JPH07126060A - 炭素含有耐火物及びその製造方法 - Google Patents
炭素含有耐火物及びその製造方法Info
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- JPH07126060A JPH07126060A JP5294461A JP29446193A JPH07126060A JP H07126060 A JPH07126060 A JP H07126060A JP 5294461 A JP5294461 A JP 5294461A JP 29446193 A JP29446193 A JP 29446193A JP H07126060 A JPH07126060 A JP H07126060A
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Abstract
た炭素含有耐火物及びその製造方法を提供すること。 【構成】 耐火性骨材及び炭素材料を含む炭素含有耐火
物において、軟化温度が80〜220℃未満のピッチ粉末、
又は、該ピッチ粉末に軟化温度が220℃以上のピッチ粉
末を併用添加すること。また、軟化温度の低いピッチ粉
末の軟化温度より少なくとも20℃以上高い温度でベーキ
ングすること。 【効果】 低軟化温度のピッチが耐火物組織の微細な空
隙に侵入して強固なカーボンボンドを形成する効果が生
じ、また、高軟化温度のピッチ粉末を併用することによ
り、上記効果に加えて更に強度/弾性率比が向上する。
また、低軟化温度のピッチ粉末の軟化温度より少なくと
も20℃以上高い温度でベーキングすることにより熱間曲
げ強度が向上する。
Description
の製造方法に関し、特に耐スポ−リング性、耐摩耗性、
耐食性に優れた炭素含有耐火物及びその製造方法に関す
る。
炭素の有する高熱伝導性、溶融スラグに対する濡れ難い
性質等により高耐用性を示すことから、各種の冶金用耐
火物として広く使用されている。しかし、近年この種耐
火物の使用条件はますます苛酷化し、炭素含有耐火物の
より一層の耐用性向上が望まれている。
形態が炭素を含有しない耐火物と異なっていることが知
られている。即ち、炭素を含有しない耐火物は、被熱過
程において粒子間の焼結が起こり、強度を発現する。こ
れに対し、炭素含有耐火物は、黒鉛等の炭素粒子が殆ど
焼結しないため、結合剤として添加している有機バイン
ダ−が炭化し、生成するカーボンボンドによってかろう
じて耐火物の強度を維持している。
らされるセラミックボンドと比較して結合力は非常に弱
い。また、炭化によりカーボンボンドを生成する有機系
液体バインダ−は、成形性の問題から適正量が存在し、
通常2〜5重量%程度しか添加できないため、必ずしも十
分なカーボンボンド量が確保されているとは言い難い。
グ性、熱間強度、耐摩耗性、耐食性に大きく影響を与え
ていると考えられている。この結合形態に由来する炭素
含有耐火物の強度確保の困難さは、該耐火物の根本的な
課題であり、この課題解決のため従来から種々の改善が
行われている。
炭素50%以上の高軟化点ピッチを添加し、耐火物の中間
温度における強度を向上させる手法が開示されており、
また、特開平2-268953号公報には、300〜500℃で処理さ
れたマイクロメソフェーズを含有するピッチ粉末を耐火
物に添加し、耐火物の被熱過程においてピッチ中のマイ
クロメソフェーズがバルクメソフェーズに成長する際の
強度発現効果によって耐火物の強度を向上させる手法が
開示されている。
前記“高軟化点ピッチ粉末”あるいは“マイクロメソフ
ェーズを含有するピッチ粉末”を添加する方法では、以
下の理由で炭素含有耐火物の強度を向上させる手法とし
て十分効果的な方法とは言えない。即ち、後に詳記する
とおり、軟化温度の高いこれらのピッチ粉末は、軟化時
の粘性が高く、流動性に富んでいるとは言い難いので、
耐火物組織中の特に微細な空隙に侵入する能力を有して
おらず、ピッチ粉末自身の周囲に存在する炭素粒子及び
耐火性骨材粒子に密着する程度の効果しか得られない。
