JPH07125700A - 宇宙環境試験装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 真空容器内部の試験体と真空容器外部の光源
装置等とを所定の位置にセットして相互の調整を行うこ
とができ、調整後に真空容器の扉を閉じることができる
宇宙環境試験装置を提供する。 【構成】 横向円筒状の真空容器２の端部に開閉扉４を
設けた宇宙環境試験装置において、前記扉４の上方に設
けた上部レール８に扉４を吊持し、該扉４を真空容器２
の開口部に対して横方向に開閉させる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、宇宙環境試験装置に関
し、詳しくは、真空容器の端部に設けられた光学窓を有
する扉の開閉構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】宇宙環境試験装置の真空容器には、該容
器内に試験体を搬入・搬出するための扉が設けられてい
る。また、真空容器の壁面には、試験体を監視するため
の観測用の窓や、光学部品の光学試験用の光を導入する
ための光学窓が取付けられている。

【０００３】上記光学試験においては、試験のために試
験体に光，赤外線等を供給するための光源となる装置が
必要である。この光源装置は、試験体と共に真空容器内
に設置することが理想的であるが、そのためには非常に
大きな真空容器が必要となることや、光源装置も模擬宇
宙環境下で機能するように製作する必要があるなどの問
題があることから、通常の宇宙環境試験装置では、光源
装置を真空容器の外部に設置し、前記光学窓を介して試
験体に各種光を供給するようにしている。

【０００４】また、真空容器内を真空排気した後では、
試験体と光学装置との位置調整等が困難であることか
ら、真空容器の扉を開いた状態で試験体と光源装置との
光軸合わせなどの調節を行った後、扉を閉じて真空容器
内の真空排気を行うことが望ましい。

【０００５】一方、真空容器の形状としては円筒形が最
も適しており、かつ、円筒形容器の扉は円筒端部に設け
ることが最良であるが、真空容器内を有効に利用するた
めには、試験体と光源装置とを円筒軸に平行に設置する
ことが好ましい。このため、光学窓は、扉に取付けるこ
とが最も好ましい状態といえる。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
宇宙環境試験装置における真空容器の扉は、ヒンジ開閉
式あるいは真空容器の軸線方向に前後進して開閉する方
式を採用しているため、扉に光学窓を取付けた場合は、
扉の開閉スペースの関係から、扉を閉じた後に光源装置
をセットしなければならず、試験体と光源装置との相互
の位置調整等が困難なものとなっていた。

【０００７】そこで本発明は、真空容器内部の試験体と
真空容器外部の光源装置等とを所定の位置にセットして
相互の調整を行った後に扉を閉じることができる宇宙環
境試験装置を提供することを目的としている。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ため、本発明の宇宙環境試験装置は、横向円筒状の真空
容器の端部に開閉扉を設けた宇宙環境試験装置におい
て、前記扉の上方に設けた上部レールに扉を吊持し、該
扉を真空容器の開口部に対して横方向に開閉するよう形
成したこと、及び、円筒状の真空容器の端部に、光学窓
を有する開閉扉を設けた宇宙環境試験装置において、前
記扉を、光学窓の光軸に対して直交する方向に開閉する
よう形成したことを特徴としている。

【０００９】

【作 用】上記構成によれば、真空容器の軸線方向、光
学窓の光軸方向に外部装置を設置するスペースを確保す
ることができるので、真空容器内部に設置される試験体
と外部に設置される光源装置等との相互の調整を扉を開
いた状態で行うことができる。

【００１０】

【実施例】以下、本発明を、図面に示す一実施例に基づ
いてさらに詳細に説明する。図１は宇宙環境試験装置の
正面図、図２は同じく平面図である。

【００１１】内部に試験体１を収容する真空容器２は、
横向円筒状の容器本体３と、該容器本体３の両端部に設
けられた扉４，５とからなるもので、該真空容器２の内
部に模擬宇宙空間を形成するため、容器内周には液体窒
素により冷却されるシュラウドが配設されるとともに、
容器内部を真空排気するための真空排気装置が接続され
ている。また、一方の扉４には、真空容器２の外部に設
置された光源装置６からの光を真空容器２内の試験体１
に供給するための光学窓７が取付けられている。

【００１２】上記光学窓７を取付けた扉４は、その上方
に設けられた上部レール８によりガイドされて、真空容
器２の開口部に対して横方向、すなわち、光学窓７の光
軸である光源装置６と試験体１との軸線に対して直交す
る方向に開閉するように形成されている。

【００１３】上部レール８は、真空容器２の扉４側に立
設した複数本の柱９，９により支持されており、該上部
レール８には、扉４を吊持するアーム１０の上端部に設
けられた戸車部１１が係合している。この戸車部１１
は、上部レール８の一端に設けられた駆動部１２に接続
されたチェーン１３に連結されており、駆動部１２の作
動により扉４が開閉するように形成されている。

【００１４】また、扉４は、閉じ位置で僅かに容器軸線
方向に移動可能に形成されており、真空シール面を傷付
けないように配慮されている。また、開閉移動中の扉４
の揺動を防止するため、必要に応じて床面にガイドレー
ル１４を設け、扉４の下部にガイドレール１４にガイド
されるガイド部材１５を設けることができる。

【００１５】このように扉４を容器開口に対して横方向
に開閉するように形成することにより、真空容器２の開
口近くに外部機器、特に精密な位置調整を必要とする光
源装置６を設置することができ、しかも、扉４を開いた
状態で所定の位置にセットした光源装置６と試験体１と
の相互の位置調整等を行うことができ、従来のように扉
を閉じてから装置をセットして調整を行うのに比べ、調
整操作を容易かつ確実に行うことができる。

【００１６】さらに、扉４を上吊り形式にしたので、扉
４の転倒の危険性もほとんどなく、また、容器開口前の
床面には、必要に応じてガイドレール１４が設けられる
のみであるから、容器開口前のスペースを有効に利用す
ることができる。

【００１７】なお、扉４の開閉方向は、上記実施例に示
すように、扉４を上吊り形式として横（水平）方向に開
閉移動させるのが、構造上や開閉作動の面から最も好ま
しいが、光源装置６と試験体１との関係からは、扉４に
設けた光学窓７の光軸と直交する方向に扉４が開閉すれ
ば、いずれの方向でも光源装置６と試験体１との調整を
上記のようにして行うことが可能であり、例えば、扉の
両側にガイドレールを立設して扉を垂直方向に開閉させ
てもよく、斜め方向にスライドさせるようにしてもよ
い。

【００１８】

【発明の効果】以上説明したように、本発明の宇宙環境
試験装置は、真空容器の開口に対して横方向に、あるい
は、光学窓の光軸に直交する方向に扉を開閉移動するよ
うにしたので、容器外部に設置される光源装置等と、容
器内部に設置される試験体との相互の位置調整等を、両
者を所定の位置にセットした状態で行うことができ、調
整操作を容易に、かつ、確実に行うことができる。特
に、扉を上吊り形式にすることにより、扉の転倒防止性
に優れるとともに、容器開口前の床面のスペースを有効
に利用することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の一実施例を示す宇宙環境試験装置の
正面図である。

【図２】 同じく平面図である。

【符号の説明】

１…試験体、２…真空容器、４…扉、６…光源装置、７
…光学窓、８…上部レール

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 横向円筒状の真空容器の端部に開閉扉を
   設けた宇宙環境試験装置において、前記扉の上方に設け
   た上部レールに扉を吊持し、該扉を真空容器の開口部に
   対して横方向に開閉するよう形成したことを特徴とする
   宇宙環境試験装置。
2. 【請求項２】 円筒状の真空容器の端部に、光学窓を有
   する開閉扉を設けた宇宙環境試験装置において、前記扉
   を、光学窓の光軸に対して直交する方向に開閉するよう
   形成したことを特徴とする宇宙環境試験装置。