JP3405770B2 - 生分解性樹脂発泡体の製造方法 - Google Patents
生分解性樹脂発泡体の製造方法Info
- Publication number
- JP3405770B2 JP3405770B2 JP19921593A JP19921593A JP3405770B2 JP 3405770 B2 JP3405770 B2 JP 3405770B2 JP 19921593 A JP19921593 A JP 19921593A JP 19921593 A JP19921593 A JP 19921593A JP 3405770 B2 JP3405770 B2 JP 3405770B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- biodegradable resin
- mold
- foam
- resin
- water
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Casting Or Compression Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
- Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
- Biological Depolymerization Polymers (AREA)
- Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、合成樹脂に代って脚光
を浴びてきた生分解性樹脂についての発泡体を製造する
方法に関するものである。 【0002】 【従来の技術】一般に普通の合成樹脂は、量産性、成形
性及び耐久性に優れているため多岐の分野に亘って使用
されており、なかでも合成樹脂の発泡体は、軽量で緩衝
性が高いことからガラス製品などの壊れ易い物の保護ケ
ース、運搬物の梱包用緩衝材、飲食用容器更には断熱材
や防音材などに用いられている。ところが合成樹脂品の
廃棄量が莫大になってきたため、種々の問題が提起され
ている。 【0003】即ち合成樹脂は焼却されると大量の有害ガ
スを発生して大気を汚染するし、またそのまま廃棄され
た場合には酸化や光分解が起こらないため長年その形状
を維持し、環境を汚染する。更に合成樹脂は分子間結合
力が非常に強いため、焼却した場合には高熱を発して炉
壁の使用寿命を短かくしてしまう。 【0004】このようなことから最近において生分解性
樹脂が注目されてきており、その開発が盛んに行われて
いる。この生分解性樹脂は、例えばデンプン系高分子を
配合してなるものであって、土中や水中の微生物により
分解されるため、廃棄物対策として非常に有効なもので
ある。 【0005】そして生分解性樹脂の加工技術に関して
は、現在フィルム材の加工技術が実用化されつつある
が、発泡化についても実現できればその用途が非常に広
がり、生分解性樹脂の有利点をより活用することができ
る。ここに樹脂を発泡する技術としては、例えばスチレ
ンビーズを成形型の中に投入し、水蒸気を加えた後減圧
して発泡ビーズ群を得る方法や、押出機の中に例えばス
チレン樹脂を有機溶剤などの発泡剤と共に投入し、樹脂
が押し出されたときの減圧作用により発泡させる方法な
どが知られている。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら生分解性
樹脂は通常の合成樹脂と性状が異なるため種々の問題点
がある。その一つの問題点を述べると、生分解性樹脂は
加圧状態から解放されるや否や発泡を開始してしまう
が、生分解性樹脂が加熱されて流動状となっているとき
の粘度が大きいため、生分解性樹脂が成形型の奥まで入
り込みにくく、このため生分解性樹脂の一部はシリンダ
から射出された後、金型の内面に到達する前に発泡して
しまい、この結果金型の隅部や入り組んだ個所において
は本来奥に達して発泡すべき部分が発泡してその手前に
溜まりこれにより奥部に空隙が形成され、この状態で続
いて射出された生分解性樹脂が前方の発泡部分を背面か
ら押圧し、これにより当該部分が押し潰されてしまう。
このように一旦発泡してもその部分が後方より押し潰さ
れてしまうと、所望の形状の発泡体が得られないし、ま
た十分な緩衝性能を有するものが得られない。 【0007】本発明は、このような事情のもとになされ
たものであり、その目的は、生分解性樹脂について発泡
セルの潰れを抑え、所望形状で均質な発泡体を得ること
のできる生分解性樹脂発泡体の製造方法を提供すること
にある。 【0008】 【課題を解決するための手段】本発明は、前方に狭窄開
口を有する筒状容器内に実質的に水分と生分解性樹脂と
を投入し、生分解性樹脂を前記狭窄開口に押送する間に
昇温せしめて流動状とした後、流動状の生分解性樹脂
を、規制された成形空間を有する成形型内に射出し、含
有する水分の気化によって生分解性樹脂を成形空間に応
じた形状の発泡体とする方法であって、 前記成形型は通
気性を有する状態に形成されるものであり、生分解性樹
脂を成形型内に射出する間は当該成形型内の雰囲気を加
圧状態としておくとともに、生分解性樹脂を成形型内に
射出した後は成形型内の雰囲気を急激に減圧し、流動状
の生分解性樹脂を成形空間のほぼ隅々に至らせ、この状
態で生分解性樹脂を高発泡させ、均質な発泡体を得るよ
うにし、また成形型内の急激な減圧によって、気化膨張
して発泡に寄与した後の水分を成形型から放散させ、こ
の水分の再付着に起因する発泡体の収縮を抑えるように
したことを特徴とする。 【0009】 【作用】生分解性樹脂は、筒状容器内を狭窄開口まで押
送されるまでの間に例えば軟化点ないし融点付近に昇温
