発泡体主
成分としての融点が100℃以上の生分解性樹脂と、融
点が100℃以下の生分解性樹脂とからなるものを用い
ることを特徴とする。
【0010】請求項3に係る発明は、請求項1におい
て、融点が100℃以下の生分解性樹脂がポリカプロラ
クトンまたはこれを含むものからなることを特徴とす
る。
【0011】請求項4に係る発明は、請求項2におい
て、融点が100℃以下の生分解性樹脂がポリカプロラ
クトンまたはこれを含むものからなることを特徴とす
る。
【0012】請求項5に係る発明は、請求項1におい
て、生分解性樹脂に多価アルコール類及びその誘導体を
添加したことを特徴とする。
【0013】請求項6に係る発明は、請求項2におい
て、生分解性樹脂に多価アルコール類及びその誘導体を
添加したことを特徴とする。
【0014】
【作用】水分が閉じ込められた加熱加圧状態の流動状の
生分解性樹脂を水分の気化膨張力を利用して発泡させる
と、発泡体は気化熱を奪われるため温度が100℃程度
に降下するが、生分解性樹脂には融点が100℃以下の
低融点生分解性樹脂が存在しているため、当該低融点生
分解性樹脂は直ちに固化することはなく、いわば主成分
生分解性樹脂に対して接着剤としての機能を発揮するよ
うになる。従って、空洞や巣を生じたとしても、相互壁
が極力接着関連せしめられた発泡体を得ることができ
る。
【0015】
【実施例】以下、本発明を具体的に説明する。
【0016】本発明の発泡体用生分解性樹脂材料は、水
分の気化膨張力を利用して生分解性樹脂発泡体を製造す
るために用いられるものであって、発泡体主成分として
の融点が100℃以上の生分解性樹脂(主成分生分解性
樹脂)と、融点が100℃以下の生分解性樹脂(低融点
生分解性樹脂)とからなる。
【0017】本発明における生分解性樹脂とは、生物学
的作用に基づき物性を低下する樹脂材料を意味し、これ
には樹脂自体が完全に分解するタイプと、分解し難い樹
脂とブレンドし崩壊性を付与したタイプとがある。前者
のタイプには、微生物による生産物、天然高分子の利用
品、石油系原料からの生成品等があり、後者のタイプに
は、デンプンとのブレンド体、脂肪族ポリエステルとの
ブレンド体等がある。これらの生分解機構としては、リ
パーゼ、アミラーゼ、セルラーゼ、プロテアーゼ等の酵
素による分解、活性汚泥中等の微生物による分解、森林
や耕作地等の自然環境における土壌による分解等、種々
の態様がある。
【0018】さらに具体的には、ポリヒドロキシ酪酸及
びその誘導体、プルラン、セルロース−キトサン混合
体、セルロースやアミロースや木粉のエステル化物、ポ
リエステル−ナイロン共重合体、ポリエステル共重合
体、デンプンとポリエチレンとのブレンド体を始めとし
て、ポリビニルアルコール、ポリエーテル、ポリウレタ
ン、ポリアミド等が挙げられる。これらはほとんどが低
融点を有し、水の存在下に分解促進されるものである。
【0019】本発明における融点が100℃以上の主成
分生分解性樹脂の市販品としては、例えば日本合成化学
工業株式会社販売の「マタービー(Mater−B
i)」(登録商標)がある。これは、イタリアのモンテ
ジソングループに属するノバモント(NOVAMON
T)社の開発に係るものであって、デンプン等の複数農
産物からの誘導品と変性ポリビニルアルコールとが分子
レベルで相互に相手分子中に潜り込み、水素結合により
結ばれてなる熱可塑性の生分解性ポリマーとされている
ものである。また、水を吸収して膨潤することにより生
分解が促進され、微生物生存の環境下で紙と同等の生分
解性を示すとされている。
【0020】本発明における融点が100℃以下の低融
点生分解性樹脂は、発泡体の成形時において、空洞や巣
を生じたとしても、相互壁を極力接着関連せしめるもの
であり、例えばポリカプロラクトンを好ましく用いるこ
とができる。また、かかる低融点生分解性樹脂の市販品
としては、例えば日本ユニカー株式会社販売の「トー
ン」(商品名)がある。この「トーン」は、ポリカプロ
ラクトンからなり、化学合成された脂肪族ポリエステル
であって完全分解型生分解性樹脂である。
【0021】また、本発明においては、必要に応じて生
分解性樹脂に多価アルコール類及びその誘導体を添加し
てもよい。特に、グリコール類を好ましく用いることが
できる。多価アルコール類及びその誘導体を添加する
と、生分解性樹脂中の水分の沸点が上昇するため、水分
が可塑剤としての機能をも発揮し、また、多価アルコー
