JP6028209B1 - ケーキを焼成する際に使用する焼き型具とその製造方法 - Google Patents

ケーキを焼成する際に使用する焼き型具とその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】焼き型本体中央に煙突状の筒が形成された焼き型を使用し、メレンゲを多く粉類の少ない焼成食品を製造する際、生地の上面の膨らみを維持する方法の提供。【解決手段】食品の製造において、底部中央から煙突状の筒4bが形成された焼き型を使用し、焼き型の煙突状の筒4bの上部に遮蔽物2eを設置し、遮蔽物2eの上にもう一種類の遮蔽物1eを設置して食品を製造し、または治具を用いた遮蔽物2eを、焼き型の煙突状の筒4bの上部に設置して食品を製造する方法。【選択図】図16

Description

本発明は、ケーキを焼成する際に使用する焼き型具とその製造方法に関する。
粉類を主体にした食品を焼成する際に使用する焼き型の種類は多種多様であり、作る食品のレシピによって使い分ける。材料にメレンゲを多く、粉類を少なく、植物油、砂糖など他を使った食品は大変膨らむ食品となるが、このような食品を製造する時に使用する焼き型として最も適しているものは、焼き型の底部中央から煙突状の筒が形成されているもので、一般的に、日本国内ではシフォンケーキ型と言われている。この焼き型もまたいくつかの種類があり、一体式の焼き型と、二層式タイプの焼き型がある。またこれらの焼き型の筒は外枠上面開口部から突出しているものが多く普及している。上記材料と焼き型(シフォンケーキ型)を使用して作る食品は大変膨らみのある、柔らかい生地の食品となる。
しかしながら、前記材料を使って焼成した食品は加熱と共に膨らんだ生地の上面が、焼き上がる途中または焼成後、縮んでしまう事が度々起きてしまっていた。パン生地を焼成する場合は割合的に粉類が多く使用されているなどの面もあり、内部の生地の密度も高い為、生地の外皮全体がしっかりとしている事から、出来上がった食品が焼成直後に一気に縮まってしまうような事は起こりにくい。
前述したメレンゲを多く、粉類の割り合いの少ない生地材料で作った食品は、生地が大変繊細な構造で出来上がっており、生地内部に内包する空気が、焼成直後収縮するが、特にはオーブンから食品を出した際に焼き膨らんだ生地上部の縮みが激しいものとなる。勿論生地に混ぜ合わせる材料によって、また使用するオーブンなどによっては若干防げるではあろうが、使用する材料の配合や、焼き型の構造から言ってほぼ当たり前に起きる物理的現象であった。
また焼成後、生地全体の焼き縮みを防ぐ為に、焼き型ごと30cmくらいの高さから落とし、生地に内包する空気を抜き、外気との空気の交換を一瞬でする事によって、生地の焼き縮みを防ぐという方法はごく一般的に行われる方法ではあるが、その際焼き型の底部や側面に焼き付いた生地が、焼き型を落とした時の衝撃によって剥がれてしまう場合もある。メレンゲが多く、食粉類の割合が少ない生地材料で作った食品の生地上面の膨らみを維持した食品を製造する事は大変困難であった。
調理器具は年々改良されてはいるものの、煙突状の筒のある焼き型を使用して食品を焼成した際、また前述した生地材料を使用して製造する食品の生地の上面を膨らんだ状態で維持させる調理器具、または食品の製造方法は知る限りでは見当たらなかった。しかし、他の構造の焼き型においての食品の生地の上面を維持させる方法についての公知技術として、特許文献1(特開2000−354452)は外枠(1)平板面(2)で構成された焼き型を使用して、メリケン粉の少ない、油脂の多い、スポンヂ状焼成物の生地の焼き縮みを防いだ菓子の製造に関するものがある。焼き型の内側には油脂などは塗らず、生地を焼き付け、焼成後は焼き型ごと逆さにして生地を冷まし、生地の焼き縮みを防ぐという事が記されている。焼成する生地材料には、メレンゲと粉類の割合だけを見ると、生地はかなり膨らむと考えられるが、混ぜ合わせる油が植物油ではなくバターなどの油脂も多く使用されているという、スポンヂ状焼成物の製造方法が開示されている。
特開2000−354452号
本発明は従来の製造方法では、加熱によって焼き膨らんだケーキ生地上面の膨らみを維持する事が困難であった問題点を解決するために創案されたものであり、後に解決する手段や実施例等によりその内容を説明するがこの発明の内容や従来技術の不具合等について以下にまず説明する。
但し、以下の説明は「課題を解決するための手段」やその「効果」と重複して説明している部分があるが本発明の全体的内容をまず説明する。
まず、焼成の際は高温になっているので焼成時に使える専用の少し長めの手袋を使い注意する。電気オーブンについて説明する。コンベクション機能、オーブン庫内サイズ30リットル。
第1の遮蔽物、第2の遮蔽物について説明する。図1(a)、(b)、(c)の示すように第1の遮蔽物は本体の中央に係止部1bを形成している。
図2に示すように、第2の遮蔽物は本体の中央に係止部2bがあり第2の遮蔽物の本体の中央には生地5の水分を調節する為の穴、水分調節穴2hがある。
また、第2の遮蔽物の本体の任意の場所には生地5の焼き上がりを確認する為の穴、確認穴2cが形成されている。
図15、図16が示すように第2の遮蔽物の係止部2bに第1の遮蔽物の係止部1bを重ね合わせて乗せ、水分調節穴2hを開閉できるようになっている。あるいは図3、図4に示す治具3によって第2の遮蔽物の水分調節穴2hを開閉する事ができる。
第1の遮蔽物、第2の遮蔽物の材質はアルミ材を使用。第1の遮蔽物、第2の遮蔽物の厚みは1.2mmのアルミ板を使用したが、数々の焼き実験では、1.5mmのアルミ板も使用した。第1の遮蔽物、第2の遮蔽物の厚みはここに示した厚みより薄いもの、または厚いものでも可能であるが、第1の遮蔽物、第2の遮蔽物が軽すぎてオーブン庫内に対流する温風で飛ばされたりしない重量が良いが、逆に重た過ぎるのも使用上、とても扱いにくいため第1の遮蔽物、第2の遮蔽物の重量をよく考慮する事が好ましい。
図1の示すように第1の遮蔽物には係止部1bが形成されているが、図2の示すように第2の遮蔽物のように水分調節穴2hはない。第1の遮蔽物を第2の遮蔽物の上に重ね合わせて設置する事によって、水分調節穴2hを開閉する治具3と同一の働きをし、また焼成する食品の生地5の配合にもによるが、第1の遮蔽物は第2の遮蔽物のおもりとしての役割も果たす。(生地5の材料に使用するメレンゲが実施例1で示す分量より更に多い分量で作る場合に更に役立つ。)
図1が示すように第1の遮蔽物には図2の第2の遮蔽物のように水分調節穴2hと確認穴2cがないが、生地5を第1の遮蔽物の下面1eに焼き付ける事も勿論可能であり、第2の遮蔽物と同様に生地5の焼き上がりの確認をする為の穴を第1の遮蔽物の本体の任意の場所に設ける事も良い。
図1の示す(c)第1の遮蔽物は下面1eから見た係止部1bが、図5の示す焼き型4の筒上部4aで、しっかりと係止できるように形成されている。図2の示す(c)第2の遮蔽物も下面2eの係止部2bが、焼き型4の筒上部4aで、しっかりと係止できるようにそれぞれ形成されている。また説明が幾分重複するが、水分調節穴2hのある第2の遮蔽物の上に第1の遮蔽物を重ね合わせられるように、それぞれの係止部1b、係止部2bが形成されている。
図2の示す、水分調節穴2hのある第2の遮蔽物を使用する際、本体のほぼ中央で第2の遮蔽物が、図5の示す焼き型4の筒上部4aに設置されていないと生地5が第2の遮蔽物の下面2eに焼き付いた時、第2の遮蔽物がバランスを崩して傾いてしまう事などを防ぐためである。また第1の遮蔽物も同様である。第1の遮蔽物の係止部1b、第2の遮蔽物の係止部2bはこの場合、約1cm窪んだ形状に加工してあるが、ここに示す加工に限るものではない。
