JPH07125067A - 筒状構造物の製造法 - Google Patents

筒状構造物の製造法

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JPH07125067A
JPH07125067A JP29436493A JP29436493A JPH07125067A JP H07125067 A JPH07125067 A JP H07125067A JP 29436493 A JP29436493 A JP 29436493A JP 29436493 A JP29436493 A JP 29436493A JP H07125067 A JPH07125067 A JP H07125067A
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heat
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layer
film
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Atsusato Kitamura
篤識 北村
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 アラミド樹脂をはじめとする耐熱性基材樹脂
層を基材とすると共に、最外層にPTFE層を設けた高
性能の筒状構造物を工業的に有利に製造する方法を提供
することを目的とする。 【構成】 鉄パイプなどの支持体(S) 上に芳香族ポリア
ミドやポリイミドなどの耐熱性基材樹脂層(1) を少なく
とも一部が重なるように巻回する工程A、巻回した耐熱
性基材樹脂層(1) の重なり部分の層間および巻回した耐
熱性基材樹脂層(1) の外表面上にPFAやFEPなどの
耐熱性接着剤樹脂層(2) を設ける工程B、最外層となる
耐熱性接着剤樹脂層(2) 上にPTFEの生フィルム(3a)
を少なくとも一部が重なるように巻回する工程C、全体
を生フィルム(3a)の焼成可能な温度に加熱して生フィル
ム(3a)の収縮を伴なうシンターを行うことによりシンタ
ーフィルム層(3) となすと共に各層間の接着を図る工程
Dからなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐熱性および非粘着性
を有する筒状構造物を製造する方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】耐熱性および非粘着性を有する筒状構造
物の用途として、複写機などの加熱装置に用いる定着用
のチューブまたはループ状ベルト、食品のベイキング用
のループ状ベルト、芯地をホットメルト接着剤により織
物に接着するときに用いるループ状ベルトなどがある。
【0003】一例をあげると、特開平5−11648号
公報には、従前の熱ローラによる定着方式に代りエンド
レスベルトによる定着フィルム方式が知られているこ
と、このエンドレスベルトによる定着フィルム方式とし
て、従来はポリイミド樹脂からなる耐熱性フィルムを介
して画像を加熱定着することが提案されていたこと、し
かしポリイミド樹脂では熱寸法変化により定着フィルム
にしわを発生したり片寄りを生じたりするので、この公
報の発明においては、アラミド樹脂からなる耐熱性フィ
ルムを用いたエンドレスベルトによる定着フィルム方式
を見い出したことなどが開示されている。
【0004】この特開平5−11648号公報の実施例
には、定着フィルムとして、パラ系のアラミド樹脂であ
るポリパラフェニレンテレフタルアミドを耐熱基層とし
て用い、記録材と当接する側の表面にはPFAまたはP
TFEを塗装してトナーに対する離型性を向上させたこ
とが記載されている。周知のように、PFAはテトラフ
ルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル
共重合体、PTFEはポリテトラフルオロエチレンのこ
とである。なお、後述のFEPはテトラフルオロエチレ
ン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体のことである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】アラミド樹脂製のフィ