ル類及びその誘導体自体も可塑剤であるため、発泡セル
が緻密かつ均一になる。かかる多価アルコール類及びそ
の誘導体としては、グリセリン、ポリエチレングリコー
ル等が挙げられる。
【0022】生分解性樹脂に水分を存在させる手段とし
ては、特に限定されないが、発泡用の生分解性樹脂ペレ
ットを成形するときにあらかじめ適度の水分を含有させ
るようにしてもよいし、あるいは生分解性樹脂の粒体に
水を積極的に含水させる前処理工程を設けてもよい。ま
た、生分解性樹脂とともに水そのものを直接添加しても
よい。また、発泡用ペレットのようにあらかじめ水分を
吸収させた吸湿性の微粒子状物質、例えばタルク(滑
石)やシリカを生分解性樹脂に添加しておけば、微粒子
は樹脂との相溶性、分散性が水の直接添加よりは高いた
め、また、発泡時には微粒子中の水分がその微粒子を起
点として発泡し得るので、結果として微細かつ均一に発
泡した発泡体が得られる。
【0023】本発明の発泡体用生分解性樹脂材料によれ
ば、水分が閉じ込められた加熱加圧状態の流動状の生分
解性樹脂を水分の気化膨張力を利用して発泡させると、
発泡体は気化熱を奪われるため温度が100℃程度に降
下する。このとき融点が100℃以上の主成分生分解性
樹脂は固化するが、融点が100℃以下の低融点生分解
性樹脂は直ちに固化することはなく、いわば主成分生分
解性樹脂に対して接着剤としての機能を発揮するように
なる。従って、発泡体の成形時に空洞や巣を生じたとし
ても、相互壁が極力接着関連せしめられ、品質の良好な
生分解性樹脂発泡体が得られる。
【0024】次に本発明の生分解性樹脂発泡体の製造方
法について説明するが、本発明の製造方法においては、
水分が閉じ込められた加熱加圧状態の流動状の生分解性
樹脂を水分の気化膨張力を利用して発泡させて生分解性
樹脂発泡体を製造する方法において、生分解性樹脂とし
て、前述した本発明の発泡体用生分解性樹脂材料を用い
る。即ち、発泡体主成分としての融点が100℃以上の
生分解性樹脂に、融点が100℃以下の生分解性樹脂を
添加したものを用いる。
【0025】図1は本発明の製造方法の実施に用いるこ
とができる製造装置の一例の概略断面図である。図1に
おいてBは注入機たるいわゆるインラインスクリュー式
の射出成形機であって、シリンダ1の後端部上方には成
形材料投入用のホッパ11が設けられている。このシリ
ンダ1の先端部には、先端が狭窄開口をなすノズル12
が形成されている。シリンダ1の周囲には加熱用のヒー
タ13が配置されている。
【0026】シリンダ1内には、前後方向に伸びるスク
リュー2がその内壁に近接して配設されており、このス
クリュー2の後端はシリンダ1の後端開口部より後方側
に伸び出して、スクリュー2を回転させるための油圧モ
ータ21に接続されている。油圧モータ21の後部に
は、射出シリンダ22内に摺動自在に配置されたピスト
ン23が取り付けられており、油圧によりピストン2
3、油圧モータ21及びスクリュー2が一体となって前
後方向に移動するとともに、スクリュー2は油圧モータ
21により回転される。
【0027】注入機Bの先端には圧力調整室3が設けら
れている。この圧力調整室3は、いわゆる射出成形機に
おける金型を利用して構成されており、ノズル12の開
口(狭窄開口)に連通するキャビティが形成された固定
側金型3Aと、コアが形成された可動側金型3Bとから
構成されており、固定側金型3A、可動側金型3Bはそ
れぞれ射出成形機の型締め機構における固定側ダイプレ
ート30A、可動側ダイプレート30B上に装着され
る。キャビティは、例えば方形状であって圧力調節室3
の室内を構成し、この室内には通気性の成形型Aが配置
されている。
【0028】成形型Aの成形空間は例えばコーナーアン
グルとしての断面がL字型の方形状をなしており、圧力
調整室3の室内に配置された位置決め片31によりその
位置が固定されている。なお、この成形型Aの成形空間
の形状は特に限定されず、種々の形状の成形型Aをあら
かじめ用意しておいて適宜交換して使用することも可能
である。
【0029】通気性の成形型Aは、水蒸気や水分を通過
する多数の通気孔を有するものであり、例えば発泡金
属、空隙を形成し得る充填材を添加する等して焼結成形
した金属又はセラミックス等の焼結物、金網、多数の孔
を設けたパンチングメタル等により構成することができ
る。特にパンチングメタルによれば、加工が容易である
