JPH0712315B2 - エイコサペンタエン酸及びこれを含有する脂質の製造方法 - Google Patents

エイコサペンタエン酸及びこれを含有する脂質の製造方法

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JPH0712315B2
JPH0712315B2 JP61158651A JP15865186A JPH0712315B2 JP H0712315 B2 JPH0712315 B2 JP H0712315B2 JP 61158651 A JP61158651 A JP 61158651A JP 15865186 A JP15865186 A JP 15865186A JP H0712315 B2 JPH0712315 B2 JP H0712315B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は醗酵法によるエイコサペンタエン酸及びこれを
含有する脂質の製造方法に関する。
〔従来技術〕
従来からエイコサペンタエン酸(以下EPAという)の生
産方法としては、魚油またはある種の藻類より抽出、精
製する方法がとられている。しかしながら、いずれの方
法においても、魚油中のEPA含量は低く、さらには不完
全な精製、濃縮では魚臭が残る等、また藻類の培養に
は、ある一定以上の光照射が必要条件である等、残され
ている問題は多い。
また、モルティエレラ(Mortierella)属の微生物を用
いるEPAの製造方法は知られていない。
〔発明が解決しようとする問題点〕
本発明は、従来EPAを生産する能力を有することが知ら
れていなかったモルティエレラ属微生物を使用して、安
価な常用の培地を用いて、高収率で、しかも単純な工程
でEPA及びこれを含有する脂質を製造することができる
方法を提供しようとするものである。
〔問題点を解決するための手段〕
上記の目的はモルティエレラ属に属しEPA生産能を有す
る微生物を培養してEPA又はEPAを含有する脂質を生成せ
しめ、そしてEPAを採取することを特徴とするEPAの製造
方法;及びモルティエレラ属に属しエイコサペンタエン
酸生産能を有する微生物を培養してエイコサペンタエン
酸を含有する脂質を採取することを特徴とするエイコサ
ペンタエン酸を含有する脂質の製造方法により達成され
る。
〔具体的な説明〕
本発明においては、モルティエレラ属に属し、EPA生産
能を有する微生物であれば、すべて使用することができ
る。このような微生物として、例えばモルティエレラ・
エロンガタ(Mortierella elongata)IFO 8570、モルテ
ィエレラ・エキシグア(Mortierella exigua)IFO 857
1、モルティエレラ・ヒグロフィラ(Mortierella hygro
phila)IFO5941等を挙げることができる。これらの菌株
はいずれも、財団法人醗酵研究所からなんら制限なく入
手することができる。
また、本発明者らが土壌から分離した菌株モルティエレ
ラ・エロンガタSAM 0219(微工研菌寄第8703号)(微工
研条寄第1239号)を使用することもできる。
次に、上記の菌株SAM 0219(微工研菌寄第8703号)(微
工研条寄第1239号)の菌学的性質を記載する。
各培地における生育状態 培養条件:25℃、暗黒下 1. 麦芽エキス寒天培地 コロニーの生育は良好、培養2日目のコロニーは直径28
−31mm、培養5日目のコロニーは直径65−72mm、コロニ
ーは浅裂状を呈する、気菌糸の発達は乏しい、胞子のう
胞子の形成は良好、胞子のう柄は気菌糸より生じる、ニ
ンニクに類似した臭いあり。
2. バレイショ・ブドウ糖寒天培地 コロニーの生育は良好、培養2日目のコロニーは直径27
−31mm、培養5日目のコロニーは直径75−80mm、コロニ
ーはバラの花状を呈する、コロニー中心部で気菌糸が著