せしめられて流動状になると共に加圧条件下におかれ
る。このとき生分解性樹脂に含有されている水分は、加
圧によって沸点が上昇するため流動状の生分解性樹脂か
ら蒸発することなくその中に閉じ込められた状態となっ
ている。一方成形型内はそのときの生分解性樹脂の温度
における水蒸気圧以上の圧力に加圧されているため、生
分解性樹脂は、水分が閉じ込められたまま成形型内に射
出される。 【0010】そして例えば生分解性樹脂が成形型内に充
填された後成形型内を急激に減圧すると、今まで生分解
性樹脂内に閉じ込められていた水分が瞬間的に蒸発して
発泡し、その一部が成形型の多孔質部分を通って放散さ
れる。従って生分解性樹脂は成形型内の隅々に至って発
泡するので、所望形状で均質な発泡体が得られる。 【0011】 【実施例】以下に本発明の実施例について説明するが、
具体的な製法について述べる前に先ず生分解性樹脂につ
いて説明する。生分解性樹脂とは生物学的作用に基づき
物性を低下する樹脂材料を意味し、これには樹脂自体が
完全に分解するタイプと、分解し難い樹脂とブレンドし
崩壊性を付与したタイプとがある。そして、前者のタイ
プには微生物による生産物、天然高分子の利用品、石油
系原料からの生成品等があり、また、後者のタイプには
デンプンとのブレンド体、脂肪族ポリエステルとのブレ
ンド体等がある。これらの生分解機構としては、リパー
ゼ、アミラーゼ、セルラーゼ、プロテアーゼ等の酵素に
よる分解、活性汚泥中等の微生物による分解、森林や耕
作地等の自然環境における土壌による分解等、種々の態
様がある。 【0012】更に具体的には、ポリヒドロキシ酪酸及び
その誘導体、プルラン、セルロース−キトサン混合体、
セルロースやアミロースや木粉のエステル化物、ポリエ
ステル−ナイロン共重合体、ポリエステル共重合体、デ
ンプンとポリエチレンとのブレンド体をはじめ、ポリビ
ニルアルコール、ポリエーテル、ポリウレタン、ポリア
ミド等が挙げられる。これらはおしなべて低融点を有
し、水の存在下に分解促進されるものである。 【0013】そして、本実施例では、生分解性樹脂に日
本合成化学工業株式会社販売のMater−Bi「マタ
ービー」(登録商標)のペレット状のものを用いたが、
これは、イタリアのモンテジソングループに属するNO
VAMONT社の開発に係り、デンプンなどの複数農産
物からの誘導品と変性ポリビニルアルコールとが分子レ
ベルで相互に相手分子中に潜り込み、水素結合により結
ばれてなる、熱可塑性の生分解性ポリマーとされている
ものである。また、水を吸収して膨潤することにより生
分解促進され、微生物生存の環境下で紙と同等の生分解
性を示すとされている。 【0014】また、生分解性樹脂と水分とを後述の筒状
容器内に投入するためには、発泡用の生分解性樹脂ペレ
ットを成形するときに予め適度の水分を含有させるよう
にしてもよいし、あるいは例えば生分解性樹脂の粒体に
水を積極的に含水させる前処理工程を設けてもよい。ま
た生分解性樹脂とともに水そのものをホッパ内に直接添
加してもよいし、ニーダを介してシリンダ内に供給して
もよく、実質的に生分解性樹脂と水分とが供給されさえ
すればよい。 【0015】また予め水分を吸収させた吸湿性の微粒子
状物質例えばタルク(滑石)やシリカを生分解性樹脂に
添加しておけば、微粒子は樹脂との相溶性、分散性が水
の直接添加よりは高いため、また、発泡時には微粒子中
の水分がその微粒子を起点として発泡し得るので、結果
として微細かつ均一に発泡した発泡体が得られる。 【0016】次に本発明の実施例で用いる製造装置につ
いて図1を参照しながら述べると、1は筒状容器に相当
するシリンダであり、後端部上方には成形材料投入用の
ホッパ11が設けられている。このシリンダ1の先端部
には、先端が狭窄開口をなすノズル12が形成されると
共に、シリンダ1の周囲には加熱用のヒータ13が配置
されている。 【0017】前記シリンダ1内には、前後方向に伸びる
スクリュー2がその内壁に近接して配設されており、こ
のスクリュー2の後端はシリンダ1の後端開口部より後
方側に延び出して、スクリュー2を回転させるための油
圧モータ21に接続されている。更に油圧モータ21の
後部には、射出シリンダ22内に摺動自在に配置された
ピストン23が取り付けられており、従って油圧により
ピストン23、油圧モータ21及びスクリュー2が一体
となって前後方向に移動すると共に、スクリュー2は油
圧モータ21により回転する。 【0018】こうしていわゆるインラインスクリュー式
射出成形機が構成され、この成形機の先端には、通気性
の成形型Aが配置されており、この成形型Aは、ノズル
12の開口(狭窄開口)に連通するキャビティ31が形
成された固定側金型3と、コア41が形成された可動型
金型4とから構成されている。この実施例ではキャビテ
ィ31は略三角錐状をなし、またコア41はキャビティ
31の形状より成形品の肉厚分だけ小さい略三角錐状を
なしており、両金型3、4を型締めしたときに後述の図
3に示す発泡品が得られるように互に直交する三面構造
空間が形成されるようになっている。そして前記成形型
Aには型締め機構が組み合わせて設けられ、この型締め
機構は、例えば可動側金型4を固定側金型3と対向しつ
つ接離するようにガイドするタイバ−42、43や可動
側金型4を接離動作させるための作動機構44などから
構成される。 【0019】前記成形型Aは、ほぼ全体において内外を
連通する無数の網組織状の孔を有する多孔質材から成っ
ている。この多孔質材としては、発泡金属がある他、空
隙を形成し得る充填材を添加して焼結成形した金属又は
セラミックス等の焼結物、更には金網、パンチングメタ
ル等をプレス賦形しそれらを積層してなるもの等を使用
することができ、簡易な構造としては、一枚板のパンチ