また耐火物組織中の微細な空隙におけるカーボンボンド
の不足について何ら解決されていない。更に、該ピッチ
粉末を添加して満足できる強度を確保しようとすると、
多くの添加量を必要とし、そして、該ピッチ粉末の多量
添加によって同時にもたらされる気孔率の増大が炭素含
有耐火物の特性を低下させてしまう。
方法では、欠点があるか、あるいは効果が十分ではない
という問題点がある。本発明は、従来の上記欠点、問題
点に鑑み成されたものであって、その目的は、炭素含有
耐火物において該組織を維持するための最適な結合形態
の選択を行い、従来の方法では解決できなかった高耐用
性の炭素含有耐火物及びその製造方法を提供することに
あり、特に耐スポ−リング性、耐摩耗性、耐食性に優れ
た炭素含有耐火物及びその製造方法を提供することにあ
る。
び炭素材料を含む炭素含有耐火物において、・軟化温度
が80〜220℃未満のピッチ粉末、又は、該ピッチ粉末に
軟化温度が220℃以上のピッチ粉末を併用添加するこ
と、を特徴とし、また、該炭素含有耐火物の製造方法に
おいて、・軟化温度の低いピッチ粉末の軟化温度より少
なくとも20℃以上高い温度でベーキングすること、を特
徴とし、これにより前記目的とする炭素含有耐火物及び
その製造方法を提供するものである。
性骨材及び炭素材料を含む炭素含有耐火物において、該
耐火性骨材及び炭素材料原料配合物100重量%に対し、
軟化温度が80〜220℃未満のピッチ粉末を0.1〜3重量%
(又は該ピッチ粉末に軟化温度が220℃以上のピッチ粉
末0.1〜5重量%)を含有してなることを特徴とする炭素
含有耐火物。」を要旨とする。
は、「耐火性骨材及び炭素材料を含む炭素含有耐火物の
製造方法において、耐火性骨材及び炭素材料原料配合物
100重量%に対し、軟化温度が80〜220℃未満のピッチ粉
末を0.1〜3重量%、又は、該ピッチ粉末に軟化温度が22
0℃以上のピッチ粉末0.1〜5重量%を併用添加し、混合
し、成形した後、該成形体を軟化温度が80〜220℃未満
のピッチ粉末より少なくとも20℃以上高い温度でベーキ
ングすることを特徴とする炭素含有耐火物の製造方
法。」を要旨とする。
等は、炭素含有耐火物において、その結合剤として従来
用いられていた固定炭素量の多い、軟化温度の高いピッ
チ粉末にかえて、・従来使用されていなかった軟化温度
の低いピッチ粉末を用いること、又は、・この軟化温度
の低いピッチ粉末と軟化温度の高いピッチ粉末との2種
類のピッチ粉末(軟化温度の異なる2種類のピッチ粉末)
を併用添加すること、が非常に有効であることを発見
し、本発明を完成したものである。
0〜220℃未満)のピッチの作用について説明すると、軟
化温度の低いピッチ粉末は、軟化、溶融時の粘性が低い
ため、周辺組織への分散性に優れており、微細な領域ま
で侵入する。そして、炭素含有耐火物に添加された軟化
温度の低いピッチ粉末は、温度の上昇過程において、軟
化、溶融した後に自身から発生する揮発分のガス圧によ
り周辺組織中へと押し出され、微細な領域に至るまで広
範囲にわたって分散する。
圧で組織中の広範囲に分散することにより、この組織中
に3次元的な網目状のピッチ膜のネットワークが形成さ
れることになる。そして、分散した軟化温度の低いピッ
チは、その後の温度上昇と共に炭化が進行して約500℃
で完全に固体となり、さらなる温度上昇によって残留水
素等の脱離が徐々に進行して強固な炭素体へと変化す
る。
非常に微細な領域にまで強固なカ−ボンボンドが形成さ
れて組織が強化され、耐食性、耐摩耗性が向上する。ま
た、ピッチ(低軟化温度のピッチ)から発生したガスが耐
火物系外へと放散する際、組織の気孔中に存在する
O2、CO2等の酸化性ガスも同時に系外へと放出され
る。その結果、組織内の酸素分圧が低く保持され、低温
域における炭素の酸化が抑制されるために強固なカーボ
ンボンドが形成される。
ッチ粉末を用いることにより、従来法では解決できなか
った高耐用性の炭素含有耐火物、特に耐スポ−リング
性、耐摩耗性、耐食性に優れた炭素含有耐火物を提供す
ることができる。
0〜220℃未満)のピッチ粉末と従来使用されている高軟