しく発達する、コロニーの裏側は黄白色あるいは黄色、
胞子のう胞子の形成は不良、ニンニクに類似した臭いあ
り、臭いはやや強い。
3. ツァベック寒天培地 コロニーの生育は比較的良好、培養2日目のコロニーの
直径は22−24mm、培養5日目のコロニーの直径は50−53
mm、気菌糸の発達は乏しい、気菌糸が密にからまりあう
ことがある。胞子のう胞子の形成は非常に良好、胞子の
う柄は気菌糸より生じるニンニクに類似した臭いあり。
4. LCA寒天培地(培地の調製方法は、三浦宏一郎、工
藤光代著“水生不完全菌のための一寒天培地”日本菌学
会会報11巻、116−118頁、1970年に従った) コロニーの生育は良好、培養2日目のコロニーの直径は
27−29mm、培養5日目のコロニーの直径64−66mm、コロ
ニーは浅裂状を呈する、気菌糸の発達はコロニーの中心
部を除いて乏しい、胞子のう胞子の形成は良好。胞子の
う柄は気菌糸より生じる。ニンニクに類似した臭いあ
り。
検鏡観察 各培地の検鏡標本およびコロニーの直接検鏡で、胞子の
う柄、胞子のう柄の分岐の仕方、胞子のう、胞子のう胞
子などを観察した。
胞子のう柄は長さ87.5−320μm、幅は基部で3−7.5μ
m、先端に向けて先細り、1.0−2.5μmとなる。胞子の
う柄はしばしば基部で分岐する。胞子のうは球形、直径
15−30μm、内部に多数の胞子のう胞子を含む、離脱後
やや不明瞭なカラーを残す。胞子のう胞子は楕円形、希
に腎臓形、表面は平滑、7.5−12.5×5−7.5μm、厚膜
胞子は比較的多数形成される。単独、希に連鎖すること
がある。時に数本の菌糸を周囲に出すことがある。楕円
形または亜球形、12.5−30×7.5−15μm。または直径1
2.5−15μm。接合胞子は観察されない。
3. 生理的性質 最適生育条件 pH:6−9 温度:20−30℃ 生育の範囲 pH:4−10 温度:5−40℃ 以上の菌学的諸性質に従い本発明の菌株(SAM−0219)
の分類学的位置の検索を、J.A.von Arx,“The Genera o
f Fungi sporulating in Pure Culture,"3rd ed.,J.Cra
mer,1981、およびK.H.Domsch,W.Gams,& T.H.Anderson,
“Compendium of Soil Fungi,"Academic Press.1980に
準拠して求めると、胞子のう柄の先端に球状の胞子のう
を形成する、柱軸を持たない、胞子のう胞子に付属糸が
ない、培養菌糸がニンニクに類似した臭いを発する、と
いうことから本菌株はMortierella属に属する真菌であ
ると考えられる。
そこで、W.Gams,“A Key to the species of Mortierel
la,"Persoonia ,381−391,1977に準拠して既知のMort
ierella属の種類と菌学的諸性質を比較すると、本菌株
はコロニーがビロード状でない、培養菌糸がニンニクに
類似した臭いを発する、胞子のう柄が長さ87.5−320μ
mで分岐は下部でのみ生じ、葡萄の房状に分岐しない、
胞子のうは内部に多数の胞子のう胞子を含む、というこ
とからMortierella属Mortierella亜属(Sugen.Mortiere
lla)Hygrophila節(Sect.Hygrophila)に含まれると考
えられる。
Hygrophila節には22種が含まれている。本菌株とこれら
22種と菌学的諸性質を比較すると、本菌株はMortierell
a zychae,M.elongatula,およびM.elongataの3種に類似
すると考えられる。そこで、K.H.Domsch,W.Gams,&T.−
H.Anderson,“Compendium of Soll Fungi,"Academic Pr
ess,1980、W.Gams,“Some new or noteworthy species
