JPH0712553U - 電気式ショベル系掘削機のケーブル保護装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 電気式ショベル系掘削機が給電用ケーブル
の長さの範囲を越えて前進する前に自動的に前進走行を
中止させ、給電用ケーブルの破断を防止する。 【構成】 原動機として電動機１３を備え、走行油圧
モータ２８、２９で駆動される下部走行体後部に給電ケ
ーブル用のケーブルリールを枢支している電気式ショベ
ル系掘削機において、ケーブルリールにケーブル巻取残
長が所定長以下であることを検出するセンサ１６を設
け、走行油圧モータ２８、２９の走行切換弁７、８に走
行操作比例圧力制御弁５から接続された前進側パイロッ
ト管路３２Ｆ、３３Ｆの途中に、センサ１６の検出信号
により前進側パイロット管路３２Ｆ、３３Ｆを遮断する
電磁弁６を設ける。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、電気式ショベル系掘削機のケーブル保護装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

一般に、ショベル系掘削機は油圧駆動であり、油圧ポンプの原動機には内燃機 関を用いたものが多い。しかし、内燃機関を使用すると排気ガスや騒音の発生が 大であり、特に、トンネル掘削等の狭い坑内作業で使用するのは好ましくない。 よって、坑内作業には、油圧ポンプの原動機に電動機を用いた電気式ショベル 系掘削機を使用することが望まれるようになった。

【０００３】 電気式ショベル系掘削機には、上部旋回体に電動機と油圧ポンプとを設置し、 電動機には給電用ケーブルを直接接続し、油圧ポンプから下部走行体に駆動用圧 油を供給するため、上部旋回体と下部走行体との間には、油圧回路を接続する油 圧用旋回継手を設けたものがあるが、これは３６０°旋回する上部旋回体側に給 電用ケーブルが直接接続されているので、上部旋回体が旋回するのに伴って給電 用ケーブルが振り回され掘削作業に支障をきたし、また、走行時には、下部走行 体の走行の障害とならないよう給電用ケーブルを処理するのが面倒である。

【０００４】 そこで、原動機として電動機を備えた電気式ショベル系掘削機において、下部 走行体後部に上部旋回体の旋回軸と平行な回転軸を設け、下部走行体と上部旋回 体との間に、給電用ケーブルを巻取るケーブルリールを前記回転軸で枢支したも のが開発されている。電気式ショベル系掘削機が電源近くにあるとき、このケー ブルリールには給電用ケーブルが巻取られており、電気式ショベル系掘削機が前 進するとケーブルリールが回転して給電用ケーブルを繰出して行く。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

このような電気式ショベル系掘削機は、ケーブルリールに巻取られている給電 用ケーブルの長さの範囲であれば走行可能であるが、それ以上は走行できず、誤 ってこの範囲を越えて走行しようとすると、給電用ケーブルを破断してしまうた め非常に危険である。

【０００６】 本考案は、電気式ショベル系掘削機における上記問題を解決するものであって 、電気式ショベル系掘削機が給電用ケーブルの長さの範囲を越えて前進する前に 自動的に電気式ショベル系掘削機の前進走行を中止させ、給電用ケーブルの破断 を防止する電気式ショベル系掘削機のケーブル保護装置を提供することを目的と する。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

本考案は、原動機として電動機を備えており、走行油圧モータで駆動される下 部走行体の後部に上部旋回体の旋回軸と平行な回転軸を設け、下部走行体と上部 旋回体との間に、給電用ケーブルを巻取るケーブルリールを前記回転軸で枢支し ている電気式ショベル系掘削機において、ケーブルリールにケーブル巻取残長が 所定長以下であることを検出する検出手段を設け、前記走行油圧モータの走行切 換弁に走行操作比例圧力制御弁から接続された前進側パイロット管路の途中に、 前記検出手段の検出信号により管路を遮断する電磁弁を設けることにより、上記 課題を解決している。

