JPH07124102A - 内視鏡スコープ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 アングル操作を行う際に操作用ノブの戻り防
止を可能としかつ操作性を向上させた内視鏡スコープを
提供すること。 【構成】 体腔内に挿入して診断部位を観察するために
先端に少なくとも光学系が配設された硬性部４と、この
硬性部４の近傍の湾曲部５をアングル操作により所望の
角度に湾曲させる操作部８と、この操作部に設けられア
ングル操作を行うため複数の突起部を有する操作用ノブ
７であって、アングル操作のときの湾曲動作による反力
で反転して戻るのを防止するため前記複数の突起部の間
に戻り防止手段１４の設けられた操作用ノブ７とを具備
する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、患者の体腔内にスコー
プの可撓管を挿入して病症の診断や治療に用いられる内
視鏡スコープにあって、アングル操作を行う操作部に設
けられた操作用ノブの保持方式の改良に関する。

【０００２】

【従来の技術】一般に、内視鏡装置にはファイバースコ
ープ式の内視鏡や電子内視鏡などがあるが、図６を用い
てその概略を説明する。図６において、この内視鏡装置
は、内視鏡画像を表示するモニタ１と、操作制御スイッ
チなどを備えた装置本体２と、患者の体腔内に挿入して
用いられるスコープ３とを備えている。そして、このス
コープ３には、先端部に、体腔内の診断部位を観察また
は治療するためにビデオカメラなどの光学系や鉗子や洗
浄用ノズルなどを装備する硬性部４と、この硬性部４を
診断部位に導くための湾曲部５と、軟性部であり体腔内
に挿入される可撓管６とが設けられている。他方、可撓
管６の後端側には、スコープ３の湾曲部５の湾曲動作で
あるアングル操作などを行うための操作用ノブ７を有す
る操作部８と、装置本体２にビデオカメラ信号を伝送す
るユニバーサルコード９とが設けられている。これら硬
性部４、湾曲部５、可撓管６、操作用ノブ７を有する操
作部８、およびユニバーサルコード９によってスコープ
３は構成されている。また、可撓管４の内側には、図示
されていないが、導光ファイバーや送気チューブや送水
チューブや配線ケーブルなどが組み込まれている。

【０００３】そして、従来、スコープ３の操作部８は、
図７（ａ）に示すように、操作用ノブ７とユニバーサル
コード９と送気や送水用スイッチ１０と吸引用スイッチ
１１とを備えている。操作用ノブ７によりアングル操作
が行われ湾曲部５を上下および左右に湾曲させることに
より所望の位置に硬性部４を導くことができる。この操
作用ノブ７には複数個（この例では５個）の突起部１２
が設けられており、図７（ｂ）に示すように、この突起
部１２には滑り止め用に凹凸１３が形成されている。操
作部８には、通常、この操作用ノブ７が２個設けられて
おり、アングル操作の際の湾曲部５の上下動用および左
右方向動用にそれぞれ使用される。アングル操作は、図
７（ａ）に示すように、操作用ノブ７の突起部１２を親
指で回転操作（矢印Ａで示す）して行い、その他の指で
操作用ノブ７および操作部８を把持している。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
この種の内視鏡スコープでは、アングル操作を行う際に
親指で操作用ノブ７の第１の突起部を操作し、さらに回
転操作するために第２の突起部に親指を移動させるとき
に、湾曲部での湾曲による反力（図７（ａ）の矢印Ｂ）
により操作用ノブ７が逆方向に回転して戻るという現象
が起こる。従って、親指を移動させるときには、親指以
外の指、特に中指や薬指にて操作用ノブ７を押さえてこ
の戻りを防止しなければならない。しかし、操作用ノブ
７の突起部１２以外の部分には滑り止めのための手段を
施していないので、この部分を押さえて操作用ノブ７の
戻りを防止するには指先にかなりの力を必要としてオペ
レータに疲労を与えるという不具合があった。

【０００５】本発明は上記事情に鑑みてなされたもので
あり、その目的は、アングル操作を行う際に操作用ノブ
の戻り防止を可能としかつ操作性を向上させた内視鏡ス
コープを提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに本発明は、内視鏡スコープの構成を以下のようにし
た。即ち、体腔内に挿入して診断部位を観察するために
先端に少なくとも光学系が配設された硬性部と、この硬
性部の近傍の湾曲部をアングル操作により所望の角度に
湾曲させる操作部と、この操作部に設けられアングル操
作を行うため複数の突起部を有する操作用ノブであっ
て、アングル操作のときの湾曲動作による反力で反転し
て戻るのを防止するため前記複数の突起部の間に戻り防
止手段の設けられた操作用ノブとを具備することを特徴
とするものである。

【０００７】また、体腔内に挿入して診断部位を観察す
るために先端に少なくとも光学系が配設された硬性部
と、この硬性部の近傍の湾曲部をアングル操作により所
望の角度に湾曲させる操作部と、この操作部に設けられ
アングル操作を行うための操作用ノブとを具備し、アン
グル操作を行うときの湾曲動作による反力で前記操作用
ノブが反転して戻るのを防止するため凹状の指かけ部を
操作部に設けたことを特徴とするものである。

【０００８】さらに、体腔内に挿入して診断部位を観察
するために先端に少なくとも光学系が配設された硬性部
と、この硬性部の近傍の湾曲部をアングル操作により所
望の角度に湾曲させる操作部と、この操作部に設けられ
アングル操作を行うための操作用ノブと、前記操作部に
設けられ診断部位を観察するのに必要な複数のスイッチ
とを具備し、アングル操作を行うとき指がこれらスイッ
チに接触することなく前記操作用ノブおよび操作部を把
持するためにスイッチの間に凹部を設けたことを特徴と
するものである。

【０００９】

【作用】上記構成によれば、アングル操作時に親指で操
作用ノブの第１の突起部を操作し、さらに回転操作する
ために第２の突起部に親指を移動させるときにも、操作
用ノブの突起部の間に戻り防止手段が設けられているの
で、中指や薬指などで操作用ノブを押さえ易くなる。

【００１０】また、同様に戻り防止のために中指や薬指
などが操作用ノブに接触し易く、かつ、指が邪魔になら
ないように操作部に凹状の指かけ部を設けたので、アン
グル操作時の操作性が向上する。

【００１１】さらに、操作部に設けられたスイッチの間
に凹部を設け、この凹部に中指や人差し指を入れて操作
用ノブを把持するので、人差し指や中指がスイッチに接
触することなく操作用ノブを操作することができ操作性
が良くなる。

【００１２】

【実施例】以下に、本発明の実施例を図面に基づいて説
明する。なお、従来技術において用いたものと同一構成
要素には同じ符号を付してある。また、本発明の内視鏡
スコープの基本的構成は、図６を用いて説明したよう
に、先端部に体腔内の診断部位を観察または治療するた
めにビデオカメラなどの光学系や鉗子や洗浄用ノズルな
どを装備する硬性部４、この硬性部４を診断部位に導く
ための湾曲部５、軟性部であり体腔内に挿入される可撓
管６、湾曲部５の湾曲動作であるアングル操作などを行
うための操作用ノブ７を備える操作部８、および装置本
体２にビデオカメラ信号を伝送するユニバーサルコード
９とからなる。本発明の特徴部は操作部８にあるので、
以下の実施例では主に操作部８の周辺について説明す
る。

【００１３】図１は、本発明の内視鏡スコープの操作部
の第１実施例を示す図である。図１（ａ）は、そのアン
グル操作時の正面図であり、図１（ｂ）は、その非操作
時の正面図である。図１において、スコープ３の操作部
８は、湾曲部５の湾曲動作であるアングル操作などを行
うための操作用ノブ７と、装置本体２にビデオカメラ信
号を伝送するユニバーサルコード９と、送気や送水用ス
イッチ１０と、余分な水分を吸引するための吸引用スイ
ッチ１１とを備えている。そして、操作用ノブ７には、
アングル操作を行うため操作用ノブ７を回転させるため
の突起部１２が複数個（この例では５個）設けられてお
り、この突起部１２の間には操作用ノブ７が逆方向に回
転して戻るのを防止する手段１４が設けられている。こ
の戻り防止手段１４の形状は、図１（ｂ）に示すよう
に、鋸状の凹凸形状１４ａ、単なる凹凸形状１４ｂ、山
形状１４ｃ、鋸状の凹凸を有する山形状１４ｄ、または
複数の山形状１４ｅのいずれでもよい。図１（ｂ）に示
すように、これらを全部を突起部１２の間に設けてもよ
いし、これらのうちの幾つかを組み合わせて設けてもよ
い。