of Mortierella,"Persoonia,111−140,1977)、およ
びG.Linnemann,“Mortierella Coemans 1863."H.Zycha
& R.Siepmann.“Mucorales Eine Beschreibung Aller
Gattungen and Arten dieser Pilzgruppe."pp.155−14
0,J.Cramer,1969を参考にして、本菌株とこれら3種と
菌学的諸性質を比較した。本菌株は、M.zychaeとは胞子
のう柄の長さと基部の幅、胞子のうの大きさで、明瞭に
異なる。M.elongataとは胞子のう胞子の形態と大きさ
で、明瞭に異なる。M.elongatulaとは胞子のう柄がやや
短い、厚膜胞子の形態が楕円形または亜球形でときに連
鎖することがあり、さらに厚膜胞子がときに数本の菌糸
を周囲に出す、という点で異なるが、本発明者らはこの
ような差異は本菌株をMortierella elongataと別種であ
るとするには十分でないと判断した。そこで、本発明者
らは本菌株をMortierella elongata SAM 0219と同定し
た。SAM 0219株は昭和61年3月19日に通商産業省工業技
術院微生物工業技術研究所(FRI)に受託番号FERM P−8
703として寄託され、微工研条寄第1239号(FERMBP−123
9)として国際寄託に移管された。
本発明に使用される菌株を培養する為には、その菌株の
胞子、菌糸又は予め培養して得られた前培養液を、液体
培地又は固体培地に接種し培養する。液体培地の場合
に、炭素源としてはグルコース、フラクトース、キシロ
ース、サッカロース、マルトース、可溶性デンプン、糖
蜜、グリセロール、マンニトール等の一般的に使用され
ているものがいずれも使用できるが、これらに限られる
ものではない。窒素源としてはペプトン、酵母エキス、
麦芽エキス、肉エキス、カザミノ酸、コーンステイプリ
カー等の天然窒素源の他に、尿素等の有機窒素源、なら
びに硝酸ナトリウム、硝酸アンモニウム、硫酸アンモニ
ウム等の無機窒素源を用いることができる。この他必要
に応じリン酸塩、硫酸マグネシウム、硫酸鉄、硫酸銅等
の無機塩及びビタミン等も微量栄養源として使用でき
る。これらの培地成分は微生物の生育を害しない濃度で
あれば特に制限はない。実用上一般に、炭素源は0.1〜3
0重量%、好ましくは1〜10重量%、窒素源は0.01〜5
重量%、好ましくは0.1〜2重量%の濃度とし、さらに
炭化水素、脂肪酸、脂肪酸塩または油脂を添加しても良
い。又、培養温度は5〜40℃、好ましくは培養開始から
10〜20℃とするか、又は20〜30℃にて培養して菌体を増
殖せしめた後10〜20℃にて培養を続けてEPAを生産せし
める。このような温度管理により、生成脂肪酸中のEPA
の比率を上昇せしめることができる。培地のpHは4〜1
0、好ましくは6〜9として、通気撹拌培養、振盪培
養、又は静置培養を行なう。培養は通常2〜10日間行
う。
固体培地で培養する場合は、固体物重量に対して50〜10
0重量%の水を加えたふすま、もみがら、米ぬか等を用
い、5〜40℃、好ましくは前記の温度において、3〜14
日間培養を行う。この場合に必要に応じて培地中に窒素
源、無機塩類、微量栄養源および、添加物として、炭化
水素、脂肪酸、脂肪酸塩、または油脂を加えることがで
きる。
このように培養して、菌体内に、EPAを含有する脂質が
生成蓄積される。液体培地を使用した場合には、培養菌
体から、次のようにしてEPAの採取を行なう。
培養終了後、培養液より遠心分離及び濾過等の常用の固
液分離手段により培養菌体を得る。菌体は十分水洗し、
好ましくは乾燥する。乾燥は凍結乾燥、風乾等によって
行うことができる。乾燥菌体は、好ましくは窒素気流下
で有機溶媒によって抽出処理する。有機溶媒としてはエ
ーテル、ヘキサン、メタノール、エタノール、クロロホ