ため1枚の板から種々の成形空間を有する通気性の成形
型Aを簡単に得ることができる。成形型Aにおける通気
孔の大きさは、水蒸気や水分の通過効率を考慮して決定
されるが、あまり大きくすると発泡後の成形体の表面に
通気孔に起因する凹凸が発生するため、成形体の用途に
応じた表面の平滑性が得られる範囲で、かつ通気抵抗が
あまり大きくならない範囲に設定することが望ましい。
特にパンチングメタルによれば、孔径、孔数、孔ピッチ
等の設定が容易で、構造も簡単となる。
【0030】圧力調整室3の室内は、金型の型締め機構
によって固定側金型3Aと可動側金型3Bとが型締めさ
れたときに密閉されるようになっている。この型締め機
構は、例えば固定側金型3Aと可動側金型3Bと対向し
つつ接離するように、固定側ダイプレート30Aと可動
側ダイプレート30Bをガイドするタイバー32、3
3、可動側ダイプレート30Bとともに可動側金型3B
を接離動作させるための作動機構34等から構成されて
いる。圧力調整室3及び型締め機構は例えば大気に開放
された状態で配置されている。
【0031】圧力調整室3には、減圧用配管43が接続
されるとともに、その途中に減圧用バルブ41が設けら
れ、さらに減圧ポンプ42が接続されている。尚、必要
に応じて減圧用バルブ41と減圧ポンプ42との間に急
速減圧用の減圧タンクを連結してもよい。
【0032】本発明の製造方法の一実施例においては、
以上の製造装置を用いて次のようにして生分解性樹脂発
泡体を製造する。まず圧力調整室3を型締め機構により
型締めしてその室内を例えば大気圧の状態で密閉する。
次いでホッパ11内に本発明の発泡体用生分解性樹脂材
料の粒体10を供給して、スクリュー2によりシリンダ
1内を前方に押送する。粒体10は、押送される間に、
スクリュー2の回転に伴う剪断力及びヒータ13による
シリンダ1の内壁からの加熱により軟化点又は融点程度
の温度に昇温され、スクリュー2の先端側におけるシリ
ンダ1の内部空間に流動状物になって溜まる。このとき
当該内部空間は加熱加圧状態となって、粒体10に含ま
れていた水分はその流動状物から蒸発することなくその
中に無理矢理閉じ込められた状態となっている。
【0033】続いて、スクリュー2の回転を停止し、シ
リンダ22内のピストン23を駆動してスクリュー2を
前進させ、流動状物をノズル12から成形型A内に一気
に注入する。注入後、減圧用バルブ41を開いて圧力調
整室3の室内を減圧すると、これまで発泡体用生分解性
樹脂材料に閉じ込められていた水分が瞬間的に蒸発して
発泡するとともに、水蒸気が成形型Aの通気孔から減圧
用バルブ41を介して外部に排出される。このとき発泡
体用生分解性樹脂材料内にはこの水蒸気の膨張する力が
働くが、その最外郭は成形型Aに接しているため発泡部
分は成形型Aの形状に規制され、所定の形状の発泡体が
形成される。
【0034】次いで、減圧用バルブ41を閉じた後、ス
クリュー2を回転させながら後退させるとその間に再度
流動状となった発泡体用生分解性樹脂材料がスクリュー
2の先端側におけるシリンダ1の内部空間に溜まり始
め、次の注入に備える。この間に成形型A内では成形後
の生分解性樹脂発泡体の冷却固化も完了するので、可動
側金型3Bを固定側金型3Aから離れる方向に移動させ
る型開きをして発泡体を取り出し、再び型締めをして次
の操作を行う。
【0035】以上の製造方法によれば、水分が閉じ込め
られた加熱加圧状態の流動状の生分解性樹脂材料を水分
の気化膨張力を利用して発泡させると、発泡体は気化熱
を奪われるため温度が100℃程度に降下するが、生分
解性樹脂材料には融点が100℃以下の低融点生分解性
樹脂が存在しているため、当該低融点生分解性樹脂は直
ちに固化することはなく、いわば主成分生分解性樹脂に
対して接着剤としての機能を発揮するようになる。従っ
て、発泡体の成形時に空洞や巣が生じたとしても、相互
壁が極力接着関連せしめられ、品質の良好な生分解性樹
脂発泡体が得られる。
【0036】以上本発明の製造方法の一実施例を説明し
たが、本発明の製造方法は、以上の製造装置を用いる場
合に限定されるものではなく、その他の製造装置を用い
る場合にも適用することができる。以下、その他の製造
装置について説明する。図2の製造装置は、図1の製造
装置において、圧力調整室3に接続した減圧用配管43
における減圧用バルブ41と圧力調整室3との間の部分
に排気用配管52を接続し、排気用配管52の途中に排
