JPH0712367A

JPH0712367A - 空気調和機

Info

Publication number: JPH0712367A
Application number: JP5149438A
Authority: JP
Inventors: Kaoru Mochizuki; 馨望月; Takumi Oikawa; 巧及川
Original assignee: Toshiba Corp
Current assignee: Toshiba Corp
Priority date: 1993-06-21
Filing date: 1993-06-21
Publication date: 1995-01-17
Anticipated expiration: 2016-05-28
Also published as: JP3169480B2

Abstract

(57)【要約】【目的】難燃性電気部品箱の焼却時においても有害ガス
が発生することがなく、環境汚染の防止と焼却炉の劣化
の低減と共に、再利用の促進を図る。【構成】空気調和機１の室内機２内に内蔵される電気部
品箱３をノンハロゲン系難燃性材料により構成する。ノ
ンハロゲン系難燃性材料の組成配合を、７０％のＡＢＳ
樹脂に３０％の赤リンを添加して成る赤リンマスターバ
ッチを２０〜３５％，黒鉛を３〜７％にそれぞれ設定す
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は電源トランス等電気部品
を収容する電気部品箱を有する空気調和機に係り、特
に、電気部品箱の難燃性材料を改良した空気調和機に関
する。

【０００２】

【従来の技術】一般に、空気調和機は、その室内機等
に、電気部品を収容する電気部品箱を内蔵しているが、
従来の電気部品箱はハロゲン系難燃性材料のインジェク
ション成型品により構成されている。その理由は、電気
部品箱内に内蔵されている電気部品が異常発生等によ
り、万一発火したときに、他の部品への延焼を防止する
ためである。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の電気部品箱の難燃性材料では、塩ビ系や臭素
系、三酸化アンチモン等を２〜３種類適宜組み合せて難
燃性を付与しており、これらがハロゲン系であるので、
電気部品箱の焼却処分時には、塩素や臭素等のハロゲン
が分解して発生し、腐蝕性ガス等のハロゲン系ガスが発
生して外部環境に放出されるので、喉を痛める等の環境
を汚染するという課題がある。

【０００４】また、この電気部品箱を焼却処分する焼却
炉が腐蝕性ガスにより腐蝕を促進させて劣化を早めるの
で、熱エネルギへの変換等再利用を図る上でも大きな障
害となっている。

【０００５】そこで、本発明はこのような事情を考慮し
てなされたもので、その目的は難燃性電気部品箱の焼却
時等においても有害ガスを発生せず、環境の汚染防止と
再利用の促進とを共に図ることができる空気調和機を提
供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は前記課題を解決
するために次のように構成される。

【０００７】本願の請求項１に記載の発明（以下、第１
の発明という）は、電気部品を収容する電気部品箱を有
する空気調和機において、前記電気部品箱をノンハロゲ
ン系難燃性材料により構成したことを特徴とする。

【０００８】また、本願の請求項２に記載の発明（以
下、第２の発明という）は、ノンハロゲン系難燃性材料
は、その組成配合を、７０％のＡＢＳ樹脂に３０％の赤
リンを添加してなる赤リンマスターバッチを２０〜３５
％、黒鉛を３〜７％にそれぞれ設定したことを特徴とす
る。

【０００９】

【作用】電気部品箱をノンハロゲン系難燃性材料により
構成しているので、電気部品の異常等における発火の延
焼を防止することができる。

【００１０】また、難燃性材料がノンハロゲン系であ
り、ハロゲン系を使用していないので、この電気部品箱
の焼却時においても腐蝕性ガス等のハロゲン系ガスが発
生しない。このために、電気部品箱の焼却処分時にも喉
を痛める等の環境汚染と、焼却炉の腐蝕促進とを共に防
止することができるので、熱エネルギへの変換等の再利
用を図ることができる。

【００１１】

【実施例】以下、本発明の実施例を図１，図２に基づい
て説明する。

【００１２】図１は本発明の一実施例の要部斜視図、図
２は図１で示す要部の分解斜視図であり、図において、
空気調和機１は例えば室内機２内に電気部品箱３を内蔵
している。

【００１３】電気部品箱３は図２に示すように電源トラ
ンス４、電源スイッチ５、スイッチ基板６、コネクタホ
ルダ７、ＳＬコネクタ８、サービス用マイコン９等の電
気部品を収容ないし取り付けている。

