JPH0712397A - アンダーフロア空調用吹出しグリル - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 アンダーフロア空調に用いる吹出しグリルに
おいて、冷房時には旋回気流を狭角に、暖房時には旋回
気流を広角に吹き出すというように旋回気流の吹出し角
度を自動的に変更することで、室内の温度分布を均一に
することのできる吹出しグリルを提供することを目的と
する。 【構成】 複数の放射状羽根を持つ円盤状のグリル１
に、放射方向に複数のスリット５を持った気流旋回角度
可変プレート４を取付け、グリルの放射状羽根７の稜線
と気流旋回角度可変プレート４のスリット位置を変える
ことで旋回気流の吹出し角度を変えることができる吹出
しグリルにおいて、前記スリット５と前記稜線の位置変
更を形状記憶合金バネ７を用いることで自動化し、吹出
し温度に応じて旋回気流の吹出し角度を変化でき、冷房
暖房共に適切な室内温度分布を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は建物の空調に関し、アン
ダーフロア空調方式に用いられる吹出しグリルに関する
ものである。

【０００２】

【従来の技術】アンダーフロア空調方式は、二重床の上
側の床面に配置した吹出しグリルから冷温風を吹出し室
内の空調を行っている。

【０００３】一般に空気の比重の関係から冷風は下に、
温風は上に上がる性質があり温度成層を作るため室内の
上下温度分布が均一になりにくい。

【０００４】これらの問題を解決するものとして、温風
の場合は旋回気流を広角に吹出し、冷風の場合は、狭角
に吹出すというように気流の旋回角度を可変にすること
で室内の温度分布を均一にする方法があった。

【０００５】従来の気流旋回角度可変の吹出しグリルに
ついて図６〜１１を参照しながら説明する。

【０００６】図６及び７に示すように、中心部下側に吐
出した円筒状ボス１０１を有する円盤状の吹出しグリル
１０２の上面には、円筒状ボス１０１の外側に同心円状
スリット１０３を複数有し、裏側は放射状羽根１０４を
ある角度で傾斜させて配設している。

【０００７】前記円盤状の気流旋回角度可変プレート１
０５の中央には前記円筒状ボス１０１を挿入するため、
前記円筒状ボス１０１の径より若干大きめの穴１０６を
設けてある。そして、前記気流旋回角度可変プレート１
０５には、前記の傾斜した放射状羽根１０４の平面投影
形状とほぼ同形状のスリット１０７を放射状羽根１０４
と同数個設けてあり、上面には垂直方向に突出し、前記
同心円状のスリット１０３内に収まりしゅう動可能な取
っ手１０８が設けてある。

【０００８】グリル枠１０９の内側に、上面からある一
定高さの所で内径が小さくなるような段付き部１１０
と、更に低く内径の小さい段付き部１１１が設けてあ
る。

【０００９】前記段付き部１１１に前記気流旋回角度可
変プレート１０５を挿入し、回動自在とする。その上か
ら前記段付き部１１０に前記吹出しグリル１０２を挿
入、収納する。

【００１０】上記構成により図８の前記気流旋回角度可
変プレート１０５を一定角度回転すると図９に示すよう
に前記放射状羽根１０４の稜線１１２に対し前記スリッ
ト１０７の位置が左側になり、水平方向の速度成分が抑
えられ、旋回気流の吹出し角度１１３は狭角になる。

【００１１】また 図１０の前記気流旋回角度可変プレ
ート１０５を一定角度回転すると図１１に示すように前
記稜線１１２に対し前記スリット１０７の位置が右側に
なり、垂直方向の速度成分が抑えられ、旋回気流の吹出
し角度１１４は広角になる。

【００１２】これら、前記吹き出しグリル１０２の放射
状羽根１０４と前記気流旋回角度可変プレート１０５の
スリット１０７の位置を変えるのに図６に示した前記取
っ手１０８を前記吹出しグリル１０２上面より操作し回
動していた。

【００１３】

【発明が解決しようとする課題】このような従来の吹出
しグリルでは旋回気流の吹出し角度の変更を手動で行な
っていたため変更操作を忘れていたりすると逆に室内の
上下温度分布が更に悪化するという問題があった。

【００１４】本発明は上記課題を解決するもので、形状
記憶合金バネを用いることで吹出し温度を感知して自動
的に変更するようにし、常に室内の温度分布を均一にす
ることのできる吹出しグリルを提供することを目的とす
る。