数々の焼き実験の中では第2の遮蔽物の材質は鉄、または鉄を含むものを使用し、1cm程のかなり厚みのあるセラミック板なども使用した。生地5の焼き付けの面などを考えると遮蔽物の材質は、金属、アルミ材を含む材質か、鉄材など、または遠赤外線を放射する材質の金属、または遠赤外線を放射する加工のされた金属を使用する事が好ましい。第2の遮蔽物の下面2eに生地5を加熱して焼き付ける目的がある為、フッ素などの表面処理加工がされていない金属が好ましい。焼き実験ではセラミック材も使用したが、生地5を第2の遮蔽物の下面2eに焼き付けるまでには至らなかった。
また第2の遮蔽物の水分調節穴2hを開閉する図3の示す治具3と同一の働きをするものとして第1の遮蔽物を使用した。図3の示す、第2の遮蔽物の本体から外せるものを使用したが、図には示されていないが、第2の遮蔽物の本体と一体式になっているものでもよい。例えば、板状のものを水分調節穴2hにジョイントしてスライドさせる構成、形状のもので、水分調節穴2hを開閉しても良い。水分調節穴2hを簡便に開閉できる構成であることが好ましい。いずれにしても同一機能を果たすものである事が好ましい。また図3(a)で示すように治具3は第2の遮蔽物の水分調節穴2hを覆う大きさの被せ部3aと取手部3bがあり、取手部3bは、若干傾斜していて、持ちやすい形状に加工した。図7は第2の遮蔽物の下面2eに加熱した生地5が焼き付いた図であるが、治具3の取手部3bが第2の遮蔽物に対して、傾斜があるという事が分かる。図15において改めて説明するが、この場合は、第2の遮蔽物の上に重ねる第1の遮蔽物は、下になる第2の遮蔽物よりも一回り程大きいサイズまたは、第1の遮蔽物の側縁が掴みやすい加工がされている事が好ましい。勿論図3で示す治具3の形状、構成、または水分調節穴2hの開閉する図3の示す治具3と同一の働きをする図1の第1の遮蔽物もこれらに限定されるものではなく、本発明と同一の機能を果たせる簡便なものである事が好ましい。
また図1の示す第1の遮蔽物、図2の示す第2の遮蔽物は、加熱した生地5の上面の焼き焦げを考慮し、使用する図5の焼き型4の示す(c)焼き型4の外枠4r上面開口部を覆うサイズが好ましい。図17の示す焼き型11の場合でも、またこれら以外の焼き型を使用する場合においても、焼き型の外枠上面開口部のサイズより大きいサイズの第1の遮蔽物、第2の遮蔽物を使用する事が好ましい。
第2の遮蔽物の本体の任意の場所にある生地5の焼き上がりを確認する為の穴として、第2の遮蔽物の確認穴2cの数は、第2の遮蔽物の通気性を考えると、確認穴2cの数が多数ある事も勿論良いが、下面2eに生地5を焼き付ける事を配慮した構成にする事が好ましい。重複するが、図2の第2の遮蔽物の確認穴2cが示されているが、確認穴2cは一か所とは限らず、また、この穴の形状や大きさも限定されるものではない。第2の遮蔽物の本体は生地5を焼き付ける事を考えると板状のものが好ましいが、いくらかの凹凸や、傾斜や丸みのあるものでも構わない。また第1の遮蔽物、第2の遮蔽物の形状に関しても図1、図2に示したものに限るものではない。
図1、図2に示した第1の遮蔽物、第2の遮蔽物の本体は本発明の食品の製造を、速やかに行える機能を持ち備えた必要最低限のごくシンプルなデザインになっているが、例えば第1の遮蔽物、第2の遮蔽物の側縁に取手を付けるデザインをした場合は、オーブン庫内で使用する際に邪魔にならないように加工する事が良いが、第1の遮蔽物、第2の遮蔽物を焼き型4の筒上部4aに設置した際、第1の遮蔽物、第2の遮蔽物が傾いたりしない重量の取手にするべきである。また取り外し式の取手を第1の遮蔽物、第2の遮蔽物に取り付ける場合は、取手の持ち手の部分がオーブン庫内で使用出来ない材質であっても構わない。しかしそのような場合は、第1の遮蔽物、第2の遮蔽物を使用する際に取手の取り外しが簡単にできればよい。
第1の遮蔽物、第2の遮蔽物の構成はすべてオーブン庫内で使用可能な材質を用いたが、例えば一時的に第1の遮蔽物、第2の遮蔽物の本体に付属として取り付けるものが、オーブン庫内で使用できないものであったとしても、食品の焼成時に第1の遮蔽物、第2の遮蔽物を使用する際に取り外しができるものであれば良い。
図1、図2に示した第1の遮蔽物、第2の遮蔽物はどんな場合の焼成であっても、第1の遮蔽物の下面1e、第2の遮蔽物の下面2eに油を塗らずに使用すること。第1の遮蔽物の下面1e、第2の遮蔽物の下面2eに油を塗っての焼き実験を行った結果、油が垂れたりすると危険である上、加熱によって油が第1の遮蔽物の下面1e、第2の遮蔽物の下面2eにこびりつき、ゴム状に黄色く変色してしまい、洗っても落ちなくなる事が分かった。しかし油を含む生地5を加熱した際、第1の遮蔽物の下面1e、第2の遮蔽物の下面2eに焼き付いても、簡単に洗い流せるので全く心配はない。
本発明の実施が簡便な方法で可能になるよう考察し、どのような理由から図1、図2に示した第1の遮蔽物、第2の遮蔽物の構成がされたのか等について説明をする。図6に示すように第2の遮蔽物の水分調節穴2hが開いているが生地5を焼成する時に、図4では図3の示す治具3が用いられている。治具3の被せ部3aで水分調節穴2hを塞いでいる。生地5を第2の遮蔽物の下面2eに焼き付き易くするためである。(水分調節穴2hの開閉する図3の示す治具3と同一の働きをする第1の遮蔽物を使用しても良い。)
生地5の焼成は、オーブンの種類や室内の温度や湿度、季節によって大変影響を受けやすく、特に冬場のように寒い時期は空気も乾燥し、オーブン庫内の温度がなかなか上がらず、加熱された生地5の上面が乾燥してしまう。図7で示すように、第2の遮蔽物の下面2eに生地5が焼き付き易いように水分調節穴2hを塞いでいる。(水分調節穴2hの開閉する図3の示す治具3と同一の働きをする第1の遮蔽物を使用しても良い。)
図6の示す焼き型4の上面開口部から筒上部4aに設置された第2の遮蔽物の下面2eまでの間には間隔があるが、水分調節穴2hを塞ぐことにより、生地5が加熱で焼き膨らんでくるまでの間、生地5の上面の水分がある程度保たれており、前述したように、図7で示すように加熱した生地5が、第2の遮蔽物の下面2eに焼き付き易くなる。(図6では水分調節穴2hは開いているが、図7のように水分調節穴2hを治具3で塞いで焼成する。)
ではなぜ、図2の第2の遮蔽物の水分調節穴2hを治具3の被せ部3aで塞ぐと、生地5の上面の水分を保つ事ができるのかについて説明する。(水分調節穴2hを開閉する図3の示す治具3と同一の働きをする第1の遮蔽物を使用しても良い。)
図2の(c)の係止部2bの形状やサイズは図5の示す焼き型4の筒上部4aに厳密にピッタリのものではなく、密閉するパッキンなども勿論使用していない。(第1の遮蔽物も同様に係止部1bが形成されている。)
第2の遮蔽物の設置も焼き型4の筒上部4aに乗せるだけの簡単な設置である。勿論第2の遮蔽物を焼き型4の筒上部4aに設置した後、第2の遮蔽物がズレないようにきちんと加工されている。図2の第2の遮蔽物は(c)の下面2eから見ると係止部2bは窪んだ形状になっている。つまり逆に(b)の断面図で見て分かるように係止部2bは第2の遮蔽物の本体の上方に突起しているという事である。(第1の遮蔽物も同様に係止部1bが形成されている。)
また第2の遮蔽物の水分調節穴2hを形成した理由は、図6の示すような設置において、第2の遮蔽物を係止部2bで焼き型4の筒上部4aに設置して接触した部分の間に、目視で確認はできないが、極微なゆがみなどによる隙間ができ、その隙間が蒸気の通り道となると考察した事による。
図4の示すように治具3の被せ部3aによって、図2に示す第2の遮蔽物の水分調節穴2hをわざわざ塞ぎ、第2の遮蔽物に水分調節穴2hが開いていない時と近似した状態を作り出す事が出来た事により、主には生地5の上面からの水蒸気を蒸気の通り道となる隙間から蒸発させ過ぎないようにしている。この状態は係止部1bのみが形成されている第1の遮蔽物と同様の状態である。(水分調節穴2hを開閉する図3の示す治具3と同一の働きをする第1の遮蔽物を使用しても良い。)