ルムの表面にPFAまたはPTFEを塗装したエンドレ
スベルトは、上述のように定着フィルムの用途に適した
ものであり、また食品のベイキング用のエンドレスベル
トなどの用途にも応用できることが期待されるが、実際
にそのような構造のエンドレスベルトを工業的に製造す
ることは容易ではない。
【0006】というのは、アラミド樹脂製のエンドレス
ベルトまたはシームレスベルトを作製すること自体が容
易ではないこと、アラミド樹脂製フィルムの表面にFE
P、PFA、PTFE層を設けるために通常行われる塗
装では、FEP、PFA、PTFEではディスパージョ
ン塗装が行われ、またFEP、PFAでは粉体塗装も行
われるが、ディスパージョン塗装では1回の厚さが薄い
ためデイスパージョン塗工と加熱によるシンターとを何
回も繰り返さなければならず、また粉体塗装では塗装厚
さのコントロールがかなり難しくかつ表面の滑らかさが
劣ること、また塗装の場合には、その方法にもよるが、
塗装物質が被塗装表面に塗着する割合が必ずしも良くな
いことなどの問題点があるからである。
【0007】本発明は、このような背景下において、ア
ラミド樹脂をはじめとする耐熱性基材樹脂層を基材とす
ると共に、最外層にPTFE層を設けた高性能の筒状構
造物を工業的に有利に製造する方法を提供することを目
的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の筒状構造物の製
造法の一つは、 ・ 支持体(S) 上に耐熱性基材樹脂層(1) を少なくとも
一部が重なるように巻回する工程A、 ・ 巻回した耐熱性基材樹脂層(1) の重なり部分の層間
および巻回した耐熱性基材樹脂層(1) の外表面上に耐熱
性接着剤樹脂層(2) を設ける工程B、 ・ 最外層となる耐熱性接着剤樹脂層(2) 上にポリテト
ラフルオロエチレン(PTFEの生フィルム(3a)を少な
くとも一部が重なるように巻回する工程C、 ・ 全体を生フィルム(3a)の焼成可能な温度に加熱して
生フィルム(3a)の収縮を伴なうシンターを行うことによ
りシンターフィルム層(3) となすと共に各層間の接着を
図る工程D、 からなることを特徴とするものである。
【0009】本発明の筒状構造物の製造法の他の一つ
は、 ・ 支持体(S) 上に耐熱性基材樹脂層(1) を少なくとも
一部が重なるように巻回する工程A、 ・ 巻回した耐熱性基材樹脂層(1) の重なり部分の層間
および巻回した耐熱性基材樹脂層(1) の外表面上に耐熱
性接着剤樹脂層(2) を設ける工程B、 ・ 最外層となる耐熱性接着剤樹脂層(2) 上にポリテト
ラフルオロエチレン(PTFE)のシンターフィルム
(3')を被覆する工程C’、 ・ 該シンターフィルム(3')の外側から熱膨張が小で強
度が大の耐熱性被覆体(4) を巻回し、シンターフィルム
(3')の融点以上の温度に加熱してシンターフィルム(3')
の軟化を行うと共に各層間の接着を図る工程D’、 からなることを特徴とするものである。
【0010】以下本発明を詳細に説明する。
【0011】工程Aは、支持体(S) 上に耐熱性基材樹脂
層(1) を少なくとも一部が重なるように巻回する工程で
ある。
【0012】支持体(S) としては、強度が大で、加熱に
より迅速に高温となるものであれば種々の材質および形
状のものが用いられ、特にパイプ状の金属が重要であ
る。
【0013】耐熱性基材樹脂層(1) としては、好ましく
は融点330℃以上の耐熱性樹脂、殊に芳香族ポリアミ
ド、ポリイミド、ポリエーテルエーテルケトンなどでで
きたフィルムが好適に用いられ、場合によってはこれら
の樹脂のモノフィラメントやマルチフィラメントででき
た糸を用いて製織した織布を用いることもできる。
【0014】支持体(S) 上への耐熱性基材樹脂層(1) の
巻回は、ストレート巻きやスパイラム巻きにより行う。
この場合、耐熱性基材樹脂層(1) の少なくとも一部が重
なるように巻回する。
【0015】工程Bは、巻回した耐熱性基材樹脂層(1)
の重なり部分の層間および巻回した耐熱性基材樹脂層
(1) の外表面上に耐熱性接着剤樹脂層(2) を設ける工程
である。
【0016】耐熱性接着剤樹脂層(2) としては、好まし
くは融点260℃以上の耐熱性接着剤樹脂の層、殊にテ
トラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエ
ーテル共重合体(PFA)またはテトラフルオロエチレ
ン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)の層
があげられる。
【0017】耐熱性接着剤樹脂層(2) としてはフィルム
を用いることが有利であるが、場合によってはPFAや
FEPのディスパージョンを用いて塗工を行い、ついで
加熱により造膜することによっても、耐熱性接着剤樹脂
層(2) を形成することができる。
【0018】耐熱性接着剤樹脂層(2) は、予め耐熱性基
材樹脂層(1) 上に形成させておいたり、耐熱性基材樹脂
層(1) に重層させておく方が有利である。この場合は、
工程Aと工程Bとを同時に実施することになる。
【0019】工程Cは、最外層となる耐熱性接着剤樹脂
層(2) 上にポリテトラフルオロエチレン(PTFE)の
生フィルム(3a)を少なくとも一部が重なるように巻回す
る工程である。生フィルム(3a)は配向により伸張しがた
い方向と大きく伸張する方向とがあるが、巻回に際して
は伸張しがたい方向、すなわち配向方向が巻回方向とな
るように留意する。
【0020】PTFEの生フィルム(3a)とは、PTFE
のファインパウダー(テトラフルオロエチレンの乳化重
合によって製造されるディスパージョンから分離造粒さ
れた一次粒子径約 0.2〜0.3 μm 、二次粒子径約300
〜600μm のPTFE粒子) にナフサやホワイトオイ
ルなどの有機溶剤を吸収させてから、丸棒、シート等の
形状の予備成形品とし、ついでその予備成形品を溶剤が
揮散しないうちにロール等を用いて圧延し、そののち溶
剤を除去することにより得たフィルム(テープを含む)
である。
【0021】この生フィルム(3a)は、圧延ないし圧着さ
せることにより容易に生フィルム同士が一体化する性質
を有するので、巻回後の生フィルム(3a)の重なり部分は
一体化させておく。
【0022】工程Dは、全体を生フィルム(3a)の焼成可
能な温度に加熱して生フィルム(3a)の収縮を伴なうシン
ターを行うことによりシンターフィルム層(3) となすと
共に、各層間の接着を図る工程である。加熱温度は、3
50〜400℃程度が適当であるが、さらに温度を上げ
て焼成時間を短縮することもできる。この加熱により、
生フィルム(3a)はシンターされると共に収縮するので、
支持体(S) とシンターフィルム層(3) との間の層である
耐熱性基材樹脂層(1) および耐熱性接着剤樹脂層(2) は
熱プレスされた状態となり、全体が一体化される。
【0023】上記の工程A、工程B、工程Cおよび工程
Dを経た後、支持体(S) を除去すれば、目的とする筒状
構造物が得られる。もし必要なら、最外層の表面を研磨
して平滑にすることもできる。この筒状構造物を径方向
にカットすれば、所定の巾のループ状のベルトが得られ
る。用途によっては、筒状構造物を支持体(S) 付きのま
ま使用することもできる。
【0024】上記の工程A、工程B、工程Cおよび工程
Dを経る方法のほか、工程Aおよび工程Bの後、以下に
述べるように工程C’および工程D’を経る方法を採用
することもできる。
【0025】工程C’は、工程Aおよび工程B後、最外
層となる耐熱性接着剤樹脂層(2) 上にPTFEのシンタ
ーフィルム(3')を被覆する工程である。
【0026】工程D’は、該シンターフィルム(3')の外
側から熱膨張が小で強度が大の耐熱性被覆体(4) を巻回
し、シンターフィルム(3')の融点以上の温度に加熱して
シンターフィルム(3')の軟化を行うと共に各層間の接着
を図る工程である。
【0027】耐熱性被覆体(4) としては、ガラス繊維ク
ロス、アラミド樹脂製フィルム、ポリイミド製フィルム
などが例示できる。外側から耐熱性被覆体(4) を幾重に
も巻いた状態で加熱すると、軟化したシンターフィルム
(3')は内側に向けて力がかかることになり、それよりも
内側の層を強く圧迫するため、各層間の一体化が図られ
る。
【0028】本発明の方法により得られた筒状構造物
は、複写機、ファクシミリなどの像形成装置の定着用フ
ィルム、食品原料を搬送しながらベイキングや油揚げあ
るいはその他の調理を行うループ状のベルト、芯地をホ
ットメルト接着剤により織物に接着するためのループ状
のベルトをはじめ、耐熱性や非粘着性の要求される種々
の用途に好適に用いることができる。
【0029】
