JPH0712389A - 空気調和装置及びその運転制御装置 - Google Patents

空気調和装置及びその運転制御装置

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JPH0712389A
JPH0712389A JP5154868A JP15486893A JPH0712389A JP H0712389 A JPH0712389 A JP H0712389A JP 5154868 A JP5154868 A JP 5154868A JP 15486893 A JP15486893 A JP 15486893A JP H0712389 A JPH0712389 A JP H0712389A
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忠男 辻
Kansuke Kimura
勘介 木村
Kiyoshi Furuya
清 古屋
Keisuke Aoki
啓祐 青木
Hisanori Hashima
尚紀 橋間
Tsuneo Morigami
恒雄 森上
Masataka Shitozawa
正孝 志渡沢
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 インテリアゾーンとペリメータゾーンとを有
する空調空間に配置される空気調和装置において、各ゾ
ーンの相異なる多様な空調要求に対応しながら、コスト
の低減を図る。 【構成】 ペリメータゾーンZpを空調する第1空調機
は、ペリメータゾーンZpに利用側熱交換器12を配置
してなる冷媒回路14を備えたマルチ型空調機とする。
インテリアゾーンZiを空調する第2空調機Yは、冷風
を供給する空調ダクトEを備える。空調ダクトEの送風
ファンの通風路に、第1空調機Xの冷媒回路14に接続
され、かつ利用側熱交換器12とは個別に冷暖切換え可
能な冷媒コイル51と、冷水が流通する冷水コイル52
とを介設する。各ゾーンの多彩な空調要求に対応しうる
とともに、ペリメータゾーンZpでは暖房運転を行い、
その冷熱を冷媒コイル51に回収する冷房を行って、消
費電力を節減する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、建物内の空調空間を窓
側と内部側とに区画して別システムで空調するようにし
た空気調和装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、例えば特開平3−15622
5号公報に開示されるごとく、建物内部の空調空間を窓
側のペリメータゾーンと内部側のインテリアゾーンとに
区画しておき、蒸発器としてのみ機能する利用側熱交換
器を設けて空調ダクトに冷風を流通させる一方、空調ダ
クトの利用側熱交換器下流側の通路を、ペリメータゾー
ンに連通するペリメータ側通路と、インテリアゾーン側
に連通するインテリア側通路とに分岐し、ペリメータ側
通路に再熱器を設置することにより、インテリアゾーン
には主として冷風を供給する一方、ペリメータゾーンに
は冷風又は温風を供給しうるように構成することで、単
一のダクトシステムでもって、冬期でも冷房要求の大き
いインテリアゾーンの特性を考慮した効率の高い空調を
行おうとするものは公知の技術である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、特に大きな
容積を有するビル等の建物では、インテリアゾーンでは
OA機器の発生する熱等もあって、ほとんど暖房要求が
生じない場合もある。かかる場合、インテリアゾーンに
までヒートポンプタイプの冷媒回路を有するマルチ型空
気調和装置を設置しても、つまり、多数の電動膨張弁や
室内熱交換器を配置しても、その設備が十分活用される
わけではなく、無駄な設備投資を招く虞れがあった。
【0004】そこで、上記従来の空気調和装置のごと
く、ペリメータゾーンとインテリアゾーンとを共通のダ
クトシステムで接続し、各ゾーンへの空調空気の温度の
みを変更することで、設備費の不必要な増大やランニン
グコストの増大を抑制することができる。
【0005】しかるに、特に室内温度の変化が激しいペ
リメータゾーンと比較的室内温度の変化が少なく高温側
に安定しているインテリアゾーンとを同一のダクトシス
テムでカバーしようとすると、微細な温度調節に欠ける
憾みがあった。また、設置場所や条件によっては、イン
テリアゾーンでも暖房要求が生じることがあり、上記従
来のものでは、このような多様な空調要求に十分対応し
きれず、条件によっては空調の快適性が損なわれる虞れ
があった。
【0006】本発明は斯かる点に鑑みてなされたもので
あり、その主たる目的は、ペリメータゾーンとインテリ
アゾーンとに区画された空調空間を有する空気調和装置
及びその運転制御装置の構成として、ペリメータゾーン
には多様な温度変化に対応すべく冷媒回路を有するいわ
ゆる直膨型空調機を配置する一方、インテリアゾーンに
は冷水を利用したいわゆる間膨型空調機を配置すると共
にペリメータゾーン側の空気調和装置の冷媒回路の熱の
一部をインテリアゾーンの空調に利用しうる構成とする
ことにより、各空調ゾーンの多様な空調要求に応じつ
つ、かつペリメータゾーンとインテリアゾーンの温度状
態の特性を考慮した効率の高い空調を行うことにある。
【0007】また、もう一つの目的は、上記空気調和装
置の運転を行う場合に、ペリメータゾーンで暖房要求が
あり、インテリアゾーンで冷房要求があるような条件下
で、ペリメータゾーンから排出した冷熱をインテリアゾ
ーンに付与するいわゆる熱回収を行うことにより、消費
電力の大幅な低減を図ることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項1の発明の講じた手段は、図1に示すように、
外部空間に隣接するペリメータゾーン(Zi)とその内
部側に配置されるインテリアゾーン(Zp)とを有する
空調空間を空調するための空気調和装置を対象とする。
