JPH07125270A - 熱転写式プリンタ及びその記録方法 - Google Patents

熱転写式プリンタ及びその記録方法

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JPH07125270A
JPH07125270A JP5292758A JP29275893A JPH07125270A JP H07125270 A JPH07125270 A JP H07125270A JP 5292758 A JP5292758 A JP 5292758A JP 29275893 A JP29275893 A JP 29275893A JP H07125270 A JPH07125270 A JP H07125270A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 昇華性インクと、ワックスブラック及び保護
層の溶融型インクとを別々の転写フィルムとして分離す
ることにより、両者の転写の条件設定を容易にして高品
質画像の印刷を維持可能する一方、保護層転写リボンの
ベースフィルムの厚さを小さくし熱感度を高く維持する
ことを可能とする。 【構成】 イエロー、マゼンタ、シアン等の熱昇華性の
単色インク層を3色以上ベースフィルム上に面順次に繰
り返し設けた転写フィルム58を用いて、給紙セクショ
ンから供給されたシートに、サーマルヘッド52下で熱
転写により画像を印刷する第1の印刷セクション20
と、該第1の印刷セクションで画像の形成されたシート
に、熱溶融性インク層WBkと保護層OCとをベースフ
ィルム680上に面順次に繰り返し設けた転写フィルム
68を用いて、サーマルヘッド62下で熱転写により文
字等の2値情報を印刷後に保護層をオーバーコートする
第2の印刷セクション30とを設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱昇華性又は熱溶融性
のインクを有する転写フィルムを用いて、用紙,シー
ト,カード等(本明細書では単に「シート」という)
に、人物の顔写真や文字等の画像情報を記録する熱転写
式プリンタ及びその記録方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、熱転写式プリンターには、熱昇
華性の染料を色材として用いる昇華型と、熱溶融性の結
着材及び色材として顔料を用いる溶融型とがある。
【0003】昇華型インクを使用した記録方式は、裏面
に耐熱性滑性層を設けたベースフィルムの表面に昇華性
インク層を設けてインクリボンを構成し、受像紙ベース
の上面に受像層を設けた受像紙に対して、サーマルヘッ
ドの熱により、昇華性インク層内の昇華性染料色素を熱
拡散させて受像層に転写させるようにした方式である。
この昇華型インクを使用した記録方式では、サーマルヘ
ッドにより印加する熱の調整により、受像層に対して転
写される色素量が変化するので、作成画像の濃度階調を
表現することができ、3種のインク(イエロー、マゼン
タ、シアン)で多重記録すれば、銀塩写真に近い高品位
のフルカラー画像を形成することができる。
【0004】一方、溶融型インクを用いた記録方式は、
インクリボンをベースフィルムと溶融性インク層で構成
し、受像紙に対して、サーマルヘッドの熱により溶融性
インク層のインクを転写させる方式である。この溶融型
インクを使用した記録方式では、インクがほぼ完全に受
像紙に転写されるので、文字形成などに極めて高い鮮明
性を発揮できる。
【0005】昇華型と溶融型を比べると、昇華性染料
は、一般に常温常圧でも蒸気圧を持つため徐々に昇華し
て退色が起こり、濃度の低下を発生する。また、紫外線
等の露光により記録画像の濃度が低下するという欠点を
有する。
【0006】そこで、従来、クレジットカードやIDカ
ード等を製造する装置において、カード上に、熱昇華転
写方式により、人物の顔写真等の画像情報や文字情報を
印刷した後、その印刷面を保護するオーバーコートを施
すようにした記録装置(特開平3−275362号公
報)がある。
【0007】また、同様に、名刺シート,カード,ハガ
キ等へ第1のサーマルヘッドで画像を形成した後、別の
第2のサーマルヘッドで保護層を形成するようにした画
像形成装置が知られている(特開平4−299153号
公報及び特開平4−299166号公報)。
【0008】これは、図31に示すように、第1の印刷
手段として、給紙機構502から経路505を介して供
給された名刺シートに、熱転写により前処理としてバイ
ンダ材などの前処理材により受容層を形成した後、その
受容層に熱転写により文字,図形などの印刷を施す受容
層・画像形成機構503を備えており、また、第2の印
刷手段として、受容層・画像形成機構503から排紙経
路506を経て搬送された画像形成済みのシート上に熱
転写により透明材などにより保護層を被覆する保護層形
成機構504を備えている。通路505と506の合流
通路部分には、周面に多数の凹凸を付したグリッドロー
ラ518とピンチローラ519との対が配設され、切換
えゲート515によりシートを給紙経路505から排紙
経路506へとスイッチバックさせて送る構成になって
いる。
【0009】受容層・画像形成機構503は、シートと
熱転写リボン521とを、ヘッド520とプラテン52
9との間に適圧で挟んで熱転写する構成である。ここで
の熱転写リボン521は、その搬送方向に沿って、染料
の付着性向上のための前処理材単独を塗布した受容材の
1コマ、その次にイエロー,マゼンタおよびシアンの順
に染料を塗布した3つのコマの計4コマを1組とし、多
数組を連設して成る。
【0010】また、保護層形成機構504は、ヘッド5
35、プラテン536及び熱転写リボン543とを備え
ており、熱転写リボン543には、シートの画像の表面
を被覆する透明材(後処理材)が塗布されたものが用い
られている。
【0011】一方において、保護層の転写に別のヘッド
を用いることは不経済であるとの観点に立ち、イエロ
ー、マゼンタ、シアンの3色又はこれにブラックの一色
を加えた感熱インク層が面順次に塗布された転写シート
基体上に、これらインク層と同一面上に保護層を形成
し、結果として、3色又は4色インク層と該保護層とを
面順次に配置して熱転写シートを構成し、この熱転写シ
ートを用いて、上記各色の感熱インク層の転写後に、保
護層も、感熱インク層と同様に剥離転写することが知ら
れている(特開平1−127379号公報)。保護層と
しては、被転写シート上で記録された画像からの昇華性
染料の再昇華を妨げかつ耐光性に対して効果のある樹脂
及び添加剤から成る。樹脂としては、例えばポリエステ
ル樹脂、エポキシ樹脂、ポリビニルプチラール樹脂、ス
テレン樹脂等が挙げられ、これらの中からガラス移転点
や、軟化点など熱特性の観点から重合度などを中心に考
慮して選ばれる。また、添加剤としては、耐光性向上の
目的で公知の紫外線吸収剤等が添加される。
【0012】また、溶融型インクを用いた記録方式の特
長、つまり文字形成などに極めて高い鮮明性を発揮でき
るという長所を活すべく、同一ベースに昇華型インクを
塗布した部分と溶融型インクを塗布した部分とを設けた
熱転写インクリボンを構成し、これを用いて昇華型イン
クで画像部を熱転写記録し、溶融型インクで文字又は記
号部を熱転写記録することも知られている(特開平2−
4565号公報)。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかし、特開平3−2
75362号、特開平4−299153号及び特開平4
−299166号のように、単に、保護層を別のサーマ
ルヘッドで転写する構成とすると、第2の印刷手段にお
いて使用する転写リボンは、ベースフィルム上に透明材
などを連続的に設けたものとなる。そして、この保護層
は、1回の転写につき、少なくとも有効印刷面積とほぼ
同等以上の面積分が一度に消費される。従って、図に示
すように、転写リボンは、その殆どの領域から保護層が
連続的に打ち抜かれベースフィルムだけが残った形とな
り、この結果、使用後のリボンはベースフィルムだけで
連なった非常に弱いものとなる。従って、通常はベース
フィルムの厚みは薄いほど熱感度に優れるものの、保護