【作用】本発明によれば、主として各層の巻回により筒
状構造物が得られるので、コンパクトな装置で生産性良
く目的物を製造することができる。
【0030】しかも、耐熱性基材樹脂層(1) の重なり部
分、耐熱性基材樹脂層(1) とシンターフィルム層(3)
(またはシンターフィルム(3'))との間には耐熱性接着
剤樹脂層(2) が介在しているので、各層間の強固な接着
がなされている。
【0031】得られた筒状構造物にあっては、耐熱性基
材樹脂層(1) によりすぐれた耐熱性および機械的特性が
得られる上、最外層のシンターフィルム層(3) またはシ
ンターフィルム(3')によりすぐれた非粘着性と耐熱性が
得られ、さらには上記のように耐熱性接着剤樹脂層(2)
により各層間の強固な接着がなされ、該層(2) 自身も耐
熱性を有するので、全体として極めて高品質のものとな
っている。
【0032】
【実施例】次に実施例をあげて本発明をさらに説明す
る。
【0033】実施例1 図1は本発明の筒状構造物の製造法の一例を模式的に示
した工程図であり、径方向の断面図で示してある。
【0034】耐熱性基材樹脂層(1) の一例としてのパラ
系アラミド樹脂(パラフェニレンテレフタルアミド)の
厚さ16μm のフィルム上に、耐熱性接着剤樹脂層(2)
の一例としての厚さ12μm のFEPフィルムを重層し
た状態で、耐熱性接着剤樹脂層(2) が外層となるように
して支持体(S) の一例としての鉄パイプ上に二重にスト
レート巻きした。
【0035】ついで、最外層となる耐熱性接着剤樹脂層
(2) 上に厚さ35μm のPTFEの生フィルム(3a)を端
部が若干重なるように一重にストレート巻きした後、表
面にローラを押しつけて圧延することにより生フィルム
(3a)の重なり部分を一体化させた。なお生フィルム(3a)
の巻回に際しては、配向方向が巻回方向となるようにし
た(他の実施例でも同様)。
【0036】この状態で全体を炉に供給し、温度360
℃で30分間加熱処理した。これにより、生フィルム(3
a)は収縮すると共にシンターされてシンターフィルム層
(3)となり、同時に耐熱性接着剤樹脂層(2) の溶融によ
り各層間の強固な接着が図られた。
【0037】放冷後、支持体(S) を除去したところ、目
的とする筒状構造物が得られたので、これを所定の巾に
カットし、ループ状のベルトとなした。
【0038】実施例2 厚さ25μm のポリイミド延伸フィルムを耐熱性基材樹
脂層(1) として用いたほかは実施例1を繰り返した。こ
の場合も実施例1と同様に筒状構造物を得ることができ
た。
【0039】実施例3 パラ系アラミド樹脂繊維を経糸および緯糸として用いて
製織した薄手の織布を耐熱性基材樹脂層(1) として用い
たほかは実施例1を繰り返した。この場合も実施例1と
同様に筒状構造物を得ることができた。
【0040】実施例4 図2は本発明の筒状構造物の製造法の他の一例を模式的
に示した工程図であり、長さ方向の断面図で示してあ
る。
【0041】耐熱性基材樹脂層(1) の一例としてのパラ
系アラミド樹脂の厚さ16μm のテープ上に、耐熱性接
着剤樹脂層(2) の一例としての厚さ12μm のPFAテ
ープを同巾で重層した状態で、耐熱性接着剤樹脂層(2)
が外層となるようにして支持体(S) の一例としての鉄パ
イプ上にテープ巾の1/3が重なるようにスパイラル巻
きした。
【0042】ついで、最外層となる耐熱性接着剤樹脂層
(2) 上に厚さ35μm のPTFEの生フィルム(3a)を端
部が若干重なるように一重にストレート巻きした後、表
面にローラを押しつけて圧延することにより生フィルム
(3a)の重なり部分を一体化させた。
【0043】この状態で全体を炉に供給し、温度360
℃で30分間加熱処理した。これにより、生フィルム(3
a)は収縮すると共にシンターされてシンターフィルム層
(3)となり、同時に耐熱性接着剤樹脂層(2) の溶融によ
り各層間の強固な接着が図られた。
【0044】放冷後、最外層のシンターフィルム層(3)
を機械的に研磨して平滑面となし、ついで支持体(S) を
除去したところ、目的とする筒状構造物が得られたの
で、これを所定の巾にカットし、ループ状のベルトとな
した。
【0045】実施例5 耐熱性基材樹脂層(1) の一例としてのパラ系アラミド樹
脂の厚さ16μm のテープ上に、耐熱性接着剤樹脂層
(2) の一例としての厚さ12μm のFEPテープを同巾