図3の示す治具3によって水分調節穴2hをわざわざ塞ぐのであれば、第2の遮蔽物のように水分調節穴2hを開ける加工がなぜ必要であったのかという疑問が、また湧いてくると思うが第1の遮蔽物の係止部の中央に穴を開ける加工、すなわち第2の遮蔽物のような水分調節穴2hの加工を施した理由は、生地5の焼成がすべて終わった時に、生地5の水分が多く含みすぎると感じる場合がある。そのような場合、生地5の加熱途中で治具3または第1の遮蔽物により水分調節穴2hを開き、生地5の水分を蒸発させる。この工程はオーブン庫内の環境にもよるので、必ずしも沢山の水分が生地5に戻るとは言い切れない。また生地5の水分量には好みもあるので、第2の遮蔽物の水分調節穴2hを必ずしも加熱途中で開く必要はない。(水分調節穴2hを開閉する図3の示す治具3と同一の働きをする第1の遮蔽物を使用しても良い。)
しかし、本発明の開発途中で出来上がった食品が、私達発明者が当初求めていた生地5の水分量とは異なっていた為、第2の遮蔽物のように、水分調節穴2hを開ける加工が必要となり、図2の示す第2の遮蔽物のように係止部2bの中央に水分調節穴2hのあるものもが出来上がった。
本発明は、図5の示す焼き型4と、図2の示す第2の遮蔽物を使用し、生地5の上面を第2の遮蔽物の下面2eに焼き付け加熱した生地5の上面を焦がさず、膨らみを維持させ、焼成で作り出される芳醇な香りを生地5に取り込んだ食品を提供する為のものであるが、筒4bの形成されている焼き型4は、シフォンケーキのように、膨らみのある食品を焼成する際だけに活用されるものではなく、膨らみをあまり求めない食品の製造にも頻繁に用いられる。勿論第1の遮蔽物でも生地5を下面1eに焼き付けて焼成できる。
また従来のように焼き型4だけを使用して作る食品は好みにもよるが、人によっては一度膨らんで縮んだ部分を、稀に好む場合がある事を考慮すると、生地5の上面の図9で示す焼き焦げ7だけ防止できれば良いという事もあり得る。第2の遮蔽物の構成が必ずしも全て揃っていなければならないという事ではなくなる。加熱した生地5の上面の焦げ7を防止する事だけが目的ならば、図1の示す係止部1bだけが形成されている第1の遮蔽物でも、充分食品のおいしさに貢献できる。または生地5の上面の焼き焦げを防止し、更には生地5の上面をもう少し乾かした状態にしたい場合は、第2の遮蔽物の中央にある係止部2bが形成され、その中央に水分調節穴2hが形成されているだけでも役に立つものである。
図5で示す焼き型4の説明。( b )の示す筒本体は筒4bと底部4cからなり、( c )の示す外枠本体は外枠4rと底部4fからなり、中央は底なし形状4eになっている。筒4bが形成されている事が特徴的な、底取り式の二層式タイプの焼き型4である。
図5の示す焼き型4のサイズは外枠4rの上面開口部が直径17cm。容量約1370ml。外枠4rの高さは約8cm。また筒4bは焼き型4の上面開口部から上方に約4cm突出している。焼き型4の大きさによっては外枠4rの高さや、筒4bの長さなどそれぞれサイズは異なる。焼き型4の筒上部4aに設置された、第2の遮蔽物の下面2eに生地5を焼き付ける事を考慮し、筒4bは外枠4rの上面開口部から上方に約4〜5cm以内の突出である焼き型4を使用する事が好ましい。本発明を実施する上では焼き型4の他のサイズであっても、筒4bの突出については、約4〜5cm以内が最も好ましい。大概は焼き型4の筒4bの長さは一般的オーブン庫内の高さを考えて作られている。
図5の示す焼き型4は円形で、底取り式の二層式タイプである。図には示されていないが、他には筒と底部と外枠が一体式のものもある。しかし本発明の第2の遮蔽物の下面2eに生地5を焼き付ける食品製造方法においては、二層式タイプの焼き型4を使用する事が好ましい。
一般的には焼成直後、焼き型4を高い位置から落として、生地5が内包する空気を交換する事を勧められているが、その為に焼き型4の内部に焼き付いた部分の生地5が衝撃で剥がれてしまう事がよくある。あまりグルテンの効いていない食品を製造する場合はまだ良いが、焼成直後に焼き型4を高い位置から落とす事は得策とは言い難い面がある。
本発明を用いる前との比較例として、図13で示すようにビン10で生地5を冷ましていた。時にはビンが倒れてしまう事もあり、焼き型4の内部に焼き付いた生地5が剥がれて一気に縮んでしまう事も多々あった。本発明は図11の示すように生地5を冷ます事ができ、第2の遮蔽物を付けたまま冷蔵庫で冷やす事で、生地5の外皮で生まれた香り成分を、食品により一層封じ込める事が出来る。
また本発明の第一の目的としては生地5の上面が膨らんだままの状態で維持される事であった。ところが、どうしても加熱した生地5は加熱途中で、図9が示すような焦げ7を生じてしまい、(オーブン庫内の高さにもよる。)レシピ開発の途中で断念する事がごく当たり前のように起きてしまい、加熱途中で比較例として図12の示すようにアルミホイル9を生地5の上面に被せ、再度加熱する事が度々あった。加熱途中では焼き型4もかなり熱くなっている為、素早くアルミホイル9で、生地5の全体を覆う作業は容易ではなく時間もかかり大変であった。また、生地5の焼き初めからアルミホイル9を生地5の上面
に被せて焼成すると生焼けになり、焼き色も付かず、香りも悪くなる事が多かった。その為、生地5の上面にアルミホイル9などを被せて焼成するという事をしなくなった。ところが、本発明は焼成の始めから第2の遮蔽物を設置した状態で焼成でき、生地5が生焼けにならずに済むという利点がある。
本発明に至るまでの間には、焼き焦げ7を防ぐ為に加熱途中でオーブンを開ける事は度々あったが、オーブン庫内の温度が急激に下がり、図10で示す縮み8のように加熱した生地5が一気に縮み、再度加熱してもオーブン庫内の温度が上昇するまでにはかなり時間が掛かってしまい、なかなか生地5が膨らまなくなってしまっていた。図8の示すように、本発明では前半の焼成の後、第2の遮蔽物の治具3によって、水分調節穴2hを開けるが、その作業の時点では、生地5は第2の遮蔽物の下面2eに焼き付いている事もあり、また水分調節穴2hを開く作業は一瞬で行える為、オーブンをいつまでも開けておく事もなくなり、温度も維持されるという利点がある。
数々の焼き実験では焼き型4は外枠4rの上面開口部の直径が10cm〜23cmサイズのものを使用した。業務用としては25〜26cmもあるが、特注品としてはこのサイズ以上の焼き型4も加工が可能であり、本発明の第1の遮蔽物、第2の遮蔽物を用いる事も可能だと考えている。一般家庭用のオーブンを使用する場合は、オーブンの庫内の利用範囲にもよるが、大きくても外枠4rの上面開口部の直径が23cmサイズくらいまでの焼き型4を使用する事が好ましい。
図5の示す、焼き型4の材質はアルミ材を使用。焼き型4の外枠4rの内面と
筒4b周りと底部4cに生地5を焼き付けてゆく事を考慮し、金属を使用する事が好ましく、アルミ材を含む材質や鉄材を含む材質を使用した焼き型4を使用する事が好ましい。焼き型4はフッ素加工などがされていない方が良いが日々、材質は改良され、ここに示す材質よりも、より適したものがあれば採用するべきである。また第1の遮蔽物、第2の遮蔽物の材質についても同様に、より適した材質があれば適用する事が好ましい。ここに示した焼き型4は筒4bが形成されており、熱を均一に伝えることが出来るのでシフォンケーキなどのような,とても柔らかな膨らむ食品だけではなく、バターやチーズ、チョコレートなどの油脂を多めに使用した、比較的膨らまないずっしりとしたケーキ作りや、パンを焼成する際にも度々活用される。
図3の示す治具3または図1の示す第1の遮蔽物で、図2の示す水分調節穴2hを開閉できる第2の遮蔽物を焼き型4の筒上部4aに設置する事によって新しい組み合わせの焼き型となる。