層転写リボンについて転写後もある程度の取り扱い容易
さを確保するためには、ベースフィルムの厚さをより厚
くしなければならない。
【0014】また、特開平1−127379号公報の如
く保護層を3色又は4色の昇華型インク層と面順次に配
置した熱転写シートや、特開平2−4565号の如く溶
融型インクを3色又は4色の昇華型インク層と面順次に
配置した熱転写シートを扱った場合、同一のサーマルヘ
ッドでイエロー、マゼンタ、シアン等の昇華性インク
と、保護層やブラック等の溶融型インクとを転写するこ
とになる。しかし、昇華性インクと溶融型インクとで
は、転写条件やフィルムの剥離機構が異なる。このた
め、同一サーマルヘッドで印画するには、各色や保護層
毎に条件設定を整える必要があり、それだけ装置や制御
が繁雑となり、高品質画像の印刷を保持する上で信頼性
に乏しくなる。
【0015】本発明は、上記課題に鑑みてなされたもの
で、イエロー、マゼンタ、シアン等の昇華性インクと、
保護層やブラック等の溶融型インクとを別々の転写フィ
ルムとして分離することにより、両者の転写の条件設定
を容易にして高品質画像の印刷を維持可能する一方、保
護層転写リボンのベースフィルムの厚さを薄くすること
を可能とした熱転写式プリンタを提供することを目的と
する。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の熱転写式プリンタは、加熱により昇華性を
持つ単色インク層を3色以上ベースフィルム上に面順次
に繰り返し設けた転写フィルムを用いて、給紙セクショ
ンから供給されたシートに、サーマルヘッド下で熱転写
により画像を印刷する第1の印刷セクションと、該第1
の印刷セクションで画像の形成されたシートに、加熱に
より溶融性を持つ単色インク層と保護層とをベースフィ
ルム上に面順次に繰り返し設けた転写フィルムを用い
て、サーマルヘッド下で熱転写により文字等の2値情報
を印刷後に保護層をオーバーコートする第2の印刷セク
ションとを設けた構成のものである。
【0017】
【作用】加熱により昇華性を持つ単色インク層を3色以
上ベースフィルム上に面順次に繰り返し設けた転写フィ
ルムを扱う第1の印刷セクションと、加熱により溶融性
を持つ単色インク層と保護層とをベースフィルム上に面
順次に繰り返し設けた転写フィルムを扱う第2の印刷セ
クションとに分けられている。
【0018】このため、昇華性インク層に対する条件設
定と、溶融性インク層及び保護層に対する条件設定を容
易に整えることができる。
【0019】ベースフィルムの厚みは、薄いほど熱感度
に優れ、サーマルヘッドの解像性再現も優れるため、耐
熱性、工程上の取り扱い易さなどの点で2〜100μ
m、好ましくは3〜20μmが使用される。熱溶融性イ
ンク層が無く保護層のみをベースフィルム上に設けた転
写フィルムであるときは、保護層が1コマ中の相当大き
な面積で消費されて行くことから、使用後の転写フィル
ムの物理的強度は非常に弱いものとなる。従って、これ
を補うためにベースフィルムの厚みを薄くすることには
限界がある。 しかし、本発明の場合、第2の印刷セク
ションで扱っているは、熱溶融性インク層と保護層とを
ベースフィルム上に面順次に繰り返し設けた転写フィル
ムであり、熱溶融性インク層による文字等は、1コマの
溶融性インク層の領域の一部だけが消費されるのが通常
であるので、消費された空の保護層間を熱溶融性インク
層が繋ぐ形で介在することとなり、上記の物理的強度の
劣化が回避される。
【0020】
【実施例】以下、本発明の一実施例を添付図面に基づい
て詳述する。
【0021】図1及び図2に示すプリンタユニット1
は、クレジットカードやIDカード等のカード製造装置
の一部を構成するものであり、カード製造装置全体は、
図4に示す如く、このプリンタユニット1に磁気エンコ
ード記録ユニット2及びストッカーユニット3を順次縦
続接続したものから成る。
【0022】図3に示すように、プリンタユニット1
は、印刷処理前の平板状のプラスチックカードCを送り
出すカード供給セクション10と、このカード供給セク
ション10により送り出されたカードCに、人物の顔写
真等の中間階調を伴なったカラー画像を熱昇華転写方式
により印刷する第1印刷セクション20と、このカード
に更に文字等の白黒の2値の画像を熱溶融転写方式によ
り印刷すると共に印刷面に保護層をオーバコートする処
理も行なう第2印刷セクション30とを有する。なお、
平板状のカードとは、片持ち支持しうる程度の腰の強さ
を有するものをいう。
【0023】図3に示唆するように、カード供給セクシ
ョン10は、印刷処理前のカードを積層体C1の形で貯
留する未処理カードストッカ11と、該ストッカ11の
下部から1枚ずつカードを送り出す手段12とを有す
る。
【0024】第1印刷セクション20には、カードの搬
送路Fを構成する要素として、カードの搬送方向に順
次、入口搬送ローラ21、ガイド板22(図6)、キャ
ップスタンローラ23、プラテンローラ24、キャップ
スタンローラ25及び中継搬送ローラ29が配設されて
おり、このうちキャップスタンローラ23、プラテンロ
ーラ24及びキャップスタンローラ25は、キャップス
タンローラ25の軸26を中心として揺動可能な逆L字
状支持プレート27に取り付けられ、該プレートの中央
に位置するプラテンローラ24を後述する位置固定の第
1のサーマルヘッド52に対して接近させうるパスユニ
ットU1としてまとめられている。
【0025】第2印刷セクション30も第1印刷セクシ
ョン20と同じ構成であり、カードの搬送路Fを構成す
る要素として、カードの搬送方向に順次、入口搬送ロー
ラ31、ガイド板32(図7)、キャップスタンローラ
33、プラテンローラ34、キャップスタンローラ35
及び中継搬送ローラ39が配設されており、このうちキ
ャップスタンローラ33、プラテンローラ34及びキャ
ップスタンローラ35は、軸36を中心として揺動可能
な逆L字状支持プレート37に取り付けられ、プラテン
ローラ34を第2のサーマルヘッド62に対して接近さ
せうるパスユニットU2としてまとめられている。逆L
字状プレート27,27、37,37は、左右独立に揺
動可能な構成としているので、サーマルヘッド52に対
するプラテンローラ24の押圧方向の左右位置調整を必
要としない。
【0026】図1において、4はカード供給セクション
10の開閉カバー、5は第1印刷セクション20の開閉
カバー、6は第2印刷セクション30の開閉カバー、7
は操作パネル8を有するフロントカバー、9はカードの
排出口である。これらの開閉カバー4,5,6,7を開
いた状態を図2に示す。
【0027】図2及び図3において、第1印刷セクショ
ン20の開閉カバー5の裏面には、カード進行方向に沿
って側壁51,51が起立され、両側壁51,51間に
第1のサーマルヘッド52がカバー裏面に対して直立す
る向きに取り付けられている。また、両側壁51,51
の下端部は、カード進行方向に沿って設けられた装置フ
レーム101,102間に位置され且つ開閉軸53によ
り装置フレーム101,102に対し回動自在に取り付
けられ、以て上記開閉を可能としている。更に、開いた
開閉カバー5を起立させた状態に保持させるため、両側
壁51,51の一方には支持レバー54の一端が軸55
で枢着され、その先端はピン56に掛け止め得るように
なっている。
【0028】第2印刷セクション30の開閉カバー6の
裏面も上記開閉カバー5と同じ構成であり、カード進行
方向に沿って側壁61,61が起立され、両側壁61,
61間に第2のサーマルヘッド62がカバー裏面に対し
て直立する向きに取り付けられている。63は開閉カバ
ー6の開閉軸を示す。
【0029】57は繭形のYMCフィルムカセットであ
り、内部には、イエロー(Y)、マゼンダ(M)及びシ
アン(C)の各昇華性インク層を所定ピッチで面順次に
形成したYMCフィルム58を、両端側からそれぞれ供
給ロール58a及び巻取ロール58bの形に巻回したも
のが納められている。また67はワックスブラック保護
層フィルムカセットであり、内部には、熱溶融性のワッ
クスブラック層と透明オーバコート層とを所定ピッチで
面順次に形成したワックスブラック(WBk)保護層フ
ィルム68を、両端側からそれぞれ供給ロール68a及
び巻取ロール68bの形に巻回したものが納められてい
る。
【0030】既に述べたように、第1印刷セクション2
0のサーマルヘッド52及び第2印刷セクション30の
サーマルヘッド62は、それぞれ開閉カバー5,6の裏
面に固定され、使用時に位置変動しないように考慮され
ている。従って、開閉カバー5,6を閉じた場合、図3
の如くYMCフィルム58及びWBk保護層フィルム6
8を押圧する位置は一定であり、押圧力はプラテンロー
ラ24,34からの力による。
【0031】(1)カード供給セクション 図6,図9,図11及び図12にカード供給セクション
10の詳細を示す。
【0032】ストッカ11は、ストッカの底板となるカ
ード載置台11aと、カード案内台上にあって、該長方
形カードを、その長手方向を繰り出し方向に一致させ
て、多数枚積層状態に収容するカード収納枠11bとか
ら成る。この上方に開放されたカード収納枠11bは、
カード束を出し入れ容易にするため、カード繰り出し方
向後側の部分がL字状に切り欠かれ、これによって高さ
の低いカード包囲枠11cが形成されている。また、こ
のカード包囲枠11cからのカードの出し入れを容易に
するため、このカード包囲枠11cも、その後端ガイド
縁の中央部が切欠11dによりカード載置台11aまで
切り欠かれている。
【0033】カード載置台(ストッカの底板)11a
は、後述するカード送り出し手段12を装置するための
開口111、レバー式カードエンプティセンサS0を装
置するための開口112が穿設されている。
【0034】カード供給セクション10のカード送り出
し手段12は、上記カード載置台11aの開口11内に
位置されカード繰り出し方向に往復移動可能に設けられ
たカード繰り出しスライダ14と、該スライダ14の下
面に固定したラック15と、該ラック15と噛み合うピ
ニオンギア16と、該ピニオンギア16の軸をギヤ1
7,18を介して駆動しカード繰り出しスライダ14を
カード繰り出し方向に移動させるカード供給モータM1
とで構成されている。
【0035】カード繰り出しスライダ14は、下部がカ
ード載置台11aの下方においてガイドロッド13に案
内支持されており、またカード繰り出しスライダ14の
上面はカード載置台11aの下側に位置している。そし
て、カード繰り出しスライダ14の上面後端には、該後
縁に沿って突出延在する蹴り爪14aが形成され、該蹴
り爪14aの高さはカード載置台11aの上面より若干
高くなっている。具体的には、カード厚さ0.76mm
に対して蹴り爪14aの高さが0.5mmになるように
設定されている。
【0036】上記構成において、モータM1が回転する
と、ギヤ18,17,16,15を介してスライダ14
がガイドロッド13に沿って図6の位置から左に駆動さ
れる。ストッカ11のカード載置台11a上に位置する
最下位のカードCは、このスライダ14の段差部である
蹴り爪14aに蹴られて左に移動し、カード出口に設け
られた重送防止部材19の隙間19aを通過して、次の
第1印刷セクション20へと送られる。なお、重送防止
部材19は、隙間19aによりカードCの重送を防止す
る他に、隙間19aの両側部を平行な平面とすることに
より、カードCが操りだされるときの左右方向のバラツ
キも規制している。
【0037】上記スライダ14の動きに関し、スライダ
14が最も外側に来る待機位置(図6、図12)と最も
繰り出された位置(作用位置)とを検出するため、スラ
イダ14の側壁の後部と前部にセンシングプレート4
1,42が設けてあり、またこれに対応して、待機位置
で後側のセンシングプレート41を検知するスライダ位
置検出センサ(ホトセンサ)S1と、作用位置で前側の
センシングプレート42を検知するスライダ位置検出セ
ンサ(ホトセンサ)S2とが設けられている。また、カ
ードが繰り出されたことを、透明カードの場合を含めて
検出可能とするため、上記カード出口(隙間19a)近
傍には、レバー式のカード検出センサS3が設けられて
いる。なお、S0はストッカ11内に未処理カードが無
くなったことを、透明カードの場合も含めて検出するレ
バー式のカードエンプテイセンサであり、そのレバーは
上記開口112を図11に示す如く通過してカード載置
台11a上に突出するようになっている。
【0038】(2)第1印刷セクション 図5及び図6に第1印刷セクション20の詳細を、図
8,図9にその駆動系を示す。
【0039】既に述べたように、第1印刷セクション2
0には、カードの搬送路Fを構成する要素として、カー
ドの搬送方向に順次、入口搬送ローラ21、ガイド板2
2、キャップスタンローラ23、プラテンローラ24、
キャップスタンローラ25及び中継搬送ローラ29が配
設されており、このうちキャップスタンローラ23、プ
ラテンローラ24及びキャップスタンローラ25は、キ
ャップスタンローラ25の軸26を中心として左右独立
に揺動可能な逆L字状支持プレート27に取り付けら
れ、該プレートの中央に位置するプラテンローラ24を
第1のサーマルヘッド52に対して接近させるパスユニ
ットU1としてまとめられる。
【0040】図6において、上述した第1印刷セクショ
ン20の入口搬送ローラ21,キャップスタンローラ2
3,25及び中継搬送ローラ29には、これに対向して
ピンチローラRがそれぞれ配設されている。
【0041】そして、カード搬送方向に見て、入口搬送
ローラ21及びそのピンチローラRの直後の位置には、
発光器43及び受光器44から成るカード検出センサS
4が設けてある。また、キャップスタンローラ23及び
そのピンチローラRの直前には、フォトインタラプタか
ら成るカード検出センサ(ユニット入口センサ)S5
が、そしてャップスタンローラ25及びそのピンチロー
ラRの直後には、フォトインタラプタから成るカード頭
出しセンサ(ユニット出口センサ)S6が、それぞれ逆
L字状支持プレート37に取り付けられて設けられてい
る。これにより、このプレート37とカード検出するセ
ンサS5、S6が一体的に変位するため、カード検出位
置の誤差が出なくなる。更に、中継搬送ローラ29及び
そのピンチローラRの直後の位置には、発光器43及び
受光器44から成るカード検出センサS7が設けてあ
る。なお、S10は発光器43及び受光器44から成る
フィルム検出センサであり、その発光器43は開閉カバ
ー5側に設けられている。
【0042】図5,図6及び図8において、パスユニッ
トU1の支持プレート27には、既に述べたキャップス
タンローラ23、プラテンローラ24及びキャップスタ
ンローラ25だけでなく、上記センサのうちのユニット
入口センサS5及びユニット出口センサS6も取り付け
られ、搬送パスに対する相対位置関係を保持したまま傾
動するようになっている。
【0043】28はこのパスユニットU1を傾動させる
駆動機構であり、搬送路と直交する方向に延在するカム
軸45aに固定したカム45と、支持プレート27の逆
L字状脚部の下端部に設けられ上記カム45により操作
されるカムフォロア46と、カムフォロア46を常時カ
ム45の周面に当接させる方向に付勢するバネ47と、
カム軸45aをギヤ48a,48bを介して駆動する昇
降用モータM2(図9)とを有している。更に、駆動機
構28は、カム45の現在位置を把握可能とするため、
周方向に2箇所に切欠を具備するセンシングプレート4
9と、これに対応するカム位置検出センサS8、S9を
有しており、これによりパスユニットU1の上昇位置と
下降位置を検出できるようになっている。
【0044】図8,図9において、入口搬送ローラ2
1,キャップスタンローラ23,24,25及び中継搬
送ローラ29を駆動するため、まずキャップスタンロー
ラ25の軸26、つまりパスユニットU1の揺動中心軸
となっている軸26に、プーリ73が設けられる。そし
て、このプーリ73と搬送駆動モータM3の出力軸に設
けたプーリ71との間にタイミングベルト72が巻き掛
けられる。また、プーリ73と一体のプーリ73a,7
3bと入口搬送ローラ21,中継搬送ローラ29の軸2
1a,29aにそれぞれ設けたプーリ21b,29bと
の間にタイミングベルト74,76が巻きかけられる。
更に、軸26に設けた別のプーリ26a,26bと、キ
ャプスタンローラ23,プラテンローラ24の軸23
a,24aに設けたプーリ23b,24bにそれぞれタ
