JPH07125041A - 酸素バリヤ性材料の製造方法 - Google Patents

酸素バリヤ性材料の製造方法

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JPH07125041A
JPH07125041A JP5272190A JP27219093A JPH07125041A JP H07125041 A JPH07125041 A JP H07125041A JP 5272190 A JP5272190 A JP 5272190A JP 27219093 A JP27219093 A JP 27219093A JP H07125041 A JPH07125041 A JP H07125041A
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JP
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polyolefin
film
thermoplastic resin
oxygen barrier
metal compound
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JP5272190A
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English (en)
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Norimasa Sekine
徳政 関根
Takeo Tomatsuri
丈夫 戸祭
Naoki Masuda
直己 増田
Keiko Nakamura
圭子 中村
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Toppan Inc
Original Assignee
Toppan Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】比較的安価で、加工性及び物性の良好な酸素バ
リヤ性材料の製造方法を提供する。 【構成】金属化合物を含有するポリオレフィンフィルム
を製造する方法において、金属化合物を添加した熱可塑
性樹脂とポリオレフィンとを共押出成形し、成形された
積層フィルムを冷却固化後、熱可塑性樹脂フィルムを剥
離して金属化合物を拡散させたポリオレフィンフィルム
を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、柔軟包装用資材として
供与される酸素バリヤ性材料の製造方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来、包装用資材としては、フィルム、
シート、ボトル、その他各種の容器に、様々の形状に加
工し易く、軽量で輸送コストの安価な合成樹脂材料が、
主に使用されてきた。
【0003】特に、内容物が食品などの酸化され易い場
合には、包装材料に高い酸素バリヤ性が求められた。こ
のような用途の要求に応えるため、従来は、エチレン−
酢酸ビニル共重合体ケン化物やポリ塩化ビニリデンなど
の合成樹脂材料、アルミニウム箔を構成層とする多層フ
ィルム、さらには合成樹脂フィルム上にアルミニウムや
ケイ素酸化物などを蒸着した蒸着フィルムなどを包装材
料として使用していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
た酸素バリヤ性を有する包装材料は、一般に高価である
ため、使用する範囲に制約があった。また、エチレン−
酢酸ビニル共重合体ケン化物などは、吸湿によって酸素
バリヤ性が低下してしまう欠点があった。
【0005】また、アルミニウムやケイ素酸化物などの
蒸着フィルムは、製造時に真空装置を使用するため、製
造費用が高い欠点があった。さらには、これらの蒸着フ
ィルムの蒸着層に、ピンホールや亀裂の発生があると酸
素バリヤ性が不安定になる欠点もあった。
【0006】そこで上述の問題点の解決に鑑み、本出願
人は、ポリオレフィン中に金属化合物を含有してなる酸
素バリヤ性材料を特願平3−50581号で提案してい
る。この酸素バリヤ性材料は、樹脂の酸化性を酸素吸収
体として応用し、汎用の安価な材料で高い酸素バリヤ性
を得ることができるという特徴を有したものであり、本
発明は、その製造方法にさらに工夫を施し、加工性が良
好で、成形物の物性を向上させた金属化合物を含有する
熱可塑性樹脂フィルムからなる酸素バリヤ性材料の製造
方法を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、金属化合物を
含有するポリオレフィンフィルムを製造する方法におい
て、金属化合物を添加した熱可塑性樹脂とポリオレフィ
ンとを共押出成形し、成形された積層フィルムを冷却固
化後、熱可塑性樹脂フィルムを剥離して金属化合物を拡
散させたポリオレフィンフィルムを得ることを特徴とす
る酸素バリヤ性材料の製造方法である。
【0008】上述のポリオレフィンとしては、例えば高