【００１４】操作用ノブ７にこのような戻り防止手段１
４を設けることによって、アングル操作を行う際に親指
で操作用ノブ７の第１の突起部を操作し、さらに回転操
作するために第２の突起部に親指を移動させるときに、
親指が突起部から離れても、図１（ａ）に示すように、
薬指または中指で戻り防止手段１４により滑らないよう
に操作用ノブ７を保持することができるので、湾曲部で
の湾曲による反力（図７（ａ）の矢印Ｂ）により操作用
ノブ７が逆方向に回転して戻るという現象は起こらな
い。

【００１５】図２および図３は、本発明の内視鏡スコー
プの操作部の第２実施例を示す図である。図２は操作用
ノブ７と薬指および小指の位置関係を説明をする図であ
り、図３は、操作用ノブ７の保持性をよくした操作部８
の平面図である。図２において、上記のように、アング
ル操作を行う際に親指を移動させるときに、薬指または
中指で操作用ノブ７を押さえて湾曲による反力により操
作用ノブ７が逆方向に回転して戻るのを防止するが、図
２（ａ）に示すように、操作用ノブ７と薬指または中指
の間の距離Ｄが大きいので、薬指で押さえにくい。この
ため、図２（ｂ）に示すように、操作用ノブ７と薬指ま
たは中指の間の距離ｄを小さくできる配置にしてやれば
よい。よって、図３に示すように、操作部８の操作用ノ
ブ７近傍に凹状の指かけ部１５を形成した。従って、こ
の凹状の指かけ部１５に薬指および小指を入れて（中
指、薬指、および小指を入れる場合もある）操作用ノブ
７および操作部８を把持すれば、図２（ｂ）に示すよう
に、操作用ノブ７と薬指または中指の間の距離ｄが小さ
くなるので、戻り防止のために操作用ノブ７を押さえる
際に押さえ易くかつ操作部８の操作性も良くなる。な
お、図３においては、操作用ノブ７が２個示されてい
る。これは、従来技術の欄においても説明したように、
アングル操作の際の湾曲部５の上下動用操作用ノブ７Ａ
および左右方向動用操作用ノブ７Ｂである。

【００１６】図４は、本発明の内視鏡スコープの操作部
の第３実施例を示す図である。図４（ａ）は、そのアン
グル操作時の正面図であり、図４（ｂ）は、その非操作
時の正面図である。第２実施例ではアングル操作の際の
薬指および小指の保持位置を改良して操作用ノブ７およ
び操作部８を把持し易くしたが、この第３実施例では人
差し指および中指の保持位置をも改良した。図４におい
て、送気や送水用スイッチ１０と吸引用スイッチ１１に
対応する位置に中指と人差し指があって操作用ノブ７お
よび操作部８を把持していたので、アングル操作の際に
誤ってこれらスイッチに指が接触して誤操作することな
どがあって操作性が悪かった。そこで、スイッチ１０と
スイッチ１１の間およびスイッチ１１の近傍にそれぞれ
中指と人差し指を入れるための凹部１６ａ、１６ｂを設
けた。その結果、この凹部１６ａと１６ｂに中指と人差
し指を入れて操作用ノブ７および操作部８を把持すれ
ば、指が誤ってスイッチに接触することがなくなる。ま
た、このような中指と人差し指の保持方法を用いれば、
上記アングル操作を行う際に親指で操作用ノブ７の第１
の突起部を操作し、さらに回転操作するために第２の突
起部に親指を移動させるときに、親指が突起部から離れ
ても、図４（ａ）に示すように、中指と人差し指が操作
用ノブ７までとどきこれらの指で戻り防止を行うことが
できるようになる。そして、アングル操作をしながらス
イッチ１０を押す動作を行うときは、矢印Ｃおよび破線
で示すように凹部１６ａから中指を動かす。また、矢印
Ｄは、スイッチ１１を人差し指で押した後に破線で示す
ように、人差し指を凹部１６ｂ移動させることを示して
いる。

【００１７】図５は、上記第１から第３の実施例の全て
を盛り込んで操作部８を構成した図を示す。即ち、操作
用ノブ７の突起部１２に滑り止め用に凹凸１３が形成さ
れていることは勿論突起部１２の間には操作用ノブ７が
逆方向に回転して戻るのを防止する手段１４ａ，１４
ｂ，１４ｃ，１４ｄ，および１４ｄが設けられている。
また、凹状の指かけ部１５に薬指および小指を挿入して
操作用ノブ７を保持しているので、薬指と操作用ノブ７
との間隔が小さくなっており操作性がよくなっている。
さらに、送気や送水用スイッチ１０と吸引用スイッチ１
１の間と吸引用スイッチ１１近傍に凹部１６ａ、１６ｂ
を設けてそれぞれに中指と人差し指を入れて操作部８お
よび操作用ノブ７を把持しているので、アングル操作時
の操作性がよくなっている。