図6が示すように、焼き型4の筒上部4aを支持部として、図2の第2の遮蔽物(c)で示す係止部2bで焼き型4の筒上部4aに、第2の遮蔽物を係止させ設置する。焼き型4の上面開口部から、第2の遮蔽物の下面2eまでの間隔は、この場合、約3cmである。焼き型4は外枠4rの高さが約8cmであるから、焼き型4だけで生地5を焼成した時より、本発明の第2の遮蔽物を使用した時の方が、約3cmも高さの増した食品を製造できた。
比較例として、図10図で示すように従来は縮み8は生地5が一度膨らんだ状態から縮まってゆき、厚ぼったい層になってずっしりとしていた。また従来では焼き型4の外枠4rの中に収められている部分の焼き上がった生地5は、縮み8の重みで押し潰されてしまっていた。本発明では、図14、図21、図22、図23の示すように、しっかりと生地5の上面の膨らみが維持されている。図14、図21、図22、で示すように筒4bが約1cm見えているが、これは第2の遮蔽物の係止部2bの窪みの約1cmの長さによるものである。
焼成する生地5は、第2の遮蔽物を焼き型4の筒上部4aに設置する前に焼き型4に充填する事が好ましい。
焼き型4を使用してシフォンケーキを焼成する際の材料は一般的なプレーンシフォンケーキを作る材料も配合もほぼ近く、生地5は小麦粉の量からする
と割合的にメレンゲが多い事が特徴の一つであり、植物油を使用しているのでバターなどの油脂類を使った時よりも、膨らみが更に増す生地5である。卵黄の生地5を最初に作り、その後メレンゲ(卵白を別で泡立てたもの)を作るが、生地5を膨らませる大切な要素となるので、泡立てをしっかりと行う事。別立てしたメレンゲと卵黄生地を混ぜる際は、メレンゲが潰れないように生地5を作る。この配合はメレンゲの立て具合にもよるが、かなり生地5が膨らむようにしたものである。(油脂の多いものなどを生地5に混ぜる場合は生地5の膨らみの為に、メレンゲを増やすなどの工夫が必要となる。)
生地5の焼成時間や温度などについて説明する。オーブンの予熱は季節やオーブン自体の性能などにも左右されるので、焼成時間や予熱温度はなかなか限定できないが、生地5の焼成は温度が約180度前後であることが好ましい。
オーブンの種類によっては温度計が示す温度より若干低くても、生地5に送り込む熱量が高いものもある。また焼成する生地5に混ぜ込む材料(膨張材)によっても、若干温度を低めにしても生地5に熱を効率よく行き渡らせる事ができる場合がある。また逆にオーブンの性能として、熱を上手く循環できない場合はオーブン庫内の熱を循環させる若干の工夫が必要になる事もある。このような工夫はどんな生地を焼成する場合においてもあり得ることである。
焼き型4を使用してクリームチーズなど油脂分の多いシフォンケーキを焼成する際の材料はメレンゲの量を増やす事が好ましい。
図17の示す焼き型11に取り付ける図18の示す支持具12の説明と、支持具12を焼き型11に取り付け、図2の示す第2の遮蔽物と連結させる方法を図2の示す(a)、(b)、(c)、図17の示す(a)、(b)(c)、図18の示す(a)、(b)、(c)、図19、図20を参照しながら詳述する。
図17で示す焼き型11は(a)、(b)、(c)のように、底なし形状11eで底板11fの側縁を底部11cに乗せ係止させて、はめ込むようになっている。スチール製で直径20cm、外枠本体の高さ約6cm。容量約1762ml。
図18の示す(a)内クリップ12zを,図19の示すように焼き型11の側縁11kの内側面11aに差し込む。
図18の示す外クリッ12rと外クリップ12fは、内クリップ12zより低い位置の両側に形成されている。図19で示されている外側面11bを外クリッ12rと外クリップ12fで挟み、内クリップ12zで側縁11kに差し込み、内側面11aを挟んだ状態になる。
図18で示している支持具12の側縁乗せ位置12eと側縁乗せ位置12hに、焼き型11の側縁11kが乗っかるように形成されている為安定感が良い。
図19の示すように側縁11kに、この場合は複数の支持具12を取り付けている。
図19で示したように支持具12を焼き型11の側縁11kに設置した後、図18(a)、(b)、(c)で示されている支持具12の差込口下面12bに第2の遮蔽物の側縁を滑らせるようにして乗せ、差込口上面12aに上から挟まれた状態にする。焼き型11の側縁11kに取り付けられた支持具12すべての差し込み口Aに第2の遮蔽物の側縁を図20が示すように差し込む。支持具12を焼き型11対してバランスよく取り付け、第2の遮蔽物が安定するよう均等に設置する。焼き型11の上面開口部から更に間隔を空けた上部に第2の遮蔽物を安定した状態で設置できる支持具12である。支持具12の形状はこれに限るもので15はなく、安定した状態で設置できるように形成されたものであれば、必ずしも焼き型11の側縁11kに取り付ける支持具が複数でなければならないという事ではなく、1つでも構わない。しかし、安全面をよく考慮した構成が最も大切である。
図20は、図19の示すように、生地5を焼き型11に充填した後、支持具12によって、焼き型11の外枠11kの上面開口部から更に間隔を空けた上部に、第2の遮蔽物を設置し、焼き型11と第2の遮蔽物を連結させる手順である。第2の遮蔽物と焼き型11を連結支持する支持具12によって新しい組み合わせの焼き型となる。(治具3または第1の遮蔽物を伴う)
支持具12は金属を使用したが、オーブン庫内で使用できる材質ならば樹脂系の素材でも構わないが、金属に触れても溶けない耐熱性のある素材を使用する事が好ましい。
この焼き型11の場合、治具3を伴う第2の遮蔽物を焼き型11の上面開口部から更に間隔を空けた上部に設置している為、生地5の上面を乾燥させずに焼成できる。生地5の水分量は人それぞれの好みによるが、生地5の上面の水分量が少ない方が良い場合は、水分調節穴2hを開ける事で、水分を蒸発させる事もできる。(水分調節穴2hを開閉する図3の示す治具3と同一の働きをする第1の遮蔽物を使用しても良い。)
本発明は焼き型11に取り付けた支持具12によって第2の遮蔽物を支持して設置しているため、オーブン庫内の熱を受けた第2の遮蔽物の下面2eから放射する熱、またオーブン庫内の対流熱によって、生地5の上面を焦がさずに焼き色を付ける事ができた。膨らみのある生地5ではないが、生地5の上面が程よい水分量を保った食品が出来た。今までは、アルミホイルを生地5の上面に直接被せて焼成すると、やはり生焼けになってしまい上手く焼成が出来なかったが、本発明では生焼けにもならず、焼き色を付けて焼成できた。
この場合の焼成では第2の遮蔽物が必ずしも板状のものでなくても良いが、焼き型11に支持具12を取り付ける事を考慮すれば、少なくとも第2の遮蔽物の側縁の形状は支持具12と連結し易い形状にする事が好ましい。生地5を第2の遮蔽物の下面1eに焼き付けずに焼成する為、第2の遮蔽物の材質は生地5が必ずしも第2の遮蔽物の下面2e焼き付くものではなくても良い。例えば金属にフッ素加工など焼き付き防止の材質や、オーブン庫内で使用できるような樹脂素材などでも可能であるが,出来れば遠赤外線の効果のある材質などを使用すると尚良い。(第1の遮蔽物の材質、形状についても同様である。)
焼き型11で食品を製造する材料について説明する。材料はほぼ一般的なスポンジケーキに近い材料と分量である。使う油が植物油ではなくバタ―を使っている点や、卵の泡立ても共立てで作った生地5であり、シフォンケーキ程の膨らみはない食品である。
図17で示す焼き型11は、図5で示す焼き型4のように筒4bがない為、
焼き型11の構造上、加熱した生地5の膨らみが大きくなる焼成には向かない。よって第2の遮蔽物の下面2eに生地5を焼き付けて焼く事は避けた方が良い。
前記で本発明の概要を説明したが本発明の請求項としての手段は以下の通りである。