【０００８】

【作用】

電気式ショベル系掘削機の走行の際には、給電用ケーブルがケーブルリールに 巻取り、巻戻しされる。電気式ショベル系掘削機が前進して、ケーブルリールの ケーブル巻取残長が所定長以下になると、検出手段が検出信号を出力して電磁弁 を切換え、走行油圧モータの走行切換弁に走行操作比例圧力制御弁から接続され た前進側パイロット管路を遮断するので、走行切換弁が停止側へ切換えられて走 行油圧モータが停止する。

【０００９】 従って、誤って電気式ショベル系掘削機がケーブルリールに巻取られている給 電用ケーブルの長さの範囲を越えて前進することはなく、給電用ケーブルは破断 されない。

【００１０】

【実施例】

図１は本考案の一実施例であるケーブル保護装置を設けた電気式ショベル系掘 削機の構成を説明する側面図、図２は下部走行体の平面図、図３は走行油圧モー タの制御回路図である。 本実施例では、電気式ショベル系掘削機１は、下部走行体１１上に、上部旋回 体１２を設け、この上部旋回体１２上に電動機１３と油圧ポンプ１４とを設置し ている。上部旋回体１２に設置されているオペレータキャビン２５の前方には、 ショベルとこれを支持するブームからなる掘削作業装置（図示略）が取付けられ ている。下部走行体１１の後部には上部旋回体１２の旋回軸Ｓと平行な回転軸Ｒ が立設され、上部旋回体１２と下部走行体１１との間に、ケーブルリール１５が 回転軸Ｒで枢支されている。ケーブルリール１５には、給電用ケーブル１７が接 続されており、給電用ケーブル１７が１巻きされた位置に、センサ１６が取付け られている。このセンサ１６は近接スイッチであり、このセンサ１６の位置から 給電用ケーブル１７が離れるとＯＮとなり信号を出力する。

【００１１】 上部旋回体１２と下部走行体１１との間には、上部旋回体１２の旋回軸Ｓと同 軸に電気油圧用旋回継手２が設けられている。この電気油圧用旋回継手２を介し て、ケーブルリール１５に接続された下部走行体１１側のケーブル１８と電動機 １３に接続された上部旋回体１２側のケーブル１９とが接続されている。 油圧ポンプ１４からは油圧制御弁２１を介して掘削作業装置用の油圧シリンダ や上部旋回体１２の旋回用油圧モータへ駆動管路２３、２４が接続されると共に 、電気油圧用旋回継手２を介して、左右の走行油圧モータ２８、２９に走行用油 圧管路３０、３１が接続されており、走行用油圧管路３０、３１の途中には走行 切換弁７、８が設けられている。走行切換弁７、８は３位置の油圧パイロット操 作切換弁であり、そのパイロットポートには、走行操作比例圧力制御弁５からパ イロット管路３２Ｆ、３２Ｒ、３３Ｆ、３３Ｒが接続されている。そして、前進 側のパイロット管路３２Ｆ、３３Ｆの途中には電磁弁６が設けられている。

【００１２】 電磁弁６は２位置の切換弁であり、そのソレノイドはセンサ１６からの出力信 号によりＯＮとなるリレー１０に接続されている。また、オペレータキャビン１ ４内には警報ランプ９が設置されており、この警報ランプ９は電磁弁６のソレノ イドと並列にリレー１０に接続されている。 掘削作業の際には、電力が下部走行体１１のケーブルリール１５に接続された 給電用ケーブル１７から下部走行体１１側のケーブル１８を経て電気油圧用旋回 継手２を通り、上部旋回体１２に設置された電動機１３に送られる。電動機１３ は油圧ポンプ１４を駆動し、発生した圧油が油圧制御弁２１を介して掘削作業装 置用の油圧シリンダや上部旋回体１２の旋回用油圧モータに供給される。このと き、上部旋回体１２が３６０°旋回しても、給電用ケーブル１７やケーブルリー ル１５に干渉するおそれはなく、給電用ケーブル１７が振り回されて掘削作業に 支障をきたすこともないので、能率よく掘削作業をおこなうことができる。また 、ケーブルリール１５が上部旋回体１２の下方に位置しているため、坑内作業に 使用するとき落石等による給電用ケーブル１７の損傷を防止することができる。