化温度(軟化温度:220℃以上)のピッチ粉末との2種類
のピッチ粉末を併用添加することができる。この場合、
高軟化温度のピッチ粉末は、温度の上昇過程において、
低軟化温度のピッチが溶融、分散した後に軟化し、同様
に自身から発生する揮発分のガス圧によって周辺組織へ
と分散、あるいは密着する。
性が高いため分散能力に乏しく、周辺組織にわずかに侵
入するか、あるいは密着する程度であり、その結果、高
軟化温度のピッチは、内部に空隙を有する粒状物として
組織中に存在することになり、この粒状物が周辺組織に
密着した状態となる。このように分散、密着した高軟化
温度のピッチは、その後の温度上昇と共に約500℃で炭
化が終了して完全に固体となり、さらなる温度上昇によ
って残留水素等の脱離が徐々に進行し、強固な炭素体へ
と変化する。
のピッチ粉末を併用添加する場合、高軟化温度のピッチ
粉末が軟化する温度域においては、すでに低軟化温度の
ピッチが予め組織中の広範囲にわたって分散しているた
め、軟化温度の異なるピッチ同士の結合が増大する。そ
の結果、低軟化温度のピッチに由来する網目状の炭素膜
に、高軟化温度のピッチ粉末に由来する、内部に空隙を
有する粒状物が結合した炭素体が組織中に生成する。
成によって、耐火物全体の空隙量が増大することにな
り、この空隙量が増大すると、弾性率が低下することが
知られており、従って、高軟化温度のピッチ粉末に由来
する粒状物の生成によって、耐火物の弾性率が低下する
ことになる。また、一般に空隙の増大は、強度の低下を
もたらすが、本発明の併用の場合、この粒状物は周辺組
織に密着すると共に低軟化温度のピッチに由来する炭素
膜と強固に結合しているため、逆に耐火物の強度は向上
する。
次式で表現される熱衝撃破壊抵抗係数Rが増大し、熱衝
撃時の亀裂発生に対する抵抗性が向上する作用が生じ
る。 R=S(1−ν)/αE (但し、S:強度、ν:ポアソン比、α:熱膨張係数、E:
弾性率を示す)
末を併用添加する場合の両ピッチ粉末の“軟化温度の
差”について説明する。一般に炭素含有耐火物には、カ
ーボンボンドの獲得のためにバインダーとしてフェノー
ル樹脂が使用されている。
度域で硬化して最高強度を発現するが、200℃以上の温
度域になると分解反応が進行し、次第に強度が低下す
る。フェノール樹脂の分解が進行して耐火物の強度が低
下する温度域において、耐火物内部から発生する揮発分
が多すぎると、高いガス圧によって組織が崩壊する場合
がある。軟化点の高いピッチ粉末を添加する場合も、こ
のような組織崩壊に十分留意する必要がある。
る場合には、低軟化温度のピッチが分散する過程で揮発
分の通過経路が予め形成されるため、その後温度が上昇
したときにも高軟化温度のピッチからのガスの放出が無
理なく行われ、耐火物を破壊することなく、良好な組織
を維持することができる。従って、本発明に使用する2
種類のピッチ粉末は、その軟化温度の差が大きいほど好
ましく、この差が少なくとも30℃以上であることが有効
である。軟化温度の差が30℃未満の場合には、揮発分の
放出される温度域が近くなるため発生ガスの圧力が大き
くなり、耐火物組織を破壊する傾向が生じるので好まし
くない。
度の低いピッチ粉末は、その軟化温度が80〜220℃未満
であることが望ましい。軟化温度が80℃未満の場合、ま
ず粉末状の原料を調整することが困難であり、また調整
した粉末原料を保存する場合に僅かな気温の上昇によっ
て粉末が軟化、融着するため、工業的に取扱うことが困
難となる。一方、軟化温度が220℃以上の場合、軟化、
溶融した時点での粘性が高いために流動性に欠け、自身
から発生したガスの圧力によっても周辺へと広がること
がなく、従って組織中の微細な空隙には侵入できず、カ
ーボンボンドを強化する効果が十分に得られないので好
ましくない。
粉末は、その添加量を0.1〜3重量%の範囲内とすること
が望ましい。添加量が0.1重量%未満の場合、期待する
効果が十分に得られず、一方、3重量%を越えると、耐
火物全体としてのガス発生量が多くなり、温度上昇時に
おける亀裂の発生及び気孔率の上昇をまねき、その結果