【0009】そして、冷媒が循環する冷暖切換え可能な
冷媒回路(14)を有し、該冷媒回路(14)に介設さ
れる利用側熱交換器(12)を上記ペリメータゾーン
(Zi)に配設してなる第1空調機(X)を設ける。
【0010】さらに、上記インテリアゾーンに空調空気
を供給する空調ダクト(E)を有し、該空調ダクト
(E)の送風ファンの通風路に、冷水が流通する能力制
御が可能な冷水コイル(52)と、上記第1空調機
(X)の冷媒回路(14)に冷媒配管を介して接続され
る能力制御が可能な冷媒コイル(51)とを配設してな
る第2空調機(Y)を設ける構成としたものである。
【0011】請求項2の発明の講じた手段は、上記請求
項1の発明において、上記冷媒回路(14)の利用側熱
交換器(12)と冷媒コイル(51)とを、個別に冷暖
切換え可能に構成したものである。
【0012】請求項3の発明の講じた手段は、上記請求
項1の空気調和装置の運転を制御する空気調和装置の運
転制御装置を対象とする。
【0013】そして、上記インテリアゾーン(Zi)の
空調負荷を検出する空調負荷検出手段と、インテリアゾ
ーン(Zi)の冷房運転時、上記空調負荷検出手段の出
力を受け、インテリアゾーン(Zi)の冷房負荷に応じ
て冷水コイル(52)の能力を制御する冷水コイル能力
制御手段(102A)と、インテリアゾーン(Zi)の
冷房負荷に対する冷水コイル(52)側の冷房能力の不
足状態を検出する能力不足検出手段(105)と、イン
テリアゾーン(Zi)の冷房運転時、該能力不足検出手
段(105)の出力を受け、冷水コイル(52)の能力
の不足分を補うよう冷媒コイル(51)の能力を制御す
る冷媒コイル能力制御手段(101A)とを設ける構成
としたものである。
【0014】請求項4の発明の講じた手段は、上記請求
項2の空気調和装置の運転を制御する空気調和装置の運
転制御装置を対象とする。
【0015】そして、上記インテリアゾーン(Zi)の
空調負荷を検出する空調負荷検出手段と、上記ペリメー
タゾーン(Zp)に配置される利用側熱交換器(12)
の暖房運転量を検出する暖房運転量検出手段(106)
と、上記インテリアゾーン(Zi)の冷房運転時、上記
暖房運転量検出手段(106)の出力を受け、上記冷媒
コイル(51)の冷却能力をペリメータゾーン(Zp)
の暖房運転量に一致させるよう制御する冷媒コイル能力
制御手段(101B)と、上記冷水コイル(52)の能
力を、上記空調負荷検出手段で検出されるインテリアゾ
ーン(Zi)の空調負荷から上記冷媒コイル能力制御手
段(101B)で制御される冷媒コイル(51)の能力
を減じた能力にするよう制御する冷水コイル能力制御手
段(102B)とを設ける構成としたものである。
【0016】請求項5の発明の講じた手段は、上記請求
項4の発明において、インテリアゾーン(Zi)の冷房
負荷に対する冷水コイル(52)側の冷房能力の不足状
態を検出する能力不足検出手段(105)を設け、上記
冷媒コイル能力制御手段(101B)を、インテリアゾ
ーン(Zi)の冷房運転時、該能力不足検出手段(10
5)の出力を受け、冷水コイル(52)の能力の不足分
を補うよう冷媒コイル(51)の能力を制御する構成と
したものである。
【0017】請求項6の発明の講じた手段は、上記請求
項4の発明において、上記冷媒コイル(51)と冷水コ
イル(52)とを、空調ダクト(E)の送風ファンの通
風路において直列にかつ冷媒コイル(51)を上流側と
して配置し、上記冷媒コイル(51)の下流側かつ冷水
コイル(52)上流側の空調空気の温度を検出する空気
温度検出手段を設ける。
【0018】さらに、上記冷水コイル能力検出手段(1
02B)を、上記冷水コイル(52)の能力を上記空調
負荷検出手段で検出されるインテリアゾーン(Zi)の
空調負荷と上記空気温度検出手段で検出される空調空気
の温度との関係に基づき制御するように構成したもので
ある。
【0019】
【作用】以上の構成により、請求項1の発明では、外部
空間と接し、夏期には冷房負荷が、冬期には暖房負荷が
生じるペリメータゾーン(Zp)では、冷媒回路(1
4)を有する第1空調機(X)によって、冷房運転及び
暖房運転が行われ、空調の快適性が維持される。一方、
ペリメータゾーン(Zp)の内部側に配置され、冬期で
もほとんど冷房負荷のみが生じるインテリアゾーン(Z
i)には、第2空調機(Y)の空調ダクト(E)を介し
て、冷水コイル(52)で冷却された冷風が供給される
とともに、冷媒コイル(51)を介して、第1空調機
(X)の冷媒回路(14)を循環する冷媒からも熱が供
給される。
【0020】したがって、インテリアゾーン(Zi)の
空調要求に応じ、暖房要求があるときには冷媒コイル
(51)を介して暖房運転が可能となり、冷水コイル
(51)の能力が不足したときには冷媒コイル(51)
を介して冷熱の補充が可能となり、各ゾーン(Zi),
(Zp)の相異なる空調要求に対応した効率の高い空調
が可能となる。
【0021】請求項2の発明では、上記請求項1の発明
の作用に加え、冷媒回路(14)内で、ペリメータゾー
ン(Zp)で暖房運転を行いながら、インテリアゾーン
(ZI)で冷房運転を行う同時冷暖房運転が可能となる
ので、ペリメータゾーン(Zp)で室内空気との熱交換
によって冷媒に付与された冷熱をインテリアゾーン(Z
i)の室内空気に回収する熱回収が可能となり、特に消
費電力の低減が可能となる。
【0022】請求項3の発明では、第2空調機(Y)の
側で、冷水量が足りないなどの条件によって冷水コイル
(52)の能力が不足した場合でも、冷媒コイル能力制
御手段(101A)により、その不足分を補うよう冷媒
コイル(51)の能力が制御されるので、夏期等の冷房
要求の大きい条件下でもインテリアゾーン(Zi)の空
調の快適性が維持されることになる。
【0023】請求項4の発明では、冷媒コイル能力制御
手段(101B)により、ペリメータゾーン(Zp)の
利用側熱交換器(12)による暖房運転で室内空気から
排出された冷熱が冷媒コイル(51)で回収され、イン