密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、線状低密度ポ
リエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリメチル
ペンテン、などの単独重合体や、エチレン、プロピレ
ン、ブテン、メチルペンテンなどのオレフィンから選ば
れる二つ以上のモノマの共重合体が挙げられる。さらに
好ましくはポリプロピレンのホモポリマー、ブロックコ
ポリマー、ランダムコポリマーが挙げられる。
【0009】共押出成形に用いられる熱可塑性樹脂とし
ては、成形後にポリオレフィンから剥離することが可能
な、本質的には接着しない熱可塑性樹脂を選定して用い
ればよく、例えばポリオレフィンとしてポリプロピレン
を選定した場合には、ポリエチレンやポリエステル樹脂
を用いればよい。
【0010】本発明に用いられる金属化合物としては、
ステアリン酸、ナフテン酸、リノール酸、ジメチルジチ
オカルバミンなどの有機酸と、コバルト、ニッケル、
鉄、アルミニウム、マグネシウム、マンガン、銅、バナ
ジウム、クロムなどの遷移金属イオンとの有機酸塩など
を用いることができる。さらに、これらのうち、高温時
に溶融し、樹脂内を拡散し易いものとしては、低分子量
のものを用いることが好ましい。そして、これらの金属
化合物は、成形後のポリオレフィンに対して金属の原子
濃度で10〜1000ppmで含有すればよく、より好
ましくは30〜500ppmである。
【0011】一般に、ポリオレフィン系樹脂は、酸化さ
れ易くラジカルの発生を防止するため、ラジカル抑制剤
が含有されているが、本発明に係るポリオレフィンは、
ラジカル抑制剤が添加されていないか、樹脂中の含有量
が500ppm以下に抑えられる。この範囲であれば、
ポリオレフィンの酸化が進行して、酸素の取り込みが行
われる。そして、ラジカル抑制剤の添加量を調整するこ
とで、酸素バリヤ性の能力を制御することができる。
【0012】また、同様に、ポリオレフィンと共押出成
形する熱可塑性樹脂も、ラジカル抑制剤が添加されてい
ないか、その添加量が少ないことが望ましい。ラジカル
抑制剤が多く添加されている場合には、このラジカル抑
制剤が、ポリオレフィン層に拡散して、その結果、ポリ
オレフィン中のラジカル抑制剤の添加量が、500pp
m以上になってしまうことがあるからである。
【0013】本発明における酸素バリヤ性材料の製造に
あたっては、少なくとも2種2層(2種類の材料で、2
層の積層物を作る) 、より好ましくは2種3層(2種
類の材料で、3層の積層物を作る)の共押出成形装置を
用いて行われる。2種2層の場合は、ポリオレフィン層
を第1の層とし、金属化合物を添加した熱可塑性樹脂層
を第2の層とし、2種3層の場合には、ポリオレフィン
層を中心層とし、その両側を金属化合物を添加した熱可
塑性樹脂層とすることによって行われる。ここで、金属
化合物を熱可塑性樹脂に添加する方法は、ドライブレン
ド法でも、マスターバッチ法でもどちらでもよい。
【0014】共押出成形装置中で、金属化合物を添加し
た熱可塑性樹脂とポリオレフィンとは、シリンダで熱溶
融し混練され、フィールドブロック内で合流後、ダイ部
より積層フィルム状に押し出され製膜し、冷却ロールで
冷却され固化する。この成形過程中に、熱可塑性樹脂層
に添加されていた金属化合物が、ポリオレフィン層中に
拡散する。この拡散量は、金属化合物の種類、樹脂の種
類、成形条件などによって定めるものである。
【0015】そして、本発明に係る積層フィルムの各層
の厚みは、特に限定するものではないが、金属化合物の
ポリオレフィン層中への拡散状態からみて、10〜10
00μmであるが、好ましくは20〜100μmであ
る。
【0016】
【作用】本発明の製造方法により製造された金属化合物
を含有するポリオレフィンは、いわゆる溶解、拡散によ
る酸素の透過を物理的に抑制する働きと、ポリオレフィ
ンが金属化合物の触媒作用によりポリオレフィンを酸化
させて、層内に酸素をトラップする働きとにより酸素バ
リヤ性が発現するものと考えられる。
【0017】本発明に係るポリオレフィンは、酸化触媒
の存在下で成形加工時又は保存中に光や熱によってラジ
カルを形成し易く、これによりポリマーラジカルが生成
する。さらに、このパーオキシラジカルは、ポリオレフ
ィンの水素を引き抜き、ハイドロパーオキサイドとポリ
マーラジカルを形成する。このハイドロパーオキサイド
は、アルコキシラジカルとハイドロキシラジカルとに分
解され、さらにポリオレフィンと反応して、ラジカルを
生成すると考えられる。
【0018】ポリオレフィンに金属化合物を添加する方
法には、ドライブレンド法やマスターバッチ法などがあ
るが、その混合物にラジカル抑制剤が添加されていない
場合やその量が少ない場合には、押出機内でポリオレフ
ィンの酸化反応が進み、ポリオレフィンの分子量低下を
生じ、溶融粘度や溶融張力が低下して、製膜時の加工性
が悪くなり、さらに著しい場合には、膜厚の変動や加工
中に溶融した樹脂が切れてしまって製膜できなくなるこ
とがある。また、加工時に酸化分解により発生した低分
子量成分が、臭気となって、作業環境上好ましくない。
これに対して本発明による製造方法では、ポリオレフィ
ンが最も酸化しやすい環境である押出機内で、酸化触媒
が含まれないため、比較的に穏やかな条件で成形加工す
ることができ、分子量の低下や物性の低下が少ない。さ
らに、ポリオレフィンと共押出しする熱可塑性樹脂に、
加工性の良い樹脂を選定し、適宜な厚みで成形すること
により、膜厚の変動などの加工性の不良を補うこともで
きる。そのうえ、2種3層構成で成形加工することによ
り、ポリオレフィン層の臭気を隠蔽することができ、成
形加工の作業環境を向上することが可能である。
【0019】
【実施例】
<実施例1>2種3層の共押出成形装置を用い、中心層
をラジカル抑制剤が無添加のポリプロピレンとし、両外
層は、金属化合物としてステアリン酸コバルトをラジカ
ル抑制剤が無添加のポリエチレンに、コバルト原子濃度
で200ppmドライブレンドした混合材料とし、押出
成形温度が220℃でTダイより押出し製膜して、各層
の厚みが50μmの2種3層フィルムを作製した。この
2種3層フィルムの両外層のポリエチレン層を剥離し
て、本発明に係るポリプロピレンフィルムを得た。な
お、共押出成形時の樹脂臭は、通常のポリエチレンの押
出成形時とほぼ同程度であった。
【0020】<実施例2>実施例1で得られた本発明に
係るポリプロピレンフィルムと、12μm厚の塩化ビニ
リデンコート延伸ポリエステルフィルムの塩化ビニリデ
ンコート面とを、ポリウレタン系接着剤でドライラミネ
ーション法で積層し、本発明に係る積層体を作製した。
【0021】<比較例1>金属化合物としてステアリン
酸コバルトを、ラジカル抑制剤が無添加のポリプロピレ
ンに、コバルト原子濃度で50ppmドライブレンドし
た混合材料を、実施例1の共押出成形装置を用い、押出
成形温度が220℃でTダイより単層で押出し製膜し
て、本比較例の厚みが50μmのポリプロピレンフィル
ムを作製した。なお、この押出成形時の樹脂臭は、実施
例1の共押出成形時の樹脂臭よりも強かった。
【0022】<比較例2>比較例1で得られた厚みが5
0μmのポリプロピレンフィルムと、12μm厚の塩化
ビニリデンコート延伸ポリエステルフィルムの塩化ビニ
リデンコート面とを、ポリウレタン系接着剤でドライラ
ミネーション法で積層し、本比較例の積層体を作製し
た。
【0023】<比較例3>まず、ラジカル抑制剤が無添
加のポリプロピレンを、実施例1の共押出成形装置を用
い、押出成形温度が220℃でTダイより単層で押出し
製膜して、本比較例に係る厚みが50μmのポリプロピ
レンフィルムを作製した。次に、この作製したポリプロ
ピレンフィルムと、12μm厚の塩化ビニリデンコート
延伸ポリエステルフィルムの塩化ビニリデンコート面と
を、ポリウレタン系接着剤でドライラミネーション法で
積層し、本比較例の積層体を作製した。
【0024】<評価1>実施例1と比較例1で得られた
各フィルムの破断点伸度を、引張試験機で測定した。そ
の結果を、表1に示す。
【0025】
【表1】
【0026】表1をみると、実施例1のフィルム破断点
伸度は、400%であり、比較例1のフィルム破断点伸
度は、300%であった。この結果から、本発明の製造
方法により作製されたフィルムは、成形加工による物性
低下が少ないことが判明した。
【0027】<評価2>実施例2、比較例2及び比較例
3の各積層フィルムの25℃における経時の酸素透過度
を、酸素透過度測定装置(MOCON OX-TRAN 100 ,モダン
コントロール社製)で測定した。その結果を、表2に示
す。
【0028】
【表2】
【0029】表2をみると、ポリプロピレン層に金属化
合物としてのステアリン酸コバルトを拡散させた実施例
2と直接添加した比較例2とは、経時と共に酸素バリヤ
性が向上し、ほぼ同等の酸素バリヤ性の能力を示した。
なお、約30日以上は、酸素バリヤ性の能力が一定し
た。ポリプロピレン層に金属化合物としてのステアリン
酸コバルトが無添加の比較例3は、経時による酸素バリ
ヤ性の向上は認められなかった。
【0030】
【発明の効果】本発明の酸素バリヤ性材料の製造方法を
用いると、成形加工がし易く、成形品の物性も低下せず
に、しかも、比較的安価に酸素バリヤ性が良好なポリオ
レフィンフィルムが得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中村 圭子 東京都台東区台東一丁目5番1号 凸版印 刷株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金属化合物を含有するポリオレフィンフィ
    ルムを製造する方法において、金属化合物を添加した熱
    可塑性樹脂とポリオレフィンとを共押出成形し、成形さ
    れた積層フィルムを冷却固化後、熱可塑性樹脂フィルム
    を剥離して金属化合物を拡散させたポリオレフィンフィ
    ルムを得ることを特徴とする酸素バリヤ性材料の製造方
    法。
JP5272190A 1993-10-29 1993-10-29 酸素バリヤ性材料の製造方法 Pending JPH07125041A (ja)

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