気用バルブ51を設け、排気用配管52の出口を例えば
大気下に開放したものである。そして、注入機Bによる
成形型Aへの本発明の生分解性樹脂材料の注入途中から
排気用バルブ51を開いて圧力調整室3を例えば大気圧
下に開放し、注入した後排気用バルブ51を閉じるとと
もに減圧用バルブ41を開いて減圧状態とするようにし
ている。この装置によれば、生分解性樹脂材料の流動状
物をノズル12から成形型A内に一気に注入する際に、
その注入途中の適宜の時期から排気用バルブ51を開い
て圧力調整室3内を例えば大気圧下に開放するので、成
形型A内もその通気孔を介して密閉状態から開放され
る。従って、生分解性樹脂材料を成形型A内に注入する
際の注入抵抗が緩和され、注入機Bとして大型のものを
用いることなく生分解性樹脂の注入を容易に行うことが
できる。なお、排気用配管52の出口を大気圧下に開放
したが、これに限られるものではなく、例えば減圧ポン
プ等を設けて減圧下で強制的に排気するようにしてもよ
いし、大気圧下で通風雰囲気にしてもよい。
【0037】図3の製造装置は、図1の製造装置におい
て、圧力調整室3に加圧用配管62を接続するとともに
その途中に加圧用バルブ61を設け、この加圧用バルブ
61を介してコンプレッサ63を連結し、注入機Bによ
る成形型Aへの生分解性樹脂材料の注入開始の時点又は
その前から加圧用バルブ61を開いてコンプレッサ63
により圧力調整室3内を加圧状態とし、注入した後加圧
用バルブ61を閉じてコンプレッサ63による加圧動作
を停止するとともに減圧用バルブ41を開いて減圧状態
とするようにしている。この装置によれば、生分解性樹
脂の流動状物をノズル12から成形型A内に一気に注入
する際に、その注入開始の時点又はその前から加圧用バ
ルブ61を開いてコンプレッサ63により圧力調整室3
内を加圧状態としておくので、成形型A内もその通気孔
を介して加圧状態とされる。従って、生分解性樹脂中に
水分が蒸発することなく確実に閉じ込められた状態のま
まで所定の分量を成形型A内に注入することができる。
次いで、注入した後加圧用バルブ61を閉じてコンプレ
ッサ63による加圧動作を停止するとともに減圧用バル
ブ41を開いて減圧状態とするので、成形型A内の隅々
まで行き渡った生分解性樹脂が十分に発泡され、形状精
度が高く品質の優れた発泡体が得られる。
【0038】図4の製造装置は、図2の製造装置におい
て、圧力調整室3に加圧用配管62を接続するとともに
その途中に加圧用バルブ61を設け、この加圧用バルブ
61を介してコンプレッサ63を連結し、注入機Bによ
る成形型Aへの生分解性樹脂材料の注入開始の時点から
加圧用バルブ61を開いてコンプレッサ63により圧力
調整室3内を加圧状態とし、注入途中から加圧用バルブ
61を閉じてコンプレッサ63による加圧動作を停止す
るとともに排気用バルブ51を開いて圧力調整室3内を
例えば大気圧下に開放し、注入した後排気用バルブ51
を閉じるとともに減圧用バルブ41を開いて減圧状態と
するようにしている。このように、生分解性樹脂の流動
状物をノズル12から成形型A内に一気に注入する際
に、その注入開始の時点又はその前からコンプレッサ6
3により圧力調整室3内を加圧状態としておけば、成形
型A内もその通気孔を介して加圧状態とされる。従っ
て、生分解性樹脂中に水分が蒸発することなく確実に閉
じ込められた状態のままで所定の分量を成形型A内に注
入することができる。
【0039】次いで、注入途中から加圧用バルブ61を
閉じてコンプレッサ63による加圧動作を停止するとと
もに排気用バルブ51を開いて圧力調整室3内を例えば
大気圧下に開放するので、成形型A内もその通気孔を介
して密閉状態から開放されて生分解性樹脂を成形型A内
に注入する際の注入抵抗が緩和され、注入機Bとして大
型のものを用いることなく生分解性樹脂の注入を容易に
行うことができる。そして、注入した後加圧用バルブ6
1を閉じてコンプレッサ63による加圧動作を停止する
とともに減圧用バルブ41を開いて減圧状態とするの
で、成形型A内の隅々まで行き渡って生分解性樹脂が十
分に発泡するので、形状精度が高くて品質の優れた発泡
体が得られる。
【0040】本発明は以上の実施例に限定されず、種々
変更することができる。例えば、成形型Aたる金型とそ
の型締め機構の全体を囲むよう圧力調整室を設けるよう
にしてもよい。なお、この場合、圧力調整室のうち前板
をダイプレートと兼用するようにしてもよい。