請求項1の発明は、底部と外枠と前記底部の中央に突出して配置される煙突状の筒とからなる焼き型(シフォンケーキ型)でシフォンケーキの生地を焼成する際に使用する遮蔽物であって、前記焼き型の前記筒上部に着脱可能の前記遮蔽物本体は平板状で中央に前記筒上部に係止させる為の係止部を形成し、前記係止部に水分調節穴を開口形成した係止部を有する第2の遮蔽物と、該第2の遮蔽物の上面に着脱可能の前記第2の遮蔽物の前記水分調節穴を開閉自在に閉止する係止部を有する第1の遮蔽物又は前記第2の遮蔽物の前記水分調節穴を開閉自在に閉止する被せ部及びこれに連結する取手部を有するスプーン状の治具とからなり、前記第2の遮蔽物の平板状の任意の場所に前記生地の焼き上がりを確認する為の確認穴が形成されていることを特徴とする。
請求項2の発明は、底部と外枠と前記底部の中央に突出して配置される煙突状の筒とからなる焼き型(シフォンケーキ型)及び請求項1に記載する前記遮蔽物の組み合わせからなる事を特徴とする。
請求項3の発明は、請求項2に記載する前記遮蔽物搭載の焼き型を用いてシフォンケーキの生地を焼成する事を特徴とする。
本発明の請求項1の遮蔽物は、従来形式の焼き型に搭載する第1の遮蔽物及び第2の遮蔽物又はスプーン状治具とからなる簡便のものからなり、製作は簡易に、かつ安価に出来る効果を上げる事が出来る。
本発明の請求項3のシフォンケーキの生地を製造方法は、請求項2の遮蔽物搭載の焼き型に、シフォンケーキ生地を充填挿入し、第2の遮蔽物の平板状の本体下面に加熱により膨らんできた前記生地の上面を焼きつけることにより前記生地の膨らみを維持し焼き上げ、そのままの状態で前記遮蔽物搭載の焼き型を逆さまにして前記生地を冷ますという工程を経たことにより膨らみを維持した、より一層柔らかいケーキを焼くことが出来る。
本発明の第1の遮蔽物の詳細構造を示すもので、( a )は上面図、( b )はその本体中央のみのA−A線の断面図、( c )はその下面斜視図。 本発明の第2の遮蔽物の詳細構造を示すもので、( a )は上面図、( b )はその本体中央のみのB−Bの断面図、( c )はその下面斜視図。 本発明の第2の遮蔽物の水分調節穴2hに被せ部の治具3を示すもので、( a )は側面図、( b )はその斜視図。 本発明の第2の遮蔽物の水分調節穴2hの上に図3の治具3を被せた状態を示す斜視図。 本発明の第2の遮蔽物を乗せる焼き型4を示すもので( a )はそのセットされた状態の斜視図、( b )はその支持部である筒本体の斜視図、( c )はその土台の外枠本体の斜視図、 ( d )はそのセットされた状態の底斜視図。 図5の( a )の中に混ぜ合わせた生地5を焼き型4に流し込み、支持部である筒上部に本発明の第2の遮蔽物を設置した状態を示す斜視図。 図6の状態に図3の治具3を第2の遮蔽物の水分調節穴2hに被せて、本発明の第2の遮蔽物に生地5を焼き付けた状態を示す側面図。 図7の状態から治具3を取り外した状態を示す側面図。 従来の焼き方により焼き膨らんだ生地5の上面の焦げ7の位置を示す斜視図。 従来の焼き方によって、焼き膨らんだ後、縮み8生地上面位置を示す斜視図。 本発明の第2の遮蔽物に生地5を焼き付けたまま、焼き型4ごと逆さまにして冷ましている状態を示す斜視図。 アルミホイル9を生地5の上面に被せた状態を示す斜視図。 従来の焼き方で、生地5を冷ます方法として、筒上部4aの穴に、ビン10の口を差し込んでいる状態を示す斜視図。 本発明によって製造して出来上がった食品の斜視図。 図6の第2の遮蔽物の水分調節穴2hの開閉をするための図3の治具3と同一の働きをする図1の第1の遮蔽物を重ねる斜視図。 図15の設置された状態の下斜視図。 本発明の第2の遮蔽物を乗せる焼き型11を示すもので( a )は土台の外枠本体の斜視図、( b )はその底板の斜視図、( c )はそのセットされた状態の斜視図。 本発明の第2の遮蔽物と焼き型11を連結できる支持具12を示すもので、(a )はその側面図、( b )はその下斜視図、( c )はその上斜視図。 焼き型 11 に本発明の第2の遮蔽物を連結させる支持具12を側縁11k上部に設置し、生地5を流し入れた状態を示す斜視図。 焼き型 11 に本発明の第2の遮蔽物を連結させる支持具12を側縁11k上部に設置し、 支持具12 の差込口Aに本発明の第2の遮蔽物を設置した状態を示す斜視図。 実施例3で製造して出来上がった食品の図面代用写真。 実施例3で製造して出来上がった食品の図面代用写真。 本発明の第2の遮蔽物と焼き型4が支持具12によって連結されている状態のまま、生地5を焼き冷ましている図面代用写真。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき詳細に説明する。
実施例1では、図1の示す第1の遮蔽物を使用。水分調節穴2hの開閉をする図3に示す治具3を用いた。図5の示す焼き型4で、開口上部直径17cmサイズ使用。容量約1370ml(焼き型4の筒4bを差し引いた容量)。材料の分量「メレンゲの材料」卵白 約120g、砂糖 約40g、塩0.5g、 レモン汁約2.5cc 、「卵黄生地の材料」卵黄約60g、砂糖 約30g、お湯 約50g前後(50度前後に温めたもの)、 植物油約35g前後(50度前後に温めたもの)、 塩 約0.5g、 レモン汁約2.5cc上記に示した「メレンゲ材料」と「卵黄生地の材料」を別々に作り、これらの材料を合わせて作った生地5を使用。卵黄生地はハンドミキサーで30秒程混ぜる。
図5に示す焼き型4に油を塗らない。図2が示す第2の遮蔽物の下面2eにも油を塗らずに使用する。
「シフォンケーキを製造する工程」図6は既に生地5が焼き型4に流し入れられている図であるが、勿論生地5を入れてから第2の遮蔽物を、焼き型4の筒上部4aに設置した。第2の遮蔽物の水分調節穴2hは、図3の示す治具3によって開閉でき、図6では水分調節穴2hの位置を、より把握しやすくするために、治具3は示していないが、焼成をするときは治具3の被せ部3aによって水分調節穴2hを塞ぐ。
メレンゲと卵黄生地を混ぜ合わせた生地5を焼き型4の約8分目まで流し入れる。生地5を焼き型4一杯に入れてしまうと、加熱途中で生地5があふれる事が多い。これは従来技術においても同じく注意する点である。
生地5を焼き型4に充填する際に大きな気泡が入ることがあるから、焼き型4へ充填した生地5の中に、焼き型4の上面開口部から底部4cに向かって竹串を差し、筒4bの周りを2〜3周して気泡を抜く。
生地5の上部が均一になるようにヘラで平らにする。後に第2の遮蔽物の下面2eに生地5がほぼ同時に焼き付くようにする為である。
図6で示すように生地5を焼き型4に充填し、焼き型4の筒4bを支持部として、筒上部4aに第2の遮蔽物の係止部2aで係止させて設置する。(図2の示す( c )の第2の遮蔽物の係止部2bが、焼き型4の筒上部4aに被さるように加工された部分で設置する。)
図4で示すように第2の遮蔽物の水分調節穴2hを治具3の被せ部3aによって塞ぐ。
生地5を充填した焼き型4と治具3によって水分調節穴2hが塞がれた第2の遮蔽物を、焼き型4の筒上部4aに設置した状態で、オーブンに入れる。オーブンの温度180度で生地5の焼成をする。
この実施では焼成の前から、焼き型4の筒上部4aに、図2の第2の遮蔽物を設置してから生地5を加熱したが、第2の遮蔽物は係止部2bがあるので簡単に設置できるようになっており、焼き型4をオーブンに入れた後、第2の遮蔽物の設置をする事もある。
加熱から約10〜12分前後で、生地5が膨らんでくるが焦がさずに焼き膨らませることができた。
図2の(c)の第2の遮蔽物の下面2eのほぼ全体に加熱した生地5が焼き付き、そのまま下面2eに生地上面は保持される。焼き焦げる事もなく、こんがりと焼き色が付き香ばしくなった。
図7が示すように焼成を始めてから生地5が第2の遮蔽物の下面2eに15分前後で焼き付き保持された。それから約5〜6分、焼き膨らんだ生地5の側面を焼き固めた。冬場であると、20分くらいかかってしまう事がある。生地5が第2の遮蔽物の下面2eに焼き付く時間が20分以上かかってしまった時は、この段階から焼き膨らんだ生地5の側面に焼き色が付くまで、約5〜6分は焼成して焼き固める。または逆に生地5が10分くらいで第2の遮蔽物の下面2eの全体にしっかり焼き付いた場合は、それから5〜6分は焼成して焼き膨らんだ生地5の側面を焼き固める。(その時の環境などの違いによって、焼成時間などは前後する。オーブン庫内の温度がかなり低すぎたりした場合などは、生地5の膨らむ時間があまりにもかかりすぎてしまい、第2の遮蔽物の下面2eに生地5が焼き付かなくなってしまう事も時にはある。このような場合は生地5の上面は焼き縮んだ状態となるが、第2の遮蔽物を使用して焼成している為生地5の上面が臭みなどがなく良い香りとなる。)
次に図8が示すように今度はオーブンを開け、第2の遮蔽物の治具3によって塞がれていた第2の遮蔽物の水分調節穴2hを治具3によって開く。
通常は加熱途中でオーブンを開けると、急激な温度変化によって焼き膨らんできた生地5の上面は縮んでしまうが、図7の第2の遮蔽物の水分調節穴2hは治具3によって、簡単に素早く開く事ができるのでオーブンを暫く開けている必要がなく、生地5の焼き膨らんだ部分は縮みにくい。
この時点では生地5が第2の遮蔽物の下面2eに焼き付いて保持されているので、生地5の縮みは起こりにくいが、しかしオーブン庫内の急激な温度変化は生地5が第2の遮蔽物の下面2eに焼き付いていていても、いつまでも長い時間オープンを開けている事は良くない。長い時間オーブンを開けていれば、第2の遮蔽物の下面2eに焼き付いた生地5が剥がれてしまう事もある。
生地5の焼き上がりに影響するので、出来る限りは素早く第2の遮蔽物の水分調節穴2hを開く事が好ましいが、勿論慌てる必要はなく、安全を一番に考えて行う事が最も好ましい。
ここから、後半の生地5の焼成に入る。第2の遮蔽物の水分調節穴2hを開いた後は、再度生地5の加熱をするがオーブンの温度は180度で維持。夏場であれば約10分前後、冬場であれば約10〜15分前後焼成する。生地5の焼き上がりを見た目から判断する目安は、膨らんだ部分の生地5の側面が筒4b側にいくらか引き締まってきた頃である。
図8の状態で、後半の焼成が終了した後、生地5が生焼けになっていないかを確認する。第2の遮蔽物の確認穴2cに竹串などの細い棒を、上面2aから差し、更に焼き型4の底部4cに向けて差し込み抜き取り、棒の先に生の生地5が付いていないかを確認する。
第2の遮蔽物を用いて焼成する場合は、生地5の上面を焦がさずに焼き上げる事ができるが、どんな焼成をする場合でも、いつまでも加熱し続ければ、そのうち生地5の水分がどんどん失われ、生地5の水分も蒸発と共に失われ、生地5が縮み始めて焦げてくるはずであるから、やはり加熱時間を大幅に上回らないようにする事が好ましい。
生地5が生のまま竹串などの細い棒に付いてこなければ、第2の遮蔽物が設置されたままの状態で、焼き型4をオーブンから取り出し、まな板のような少し厚みのある台の上に置く。まな板を使う場合、熱で溶けないものを使う。
この作業は静かに落ち着いて行う。どこかに焼き型4をぶつけたりすると、焼き型4の外枠4r、筒4a、底部4c、第2の遮蔽物の下面2eに焼き付いた生地5が衝撃で剥がれてしまう事がある。
図9は生地5が第2の遮蔽物の下面2eに焼き付き保持されたまま,焼き型4を逆さまにした状態である。水分調節穴2hに指を入れ(勿論、焼成時に使用する専用の手袋を使用する事。)、焼き型4の筒4bを支え、焼き型4ごとまな板の端までずらし、今度は焼き型4の底部4c、底部4fと第2の遮蔽物の上面2aを抑えながらゆっくりひっくり返す。焼き型4と第2の遮蔽物に衝撃を与えないように落ち着いて行う。
生地5から蒸発する水分が第2の遮蔽物の下面2eに溜らないようにする為もあるが、せっかく下面2eに焼き付いた生地5が完全に冷めるまでの間、剥がれないようにする為、焼き型4を逆さまにするのが一番良い。
生地5が第2の遮蔽物の下面2eに焼き付いているので、低い位置で生地5を冷ます事が出来て安定感もある。生地5の粗熱が取れた後も暫く一時間ほどはこのまま冷ます。
次に第2の遮蔽物に生地5が焼き付いたままの状態で、焼き型4と第2の遮蔽物をゆったりと覆う事ができるサイズの少し厚みのあるビニール袋に入れ、生地5の乾燥を防ぎ、焼き型4を逆さまにしたまま冷蔵庫に入れて冷やす。ビニール袋が薄すぎると、冷蔵庫庫内の食品の臭気を生地5が吸収してしまう事がある。
第2の遮蔽物に焼き付いた生地5を剥がす時も、第2の遮蔽物に生地5が焼き付いたままの状態、焼き型4が逆さまの状態で行う。生地5を冷ました後は離型専用ナイフを使い、まず始めに第2の遮蔽物に生地5が焼き付けられている部分にナイフを入れて剥がす。
次に第2の遮蔽物の側縁を片手でつまんで押さえ、反対側の手で生地5と第2の遮蔽物の間にナイフを差し入れ、第2の遮蔽物を摘まんでいる方の手で、少しずつ第2の遮蔽物を前に送るように移動しながらナイフで生地5を剥がしてゆく事が好ましい。注意点としては焼き型4の底部4c、底部4fを上から押さえて生地5を剥がさない事である。焼き膨らんだ生地5が第2の遮蔽物の下面2eに焼き付いているので、生地5がよじれてしまう場合がある。
生地5が焼き付いた第2の遮蔽物を取り外したら、今度は逆さになっていた焼き型4を上に向けて置く。
今度は焼き型4から生地5を剥がして取る。生地5の上面が膨らんでいるが、場合によっては膨らんだ生地5の部分が、外側横方向にも膨らんでいる事がある。いずれにしても焼き型4から焼き上がった生地5を取り出す時は、従来の方法の焼成をした時にも、いくつかの注意やテクニックを要する。
本発明によって焼き上げた生地5を、焼き型4から取り出す時は焼き型4からはみ出して膨らんだ生地5の側面を手のひらで覆い、焼き膨らんだ生地5を筒4b側の方へ、内側に寄せるようにして焼き型4の外枠4rからいくらか生地5を剥がしておく。
片方の手で焼き膨らんだ生地5の側面部分を筒4b側に寄せながら、焼き型4の開口上部の外枠4rに焼き付いた生地5の間にナイフを入れ、焼き型4の下方向にナイフを差し込み、焼き型4の中心を軸にして焼き型4を移動しながら連続的に生地5を剥がしてゆく。(一般的な生地5の剥がし方)
焼き型4の外枠4rに焼き付いた生地5を剥がす事ができたら、今度は筒4bに焼き付いた生地5の側面にナイフを差し込み剥がしてゆく。
次に底部4cに焼き付いている生地5の間にナイフを入れ剥がしてゆく。
今度は出来上がった生地5を逆さまにして筒本体を取り外す。この際、焼き型4の底部4cに焼き付いた生地5の方が上になるが、しかし本発明で製造した食品は生地5の上面が膨らんでいる方をすぐに上に向けて置く。
従来の技術で焼き型4だけを使用して製造したシフォンケーキは、一般的には焼き膨らんだ方を下にして、底部4c底部4fに焼き付いた方が上という概念のものである。高さのあるシフォンケーキを作る場合は特に、焼き型4の外枠4rはテーパーがかかっているが、焼き上がった生地5を取り出す事を考慮している。
しかし、やはりテーパ―のかかった焼き型4であるため、生地5の膨らんでいる方を上にしたまま放置するのは良くない。出来上がった食品を食べるサイズにカットし、皿に寝かし並べてストックする事が好ましい。
これらの工程を経てシフォンケーキが完成した。焼き型4に生地5を充填した後、第2の遮蔽物を設置してオーブンで加熱して食品が製造できた。
従来の方法では生地5を膨らませる材料でシフォンケーキを製造した場合は、生地5の上面を切り落として食べる事い。
本発明においては焼き膨らんだ部分が、第2の遮蔽物下面2eに焼き付けて焼いた部分は、シュークリームの皮をソフトにしたような食感で甘みを持ち、焼き型4に収められて出来上がった生地5はグルテンの効いたモチモチとした食感となった。通常のシフォンケーキを作る時とほぼ同じくらいの分量で作っているにもかかわらず、焼き型4の上面開口部から筒上部4aに設置した第2の遮蔽物までの間隔があるが、この長さの分、焼き膨らんだ生地5の高さがほぼ維持された。従来では生地5の上面の生地5の部分は縮まっているのは当然の事で、その上、場合によっては卵の臭みが強く残る事もあったが第2の遮蔽物を用いた事で、芳醇な香りが漂うシフォンケーキが出来上がった。
実施例1の工程をより端的に説明する。(1)生地5を作る。(2)焼き型4に生地5を充填(3)生地5を入れた焼き型4の筒上部4aに第2の遮蔽物を乗せて治具3で水分調節穴2hを塞ぐ。(水分調節穴2hの開閉する図3の示す治具3と同一の働きをする第1の遮蔽物を使用しても良い。)(4)前半180度で約15分前後、生地5の膨らんだ部分に焼き色が付くまで更に約5分前後焼成する。(5)オーブンを開け、第2の遮蔽物の水分調節穴2hを治具3で開け、後半の焼成は約10分前後。(9)オーブンを開け第2の遮蔽物の確認穴2cに竹串を差し、生地5が生焼けになっていないかを確認。(10)焼き上がっていたら、オーブンから第2の遮蔽物が取り付けられた焼き型4をそのまま、一度台に置き、その次に逆さまにして冷ます。(11)更にそのままビニール袋に入れ冷蔵庫に入れて、香りを封じ込め熟成させる。一晩置く方がよい。(12)第2の遮蔽物を外し、焼き型4から離形専用ナイフで生地5を剥がしシフォンケーキを取り出し完成。
パン生地で焼く場合は、主に生地を膨らませる為イースト菌を使用するが、パンの種類、材料、組み合わせは数限りなく存在する。パン生地については、生地そのものの性質上、メレンゲの多い、粉類の少ない生地5を焼成した時のように生地の上面は極端に縮むことはあまりないので、生地を第2の遮蔽物に焼き付けるというよりは、むしろ焼き膨らんだ生地を、焼き焦がさないようにする為に本発明を適用する事が好ましい。本発明は生地5の上面の焦げを防止する際にとても役に立つ。食品の美味しさは生地5の作り出す芳香が、深く関わるので焼き焦げを作らないようにして焼成する事は大変重要である。
本発明はメレンゲを使った、粉類の少ない配合の生地5で、生地5の上面が焼き膨らんだままの状態で維持され、柔らかく香ばしく、弾力性を持ち備えたシフォンケーキを製造する為のレシピを、開発する為に行ってきた焼き実験の中から開発されたものである。焼き実験では最大限膨らませた食品を作る場合、加熱途中で生地5の上面がどうしても焦げてしまうという事が起きてしまい、焼き膨らんだ食品を製造するには生地5の上面の焦げを防ぐ事が第一歩となった。(オーブンのサイズや、オーブンの種類などにもよる。)
次に比較例として、図10の示すように従来のように焼き型4だけを使用して、生地5の粉類の少ないメレンゲを多く使用した材料の配合で生地5を焼成した場合は、オーブンから出した時に生地5が内包する空気の体積が急激な温度変化で縮小する事によって生地5の上面の焼き縮み8が出来てしまっていた。少なくとも私達が行ってきた従来技術での焼き実験では、生地5の上面が縮まなかった事は一度もなかった。生地5の上面が一度は膨らみ、またすぐに縮んでしまうのは、ごく当たり前と言えるかもしれないが、この当たり前のように起こる物理的現象に逆らった方法を用いる事で、生地5の上面を伸ばした状態で維持する事が出来た。
一般的には生地5の材料の中に膨張材などを使う事も多い。膨張材は大変優れた作用を持った材料ではあるが、多く使うと若干食品が堅くなったり、食品に苦味を生じる事もあった為、実施例では使用を控えた。勿論膨張材を使用しシフォンケーキを製造する場合でも本発明は大いに役立つ。一般的なシフォンケーキの材料にプラスして他の材料を混ぜる場合は、生地5の配合をいくらか調節するが生地5に混ぜる材料によっては、また一味違ったシフォンケーキを製造する事ができる。
実施例2は図1の示す第1の遮蔽物、図2の示す第2の遮蔽物を使用。図5の示す焼き型4で外枠4r上面開口部直径17cmサイズ使用。容量約1370ml(焼き型4の筒4bを差し引いた容量) 材料の分量 「メレンゲの材料」卵白 約160g、砂糖 約50g、塩0.5g、 レモン汁約8cc 、「卵黄生地の材料」卵黄 約70g、小麦粉 約60g、砂糖約40g、お湯 約50g前後(50度前後に温めたもの)またはお湯の代わりにヨーグルト 約50g、塩 約0.5g、 レモン汁 約8cc。上記に示した「メレンゲの材料」と「卵黄生地の材料」を別々に作り、これらの材料を混ぜ合わせて作った生地5を使用。(卵黄生地を作る時にはクリームチーズをいくらか温めてから入れてハンドミキサーで良く攪拌する。)
焼き型4に油を塗らない。第1の遮蔽物の下面1e、第2の遮蔽物の下面2eにも油を塗らずに使用する。
「シフォンケーキを製造する工程」図15に示すように焼き型4に生地5を充填した後、焼き型4の筒上部4aに、水分調節穴2hのある第2の遮蔽物の係止部2bで係止させ乗せ、更に第1の遮蔽物の係止部1bを第2の遮蔽物の係止部2bに重ね合わせて乗せ、生地5を180度で焼成を
する。
実施例1とほぼ同じの手順で焼成を約10〜15分するが、生地5が第2の遮蔽物の下面2eに膨らんで焼き付いて焼き色が付いた後も、このまま更に10〜15分ほど焼成して、第2の遮蔽物の水分調節穴2hは塞いだまま最後まで焼成する。
焼成終了後はオーブンを開け、第1の遮蔽物を取り除き、第2の遮蔽物の確認穴2cに竹串を差して抜き取り生地5の焼き上がりを確認する。
焼成が完了した後の工程は、実施例1と全く同じである。実施例1と同じく焼き型4の筒上部4aに第2の遮蔽物を設置してシフォンケーキを製造できた。
クリームチーズなどの油脂の強い材料を多く使う場合は、生地5がずっしりとしている為、第2の遮蔽物に生地5を下面2eまで膨らませる為にメレンゲを多く使った。
生地5の水分量が少し多めになるように、第2の遮蔽物の水分調節穴2hを第1の遮蔽物の係止部1bで塞いだまま生地5を焼成した。
通常は、油脂の多い材料を混ぜて生地5を作った場合、生地5の上面の膨らみは更に維持されにくくなるが、出来上がった食品は水分も保たれ、しっとりとした膨らみのあるシフォンケーキが出来上がった。実施例1と同じく、第2の遮蔽物を使用して生地5を焼成している為、香りが大変良くなった。
図5の示す焼き型4で外枠4r上面開口部、直径23cmサイズ使用。容量 約3935ml(焼き型4の筒4bを差し引いた容量)。焼き型4に生地5を充填できる容量は、一般的にはどのメーカの焼き型4もサイズごとにほぼ近い容量であるが、メーカーによっては異なる場合も勿論ある。図1の示す第1の遮蔽物と図2の示す第2の遮蔽物を使用。また焼き型4の外枠4r上面開口部側縁に、図18の示す支持具12を取りつけて生地5の焼成を行った。
支持具12を使用した理由としては、小麦粉に対して生地5に混ぜ合わせたメレンゲの量が多く使用されているという事と、また、焼き型4が23cmサイズである事もあり、生地5が加熱で膨張し、生地5の上面が第2の遮蔽物を押し上げてしまう事があるからである。勿論第1の遮蔽物も第2の遮蔽物のおもりとしての役割もあるが、焼き型4のサイズがこの場合、かなり大きい事もあり第2の遮蔽物が生地5の膨張で、押し上げられてしまう事を防ぐ為に、焼き型4の17cmサイズを使用した時とは異なり、かなりの重量の第1の遮蔽物でなければならなくなる場合もあると考え、焼き型4の23cmサイズの大きさを考慮し、支持具12を使用し第2の遮蔽物をしっかりと焼き型4の外枠4r上面開口部側縁に固定して生地5の焼成をした。しかし、焼き型4に充填する生地5の分量や配合、また生地5の焼成温度を若干調整するなどの工夫をすれば、支持具12を使用する必要がない場合も勿論ある。またこの実施例3でも水分調節穴2hの開閉をできる図3の示す治具3を使用しても良い。