【００１５】

【課題を解決するための手段】本発明の目的を達成する
ために、複数の放射状羽根を傾斜させて備えた円盤状の
吹出しグリルと、前記吹出しグリルの下側に位置し前記
放射状羽根の平面投影形状とほぼ同形状のスリットを均
等配設する円盤状の気流旋回角度可変プレートが、円周
方向に対して一定角度回動し、前記放射状羽根と前記ス
リットの位置を変化させることで旋回気流の吹出し角度
を変化できる吹出しグリルにおいて、吹出し温度を感知
して変形する前記気流旋回角度可変プレートの形状記憶
合金バネにより、前記一定角度の回動が自動化されたア
ンダーフロア空調用吹出しグリルで構成される。

【００１６】

【作用】本発明は上記構成により、前記気流旋回角度可
変プレートの形状記憶合金バネが吹出し温度により変形
することで前記気流旋回角度可変プレートが円周方向に
対して一定角度回動し、放射状羽根の稜線とスリットの
位置が変化し、旋回気流の立ち上がりを自動的に変化さ
せることが出来る。

【００１７】

【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。

【００１８】図１、２に示すように従来例の吹出しグリ
ル１０２と同じ構造をもつ吹出しグリル１の円筒状ボス
２の側面に穴つき金具３を挿入し固定してある。

【００１９】気流旋回角度可変プレート４は従来例と同
様に前記吹出しグリル１の固定式羽根と同数個の放射状
のスリット５と、前記円筒ボスを挿入し回動するために
前記円筒状ボス２の径より若干大きい穴６と前記穴付き
金具３を挿入するための切欠きを備え、裏面には形状記
憶合金バネ７を備えている。

【００２０】グリル枠８は従来例１０９と同じものを用
いる。前記円筒状ボス部２の前記穴付き金具３を前記気
流旋回角度可変プレート４の前記切欠きに合わせて挿入
し前記形状記憶合金バネ７の先端のフック９を前記穴つ
き金具３の穴に引っかける。前記気流旋回角度可変プレ
ート４と前記吹出しグリル１を組付けた状態で前記グリ
ル枠８の段付き部１０及び１１に収納する。

【００２１】前記形状記憶合金バネ７は二方向性の形状
記憶合金であり、温度が高い場合形状記憶合金バネ７が
伸び、図３、４に示すように前記気流旋回角度可変プレ
ート４が一定角度回動し、放射状羽根１２の稜線１３に
対し前記スリット５が右側に位置し旋回気流の吹出し角
度が広角になる。また、温度が低い場合前記形状記憶合
金バネ７が縮み、図３、５に示すように前記気流旋回角
度可変プレート４が一定角度回動し、放射状羽根１２の
稜線１３に対し前記スリット５が左側に位置し旋回気流
の吹出し角度が狭角になる。

【００２２】なお、実施例では、形状記憶合金バネに二
方向性のものを採用したが、一方向性の形状記憶合金性
バネとコイルバネを組合せて、二方向性をもたせたもの
でも、効果に差異は生じない。

【００２３】

【発明の効果】以上の実施例から明らかなように、本発
明によれば気流旋回角度可プレートの一部に形状記憶合
金バネを用いることで旋回気流の吹出し角度の変更を自
動で行うことが出来る。

【００２４】このことにより室内の温度分布を均一にで
きるアンダーフロア空調用吹出しグリルが提供できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例のアンダーフロア空調用吹出
しグリルの分解下方斜視図

【図２】同吹出しグリルの構成を示す上方斜視図

【図３】同気流旋回角度可変プレートの回転角度を示す
斜視図

【図４】同吹出しグリルの温風吹出し時の断面図

【図５】同吹出しグリルの冷風吹出し時の断面図

【図６】従来の吹出しグリルの上方斜視図

【図７】同吹出しグリル裏面の下方斜視図

【図８】同吹出しグリルによる冷風吹出し時の上方斜視
図

【図９】同冷風吹出し時の断面図

【図１０】同温風吹出し時のグリルの上方斜視図

【図１１】同温風吹出し時の断面図

【符号の説明】

１ 吹出しグリル ４ 気流旋回角度可変プレート ５ スリット ７ 形状記憶合金バネ １２ 放射状羽根

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】複数の放射状羽根を傾斜させて備えた円盤
   状の吹出しグリルと、前記吹出しグリルの下側に位置
   し、前記放射状羽根の平面投影形状とほぼ同形状のスリ
   ットを均等配設する円盤状の気流旋回角度可変プレート
   が、円周方向に対して一定角度回動し、前記放射状羽根
   と前記スリットの位置を変化させることで旋回気流の吹
   出し角度を変化できる吹出しグリルにおいて、吹出し温
   度を感知して変形する前記気流旋回角度可変プレートの
   形状記憶合金バネにより、前記一定角度の回動が自動化
   されたアンダーフロア空調用吹出しグリル。