JPH07126453A - シンジオタクチックポリプロピレンの成形加工性の改良方法 - Google Patents

シンジオタクチックポリプロピレンの成形加工性の改良方法

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JPH07126453A
JPH07126453A JP27544093A JP27544093A JPH07126453A JP H07126453 A JPH07126453 A JP H07126453A JP 27544093 A JP27544093 A JP 27544093A JP 27544093 A JP27544093 A JP 27544093A JP H07126453 A JPH07126453 A JP H07126453A
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syndiotactic polypropylene
syndiotactic
polypropylene
resin composition
isotactic
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JP27544093A
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Kazuhiko Masuda
和彦 増田
Yukio Yokote
幸夫 横手
Yukio Ohira
幸男 大平
Tetsunosuke Shiomura
哲之助 潮村
Masahiro Jinno
政弘 神野
Norihide Inoue
則英 井上
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Mitsui Toatsu Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Toatsu Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 シンジオタクチックポリプロピレンまたはシ
ンジオタクチックポリプロピレンを含有する樹脂組成物
にアイソタクチックポリプロピレンを添加する。 【効果】 シンジオタクチックポリプロピレンまたはシ
ンジオタクチックポリプロピレンを含有する樹脂組成物
の結晶化速度を著しく速め成形加工時の冷却時間を短く
することができるので、該シンジオタクチックポリプロ
ピレンを公知の各種成形方法により容易にかつ高速で成
形加工することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、シンジオタクチックポ
リプロピレンまたはこれを含有するシンジオタクチック
ポリプロピレン樹脂組成物の成形加工性を著しく改善す
る方法に関する。詳しくは、シンジオタクチックポリプ
ロピレンまたはこれを含有するシンジオタクチックポリ
プロピレン樹脂組成物にアイソタクチックポリプロピレ
ンを添加することにより、シンジオタクチックポリプロ
ピレンを溶融させて成形加工する場合において冷却時の
固化速度を著しく速めることにより、その成形加工性を
改良する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、J.A.Ewenらにより非対称な配位子
を有する遷移金属触媒とアルミノキサンからなる触媒に
よって、シンジオタクチックペンタッド分率が0.7を
越えるようなタクティシティーの高いポリプロピレンを
得られることが発見された。(J.Am.Chem.Soc.,1988,11
0,6255-6256 )。このシンジオタクチックポリプロピレ
ンは、従来のアイソタクチックポリプロピレンに比べ極
めて透明性および表面光沢が高く、また柔軟性にも優れ
るため、従来のアイソタクチックポリプロピレンの用途
として知られているフィルム、シート、繊維、射出成形
体およびブロー成形体等の用途の他に、これまでアイソ
タクチックポリプロピレンでは適用できなかった新たな
用途が期待されている。その成形方法としては従来のア
イソタクチックポリプロピレンの各種成形方法、例えば
T−ダイ押出成形、水冷インフレーション成形(特開平
3−81130)、射出成形、ブロー成形、あるいは射
出延伸ブロー成形等が適用できる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】シンジオタクチックポ
リプロピレンを例えばT−ダイ押出成形法により成形加
工して得られるフィルムは、アイソタクチックポリプロ
ピレンから得られるフィルムに比べ透明性や表面光沢な
どの性質が良好であり、その用途が期待される。しかし
ながら、シンジオタクチックポリプロピレンはアイソタ
クチックポリプロピレンに比べて結晶化速度が遅く、ま
た結晶化度も低いため成形加工性に劣るという問題があ
った。特に、シンジオタクティシティーの低いシンジオ
タクチックポリプロピレンではその結晶化速度は著しく
遅く、成形加工することは困難であった。例えば、T−
ダイ押出成形する際にはフィルムが冷却ロールに巻きつ
いたり、射出成形する場合においても同様に、溶融樹脂
の固化が遅いためアイソタクチックポリプロピレンを射
出成形する場合に比べて極めて長い冷却時間を必要とす
るなどの理由によりアイソタクチックポリプロピレンに
比べ加工性が劣っていた。
【0004】本発明の目的は上記問題点を解決し、樹脂
を溶融させて成形加工する場合において結晶化速度すな
わち冷却時の固化速度を改良し、シンジオタクチックポ
リプロピレンまたはこれを含有するシンジオタクチック
ポリプロピレン樹脂組成物の成形加工性を改良すること
にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題に
鑑み、シンジオタクチックポリプロピレンまたはこれを
含有するシンジオタクチックポリプロピレン樹脂組成物
の溶融後の固化速度を向上させる方法について鋭意検討
を重ねた結果、シンジオタクチックポリプロピレン50
〜99.9重量部にアイソタクチックポリプロピレン
0.1〜50重量部を添加することにより、シンジオタ
クチックポリプロピレンの固化速度が著しく向上して容
易に成形加工できることを見出し、本発明を完成するに
到った。すなわち、本発明は (1)シンジオタクチックポリプロピレンまたはこれを
含有するシンジオタクチックポリプロピレン樹脂組成物
において、シンジオタクチックポリプロピレン50〜9
9.9重量部にアイソタクチックポリプロピレン0.1
〜50重量部を添加することによりシンジオタクチック
ポリプロピレンの結晶化速度を向上させることを特徴と
するジオタクチックポリプロピレンまたはこれを含有す
るシンジオタクチックポリプロピレン樹脂組成物の成形
加工性を改良する方法であり、 (2)シンジオタクチックポリプロピレンにアイソタク
チックポリプロピレンを添加することによって、溶融樹
脂を押出機で押し出したストランドを20℃水中にて冷
却して固化する時間をシンジオタクチックポリプロピレ
ン単独の場合の半分以下の時間とすることを特徴とする
シンジオタクチックポリプロピレンの成形加工性を改良
する方法。 (3)シンジオタクチックポリプロピレンまたはこれを
含有するシンジオタクチックポリプロピレン樹脂組成物
において、シンジオタクチックポリプロピレンにアイソ
タクチックポリプロピレンの他にさらに結晶化核剤を添
加すること特徴とするシンジオタクチックポリプロピレ
ン樹脂組成物の成形加工性を改良する方法。 (4)シンジオタクチックポリプロピレンを含有するシ
ンジオタクチックポリプロピレン樹脂組成物がシンジオ
タクチックポリプロピレンとエラストマーである上記
(1)のシンジオタクチックポリプロピレン樹脂組成物
の成形加工性を改良する方法。および (5)シンジオタクチックポリプロピレンを含有するシ
ンジオタクチックポリプロピレン樹脂組成物がシンジオ
タクチックポリプロピレンとエラストマーおよび無機充
填剤である上記(1)記載のシンジオタクチックポリプ
ロピレン樹脂組成物の成形加工性を改良する方法であ
る。以下、本発明を詳細に説明する。
【0006】本発明においてシンジオタクチックポリプ
ロピレンを製造する触媒としては、例えば特開平2−4
1303号公報、特開平2−41305号公報、特開平
2−274703号公報、特開平2−274704号公
報、特開平3−179005号、特開平3−17900
6号公報、特開平4−69394号公報に記載されてい
るような互いに非対称な配位子を有する架橋型遷移金属
化合物および助触媒からなるような触媒を挙げることが
できるが、異なる構造の触媒であっても13C−NMRに
よって測定されるシンジオタクチックペンタッド分率が
0.5以上のポリプロピレンを製造できるものであれば
利用でき、その重合方法としてはスラリー重合法、塊状
重合法、気相重合法のいずれも利用できる。
【0007】本発明において用いられるシンジオタクチ
ックポリプロピレンは、プロピレン以外のコモノマー、
例えばエチレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−デセ
ン、1−ヘキサデセン、シクロペンテン、ノルボルネン
等のオレフィン類や、ヘキサジエン、オクタジエン、デ
カジエン、ジシクロペンタジエン、5−エチリデン2−
ノルボルネンなどのジエン類を少量含有する共重合体で
あっても差し支えない。そのような共重合体は、前記の
シンジオタクティシティの良好なポリ−α−オレフィン
を与える公知の触媒の存在下にプロピレンと少量のコモ
ノマーを共重合することによって得ることができる。
【0008】本発明で使用するシンジオタクチックホモ
ポリプロピレンは、その13C−NMRにより求められる
シンジオタクチックペンタッド分率が好ましくは0.5
以上、特に好ましくは0.7以上の値をもつ。また、シ
ンジオタクチックポリプロピレンコポリマーとして本発
明で使用する場合においては、そのプロピレン連鎖のシ
ンジオタクチックペンタッド分率は好ましくは0.3以
上、特に好ましくは0.5以上である。
【0009】シンジオタクチックポリプロピレンの分子
量は、135℃のテトラリン溶液中で測定される極限粘
度として0.1〜10dl/g、好ましくは0.5〜
5.0dl/gの範囲である。
【0010】本発明において使用するアイソタクチック
ポリプロピレンとしては、市場で入手できるような公知
のプロピレン単独重合体、エチレン−プロピレンブロッ
ク共重合体、および結晶性エチレン−プロピレンランダ
ム共重合体が例示できる。また、その他に例えば特開昭
61−130314号公報、特開平3−12406号公
報等に記載されているような、いわゆるメタロセン化合
物を主成分とする触媒を用いて製造されるアイソタクチ
ックポリプロピレンも利用できる。
【0011】本発明のごとくシンジオタクチックポリプ
ロピレン50〜99.9重量部にアイソタクチックポリ
プロピレン0.1〜50重量部、好ましくはシンジオタ
クチックポリプロピレン60〜90重量部にアイソタク
チックポリプロピレン10〜40重量部を添加すること
によりシンジオタクチックポリプロピレンの結晶化速度
を著しく速くし、成形加工性を改良できる。アイソタク
チックポリプロピレンが50重量部を越えるとシンジオ
タクチックポリプロピレンの特徴である透明性、光沢性
が損なわれ好ましくない。
【0012】本発明の樹脂組成物には必要に応じてブロ
ッキング防止剤、滑剤、結晶核剤、紫外線吸収剤、熱安
定剤、耐候安定剤、耐放射線剤、顔料、染料等の添加剤
を添加してもよい。
【0013】本発明では特にシンジオタクチックポリプ
ロピレンとアイソタクチックポリプロピレンにさらに結
晶化核剤を添加することによって本発明の樹脂組成物の
固化速度をさらに速め、また透明性を改良することが可
能になる。本発明において使用される結晶化核剤は本願
の樹脂組成物の結晶化速度を向上させるものであれば特
に制限はないが、アイソタクチックポリプロピレンの公
知結晶化核剤が使用でき、例えば安息香酸の塩、ベンジ
リデンソルビトール類、燐酸エステルの塩、あるいは、
ポリビニルシクロヘキサン、ポリ3ーメチルブテンー
1、結晶性ポリスチレン、ポリートリメチルビニルシラ
ンなどの高結晶性ポリマー、またタルク、カオリン、マ
イカ等の無機化合物も好ましく使用できる。これらの結
晶化核剤の使用量はその目的や結晶化核剤の種類によっ
て異なるが、通常は0.001ppm〜1wt%程度で
ある。
【0014】本発明においてはシンジオタクチックポリ
プロピレンを含有するシンジオタクチックポリプロピレ
ン樹脂組成物の加工性を改良することが可能である。特
にシンジオタクチックポリプロピレンにエラストマーお
よび/または無機充填剤を添加して樹脂の耐衝撃性や剛
性を改良する方法において、アイソタクチックポリプロ
ピレンを添加することで成形物の金型よりの離型性が良
好になり、該樹脂組成物の成形加工性が改良される。
【0015】この際に使用されるエラストマーとしては
通常アイソタクチックポリプロピレンで使用されている
エラストマーを用いることができ、例えばエチレンープ
ロピレンゴム、エチレンープロピレンージエンゴム、エ
チレンーブテンゴム、スチレンージエンゴム、スチレン
ージエンブロック共重合体ゴムおよびその水素添加物が
例示できる。特にエチレンープロピレンゴム、エチレン
ープロピレンージエンゴムが好ましい。また無機充填剤
としては、例えば金属粉、カーボンブラック、グラファ
イト、炭酸カルシウム、炭素繊維、シリカ、アルミナ、
酸化チタン、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸
化錫、酸化アンチモン、バリウムフェライト、ストロン
チウムフェライト、水酸化アルミニウム、水酸化マグネ
シウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、タルク、クレ
ー、マイカ、珪酸カルシウム、硝子繊維、チタン酸カル
シウム、チタン酸ジルコン酸鉛、窒化アルミニウム、炭
化珪素等が挙げられ、特にタルク、炭酸カルシウム、硫
酸マグネシウ、硫酸バリウム等が好ましい。
【0016】エラストマーおよび無機充填剤の使用量は
特に制限はないが、シンジオタクチックポリプロピレン
を含有するシンジオタクチックポリプロピレン樹脂組成
物の加工性を改良する場合には、含有するシンジオタク
チックポリプロピレンに対して各々3〜100重量%、
好ましくは5〜50であり、またエラストマーおよび無
機充填剤の合計がシンジオタクチックポリプロピレンの
100重量%以下になることが好ましい。シンジオタク
チックポリプロピレン50〜99.9重量部にアイソタ
クチックポリプロピレン0.1〜50重量部、好ましく
はシンジオタクチックポリプロピレン60〜90重量部
にアイソタクチックポリプロピレン10〜40重量部を
添加することによりシンジオタクチックポリプロピレン
樹脂組成物の結晶化速度が著しく速くし、成形加工性を
改良でき、特に金型との離型性が良好になり成形速度が
速くなり好ましい。特に、シンジオタクチックポリプロ
ピレンにエラストマーを添加したシンジオタクチックポ
リプロピレン樹脂組成物は成形加工時の固化速度が遅い
のに加えて、成形体表面に粘着性が出易く、また剛性が
低いことから通常の押出成形、中空成形、射出成形等の
公知の成形方法を適用すると加工に制約を受けるが、本
発明の方法ではこれらが改良され、容易にかつ高速で安
定して成形加工することができる。
【0017】本発明において成形加工性の改善されたシ
ンジオタクチックポリプロピレンまたはシンジオタクチ
ックポリプロピレンを含有するシンジオタクチックポリ
プロピレン樹脂組成物は以下の方法により得ることがで
きる。すなわち、シンジオタクチックポリプロピレン、
アイソタクチックポリプロピレンおよび必要に応じてエ
ラストマー、無機充填剤、さらに公知樹脂の安定剤、添
加剤をヘンシェルミキサー等の混合機により混合した
後、押出機にて溶融混練、造粒する方法、あるいはロー
ル、バンバリーミキサー、加圧ニーダー、ブラベンダー
等により溶融混練する方法などにより製造できる。
【0018】本発明の特徴は上述のようにシンジオタク
チックポリプロピレンにアイソタクチックポリプロピレ
ンを添加することにより固化速度を調節できることにあ
る。用途、成形法に応じてアイソタクチックポリプロピ
レンの添加量を調節することにより、該シンジオタクチ
ックポリプロピレンを造粒、T−ダイ押出成形、インフ
レーション成形、射出成形、ブロー成形、あるいは射出
延伸ブロー成形、溶融紡糸、押し出し紡糸等の公知の方
法により容易にかつ高速で成形加工することができる。
【0019】また、アイソタクチックポリプロピレンの
添加量を変えることにより所望の特性、例えば透明性、
表面光沢、機械物性を有するシンジオタクチックポリプ
ロピレンを得ることができる。
【0020】
【実施例】本発明をさらに詳細に説明するために以下に
実施例を述べるが、本発明はこれらに限定されるもので
はない。なお、実施例における測定方法は下記の通りで
ある。 (1)メルトフローインデックス:ASTM D−12
38 (2)固化速度:15mmφ単軸押出機を用いて240
℃でストランド状に押し出した溶融樹脂を20℃の水中
で冷却し、それが目視で白濁するまでの時間(ttと略
記する)、および固化するまでの時間(stと略記す
る)を測定した。
【0021】実施例1 135℃のテトラリン溶液中で測定した極限粘度が1.
39dl/g、メルトフローインデックス(以下MFI
と略記する)が3.2g/10min、示差走査熱量分
析で測定した結晶化温度のピーク温度が74.6℃、13
C−NMRにより測定したシンジオタクチックペンタッ
ド分率が0.787であるシンジオタクチックホモポリ
プロピレン(H−SPP)80重量部にアイソタクチッ
クホモポリプロピレン(三井東圧化学(株)製、JHH
−G:MFI 8g/10min)20重量部を添加し
公知の安定剤を加えてヘンシェルミキサーで混合後、2
軸押出機にて溶融混練、造粒した。この樹脂ペレットの
固化速度は、ttが20秒、stが38秒であった。次
いで、この樹脂ペレットを型締め圧力80tの射出成形
機(東洋機械金属〓製、PLASTAR TI−80G
2)を用いてバレル温度210℃、金型温度25℃、冷
却時間15秒で射出成形して、縦170mm、横80m
m、厚さ2mmのシートを得た。このシートは透明性お
よび表面光沢が高く、ソリ等の外観不良は認められなか
った。
【0022】実施例2 シンジオタクチックホモポリプロピレン67重量部にア
イソタクチックホモポリプロピレン33重量部を添加し
た以外は実施例1と同様にして成形性の評価を行った。
tt、stはそれぞれ5秒、15秒であり、射出成形性
も良好であった。
【0023】比較例1 シンジオタクチックホモポリプロピレン、H−SPPの
みを実施例1と同様にして射出成形したところ、溶融樹
脂の固化が不十分で離型できなかった。冷却時間を10
0秒にすると離型できるものもあったが、完全には離型
できなかった。また、H−SPPのみの固化時間は、t
tが300秒以上であった。
【0024】実施例3 実施例1において造粒後、40mmφ下向きT−ダイ付
き押出機によりバレル温度210℃、冷却ロール温度3
0℃、押出量4kg/hr、引取速度7m/minで製
膜して厚さ30μmのフィルムを得た。
【0025】実施例4 実施例1で得られたH−SPPとJHH−Gの混合され
たペレットを用いて30mm紡糸機(口金0.8mm×
20H)にて押出機温度230℃、紡糸筒温度30℃、
引き取り速度100m/minで紡糸を行い、太さ90
dの繊維を得た。繊維は紡糸の際に糸切れもなく順調に
紡糸することができ、繊維は表面光沢が非常に高く、そ
の風合いは柔らかかった。
【0026】実施例5 H−SPP70重量部に水素添加スチレンーブタジエン
ブロック共重合ゴム(日本合成ゴム(株)製、DYNA
RON1320P)10部、結晶性プロピレンーエチレ
ンランダム共重合体(三井東圧化学(株)製、GFL−
G:MFI 9g/10min、エチレン含有量3.1
wt%))20重量部に安定剤加えてヘンシェルミキサ
ーで混合後、2軸押出機にて溶融混練、造粒した。この
樹脂ペレットを40mmφ下向きT−ダイ付き押出機に
より押出機温度210℃、冷却ロール温度30℃、引き
取り速度10m/minで製膜して、厚さ50μmのフ
ィルムを得た。製膜は順調にすることができ、得られた
フィルムは透明性および表面光沢が高く、また柔軟性に
優れていた。
【0027】実施例6 シンジオタクチックポリプロピレンH−SPP50重量
部、エチレンープロピレン共重合体(日本合成ゴム
(株)製、EP07P)30重量部、タルク(浅田製粉
(株)製、JA−13R)10重量部、アイソタクチッ
クポリプロピレンJHH−G10重量部および安定剤を
ヘンシェルミキサーにて混合後、2軸押出機にて溶融混
練、造粒し樹脂組成物ペレットを得た。次いでこのペレ
ットを型締圧力80tの射出成形機(東洋機械金属
(株)製、PLASTAR Tiー80G2)にてバレ
ル温度210℃、金型温度30℃、冷却温度15秒で射
出成形を行い、縦170mm×横80mm×厚さ2mm
のシートを得た。離型性は良好で、連続して安定に成形
することができた。
【0028】
【発明の効果】本発明の方法により、シンジオタクチッ
クポリプロピレンの結晶化速度を著しく速め成形加工時
の冷却時間を短くすることができるので、該シンジオタ
クチックポリプロピレンを公知の各種成形方法により容
易にかつ高速で成形加工することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 潮村 哲之助 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内 (72)発明者 神野 政弘 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内 (72)発明者 井上 則英 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シンジオタクチックポリプロピレンまた
    はこれを含有するシンジオタクチックポリプロピレン樹
    脂組成物において、シンジオタクチックポリプロピレン
    50〜99.9重量部にアイソタクチックポリプロピレ
    ン0.1〜50重量部を添加することによりシンジオタ
    クチックポリプロピレンの結晶化速度を向上させること
    を特徴とするジオタクチックポリプロピレンまたはこれ
    を含有するシンジオタクチックポリプロピレン樹脂組成
    物の成形加工性を改良する方法。
  2. 【請求項2】 シンジオタクチックポリプロピレンにア
    イソタクチックポリプロピレンを添加することによっ
    て、溶融樹脂を押出機で押し出したストランドを20℃
    水中にて冷却して固化する時間をシンジオタクチックポ
    リプロピレン単独の場合の半分以下の時間とすることを
    特徴とする請求項1記載のシンジオタクチックポリプロ
    ピレンの成形加工性を改良する方法。
  3. 【請求項3】 シンジオタクチックポリプロピレンまた
    はこれを含有するシンジオタクチックポリプロピレン樹
    脂組成物において、シンジオタクチックポリプロピレン
    にアイソタクチックポリプロピレンの他にさらに結晶化
    核剤を添加すること特徴とする請求項1記載のシンジオ
    タクチックポリプロピレン樹脂組成物の成形加工性を改
    良する方法。
  4. 【請求項4】 シンジオタクチックポリプロピレンを含
    有するシンジオタクチックポリプロピレン樹脂組成物が
    シンジオタクチックポリプロピレンとエラストマーであ
    る請求項1記載のシンジオタクチックポリプロピレン樹
    脂組成物の成形加工性を改良する方法。
  5. 【請求項5】 シンジオタクチックポリプロピレンを含
    有するシンジオタクチックポリプロピレン樹脂組成物が
    シンジオタクチックポリプロピレンとエラストマーおよ
    び無機充填剤である請求項1記載のシンジオタクチック
    ポリプロピレン樹脂組成物の成形加工性を改良する方
    法。
JP27544093A 1993-11-04 1993-11-04 シンジオタクチックポリプロピレンの成形加工性の改良方法 Pending JPH07126453A (ja)

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