テリアゾーン(Zi)の冷房用に利用されるので、特に
冬期などペリメータゾーン(Zp)では暖房要求があ
り、インテリアゾーン(Zi)では冷房要求がある条件
下で、消費電力が大幅に低減されることになる。
【0024】請求項5の発明では、上記請求項3及び4
の発明の作用が同時に得られ、年間を通じ、多様に変化
する環境条件に対応した運転が行われ、空調の快適性が
維持され、かつ消費電力が少なくて済むことになる。
【0025】請求項6の発明では、冷媒コイル能力制御
手段(101B)により冷媒コイル(51)で熱回収運
転を行いながら、その冷却能能力が空気温度検出手段に
よって直接的に検知されるので、冷水コイル能力制御手
段(102B)による冷水コイル(52)の能力制御が
特に精度よく行われることになる。
【0026】
【実施例】以下,本発明の実施例について,図面に基づ
き説明する。
【0027】図2は、実施例に係る空気調和装置の全体
構成を示す。また、図1は一つの階における空気調和装
置のシステムを示す。空気調和装置が配置されるビルの
内部において、空調ゾーンは,各階ごとに、外部空間に
接するペリメータゾーン(Zp)と、その内部側に位置
するインテリアゾーン(Zi)とに区画されている。ま
た、空気調和装置は、各階ごとに、上記ペリメータゾー
ン(Zp)を空調するための冷媒回路(14)を有する
第1空調機(X)と、上記インテリアゾーン(Zi)に
空調空気を供給するための空調ダクト(E)を有する第
2空調機(Y)とを備えている。
【0028】なお、図1において、各部を接続する実線
(14)は冷媒配管系統を、破線は電気配線系統を、実
践(53)は冷水配管系統をそれぞれ示す。ただし、図
2では、破線(14)は冷媒配管系統を、実線(53)
は冷水配管系統をそれぞれ示す。
【0029】まず、上記第1空調機(X)の構成につい
て説明する。図3〜図5は、上記第1空調機(X)の室
外ユニット(A)、室内ユニット(B)及びBSユニッ
ト(C)の冷媒配管系統をそれぞれ示す。図3に示すよ
うに、室外ユニット(A)には、インバ―タにより運転
周波数が可変に調整される第1圧縮機(1a)と、キャ
ピラリチュ―ブ(1g)及び開閉弁(1f)等からなる
アンロ―ダにより容量が複数段階に調整される第2圧縮
機(1b)とを逆止弁(1e)を介し並列に接続して構
成される容量可変な圧縮機(1)と、上記第1,第2圧
縮機(1a),(1b)から吐出されるガス中の油をそ
れぞれ分離する第1,第2油分離器(4a),(4b)
と、各々凝縮器、蒸発器に機能しうる第1,第2熱源側
熱交換器(6a),(6b)および該熱源側熱交換器
(6a),(6b)に付設された2台の室外ファン(F
1),(F1)と、上記各熱源側熱交換器(6a),
(6b)が凝縮器となるときには冷媒流量を調節し、蒸
発器となるときには冷媒の絞り作用を行う第1,第2室
外電動膨張弁(8a),(8b)と、液化した冷媒を貯
蔵するレシ―バ(9)と、吸入冷媒中の液冷媒を除去す
るためのアキュムレ―タ(10)とが主要機器として配
設されており、上記各機器を接続してなる冷媒回路(1
4)が構成されている。
【0030】ここで、上記各熱源側熱交換器(6a),
(6b)及び室外電動膨張弁(8a),(8b)は各々
分岐管によって冷媒回路(14)内に並列に配設されて
おり、さらに、各分岐管と圧縮機(1)の吐出管及び吸
入管との間には、冷凍サイクルを切換える第1,第2四
路切換弁(5a),(5b)が介設されている。すなわ
ち、各四路切換弁(5a),(5b)が個別に切換わる
ことにより、各熱源側熱交換器(6a),(6b)が個
別に凝縮器,蒸発器に切換り、室内側の冷暖房負荷の微
妙な変化に追随しうるようになされている。なお、上記
各四路切換弁(5a),(5b)のデッドポートは、キ
ャピラリチュ―ブ及び逆止弁を介して熱源側熱交換器
(6a),(6b)の分岐管に接続されている。
【0031】また、上記圧縮機(1)の吐出管側からは
吐出ライン(11a)が、吸入管側からは吸入ライン
(11b)が、上記各室内熱交換器(6a),(6b)
の液分岐管の合流管側からは液ライン(11c)が、そ
れぞれ室内ユニット(B)側に向かって延設されてお
り、いわゆる3本配管の構造となっている。
【0032】なお、(11d)は吐出管と吸入管とを開
閉弁(SV3)を介して接続する均圧バイパス路、(11
e)は吐出ライン(11a)とレシーバ(9)とをキャ
ピラリチュ―ブ及び開閉弁(SV4)を介して接続する暖
房時過負荷制御回路、(11f)は液ライン(11c)
と吸入ライン(11b)とをキャピラリチュ―ブ及び開
閉弁(SV5)を介して接続するリキッドインジェクショ
ンバイパス路、(31)は液ライン(11c)の高圧冷
媒との熱交換により吸入冷媒を暖めるべく設けられた吸
入熱交、(32a),(32b)は各油分離器(4
a),(4b)から圧縮機(1a),(1b)の吸入側
までキャピラリチュ―ブを介して設けられた油戻し通路
である。
【0033】また、空気調和装置にはセンサ類が配設さ
れており、(P1)は高圧側圧力を検出する高圧セン
サ、(P2)は低圧側圧力を検出する低圧センサ、(H
PS)は吐出ガス圧力が過上昇した時に作動する高圧圧力
スイッチである。
【0034】一方、図4は、室内ユニット(B)の冷媒
配管系統及び空調空気の配管構成を示し、室内ユニット
(B)には、冷房運転時には蒸発器、暖房運転時には凝
縮器となる利用側熱交換器(12)及び室内ファン(1
2a)と、該利用側熱交換器(12)の暖房サイクル運
転時に冷媒流量を調節し、冷房サイクル運転時に冷媒の
絞り作用を行う室内電動膨張弁(13)とが配置され、
利用側配管(15a),(15c)によって直列に接続
されている。
【0035】図5は、上記室内ユニット(B)と室外ユ
ニット(A)からの冷媒配管に介設されるBSユニット
(C)の構成を示し、このBSユニット(C)は、室内
ユニット(B)のガス管(15a)の接続を室外ユニッ
ト(A)から延びる吐出ライン(11a)と吸入ライン
(11b)とに交互に切換えるものである。すなわち、
利用側熱交換器(12)の液管(15c)側は、上記液
ライン(11c)に接続される一方、利用側熱交換器
(12)のガス管(15a)側は、各々逆止機能を有す
る第1,第2開閉弁(SV1),(SV2)により、上記吐
出ライン(11a)と吸入ライン(11b)とに交互に
切換えるようになされている。すなわち、第1開閉弁
(SV1)が開いたときには、吐出ライン(11a)から
高圧ガス冷媒が利用側熱交換器(12)に導入されて、
利用側熱交換器(12)が凝縮器となり、第2開閉弁
(SV2)が開いたときには、利用側熱交換器(12)か
ら吸入ライン(11b)に冷媒が吸引されて、利用側熱
交換器(12)が蒸発器となるようになされている。な
お、BSユニット(C)内には、液ライン(11c)と
第2開閉弁(Sv2)の出口側の吸入ライン(11b)と
を接続するバイパス路(21)が設けられており、該バ
イパス路(21)には、液ライン(11c)側からのみ
の冷媒の流通を許容する逆止弁(23)と、キャピラリ
チュ―ブ(24)と、キャピラリチュ―ブ(24)で減
圧され蒸発した冷媒と液冷媒との熱交換を行う熱交換器
(22)とが液ライン(11c)側から順に介設されて
いる。さらに、吐出ライン(11c)の第1開閉弁(S
V1)上流側と第2開閉弁(SV2)上流側とは、キャピラ
リーチューブ(26)を介して均圧バイパス路(25)
によって接続されている。
【0036】次に、第2空調機(Y)の構成について説
明する。図1及び図2に示すように、第2空調機(Y)
には、空調空気を生成するための中央ユニット(D)
と、該中央ユニット(D)で生成された空調空気をイン
テリアゾーン(Zi)に供給するための空調ダクト
(E)とを備えている。上記中央ユニット(D)のケー
シング内には、空調ダクト(E)に空調空気を送風する
送風ファン(F3)が配設されており、ケーシング内に
はこの送風ファン(F3)による通風路が形成されてい
る。そして、この通風路に、上述のBSユニット(C)
を介して第1空調機(X)の冷媒回路(14)に冷媒配
管で接続される冷媒コイル(51)と、流量制御弁(5
4)を介して水配管(53)で熱源水供給装置(W)に
接続される水用コイル(52)とが設置されている。さ
らに、上記空調ダクト(E)はインテリアゾーン(C
i)まで延びていて、その先端には、インテリアゾーン
(Ci)の各部に空調空気を供給するための空気吹出口
が開口している。すなわち、中央ユニット(D)の空気
吸込口から還気と外気を吸い込んで、冷媒コイル(5
1)又は水用コイル(52)で吸い込んだ還気と外気と
冷媒又は水との熱交換を行って、空調空気を生成し、空
調ダクト(E)を介してインテリアゾーン(Zp)の各
部に空調空気を供給するようになされている。なお、上
述のように、冷媒コイル(51)は、BSユニット
(C)により、冷媒回路(14)の吐出ライン(11
a)又は吸入ライン(11b)に交互に接続されるの
で、ペリメータゾーン(Zp)に配置される各室内熱交
換器(12)とは個別に冷暖切換え可能になされてい
る。さらに、図1には示されていないが、冷媒コイル
(51)の液管側には、冷媒流量を調節する機能と冷媒
を膨張させる機能とを有する中央側電動膨張弁(EVd)
が介設されている(後述の図6参照)。
【0037】また、図1において、(201)は中央ユ
ニット(D)内に配設されたシステムコントローラ、
(203)は室外制御装置、(204)は室内制御装置
である。
【0038】図6は、上記各制御装置間の制御系の構成
を示し、中央ユニット(D)のシステムコントローラ
(201)において、(210)は制御指令部であっ
て、該制御指令部(210)には、暖房能力判定回路
(211)と、冷房能力判定回路(212)と、水配管
系における冷水の有無を判定する冷水有無判定回路(2
13)と、熱回収熱量演算回路(214)と、冷水コイ
ル能力判定回路(215)と、冷水コイル能力制御指令
回路(216)と、冷媒コイル能力制御指令回路(21
7)と、個別空調機運転量演算回路(218)とが配設
されている。また、(220)は上記冷媒コイル(5
1)の能力を制御する冷媒コイル制御装置であって、該
冷媒コイル制御装置(220)には、上記中央側電動膨
張弁(EVd)の開度を制御する弁開度制御装置(22
1)と、上記BSユニット(C)の開閉弁(SV1),
(SV2)の開閉を切換える切換制御器(222)とが配
設されている。さらに、(230)は上記冷水コイル
(52)側の流量制御弁(54)の開度を制御する冷水
制御弁開度制御装置である。
【0039】一方、第1空調機(Y)の室内制御装置
(204)において、(240)は制御指令部であっ
て、該制御指令部(240)には、暖房能力判定回路
(241)と、冷房能力判定回路(242)と、利用側
熱交能力制御指令回路(243)とが配設されている。
また、(250)は上記システムコントローラ(20
1)内の個別空調機運転量演算回路(218)に当該ユ
ニット内の利用側熱交換器(12)の運転情報を通信す
る個別空調機運転情報通信装置、(260)は上記利用
側熱交換器(12)の能力を制御する利用側熱交制御装
置であって、該利用側熱交制御装置(260)には、室
内電動膨張弁(13)の開度を制御する弁開度制御装置
(261)と、上記BSユニット(C)の開閉弁(SV
1),(SV2)の開閉を切換える切換制御器(262)
とが配設されている。
【0040】次に、上記中央ユニット(D)内の制御シ
ステムによる制御内容について、図11〜図14の切換
線図を参照しながら、図7〜図10のフロ―チャ―トに
基づき説明する。まず、ステップST1で、空調ダクト
(E)のダンパ(図示せず)の制御態様を規定するダン
パモードを通常運転に切換え、ステップST2で、イン
テリアゾーン(Zi)の室内温度(乾球温度)DBraを
設定温度SPと比較する。そして、DBra>SP−1で
あれば後述の冷房ルーチンを実行する一方、DBra<S
P−1であれば、以下の暖房ルーチン1を実行する(図
11参照)。ただし、ここでの冷房及び暖房におけるオ
ン・オフ切換えは、図12に示すようになされている。
【0041】暖房ルーチン1では、ステップST3で、
ダンパモードを冷媒運転に切換えて、ステップST4
で、冷媒コイル能力制御指令回路(217)にインテリ
アゾーン(Zi)の設定温度SPの値を伝送して、ステ
ップST5で、上記弁開度制御装置(221)により冷
媒コイル(51)の運転を行う。すなわち、ステップS
T6で、OFF命令があるか否かを判別し、OFF命令
があれば、ステップST7の停止ルーチンに移行する
が、OFF命令がなければ、ステップST8で、設定温
度SPを読み込んで冷媒コイル能力制御指令回路(21
7)に設定温度SPの値を伝送し、ステップST9で、
室内温度DBraが設定温度SPよりも大きいか否かを判
別し、DBra>SPになるまで、上記ステップST6〜
ST8の制御を繰り返す一方、DBra>SPになると、
ステップST10に進んで、冷媒コイル(51)をサー
モオフ状態としてから、上記ステップST2の制御に戻
る。
【0042】一方、上記ステップST2の判別で、DB
ra>SPであれば、ステップST11以下の冷房ルーチ
ン1に移行し、ステップST11で、冷媒コイル能力制
御指令回路(217)にサーモオフを指令した後、ステ
ップST12で、冷媒コイル(51)の運転を開始し
て、ステップST13でOFF命令があるか否かを判別
し、OFF命令があればステップST14に移行して停
止ルーチンを実行する一方、OFF命令がなければステ
ップST15に進んで、冷水の有無を判別する。そし
て、冷水がなければ後述の冷媒単独冷房による冷房ルー
チン2を実行するが、冷水があれば、ステップST16
以下の制御を行う。すなわち、ステップST16で、室
内温度DBraと設定温度SPとを比較して、DBra>S
Pであれば、ステップST17に進み、ペリメータゾー
ン(Zp)の各室内機のサーモステップを読み込んで、
ステップST18で、各室内機の運転量Kzi(i=1〜
m)を演算した後、ステップST19で、その総暖房運
転量ΣKziを算出する。そして、ステップST20で、
熱回収を行うべく総運暖房転量Σziからそれに等しい冷
媒コイル運転量を演算して、冷媒コイル(51)の能力
制御用設定温度SPを算出し、ステップST21で、冷
媒コイル能力制御指令回路(217)にサーモオフの解
除を指令すると同時に、制御用P板(202)に能力制
御用設定温度SP値を伝送する。なお、上記ステップS
T16の判別で、DBra<SPであれば、ステップST
22に移行して、冷媒コイル能力制御指令回路(21
7)に、サーモオフを指令する。
【0043】次に、ステップST23で、インテリアゾ
ーン(Zi)の空調負荷から冷媒コイル運転量を差し引
いた値により冷水コイル(52)の流量制御弁(54)
の弁開度を演算し、ステップST24で、流量制御弁
(54)を操作し、ステップST25で、流量制御弁
(54)の開度が100%でかつDBra>>SPか否かを
判別し、判別結果がYESであれば後述の冷媒追いかけ
冷房運転をするが、判別結果がNOであれば、ステップ
ST26に進み、DBra<SPか否かを判別し、DBra
<SPになるまでは、ステップST13の制御に戻っ
て、冷房運転を継続し、DBra<SPになると、ステッ
プST2の制御に戻って、再び冷暖房いずれを行うべき
かを判別する。
【0044】ただし、ここでは、DBra>>SPとは、図
13に示すように、DBra>SP+2の場合としてい
る。また、DBra<SPとは、ここでは、図14に示す
ように、DBra<SP−2の場合としている。
【0045】また、上記ステップST25の判別で、判
別結果がNOの時には、ステップST31に移行して、
冷房ルーチン3の冷媒追いかけ冷房運転を行う。まず、
ステップST31で、ダンパモードを冷媒運転に切換
え、ステップST32で、冷媒コイル能力制御指令回路
(217)にサーモオフの解除を指令して次に進む。そ
して、ステップST33で、OFF命令があるか否かを
判別し、OFF命令があれば、ステップST34に進ん
で停止ルーチンを実行する一方、OFF命令がなけれ
ば、ステップST35に進み、設定温度SPの値を読み
込んで、冷媒コイル能力制御指令回路(217)にSP
値を伝送する。その後、ステップST36で、DBra<
SPでかつ流量制御弁(54)の開度が70%よりも小
さいか否かを判別し、判別結果がNOの間は上記ステッ
プSAT33〜35の制御を繰り返す一方、判別結果が
YESになると、ステップST37に進んで、冷媒コイ
ル能力制御指令回路(217)にサーモオフを指令した
後、上記ステップST16の制御に移行する。
【0046】一方、上記ステップST15の判別で、冷
水がないとき例えば残業時間に入って熱源水供給装置
(W)が停止されたときなどには、ステップST41に
移行して、冷媒単独冷房運転を行う。すなわち、ステッ
プST41〜45まで、上記ステップST31〜35と
同様の制御を行いながら、冷媒単独運転を行う。そし
て、ステップST46で冷水の有無を判別して、冷水が
なければ上記ステップST43の制御に戻り、冷媒単独
冷房運転を継続する一方、冷水があればステップST4
7に進んで、冷媒コイル能力制御指令回路(217)に
サーモオフを指令した後、上記ステップST16の制御
に移行する。
【0047】上述の制御により、インテリアゾーン(Z
i)の冷房運転についてみると、冷水コイル(52)の
能力で十分インテリアゾーン(Zi)の冷房要求を満た
すことができる場合には、ステップST16の判別で、
室温DBraが設定値SP以下になるので、ステップST
22の制御を経て、ステップST23,24の制御を行
うが、この流量制御弁(54)の制御を行っているうち
に冷房負荷が上昇し、ステップST25の判断で、判別
結果がNOになると、冷房能力が不足していることにな
るので、ステップST31以下で、その不足分を冷媒コ
イル(51)で補う冷媒追いかけ冷房が行われる。上記
ステップST25の判断により、冷水コイル(52)の
冷房能力の不足状態を検出する能力不足検出手段(10
5)が構成されており、ステップST23〜ST24の
制御により、請求項3の発明にいう冷水コイル能力制御
手段(102A)が構成され、ステップST23〜25
からステップST31以下のステップを実行する制御に
より、請求項3の発明にいう冷媒コイル能力制御手段
(101A)が構成されている。
【0048】一方、ペリメータゾーン(Zp)が暖房で
インテリアゾーン(Zi)が冷房の場合には、ステップ
ST16の判別で、DBra>SPとなるので、ステップ
ST17〜ST21の制御によって、第1空調機(X)
によるペリメータゾーン(Zp)側の暖房運転量に見合
った能力に冷媒コイル(51)の能力を制御する。つま
り、ペリメータゾーン(Zp)で室内空気との熱交換に
よって得た冷熱をインテリアゾーン(Zi)の室内に回
収する熱回収を行う。そして、この冷媒コイル(51)
の能力では不足している分だけを冷水コイル(52)で
補うよう制御する。さらに、この状態でインテリアゾー
ン(Zi)の室温が十分低下しないときには、ステップ
ST25以下の制御に移行して、冷媒コイル(51)で
能力不足分を補うことになる。この状態は、特にペリメ
ータゾーン(Zp)側で暖房運転を行っているが暖房負
荷が小さい場合などが該当する。上記ステップST17
〜ST19の制御により、請求項4の発明にいう暖房運
転量検出手段(106)が構成され、ステップST17
〜ST21の制御により、請求項4の発明にいう冷媒コ
イル能力制御手段(101B)が構成され、ステップS
T23及びST24の制御により、請求項4の発明にい
う冷水コイル能力制御手段(102B)が構成されてい
る。
【0049】また、特に、この熱回収運転を行いなが
ら、ステップST25の判別結果に応じて、ステップS
T31以下の冷媒追いかけ冷房運転を行う制御により、
請求項5の発明にいう冷媒コイル能力制御手段(101
B)の冷却能力補充機能が構成されている。
【0050】したがって、上記実施例の空気調和装置で
は、年間の空調負荷の状態に応じた多様な運転モードが
可能になる。図15は、年間の季節の変化とそれに対す
るインテリアゾーン(Zi)(実線部分)及びペリメー
タゾーン(Zp)(破線部分)の冷房負荷及び暖房負荷
の変化を示す。同図に示すように、インテリアゾーン
(Zi)では、年間を通じて冷房負荷がほとんどであ
る。ただし、同図には示されないが、冬期の立上がり時
などには暖房負荷があることもある。一方、ペリメータ
ゾーン(Zp)では、冬期(図中の11月〜4月)には
暖房負荷が、それ以外の季節には冷房負荷が主となる。
そして、ペリメータゾーン(Zp)で暖房運転を行うと
きには熱回収運転が可能となり(同図のハッチング部
分)、消費電力の低減を図ることができる。
【0051】図16は、典型的な冬期の一日におけるイ
ンテリアゾーン(Zi)及びペリメータゾーン(Zp)
の冷房負荷及び暖房負荷の変化を示し、インテリアゾー
ン(Zi)では立上がり時を除いて一日中冷房負荷があ
り、ペリメータゾーン(Zp)では暖房負荷がある。そ
して、図中斜めハッチング部分及び縦ハッチング部分
は、第1空調機(X)の利用側熱交換器(12)による
暖房で室内から得た冷熱と中央ユニット(D)の冷媒コ
イル(51)による熱回収冷房との釣合った部分を示
し、ドッティング部分は冷水コイル(52)による冷房
の熱量をそれぞれ示す。同図から分かるように、熱回収
ではまかない切れない冷房負荷だけが冷水コイル(5
2)の能力で補われる。すなわち、熱回収による消費電
力の低減効果が大きいことが分かる。
【0052】また、図17は、典型的な夏期の一日にお
けるインテリアゾーン(Zi)及びペリメータゾーン
(Zp)の冷房負荷の変化を示す。図中、斜めハッチン
グ部分は利用側熱交換器(12)による冷房を、縦ハッ
チング部分は冷媒コイル(51)による冷房を、ドッテ
ィング部分は冷水コイル(52)による冷房をそれぞれ
示す。すなわち、インテリアゾーン(Zi)では、冷水
だけで冷房負荷がほぼ満たされ、その間、ペリメータゾ
ーン(Zp)では、第1空調機(X)による冷房運転が
行われている。ただし、装置の管理上、残業時には熱源
水供給装置(W)は停止され、インテリアゾーン(Z
i)側の冷房負荷はすべて冷媒コイル(51)の能力を
利用して行われる。すなわち、特に冷房負荷の大きいと
きだけ部分的に冷媒コイル(51)の能力を利用した冷
房能力の補充がなされ、空調の快適性を維持することが
できる。
【0053】なお、上記実施例では、熱回収を行う場合
に、第1空調機(X)を三本配管で構成される冷媒回路
(14)を備えたものとしたが、本発明における第1空
調機(X)はかかる構成に限定されるものではなく、単
に他の切換手段によってペリメータゾーン(Zp)側の
利用側熱交換器(12)と中央ユニット(D)の冷媒コ
イル(51)とが個別に冷暖切換えになされていればよ
い。ただし、請求項3の発明のごとく、必ずしも熱回収
を行う必要のない場合は、個別に冷暖切換え可能に構成
されている必要はない。
【0054】また、上記実施例では、熱回収を行う場
合、冷水コイル能力制御手段(102B)により、冷水
コイル(52)の能力を、インテリアゾーン(Zi)の
空調負荷から冷媒コイル(51)の能力を減じた能力に
するよう制御する方法として、インテリアゾーン(Z
i)における設定温度SPから冷媒コイル(51)の能
力制御用設定温度SP′を減じて、設定温度を変更する
ようにしたが、室温を冷媒コイル(51)の能力に応じ
て補正するようにしてもよい。
【0055】また、実施例は省略するが、請求項6の発
明のごとく、上述の熱回収運転において、冷媒コイル
(51)の出口側の冷風の温度を検出し、冷水コイル
(52)への吸込空気の温度と空調負荷との関係に基づ
き冷水コイル(52)の能力制御を行うようにしてもよ
い。その場合、冷媒コイル(51)の能力をより直接的
に検出することで、制御の正確性が向上するという利点
がある。
【0056】ただし、請求項1〜5の発明においては、
冷媒コイル(51)と冷水コイル(52)とは必ずしも
中央ユニット(D)内で直列に配置されている必要はな
く、互いにダンパー等を介して並列に配置されていても
よい。
【0057】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明に
よれば、ペリメータゾーンとインテリアゾーンとを有す
る空調空間を空調するための空気調和装置として、冷暖
切換え可能な冷媒回路を備え、冷媒回路にペリメータゾ
ーンに利用側熱交換器を配置した第1空調機と、インテ
リアゾーンに空調空気を供給する空調ダクトを備え、空
調ダクトの送風ファンの通風路に冷水コイルと上記第一
空調機の冷媒回路に接続される冷媒コイルとを配設して
なる第2空調機とを設けたので、ペリメータゾーンで
は、第1空調機による冷房運転及び暖房運転を行う一
方、インテリアゾーンでは、空調要求に応じ、暖房運転
や冷媒コイルを介した冷房能力の補充をすることが可能
となり、各ゾーンの相異なる空調要求に対応しながら、
インテリアゾーンへの多くの利用側熱交換器や膨張弁の
設置を不要とすることができ、設備コストの低減を図る
ことができる。
【0058】請求項2の発明によれば、上記請求項1の
発明において、冷媒回路の利用側熱交換器と冷媒コイル
とを個別に冷暖切換え可能に構成したので、ペリメータ
ゾーンで暖房運転を行いながらインテリアゾーンで冷房
を行う際に、ペリメータゾーンの冷熱をインテリアゾー
ンの冷房に利用する熱回収が可能となり、よって、消費
電力の低減を図ることができる。
【0059】請求項3の発明によれば、上記請求項1の
空気調和装置の運転制御装置として、インテリアゾーン
の空調負荷を検出し、インテリアゾーンの冷房負荷に応
じて冷水コイルの能力を制御する一方、冷房負荷に対す
る冷水コイル側の冷房能力が不足しているときには、冷
媒コイルの能力を上記冷水コイルの能力の不足分に一致
させるよう制御する構成としたので、夏期等の冷房要求
の大きい条件下でもインテリアゾーンの空調の快適性を
維持維持することができる。
【0060】請求項4の発明によれば、上記請求項2の
空気調和装置の運転制御装置として、ペリメータゾーン
の利用側熱交換器の暖房運転量を検出し、インテリアゾ
ーンの冷房運転時、冷媒コイルの冷却能力をペリメータ
ゾーンの暖房運転量に一致させるよう制御する一方、冷
水コイルの能力を、インテリアゾーンの空調負荷から冷
媒コイルの能力を減じた能力にするよう制御する構成と
したので、冬期などのペリメータゾーンでは暖房要求が
インテリアゾーンでは冷房要求がある条件下で、熱回収
運転により消費電力の大幅な低減を図ることができる。
【0061】請求項5の発明によれば、上記請求項4の
発明において、冷房負荷に対する冷水コイル側の冷房能
力の不足量を検出し、インテリアゾーンの冷房運転時、
冷媒コイルの能力を能力不足量だけ増大するようにした
ので、上記請求項3及び4の発明の効果によって、年間
を通じて、多様に変化する環境条件に対応した運転を行
うことができ、空調の快適性の維持と消費電力の低減と
を図ることができる。請求項6の発明によれば、上記請
求項4の発明において、冷媒コイルと冷水コイルとを空
調ダクトの送風ファンの通風路に上流側から順に直列に
配置し、各コイル間の冷風の温度を検出して、この冷風
の温度とインテリアゾーンの空調負荷との関係に基づい
て、冷水コイルの能力を制御するようにしたので、より
直接的に冷媒コイルの能力を検知することで、制御の正
確性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例に係る空気調和装置の一つの階における
構成を示す図である。
【図2】実施例に係る空気調和装置の建物全体における
構成を示す図である。
【図3】実施例に係る第1空調機の室外ユニットの構成
を示す冷媒配管系統図である。
【図4】実施例に係る第1空調機の室内ユニットの構成
を示す冷媒配管系統図である。
【図5】実施例に係る第1空調機又は第2空調機のBS
ユニットの構成を示す冷媒配管系統図である。
【図6】実施例に係る各空調機の制御システムの構成を
示すブロック図である。
【図7】実施例におけるインテリアゾーンの暖房運転の
制御内容を示すフロ―チャ―ト図である。
【図8】実施例におけるインテリアゾーンの熱回収冷房
運転の制御内容を示すフロ―チャ―ト図である。
【図9】実施例におけるインテリアゾーンの冷媒追いか
け冷房運転の制御内容を示すフロ―チャ―ト図である。
【図10】実施例におけるインテリアゾーンの冷媒単独
冷房運転の制御内容を示すフロ―チャ―ト図である。
【図11】実施例における冷暖房の切換方法を示す切換
線図である。
【図12】実施例における冷房及び暖房中のオン・オフ
の切換方法を示す切換線図である。
【図13】実施例における冷媒追いかけ冷房運転への移
行及び冷媒追いかけ冷房運転からの復帰を行うための切
換特性を示す切換線図である。
【図14】実施例における熱回収運転の継続又は暖房運
転への移行判断を行うための切換特性を示す切換線図で
ある。
【図15】インテリアゾーンとペリメータゾーンの年間
の空調負荷の変化を示す図である。
【図16】冬期の一日におけるインテリアゾーン及びペ
リメータゾーンの空調負荷の変化及び各空調機の運転モ
ードの変化を示す図である。
【図17】夏期の一日におけるインテリアゾーン及びペ
リメータゾーンの空調負荷の変化及び各空調機の運転モ
ードの変化を示す図である。
【符号の説明】