【００１４】そして、電気部品箱３はノンハロゲン系難
燃性材料により構成されており、難燃性を有する。この
ノンハロゲン系難燃性材料の組成配合の一例としては、
耐熱性や寸法安定性等の部品用途から、ＡＢＳ樹脂をベ
ース材料として、赤リンマスターバッチを形成し、この
赤リンマスターバッチを２０〜３５％、難燃性材料とし
て黒鉛を３〜７％に設定している。なお、赤リンマスタ
ーバッチは７０％のＡＢＳ樹脂に、難燃性材料として赤
リンを３０％添加して形成されている。

【００１５】そして、この難燃性材料の組成内容として
は、難燃ランクにより、その内容と割合を種々変更して
もよく、難燃レベルが１／１２″・ｕｌ９４・５Ｖの場
合の実施例１の組成内容と材料物性を次に示す。

【００１６】実施例１（組成内容）ＡＢＳ樹脂：６０〜７０％，赤リンマスターバッチ（赤リン30%,ＡＢＳ樹脂70%)：２
５〜３５％，黒鉛：５％

【表１】

【００１７】したがって、本実施例では、電気部品箱３
の難燃性材料としてはノンハロゲン系を使用し、ハロゲ
ン系を使用しないので、電気部品箱３の燃焼時に腐蝕性
の強いハロゲン系ガスが発生しない。

【００１８】このために、喉を痛める等の環境汚染を未
然に防止することができる上に、電気部品箱３を焼却す
る焼却炉の腐蝕の促進を防止してその劣化を低減するこ
とができる。その結果、電気部品箱３の焼却処分が可能
となり、熱エネルギへの変換等による再利用を促進する
ことができる。

【００１９】また、電気部品箱３の製造時には、腐蝕性
ガスが発生しないので、電気部品箱３の成形用の金型
に、Ｃｕメッキ処理等の腐蝕防止処理を施す工程が不要
になる。このために、かかる作業性の簡単化とコスト低
減とを共に図ることができる。

【００２０】さらに、従来のハロゲン系難燃性材料は例
えば２２０℃以上の成形温度に上昇すると、熱分解を起
こすので、電気部品箱３のインジェクション成形温度を
２２０℃以下に抑制する必要があるが、本実施例では難
燃性材料としてハロゲン系を使用しないので、このよう
な成形温度に抑制する必要がなく、インジェクション成
形温度幅を広くとることができる。

【００２１】また、スプールやランナ等の廃材を再利用
できるので、省資源化を図ることができる。

【００２２】なお、前記実施例１では難燃ランクが１／
１２″・ｕｌ９４・５Ｖの場合について説明したが、本
発明はこれに限定されるものではなく、例えば難燃ラン
クが１／８″・ｕｌ９４・Ｖ−０の場合にはＡＢＳ樹脂
が７０〜８０％、赤リンマスターバッチが１５〜２０
％、黒鉛が１５〜２０％の組成配合でもよい。

【００２３】

【発明の効果】以上説明したように本発明は、電気部品
箱の難燃性材料としてノンハロゲン系を使用し、ハロゲ
ン系を使用しないので、電気部品箱の焼却処分時等に腐
蝕性ガス等のハロゲン系ガスが発生しない。このため
に、喉を痛める等の環境汚染の防止と焼却炉の腐蝕促進
とを共に防止することができる。

【００２４】また、このために、電気部品箱の焼却処分
が可能となるので、熱エネルギへの変換等の再利用を図
ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る空気調和機の一実施例の要部切欠
斜視図。

【図２】図１で示す要部の分解斜視図。

【符号の説明】

１空気調和機２室内機３電気部品箱４電源トランス

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】電気部品を収容する電気部品箱を有する
空気調和機において、前記電気部品箱をノンハロゲン系
難燃性材料により構成したことを特徴とする空気調和
機。
【請求項２】ノンハロゲン系難燃性材料は、その組成
配合を、７０％のＡＢＳ樹脂に３０％の赤リンを添加し
てなる赤リンマスターバッチを２０〜３５％、黒鉛を３
〜７％にそれぞれ設定したことを特徴とする請求項１記
載の空気調和機。