JPH0712567A - 自動水平静止方法及び自動水平静止装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 簡単な操作でかつ正確に板状物を水平にし、
水平状態を維持できるようにする。 【構成】 長方形状の平板１の重心と、その裏面の正三
角形の重心とを合致させて、この重心を支点としかつ上
記正三角形の各頂点から下端に等重量の重り３１を取付
けているワイヤ３２を垂直に懸吊して、上記平板を自動
的に水平にする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、例えば測量用平板や
モータの取付けベッド等を水平にする場合に適用される
自動水平静止方法及び自動水平静止装置に関するもので
ある。

【０００２】

【従来の技術】一般に、例えば平板測量の測量において
は、水平角の観測が重要であり、そのために測量時には
平板は、常に水平を保つ必要がある。従来、平板の水平
度を出すために、水平調整ねじ等を用いて水平調整作業
を行っている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来例
によると、水平度が正確に出しにくく、このために測量
距離が長い場合には、小さい水平誤差が大きな測量誤差
となり、精度の高い測量ができない不都合がある。また
水平度を正確に出そうとすると、調整作業に大変時間と
手間がかかっていった。この発明の目的は、簡単な操作
でかつ正確に板状物を自動的に水平にするようにするこ
とにある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】この発明の自動水平静止
方法は、所定形状の板状部の重心と、多角形の重心とを
合致させて、この重心を支点としかつ上記多角形の各頂
点に等重量を垂直に懸吊して、上記板状物を水平にする
ものである。この発明の自動水平静止装置は、所定形状
の板状部と、この板状部の重心を支点として板状部を支
持する支持装置と、上記板状部の裏面の多角形の各頂点
に垂直に懸吊してある等重量の重垂懸吊装置と、水平固
定装置とを具備しており、上記板状部の重心と、多角形
の重心とを合致させて、この重心を支点と上記支持装置
が板状部を水平に支持しているものである。上記板状部
は四角形の平板であって、その対角線の交点を重心とし
て、上記多角形は正三角形である構成とすれば、その構
成が簡単となる。

【０００５】

【作用】板状物をセットし、多角形の頂部から等重量を
懸吊すると、各頂点に垂直に作用する重力により、上記
板状物は自動的に水平を保って静止することになる。

【０００６】

【実施例】以下この発明の実施例を図面を参照して説明
する。図１〜図３に示す自動水平静止装置を説明する。
四角形の平板１の裏面に正三角形状の板体１１を固着し
てある。平板の重心位置と板体１１の重心位置とは合致
している。そして板体１１の中央部である重心位置に
は、逆円錐形状の水平バランス体１２を取付けてある。
図３に示すように水平バランス体１２の軸心Ｇａは、平
板１の重心Ｇである対角線の交点と一致している。平板
１の重心Ｇを支点として、すなわち水平バランス体１２
の軸心Ｇａを支点として、平板は支持装置２によって支
持されている。

【０００７】支持装置２は、三脚２１と、各三脚の頭部
に取付けてある支持体２２と、この支持体上に設けた受
皿部２３とを具備している。受皿部２３の凹球面に水平
バランス体１２の下部頂部が支持されている。

【０００８】平板１を自動的に水平にし、かつ水平状態
を保てるようにするために、平板の裏面側に重垂懸吊装
置３及び水平固定装置５を設けてある。重垂懸吊装置３
を説明すると、平板１の裏面の板体１１には、その裏面
にこの板体と相似形に描かれた正三角形４（図２）の各
頂点４１に位置している取付け体３３からはそれぞれ下
端に重り３１を取付けたワイヤ３２を懸吊してある。各
ワイヤ３２の長さは互いに等しく、そしてワイヤに取付
けられている重り３１も互いに等重量に設定されてい
る。正三角形４の重心は、平板１の重心Ｇと合致されて
いる。

【０００９】水平固定装置５を説明すると、取付け体３
３に一端を取付けられた３本のワイヤ５１は、支持体２
２の上部に取付けてある各プーリー５２にそれぞれ掛け
回されて、その下方部は支持体の下部に設けてあるチャ
ック５３を経て垂下され、下端部に小さな重り５４を取
付けてある。各ワイヤ５１は、チャック５３を開閉する
ねじ５５の操作によって一体的にその移動が拘束され
る。ワイヤ５１の拘束を確実なものとするために、ワイ
ヤの断面を例えば四角形にして摩擦抵抗を高くするもの
とする。

【００１０】次に、平板１の自動水平静止方法を説明す
る。まず、図１に示すように平板１、支持装置２及び重
垂懸吊装置３をセットし、ついで平板の水平が保たれた
段階で、ねじ５５をねじ込んで、チャック５３の開口を
絞って各ワイヤ５１をチャック内部で拘束する。この結
果、ワイヤ５１で下方に引張られている平板は、継続的
に水平バランス体１２の下部頂部が受皿部２３に強く押
付けられるから、平板は固定され、その水平状態が維持
されることになる。

【００１１】板状物は、４角形の平板に限られず、また
重垂懸吊装置３のワイヤ３２の取付け位置は、正三角形
４の頂点に限られず、多角形の各頂点でもよい。また水
平固定装置は、上例ではワイヤ５１をチャック５３で拘
束する構成としたが、必ずしもこの例に限られず、図４
に示すように例えば水平バランス体１２と受皿部２３と
の間を油圧等を利用した水平固定装置５Ａで連結固定す
るようにしてもよい。水平を求める板状物の適用範囲は
測量の分野に限られず、例えばポンプとモータとの芯出
しを正確にするための取付けベッド、コンプレッサとモ
ータとの芯出しを正確にするための取付けベッド等にも
適用できることは当然である。

【００１２】

【発明の効果】この発明の方法及び装置によれば、板状
物の重点と多角形の重点を合致させ、多角形の各頂点か
ら等重量を懸吊する構成であるので、簡単な操作でかつ
正確に板状物を水平にすることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の装置の一実施例を示す一部断面拡大
正面図である。

【図２】この発明の装置の一実施例を示す底面図であっ
て、三脚の一部を省略している図である。

【図３】平板と正三角形と水平バランス体との位置関係
を示す説明図である。

【図４】この発明の装置の他の実施例を示す一部断面正
面図である。

【符号の説明】

１ 平板 １２ 水平バランス体 ２ 支持装置 ２２ 支持体 ３ 重垂懸吊装置 ３１ 重り ３２ ワイヤ ４ 正三角形 ４１ 頂点 ５ 水平固定装置 ５１ ワイヤ ５２ プーリー ５３ チャック ５５ ねじ ５Ａ 水平固定装置

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 所定形状の板状部の重心と、多角形の重
   心とを合致させて、この重心を支点としかつ上記多角形
   の各頂点に等重量を垂直に懸吊して、上記板状物を水平
   にすることを特徴とする自動水平静止方法。
2. 【請求項２】 所定形状の板状部と、この板状部の重心
   を支点として板状部を支持する支持装置と、上記板状部
   の裏面の多角形の各頂点に垂直に懸吊してある等重量の
   重垂懸吊装置と、水平固定装置とを具備しており、上記
   板状部の重心と、多角形の重心とを合致させて、この重
   心を支点と上記支持装置が板状部を水平に支持している
   ことを特徴とする自動水平静止装置。
3. 【請求項３】 請求項２において、上記板状部は四角形
   の平板であって、その対角線の交点を重心として、上記
   多角形は正三角形であることを特徴とする自動水平静止
   装置。