【0041】また、成形型Aたる金型を取り囲むよう圧
力調整室を設け、この圧力調整室を可動側分割部と固定
側分割部に分割して、可動側分割部が可動側金型と一体
になって可動できるように構成してもよい。この場合
は、複雑な形状の発泡体も成形型Aと圧力調整室との同
時開閉により容易に取り出しすることができる。
【0042】また、成形型Aたる金型を取り囲むよう圧
力調整室を設け、この圧力調整室の前板を固定側ダイプ
レートに固定し、圧力調整室の後板を可動側ダイプレー
トに固定し、型締め装置を二重に装備するように構成す
るようにしてもよい。
【0043】なお、注入機Bにおけるシリンダ1内の密
閉性が低いと、生分解性樹脂の溶融時における加圧が不
十分となり、生分解性樹脂の軟化点や融点と加圧下の水
の沸点との兼ね合いで注入前のシリンダ1内において一
部の水分が気化して発泡するおそれがあり、またシリン
ダ1のノズル12から鼻垂れ状態で発泡することもあ
る。そこで、シリンダ1内の密閉性を高めるために、シ
リンダ1のノズル12にシャッターを設けたり、ホッパ
11を密閉したり、原料供給口にロータリーバルブを設
けたりしてもよい。
【0044】また、シリンダ1のノズル12を成形型A
内に挿入し得るように形成し、このノズル12の先端を
成形型Aの奥側に位置させて流動状の生分解性樹脂を成
形型A内に注入しながらノズル12の先端を成形型Aに
対して相対的に後退させるようにしてもよい。この場合
は、生分解性樹脂が成形型Aの奥側から順次に充填され
るようになるため、生分解性樹脂が成形型A内の隅々ま
で到達するタイミングと発泡のタイミングとの差が実質
的になくなり、その結果、発泡セルが成形型Aの隅々ま
で行き渡り、品質の高い発泡成形品が得られる。
【0045】また、シリンダ1のノズル12の口径を従
来より小さくしたり、また小径のノズル12を複数設け
て、生分解性樹脂の流動状物を成形型A内に霧化状態で
注入するようにしてもよい。この場合は、霧化状態の生
分解性樹脂が成形型A内の隅々まで十分に行き渡るよう
になるので、品質の高い発泡成形品が得られる。
【0046】以上、本発明の実施例について説明した
が、本発明により得られる生分解性樹脂発泡体は、緩衝
材としての用途に限定されるものではなく、断熱材や防
音材等、従来の発泡スチロールと同様の用途に用いるこ
とができる。
【0047】
【発明の効果】本発明によれば、水分が閉じ込められた
加熱加圧状態の流動状の生分解性樹脂を水分の気化膨張
力を利用して発泡させると、発泡体は気化熱を奪われる
ため温度が100℃程度に降下するが、生分解性樹脂に
は融点が100℃以下の低融点生分解性樹脂が存在して
いるため、当該低融点生分解性樹脂は直ちに固化するこ
とはなく、いわば主成分生分解性樹脂に対して接着剤と
しての機能を発揮するようになる。従って、発泡体の成
形時に空洞や巣を生じたとしても、相互壁が極力接着関
連せしめられ、品質の良好な生分解性樹脂発泡体が得ら
れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造方法の実施に用いることができる
製造装置の一例を示す概略断面図である。
【図2】本発明の製造方法の実施に用いることができる
製造装置の他の例を示す概略断面図である。
【図3】本発明の製造方法の実施に用いることができる
製造装置のさらに他の例を示す概略断面図である。
【図4】本発明の製造方法の実施に用いることができる
製造装置のさらに他の例を示す概略断面図である。
【符号の説明】
A 成形型 B 注入機 1 シリンダ 12 ノズル 3 圧力調整室 3A 固定側金型 3B 可動側金型 41 減圧用バルブ 42 減圧ポンプ 51 排気用バルブ 61 加圧用バルブ 63 コンプレッサ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水分の気化膨張力を利用して生分解性樹
    脂発泡体を製造するための発泡体用生分解性樹脂材料に
    おいて、発泡体主成分としての融点が100℃以上の生
    分解性樹脂と、融点が100℃以下の生分解性樹脂とか
    らなることを特徴とする発泡体用生分解性樹脂材料。
  2. 【請求項2】 水分が閉じ込められた加熱加圧状態の流
    動状の生分解性樹脂を水分の気化膨張力を利用して発泡
    させて生分解性樹脂発泡体を製造する方法において、前
    記生分解性樹脂として、発泡体主成分としての融点が1