ングメタルを所定の形状に成形したものも使用できる。
ここで、多孔質材の孔が大きいと、蒸気の排出効率及び
通風効率が良いが、あまり大きくすると発泡後の成形体
の表面に孔による凹凸が強く出て表面が荒れる。このた
め多孔質材の孔の大きさは、成形体の用途に応じた表面
の平滑性が得られる範囲内であって、通気抵抗があまり
大きくならない範囲に設定され、好適なものとしては孔
径の設定が容易でかつ構造が簡易であることなどからパ
ンチングメタルを用いたものを挙げることができる。 【0020】前記成形型A及び型締め機構は、気密構造
の圧力調整室5内に配置されており、この圧力調整室5
は、一面の壁部が固定側金型3の背面に接合されている
と共に、生分解性樹脂の成形体を取り出すためのドア
(図示せず)が設けられている。前記圧力調整室5には
加圧用配管6及び減圧用配管7が接続されており、加圧
用配管6は圧力調整室5内を加圧するためにバルブV1
を介してコンプレッサ61に接続されると共に、減圧用
配管7は、バルブV2を介して大気に開放されている。 【0021】以上のような構成の製造装置を用いて本発
明の製造方法を説明すると、先ず成形型Aを型締めして
おくと共に、コンプレッサ61により圧力調整室5内を
加圧状態にしておき、図1に示すようにホッパ11内に
生分解性樹脂の粒体10を供給し、スクリュー2により
シリンダ1内を前方に押送せしめる。生分解性樹脂の粒
体10は、押送される間に、スクリュー2の回転に伴う
剪断力及びヒータ13によるシリンダ1の内壁からの加
熱により軟化点または融点程度の温度に昇温され、スク
リュー2の先端側におけるシリンダ1の内部空間に流動
状になって溜まる。 【0022】このとき当該内部空間は高温加圧状態とな
っているため、生分解性樹脂の粒体10に含まれていた
水分は、流動状の生分解性樹脂から蒸発することなくそ
の中に閉じ込められた状態となっている。続いてスクリ
ュー2の回転を止め、射出シリンダ22内のピストン2
3を稼働して図2(a)に示すようにスクリュー2を前
進させ、流動状の生分解性樹脂をノズル12から成形型
A内の成形空間(キャビティ31内)に一気に注入す
る。 【0023】ここで圧力調整室5内は加圧状態になって
いるため、成形型Aの多孔質部分を介して圧力調整室5
内に連通している成形型Aのキャビティ31も加圧状態
であり、その圧力を、ノズル12から注入される生分解
性樹脂の温度例えば170℃における水蒸気圧より高い
圧力例えば10kg/cm2程度に設定しておくことに
より、生分解性樹脂は、その中に水分が閉じ込められた
まま前記キャビティ31内に射出される。 【0024】そして前記キャビティ31内に生分解性樹
脂が充填された後図2(b)に示すようにバルブV2を
一気に開いて圧力調整室5内を大気に開放すると、生分
解性樹脂は加熱、加圧状態から急激に大気圧下にさらさ
れることとなるので、これに閉じ込められていた水分が
瞬間的に蒸発して発泡する。生分解性樹脂内にはこの水
蒸気の膨張する力が働くが、その最外郭は成形型Aに接
しているためキャビティ31の形状に規制される一方、
水蒸気は成形型Aの多孔質部分を通って圧力調整室5内
に放散されると共に生分解性樹脂内部には気泡100
(発泡セル)が形成され、こうして例えば図3に示すよ
うに全体が一つに成形された生分解性樹脂の発泡体Bが
得られる。 【0025】一方図2(c)に示すようにスクリュー2
を回転させながら後退する間に再度流動状となった生分
解性樹脂がスクリュー2の先端側におけるシリンダ1の
内部空間に溜まり始め、次の射出に備える。この間に成
形型A内のキャビティ31内では、成形後の生分解性樹
脂発泡体の冷却固化も完了するので成形型Aを型開きし
て発泡体Bを取り出し、再び型締めして次の操作を行
う。 【0026】そして上述の方法では、流動状の生分解性
樹脂がノズル12からキャビティ31内に射出されるま
ではキャビティ31内は加圧状態とされているため、発
泡が起こることがなく、その後キャビティ31内が急激
に減圧されて発泡が起こるため、型通りのしかも均質な
発泡体を得ることができ、良質な緩衝材として使用でき
る。 【0027】即ち上述の方法は、ノズル12から射出さ
れた生分解性樹脂の発泡のタイミングを、圧力調整室5
内を加圧状態から減圧することで調整しているのである
が、この減圧のタイミングつまり発泡のタイミングにつ
いては、生分解性樹脂がキャビティ31内に全て充填さ
れた後に限られるものではなく、キャビティ31内に射
出されている途中で減圧させるようしてもよい。このタ
イミングは、例えばノズル12からの射出速度や生分解
性樹脂の加熱温度などにより適宜設定すればよい。 【0028】そしてまた圧力調整室5内を減圧するにあ
たっては、大気圧、または大気圧より低いかあるいは大
気圧より高くてもよいが、大気圧より低い圧力に減圧す
れば大きな圧力差が得られるので、発泡セルが大きくな
って高発泡化ができると共に、水蒸気が圧力調整室5の
外に排出されるので、気化膨脹して発泡に寄与した後の
水分の再付着に起因する収縮を抑えられるという利点が
ある。 【0029】以上において、本発明を実施するための装
置としては、例えば図4に示すように圧力調整室5を、
可動側分割部51及び固定側分割部52に分割して、可
動側分割部51が可動側金型4と一体になって可動でき
るように構成してもよく、このように構成すれば、成形
型A及び圧力調整室5を同時に開閉できるので生分解性
樹脂の発泡体Bの取り出しが容易である。 【0030】ここで、射出成形機のノズルは開放されて
おり、またシリンダの原料供給側のホッパも開放されて
おり、原料や溶融樹脂により有る程度の密閉度が確保さ
れるものの、シリンダ内の密閉性が低いと加圧が不十分
