JPH07125939A - 流体圧式エレベータの沈下防止装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【構成】乗りかご２に設置した検出器６によって乗客７
ｂ，荷物等の乗降を検知し、その信号に基づいてプラン
ジャ３の制動装置５により制動を掛ける、流体圧式エレ
ベータの沈下防止装置。 【効果】従来の沈下防止装置より、小型化することがで
きる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、流体圧式エレベータの
沈下防止装置に係り、特に流体圧エレベータの停止位置
において、乗客，荷物等の乗降中に乗りかごが沈下また
は浮上することを防止するとともに、流体圧ジャッキの
制動装置を小型化するエレベータの制御方式に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来の流体圧式エレベータの沈下防止装
置、及びその制御方式の例として油圧エレベータを用い
て説明する。油圧エレベータは乗りかごを保持している
のが圧油のため、乗客の乗り降りや荷物の積降しによる
エレベータの乗りかご内の負荷の変化により圧油が収縮
または膨張するためエレベータホール床とかご床との間
に着床レベル差が生じる。この着床レベルの差を補正す
るエレベータの動作は、乗客に不安を与え、着床レベル
の差は、荷物の搬送用台車の搬入，搬出を困難とする原
因となり問題となる。

【０００３】乗りかごの着床レベルの差を補正する動作
を防止するためには、プランジャを制動すればよい。実
開昭58−16767 号公報では油圧ジャッキにプランジャ制
動装置を設け停止時にはプランジャをブレーキで制動す
る提案がなされている。しかし、従来のプランジャへの
制動力は、パッキンの摩擦力が主体のため乗りかごの負
荷に対しては制動力が不足し、負荷を全て支えるために
は非常に大型の装置が必要となり実現には困難であっ
た。さらにエレベータが停止位置に停止した後、エレベ
ータが起動するまで、制動装置によりプランジャに制動
を掛け続ける。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】前項の従来技術におい
て、エレベータが停止してから再び起動するまで、乗
客，荷物等の乗降に関係なく制動装置によりプランジャ
に制動を掛けていたため、制動装置によるプランジャへ
の制動時間が長時間に及ぶという現象が起きていた。こ
れにより制動装置への負担が大きくなり装置自体の大型
化につながっている。さらに制動時間が長くなることに
より、負荷の増減や油漏れなどによりプランジャにかか
る負荷とプランジャの支持力との間に差が生じ、その結
果エレベータの起動時の起動ショックが大きくなるとい
う問題点があった。

【０００５】本発明の目的は、制動時間を短縮すること
により、制動装置の小型化を図ることにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するため、乗降口に検出器を設け、それよりの信号をも
とに制動装置によりプランジャに制動を掛ける。また乗
客，荷物等の乗降があることを検知した場合のみ制動装
置によりプランジャに制動を掛け、乗客，荷物等の乗降
が一定時間ない場合は、制動装置によるプランジャへの
制動を解除する。

【０００７】

【作用】本発明は、負荷の増減を検知し制動装置により
制動を掛けるため、制動装置の駆動時間を短縮できるの
で装置の小型化を実現することができる。さらに乗客も
しくは荷物の乗降の情報を得ることが出来るので、エレ
ベータの起動時に有効な情報を得ることが可能となる。

【０００８】

【実施例】以下、本発明の一実施例を図１ないし図３に
基づいて説明する。ここでは、流体圧式エレベータの中
から、最も一般的なものである油圧式エレベータを用い
て説明する。図１において、１は昇降路、２は乗りか
ご、３は乗りかご２を昇降させるプランジャ、４はプラ
ンジャ３を出没させるシリンダ、５はプランジャ３の制
動装置、６は乗客もしくは荷物の動きを検知する検出
器、７ａはホールで乗りかご２を待つ乗客、７ｂは乗り
かご２に乗っている乗客、８は制動装置５の制御装置。

【０００９】次に本実施例の動作を説明する。本実施例
では、乗客の乗降時における動作を示し、乗客の乗降が
ない状態が１分間継続した場合、プランジャ３の制動を
釈放するものとする。始めに乗客の乗車時の動作を説明
し、次に乗客の降車時の動作を説明する。

【００１０】いま乗りかご２が目的階に到着したとす
る。この時点ではプランジャ３の制動装置５は制動を掛
けていない。

【００１１】まず最初に乗客７ａが乗りかご２へ乗り込
む場合、最初に検出器６が乗客７ａを検知し、制御装置
８へ信号を送る。制御装置８は信号が検出器６から送ら
れてきたことを記録し、プランジャ３の制動装置５によ
りプランジャ３に制動を掛ける。次に、検出器６が乗り
込みを検知し、制御装置８へ信号を送る。制御装置８は
この信号によって、乗り込みであることを記録する。そ
の後、エレベータが起動するまでプランジャ３の制動装
置５によってプランジャ３に制動を掛ける。

【００１２】次に乗客７ｂが乗りかご２から降りる場
合、最初に検出器６が乗客７ｂを検知し、制御装置８へ
信号を送る。制御装置８は信号が検出器６から送られて
きたことを記録し、プランジャ３の制動装置５によりプ
ランジャ３に制動を掛ける。次に、検出器６が降車を検
知し、制御装置８へ信号を送る。制御装置８はこの信号
によって、降車であることを認識する。その後エレベー
タが起動するまでプランジャ３の制動装置５によってプ
ランジャ３に制動を掛ける。ただし、乗客の乗降がない
状態が１分間継続した場合は、プランジャ３の制動装置
５による制動を釈放し、インチング動作を行い着床レベ
ルの補正を行う。

【００１３】

【発明の効果】本発明により、従来の流体圧エレベータ
の沈下防止装置と比較して、より小型の沈下防止装置と
することが出来る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示す説明図。

【図２】プランジャ制動装置の制御フローチャート。

【図３】制動装置による制動時間タイムチャート。

【図４】制動装置による制動時間タイムチャート。

【符号の説明】

１…昇降路、２…乗りかご、３…プランジャ、４…シリ
ンダ、５…プランジャ制動装置、６…検出器、７ａ，７
ｂ…乗客、８…制御装置。

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】昇降路にシリンダとプランジャからなり乗
   りかごを直接的または間接的に昇降させる流体圧ジャッ
   キと、前記プランジャの制動装置からなる流体圧エレベ
   ータにおいて、前記乗りかごへの乗客，荷物等の乗降を
   検知する検出器を設け、前記検出器からの信号に応じ
   て、前記プランジャに制動を掛けることを特徴とする流
   体圧式エレベータの沈下防止装置。
2. 【請求項２】請求項１において、前記検出器が乗客，荷
   物等の乗降を検知した場合のみ制動装置によりプランジ
   ャに制動を掛ける流体圧式エレベータの沈下防止装置。
3. 【請求項３】請求項１または２において、乗客，荷物等
   の乗降が一定時間以上検知されない場合、制動装置によ
   るプランジャの制動を解除する流体圧式エレベータの沈
   下防止装置。