【００１８】このような構成の操作部８を備える内視鏡
スコープにおいて、アングル操作は次のようにして行わ
れる。左手の中指と人差し指を上記凹部１６ａ、１６ｂ
に、また薬指および小指を凹状の指かけ部１５に入れて
操作部８および操作用ノブ７を把持し、親指で操作用ノ
ブ７の突起部１２を回転操作して可撓管６の先端部の湾
曲部５を湾曲動作させて所望の診断部位に可撓管６の先
端硬性部４を導く。そして、親指で操作用ノブ７の第１
の突起部を操作し、さらに回転操作するために第２の突
起部に親指を移動させるときに、親指が突起部から離れ
ても、図５に示すように、薬指で戻り防止手段１４によ
り滑らないように保持することができ、また、中指と人
差し指でも戻るのを防止できる。従って、オペレータに
とって、操作性が向上しかつ負担も軽減される。

【００１９】

【発明の効果】以上説明したように本発明の内視鏡スコ
ープによれば、オペレータが片手にて操作している場
合、親指で操作用ノブの第１の突起部を操作し、さらに
回転操作するために第２の突起部に親指を移動させると
きに、親指が突起部から離れても、余っている指で楽に
操作用ノブを保持できる。従って、オペレータの疲労を
軽減させることができるとともに操作性の向上により操
作が速くなり、診断のための時間も短縮できる効果があ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の内視鏡スコープの操作部の第１実施例
を示す図である。

【図２】薬指および小指と操作用ノブの位置関係を説明
するための図である。

【図３】本発明の内視鏡スコープの操作部の第２実施例
を示す図である。

【図４】本発明の内視鏡スコープの操作部の第３実施例
を示す図である。

【図５】第１から第３の実施例の全てを盛り込んで操作
部８を構成した図を示す。

【図６】内視鏡装置の概略を説明するための図である。

【図７】従来技術を説明するための図である。

【符号の説明】

１ モニタ ２ 装置本体 ３ スコープ ４ 硬性部 ５ 湾曲部 ６ 軟性部である可撓管 ７ 操作用ノブ ８ 操作部 ９ ユニバーサルコード １０ 送気や送水用スイッチ １１ 吸引用スイッチ １２ 操作用ノブに設けられた突起部 １３ 突起部に設けられた滑り止め用に凹凸 １４ 戻り防止手段 １５ 凹状の指かけ部 １６ 指を入れるための凹部

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 体腔内に挿入して診断部位を観察するた
   めに先端に少なくとも光学系が配設された硬性部と、こ
   の硬性部の近傍の湾曲部をアングル操作により所望の角
   度に湾曲させる操作部と、この操作部に設けられアング
   ル操作を行うため複数の突起部を有する操作用ノブであ
   って、アングル操作のときの湾曲動作による反力で反転
   して戻るのを防止するため前記複数の突起部の間に戻り
   防止手段の設けられた操作用ノブとを具備することを特
   徴とする内視鏡スコープ。
2. 【請求項２】 体腔内に挿入して診断部位を観察するた
   めに先端に少なくとも光学系が配設された硬性部と、こ
   の硬性部の近傍の湾曲部をアングル操作により所望の角
   度に湾曲させる操作部と、この操作部に設けられアング
   ル操作を行うための操作用ノブとを具備し、アングル操
   作を行うときの湾曲動作による反力で前記操作用ノブが
   反転して戻るのを防止するため凹状の指かけ部を操作部
   に設けたことを特徴とする内視鏡スコープ。
3. 【請求項３】 体腔内に挿入して診断部位を観察するた
   めに先端に少なくとも光学系が配設された硬性部と、こ
   の硬性部の近傍の湾曲部をアングル操作により所望の角
   度に湾曲させる操作部と、この操作部に設けられアング
   ル操作を行うための操作用ノブと、前記操作部に設けら
   れ診断部位を観察するのに必要な複数のスイッチとを具
   備し、アングル操作を行うとき指がこれらスイッチに接
   触することなく前記操作用ノブおよび操作部を把持する
   ためにスイッチの間に凹部を設けたことを特徴とする内
   視鏡スコープ。