になり、生分解性樹脂の軟化点ないし融点と加圧下の水
の沸点との兼ね合いで射出前シリンダ内にて一部の水分
が気化し、発泡するおそれがあり、またノズルから鼻垂
れ状態で発泡することもある。そこで本発明では、ノズ
ルをバルブ付きのものにしたり、原料供給部側のホッパ
を密閉したり、さらには原料供給口にロータリバルブを
付設するなどして密閉性を高めることが好ましい。ま
た、例えばポリエチレングリコールなどを溶質として水
に溶かし、この水を添加するようにして、これにより水
の沸点を上昇させ射出前シリンダ内発泡を抑制するよう
にしてもよい。 【0031】なお本発明により得られる生分解性樹脂発
泡体は、緩衝材としての用途に限定されるものではな
く、断熱材や防音材などに用いるものであってもよい。 【0032】 【発明の効果】以上のように本発明によれば、所望の形
状で均質な生分解性樹脂の発泡体を得ることができて適
宜形状に成形することができ、従来の合成樹脂の発泡体
の代替品として使用することによりゴミ公害などの環境
汚染の軽減に寄与することができる。
を浴びてきた生分解性樹脂についての発泡体を製造する
方法に関するものである。 【0002】 【従来の技術】一般に普通の合成樹脂は、量産性、成形
性及び耐久性に優れているため多岐の分野に亘って使用
されており、なかでも合成樹脂の発泡体は、軽量で緩衝
性が高いことからガラス製品などの壊れ易い物の保護ケ
ース、運搬物の梱包用緩衝材、飲食用容器更には断熱材
や防音材などに用いられている。ところが合成樹脂品の
廃棄量が莫大になってきたため、種々の問題が提起され
ている。 【0003】即ち合成樹脂は焼却されると大量の有害ガ
スを発生して大気を汚染するし、またそのまま廃棄され
た場合には酸化や光分解が起こらないため長年その形状
を維持し、環境を汚染する。更に合成樹脂は分子間結合
力が非常に強いため、焼却した場合には高熱を発して炉
壁の使用寿命を短かくしてしまう。 【0004】このようなことから最近において生分解性
樹脂が注目されてきており、その開発が盛んに行われて
いる。この生分解性樹脂は、例えばデンプン系高分子を
配合してなるものであって、土中や水中の微生物により
分解されるため、廃棄物対策として非常に有効なもので
ある。 【0005】そして生分解性樹脂の加工技術に関して
は、現在フィルム材の加工技術が実用化されつつある
が、発泡化についても実現できればその用途が非常に広
がり、生分解性樹脂の有利点をより活用することができ
る。ここに樹脂を発泡する技術としては、例えばスチレ
ンビーズを成形型の中に投入し、水蒸気を加えた後減圧
して発泡ビーズ群を得る方法や、押出機の中に例えばス
チレン樹脂を有機溶剤などの発泡剤と共に投入し、樹脂
が押し出されたときの減圧作用により発泡させる方法な
どが知られている。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら生分解性
樹脂は通常の合成樹脂と性状が異なるため種々の問題点
がある。その一つの問題点を述べると、生分解性樹脂は
加圧状態から解放されるや否や発泡を開始してしまう
が、生分解性樹脂が加熱されて流動状となっているとき
の粘度が大きいため、生分解性樹脂が成形型の奥まで入
り込みにくく、このため生分解性樹脂の一部はシリンダ
から射出された後、金型の内面に到達する前に発泡して
しまい、この結果金型の隅部や入り組んだ個所において
は本来奥に達して発泡すべき部分が発泡してその手前に
溜まりこれにより奥部に空隙が形成され、この状態で続
いて射出された生分解性樹脂が前方の発泡部分を背面か
ら押圧し、これにより当該部分が押し潰されてしまう。
このように一旦発泡してもその部分が後方より押し潰さ
れてしまうと、所望の形状の発泡体が得られないし、ま
た十分な緩衝性能を有するものが得られない。 【0007】本発明は、このような事情のもとになされ
たものであり、その目的は、生分解性樹脂について発泡
セルの潰れを抑え、所望形状で均質な発泡体を得ること
のできる生分解性樹脂発泡体の製造方法を提供すること
にある。 【0008】 【課題を解決するための手段】本発明は、前方に狭窄開
口を有する筒状容器内に実質的に水分と生分解性樹脂と
を投入し、生分解性樹脂を前記狭窄開口に押送する間に
昇温せしめて流動状とした後、流動状の生分解性樹脂
を、規制された成形空間を有する成形型内に射出し、含
有する水分の気化によって生分解性樹脂を成形空間に応
じた形状の発泡体とする方法であって、 前記成形型は通
気性を有する状態に形成されるものであり、生分解性樹
脂を成形型内に射出する間は当該成形型内の雰囲気を加
圧状態としておくとともに、生分解性樹脂を成形型内に
射出した後は成形型内の雰囲気を急激に減圧し、流動状
の生分解性樹脂を成形空間のほぼ隅々に至らせ、この状
態で生分解性樹脂を高発泡させ、均質な発泡体を得るよ
うにし、また成形型内の急激な減圧によって、気化膨張
して発泡に寄与した後の水分を成形型から放散させ、こ
の水分の再付着に起因する発泡体の収縮を抑えるように
したことを特徴とする。 【0009】 【作用】生分解性樹脂は、筒状容器内を狭窄開口まで押
送されるまでの間に例えば軟化点ないし融点付近に昇温
せしめられて流動状になると共に加圧条件下におかれ
る。このとき生分解性樹脂に含有されている水分は、加
圧によって沸点が上昇するため流動状の生分解性樹脂か
ら蒸発することなくその中に閉じ込められた状態となっ
ている。一方成形型内はそのときの生分解性樹脂の温度
における水蒸気圧以上の圧力に加圧されているため、生
分解性樹脂は、水分が閉じ込められたまま成形型内に射
出される。 【0010】そして例えば生分解性樹脂が成形型内に充
填された後成形型内を急激に減圧すると、今まで生分解