で重層した状態で、耐熱性接着剤樹脂層(2) が外層とな
るようにして支持体(S) の一例としての鉄パイプ上にそ
の鉄パイプの左端から右端に向けてテープ巾の1/4が
重なるようにスパイラル巻きし、ついで鉄パイプの右端
から左端に向けて同様にスパイラル巻きした。
【0046】ついで、最外層となる耐熱性接着剤樹脂層
(2) 上に厚さ35μm のPTFEのテープ状の生フィル
ム(3a)を左端から右端に向けて、ついで右端から左端に
向けてスパイラル巻きした後、表面にローラを押しつけ
て圧延することにより生フィルム(3a)の重なり部分を一
体化させた。
【0047】この状態で全体を炉に供給し、温度360
℃で30分間加熱処理した。これにより、生フィルム(3
a)は収縮すると共にシンターされてシンターフィルム層
(3)となり、同時に耐熱性接着剤樹脂層(2) の溶融によ
り各層間の強固な接着が図られた。
【0048】放冷後、最外層のシンターフィルム層(3)
を機械的に研磨して平滑面となし、ついで支持体(S) を
除去したところ、目的とする筒状構造物が得られたの
で、これを所定の巾にカットし、ループ状のベルトとな
した。
【0049】実施例6 耐熱性基材樹脂層(1) の一例としてのパラ系アラミド樹
脂の厚さ16μm のフィルムの片面にPFAディスパー
ジョンをコーティングした後、乾燥および加熱処理を行
って、耐熱性接着剤樹脂層(2) を形成させた。
【0050】このフィルムを耐熱性接着剤樹脂層(2) が
外層となるようにして支持体(S) の一例としての鉄パイ
プ上に一重にストレート巻きした。ただし、一重巻きし
たフィルムの端部が若干重なるようにした。
【0051】ついで、その上から厚さ35μm のPTF
Eの生フィルム(3a)を一重にストレート巻きした。ただ
し、一重巻きした生フィルム(3a)の端部が若干重なるよ
うにすると共に、表面にローラを押しつけて圧延するこ
とにより生フィルム(3a)の重なり部分を一体化させた。
【0052】この状態で全体を炉に供給し、温度370
℃で加熱処理した。これにより、生フィルム(3a)は収縮
すると共にシンターされてシンターフィルム層(3) とな
り、同時に耐熱性接着剤樹脂層(2) の溶融により各層間
の強固な接着が図られた。
【0053】放冷後、支持体(S) を除去したところ、目
的とする筒状構造物が得られたので、これを所定の巾に
カットし、ループ状のベルトとなした。
【0054】実施例7 図3は本発明の筒状構造物の製造法のさらに他の一例を
模式的に示した工程図であり、径方向の断面図で示して
ある。
【0055】耐熱性基材樹脂層(1) の一例としてのパラ
系アラミド樹脂の厚さ16μm のフィルム上に、耐熱性
接着剤樹脂層(2) の一例としての厚さ12μm のPFA
フィルムを重層した状態で、耐熱性接着剤樹脂層(2) が
外層となるようにして支持体(S) の一例としての鉄パイ
プ上に二重にストレート巻きした。
【0056】ついで最外層となる耐熱性接着剤樹脂層
(2) 上に、PTFEのシンターフィルム(3')を一重に被
覆し、さらにその上から耐熱性被覆体(4) の一例として
のガラス繊維クロスを幾重にも巻回し、末端を金属リン
グで固定した。
【0057】この状態で全体を炉に供給し、温度360
℃で30分間加熱処理したところ、シンターフィルム
(3')は軟化して内側に向けての力が加わり、それよりも
内側の層を強く圧迫して各層間の一体化が図られたの
で、耐熱性被覆体(4) を除去し、さらに支持体(S) を除
去した。これにより、目的とする筒状構造物が得られ
た。
【0058】
【発明の効果】本発明によれば、各層間が強固に接着さ
れた筒状構造物を、コンパクトな装置で生産性良く製造
することができる。
【0059】得られた筒状構造物は、すぐれた耐熱性お
よび機械的強度を有すると共に、その表面は非粘着性を
有していて、全体として極めて高品質のものとなる。
【0060】また、主として巻回による方法を採用して
いるため、任意の巾、任意の厚さの筒状構造物を製造す
ることができるという自在性がある。
【0061】そのため、本発明の方法により得られた筒
状構造物は、像形成装置の定着用フィルム、食品原料や
食品の搬送や調理用のベルト、ホットメルト接着剤によ
り織物に接着を図るためのベルトをはじめ、耐熱性や非