イミングベルト75a,75bが巻きかけられる。
【0045】モータM4(図9)は、YMCフィルム5
8を、プーリ77,タイミングベルト78,プーリ7
9,該プーリと同軸のギヤ80,巻取ロール58bの軸
に設けたギヤ81,フィルム駆動ローラ84(図5)の
軸に設けたギヤ82を介して駆動するフィルム巻取モー
タである。このフィルム巻取モータM4の回転速度を検
出するため、モータ軸にはエンコーダ板が設けられると
共に、このエンコーダ板を検出する回転速度センサS1
2が設けられている。
【0046】上記したモータM1,M2,M4はDCモ
ータであるが、カード搬送系の駆動モータ(カード搬送
モータ)M3は、パルスモータから成る。これは、カー
ド搬送系の精密な送りと、その送り量の精密な把握とを
可能とするためである。YMCフィルム58の送り量
は、プーリ79と同期して、つまり巻取ロール58bと
同期して回転するエンコード円板83aとフォトインタ
ラプタ83bとを有して成るエンコーダ83により把握
される。
【0047】ギヤ80の軸(巻取ボビン軸),ギヤ82
の軸(フィルム駆動ローラ84の軸)及び供給ロール5
8aの軸上には、それぞれトルクリミッタTa,Tb,
Tcが配置されている。各々の大小関係は、Tb>(T
a=Tc)となっており、フィルムの巻き取り量、残量
による巻き取り力の変化を極力小さくしている。また、
巻取モータM4の軸上にエンコーダを設け、巻き取り速
度を一定にすることによりフイルムのたるみ、供給ロー
ルの行き過ぎ、フィルムとカードの剥離に対する巻き取
り速度の影響を除外している。
【0048】(3)第2印刷セクション 図7に第2印刷セクション30の詳細を、図10にその
駆動系を示す。
【0049】第2印刷セクション30も第1印刷セクシ
ョン20と同じ構成であり、カードの搬送路Fを構成す
る要素として、カードの搬送方向に順次、入口搬送ロー
ラ31、ガイド板32、キャップスタンローラ33、プ
ラテンローラ34、キャップスタンローラ35及び中継
搬送ローラ39が配設されており、このうちキャップス
タンローラ33、プラテンローラ34及びキャップスタ
ンローラ35は、軸36を中心として揺動可能な逆L字
状支持プレート37に取り付けられ、プラテンローラ3
4を第2のサーマルヘッド62に対して接近させうるパ
スユニットU2としてまとめられる。
【0050】また入口搬送ローラ31,キャップスタン
ローラ33,35及び中継搬送ローラ39には、これに
対向してピンチローラRがそれぞれ配設される。
【0051】38はこのパスユニットU2を傾動させる
駆動機構であるが、これも上記駆動機構28と全く同じ
構成を有する。また、カード搬送系の駆動機構も第1印
刷セクション20と同じである。従って、同じ作用をな
す構成要素には同一符号を用いてその説明を省略する。
【0052】但し、転写フィルムとして、ワックスブラ
ック保護層フィルム68が用いられている。また、カー
ド検出センサS4に対応するセンサは、第1印刷セクシ
ョン20のカード検出センサS7で代用され、ここでは
省略されている。他のS5〜S10までのセンサは、第
1印刷セクション20と同じである。
【0053】(4)制御装置 図16にプリンタユニット1の制御装置を示す。制御装
置は、CPUを主体としこれに画像メモリー及び画像処
理部等を含んで成る主制御部85により構成され、この
主制御部85には、インターフェース部86を介して磁
気エンコード記録ユニット2等と接続されている。また
主制御部85には、I/Oポートドライバー87を介し
て、上述した各種センサS0〜S12,モータM1〜M
4、及び液晶ディスプレイ装置88が接続されている。
S13はフィルムカセット有無検知用センサ、SFはフ
ロントカバー開閉スイッチ、Mはヘッド冷却ファンモー
タである。尚、第一ヘッド側と第二ヘッド側とを区別す
るため、同じ参照符号に添字“A”“B”を付する。
【0054】(5)制御 次に制御動作を、図19〜図29のフローに従って説明
する。
【0055】なお、第2印刷セクション30が、本質的
に第1印刷セクション20と異なる点は、用いるフィル
ムの種類及びこれに伴なう制御の仕方及び条件だけであ
る。従って、特に必要がある場合を除き、第1印刷セク
ション20の動作を以て第2印刷セクション30の動作
説明に代える。
【0056】(1)カード供給動作 図19において、イニシャライズ,コマンド受信のステ
ップ(1)(2)を経て、プログラムはカード供給ルーチンに
入る(ステップ(3))。
【0057】このステップ(3)では、カード供給モータ
M1並びにカード搬送モータM3を順方向(カード送り
方向)に回転させ、カードの給紙を行なう。即ち、カー
ド繰り出しスライダ(カード供給テーブル)14が図6
のホームポジションから左に移動し、カードストッカ1
1の下端から、蹴り爪14aに引っ掛けれらて、1枚の
カードCが、次工程の第1印刷セクション20に送られ
る。
【0058】カードがセンサS4に到達した時点で、カ
ード供給モータM1を停止させ、適当な時間を待った
後、DCモータであるカード供給モータM1を逆転さ
せ、カード繰り出しスライダ(カード供給テーブル)1
4をホームポジションに戻す。
【0059】一方、カードは入口搬送ローラ21とピン
チローラR間を経てセンサS4を通過後、カード搬送モ
ータ(パルスモータ)M3により搬送される。この時、
搬送時間を短縮するため、搬送モータM3はスローアッ
プ制御により高速回転されている。
【0060】即ち、カード供給セクション10より操り
出されたカードCの搬送は、パルスモータM3により管
理されており、通常の搬送においては、カードCの搬送
量により、次のように、その速度が決定される。
【0061】(A)搬送量が17mm未満の場合、パル
スモータM3は自起動により600pps程度で駆動さ
れる。
【0062】(B)搬送量が17mm以上の場合、パル
スモータM3はスルーアップ、スルーダウン制御により
平均搬送速度150mm/s程度で駆動される。なお、
印画時においては、Y,M,Cいずれもサーマルヘッド
の解像度相当の搬送を行なう。印画時におけるカードの
戻りについては、通常の搬送と同様である。
【0063】ここでのカード供給動作では、センサS4
から出口センサS6までの距離が17mm以上であるの
で、スルーアップ、スルーダウン制御を受けることにな
る。
【0064】以上がカード供給動作であり、ステップ
(3)の内容である。
【0065】(2)カード供給時のカード先端出し 上記カード供給動作の後、プログラムはカード先端出し
ルーチンに入る。
【0066】まず、カードがユニット入口センサS5に
到達した時点(ステップ(4))で、スローダウンタイミ
ングをセットする(ステップ(5))。そして、これを監
視し減速タイミングに到達した時点(ステップ(6))、
つまり出口センサS6の直前で、搬送モータM3を減速
する(ステップ(7))。減速が完了した時点(ステップ
(8))から、パルスモータM3の各ステップごとにユニ
ット出口センサS6をチェックし(ステップ(9))、カ
ードがユニット出口センサS6に到達した時点(ステッ
プ(10))でカード先端出しを完了する(ステップ(1
1))。ところで、図13に示すように、カードCが送ら
れて、その先端が第1のサーマルヘッド52の直下に来
た時点では、カードCの後端はキャップスタンローラ2
3とピンチローラR間から離れている。即ち、カードC
の長さをL,入口搬送ローラ21及びキャップスタンロ
ーラ23間の距離をL1,プラテンローラ24(サーマ
ルヘッド52)及びキャップスタンローラ23間の距離
をL2とすると、 L<(L1+L2) の関係になっている。
【0067】このような関係に設定したのは、印刷時に
カードを複数回往復移動させる際、カード後端が入口搬
送ローラ21に再度接触しないことを保障するためであ
る。もし印刷時に復動するカードがローラ21や23と
接触すると、接触時のショックで画像が乱れ、これは高
速になるほど顕著となるため、高速度に、満足のゆくカ
ラー画質の画像を印刷することは不可能となる。ちなみ
に、本実施例におけるニップ圧は、入口搬送ローラ21
とそのピンチローラR間で1.2kg、キャップスタン
ローラ23とそのピンチローラR間で1kg、キャップ
スタンローラ25とそのピンチローラR間で3kg、中
継搬送ローラ29とそのピンチローラR間で0.6kg
であり、第2印刷セクション30についても、入口搬送
ローラ31とそのピンチローラR間が0.6kgである
点を除き、以降は同じ数値である。
【0068】本実施例の構成の場合、扱いうるカードの
長さLは、 L1≦L<(L1+L2) であり、かかる長さのカードは、全てそのカード全域へ
の印刷がなしうる。
【0069】また、ユニット出口センサS6によりカー
ドの先端検知が行われるときには、カードはヘッド52
の前後のキャップスタンローラとそのピンチローラ間
(23,R;24,R)でニップされているため、先端
検知時において、カードがローラ対へ挿入する際のショ
ックの影響が現われない。
【0070】(3)印画位置出し 図20のフローにおいて、先ず、先端出しを行なった位
置から、印画開始位置を出すために、カードを順方向、
逆方向どちらに搬送したら良いかを判断する(ステップ
(12))。
【0071】この判断は、図17のようにヘッド52及
び出口センサS6間の距離(ステップ数に換算した値)
をL3とし、出口センサS6から印画開始位置(副走査
方向の位置)P1までの距離をYstartとすると、下記
のようにして行える。即ち、印画開始位置P1までの距
離YstartがL3以上であれば、印画始端は図17
(A)の(イ)に示す如くヘッド52の上流にあるの
で、カードは図17(A)の(ロ)に示す如く順方向へ
送れば、印画始端P1をヘッド52の直下に持ち来たす
ことができることになる。逆に、印画開始位置距離Yst
artがL3未満であれば、印画始端P1は図17(B)
の(イ)に示す如くヘッド52の下流にあるので、カー
ドは図17(B)の(ロ)に示す如く逆方向へ送れば、
印画始端P1をヘッド52の直下に持ち来たすことがで
きることになる。要するに、 Ystart−L3≧0 順方向 Ystart−L3<0 逆方向 と判断できる。
【0072】(a) 順方向の場合 順方向の場合、図20のステップ(12)からステップ(13)
へ進み、搬送パルスモータM3に位置出しのために予め
計算されたステップ数PMset(=Ystart−L3)をセ
ットし(ステップ(13))、その搬送距離に応じて高速搬
送か、低速(定速)かを判断する(ステップ(14))。
【0073】ここで、搬送パルスモータへの設定ステッ
プ数PMsetが、搬送モータのスローアップ/ダウンに
要するステップ数(マージン含む)PMUDよりも大きい
か小さいかにより、 PMset−PMUD≧0 スローアップ PMset−PMUD<0 定速 と判断する。
【0074】高速“スローアップ”搬送の場合には、ス
ローダウンタイミングをセット(ステップ(15))後、順
方向に高速回転(ステップ(16))した後、減速タイミン
グを監視する(ステップ(18))。減速タイミングに到達
した時点で搬送モータM3を減速する(ステップ(1
9))。その後、搬送パルスモータが規定ステップ数回転
した時点(ステップ(20))で、モータM3を停止する
(ステップ(21))。
【0075】ステップ(14)における判断が“定速”搬送
の場合には、順方向に定速回転させ(ステップ(17))、
その後規定ステップ数に到達したかどうかを監視し(ス
テップ(20))、規定ステップ数に到達した時点でパルス
モータM3を停止する(ステップ(21))。
【0076】以上により印画位置出しが完了する。
【0077】(b) 逆方向の場合 搬送パルスモータM3に位置出しのために予め計算され
たステップ数PMset PMset=L3−Ystart+SBK SBK:バックラッシュの除去を目的としたオーバーラン
ステップ数 をセットし(ステップ(22))、その搬送距離に応じて高
速搬送か、低速(定速)かを判断する(ステップ(2
3))。なお、ここで予め計算された値には、バックラッ
シュの除去を目的として、オーバーラン分のステップ数
SBKが加算されている。
【0078】高速搬送の場合には、スローダウンタイミ
ングをセット(ステップ(24))後、逆方向に高速回転
(ステップ(25))した後、減速タイミングを監視する
(ステップ(27))。減速タイミングに到達した時点で搬
送パルスモータM3を減速する(ステップ(28))。その
後、図17(B)の(ロ)に示すように、搬送パルスモ
ータM3が規定ステップ数PMsetだけ回転した時点
(ステップ(29))で、モータM3を停止する(ステップ
(30))。
【0079】定速搬送の場合には、逆方向に定速回転さ
せ(ステップ(26))、その後規定ステップ数PMsetに
到達したかどうかを監視し(ステップ(29))、規定ステ
ップ数PMsetに到達した時点でモータM3を停止する
(ステップ(30))。
【0080】高速、定速の両方について、更にその後、
バックラッシュの除去を目的に、オーバランステップ数
SBK(PMset=SBK)をセットし(ステップ(31))、
搬送モータM3を順方向に定速回転させ(ステップ(3
2))、規定ステップ数だけの搬送をした時点(ステップ
(33))で、モータM3を停止する(ステップ(34))。
【0081】以上により印画位置出しが完了する。
【0082】(4)イエロー(Y)印刷フェーズ 第1印刷セクション20においては、既に、YMCフィ
ルム58が第1のサーマルヘッド52に所定の張力で掛
けられている。また、非印刷フェーズ中においては、図
13に示すように、カム45は、その偏心量の大きい周
面が、パスユニットU1のカムフォロア46に当接した
位置(作用位置)で、静止している。これにより、パス
ユニットU1のローラ対23,R、25,Rが形成する
パスは、他のローラ対21,R、29,R等が形成する
搬送路と直線上に一致する位置に維持されており、この
位置は、プラテンローラ24が第1のサーマルヘッド5
2から、正確にはYMCフィルム58から、若干の隙間
dだけ離れた下位置になっている。
【0083】カードCの印刷すべきエリアがサーマルヘ
ッド52下に入ると、サーマルヘッド52が通電され、
フィルム検出センサS10で頭出し(図22のステップ
(35))されていた最初のイエロー(Y)インクによる印
刷フェーズに入る。
【0084】即ち、図14に示すように、カム45が1
80度回転して、センサS8がON,センサS9がOF
Fの状態となった所で停止する。これは丁度カム45の
偏心量が最も小さい回動位置である。換言すれば、カム
45は、最も偏心量が大きい位置から最も小さい位置へ
と変化し、これはカム位置検出センサS8,S9に把握
される。
【0085】この変化の途中において、ユニットU1は
図14の如くキャップスタンローラ25の軸26を中心
として尻上り向きに傾動し(ステップ(37))、このため
プラテンローラ24がサーマルヘッド52へ接近し、カ
ードCの印刷すべき表面が、サーマルヘッド52下のY
MCフィルム58上に押圧される。その後、カム45は
更に回転して、図14に示すようにカムフォロア46か
ら離れ、更に図14に示す待機位置まで回転して停止す
る。
【0086】印刷時はカム45とカムフォロア46とが
が接触していないことから、プラテンローラ24とサー
マルヘッド52の圧は、引張りバネ47が付与する。従
って、ローラ径にバラツキがあっても、一定の圧接が行
われる。
【0087】サーマルヘッド52に所定の情報信号が供
給される一方、カードがイエロー(Y)インクフィルム
の送りと同期して送られて、所望の顔写真のイエロー
(Y)印刷が行なわれる(ステップ(38))。
【0088】(5)イエロー(Y)印刷の終了 イエロー(Y)印刷が終了すると(ステップ(39))、カ
ム45が待機位置から作用位置に戻り、プラテンローラ
24がサーマルヘッド52から離間する(ステップ(4
0))。また、モータM4とエンコーダ83によりYMC
フィルム58が所定量送られて、マゼンダ(M)インク
領域の頭出しが行なわれる(ステップ(41))。なお、こ
のマゼンダ(M)インク領域の頭出しは、各色(YM
C)のインク領域の長さは予め判かっているので、イエ
ロー(Y)インク領域の長さ(印画中のパルスモータM
3の駆動パルス発生分と残りの未印画分のエンコーダ8
3のパルス発生分と等しい)分のパルスをカウントアッ
プしたとき、このマゼンダ(M)インク領域の開始位置
として行なっている。
【0089】(6)一色印画後のカード先端出し 続いて図23のカード先端出しルーチンに入る。即ち、
印画を完了した時点で、カード先端がユニット出口セン
サS6に対しどの位置にあるかを予め計算しておき、出
口センサS6にカードがある状態かどうかを判断する
(ステップ(42))。
【0090】ここで印画すべき画像領域の副走査方向の
長さをYsizeとすると、図18(A)(イ)のようにカ
ード先端が出口センサS6の手前にあるとき、つまり印
画終端P2からカード先端までの距離(Ystart+Ysiz
e)がL3より小さいときは、そのまま順方向にカード
を送ることで先端検知ができる。また、図18(B)
(イ)のようにカード先端が出口センサS6の下流にあ
るとき、つまり(Ystart+Ysize)がL3より大きい
ときは、逆方向にカードを送って出口センサS6を抜け
させ、再度順方向に送って出口センサS6に入り込ませ
ることで先端検知ができる。このようにすることで、後
者の場合も、前者の順方向における先端検知と同一条件
にて先端検知ができるので、センサのオフセット誤差を
なくすことができる。要するに、 L3−(Ystart+Ysize)≧0 順方向 L3−(Ystart+Ysize)<0 逆方向 と判断できる。
【0091】(a)カードが出口センサS6にない場合
(順方向搬送) 図18(A)の(イ)の如く、カードが出口センサS6
にない場合は、カードを順方向搬送させる。即ち、搬送
モータM3にステップ数 PMset=L3−(Ystart+Ysize) をセットし(ステップ(43))、その搬送距離に応じて高
速搬送か、低速(定速)かを判断する(ステップ(4
4))。
【0092】高速搬送の場合には、スローダウンタイミ
ングをセット(ステップ(45))後、順方向に高速回転
(ステップ(46))した後、減速タイミングを監視する
(ステップ(48))。減速タイミングに到達した時点で搬
送パルスモータM3を減速する(ステップ(49))。その
後、搬送パルスモータM3が減速を完了した時点(ステ
ップ(50))から、パルスモータM3の各ステップごとに
ユニット出口センサS6をチェックし(ステップ(5
1))、カードが出口センサS6に到達した時点(ステッ
プ(52))で、モータM3を停止し、カード先端出しを完
了する(ステップ(53))。
【0093】定速搬送の場合には、順方向に定速回転
(ステップ(47))させた後、パルスモータM3の各ステ
ップごとにユニット出口センサS6をチェックし(ステ
ップ(51))、カードが出口センサS6に到達した時点
(ステップ(52))で、モータM3を停止し、カード先端
出しを完了する(ステップ(53))。
【0094】(b)カードが出口センサS6にある場合
(逆方向搬送→順方向搬送) 図18(B)の(イ)の如く、カードが出口センサS6
にある場合は、同図(ロ)の如く逆方向搬送に搬送した
後に、同図(ハ)の如く順方向搬送する。
【0095】即ち、図24のステップ(54)において、搬
送パルスモータM3に予め計算されたステップ数 PMset=(Ystart+Ysize)−L3+offset をセットし(ステップ(54))、その搬送距離に応じて高
速搬送か、低速(定速)かを判断する(ステップ(5
5))。なお、ここで予め計算された値には、バックラッ
シュの除去分並びに任意のオフセット(offset)が、オ
ーバーライン・ステップ数として加算されている。
【0096】高速搬送の場合には、スローダウンタイミ
ングをセット(ステップ(56))後、逆方向に高速回転
(ステップ(57))した後、減速タイミングを監視する
(ステップ(59))。減速タイミングに到達した時点でモ
ータM3を減速する(ステップ(60))。その後、ユニッ
ト出口センサS6にカードが無くなったこと(ステップ
(61))、並びに搬送パルスモータM3が規定ステップ数
PMsetだけ回転したこと(ステップ(62))、の両方が
満足された時点でモータM3を停止する(ステップ(6
3))。
【0097】定速搬送の場合には、逆方向に定速回転さ
せ(ステップ(58))、その後、ユニット出口センサS6
にカードが無くなったこと(ステップ(61))、並びに搬
送パルスモータが規定ステップ数PMsetだけ回転した
こと(ステップ(62))、の両方が満足された時点でモー
タM3を停止する(ステップ(63))。
【0098】更にその後、同一方向に搬送しながら先端
検知を行なうため、図18(B)にoffsetとして示した
任意のステップ数PMsetをセットした後(ステップ(6
4))、搬送モータM3を順方向に定速回転させ(ステッ
プ(65))、各ステップごとにユニット出口センサS6を
チェックし(ステップ(66))、カードが出口センサS6
に到達した時点(ステップ(67))で、モータM3を停止
し、カード先端出しを完了する(ステップ(68))。
【0099】(7)マゼンダ(M)印刷フェーズ 図25に示すように、再び印画位置出しルーチン(ステ
ップ(69))を経て、印画条件設定後(ステップ(70))、
ユニットU1が上昇される(ステップ(71))。つまり、
再びカム45が作用位置から待機位置に180度回転し
て、ユニットU1が軸26を中心として傾動し、このた
めカードCの印刷すべき表面が、サーマルヘッド52下
のYMCフィルム58上にバネ47で押圧される。
【0100】サーマルヘッド52に所定の情報信号が供
給され、同時に、カードがマゼンダ(M)フィルムの送
りと同期して送られて、所望の顔写真のマゼンダ(M)
印刷が行なわれる(ステップ(72))。
【0101】(8)シアン(C)印刷フェーズ マゼンダ(M)印刷が終了すると(ステップ(73))、カ
ム45が待機位置から作用位置に戻り、プラテンローラ
24がサーマルヘッド52から離間する(ステップ(7
4))。また、モータM4とエンコーダ83によりYMC
フィルム58が所定量送られて、シアン(C)インク領
域の頭出しが行なわれる(ステップ(75))。その後、カ
ード先端出し処理が行われる(ステップ(76))。
【0102】その後、図26において、印画位置出し処
理(ステップ(77))が行われる。つまり、パルスモータ
M3が所定量だけ逆回転され、これによりカードはその
印刷領域の始端がサーマルヘッド52と対応する位置に
戻される。シアンの印画条件設定後(ステップ(78))、
再びカム45が作用位置から待機位置まで回転して、ユ
ニットU1が軸26を中心として傾動し(ステップ(7
9))、このためカードCの印刷すべき表面が、サーマル
ヘッド52下のYMCフィルム58上にバネ47で押圧
される。
【0103】サーマルヘッド52に所定の情報信号が供
給され、同時に、カードがシアン(C)フィルムの送り
と同期して送られて、所望の顔写真のシアン(C)印刷
が行なわれる(ステップ(80))。
【0104】かくして、所望の顔写真等の完全なカラー
写真がカードの所定領域に印刷された。
【0105】上記最後の工程であるシアン(C)印刷が
終了すると(ステップ(81))、カム45が待機位置から
作用位置に戻り(ステップ(82))、プラテンローラ24
がサーマルヘッド52から離間した下位置となる。この
状態でカード搬送系のパルスモータM3が正回転して、
カードはパスユニットU1のパスから搬送路Fへと送り
出される(ステップ(83))。
【0106】(9)ワックスブラック(WBk)印刷フェ
ーズ 図3の第2印刷セクション30において、カードは第1
印刷セクションの場合と同様に搬送パルスモータM3A
により高速搬送され、ユニット出口センサS6の直前に
てスローダウンされる(ステップ(84)(85))。そして、
転写フィルム68上のワックスブラックWBkにより文
字を印刷するための印画位置出しが第1印刷セクション
の場合と同様にして行われ(ステップ(86))、続いて転
写フィルム68のワックスブラックWBk面のフィルム
頭出し(ステップ(87))と印画条件の設定とが行われる
(ステップ(88))。
【0107】カードCの文字等の2値情報を印刷すべき
エリアがサーマルヘッド62下に入ると、第2印字セク
ション20のパスユニットU2の上昇処理(ステップ(8
9))が実行され、サーマルヘッド62が文字情報等で通
電され、フィルム検出センサS10で頭出しされていた