性樹脂内に閉じ込められていた水分が瞬間的に蒸発して
発泡し、その一部が成形型の多孔質部分を通って放散さ
れる。従って生分解性樹脂は成形型内の隅々に至って発
泡するので、所望形状で均質な発泡体が得られる。 【0011】 【実施例】以下に本発明の実施例について説明するが、
具体的な製法について述べる前に先ず生分解性樹脂につ
いて説明する。生分解性樹脂とは生物学的作用に基づき
物性を低下する樹脂材料を意味し、これには樹脂自体が
完全に分解するタイプと、分解し難い樹脂とブレンドし
崩壊性を付与したタイプとがある。そして、前者のタイ
プには微生物による生産物、天然高分子の利用品、石油
系原料からの生成品等があり、また、後者のタイプには
デンプンとのブレンド体、脂肪族ポリエステルとのブレ
ンド体等がある。これらの生分解機構としては、リパー
ゼ、アミラーゼ、セルラーゼ、プロテアーゼ等の酵素に
よる分解、活性汚泥中等の微生物による分解、森林や耕
作地等の自然環境における土壌による分解等、種々の態
様がある。 【0012】更に具体的には、ポリヒドロキシ酪酸及び
その誘導体、プルラン、セルロース−キトサン混合体、
セルロースやアミロースや木粉のエステル化物、ポリエ
ステル−ナイロン共重合体、ポリエステル共重合体、デ
ンプンとポリエチレンとのブレンド体をはじめ、ポリビ
ニルアルコール、ポリエーテル、ポリウレタン、ポリア
ミド等が挙げられる。これらはおしなべて低融点を有
し、水の存在下に分解促進されるものである。 【0013】そして、本実施例では、生分解性樹脂に日
本合成化学工業株式会社販売のMater−Bi「マタ
ービー」(登録商標)のペレット状のものを用いたが、
これは、イタリアのモンテジソングループに属するNO
VAMONT社の開発に係り、デンプンなどの複数農産
物からの誘導品と変性ポリビニルアルコールとが分子レ
ベルで相互に相手分子中に潜り込み、水素結合により結
ばれてなる、熱可塑性の生分解性ポリマーとされている
ものである。また、水を吸収して膨潤することにより生
分解促進され、微生物生存の環境下で紙と同等の生分解
性を示すとされている。 【0014】また、生分解性樹脂と水分とを後述の筒状
容器内に投入するためには、発泡用の生分解性樹脂ペレ
ットを成形するときに予め適度の水分を含有させるよう
にしてもよいし、あるいは例えば生分解性樹脂の粒体に
水を積極的に含水させる前処理工程を設けてもよい。ま
た生分解性樹脂とともに水そのものをホッパ内に直接添
加してもよいし、ニーダを介してシリンダ内に供給して
もよく、実質的に生分解性樹脂と水分とが供給されさえ
すればよい。 【0015】また予め水分を吸収させた吸湿性の微粒子
状物質例えばタルク(滑石)やシリカを生分解性樹脂に
添加しておけば、微粒子は樹脂との相溶性、分散性が水
の直接添加よりは高いため、また、発泡時には微粒子中
の水分がその微粒子を起点として発泡し得るので、結果
として微細かつ均一に発泡した発泡体が得られる。 【0016】次に本発明の実施例で用いる製造装置につ
いて図1を参照しながら述べると、1は筒状容器に相当
するシリンダであり、後端部上方には成形材料投入用の
ホッパ11が設けられている。このシリンダ1の先端部
には、先端が狭窄開口をなすノズル12が形成されると
共に、シリンダ1の周囲には加熱用のヒータ13が配置
されている。 【0017】前記シリンダ1内には、前後方向に伸びる
スクリュー2がその内壁に近接して配設されており、こ
のスクリュー2の後端はシリンダ1の後端開口部より後
方側に延び出して、スクリュー2を回転させるための油
圧モータ21に接続されている。更に油圧モータ21の
後部には、射出シリンダ22内に摺動自在に配置された
ピストン23が取り付けられており、従って油圧により
ピストン23、油圧モータ21及びスクリュー2が一体
となって前後方向に移動すると共に、スクリュー2は油
圧モータ21により回転する。 【0018】こうしていわゆるインラインスクリュー式
射出成形機が構成され、この成形機の先端には、通気性
の成形型Aが配置されており、この成形型Aは、ノズル
12の開口(狭窄開口)に連通するキャビティ31が形
成された固定側金型3と、コア41が形成された可動型
金型4とから構成されている。この実施例ではキャビテ
ィ31は略三角錐状をなし、またコア41はキャビティ
31の形状より成形品の肉厚分だけ小さい略三角錐状を
なしており、両金型3、4を型締めしたときに後述の図
3に示す発泡品が得られるように互に直交する三面構造
空間が形成されるようになっている。そして前記成形型
Aには型締め機構が組み合わせて設けられ、この型締め
機構は、例えば可動側金型4を固定側金型3と対向しつ
つ接離するようにガイドするタイバ−42、43や可動
側金型4を接離動作させるための作動機構44などから
構成される。 【0019】前記成形型Aは、ほぼ全体において内外を
連通する無数の網組織状の孔を有する多孔質材から成っ
ている。この多孔質材としては、発泡金属がある他、空
隙を形成し得る充填材を添加して焼結成形した金属又は
セラミックス等の焼結物、更には金網、パンチングメタ
ル等をプレス賦形しそれらを積層してなるもの等を使用
することができ、簡易な構造としては、一枚板のパンチ
ングメタルを所定の形状に成形したものも使用できる。
ここで、多孔質材の孔が大きいと、蒸気の排出効率及び
通風効率が良いが、あまり大きくすると発泡後の成形体
の表面に孔による凹凸が強く出て表面が荒れる。このた
め多孔質材の孔の大きさは、成形体の用途に応じた表面
の平滑性が得られる範囲内であって、通気抵抗があまり
大きくならない範囲に設定され、好適なものとしては孔
径の設定が容易でかつ構造が簡易であることなどからパ
ンチングメタルを用いたものを挙げることができる。 【0020】前記成形型A及び型締め機構は、気密構造
の圧力調整室5内に配置されており、この圧力調整室5
は、一面の壁部が固定側金型3の背面に接合されている
と共に、生分解性樹脂の成形体を取り出すためのドア
(図示せず)が設けられている。前記圧力調整室5には
加圧用配管6及び減圧用配管7が接続されており、加圧
用配管6は圧力調整室5内を加圧するためにバルブV1
を介してコンプレッサ61に接続されると共に、減圧用
配管7は、バルブV2を介して大気に開放されている。 【0021】以上のような構成の製造装置を用いて本発
明の製造方法を説明すると、先ず成形型Aを型締めして
おくと共に、コンプレッサ61により圧力調整室5内を
加圧状態にしておき、図1に示すようにホッパ11内に
生分解性樹脂の粒体10を供給し、スクリュー2により
シリンダ1内を前方に押送せしめる。生分解性樹脂の粒
体10は、押送される間に、スクリュー2の回転に伴う
剪断力及びヒータ13によるシリンダ1の内壁からの加
熱により軟化点または融点程度の温度に昇温され、スク
リュー2の先端側におけるシリンダ1の内部空間に流動
状になって溜まる。 【0022】このとき当該内部空間は高温加圧状態とな
っているため、生分解性樹脂の粒体10に含まれていた
水分は、流動状の生分解性樹脂から蒸発することなくそ
の中に閉じ込められた状態となっている。続いてスクリ
ュー2の回転を止め、射出シリンダ22内のピストン2
3を稼働して図2(a)に示すようにスクリュー2を前
進させ、流動状の生分解性樹脂をノズル12から成形型
A内の成形空間(キャビティ31内)に一気に注入す
る。 【0023】ここで圧力調整室5内は加圧状態になって
いるため、成形型Aの多孔質部分を介して圧力調整室5
内に連通している成形型Aのキャビティ31も加圧状態
であり、その圧力を、ノズル12から注入される生分解
性樹脂の温度例えば170℃における水蒸気圧より高い
圧力例えば10kg/cm2程度に設定しておくことに
より、生分解性樹脂は、その中に水分が閉じ込められた
まま前記キャビティ31内に射出される。 【0024】そして前記キャビティ31内に生分解性樹
脂が充填された後図2(b)に示すようにバルブV2を
一気に開いて圧力調整室5内を大気に開放すると、生分
解性樹脂は加熱、加圧状態から急激に大気圧下にさらさ
れることとなるので、これに閉じ込められていた水分が
瞬間的に蒸発して発泡する。生分解性樹脂内にはこの水
蒸気の膨張する力が働くが、その最外郭は成形型Aに接
しているためキャビティ31の形状に規制される一方、
水蒸気は成形型Aの多孔質部分を通って圧力調整室5内
に放散されると共に生分解性樹脂内部には気泡100
(発泡セル)が形成され、こうして例えば図3に示すよ
うに全体が一つに成形された生分解性樹脂の発泡体Bが
得られる。 【0025】一方図2(c)に示すようにスクリュー2
を回転させながら後退する間に再度流動状となった生分
解性樹脂がスクリュー2の先端側におけるシリンダ1の
内部空間に溜まり始め、次の射出に備える。この間に成
形型A内のキャビティ31内では、成形後の生分解性樹
脂発泡体の冷却固化も完了するので成形型Aを型開きし
て発泡体Bを取り出し、再び型締めして次の操作を行
う。 【0026】そして上述の方法では、流動状の生分解性
樹脂がノズル12からキャビティ31内に射出されるま
ではキャビティ31内は加圧状態とされているため、発
泡が起こることがなく、その後キャビティ31内が急激
に減圧されて発泡が起こるため、型通りのしかも均質な
発泡体を得ることができ、良質な緩衝材として使用でき
る。 【0027】即ち上述の方法は、ノズル12から射出さ
れた生分解性樹脂の発泡のタイミングを、圧力調整室5
内を加圧状態から減圧することで調整しているのである
が、この減圧のタイミングつまり発泡のタイミングにつ
いては、生分解性樹脂がキャビティ31内に全て充填さ
れた後に限られるものではなく、キャビティ31内に射
出されている途中で減圧させるようしてもよい。このタ
イミングは、例えばノズル12からの射出速度や生分解
性樹脂の加熱温度などにより適宜設定すればよい。 【0028】そしてまた圧力調整室5内を減圧するにあ
たっては、大気圧、または大気圧より低いかあるいは大
気圧より高くてもよいが、大気圧より低い圧力に減圧す
れば大きな圧力差が得られるので、発泡セルが大きくな
って高発泡化ができると共に、水蒸気が圧力調整室5の
外に排出されるので、気化膨脹して発泡に寄与した後の
水分の再付着に起因する収縮を抑えられるという利点が
ある。 【0029】以上において、本発明を実施するための装
置としては、例えば図4に示すように圧力調整室5を、
可動側分割部51及び固定側分割部52に分割して、可
動側分割部51が可動側金型4と一体になって可動でき
るように構成してもよく、このように構成すれば、成形
型A及び圧力調整室5を同時に開閉できるので生分解性
樹脂の発泡体Bの取り出しが容易である。 【0030】ここで、射出成形機のノズルは開放されて
おり、またシリンダの原料供給側のホッパも開放されて
おり、原料や溶融樹脂により有る程度の密閉度が確保さ
れるものの、シリンダ内の密閉性が低いと加圧が不十分
になり、生分解性樹脂の軟化点ないし融点と加圧下の水
の沸点との兼ね合いで射出前シリンダ内にて一部の水分
が気化し、発泡するおそれがあり、またノズルから鼻垂
れ状態で発泡することもある。そこで本発明では、ノズ
ルをバルブ付きのものにしたり、原料供給部側のホッパ
を密閉したり、さらには原料供給口にロータリバルブを
付設するなどして密閉性を高めることが好ましい。ま
た、例えばポリエチレングリコールなどを溶質として水
に溶かし、この水を添加するようにして、これにより水
の沸点を上昇させ射出前シリンダ内発泡を抑制するよう
にしてもよい。 【0031】なお本発明により得られる生分解性樹脂発
泡体は、緩衝材としての用途に限定されるものではな
く、断熱材や防音材などに用いるものであってもよい。 【0032】 【発明の効果】以上のように本発明によれば、所望の形
状で均質な生分解性樹脂の発泡体を得ることができて適
宜形状に成形することができ、従来の合成樹脂の発泡体
の代替品として使用することによりゴミ公害などの環境
汚染の軽減に寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法の一実施例に用いられる製造装置の
一例を示す概略縦断面図である。 【図2】インラインスクリュー式射出成形機を用いて本
発明方法の一実施例を実施する様子を示す概略縦断面図
である。 【図3】本発明方法の一実施例で得られた生分解性樹脂
の発泡体の一例を示す斜視図である。 【図4】本発明方法を実施するための他の製造装置の要
部を示す概略縦断面図である。 【符号の説明】 1 筒状容器 2 スクリュー 3 固定側金型 4 可動側金型 5 圧力調整室 6 加圧用配管 7 減圧用配管 10 生分解性樹脂の粒体11 ホッパ 12 ノズル 13 ヒータ 21 油圧モータ 22 射出シリンダ 23 ピストン 31 キャビティ 41 コア42 タイバー 43 タイバー 44 作動機構 51 可動側分割部 52 固定側分割部 61 コンプレッサ 100 気泡 A 成形型B 発泡体 V1 バルブ V2 バルブ
一例を示す概略縦断面図である。 【図2】インラインスクリュー式射出成形機を用いて本
発明方法の一実施例を実施する様子を示す概略縦断面図
である。 【図3】本発明方法の一実施例で得られた生分解性樹脂
の発泡体の一例を示す斜視図である。 【図4】本発明方法を実施するための他の製造装置の要
部を示す概略縦断面図である。 【符号の説明】 1 筒状容器 2 スクリュー 3 固定側金型 4 可動側金型 5 圧力調整室 6 加圧用配管 7 減圧用配管 10 生分解性樹脂の粒体11 ホッパ 12 ノズル 13 ヒータ 21 油圧モータ 22 射出シリンダ 23 ピストン 31 キャビティ 41 コア42 タイバー 43 タイバー 44 作動機構 51 可動側分割部 52 固定側分割部 61 コンプレッサ 100 気泡 A 成形型B 発泡体 V1 バルブ V2 バルブ
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 前方に狭窄開口を有する筒状容器内に実
質的に水分と生分解性樹脂とを投入し、生分解性樹脂を
前記狭窄開口に押送する間に昇温せしめて流動状とした
後、流動状の生分解性樹脂を、規制された成形空間を有
する成形型内に射出し、含有する水分の気化によって生
分解性樹脂を成形空間に応じた形状の発泡体とする方法
であって、 前記成形型は 通気性を有する状態に形成されるものであ
り、生分解性樹脂を成形型内に射出する間は当該成形型
内の雰囲気を加圧状態としておくとともに、生分解性樹
脂を成形型内に射出した後は成形型内の雰囲気を急激に
減圧し、 流動状の生分解性樹脂を成形空間のほぼ隅々に至らせ、
この状態で生分解性樹脂を高発泡させ、均質な発泡体を
得るようにし、また成形型内の急激な減圧によって、気化膨張して発泡
に寄与した後の水分を成形型から放散させ、この水分の
再付着に起因する発泡体の収縮を抑えるようにした こと
を特徴とする生分解性樹脂発泡体の製造方法。
Priority Applications (10)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19921593A JP3405770B2 (ja) | 1993-07-16 | 1993-07-16 | 生分解性樹脂発泡体の製造方法 |
US08/274,038 US5602188A (en) | 1993-07-13 | 1994-07-12 | Biodegradable resin foam and method and apparatus for producing same |
EP97200618A EP0785055B1 (en) | 1993-07-13 | 1994-07-13 | Biodegradable resin foam |
EP94305110A EP0634261B1 (en) | 1993-07-13 | 1994-07-13 | Method and apparatus for producing biodegradable resin foam |
SG1996008114A SG76470A1 (en) | 1993-07-13 | 1994-07-13 | Biodegradable resin foam and method and apparatus for producing same |
DE69432606T DE69432606T2 (de) | 1993-07-13 | 1994-07-13 | Biologisch abbaubarer Schaumstoff |
DE69406366T DE69406366T2 (de) | 1993-07-13 | 1994-07-13 | Verfahren und Vorrichtung zum Herstellen eines biologisch abbaubaren Schaumstoffs |
US08/734,957 US5849339A (en) | 1993-07-13 | 1996-10-23 | Apparatus for producing biodegradable resin foam |
US09/210,664 US6228898B1 (en) | 1993-07-13 | 1998-12-14 | Biodegradable resin foam and method and apparatus for producing same |
US09/850,002 US6626654B1 (en) | 1993-07-13 | 2001-05-08 | Biodegradable resin foam and method and apparatus for producing same |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19921593A JP3405770B2 (ja) | 1993-07-16 | 1993-07-16 | 生分解性樹脂発泡体の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0732378A JPH0732378A (ja) | 1995-02-03 |
JP3405770B2 true JP3405770B2 (ja) | 2003-05-12 |
Family
ID=16404054
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP19921593A Expired - Fee Related JP3405770B2 (ja) | 1993-07-13 | 1993-07-16 | 生分解性樹脂発泡体の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3405770B2 (ja) |
-
1993
- 1993-07-16 JP JP19921593A patent/JP3405770B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0732378A (ja) | 1995-02-03 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
EP0785055B1 (en) | Biodegradable resin foam | |
KR100589433B1 (ko) | 발포 수지의 저온 성형방법 및 성형장치 | |
CN113603923B (zh) | 一种面向包装领域的生物降解复合珠粒发泡材料及其制备方法 | |
JP3405770B2 (ja) | 生分解性樹脂発泡体の製造方法 | |
US7563830B2 (en) | Method for the production of biodegradable foamed products | |
JP3490829B2 (ja) | 発泡射出成形物の製造法 | |
CN111286117B (zh) | 一种微孔注塑成型开孔聚合物泡沫材料的方法及产品 | |
US8871823B2 (en) | Process for introducing a gas into a polymer | |
Dircio‐Morales et al. | Relationship among Extrusion Conditions, Cell Morphology, and Properties of Starch‐Based Foams—A Review | |
JP3454370B2 (ja) | 発泡体用生分解性樹脂材料及びこれを用いた生分解性樹脂発泡体の製造方法 | |
JPH10151647A (ja) | 射出成形用金型 | |
JP3408840B2 (ja) | 生分解性樹脂発泡体の製造方法 | |
JPH07124978A (ja) | 生分解性樹脂発泡体の製造方法および製造装置 | |
JPH0732379A (ja) | 生分解性樹脂発泡体の製造方法 | |
JP3408846B2 (ja) | 生分解性樹脂発泡体の製造装置 | |
JPH0732377A (ja) | 生分解性樹脂発泡体の製造方法及びその装置 | |
CN108384134A (zh) | 一种多纳米填料协同改善聚苯乙烯超临界发泡性能的方法 | |
Gonçalves et al. | Forefront Research of Foaming Strategies on Biodegradable Polymers and Their Composites by Thermal or Melt-Based Processing Technologies: Advances and Perspectives | |
JP2008037022A (ja) | リグノセルロース系樹脂組成物の筐体射出成形方法、及びリグノセルロース系樹脂組成物 | |
JPH07124977A (ja) | 生分解性樹脂発泡体の製造方法および製造装置 | |
JP2001198940A (ja) | 熱可塑性樹脂型内発泡成形体の製造方法 | |
JPH0733898A (ja) | 生分解性樹脂発泡体の製造方法 | |
JPH1024482A (ja) | 生分解性樹脂発泡体の製造方法並びにこれに使用する製造装置 | |
JPH083357A (ja) | 生分解性樹脂発泡体並びにその製造方法並びにその製造装置 | |
Taskin | Polymeric Foams: Materials, Technology, and Applications |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
S111 | Request for change of ownership or part of ownership |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |