JPH07123899A - 焼きパイ蓋付カップ食品製造用補助操作具と焼きパイ蓋付カップ食品の製造方法 - Google Patents

焼きパイ蓋付カップ食品製造用補助操作具と焼きパイ蓋付カップ食品の製造方法

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JPH07123899A
JPH07123899A JP29616193A JP29616193A JPH07123899A JP H07123899 A JPH07123899 A JP H07123899A JP 29616193 A JP29616193 A JP 29616193A JP 29616193 A JP29616193 A JP 29616193A JP H07123899 A JPH07123899 A JP H07123899A
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pie
lid
container
flange
opening
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JP29616193A
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Inventor
Chikataka Toramatsu
睦孝 寅松
Ryozo Akizuki
良三 秋月
Yukio Mizoguchi
征雄 溝口
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Nichiro Corp
Original Assignee
Nichiro Corp
Nichiro Gyogyo Kaisha Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 焼きパイ蓋付カップ食品の製造に用いる補助
操作具と焼きパイ蓋付カップ食品の製造方法を提供す
る。 【構成】 下型枠基体の上面に容器嵌合係止用孔と容器
のフランジが係止できる係止縁8と山形状の雄型4を突
出形成すると共に、案内凸部5を設けてなる下型1と上
型枠基体の下面に山形状の凹嵌部16を形成してなる雌
型12が穿設されていると共に案内凹部13が設けられ
ている上型2との2部材から構成され、前記下型1の容
器嵌合係止用孔内に、加工食品の収納容器を嵌合係止し
た上、当該容器のフランジ上にパイ生地蓋を中央の適正
位置に載置しその上で上型2をその雌型12が下型1の
雄型4に嵌合組合せて押下げ、生パイ蓋のフランジから
の延出部分を下向きに折曲げ、更に必要に応じてパイ生
地蓋の周辺近傍を当該小さな間隙に挟んでパイ生地の積
層構成を潰して殺し部を得るように構成した焼きパイ蓋
付カップ食品製造用整形補助操作具とそのカップ食品の
製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、外観が特に良好で美味
しい焼きパイを、加工品の収納された容器の蓋として成
形固定した焼きパイ蓋付きカップ食品を製造するための
整形補助操作具と、当該焼きパイ蓋付きカップ食品の製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、容器の中に食物を入れ、その
容器の開口部にパイ生地で蓋を固着して容器ごと加熱す
ると、当該パイ生地が膨らんで山形に盛り上がった焼き
パイになり、外観があたかもきのこのような状態になる
料理がある。例えば、容器の中にスープを入れたもの
は、その外観形状から通称“びっくりきのこスープ”
(Soupe de champignous en surprise) と称され、料理
の本などでも紹介されている。また、“ブレーズト・チ
キンパイ”等と称されるパイで容器の開口部に蓋をして
オーブンで焼いた料理等もある。
【0003】これらの焼きパイ蓋の付いた料理は、パイ
蓋があるため、冷めにくいし、料理の風味が逃げないう
え、パイ独特の香ばしい風味が加わって焼きパイ蓋の無
い同種のスープや各種料理と比較すると、より一段とお
いしさの付加されたものとなり、人気がある。しかし、
パイ生地を作ったり、パイを焼いたり、容器にパイを固
定する技術などが難しく、手間がかかるので、一般家庭
やファーストフーズ等で手軽につくることができないで
いるのが現状である。
【0004】従来のきのこスープの製造法をみると、
まず容器に収納するス−プの味付けや、煮込み等の下ご
しらえをしておく、次にパイ生地を打ち粉をした台の
上で厚さ3mmにのばし、容器の口径よりひとまわり大
きい円形に切り抜く、当該スープの荒熱を取って器に
入れる、容器の縁に結着させるため、溶き卵をハケで
塗り、パイ生地をかぶせて縁をしっかりと押さえ、はが
れないように容器の壁に圧着させる。パイ生地の表面
に溶き卵を塗り、すぐに熱したオーブンに入れて、約1
5分ほど焼く、というものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】この種の料理の製造技
術のポイントは、容器の縁に溶き卵をハケで塗り、パイ
生地を載せて縁をしっかりと押さえ、はがれないように
容器の壁に圧着させる点にある。この作業手間が面倒で
あるうえ、作業者の押さえ方によって、うまく開口部で
パイ生地が膨らんで山形に盛り上がった焼きパイになる
場合と、失敗して外れたり、盛り上がらなかったりする
場合がある。
【0006】本発明者は、このような容器の開口部へ焼
きパイで蓋をするように固定する方法について研究する
うち、極めて簡単な方法で実現可能なことに気が付い
た。それは、開口部にフランジの形成してある容器の上
に、フランジの径よりひとまわり大きい形状のパイ生地
をその周縁部がフランジより延出するように載せ、オー
プンで加熱した時、パイ生地が膨張し焼き上がるまでの
変化の様子を詳細に観察したところ、パイ生地は、まず
その周縁部から加熱膨張してやがてその膨張はパイ全面
に及び、焼きパイとして膨れた状態で変性固化するが、
その時パイ生地の周縁部の膨張状態は、まずパイ生地が
垂れ下がってから膨れるのでフランジの外周縁を包み込
むように回り込み、あたかも掴むように固定する現象が
起こることを見出したのである。発明者は、この新しく
見出した知見を利用すれば、容器のフランジ上にパイ生
地蓋を開口部が閉塞されるように載置し、加熱するだけ
の簡単な操作で、誰にでも簡単且つ確実に容器の開口部
へ焼きパイで蓋をするように固定することが可能となる
ことに気付き、次のような発明を完成した。
【0007】それは、上面開口型で開口部にフランジの
形成してある耐熱性素材で形成された容器内に加熱仕上
げ向き加工食品を収納し、その容器の開口部のフランジ
上にパイ生地製のパイ生地蓋を当該開口部が閉塞される
ように載置した後、これをパイ生地が焼成するに必要な
設計された所定時間加熱して、パイ生地蓋が容器の開口
部上で膨張変性して全体が山形に盛り上がった状態に焼
成し、該開口部を閉塞する焼きパイ蓋として成形固化す
るとともに、その周辺部ではフランジ部にて膨化した焼
きパイが巻き付いて係止固化し、これによって膨化した
焼きパイ蓋が容器開口部に成形固定されるように構成し
たことを特徴とする焼きパイ蓋付カップ食品の製造法で
ある。
【0008】この発明の完成によって、従来製造技術が
難しく、手間もかかるので、専門の調理人がいるレスト
ランでしかほとんど食べれないパイ生地で容器の開口部
に蓋をして焼いた料理を、家庭で誰にでも手軽に作れ、
味わえる新規な焼きパイ蓋付きカップ食品と、その食品
製造技術を提供することができるようになった。しかる
に、この新規な焼きパイ蓋付カップ食品の製造法を採用
して、ファーストフーズや、ファミリーレストランなど
専門調理人が必ずしもいない外食産業の場で、商品とし
て業務用に大量生産しようとすると、次のような問題が
生じた。
【0009】上記発明の場合、喫食直前に容器の開口部
のフランジ上にパイ生地製のパイ生地蓋を載置して加熱
するという最終調理工程が必要であるが、その最終調理
工程を業務用として大量処理をおこなわなければならな
い場合、商品価値のある美しい焼き上がり、効率的な作
業処理、均一な品質の保持、作業者の熟練性を必要とし
ないことなどの要請がある。つまり、容器の開口部のフ
ランジ上にパイ生地製のパイ生地蓋を載置するだけの操
作といえども、パイ生地蓋を常に容器開口部の中央位置
に置くように制御するというのは意外に面倒で、どうし
ても載置位置にバラツキがでやすい。また、例えパイ生
地蓋を中央位置に置けたとしても加熱工程のために移動
したりする際、不用意な位置ずれを起こすことがしばし
ばある。このように容器開口部の中心とパイ生地蓋の中
心とが加熱時に位置ずれを起こしている場合には、焼き
パイとなって膨らんだときその位置ずれ状態が極端に強
調されたような状態となり、全体が盛り上がった山形の
焼きパイ形状がいびつになったり、形の悪いものにな
る。このパイ生地蓋のずれが大きくなると、焼きパイの
ずれが更に増大して、容器の開口部を完全には塞がなく
なり、内部の圧力が弱くなって、焼きパイの盛り上がり
と膨張が悪くなり、膨らむはずの山が低く見栄えの悪い
ものとなる。更にまた、パイ生地蓋をフランジ上に置い
ただけだと、焼きパイのフランジ部分での膨らみや係止
状態にバラツキが生じ易く、それが原因で焼きパイの膨
らみ形状がいびつになったり、不揃いなものになる場合
がある。このような状況になると、一応焼きパイ蓋付カ
ップ食品が出来上がるものの、商品としてその形が不揃
いとなったり、形の悪いものがあったりして商品価値を
低下させたり、売り物にならなくなったりする場合が多
い。
【0010】商品である以上、上記のような欠点を解消
し、未熟練者やアルバイトであっても、簡単な操作で、
常に焼きパイの形状が均一で、美しい商品価値の高い焼
きパイ蓋付カップ食品を、能率よく製造できるようにし
たい。という要請を実現すべく、鋭意研究した結果、加
熱処理前に〓パイ生地蓋を必ず開口部の中央位置に載置
すること、〓フランジからの延出部分を下向きに折り曲
げること、〓出来ればパイ生地蓋の周縁端部を潰してパ
イ生地構造を殺すことなどの補助整形処理を行うことに
よって、形、均一性、作業効率、熟練不要が大幅に改善
されることに気付いた。そこで、本発明は、このような
補助整形処理を簡単な操作でおこなえる整形補助操作具
を開発するとともに、そのような補助整形処理をするこ
とにより、常に美しい均一な形状の焼きパイ蓋に焼き上
げることのできる改善された焼きパイ蓋付カップ食品の
製造方法を提供せんとするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】特許を受けようとする第
1発明は、上面開口型で開口部にフランジの形成してあ
る耐熱性素材で形成された容器内に加熱仕上げ向き加工
食品を収納し、その容器の開口部のフランジ上にパイ生
地製のパイ生地蓋を当該開口部が閉塞されるように組み
合わせ配置した後、これをパイ生地が焼成するに必要な
設計された所定時間加熱して、パイ生地蓋が容器の開口
部上で膨張変性して全体が山形に盛り上がった状態に焼
成し、該開口部を閉塞する焼きパイ蓋として成形固化す
るとともに、その周辺部ではフランジ部にて膨化した焼
きパイが巻き付いて係止固化し、これによって膨化した
焼きパイ蓋が容器開口部に成形固定されるように構成し
たことを特徴とする焼きパイ蓋付カップ食品の製造に際
し、容器のフランジ上にパイ生地蓋を当該開口部の適正
位置に載置し、整形組み合わせをするための補助操作具
である。
【0012】当該補助操作具は、下型枠基体の上面に容
器嵌合係止用孔と容器のフランジが係止し得る係止縁
と、側周面に下方に向かって大径となるよう傾斜する整
形受面が形成された山形状の雄型を突出形成するととも
に、当該山形状の雄型の外周部にパイ生地蓋の載置位置
と、上型の姿勢、位置、押し下げ方向などを制御し得る
案内凸部を設けてなる下型と、上型枠基体の下面に、前
記雄型の整形受面に対応する形状の整形押面と山形状の
山頂近傍の逃げ凹部とから構成される凹嵌部を形成して
なる雌型が穿設されているとともに、当該雌型の外周部
には、下型の案内凸部の案内面と当接して上型の姿勢と
位置と押圧方向を制御する案内摺動面が形成されてなる
案内凹部が設けられている上型との2部材から構成され
ている。そして、前記下型の容器嵌合係止用孔内に、加
熱仕上げ向き加工食品を収納した容器を嵌合係止したう
え、当該容器のフランジ上にパイ生地蓋を案内凸部の案
内面を介してその位置が中央に位置し、且つフランジ周
辺より延出するパイ生地蓋の部分がほぼ均一になるよう
な適正位置に載置し、そのうえで上型をその雌型が下型
の雄型に嵌合するとともに、上型の案内凹部が下型の案
内凸部に当接案内されるように組み合わせて押し下げる
と、パイ生地蓋のフランジからの延出部分が、整形押面
により押されるとともに整形受面に規制されて、下向き
に折曲げられるように構成したことを特徴とする焼きパ
イ蓋付カップ食品製造用整形補助操作具である。
【0013】当該第1発明は、焼きパイ蓋付カップ食品
の製造に際して、容器のフランジ上に載置するパイ生地
蓋を、案内凸部を介してその位置が常に中央位置になる
ような機能と、パイ生地蓋のフランジからの延出部分
を、一対の雄型、雌型を用いて、均一に、美しく下向き
に折曲げられるような機能を有する整形補助操作具であ
る。このような補助整形処理をすると、フランジ部分の
包み込むような係止固化作用を促進して、早い時期に均
一且つ確実な係止を実現するので、その後の中央部の膨
らみが均一化し、形の良いものになる。
【0014】特許を受けようとする第2発明は、上面開
口型で開口部にフランジの形成してある耐熱性素材で形
成された容器内に加熱仕上げ向き加工食品を収納し、そ
の容器の開口部のフランジ上にパイ生地製のパイ生地蓋
を当該開口部が閉塞されるように組み合わせ配置した
後、これをパイ生地が焼成するに必要な設計された所定
時間加熱して、パイ生地蓋が容器の開口部上で膨張変性
して全体が山形に盛り上がった状態に焼成し、該開口部
を閉塞する焼きパイ蓋として成形固化するとともに、そ
の周辺部ではフランジ部にて膨化した焼きパイが巻き付
いて係止固化し、これによって膨化した焼きパイ蓋が容
器開口部に成形固定されるように構成したことを特徴と
する焼きパイ蓋付カップ食品の製造に際し、容器のフラ
ンジ上にパイ生地蓋を当該開口部の適正位置に載置し、
整形組み合わせをするための補助操作具である。これ
は、第1発明と同じである。
【0015】当該補助操作具は、下型と上型との2部材
により構成されている。先ず、当該下型は、下型枠基体
の上面中央部に山形状の雄型が形成されているととも
に、その外周部には案内凸部が植立形成されているが、
前記山形状の雄型は、その側周面に下方に向かって大径
となるよう傾斜する整形受面が形成されており、その雄
型の中心部には縦向きの容器嵌合係止用孔が貫通形成さ
れ、且その容器嵌合係止用孔の上端周辺には容器のフラ
ンジが係止し得る係止縁が形成されており、前記案内凸
部は、山形状の雄型の外周部に複数本適宜の間隔で植立
した柱体で、該柱体は雄型より高く形成するとともに、
その側面には、パイ生地蓋が容器嵌合係止用孔に嵌合係
止した容器のフランジ上に載置する際、その位置が中央
に位置するものとなり、且つフランジ周辺より延出する
パイ生地蓋の部分がほぼ均一になるような案内面と、上
型と組み合わせ押圧しようとするとき、該上型の姿勢と
押圧方向とを制御できる案内面とが形成されており、そ
の複数本の柱体の一部がほぼ雄型の高さと同じに高さに
形成されていて、パイ生地蓋を容器のフランジ上に載置
し易く構成されている。
【0016】また、前記上型は、その型枠基体の下面中
央部に雌型を形成するとともに、その外周部には、前記
案内凸部と対応する位置に、複数本適宜の間隔で案内凹
部を形成してあり、当該雌型は、前記雄型の整形受面に
対応する形状の整形押面と山形状の山頂近傍に設けた逃
げ凹部とからなる凹嵌部として形成されており、当該外
周部の案内凹部には、上型を下型に組み合わせた際、下
型の案内凸部の案内面と当接して上型の姿勢と、位置
と、押圧方向を制御する案内摺動面が形成されている。
【0017】しかも、上型を下型に組み合わせ押し下げ
たときできる整形空隙は、雄型の整形受面と雌型の形成
整形押面の傾斜面角度が少し異なり、上部間隙が大き
く、下部にいくに従って間隙が小さくなるように構成さ
れており、山形状の山頂近傍では逃げ凹部により余裕間
隙が形成されるように構成されている。
【0018】そこで、前記下型の容器嵌合係止用孔内
に、加熱仕上げ向き加工食品を収納した容器を嵌合係止
したうえ、当該容器のフランジ上にパイ生地蓋を、案内
凸部の案内面を介してその位置が中央に位置し、且つフ
ランジ周辺より延出するパイ生地蓋の部分がほぼ均一に
なるように制御して載置し、そのうえで上型をその雌型
が下型の雄型に嵌合するとともに上型の案内凹部が下型
の案内凸部に当接案内されるように組み合わせて押し下
げ、それによってパイ生地蓋のフランジからの延出部分
を下向きに折曲げるとともにそのパイ生地蓋の延出部分
の周縁近傍を整形受面と整形押面との小さな間隙に挟ん
でパイ生地の積層構成を潰し得るように構成したことを
特徴とする焼きパイ蓋付カップ食品製造用整形補助操作
具である。
【0019】当該第2発明は、第1発明を更に具体化
し、改良した焼きパイ蓋付カップ食品製造用整形補助操
作具である。本発明も下型と上型との2部材により構成
されており、焼きパイ蓋付カップ食品の製造に際して、
容器のフランジ上に載置するパイ生地蓋を、案内凸部を
介してその位置が常に中央位置になるような機能と、パ
イ生地蓋のフランジからの延出部分を、均一に、美しく
下向きに折曲げられるような機能を有する点において
は、第1発明と共通しているが、本発明は、パイ生地蓋
の延出部分の周縁近傍におけるパイ生地の積層構成を潰
し、この部分の膨らみを押さえ、硬く焼き上がるように
したもので、これにより従来より一段と焼きパイのスマ
ートな山形の膨らみと、強いフランジ部分での係止を実
現し、焼きパイ成形固化の確実さを向上させようとする
ものである。
【0020】特許を受けようとする第3発明は、上面開
口型で開口部にフランジの形成してある耐熱性素材で形
成された容器内に加熱仕上げ向き加工食品を収納したカ
ップ食品を用意し、当該容器のフランジ上に開口部を閉
塞するように、且つパイ生地蓋の中心と容器の開口部の
中心が一致しフランジからの延出部分が均一になるよう
パイ生地蓋を載置した後、パイ生地蓋のフランジからの
延出部分を下向きに折曲げるとともにそのパイ生地蓋の
延出部分の周縁近傍を潰して殺し、その後パイ生地が焼
成するに必要な設計された所定時間加熱することによ
り、容器の開口部に全体が山形に盛り上った状態に膨化
した焼きパイ蓋が焼成され、該開口部を閉塞するととも
に、当該焼きパイ蓋が容器のフランジ部に固定されるよ
うにしたことを特徴とする焼きパイ蓋付カップ食品の製
造方法である。
【0021】当該第3発明は、焼きパイ蓋付カップ食品
の改良された製造方法の発明である。その改良点は、加
熱処理の前に、パイ生地蓋の中心と容器の開口部の中心
が一致しフランジからの延出部分が均一になるようパイ
生地蓋を載置した後、パイ生地蓋のフランジからの延出
部分を下向きに折曲げるとともにそのパイ生地蓋の延出
部分の周縁近傍を潰して殺すという補助整形処理を行う
点にあり、これによって、焼きパイの山形の膨らみ形
状、均一性、作業効率、熟練不要が大幅に改善されるこ
とになった。
【0022】第1発明、第2発明、第3発明において、
容器というのは、耐熱性樹脂製、土器製、陶器製、金属
性、耐熱ガラス製など、耐熱製材質で形成された容器
で、上面開口型で開口部周辺にフランジが形成してある
ものをいい、そのフランジ部は上面がパイ生地蓋を載せ
て安定するような形状で、その外周端部が外方に突出し
ており、その下側に係止縁部を形成するものである。
【0023】当該容器に収納された加熱仕上げ向き加工
食品というのは、各種スープ類、各種シチュー類、各種
汁麺類、各種煮込み料理類、コーヒー、紅茶、ジュース
等のホットドリンク類のいずれかの種類であって、その
商品形態が冷凍食品、常温食品、チルド食品、インスタ
ント食品のいずれかである。当該加工食品は、パイ生地
が焼成するに必要な設計された所定時間加熱すると、丁
度喫食のための仕上げの加熱調理した状態になるよう調
整調理加工処理した半加工食品である。
【0024】更にまた、本発明に係るパイ生地蓋は、パ
イ生地製の使用対象となる容器の開口部を塞ぐに適した
対応形状で、且つそのフランジの径よりひとまわり(数
ミリメートル乃至数十ミリメートル)大きく形成されて
あれば良い。パイ生地は、何層にも折重ねた折りパイが
好ましく、その厚さも1〜10mm位までであれば良
い。好ましいのは、16層〜64層に折り重ねた厚さ2
〜4mmの折りパイで、良く膨らみ、形のよいものが出
来る。更に、当該パイ生地蓋は、出来たての生のもので
あっても、冷凍後解凍されたものであっても、冷凍され
ているものであっても良い。
【0025】
【実施例】以下、本願発明について、図面に基づき詳細
に説明する。図1は、本願発明にかかる焼きパイ蓋付カ
ップ食品製造用整形補助操作具を構成する上型と下型を
示す斜視図であり、図2は、同上型と下型が組み合わさ
れて一体となった時の整形補助操作具の状態を示す斜視
図である。図3は、同上型と下型が組み合わされて一体
となった時の整形補助操作具のA−A線縦断側面図であ
り、図4は、図1に示す上型のB−B線縦断側面図で、
図5は同上型のC−C線縦断側面図であり、図6は、図
1に示す下型のD−D線縦断側面図である。本願第1発
明と第2発明は、発明者が新たに開発した焼きパイ蓋付
カップ食品の製造法を採用する際に用いて好適な整形補
助操作具である。
【0026】先ず、本発明の前提となる新たな焼きパイ
蓋付カップ食品(図14,図15,図16参照)の製造
法について説明する。それは上面開口型で開口部20b
にフランジ20aの形成してある耐熱性素材で形成され
た容器20内に加熱仕上げ向き加工食品21を収納し、
その容器20の開口部20bのフランジ20a上にパイ
生地製のパイ生地蓋22を当該開口部20bが閉塞され
るように組み合わせ配置した後、これをパイ生地が焼成
するに必要な設計された所定時間オーブンにて加熱(図
11)すると、パイ生地蓋22は容器20の開口部20
b上で膨張変性して全体が山形に盛り上がった状態に焼
成し、該開口部を閉塞する焼きパイ蓋23として成形固
化するとともに、その周辺部ではフランジ20a部にて
膨化した焼きパイが巻き付いて係止固化23aし(図1
4)、これによって膨化した焼きパイ蓋23が容器開口
部20bに成形固定されるように構成したことを特徴と
する焼きパイ蓋付カップ食品の製造法である。この製造
法を円滑、確実にしかも能率的に実施するために、容器
20のフランジ20a上にパイ生地蓋22を当該開口部
20bの適正位置に載置し、補助整形処理し、組み合わ
せをするための補助操作具である。
【0027】このような焼きパイ蓋付カップ食品製造用
整形補助操作具は、図1に示すように、合成樹脂などで
形成された下型1と上型2との2部材により構成されて
いる。先ず、当該下型1は、図1,図6,図3に示すよ
うに、平面形状が正方形状の下型枠基体3の上面中央部
に山形状の雄型4が形成されているとともに、その外周
部における四方の角隅には案内凸部5,5,5,5が植
立形成されている。前記山形状の雄型4は、その側周面
に下方に向かって大径となるよう傾斜する整形受面6が
形成されており、その雄型4の中心部には縦向きの容器
嵌合係止用孔7が貫通形成されている。しかも、その容
器嵌合係止用孔7の上端周辺には容器20のフランジ2
0aが係止し得る係止縁8が形成されている。また、前
記案内凸部5,5,5,5aは柱体で、山形状の雄型4
の外周部の四方の角隅に1品づつ合計4本、所定の間隔
で植立している。当該前記案内凸部5,5,5,5aの
柱体は雄型4より高く形成するが、その4本の柱体のう
ちの1本5aがほぼ雄型4の高さと同じに高さに形成さ
れていて、パイ生地蓋22を容器20のフランジ20a
上に載置し易く構成されている。当該案内凸部の案内面
10a,10bは、パイ生地蓋22aが容器嵌合係止用
孔7に嵌合係止した容器20のフランジ20a上に載置
する際、その位置が中央に位置するものとなり、且つフ
ランジ20a周辺より延出するパイ生地蓋22の延出部
分22aがほぼ均一になるように規制する内側を向いた
案内面10aと、上型2と組み合わせ押圧しようとする
とき、該上型2の姿勢と位置と押圧方向とを制御できる
直角の角度をもった案内面10bとが形成されている。
【0028】また、前記上型2は、図1,図3,図4,
図5に示すように、平面形状が正方形状の上型枠基体1
1の下面中央部に雌型12を形成するとともに、その外
周部における四方の角隅には、前記案内凸部5,5,
5,5aと対応する位置に、4本所定の間隔をおいて案
内凹部13,13,13,13を形成してある。当該雌
型12は、前記雄型4の整形受面6に対応する形状の整
形押面14と山形状の山頂近傍に設けた逃げ凹部15と
からなる凹嵌部16として形成されている。そして当該
外周部の案内凹部13,13,13,13には、上型2
を下型1に組み合わせた際、下型1の案内凸部5,5,
5,5aの案内面10a,10bと当接して上型2の姿
勢と、位置と、押圧方向を制御する案内摺動面17a,
17bが形成されている。つまり、17aは案内凹部1
3の奥にある案内面で、案内凸部5の案内面10aと当
接して上型2の組み合わせ時の位置と上下動を主に案内
規制する。17bは案内面10aの左右両側で直角方向
の面を有する案内面10bと当接して、左右方向や回転
方向を主に規制する。尚、図中9は、中の様子が見える
窓穴である。
【0029】従って、下型1と上型2を組み合わせる
と、図2,図3に示すように雄型4と雌型12が嵌合
し、また案内凸部5と案内凹部13とが互いに嵌合し合
ってほぼ凹凸のない立方体状となり、外観的にもすぐれ
たものとなる。また、その相互の嵌合が四隅部と中央部
の五ケ所でおこなわれるので、位置めや向きや姿勢の制
御規制が容易で確実なものとなっている。更に、両者
は、組み合わせに際して、案内凸部5の案内面10a,
10bと案内凹部13の案内面17a,17bとの当接
によって規制されているので、上下方向への移動も容易
に、誰でも確実に行うことができる。
【0030】また、上型2を下型1に組み合わせ押し下
げたときできる整形空隙は、図10に示すように、雄型
4の整形受面6と雌型12の整形押面14の傾斜面角度
が少し異なるため、上部間隙Xが大きく、下部にいくに
従って間隙が小さくYなるように構成されており、山形
状の山頂近傍では逃げ凹部15により余裕間隙Zが形成
されるように構成されている。
【0031】そこで、図7に示したように、前記下型1
の容器嵌合係止用孔7内に、加熱仕上げ向き加工食品2
1を収納した容器5を嵌合係止したうえ、図7,図8に
示すように、当該容器20のフランジ20a上に載置す
るが、そのときパイ生地蓋22を、案内凸部5,5,
5,5の案内面10aに当接規制させながらその位置が
中央に位置し、且つフランジ20a周辺より延出するパ
イ生地蓋の延出部分22aがほぼ均一になるよう制御し
て載置する。そのうえで図10,図3に示すように、上
型2の雌型12を下型1の雄型4に嵌合するとともに、
上型2の案内凹部13,13,13,13が下型1の案
内凸部5,5,5,5aに当接案内されるように組み合
わせて押し下げる。すると、それによってパイ生地蓋2
2のフランジ20aからの延出部分22aを下向きに折
曲げるとともに(図9,図12参照)、そのパイ生地蓋
22の延出部分22aの周縁近傍を整形受面6と整形押
面14との小さな間隙に挟んでパイ生地の積層構成を潰
して殺し部22cを得るように構成(図10,図15)
した焼きパイ蓋付カップ食品製造用整形補助操作具であ
る。
【0032】即ち、図示実施例にかかる焼きパイ蓋付カ
ップ食品製造用整形補助操作具は、下型1と上型2との
2部材により構成されており、焼きパイ蓋付カップ食品
の製造に際して、容器20のフランジ20a上に載置す
るパイ生地蓋22を、案内凸部5,5,5を介してその
位置が常に中央位置になるような機能と、パイ生地蓋2
2のフランジからの延出部分22aを、均一に、美しく
下向きに折曲げられるような機能と、パイ生地蓋22の
延出部分22aの周縁近傍におけるパイ生地の積層構成
を潰して殺し部22cを形成し、この部分の膨らみを押
さえ、硬く焼き上がるようにする機能を有するもので、
これにより従来より一段と焼きパイのスマートな山形の
膨らみと、強いフランジ20a部分での係止を実現し、
焼きパイ蓋23の成形固化の確実さを向上させようとす
るものである。
【0033】次に、焼きパイ蓋付カップ食品製造用整形
補助操作具を用いて、補助整形処理をした場合の焼きパ
イ蓋付カップ食品の製造方法について図面に基づき詳細
に説明する。即ち、図13に示すごとく、上面開口型で
開口部にフランジの形成してある耐熱性素材で形成され
た容器内に加熱仕上げ向き加工食品を収納したカップ食
品を用意する。
【0034】つまり図7に示すように、耐熱性樹脂で成
形された直径が12cmの上面開口型の円形なパイ生地
蓋固定用容器20で、開口部20bにフランジ20aが
形成してあり、そのフランジ20aは上面がパイ生地蓋
22を載せて安定するよう5mmの平面で、その外周端
部が外方に突出しており、その下側に係止部20dを形
成する容器で、しかも、その中には味の付いたコーンス
ープが収納され、凍結されているカップ食品を用意し
た。
【0035】また、パイ生地蓋22は、厚さ3mmの3
6層折りパイ生地を用いて、これを容器20の開口部2
0bに対応して円形に切り抜いたものである。具体的に
は、前記容器20のフランジ20aの外周端縁20cよ
り15mm大きい半径が75mm(直径15cm)の寸
法の円形平板状パイ生地蓋22で半解凍したものを用意
した。
【0036】これを前述したような焼きパイ蓋付カップ
食品製造用整形補助操作具を用いて、図7,図8,図
9,図10,図12に示すごとく、補助整形処理を行っ
た。つまり、当該容器20のフランジ20a上に開口部
20bを閉塞するように、パイ生地蓋を載置するが、そ
の際、パイ生地蓋22の中心と容器20の開口部20b
の中心が一致しフランジ20aからの延出部分22aが
均一になるように位置決めしてパイ生地蓋22を載置
し、それから当該パイ生地蓋22のフランジ20aから
の延出部分22aを下向きに折曲げるとともに、そのパ
イ生地蓋22の延出部分22aの周縁近傍を潰して殺し
部22cを形成するという補助整形処理を行い、図1
2,図15に示すごとくなした。なお、パイ生地蓋22
の折り曲げの際、折曲部分には逃げ凹部があって、パイ
生地に無理な圧力をかけないように構成されているの
で、その部分にヒビが入ったり、切れたりすることがな
い。このようなヒビや切れをそのまま焼き上げると、そ
の部分が増幅強調されて商品価値を落とすことになる。
【0037】その後、これを図11に示すように、オー
ブンに入れ、パイ生地が焼成するに必要な設計された所
定時間、例えば13分〜15分間加熱する。すると、図
16に示したようにパイ生地蓋22のフランジ20aか
らの延出部分22aを下向きに折曲がり、しかもその延
出部分22aの周縁近傍が潰れて殺し部22cを形成し
ていたものが、加熱によって、他の部分より優先して膨
張をはじめ水滴が落ちる直前のような形状となる(図1
6)。これは、延出部分22aが上面、下面、側面の三
方から熱伝導をうけるので、他の部分と比較してこの部
分がもっとも早く加熱され、その部分のパイ生地が最初
に軟化するためである。このとき、延出部分22aの周
縁近傍を潰して殺し部22cを形成しているため、この
部分の膨らみ方が小さく早期に焼けて係止固化する。膨
らみが小さくなるのは、小麦粉層とバター層とが多数の
積層状態に構成されているパイ生地の構造が潰れるため
で、この部分だけはパイ状というよりパンの表皮状のよ
うになるのである。
【0038】そのまま加熱をつづけると、図17に示す
ように、垂れ下がり膨張し始めた延長部分22aが、膨
張に伴ってフランジ20aの外周端縁20cの下側へ回
り込んで膨張して加熱変性しはじめる。同時にフランジ
20a上面のパイ生地部分の温度が上がり膨張をはじ
め、フランジ20aの外周端縁20cを包み密着するよ
うな状態となって加熱変性固化する。これは、フランジ
20aが上面、下面、側面の三方から熱伝導をうけるた
め、容器のうちで一番早く温度上昇するためであるが、
開口部20bを塞いでいるパイ生地部分は、容器20内
の温度が暖まるのが遅いのでこの部分の温度上昇は遅く
なるためでもある。このようにフランジ20a上面のパ
イ生地部分が膨張をはじめると、図18のように、パイ
生地全体を上方にもちあげるような力が働き、フランジ
20aの下側で回り込むように膨らんでいた部分は上方
に引上げられるようになり、フランジ20aの外周端縁
20cを包み密着するような状態となって加熱変性固化
しはじめる。
【0039】その後に、図18に示すように、容器20
内の空気や、収納されているものの水分の温度が上昇し
て、容器20内の内圧があがり、開口部20b上のパイ
生地全面が上方に押上げられるとともに膨らみ、パイ生
地蓋22全体が山形に盛り上がった焼きパイ状態を形成
して固化するような状態になる。このようにパイ生地の
全体が膨張し、高温下で固化し、焼きパイが出来ると、
それによってパイ生地蓋22の周辺部が容器20のフラ
ンジ20aに密着係止した状態となり、容器20にパイ
が固定されるのである。
【0040】つまり、図16,図17,図18に示すよ
うな状況で順次容器20の開口部20bに全体が山形に
盛り上った状態に膨化し、焼きパイ蓋23が焼成され、
該開口部20bを閉塞するとともに、当該焼きパイ蓋2
3が容器20のフランジ部20aに固定され、図13,
図14のような焼きパイ蓋付カップ食品が出来上がるの
である。実施例において、加熱前に補助整形処理したも
のは、すべて容器20の開口部20bへ形良く均一な焼
きパイ蓋22を固定成形するのに成功した。とくに、焼
きパイ蓋23の容器20のフランジ20aへの固定部分
は形良く小さくまとまりしっかりと固定されており、そ
れでいて中央部が大きく膨らんだ状態になっているの
で、外観が非常に良好なものとなった。
【0041】
【効果】第1発明は、焼きパイ蓋付カップ食品の製造に
際し、容器のフランジ上にパイ生地蓋を当該開口部の適
正位置に載置し、整形組み合わせをするための補助操作
具であって、下型枠基体の上面に容器嵌合係止用孔と容
器のフランジが係止し得る係止縁と、側周面に下方に向
かって大径となるよう傾斜する整形受面が形成された山
形状の雄型を突出形成するとともに、当該山形状の雄型
の外周部に生パイ蓋の載置位置と、上型の姿勢、位置、
押し下げ方向などを制御し得る案内凸部を設けてなる下
型と、上型枠基体の下面に、前記雄型の整形受面に対応
する形状の整形押面と山形状の山頂近傍の逃げ凹部とか
ら構成される凹嵌部を形成してなる雌型が穿設されてい
るとともに、当該雌型の外周部には、下型の案内凸部の
案内面と当接して上型の姿勢と位置と押圧方向を制御す
る案内摺動面が形成されてなる案内凹部が設けられてい
る上型との2部材から構成され、前記下型の容器嵌合係
止用孔内に、加熱仕上げ向き加工食品を収納した容器を
嵌合係止したうえ、当該容器のフランジ上にパイ生地蓋
を案内凸部の案内面を介してその位置が中央に位置し、
且つフランジ周辺より延出する生パイの延出部分がほぼ
均一になるような適正位置に載置し、そのうえで上型を
その雌型が下型の雄型に嵌合するとともに、上型の案内
凹部が下型の案内凸部に当接案内されるように組み合わ
せて押し下げ、生パイ蓋のフランジからの延出部分を整
形押面により押され、整形受面に規制されて、下向きに
折曲げ得るように構成したことを特徴とする焼きパイ蓋
付カップ食品製造用整形補助操作具である。
【0042】第1発明にかかる焼きパイ蓋付カップ食品
製造用整形補助操作具を用いれば、誰でも簡単に、当該
容器のフランジ上にパイ生地蓋を中央位置で、且つフラ
ンジ周辺より延出する生パイの延出部分がほぼ均一にな
るような適正位置に載置させることが出来るし、上型と
下型とを組み合わせ、案内凹部と案内凸部に当接案内さ
せながら押し下げて、生パイのフランジからの延出部分
を強制的に下向きに折曲げることができる。しかもこの
ように補助整形処理をすると、未熟練者やアルバイトで
あっても、簡単な操作で、確実に焼きパイの形状が均一
で、美しい商品価値の高い焼きパイ蓋付カップ食品を、
能率よく製造できることになる。
【0043】第2発明にかかる焼きパイ蓋付カップ食品
製造用整形補助操作具は、第1発明と同じ目的である
が、上型を下型に組み合わせ、押し下げたときできる整
形空間が、雄型の整形受面と雌型の整形押面の傾斜角度
を少し異ならせることによって、上部間隙が大きく、下
部にいくに従って間隙が小さくなるように構成されると
ともに、山形状の山頂近傍では逃げ凹部により余裕間隙
Zが形成され、パイ生地蓋の縁取る部分の周縁近傍を当
該小さな間隙に挟んでパイ生地の積層構成を潰して殺し
部を得るように構成した点が付加されている。
【0044】このため、パイ生地蓋を容器のフランジ上
の中央位置に適正に載置できるとともに、生パイのフラ
ンジからの延出部分を強制的に下向きに折曲げることが
でき、しかも生パイ蓋の延出部分の周縁近傍におけるパ
イ生地の積層構成を潰して殺し部を形成することができ
るようにしたもので、その結果、焼きパイ蓋の容器のフ
ランジ部への固定部分は、形良く小さくまとまり、しっ
かりと固定されており、それでいて中央部が大きく膨ら
んだ状態になっているので、従来より一段と焼きパイの
スマートな山形の膨らみとなり、外観が非常に良好なも
のとなった。
【0045】第3発明は、第2発明に係る焼きパイ蓋付
カップ食品製造用整形補助操作具を用いての、補助整形
処理を施すことにより、従来より一段と形の良い均一な
焼きパイ蓋付カップ食品の製造を可能にするものであ
る。
【0046】叙上のように、本願発明は、焼きパイ蓋付
カップ食品製造用の整形補助操作具を具現化し、補助整
形処理によって改良された製造法を開発したので、これ
により、焼きパイ蓋付カップ食品を誰でも簡単且つ確実
に製造できるようにしたもので、その結果、ファースト
フードやファミリーレストラン等の専門的調理人のいな
い所でも焼きパイ蓋付カップ食品を提供できるようにな
ったし、その焼きパイの焼成状態も形が良好で均一なも
のとなったので、商品価値も十分高いものとなった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明にかかる焼きパイ蓋付カップ食品製造
用整形補助操作具を構成する上型と下型を示す斜視図で
ある。
【図2】上型と下型が組み合わされて一体となった時の
整形補助操作具の状態を示す斜視図である。
【図3】上型と下型が組み合わされて一体となった時の
整形補助操作具のA−A線縦断側面図である。
【図4】図1に示す上型のB−B線縦断側面図である。
【図5】図1に示す上型のC−C線縦断側面図である。
【図6】図1に示す下型のD−D線縦断側面図である。
【図7】下型に加工食品の収納された容器に嵌合係止
し、パイ生地蓋をそのフランジ上に載置せんとする状態
を示す斜視説明図である。
【図8】下型に加工食品の収納された容器に嵌合係止
し、パイ生地蓋をそのフランジ上に載置し終えた状態を
示す斜視図である。
【図9】下型に嵌合係止された容器上に載置されたパイ
生地蓋が折り曲げ整形された状態を示す斜視図である。
【図10】上型と下型が組み合わされて一体となった時
の整形補助操作具の要部拡大縦断側面図である。
【図11】容器にパイ生地蓋を載せた後、補助整形処理
したうえで、オーブンで加熱する状態を示す正面図。
【図12】容器にパイ生地蓋を載せ補助整形処理した時
の状態を示す斜視図である。
【図13】パイ生地蓋全体が山形に盛り上がった焼きパ
イ状態を形成して固化した状態を示す斜視図である。
【図14】パイ生地蓋全体が山形に盛り上がった焼きパ
イ状態を形成して固化した状態を示す縦断側面図であ
る。
【図15】容器にパイ生地蓋を載せ補助整形処理したう
え、加熱し始めた初期段階の状態を示す要部拡大断面図
である。
【図16】図15に示す部分が加熱にともなって、他の
部分より優先して膨張をはじめる状態を示したものであ
る。
【図17】図15に示す部分が加熱にともなって、フラ
ンジの外周端縁を包み密着するような状態に膨れて加熱
変性固化しはじめる状態を示すものである。
【図18】図15に示す部分が加熱にともなって、パイ
生地全面が上方に押上げられとともに膨らみ、パイ生地
蓋全体が山形に盛り上がった焼きパイ状態を形成して固
化するようになった状態を示すものである。
【主な符合の説明】
1 上型 2 下型 4 雄型 5 案内凸部 6 整形受面 7 容器嵌合係止用孔 8 係止縁 12 雌型 13 案内凹部 14 整形押面 15 逃げ凹部 16 凹嵌部 20 容器 20a フランジ 20b 開口部 20c 外周端縁 22 パイ生地蓋 22a 延出部分 22c 殺し部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上面開口型で開口部にフランジの形成し
    てある耐熱性素材で形成された容器内に加熱仕上げ向き
    加工食品を収納し、その容器の開口部のフランジ上にパ
    イ生地製のパイ生地蓋を当該開口部が閉塞されるように
    組み合わせ配置した後、これをパイ生地が焼成するに必
    要な設計された所定時間加熱して、パイ生地蓋が容器の
    開口部上で膨張変性して全体が山形に盛り上がった状態
    に焼成し、該開口部を閉塞する焼きパイ蓋として成形固
    化するとともに、その周辺部ではフランジ部にて膨化し
    た焼きパイが巻き付いて係止固化し、これによって膨化
    した焼きパイ蓋が容器開口部に成形固定されるように構
    成したことを特徴とする焼きパイ蓋付カップ食品の製造
    に際し、容器のフランジ上にパイ生地蓋を当該開口部の
    適正位置に載置し、整形組み合わせをするための補助操
    作具であって、下型枠基体の上面に容器嵌合係止用孔と
    容器のフランジが係止し得る係止縁と、側周面に下方に
    向かって大径となるよう傾斜する整形受面が形成された
    山形状の雄型を突出形成するとともに、当該山形状の雄
    型の外周部にパイ生地蓋の載置位置と、上型の姿勢、位
    置、押し下げ方向などを制御し得る案内凸部を設けてな
    る下型と、上型枠基体の下面に、前記雄型の整形受面に
    対応する形状の整形押面と山形状の山頂近傍の逃げ凹部
    とから構成される凹嵌部を形成してなる雌型が穿設され
    ているとともに、当該雌型の外周部には、下型の案内凸
    部の案内面と当接して上型の姿勢と位置と押圧方向を制
    御する案内摺動面が形成されてなる案内凹部が設けられ
    ている上型との2部材から構成され、前記下型の容器嵌
    合係止用孔内に、加熱仕上げ向き加工食品を収納した容
    器を嵌合係止したうえ、当該容器のフランジ上にパイ生
    地蓋を案内凸部の案内面を介してその位置が中央に位置
    し、且つフランジ周辺より延出するパイ生地蓋の部分が
    ほぼ均一になるような適正位置に載置し、そのうえで上
    型をその雌型が下型の雄型に嵌合するとともに、上型の
    案内凹部が下型の案内凸部に当接案内されるように組み
    合わせて押し下げ、パイ生地蓋のフランジからの延出部
    分を整形押面により押され、整形受面に規制されて、下
    向きに折曲げ得るように構成したことを特徴とする焼き
    パイ蓋付カップ食品製造用整形補助操作具。
  2. 【請求項2】 上面開口型で開口部にフランジの形成し
    てある耐熱性素材で形成された容器内に加熱仕上げ向き
    加工食品を収納し、その容器の開口部のフランジ上にパ
    イ生地製のパイ生地蓋を当該開口部が閉塞されるように
    組み合わせ配置した後、これをパイ生地が焼成するに必
    要な設計された所定時間加熱して、パイ生地蓋が容器の
    開口部上で膨張変性して全体が山形に盛り上がった状態
    に焼成し、該開口部を閉塞する焼きパイ蓋として成形固
    化するとともに、その周辺部ではフランジ部にて膨化し
    た焼きパイが巻き付いて係止固化し、これによって膨化
    した焼きパイ蓋が容器開口部に成形固定されるように構
    成したことを特徴とする焼きパイ蓋付カップ食品の製造
    に際し、容器のフランジ上にパイ生地蓋を当該開口部の
    適正位置に載置し、整形組み合わせをするための補助操
    作具であって、下型と上型とより構成されており、当該
    下型は、下型枠基体の上面中央部に山形状の雄型が形成
    されているとともに、その外周部には案内凸部が植立形
    成されているが、前記山形状の雄型は、その側周面に下
    方に向かって大径となるよう傾斜する整形受面が形成さ
    れており、その雄型の中心部には縦向きの容器嵌合係止
    用孔が貫通形成され、且その容器嵌合係止用孔の上端周
    辺には容器のフランジが係止し得る係止縁が形成されて
    おり、前記案内凸部は、山形状の雄型の外周部に複数本
    適宜の間隔で植立した柱体で、該柱体は雄型より高く形
    成するとともに、その側面には、パイ生地蓋が容器嵌合
    係止用孔に嵌合係止した容器のフランジ上に載置する
    際、その位置が中央に位置するものとなり、且つフラン
    ジ周辺より延出するパイ生地蓋の部分がほぼ均一になる
    ような案内面と、上型と組み合わせ押圧しようとすると
    き、該上型の姿勢と押圧方向とを制御できる案内面とが
    形成されており、その複数本の柱体の一部がほぼ雄型の
    高さと同じに高さに形成されていて、パイ生地蓋を容器
    のフランジ上に載置し易く構成されており、前記上型
    は、その型枠基体の下面中央部に雌型を形成するととも
    に、その外周部には、前記案内凸部と対応する位置に、
    複数本適宜の間隔で案内凹部を形成し、当該雌型は、前
    記雄型の整形受面に対応する形状の整形押面と山形状の
    山頂近傍に設けた逃げ凹部とからなる凹嵌部として形成
    されており、当該外周部の案内凹部には、上型を下型に
    組み合わせた際、下型の案内凸部の案内面と当接して上
    型の姿勢と、位置と、押圧方向を制御する案内摺動面が
    形成されており、上型を下型に組み合わせ押し下げたと
    きできる整形空隙は、雄型の整形受面と雌型の形成整形
    押面の傾斜面角度が少し異なり、上部間隙が大きく、下
    部にいくに従って間隙が小さくなるように構成されてお
    り、山形状の山頂近傍では逃げ凹部により余裕間隙が形
    成されるように構成されており、前記下型の容器嵌合係
    止用孔内に、加熱仕上げ向き加工食品を収納した容器を
    嵌合係止したうえ、当該容器のフランジ上にパイ生地蓋
    を、案内凸部の案内面を介してその位置が中央に位置
    し、且つフランジ周辺より延出するパイ生地蓋の部分が
    ほぼ均一になるように制御して載置し、そのうえで上型
    をその雌型が下型の雄型に嵌合するとともに上型の案内
    凹部が下型の案内凸部に当接案内されるように組み合わ
    せて押し下げ、それによってパイ生地蓋のフランジから
    の延出部分を下向きに折曲げるとともにそのパイ生地蓋
    の延出部分の周縁近傍を整形受面と整形押面との小さな
    間隙に挟んでパイ生地の積層構成を潰し殺し部を形成し
    得るように構成したことを特徴とする焼きパイ蓋付カッ
    プ食品製造用整形補助操作具。
  3. 【請求項3】 上面開口型で開口部にフランジの形成し
    てある耐熱性素材で形成された容器内に加熱仕上げ向き
    加工食品を収納したカップ食品を用意し、当該容器のフ
    ランジ上に開口部を閉塞するように、且つパイ生地蓋の
    中心と容器の開口部の中心が一致しフランジからの延出
    部分が均一になるようパイ生地蓋を載置した後、パイ生
    地蓋のフランジからの延出部分を下向きに折曲げるとと
    もにそのパイ生地蓋の延出部分の周縁近傍を潰して殺し
    部を形成し、その後パイ生地が焼成するに必要な設計さ
    れた所定時間加熱することにより、容器の開口部に全体
    が山形に盛り上った状態に膨化した焼きパイ蓋が焼成さ
    れ、該開口部を閉塞するとともに、当該焼きパイ蓋が容
    器のフランジ部に固定されるようにしたことを特徴とす
    る焼きパイ蓋付カップ食品の製造方法。
JP29616193A 1993-10-31 1993-10-31 焼きパイ蓋付カップ食品製造用補助操作具と焼きパイ蓋付カップ食品の製造方法 Pending JPH07123899A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20150028010A (ko) * 2013-09-05 2015-03-13 박영주 타르트 쉘 제조용 틀, 상기 타르트 쉘 제조용 틀을 포함하는 타르트 쉘 제조기 및 상기 타르트 쉘 제조기에 의해 제조된 타르트 쉘

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KR20150028010A (ko) * 2013-09-05 2015-03-13 박영주 타르트 쉘 제조용 틀, 상기 타르트 쉘 제조용 틀을 포함하는 타르트 쉘 제조기 및 상기 타르트 쉘 제조기에 의해 제조된 타르트 쉘

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