炭素含有耐火物の耐用性を低下させることになるので好
ましくない。
特に限定されるものではないが、0.01〜2mmの粒度範囲
が望ましい。2mmよりも大きい粒度では組織への分散性
が悪くなり、また0.01mmよりも小さい粒度になると、粉
砕などの粒度調整のためのコストが高くなり、耐火物製
造時の混練性及び成形性も低下するため好ましくない。
軟化温度のピッチ粉末は、その軟化温度が220℃以上で
あることが望ましい。軟化温度が220℃未満の場合に
は、軟化時の粘性が低いため周辺組織へと分散してしま
い、本発明で目的とする“内部に空隙を有する粒状の炭
素化物”を生成しないので好ましくない。
ないが、400℃を越えると軟化時の粘性が非常に高くな
るため軟化温度の測定そのものが困難となり、軟化温度
という概念も定義の不明確なものとなる。また、ピッチ
は、500℃程度になると炭化反応が急速に進行して固化
することから、軟化点としての上限は、実質上450℃程
度になるものと考えられる。
量が0.1〜5重量%の範囲内とすることが望ましい。添加
量が0.1重量%未満の場合、期待する効果が十分に得ら
れず、また5重量%を越えると、耐火物全体としてのガ
ス発生量が多くなり、温度上昇時における亀裂の発生及
び気孔率の上昇をまねき、その結果炭素含有耐火物の耐
用性を低下させることになるので好ましくない。
は、特に限定されるものではないが、0.005〜0.5mmの粒
度範囲が望ましい。0.5mmよりも大きい粒度では組織へ
の分散性が悪くなり、また0.005mmよりも小さい粒度に
なると、粉砕などの粒度調整のためのコストが高くな
り、耐火物製造時の混練性及び成形性も低下するため好
ましくない。
温度のピッチ粉末は、上記の考え方に従う限り特に限定
されるものではないが、代表的なものとして例を挙げる
と、コールタールピッチ、石油ピッチ、合成ピッチ、木
タールピッチ等である。なお、本発明の炭素含有耐火物
は、上記のピッチ粉末と易酸化性の金属粉末とを併用添
加することもできる。
マグネシア、スピネル、カルシア、ドロマイト、アルミ
ナ、シリカ、ジルコニア、ジルコン等の酸化物や炭化珪
素、窒化珪素、窒化ほう素、炭化ほう素、ほう化ジルコ
ニウムなどの非酸化物を挙げることができる。また、本
発明に使用できる炭素材料としては、鱗状黒鉛、土状黒
鉛等の天然黒鉛や人造黒鉛、電極屑、炭素繊維、熱分解
炭素等である。
類、本発明の炭素含有耐火物の使用目的によっても異な
るが、炭素材料2〜40重量%及び耐火性骨材60〜98重量
%の範囲内が好ましい。炭素材料が2重量%未満の場
合、炭素材料のスラグに対し濡れ難いという特性を十分
発揮できず、また40重量%を越えると強度的にも十分な
ものが得られないので好ましくない。
について説明する。本発明では、耐火性骨材と炭素材料
よりなる原料配合物に低軟化温度(軟化温度:80〜220℃
未満)のピッチ粉末、又はこのピッチ粉末と高軟化温度
(軟化温度:220℃以上)のピッチ粉末とを添加、混練
し、成形した後、150〜500℃程度でベーキングし、不焼
成の炭素含有耐火物製品を製造することができる。ま
た、上記炭素含有耐火物を600〜1500℃程度の還元雰囲
気あるいは無酸化雰囲気で焼成して焼成品を製造するこ
ともできる。
温度とベーキング温度とがほぼ類似の温度域にあること
から、該ピッチの分散挙動を制御する意味において特に
ベーキング温度が重要である。即ち、本発明の炭素含有
耐火物を製造する段階で低軟化温度のピッチ粉末の分散
をほぼ終了させておくことが必要であり、このため、本
発明においては、使用する低軟化温度のピッチ粉末の軟
化温度よりも高い温度でベーキングする必要がある。
20℃以上高い温度でベーキングすることが有効である。
ベーキング温度が該ピッチの軟化温度に20℃を加算した
温度よりも低い場合には、該ピッチの分散が十分進行し
ていない段階で製品となるため、実際に使用される際の
昇温によって組織が破壊されるため好ましくない。
チ粉末は、溶融後の組織への分散挙動が昇温速度によっ
て大きく異なる。昇温速度が早いと、該ピッチからのガ