「メレンゲの材料」卵白 約320g、砂糖 約100g、塩 約1g、レモン 約8cc「卵黄生地の材料」卵黄 約150g、小麦粉 約160g、お湯 約120g(50度くらいに温めたもの)、植物油 約90g 砂糖 約70g、塩 約1g、レモン8cc 「メレンゲの材料」と「卵黄生地の材料」を混ぜ合わせて作った生地5を使用。
焼き型4に油を塗らない。第1の遮蔽物の下面1e、第2の遮蔽物の下面2eにも油を塗らずに使用する。
「シフォンケーキを製造する工程」焼き型4の上面開口部側縁に支持具12を取り付ける。
材料を混ぜて作った生地5を焼き型4に充填し、焼き型4の上面開口部側縁に取りつけられた支持具12の差込口Aに第2の遮蔽物の側縁を差し込み、第2の遮蔽物を焼き型4の筒上部4aに係止部2bで設置した後、第2の遮蔽物の上に、第1の遮蔽物を重ね合わせて設置する。
オーブンの温度180度で、前半約20分前後生地5の焼成をする。生地5が焼き膨らんで第2の遮蔽物の下面2eに焼き付いた部分の生地5に焼き色がある程度付いたらオーブンを開け、第1の遮蔽物を取り除き、第2の遮蔽物の水分調節穴2hを開ける。
ここからの工程は実施例1と同じ手順で生地を焼成するが焼き型4が大きい為、後半は15〜20分前後加熱する。
生地5の焼成後は焼き型4の側縁に取り付けた支持具12をそのままの状態にしておく。支持具12は生地5の離型をする時に外す。その後は実施例1,2と同じく第2の遮蔽物の下面2eに焼き付いたままの状態で、焼き型4を逆さまにする。
この後の工程も実施例1,2と同じ工程。大きな焼き型4を使用して製造したシフォンケーキは更にボリューム感があるシフォンケーキが出来上がった。図21は第2の遮蔽物によって生地5が焼き膨らんだまま維持された状態を示している。図22は焼き型4の筒上部4aから約1cm下がったところまで、生地5が維持されている事を示している。これは第2の遮蔽物の係止部2bの窪みの長さ1cmによるものである。図23では、第2の遮蔽物に生地5を焼き付けたままの状態で、生地5を冷ましている状態である。この図ではまだ支持具12が取り付けられている。
生地5の離型をする時は支持具12を全てはずす。この後の工程は実施例1と同じである。
図17の示す焼き型11は上面開口部直径20cmサイズ使用。焼き型11の容量は、約1762ml。図2の示す第2の遮蔽物を使用。また水分調節穴2hを開閉する治具3を用いた。(焼き型11に紙を敷かない場合は、焼き型11の底板11f、内側面11aにバターを塗り、図19の示すようにして焼き型11の側縁11kに図18の示す支持具12を取り付け準備しておく。
第2の遮蔽物の下面2eには油を塗らずに使用する。
全卵 約210g、小麦粉 約110g、 砂糖 約110g、溶かしバター 約30g、塩約0.5g、レモ汁 約2.5cc
「食品を製造する工程」全卵、塩、砂糖を加えて湯煎しながら一緒に混ぜ合わせてよく乳化させたものに、小麦粉、溶かしバターを入れ、あまり小麦粉のグルテンが出過ぎないようにしながら全ての材料を混ぜ合わせて生地5を作る。
図19の示す焼き型11の側縁11kに支持具12を取り付けて、材料を混ぜ合わせた生地5を焼き型11の約6分目まで流し込む。流し入れた生地5の上面が平らになるように焼き型11を少しだけ揺する。
図19の示すように、焼き型11の側縁11kに取り付けた支持具12の差込口Aに、第2の遮蔽物の側縁を入れ設置する。
焼き型11の上面開口部から間隔を空けた上部に設置した第2の遮蔽物の水分調節穴2hを、図3の示す治具3の被せ部3aで塞ぎ、焼成終了までこのままの状態にする。または、生地5の上面が少し乾いた状態が良い場合は水分調節穴2hを治具3で開く事も良い。(この実施例4の場合は、第2の遮蔽物の水分調節穴2hを塞いだまま焼成する為、第1の遮蔽物だけを使用しても同じである。)
オーブンの温度約180度で約20〜25分生地5を焼成する。焼成温度や加熱時間はオーブンの種類、性能などによって変わる。
第2の遮蔽物の水分調節穴2hを焼成終了まで治具3で塞いだまま生地5を焼成した。
生地5が焼き上がった後、オーブンの周辺に焼き型11と第2の遮蔽物をぶつけないように注意し、焼き型11の外枠の側面11aを持ち上げオーブンから出す。角皿を引き出す場合も静かに気を付けて行う。
次にこの場合、治具3が取り外せるので治具3を外す。第2の遮蔽物と焼き型11を連結している支持具12を外し、第2の遮蔽物も外して、残りの支持具12を取り外す。
焼き型11から生地5を取り出し、ケーキクーラーなどに乗せて冷ます。こうして生地5の乾燥を最小限に抑え、生地5の上面を焦がさず水分を保ち香りの良い食品が完成した。
チーズケーキなどを作る場合、生地5の上面をしっとりさせておきたい時は、水分調節穴2hを治具3によって塞ぐ事が好ましい。(水分調節穴2hのない第1の遮蔽物だけを使用しても勿論良い。)
実施例4の工程を、より端的に説明する。(1)焼き型11の側縁11kに支持具12を取り付けて準備する。(2)生地5を作る。(3)(1)で準備した焼き型11に、生地5を充填する。(4)第2の遮蔽物を支持具12の差込口Aに入れてセットする。治具3で水分調節穴2hを塞ぐ。(5)オーブンの温度約180度で約20〜25分焼成する。(6)オーブンから焼き型11を出し、支持具12を外し、治具3と第2の遮蔽物を取り除く。(7)焼き型11から生地5を取り出す。(8)ケーキクーラーなどに乗せて冷まして完成。
本発明は以上の説明の内容からなるが、本発明は以上の内容に限定されるものではなく、また本発明品の形状、構造についても同一技術的範疇のものが適用され、これらに限定されるものではない。
近年では一般家庭においても、まるで専門家のように食材を調理する人たちが増加し、使用する調理器具や食材などにもこだわり、それぞれのアイディアがとてもバラエティに富んだものとなっている。このような側面からも本発明は新しい食品の創作にも適用されるものであり、その利用範囲は広い。
1 第1の遮蔽物
1a 上面
1b 係止部
1e 下面
2 第2の遮蔽物
2a 上面
2b 係止部
2c 確認穴
2e 下面
2h 水分調節穴
3 治具
3a 被せ部
3b 取手部
4 焼き型
4a 筒上部
4b 筒
4c 底部
4r 外枠
4e 底なし形状
4f 底部
4h 筒穴
5 生地
7 焦げ
8 縮み
9 アルミホイル
10 ビン
11 焼き型
11a 内側面
11b 外側面
11c 底部
11e 底なし形状
11f 底板
11k 側縁
12 支持具
12a 差込口上面
12b 差込口下面
12z 内クリップ
12e 側縁乗せ位置
12f 外クリップ
12h 側縁乗せ位置
12r 外クリップ
A 差込口

Claims (3)

  1. 底部と外枠と前記底部の中央に突出して配置される煙突状の筒とからなる焼き型(シフォンケーキ型)でシフォンケーキの生地を焼成する際に使用する遮蔽物であって、前記焼き型の前記筒上部に着脱可能の前記遮蔽物本体は平板状で中央に前記筒上部に係止させる為の係止部を形成し、前記係止部に水分調節穴を開口形成した係止部を有する第2の遮蔽物と、該第2の遮蔽物の上面に着脱可能の前記第2の遮蔽物の前記水分調節穴を開閉自在に閉止する係止部を有する第1の遮蔽物又は前記第2の遮蔽物の前記水分調節穴を開閉自在に閉止する被せ部及びこれに連結する取手部を有するスプーン状の治具とからなり、前記第2の遮蔽物の平板状の任意の場所に前記生地の焼き上がりを確認する為の確認穴が形成されていることを特徴とするシフォンケーキの生地を焼成する際に使用する遮蔽物。
  2. 底部と外枠と前記底部の中央に突出して配置される煙突状の筒とからなる焼き型(シフォンケーキ型)及び請求項1に記載する前記遮蔽物の組み合わせからなる事を特徴とする遮蔽物搭載の焼き型。
  3. 請求項2に記載する前記遮蔽物搭載の焼き型を用いてシフォンケーキの生地を焼成する事を特徴とするシフォンケーキの製造する方法。
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