熱溶融性のワックスブラック(WBk)による印刷が行
なわれる(ステップ(90))。
【0108】この場合のパスユニットU2の上昇も、既
に第1印刷セクション20において説明したように、カ
ム45が作用位置から待機位置へと変化することで行わ
れ、この変化の途中において、ユニットU2は軸36を
中心として尻上り向きに傾動し、このためプラテンロー
ラ34がサーマルヘッド62へ接近し、カードCの印刷
すべき表面が、サーマルヘッド62下のワックスブラッ
ク(WBk)フィルム68上にバネ47のみによって押
圧される。
【0109】サーマルヘッド62に所定の情報信号が供
給される一方、カードがワックスブラック(WBk)フ
ィルムの送りと同期して送られて、所定の文字等の印刷
が行なわれる。但し、ここでは文字などを2値情報を扱
っているため、転写フィルム68は、次に述べる保護層
の転写の場合と異なり、カードの有効印画領域に亘って
大きくワックスブラック(WBk)が消費されることは
殆どなく、図15(a)に示すように、基体680上の
1コマのブラックインク層WBkの全面積のうちの一部
分681だけが消費される。
【0110】なお、昇華型の染料の場合は、可視光の範
囲でしか使用できず、従ってバーコードリーダの赤外光
では認識できないし、また、階調が表わせるので縁がぼ
けるといった欠点があるが、熱溶融性のワックスブラッ
クの場合は、昇華型の染料に比べてにじみがなく、従っ
てくっきりとした文字が描けるという特長の他、可視光
以外でも認識できるという利点がある。
【0111】(10)オーバコート印刷フェーズ ワックスブラック(WBk)印刷フェーズが終了する
と、カム45が待機位置から作用位置に戻り、プラテン
ローラ34がサーマルヘッド62から離間される(ステ
ップ(91))。モータM4とエンコーダ83(図9)によ
りフィルム68が所定量送られて、オーバコート領域の
頭出しが行なわれる(ステップ(92))。このオーバコー
ト領域の頭出しは、各ワックスブラックとオーバコート
領域の長さは予め判っているのでワックスブラック領域
の長さ分のパルスをカウントアップしたとき、このオー
バコート領域の開始位置として判断している。
【0112】続いて、保護層についての印画位置出しが
行われ(ステップ(93))、カード搬送系のパルスモータ
M3Bが所定量だけ逆回転方向に戻され、これによりカ
ードはその印刷領域の始端がサーマルヘッド62と対応
する位置に戻される。そして、保護層の印画条件設定後
(ステップ(94))、第2印字セクションのパスユニット
U2の上昇が行われる(ステップ(95))。即ち、再びカ
ム45が作用位置から待機位置に回転して、ユニットU
2が軸36を中心として傾動し、このためカードCの印
刷すべき表面が、サーマルヘッド62下のフィルム68
上にバネ47で押圧される。
【0113】サーマルヘッド62が通電され、同時に、
カードが保護層フィルム68の送りと同期して送られ
て、カード上の印刷された領域に、熱転写により透明樹
脂膜がオーバコートされる(ステップ(96))。その後、
パスユニットU2が下げられ(ステップ(97))、カード
排紙ルーチンを経て(ステップ(98))、プリント枚数を
カウントし(ステップ(99))、プリント終了を確認して
(ステップ(100))、プログラムは終了となる。
【0114】上記オーバコートにより、カードは、写真
印刷領域等の退色や外部からの損傷を受けなくなる。
【0115】この場合、保護層OCは、図15(a)に
示すように既に昇華性インクで形成された写真調ピクト
リアル画像を被うに十分な面積規模682で消費され
る。従って、上記のブラックインク層WBkの領域がな
く全てが保護層OCから成る転写フィルムであるとき
は、例えば図15(b)の如く次々と大面積で保護層が
消費されてベースフィルム上から無くなるため、巻き取
られるフィルムは弱いものとなってしまう。
【0116】しかし、ここでは、保護層OCがこのよう
に大きく消費されたコマ682とコマ682との間に、
全面積のうちの一部分681だけが消費されただけのブ
ラックインク層WBkのコマが存在するため、使用後の
転写フィルム全体の強さの低下が抑えられる。このこと
はベースフィルムの厚さを特に厚くしなくても、機械的
強度を確保できること、従ってサーマルヘッドに対する
感度を犠牲にしなくて済むことを意味する。
【0117】(11)磁気記録 オーバーコートされたカードCは、中継搬送ローラ39
によって、カード排出口9からプリンタユニット1外に
搬出される。そして図4に示す磁気エンコード記録ユニ
ット2で磁気面に所定の情報が磁気記録され、磁気記録
されたカードCは、ストッカーユニット3に送られて積
み重ねられる。
【0118】上記実施例では、第1の印刷セクション2
0のサーマルヘッド52と第2の印刷セクション30の
サーマルヘッド62とで、転写フィルム58又は68に
対する剥離時間を特に異ならせることはしなかった。し
かし、本発明者等の実験によれば、転写フィルム58又
は68がシートから離れる時期の遅早が画像形成の良否
に直接に影響した。そこで、図30に示すように、これ
を剥離角度θ1,θ2の関数として吟味したところ、次
のことが分った。
【0119】即ち、イエロー,マゼンタ,シアンの染料
を色材として用いる転写フィルム58の良好な剥離角度
θ1よりも、ワックスブラック保護層の転写フィルム6
8についての良好な剥離角度θ2の方が小さく、θ1>
θ2の関係にある。
【0120】そこで、図30に示すように、第2の印刷
セクション30のサーマルヘッド62の下流側の側壁に
ガイド部材621を突設し、これにより剥離角度θ2を
小さくし、シートからの剥離時期が第1のサーマルヘッ
ド52の場合より遅れるように構成している。
【0121】このような条件設定を異ならせることがで
きるのは、予め、イエロー,マゼンタ,シアンの染料を
色材として用いる転写フィルムと、ワックスブラックと
保護層の転写フィルムとで分けて取り扱っていることに
よる効果である。同じ理由から、各ヘッドの温度調整
も、上記ステップ(36)(70)(78)と、上記ステップ(88)(9
4)とでそれぞれ容易に行いうる。
【0122】
【発明の効果】以上要するに本発明によれば、熱昇華性
インク層を3色以上ベースフィルム上に面順次に繰り返
し設けた転写フィルムを扱う第1の印刷セクションと、
熱溶融性インク層と保護層とをベースフィルム上に面順
次に繰り返し設けた転写フィルムを扱う第2の印刷セク
ションとに分けている。
【0123】このため、昇華性インク層に対する条件設
定と、溶融性インク層及び保護層に対する条件設定を容
易に整えることができる。
【0124】特に請求項1によれば、ベースフィルムの
厚みは薄いほど熱感度に優れるが、保護層のみをベース
フィルム上に設けた転写フィルムであるときは、保護層
が1コマ中の相当大きな面積で消費されて行くことか
ら、使用後の転写フィルムの物理的強度は非常に弱いも
のとなる。しかし、第2の印刷セクションで扱っている
転写フィルムは、熱溶融性インク層と保護層とをベース
フィルム上に面順次に繰り返し設けたものであり、熱溶
融性インク層による文字等は、1コマの溶融性インク層
の領域の一部だけが消費されるのが通常であるので、消
費された空の保護層間を熱溶融性インク層が繋ぐ形で介
在することとなって、上記の物理的強度の劣化が回避さ
れる。よって、ベースフィルムの厚みを薄くして、熱感
度を高く維持することができる。
【0125】また、請求項2によれば、熱昇華性インク
層をもつ転写フィルムにより画像をシートに記録した後
に、熱熔融性インク層の転写フィルムで最初に文字など
の2値情報を記録し最後に保護層でオーバーコートする
ので、シートに記録される画像、文字の滲みやこすれな
どのない記録が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る熱転写式プリンタの外
観図である。
【図2】図1の熱転写式プリンタをその開閉カバーを開
いた状態で示す斜視図である。
【図3】カード製造システムに組み込まれた熱転写式プ
リンタの構成を示す概略図である。
【図4】カード製造システムにおける熱転写式プリンタ
に縦続接続されるユニットを示す図である。
【図5】本発明の一実施例に係る熱転写式プリンタのパ
スユニット部分を示す斜視図である。
【図6】本発明の一実施例に係る熱転写式プリンタのカ
ード供給セクション及び第1印刷セクションの部分の構
成図である。
【図7】本発明の一実施例に係る熱転写式プリンタの第
2印刷セクション部分の構成図である。
【図8】図6の第1印刷セクションの部分の駆動系を示
した平面図である。
【図9】図6のカード供給セクション及び第1印刷セク
ションの部分の駆動系を示した図である。
【図10】図7の第2印刷セクション部分の駆動系を示
した図である。
【図11】カード供給セクションを示した斜視図であ
る。
【図12】カード供給セクションを示した平面図であ
る。
【図13】本発明の印刷セクション部分の非印画時の状
態を示した図である。
【図14】本発明の印刷セクション部分の印画時の状態
を示した図である。
【図15】本発明の一実施例に係るワックスブラック保
護層転写フィルムを示す図である。
【図16】本発明の実施例における制御装置の概要を示
した図である。
【図17】本発明の実施例における印画始端検知の仕方
を例示した図である。
【図18】本発明の実施例におけるシート先端検知の仕
方を例示した図である。
【図19】本発明の実施例における制御フローの一部
(カード先端出しルーチン)を示した図である。
【図20】本発明の実施例における制御フローの一部
(印画位置出しルーチン)を示した図である。
【図21】本発明の実施例における制御フローの一部
(印画位置出しルーチン)を示した図である。
【図22】本発明の実施例における制御フローの一部を
示した図である。
【図23】本発明の実施例における制御フローの一部
(カード先端出しルーチン)を示した図である。
【図24】本発明の実施例における制御フローの一部
(カード先端出しルーチン)を示した図である。
【図25】本発明の実施例における制御フローの一部を
示した図である。
【図26】本発明の実施例における制御フローの一部を
示した図である。
【図27】第2の印刷セクションの制御フローの一部を
示した図である。
【図28】第2の印刷セクションの制御フローの一部を
示した図である。
【図29】第2の印刷セクションの制御フローの一部を
示した図である。
【図30】サーマルヘッドの剥離角度の説明に供する図
である。
【図31】従来の熱転写式名刺シートプリンタの概要図
である。
【符号の説明】
1 プリンタユニット 2 磁気エンコード記録ユニット 3 ストッカーユニット 4 カード供給セクションの開閉カバー 5 第1印刷セクションの開閉カバー 6 第2印刷セクションの開閉カバー 7 フロントカバー 8 操作パネル 9 カード排出口 10 カード供給セクション 11 未処理カードストッカ 11a カード載置台(ストッカの底板) 11b カード収納枠 11c カード包囲枠 11d 切欠 12 カード送り出し手段 13 ガイドロッド 14 カード繰り出しスライダ 14a 蹴り爪 15 ラック 16 ピニオンギア 17,18 ギア 19 重送防止部材 19a 隙間 20 第1印刷セクション 21 入口搬送ローラ 21a 軸 22 ガイド板 23 キャップスタンローラ 23a 軸 23b プーリ 24 プラテンローラ 24a 軸 24b プーリ 25 キャップスタンローラ 26 軸(揺動中心軸) 26a,26b プーリ 27 逆L字状支持プレート 28 駆動機構 29 中継搬送ローラ 29a 軸 30 第2印刷セクション 31 入口搬送ローラ 32 ガイド板 33 キャップスタンローラ 34 プラテンローラ 35 キャップスタンローラ 36 軸(揺動中心軸) 37 支持プレート 38 駆動機構 39 中継搬送ローラ 41,42 センシングプレート 43 発光器 44 受光器 45 カム 45a カム軸 46 カムフォロア 47 バネ 48a,48b ギヤ 49 センシングプレート 51 側壁 52 第1のサーマルヘッド 53 開閉軸 54 支持レバー 55 軸 56 ピン 57 YMCフィルムカセット 58 YMCフィルム 58a 供給ロール 58b 巻取ロール 61 側壁 62 第2のサーマルヘッド 63 開閉軸 67 ワックスブラック保護層フィルムカセット 68 ワックスブラック(WBk)保護層フィルム 68a 供給ロール 68b 巻取ロール 71 プーリ 72 タイミングベルト 73,73a,73b プーリ 74 タイミングベルト 75,75a,75b タイミングベルト 76 タイミングベルト 77 プーリ 78 タイミングベルト 79 プーリ 80,81 ギヤ 82 ギヤ 83 エンコーダ 83a エンコード円板 83b フォトインタラプタ 85 主制御部 86 インターフェース部 87 I/Oポート 88 液晶ディスプレイ 101,102 装置フレーム 111,112 開口 C カード C1 積層体 U1,U2 パスユニット M1 カード供給モータ M2 昇降用モータ M3 カード搬送モータ(パルスモータ) M4 巻取モータ R ピンチローラ S0 レバー式カードエンプテイセンサ S1 スライダ位置検出センサ S2 スライダ位置検出センサ S3 レバー式カード検出センサ S4 カード検出センサ S5 カード検出センサ(ユニット入口センサ) S6 カード頭出しセンサ(ユニット出口センサ) S7 カード検出センサ S8,S9 カム位置検出センサ S10 フィルム検出センサ S12 回転速度センサ P1 印画始端 P2 印画終端 L3 ヘッド及び出口センサ間の距離(ステップ数換算
値) Ystart 出口センサから印画始端P1までの距離(ス
テップ数換算値) Ysize 印画すべき画像領域の副走査方向の長さ(ステ
ップ数換算値) SBK バックラッシュの除去を目的としたオーバーラン
ステップ数 502 給紙機構 503 受容層・画像形成機構 504 保護層形成機構 505 給紙経路 506 排紙経路 515 切換えゲート 518 グリッドローラ 519 ピンチローラ 520 ヘッド 529 プラテン 532 ベルト 533 駆動プーリ 621 ガイド部材 680 ベースフィルム 681 ブラックインク層WBkの消費された部分 682 保護層OCの消費された部分
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B41M 5/26 5/38 B41J 3/20 117 A 9121−2H B41M 5/26 B 9121−2H P 9121−2H 101 B (72)発明者 小林 鍵仁 山梨県南巨摩郡増穂町小林430番地1 ニ スカ株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加熱により昇華性を持つ単色インク層を
    3色以上ベースフィルム上に面順次に繰り返し設けた転
    写フィルムを用いて、給紙セクションから供給されたシ
    ートに、サーマルヘッド下で熱転写により画像を印刷す
    る第1の印刷セクションと、該第1の印刷セクションで
    画像の形成されたシートに、加熱により溶融性を持つ単
    色インク層と保護層とをベースフィルム上に面順次に繰
    り返し設けた転写フィルムを用いて、サーマルヘッド下
    で熱転写により文字等の2値情報を印刷後に保護層をオ
    ーバーコートする第2の印刷セクションとを設けたこと
    を特徴とする熱転写式プリンタ。
  2. 【請求項2】 インク層を面順次に形成した転写フィル
    ムを用いて供給されるシートにサーマルヘッドにより画
    像及び文字を記録する熱転写式プリンタにおいて、加熱
    により昇華性を持つインク層をベースフィルムとする転
    写フィルムを用いて供給されるシートにサーマルヘッド
    で画像を記録する第1工程と、この第1工程により画像
    の記録されたシートに加熱により溶融性を持つ単色イン
    ク層と保護層とをベースフィルム上に面順次に繰り返し
    設けた転写フィルムを用いて、サーマルヘッドで熱転写
    により文字等の2値情報を印刷後に保護層をオーバーコ
    ートする第2工程とから記録することを特徴とする熱転
    写式プリンタの記録方法。
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