ス発生が急激に起こり、組織が破壊されるのでこの昇温
速度についても重要である。なお、転炉、取り鍋等、本
発明の炭素含有耐火物の使用現場においては、一般に初
期の昇温速度が早く、また工場によってまちまちとなっ
ているのが現状である。
本発明の炭素含有耐火物及びその製造方法をより詳細に
説明する。ここで、以下の実施例及び比較例で使用する
低軟化温度(軟化温度:80〜220℃未満)のピッチ(ピッチ
A〜C)及び高軟化温度(軟化温度:220℃以上)のピッチ
(ピッチD、E)を表1に示す。
ネシア・カーボン系耐火物”に係る実施例である。前記
表1に示すピッチを含む各種原料を表2、3に示す配合
比率で配合し、混練した後、場合によっては造粒した
後、1800kgf/cm2の圧力で230×114×65mmの寸法に加圧
成形した。この成形体を表2、3中に示す所定の温度に
て10時間ベーキングし、場合によっては1000℃にて還元
焼成して試料を作製した。この試料の気孔率(ベーキン
グ後の見掛け気孔率)を表2、3に示す。
した後の気孔率、熱間曲げ強さ及び耐熱衝撃性の評価を
行った。その結果を表2、3に示す。なお、表2、3中
の「熱硬化性樹脂(*1)」は、バインダーとして添加す
る液体フェノール樹脂を示し、また、同「熱衝撃テスト
後の発生亀裂数(*2)」は、試料を1600℃の溶鉄に浸漬
した時に発生する亀裂の本数を一定の規則に従って数値
化したもの[参考文献:耐火物,44[2],75(1992)]であ
る。
示すピッチを含む各種原料を表2、表3に示す配合比率
で配合し、前記実施例と同様にして試料を作製した。ま
た、得られた試料について、前記実施例と同様の試験及
び評価を行い、その結果を同じく表2、3に示す。
“アルミナ・カーボン系耐火物”に係る実施例である。
前記表1に示すピッチを含む各種原料を表4、5に示す
配合比率で配合し、前記実施例と同様にして試料を作製
した。この試料のベーキング後の見掛け気孔率を表4、
5に示す。
1400℃にて還元焼成した後の気孔率、熱間曲げ強さ及び
耐熱衝撃性の評価を行った。その結果を表4、5に示
す。なお、表4、5中の「熱硬化性樹脂(*1)」は、バ
インダーとして添加する液体フェノール樹脂を示し、ま
た、同「熱衝撃テスト後の発生亀裂数(*2)」は、試料
を1600℃の溶鉄に浸漬した時に発生する亀裂の本数を一
定の規則に従って数値化したもの[参考文献:耐火物,4
4[2],75(1992)]である。
に示すピッチを含む各種原料を表4、5に示す配合比率
で配合し、前記実施例と同様にして試料を作製した。こ
の試料のベーキング後の見掛け気孔率を表4、5に示
す。また、得られた試料について、前記実施例と同様の
測定を行い、その測定結果を同じく表4、5に示す。
素含有耐火物は、還元焼成後の気孔率が適正範囲内であ
り、熱間強度が高く、かつ熱衝撃試験による発生亀裂が
少ないという特性を有し、この3特性が同時に満足され
ていることが理解できる。従って、本発明の炭素含有耐
火物は、耐食性、耐摩耗性、耐スポーリング性に同時に
優れていることは明らかである。
(80〜220℃未満の軟化温度)のピッチ粉末、又は、該ピ
ッチ粉末に高軟化温度(220℃以上の軟化温度)のピッチ
粉末を併用添加することを特徴とし、この低軟化温度の
ピッチが微細な空隙に侵入して強固なカーボンボンドを
形成する効果が生じる。また、高軟化温度のピッチ粉末
を併用することにより、上記効果に加えてさらに内部に
空隙を有する粒状の炭素化物の存在によって強度/弾性
率比が向上する効果が生じる。
は、低軟化温度のピッチ粉末の軟化温度より少なくとも
20℃以上高い温度でベーキングすることを特徴とし、こ
れにより熱間曲げ強度が向上する効果が生じる。そし
て、本発明によれば、耐スポーリング性、耐摩耗性、耐
食性に優れた炭素含有耐火物を提供することができる。
Claims (4)
- 【請求項1】 耐火性骨材及び炭素材料を含む炭素含有
耐火物において、該耐火性骨材及び炭素材料原料配合物
100重量%に対し、軟化温度が80〜220℃未満のピッチ粉
末を0.1〜3重量%含有してなることを特徴とする炭素含