ルム、ジクロロメタン、石油エーテル等を用いることが
でき、またメタノールと石油エーテルの交互抽出や、ク
ロロホルム−メタノール−水の一層系の溶媒を用いた抽
出によっても良好な結果を得ることができる。抽出物か
ら減圧下で有機溶媒を留去することにより、高濃度のEP
Aを含有した脂質が得られる。
また、上記の方法に代えて湿菌体を用いて抽出を行うこ
とができる。この場合にはメタノール、エタノール等の
水に対して相溶性の溶媒、又はこれらと水及び/又は他
の溶媒とから成る水に対して相溶性の混合溶媒を使用す
る。その他の手順は上記と同様である。
上記のようにして得られた脂質中には、EPAが脂質化合
物、例えば脂肪の構成成分として含まれている。これら
を、直接分離することもできるが、低級アルコールとの
エステル、例えばエイコサペンタエン酸メチルとして分
離するのが好ましい。このようなエステルにすることに
より、他の脂質成分から容易に分離することができ、ま
た、培養中に生成する他の脂肪酸、例えばパルミチン
酸、オレイン酸、リノール酸等(これらも、EPAのエス
テル化に際してエステル化される)から容易に分離する
ことができる。例えば、EPAのメチルエステルを得るに
は、前記の抽出脂質を無水メタノール−塩酸5%〜10
%、BF3−メタノール10%〜50%等により、室温にて1
〜24時間処理するのが好ましい。
前記の処理液からエイコサペンタエン酸メチルエステル
を回収するにはヘキサン、エーテル、酢酸エチル等の有
機溶剤で抽出するのが好ましい。次に、この抽出液を無
水酢酸ナトリウム等により乾燥し、有機溶媒を好ましく
は減圧下で留去することにより主として脂肪酸エステル
から成る混合物が得られる。この混合物中には、目的と
するエイコサペンタエン酸メチルエステルの他に、パル
ミチン酸メチルエステル、ステアリン酸メチルエステ
ル、オレイン酸メチルエステル等が含まれている。これ
らの脂肪酸メチルエステル混合物からエイコサペンタエ
ン酸メチルエステルを単離するには、カラムクロマトグ
ラフィー、低温結晶化法、尿素包接体法等を、単独で、
又は組み合わせて使用することができる。
こうして単離されたエイコサペンタエン酸メチルからEP
Aを得るには、アルカリで加水分解した後、エーテル、
酢酸エチル等の有機溶媒で抽出すればよい。
また、EPAをそのメチルエステルを経ないで採取するに
は、前記の抽出脂質をアルカリ分解(例えば5%水酸化
ナトリウムにより室温にて2〜3時間)した後、この分
解液から、脂肪酸の抽出・精製に常用されている方法に
より抽出・精製することができる。
次に、実施例により、この発明をさらに具体的に説明す
る。
実施例1 グルコース5%、ペプトン0.5%、酵母エキス0.3%及び
麦芽エキス0.3%を含む培地(pH6.0)50mlを500ml容坂
口フラスコに入れ、120℃で20分間殺菌した。モルティ
エレラ・エロンガタSAM 0219(FERM P−8703)(FERM B
P−1239)1白金耳を接種し、レシプロシェーカー(110
rpm)により12℃で7日間振盪培養した。培養後、濾過
にて菌体を回収し、十分水洗した後、凍結乾燥した。こ
れにより、0.7gの乾燥菌体を得た。この菌体より、クロ
ロホルム−メタノール−水の一層系の溶媒を用いるBlig
h & Dyerの抽出法によって総脂質を抽出したところ、1
50mgの脂質が得られた。この脂質を無水メタノール−塩
酸(95:5)を用いて、20℃にて3時間処理することによ
ってメチルエステル化し、エーテルで抽出して95mgの脂
肪酸メチルを得た。この脂肪酸メチルの組成はガスクロ
マトグラフィーによる分析で、パルミチン酸メチル12
%、ステアリン酸メチル12%、オレイン酸メチル24%、
リノール酸メチル5%、γ−リノレン酸メチル8%、ビ
スホモγ−リノレン酸メチル5%、アラキドン酸メチル
10%、エイコサペンタエン酸メチル13%、その他11%で
あることが認められた。この混合物脂肪酸メチルをカラ
ムクロマトグラフィーによって分離し、エイコサペンタ
エン酸メチル画分を分取し、ロータリーエバポレーター
によって溶媒を留去した結果、6.5mgの精製されたエイ
コサペンタエン酸メチルを得た。本標品と市販のエイコ
サペンタエン酸メチル標準サンプルについて、ガスクロ
マトグラフィー分析、高速液体クロマトグラフィー分
析、質量分析、及びNMR分析によって比較を行なったと
ころ、両者はいずれの分析においても一致した。精製前
及び精製後のエイコサペンタエン酸メチル量は培地当
り、それぞれ0.25mg/ml及び0.13mg/ml、乾燥菌体当りそ
れぞれ18mg/g及び9mg/gであった。
実施例2 実施例1と同じ組成の培地5を15ジャーファーメン
ターに仕込み、120℃で40分間殺菌後、モルティエレラ
・エロンガタSAM 0219(FERM P−8703)(FERM BP−123
9)の前培養液200mlを接種した。18℃、通気量0.5v.v.m
で5日間通気撹拌培養を行ない、得られた湿菌体150℃
(乾燥重量50g)について、実施例1と同様に抽出、加
水分解、及びメチルエステル化を行なったところ、総脂
質13g、及び混合脂肪酸メチル8gを得た。このものの組
成はパルミチン酸メチル13%、ステアリン酸メチル14
%、オレイン酸メチル28%、リノール酸メチル8%、γ
−リノレン酸メチル8%、ビスホモγ−リノレン酸メチ
ル3%、アラキドン酸メチル13%、エイコサペンタエン
酸メチル6%、その他7%であることが認められた。エ
イコサペンタエン酸メチルの生成量は培地当り、0.10g/
、乾燥菌体当り9.6mg/gであった。
又、培養終了後、濾過によって得られた培養濾液4,270m
lを乾燥後、実施例1と同様に抽出、加水分解、メチル
エステル化を行なったところ、7%のエイコサペンタエ
ン酸メチルを含む混合脂肪酸メチル82mgを得た。
実施例3 モルティエレラ・エキシグア(Mortierella exigua,IFO
8571)、及びモルティエレラ・ヒグロフィラ(Mortier
ella hygrophila,IFO 5941)について実施例1と同様な
操作を行なったところ、それぞれ47mg及び72mgの脂肪酸
メチルが得られた。
これらの脂肪酸メチル中に含まれるエイコサペンタエン
酸メチルを単離・精製したところ、それぞれ4.8mg、及
び7.4mgが得られた。
実施例4 グルコース2%、酵母エキス1%、Tween 20 0.2%及
び、種々の炭化水素、脂肪酸ナトリウム又は油脂0.5%
を含む培地(pH6.0)20mlを100ml容マイヤーに入れ、12
0℃で20分間殺菌した。モルティエレラ・エロンガタSAM
0219(FERM P−8703)(FERM BP−1239)1白金耳を接
種し、ロータリーシェーカー(200rpm)により28℃で5
日間培養した。得られた菌体について実施例1と同様に
抽出、加水分解、及びメチルエステル化を行なった。培
地に添加した種々の炭化水素、脂肪酸ナトリウム、及び
油脂のそれぞれについて、得られた乾燥菌体重量、総脂
質量、総脂肪酸メチル量、エイコサペンタエン酸メチル
含量、及び培地当りのエイコサペンタエン酸メチル生成
量は下表のようになった。
標準培地にはアマニ油又はリノール酸ナトリウムを添加
した場合、エイコサペンタエン酸の生成量は培地1ml当
り、0.44mg、0.32mgときわめて高い濃度となった。その
他、炭化水素、脂肪酸、脂肪酸塩または油脂を添加した
場合も著量のエイコサペンタエン酸を生成したが、無添
加の場合はほとんど生成がみられなかった。
実施例5 実施例1と同じ組成の培地20mlを100ml容マイヤーに入
れ、120℃で20分間殺菌した。モルティエレラ・エロン
ガタSAM 0219(FERM P−8703)(FERM BP−1239)1白
金耳を接種し、ロータリーシェーカー(200rpm)によ
り、28℃で5日間培養後、培養温度を12℃に変え、同様
にして3日間培養した。得られた菌体について実施例1
と同様に抽出、加水分解、メチルエステル化を行なった
ところ、エイコサペンタエン酸メチルを9%含む、混合
脂肪酸メチル75mgを得た。
実施例6 グルコース2%、酵母エキス1%を含む培地(pH6.0)2
0mlを100ml容マイヤーに入れ、120℃で20分間殺菌し
た。モルティエレラ・エロンガタSAM 0219(FERM P−87
03)(FERM BP−1239)1白金耳を接種し、ロータリー
シェーカー(200rpm)により28℃で4日間培養後、種々
の脂肪酸ナトリウム又は油脂100mgを120℃で15分間殺菌
後、添加し、さらに同様にして2日間培養した。得られ
た菌体について、実施例1と同様に抽出、加水分解、及
びメチルエステル化を行なった。培地に添加した種々の
脂肪酸ナトリウム、及び油脂それぞれについて、得られ
た乾燥菌体当り、及び培地当りのエイコサペンタエン酸
メチル生成量は下表のようになった。
上記のごとく、培養途中(培養4日後)に脂肪酸、油脂
類などを添加することにより、対照無添加区で認められ
なかったエイコサペンタエン酸が、培地1ml当り0.006mg
〜0.25g生成した。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】モルティエレラ(Mortierella)属に属
    し、エイコサペンタエン酸生産能を有する微生物を培養
    してエイコサペンタエン酸、又はエイコサペンタエン酸
    を含有する脂質を生成せしめ、そしてエイコサペンタエ
    ン酸を採取することを特徴とするエイコサペンタエン酸
    の製造方法。
  2. 【請求項2】培養開始時より、または最適生育温度で培
    養した後に最適生育温度以下の温度で培養することを特
    徴とする特許請求の範囲第1項記載の方法。
  3. 【請求項3】培地へ炭化水素、脂肪酸、脂肪酸塩、また
    は油脂を添加することを特徴とする特許請求の範囲第1
    項記載の方法。
  4. 【請求項4】培養中の培養液へ、脂肪酸、脂肪酸塩また
    は油脂を添加することを特徴とする特許請求の範囲第1
    項記載の方法。
  5. 【請求項5】モルティエレラ(Mortierella)属に属
    し、エイコサペンタエン酸生産能を有する微生物を培養
    してエイコサペンタエン酸を含有する脂質を採取するこ
    とを特徴とするエイコサペンタエン酸を含有する脂質の
    製造方法。
  6. 【請求項6】培養開始時より、または最適生育温度で培
    養した後に最適生育温度以下の温度で培養することを特
    徴とする特許請求の範囲第5項記載の方法。
  7. 【請求項7】培地へ炭化水素、脂肪酸、脂肪酸塩、また
    は油脂を添加することを特徴とする特許請求の範囲第5
    項記載の方法。
  8. 【請求項8】培養中の培養液へ、脂肪酸、脂肪酸塩また
    は油脂を添加することを特徴とする特許請求の範囲第5
    項記載の方法。
JP61158651A 1986-07-08 1986-07-08 エイコサペンタエン酸及びこれを含有する脂質の製造方法 Expired - Lifetime JPH0712315B2 (ja)

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DE8787305995T DE3783396T2 (de) 1986-07-08 1987-07-07 Verfahren zur herstellung von bishomo-gamma-linolensaeure und eicosapentaensaeure.
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