粘着性の要求される種々の用途に好適に用いることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の筒状構造物の製造法の一例を模式的に
示した工程図であり、径方向の断面図で示してある。
【図2】本発明の筒状構造物の製造法の他の一例を模式
的に示した工程図であり、長さ方向の断面図で示してあ
る。
【図3】本発明の筒状構造物の製造法のさらに他の一例
を模式的に示した工程図であり、径方向の断面図で示し
てある。
【符号の説明】 (S) …支持体、 (1) …耐熱性基材樹脂層、 (2) …耐熱性接着剤樹脂層、 (3a)…ポリテトラフルオロエチレンの生フィルム、 (3) …シンターフィルム層、 (3')…シンターフィルム、 (4) …耐熱性被覆体

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】支持体(S) 上に耐熱性基材樹脂層(1) を少
    なくとも一部が重なるように巻回する工程A、巻回した
    耐熱性基材樹脂層(1) の重なり部分の層間および巻回し
    た耐熱性基材樹脂層(1) の外表面上に耐熱性接着剤樹脂
    層(2) を設ける工程B、最外層となる耐熱性接着剤樹脂
    層(2) 上にポリテトラフルオロエチレン(PTFE)の
    生フィルム(3a)を少なくとも一部が重なるように巻回す
    る工程C、全体を生フィルム(3a)の焼成可能な温度に加
    熱して生フィルム(3a)の収縮を伴なうシンターを行うこ
    とによりシンターフィルム層(3) となすと共に各層間の
    接着を図る工程D、からなることを特徴とする筒状構造
    物の製造法。
  2. 【請求項2】耐熱性基材樹脂層(1) が、芳香族ポリアミ
    ドまたはポリイミドからなる耐熱性基材樹脂を製膜して
    得たフィルムまたは該樹脂でできた糸を製織して得た織
    布である請求項1記載の製造法。
  3. 【請求項3】耐熱性接着剤樹脂層(2) が、テトラフルオ
    ロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重
    合体(PFA)またはテトラフルオロエチレン−ヘキサ
    フルオロプロピレン共重合体(FEP)の層である請求
    項1記載の製造法。
  4. 【請求項4】支持体(S) 上に耐熱性基材樹脂層(1) を少
    なくとも一部が重なるように巻回する工程A、巻回した
    耐熱性基材樹脂層(1) の重なり部分の層間および巻回し
    た耐熱性基材樹脂層(1) の外表面上に耐熱性接着剤樹脂
    層(2) を設ける工程B、最外層となる耐熱性接着剤樹脂
    層(2) 上にポリテトラフルオロエチレン(PTFE)の
    シンターフィルム(3')を被覆する工程C’、該シンター
    フィルム(3')の外側から熱膨張が小で強度が大の耐熱性
    被覆体(4) を巻回し、シンターフィルム(3')の融点以上
    の温度に加熱してシンターフィルム(3')の軟化を行うと
    共に各層間の接着を図る工程D’、からなることを特徴
    とする筒状構造物の製造法。
JP29436493A 1993-10-30 1993-10-30 筒状構造物の製造法 Withdrawn JPH07125067A (ja)

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JP29436493A Withdrawn JPH07125067A (ja) 1993-10-30 1993-10-30 筒状構造物の製造法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP1285747A1 (fr) * 2001-08-21 2003-02-26 Compagnie Plastic Omnium Structure laminée multicouche, en particulier pour le guipage de câbles électriques
JP2005502510A (ja) * 2001-09-18 2005-01-27 マイクロリス・コーポレイシヨン 溶出分の少ない高強度耐薬品性層状膜

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