有耐火物。 - 【請求項2】 耐火性骨材及び炭素材料を含む炭素含有
耐火物において、該耐火性骨材及び炭素材料原料配合物
100重量%に対し、軟化温度が80〜220℃未満のピッチ粉
末0.1〜3重量%及び軟化温度が220℃以上のピッチ粉末
0.1〜5重量%含有してなることを特徴とする炭素含有耐
火物。 - 【請求項3】 前記軟化温度が80〜220℃未満のピッチ
粉末と軟化温度が220℃以上のピッチ粉末との軟化温度
の差が少なくとも30℃以上であるピッチ粉末を併用する
ことを特徴とする請求項2記載の炭素含有耐火物。 - 【請求項4】 耐火性骨材及び炭素材料を含む炭素含有
耐火物の製造方法において、耐火性骨材及び炭素材料原
料配合物100重量%に対し、軟化温度が80〜220℃未満の
ピッチ粉末を0.1〜3重量%、又は、前記ピッチ粉末に軟
化温度が220℃以上のピッチ粉末0.1〜5重量%を併用添
加し、混合し、成形した後、該成形体を軟化温度が80〜
220℃未満のピッチ粉末より少なくとも20℃以上高い温
度でベーキングすることを特徴とする炭素含有耐火物の
製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5294461A JP2592221B2 (ja) | 1993-10-29 | 1993-10-29 | 炭素含有耐火物及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP5294461A JP2592221B2 (ja) | 1993-10-29 | 1993-10-29 | 炭素含有耐火物及びその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07126060A true JPH07126060A (ja) | 1995-05-16 |
JP2592221B2 JP2592221B2 (ja) | 1997-03-19 |
Family
ID=17808084
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JP5294461A Expired - Fee Related JP2592221B2 (ja) | 1993-10-29 | 1993-10-29 | 炭素含有耐火物及びその製造方法 |
Country Status (1)
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---|---|
JP (1) | JP2592221B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8420006B2 (en) | 2008-03-05 | 2013-04-16 | Seiko Epson Corporation | Method of manufacturing translucent ceramic and orthodontic member |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS57100975A (en) * | 1980-12-11 | 1982-06-23 | Kawasaki Rozai Kk | Method and device for manufacturing carbon-containing refractories |
JPH04124056A (ja) * | 1990-09-13 | 1992-04-24 | Shinagawa Refract Co Ltd | 炭素含有耐火物 |
-
1993
- 1993-10-29 JP JP5294461A patent/JP2592221B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JP2592221B2 (ja) | 1997-03-19 |
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