    00℃以上の生分解性樹脂と、融点が100℃以下の生
    分解性樹脂とからなるものを用いることを特徴とする生
    分解性樹脂発泡体の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1において、融点が100℃以下
    の生分解性樹脂がポリカプロラクトンまたはこれを含む
    ものからなることを特徴とする発泡体用生分解性樹脂材
    料。
  4. 【請求項4】 請求項2において、融点が100℃以下
    の生分解性樹脂がポリカプロラクトンまたはこれを含む
    ものからなることを特徴とする生分解性樹脂発泡体の製
    造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1において、生分解性樹脂に多価
    アルコール類及びその誘導体を添加したことを特徴とす
    る発泡体用生分解性樹脂材料。
  6. 【請求項6】 請求項2において、生分解性樹脂に多価
    アルコール類及びその誘導体を添加したことを特徴とす
    る生分解性樹脂発泡体の製造方法。
JP29419893A 1993-07-13 1993-10-29 発泡体用生分解性樹脂材料及びこれを用いた生分解性樹脂発泡体の製造方法 Expired - Fee Related JP3454370B2 (ja)

Priority Applications (9)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29419893A JP3454370B2 (ja) 1993-10-29 1993-10-29 発泡体用生分解性樹脂材料及びこれを用いた生分解性樹脂発泡体の製造方法
US08/274,038 US5602188A (en) 1993-07-13 1994-07-12 Biodegradable resin foam and method and apparatus for producing same
DE69406366T DE69406366T2 (de) 1993-07-13 1994-07-13 Verfahren und Vorrichtung zum Herstellen eines biologisch abbaubaren Schaumstoffs
EP97200618A EP0785055B1 (en) 1993-07-13 1994-07-13 Biodegradable resin foam
DE69432606T DE69432606T2 (de) 1993-07-13 1994-07-13 Biologisch abbaubarer Schaumstoff
EP94305110A EP0634261B1 (en) 1993-07-13 1994-07-13 Method and apparatus for producing biodegradable resin foam
US08/734,957 US5849339A (en) 1993-07-13 1996-10-23 Apparatus for producing biodegradable resin foam
US09/210,664 US6228898B1 (en) 1993-07-13 1998-12-14 Biodegradable resin foam and method and apparatus for producing same
US09/850,002 US6626654B1 (en) 1993-07-13 2001-05-08 Biodegradable resin foam and method and apparatus for producing same

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29419893A JP3454370B2 (ja) 1993-10-29 1993-10-29 発泡体用生分解性樹脂材料及びこれを用いた生分解性樹脂発泡体の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH07126537A true JPH07126537A (ja) 1995-05-16
JP3454370B2 JP3454370B2 (ja) 2003-10-06

Family