12 利用側熱交換器 13 室内電動膨張弁 14 冷媒回路 51 冷媒コイル 52 冷水コイル 53 冷水配管 54 流量制御弁 101 冷媒コイル能力制御手段 102 冷水コイル能力制御手段 A 室外ユニット B 室内ユニット C BSユニット D 中央ユニット E 空調ダクト W 熱源水供給装置 X 第1空調機 Y 第2空調機 Zi インテリアゾーン Zp ペリメータゾーン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 古屋 清 大阪府堺市金岡町1304番地 ダイキン工業 株式会社堺製作所金岡工場内 (72)発明者 青木 啓祐 大阪府堺市金岡町1304番地 ダイキン工業 株式会社堺製作所金岡工場内 (72)発明者 橋間 尚紀 大阪府大阪市北区中崎西2丁目4番12号 梅田センタービル ダイキン工業株式会社 内 (72)発明者 森上 恒雄 大阪府大阪市北区中崎西2丁目4番12号 梅田センタービル ダイキン工業株式会社 内 (72)発明者 志渡沢 正孝 大阪府大阪市北区中崎西2丁目4番12号 梅田センタービル ダイキン工業株式会社 内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外部空間に隣接するペリメータゾーン
    (Zi)とその内部側に配置されるインテリアゾーン
    (Zp)とを有する空調空間を空調するための空気調和
    装置であって、 冷媒が循環する冷暖切換え可能な冷媒回路(14)を有
    し、該冷媒回路(14)に介設される利用側熱交換器
    (12)を上記ペリメータゾーン(Zi)に配設してな
    る第1空調機(X)と、 上記インテリアゾーンに空調空気を供給する空調ダクト
    (E)を有し、該空調ダクト(E)の送風ファンの通風
    路に、冷水が流通する能力制御が可能な冷水コイル(5
    2)と、上記第1空調機(X)の冷媒回路(14)に冷
    媒配管を介して接続される能力制御が可能な冷媒コイル
    (51)とを配設してなる第2空調機(Y)とを備えた
    ことを特徴とする空気調和装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の空気調和装置において、 上記冷媒回路(14)の利用側熱交換器(12)と冷媒
    コイル(51)とは、個別に冷暖切換え可能に構成され
    ていることを特徴とする空気調和装置の運転制御装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の空気調和装置の運転を制
    御する空気調和装置の運転制御装置であって、 上記インテリアゾーン(Zi)の空調負荷を検出する空
    調負荷検出手段と、 インテリアゾーン(Zi)の冷房運転時、上記空調負荷
    検出手段の出力を受け、インテリアゾーン(Zi)の冷
    房負荷に応じて冷水コイル(52)の能力を制御する冷
    水コイル能力制御手段(102A)と、 インテリアゾーン(Zi)の冷房負荷に対する冷水コイ
    ル(52)側の冷房能力の不足状態を検出する能力不足
    検出手段(105)と、 インテリアゾーン(Zi)の冷房運転時、該能力不足検
    出手段(105)の出力を受け、冷水コイル(52)の
    能力の不足分を補うよう冷媒コイル(51)の能力を制
    御する冷媒コイル能力制御手段(101A)とを備えた
    ことを特徴とする空気調和装置の運転制御装置。
  4. 【請求項4】 請求項2記載の空気調和装置の運転を制
    御する空気調和装置の運転制御装置であって、 上記インテリアゾーン(Zi)の空調負荷を検出する空
    調負荷検出手段と、 上記ペリメータゾーン(Zp)に配置される利用側熱交
    換器(12)の暖房運転量を検出する暖房運転量検出手
    段(106)と、 上記インテリアゾーン(Zi)の冷房運転時、上記暖房
    運転量検出手段(106)の出力を受け、上記冷媒コイ
    ル(51)の冷却能力をペリメータゾーン(Zp)の暖
    房運転量に一致させるよう制御する冷媒コイル能力制御
    手段(101B)と、 上記冷水コイル(52)の能力を、上記空調負荷検出手
    段で検出されるインテリアゾーン(Zi)の空調負荷か
    ら上記冷媒コイル能力制御手段(101B)で制御され
    る冷媒コイル(51)の能力を減じた能力にするよう制
    御する冷水コイル能力制御手段(102B)と、 を備えたことを特徴とする空気調和装置の運転制御装
    置。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の空気調和装置の運転制御
    装置において、 インテリアゾーン(Zi)の冷房負荷に対する冷水コイ
    ル(52)側の冷房能力の不足状態を検出する能力不足
    検出手段(105)を備え、 上記冷媒コイル能力制御手段(101B)は、インテリ
    アゾーン(Zi)の冷房運転時、該能力不足検出手段
    (105)の出力を受け、冷水コイル(52)の能力の
    不足分を補うよう冷媒コイル(51)の能力を制御する
    ことを特徴とする空気調和装置の運転制御装置。
  6. 【請求項6】 請求項4記載の空気調和装置の運転制御
    装置において、 上記冷媒コイル(51)と冷水コイル(52)とは、空
    調ダクト(E)の送風ファンの通風路において直列にか
    つ冷媒コイル(51)を上流側として配置されており、 上記冷媒コイル(51)の下流側かつ冷水コイル(5
    2)上流側の空調空気の温度を検出する空気温度検出手
    段を備え、 上記冷水コイル能力検出手段(102B)は、上記冷水
    コイル(52)の能力を、上記空調負荷検出手段で検出
    されるインテリアゾーン(Zi)の空調負荷と上記空気
    温度検出手段で検出される空調空気の温度との関係に基
    づき制御することを特徴とする空気調和装置の運転制御
    装置。
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CN109084417A (zh) * 2018-08-28 2018-12-25 广东美的暖通设备有限公司 多联式空调的开机方法、系统、设备及介质

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