【００１３】 走行の際には、走行操作比例圧力制御弁５のレバーをオペレータが前進又は後 進側へ操作すると、走行切換弁７、８が前進又は後進側へ切換えられるので、電 気油圧用旋回継手２を通って、下部走行体１１の走行油圧モータ２８、２９へ駆 動用圧油が供給される。このとき、ケーブルリール１５は、下部走行体１１の走 行速度に対応して給電用ケーブル１７を巻取り、巻戻しする。電気式ショベル系 掘削機１が前進し、ケーブルリール１５から給電用ケーブル１７が繰出されてケ ーブル巻取残長が１巻き以下になると、センサ１６の位置から給電用ケーブル１ ７が離れるので、センサ１６がＯＮとなり信号を出力する。するとセンサ１６か らの出力信号でリレー１０がＯＮとなってソレノイドが励磁され、電磁弁６が切 換えられて、前進側のパイロット管路３２Ｆ、３３Ｆを遮断する。そこで、走行 切換弁７、８が停止側へ切換えられて走行油圧モータ２８、２９が停止し、電気 式ショベル系掘削機１の前進は中止される。

【００１４】 このとき、リレー１０に接続されているオペレータキャビン１４内の警報ラン プ９が点灯する。オペレータが走行操作比例圧力制御弁５の操作レバーを後進側 に操作し、電気式ショベル系掘削機１を後退させることは可能である。 従って、誤って電気式ショベル系掘削機１がケーブルリール１５に巻取られて いる給電用ケーブル１７の長さの範囲を越えて前進することはなく、給電用ケー ブル１７は破断されない。

【００１５】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案によれば、電気式ショベル系掘削機が給電用ケー ブルの長さの範囲を越えて前進する前に自動的に電気式ショベル系掘削機の前進 走行を中止させ、給電用ケーブルの破断を防止することができるので、安全な操 業が可能で作業能率が向上する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例であるケーブルリールを設け
た電気式ショベル系掘削機の構成を説明する側面図であ
る。

【図２】下部走行体の平面図である。

【図３】走行油圧モータの制御回路図である。

【符号の説明】

１ 電気式ショベル系掘削機 ２ 電気油圧用旋回継手 ５ 走行操作比例圧力制御弁 ６ 電磁弁 ７ 走行切換弁 ８ 走行切換弁 ９ 警報ランプ １０ リレー １１ 下部走行体 １２ 上部旋回体 １３ 電動機 １４ 油圧ポンプ １５ ケーブルリール １６ センサ １７ 給電用ケーブル １８ ケーブル １９ ケーブル ２８ 走行油圧モータ ２９ 走行油圧モータ ３０ 走行用油圧管路 ３１ 走行用油圧管路 ３２Ｆ パイロット管路 ３３Ｆ パイロット管路 Ｓ 旋回軸 Ｒ 回転軸

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 原動機として電動機を備えており、走行
   油圧モータで駆動される下部走行体の後部に上部旋回体
   の旋回軸と平行な回転軸を設け、下部走行体と上部旋回
   体との間に、給電用ケーブルを巻取るケーブルリールを
   前記回転軸で枢支している電気式ショベル系掘削機にお
   いて、ケーブルリールにケーブル巻取残長が所定長以下
   であることを検出する検出手段を設け、前記走行油圧モ
   ータの走行切換弁に走行操作比例圧力制御弁から接続さ
   れた前進側パイロット管路の途中に、前記検出手段の検
   出信号により管路を遮断する電磁弁を設けたことを特徴
   とする電気式ショベル系掘削機のケーブル保護装置。