ID=17804591

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP29419893A Expired - Fee Related JP3454370B2 (ja) 1993-07-13 1993-10-29 発泡体用生分解性樹脂材料及びこれを用いた生分解性樹脂発泡体の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3454370B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006257360A (ja) * 2005-03-18 2006-09-28 Eco Well Co Ltd シート用生分解性発泡体及びその製造方法、並びに当該発泡体を用いた生分解性成形品及びその製造方法
JP2010036563A (ja) * 2008-08-08 2010-02-18 Kasai Kogyo Co Ltd 樹脂成形品並びにその成形方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006257360A (ja) * 2005-03-18 2006-09-28 Eco Well Co Ltd シート用生分解性発泡体及びその製造方法、並びに当該発泡体を用いた生分解性成形品及びその製造方法
JP2010036563A (ja) * 2008-08-08 2010-02-18 Kasai Kogyo Co Ltd 樹脂成形品並びにその成形方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3454370B2 (ja) 2003-10-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0785055B1 (en) Biodegradable resin foam
CN112512771A (zh) 可生物降解和工业可堆肥的注射成型微孔软质泡沫及制造其的方法
CN105829049A (zh) 用于生产膨胀的泡沫坯体的装置和方法
CN113603923B (zh) 一种面向包装领域的生物降解复合珠粒发泡材料及其制备方法
JP3454370B2 (ja) 発泡体用生分解性樹脂材料及びこれを用いた生分解性樹脂発泡体の製造方法
CN101759867A (zh) 消失模用发泡珠粒加压熟化方法
CN111286117B (zh) 一种微孔注塑成型开孔聚合物泡沫材料的方法及产品
US8871823B2 (en) Process for introducing a gas into a polymer
JPH07124978A (ja) 生分解性樹脂発泡体の製造方法および製造装置
JPH0760763A (ja) 生分解性樹脂発泡体の製造装置
JPH10151647A (ja) 射出成形用金型
JP3408840B2 (ja) 生分解性樹脂発泡体の製造方法
JP3405770B2 (ja) 生分解性樹脂発泡体の製造方法
JP2008037022A (ja) リグノセルロース系樹脂組成物の筐体射出成形方法、及びリグノセルロース系樹脂組成物
CN105291340A (zh) 利用高吸水树脂作为载体的水发泡注射方法
JPH07124977A (ja) 生分解性樹脂発泡体の製造方法および製造装置
JPH0732377A (ja) 生分解性樹脂発泡体の製造方法及びその装置
JPH0732379A (ja) 生分解性樹脂発泡体の製造方法
JPH083357A (ja) 生分解性樹脂発泡体並びにその製造方法並びにその製造装置
JP2008142997A (ja) 射出発泡成形体の製造方法および該方法によって得られる成形体
JP2001198940A (ja) 熱可塑性樹脂型内発泡成形体の製造方法
JPH1024482A (ja) 生分解性樹脂発泡体の製造方法並びにこれに使用する製造装置
JP2002138157A (ja) 発泡プラスチックの製造方法
Rizvi et al. Design and fabrication of expandable cavity injection mold for open cell microcellular foam
JPH0733898A (ja) 生分解性樹脂発泡体の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees