JPH07124450A - 精密ろ過膜カートリツジフイルター - Google Patents

精密ろ過膜カートリツジフイルター

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JPH07124450A
JPH07124450A JP29383693A JP29383693A JPH07124450A JP H07124450 A JPH07124450 A JP H07124450A JP 29383693 A JP29383693 A JP 29383693A JP 29383693 A JP29383693 A JP 29383693A JP H07124450 A JPH07124450 A JP H07124450A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
lrv
filtration
pore diameter
lactic acid
Prior art date
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Pending
Application number
JP29383693A
Other languages
English (en)
Inventor
Sumio Otani
純生 大谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Filing date
Publication date
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Publication of JPH07124450A publication Critical patent/JPH07124450A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】除菌率とろ過寿命を共に満足する精密ろ過膜を
提供する。 【構成】乳酸菌除去率LRVが0.6から3.0の膜を
複数枚重ね合わせることを特徴とする精密ろ過膜フィル
ター。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は液体の精密ろ過に使用さ
れる精密ろ過フィルターに関する。更に詳しくは、本発
明は特にビール中の雑菌を除去する精密ろ過フィルター
に関する。
【0002】
【従来の技術】精密ろ過膜は古くから知られており、
(例えばアール・ケスティング(R.Kesting)
著シンセティック・ポリマー・メンブレン(synth
eticpolymer membranes)マグロ
ーヒル社(McGraw Hill社)発行)ろ過用フ
ィルター等に広く利用されている。精密ろ過膜は、例え
ば米国特許1,421,341号、同3,133,13
2号、同2,944,017号、特公昭43−1569
8号、特公昭45−33313号、同48−39586
号、同48−40050号等に記載されているように、
セルローズエステルを原料として製造されるもの、米国
特許2,783,894号、同3,408,315号、
同4,340,479号、同4,340,480号、同
4,450,126号、ドイツ特許DE3,138,5
25号、特開昭58−37842号等に記載されている
ように脂肪族ポリアミドを原料として製造されるもの、
米国特許4,196,070号、同4,340,482
号、特開昭55−99934号、特開昭58−9173
2号等に記載されているようにポリフルオロカーボンを
原料として製造されるもの、特開昭56−154051
号、特開昭56−86941号、特開昭56−1264
0号、特開昭63−139930号、特開昭60−25
0049号等に記載されているポリスルホンを原料とす
るもの、ドイツ特許OLS3,003,400号等に記
載されているポリプロピレンを原料とするもの等があ
る。これら精密ろ過膜は注射液、ビール・清酒・醤油等
の食品、電子工業用洗浄水、医薬用水、医薬製造工程用
水、食品水等のろ過、滅菌に用いられ近年その用途と使
用量は拡大しており、特に粒子捕捉の点から信頼性の高
い精密ろ過膜が注目され多用されている。
【0003】特に、細菌・真菌・酵母の如き微生物を除
去して液体の腐敗を防止するためのろ過用途において
は、精密ろ過膜は濾紙や布などに比べて孔径分布が狭く
空隙が多いため、微生物の捕捉効率が高い割に高いろ過
流束が得られる。しかし微生物の捕捉性能と高ろ過流束
は相反する性能である。即ち微生物捕捉性能は、膜の孔
径を小さくすることによって高められるが、反対にろ過
流束は膜の孔径を大きくすることによって高くなる。こ
の相反する性能の最適点を求めることはむつかしい。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、食品
のろ過において、必要な除菌率を満足ししかも長時間ろ
過を継続できる経済的な精密ろ過膜を提供することであ
る。食品のろ過においては、注射液のろ過に対する程に
は高い除菌率を要求しない。精密ろ過膜の除菌率は通常
対数減少比(LRV)で表される。対数減少比LRV=
log(ろ過前菌数/ろ過後菌数)、と定義される。ビ
ールに求められるLRV値は5前後である。つまり10
万個の菌を1個に減少させるろ過精度が求められてい
る。ビールろ過で最も除去しにくい菌は乳酸菌で、直径
が0.7ミクロンで体長が2ミクロン以上あるものや、
直径が1ミクロン以上の球形のものがある。従ってビー
ルろ過においては、乳酸菌除去を達成した上で、少しで
もたくさんのビールをろ過できることが求められてい
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記問題は、平均孔径
0.7ミクロン以上且つ乳酸菌に対するLRV値が0.
6から3の膜を複数枚重ねてビールをろ過する方法、に
よって解決できた。膜の孔径が大きくなると乳酸菌の除
去率は徐々に低下するが、一方ビールろ過による膜目詰
まりの速さは急速に遅くなる、ことを本発明者は発見し
た。平均孔径が0.8ミクロンから1ミクロンの膜の乳
酸菌除去率LRV値は3以下であるが、この膜を2枚以
上重ねて使用すればLRV値は5以上にすることができ
る。一方孔径の大きな膜を複数枚重ねても目詰まり速度
はあまり減少しない。従って膜の平均孔径と使用枚数を
工夫すれば、必要なLRV値を確保して大きなろ過量を
得ることが可能になった。
【0006】精密ろ過膜を複数枚重ねて使用する方法に
は先例がある。つまり、 注射液のろ過用途に用いられ
る精密ろ過膜においては、微生物除去性能に対して高い
信頼性を求められる。そのために、直径0.3ミクロン
で長さ0.7ミクロンの円筒状の細菌100億個を1個
以下にまで減少させるろ過精度が求められている(LR
V>10)。このような要求を満たすためには、膜の孔
径を0.3ミクロン以下0.2ミクロン近くまで小さく
する必要がある。LRV値が10付近の領域で菌が透過
するのは、膜中に稀に存在するピンホール(製造過程の
不都合で生じる、正常な孔よりも大きな孔)が原因であ
る。そこで膜に微小なピンホールが存在する時は、ピン
ホール発生原因を解明し原因を膜製造工程から除く工夫
の他に、特開昭58−150402ではピンホール防止
のために精密ろ過膜を2枚以上重ねる工夫が行われてい
る。ピンホールは極めて稀にしか存在しないため、膜を
2枚重ねた時にピンホール同士が重なる確率はほとんど
ない。従ってピンホールの大きさやピンホールからの細
菌の漏洩率にかかわらず、膜を2枚接して離れないよう
にしてろ過すれば、100億個の細菌が存在する液でも
菌数を0にすることができる。一方膜を2枚重ねるから
といって、膜1枚当たりの除菌率を半分にしたのでは、
ピンホール部分から漏れた菌を次の膜で完全に捕捉する
ことができないため、膜の孔径はほとんど大きくはでき
ず、従ってろ過寿命を大きくすることはできない。一
方、ビールろ過で必要なLRV値5レベルの膜からの菌
の透過は、ほとんどが膜の正常な孔をすりぬけておこる
と推定される。従ってLRV値3の膜を2枚重ねてろ過
すると、ほぼLRV値6が得られる。このように同じ膜
を複数枚重ねることによって除菌率と長寿命化の両方を
満足は、LRV値が約6以下の領域であり、また膜孔径
が0.7ミクロン以上の領域に限られるのであろう。
【0007】
【実施例】以下実施例に沿って詳しく説明する。本実施
例は一例にすぎず、本発明はこの実施例に限定されるも
のではない。 実施例1 次の組成の製膜溶液をつくり、ポリエステルフイルム上
に180ミクロンの厚さに流延し、露点20℃、風速3
m/sの精密に調湿した風を8秒間当て、すぐに25℃
の水の中に浸す。溶液が白濁し次いで固化したのち、水
から出して乾燥する。 溶液組成 ポリスルホン樹脂 13 部 ポリビニルピロリドン 15 部 N−メチル−2−ピロリドン 70 部 塩化リチウム 0.5部 水 1.5部 このようにしてできた膜は厚さ方向に孔径の異方性があ
り、膜表面から約20ミクロンの深さに最小孔径層が存
在していた。またASTM−316の方法で測定した平
均孔径は、0.67ミクロンであった。また乳酸菌La
ctobacillus brevisに対する除菌率
はLRV=6であった。
【0008】実施例2 実施例1と同じ溶液を用いて、ポリエステルフイルム上
に180ミクロンの厚さに流延し、露点20℃、風速4
m/sの精密に調湿した風を8秒間当て、すぐに25℃
の水の中に浸す。溶液が白濁し次いで固化したのち、水
から出して乾燥する。このようにしてできた膜の平均孔
径は0.74ミクロン、L.brevisの除菌率はL
RV=4であった。
【0009】実施例3 実施例1と同じ溶液を用いて、ポリエステルフイルム上
に180ミクロンの厚さに流延し、露点20℃、風速
5.5m/sの精密に調湿した風を8秒間当て、すぐに
25℃の水の中に浸す。溶液が白濁し次いで固化したの
ち、水から出して乾燥する。このようにしてできた膜の
平均孔径は0.84ミクロン、L.brevisの除菌
率はLRV=2であった。
【0010】実施例4 実施例3で製膜した膜を、同じ向きに2枚及び3枚重合
わせて、L.brevisをろ過したところ、その除菌
率は2枚重ねたものがLRV=4、3枚重ねたものがL
RV=6であった。このことから、複数枚膜を重ねた時
の乳酸菌除菌率は、1枚の除菌率に重ねた枚数を掛け合
わせたLRV値になると推定できる。
【0011】実施例5 実施例1から4の膜を使い、1時間1平方メートル当た
り2400リットルの流束でビールをろ過し、ろ過差圧
が1気圧に達するまでの時間を比較し、表1の結果を得
た。この結果から、膜の平均孔径が少し大きくなると、
目詰まりまでのろ過時間は飛躍的に増加することがわか
った。また膜を複数枚重ねてビールをろ過しても、目詰
まりまでのろ過時間減少は少ないことがわかった。
【0012】
【表1】
【0013】
【発明の効果】以上の結果から、ビールろ過において
は、1枚の精密ろ過膜でろ過するよりは、孔径が大きく
除菌率の低い膜を複数枚重ねて使用した時の方が、同じ
除菌率達成においては、長い時間ろ過することができ経
済的に有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の走査型電子顕微鏡による膜の厚さ方
向の孔構造を示す。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平均孔径0.7ミクロン以上で且つ乳酸
    菌除去率LRVが0.6から3.0の膜を複数枚重ね合
    わせることを特徴とする精密ろ過膜フィルター。
JP29383693A 1993-11-01 1993-11-01 精密ろ過膜カートリツジフイルター Pending JPH07124450A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009269027A (ja) * 2008-05-09 2009-11-19 Millipore Corp 多層フィルタの性能変動を低減させる方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009269027A (ja) * 2008-05-09 2009-11-19 Millipore Corp 多層フィルタの性能変動を低減させる方法
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